11月1日、前号で取り上げた朗読劇「茶色の朝」を無事上演し終えることができました。今回はこれを振り返ってみたいと思います。
−上演に至るまではどうだった?
つか:指導をしてもらった劇団の方がすごく良い人たちで、こういったことをやるのは初めてだったけど、楽しく稽古を進めることができました。ただ、上演前はすごく不安でした。
かな:劇団の方たちがやるのではなくて、自分たちでやるってことに不安はありました。でも、やっていくうちに楽しくなっていったし、いろんな事が決まって行くに連れて稽古が楽しみになっていきました。
ゆい:このような経験は初めてだったので、少し緊張しました。でも、人に何かを伝えようとするのは、やりがいがあって楽しかったです。政治や日本のことについて、改めて考えさせられました。
つか:人前でやるのは緊張したけど、普通に人前で話すよりは楽でした。ただ、 全然、感覚が違いました。
−感想交流会はどうだった?
ゆい:交流会では、思ったこと感じたことを意見交換できて良かったです。中学生の子たちは、「自分たちの日常生活と比べて考えてごらん」というアドバイスを受け、自分たちも茶色に染まっているということを実感していました。私も共感するところがあり、有意義な交流になったと思います。当たり前のように校則に従い、皆同じ格好をしていますが、改めて考えると疑問や不満も出てきました。このまま大人になって、日本の政治や法律にも当たり前のように無関心で生活をするようになるのかと思うと、少し恐ろしくなりました。
つか:交流会では、(劇の内容が)よくわからないという人もいたと思うけど、大人の方々の力も借りながら、少しは、理解できたかなと思います。
かな:私の所は中学1年生からおとなまで幅広い参加者だったのですが、最初ほとんどの人が「お話の内容がわからない」っていうことでした。でも、数人が「こういうことだね」って発言してくれました。また、中学1年生の子が安保法案にたとえて話してくれました。本当に怖いんだなぁという思いが伝わりました。その話を聞いてみんな「そういうことね」って納得してました。
−この経験をこの後どうやって活かしていくのかな?
かな:「茶色の朝」をやって、1つのものに縛られるのは本当に怖いことだと実感しました。だから、この話をたくさんの人に知ってもらい、交流の場をもっと設けたいと思いました。また、今回だけでなくて、色んな場でこの話をしたいです。日本だけではなくて、世界でもこのようなことが起こりうるので、もっとちゃんと考えられるよう、勉強したいです。
ゆい:自分も「茶色に染まっているな」と実感したので、もっと世の中に関心を持たないと、と思いました。来年からは選挙権ももらえるので、政治や日本、そして世界の現状について知りたいです。また、このような機会があれば参加したいです。
つか:初めての経験だったけど、すごくやってよかったと思います。劇団の人たちとは、劇自体のレベルは全然ちがってへたくそだけど、僕たち学生がやる事に意味があったと思うので、今度は違う事で挑戦したいです。
※「茶色の朝」:突然「茶色のペット以外は飼ってはいけない」という法律ができたことを軽視していたら、みるみるうちに「茶色以外許されなくなってしまった」という変化を描いた反ファシズムのフランスの寓話。
フランク・パヴロフ 著 藤本 一勇 訳
ヴィンセント・ギャロ 絵 高橋 哲哉 メッセージ
大月書店 1,000円+税