「イエス」「ノー」を使い分けるために
しっかり表示を見て選ぼう!
食品表示アドバイザー・消費者 問題研究所代表 垣田達哉さんのお話
食品添加物の表示について
食品表示法という法律ができました。消費者のみなさんにもメリットがあるのでお話しします。
食品表示は事業者と消費者をつなぐ大事な情報伝達手段です。消費者も表示からの情報を読み取って、安全で適切に活用できるよう消費者力を身につけたいと思います。
まず、原材料と添加物を明確に表示をするということになりました。今までは表示欄をみて、「添加物、どれですか?」って聞かれるとすごく困る訳です。たとえば調味料を書く欄にアミノ酸等とか、加工でんぷんとか乳化剤とか書いてあったらそれ以降全部添加物ですよってお答えしていましたけど、法律ができたので今度はスラッシュ(/)以降は全部添加物ですので、添加物が多い食品かどうかが一目でわかります。そうすると同じような食品で比較する事ができるということです。ただし、バラ売りや外食は対象外です。
次に栄養表示の義務化。容器包装された加工食品は全部表示しなくてはいけません。表示しなくていいのは小規模事業者従業員20人以下です。ということは、スーパーやコンビニでまんじゅう1個包んで売っていますね。30平方センチ以上のものは表示しなくちゃいけないんです。
表示されていないもの程怖いものはない。日本人は、表示されていないものの方が価値が高いと思っている人が多いようですが、実は逆です。その例を2つご紹介します。1つはデパ地下惣菜です。何の原材料を使って、何の添加物を使っているのか、もちろん、カロリーも一切書いてない。持ち帰ってから食べるときにできるだけ味が落ちないように添加物を使っていると思います。表示されてないからスーパーやコンビニの総菜と比較もできない。要注意です。
それから、ベーカリーも一切表示がないですね。たとえばメロンパン。パンメーカーのメロンパンの包装を見るとカロリーは大体400kcalと表示されています。「うわ!これ1個で400kcalもある、こんなの子どもに食べさせられないわ」と言っている人たちが何も表示してないベーカリーのメロンパンを並んで何個も買う訳です。
機能性表示食品とは…
機能性表示食品がこの4月から出ました。国の審査がなく届け出だけ。これが、食品安全委員会に特保の申請をしたところ安全性に問題があると却下されたものが機能性表示食品として「販売OK」になっています。日本で唯一の食品の安全を決める機関が安全性に問題があるといったものが平気で出てくるんです。これが機能性表示食品です。メーカーを信用するしかないということです。まさに消費者の自己責任。国は知らんよ、と言っているわけですから。国立健康・栄養研究所で検索すると健康食品の情報などについて、紹介してくれていますから、よかったら検索してみてください。
じゃあ一体何を信用して買ったらいいの?ずばり勘ですね。特に女性の感性って素晴らしい。あの「なんとなく」ってやつですね。それが素晴らしい。自分の感性に自信を持って選んでください。
食品表示制度が大きく変わりました。
どんなふうに変わったの?
① 原材料名表示のルール変更と添加物の明確な区分
原材料と添加物を区分して、重量順に表示するルールに統一。従来の表示ではどれが添加物なのか明確でなかったので、スラッシュ(/)で区切りを入れる、改行して区切る又は原材料名の下に「添加物」の事項名を設けて表示する。
② 栄養成分表示の義務化
栄養成分表示については任意の表示でしたが、昨今の国際的な動向や、脂質の過剰摂取による心筋梗塞の増加等を踏まえ、原則として消費者向けの全ての加工食品に、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物及びナトリウムの表示が義務化された。
なお、ナトリウムの表示は、栄養指導が食塩相当量で実施されてきたこと等を考慮して、食塩相当量で表示されます。また、義務化はされませんでしたが、飽和脂肪酸及び食物繊維について、表示する。
③ アレルギー表示のルール改善
食物アレルギーを持つ方にとって、アレルギー表示は非常に重要な情報です。アレルギーの原因となることが知られている食品(アレルゲン)について、原材料として使った場合だけでなく、原材料を作るときに使った場合も表示する制度です。
④ 製造所固有記号のルール改善
原則として2つ以上の製造工場で同一製品を製造している場合のみ使用できること、その際は、製造所の所在地等の問い合わせに対応すること。単一の工場のみで製造している場合については、製造所固有記号を使用できず、製造所の所在地及びその名称を表示すること。これ以外の変更点については、消費者庁HPをご確認ください。http://www.caa.go.jp/foods/index18.htm
なお、食品表示基準は施行されましたが、生鮮食品では1年6ヶ月、加工食品では5年間の猶予期間が設けられています。
(11月29日に行われた「草の根交流サロン」で食品表示について語られた部分を抜粋しました。)
かきたたつや●放射能汚染、中国食品、BSE、鳥インフルエンザ問題などの食の安全や食育、食品表示問題の第一人者として、テレビ、新聞、雑誌、講演などで活躍。生鮮食品の実態や自給率問題、健康食品などの加工食品、食品表示偽装、JAS法の品質表示、食品衛生法の添加物や栄養表示、景品表示法の不当表示といった食品関連だけでなく、POSシステム、物流システム、バーコードシステムにも精通している。