えんぴつカフェの「藍染め」に参加して
染めた布でバッグを作りました。坂井 喜美子さん (70代)
今年の10月に各務原市のギャラリー&カフェ204で、パッチワーク教室「柊」のメンバーとして、作品を出品予定の坂井さん。「漠然とだけど、コスモスをモチーフにした作品にしようかなって思っているんです」と、今から構想に余念がありません。
月に1回のこのパッチワーク教室に入って30数年、もはやベテランの域に達しているのでは?「いいえ、年数ばかり長くて…」とあくまでも慎ましい坂井さんですが、額に入れて飾る小品から、手提げバックやソファカバー、一番大きなものは180センチ×200センチのタペストリーと、数々の作品を手がけてきました。
「わざわざ布を小さく切り刻んで、それを縫い合わせてまた大きなものにするなんて。とよく言われるけれど、図柄を考えてちくちく手で縫い合わせた作品には、温かみがあっていいなあと思うんです」。
「一番難しいと思うのは色あわせです。パッチワークって、壁にかけてあるのを見るのと、手にとって見るのでは同じ作品でも印象は大違い。素材の段階では、えっ、こんな色使うの?と思っても、出来上がってみるといい感じに仕上がっていることも多いんですよ。どこにどんな色をもってくるか、その人の感性がみごとに出てきます」。もちろん、角をキッチリ出すことや、縫い目を揃えることなどは大前提のパッチワーク。
「最近は以前より縫い目を細かくする傾向にありますね」。
根気のいる作業、さぞや肩も凝るのでは?
「美容院で肩が凝ってますねえ、と言われますが、制作しているときは全く気にならないんですよ。疲れたら気分転換に編み物をすることも。編み物は何も考えずに手だけ動かしてるって感じでリラックスしてできるんです」。
パッチワーク以外にも、ミシンでカバンを作ったり、棒やかぎ針で編み物をしたり。こちらは全くの自己流で、自分の想いのままに好きなものを好きなように作ります。最近のお気に入りは、9月のえんぴつカフェで「藍染め」した布で作ったバック。染めたそのときから、これでバックを縫おう、と決めていたのだとか。染めるところから自作のまったくのオリジナル、まさしく一品物です。
「作りたいものがある日は、早く取り組みたいから家事をテキパキと片付けたりして、メリハリのある1日になるんです。そして、作り始めるとあっという間に時間が過ぎちゃうんですよ」。
そんな充実した日を過ごす一方で、気分次第では何もしないでのんびり過ごす日が1ヶ月近くも続くことも。そして毎週2回のバレーボールで体を思いっきり動かし、仲間と笑い合う。静と動、どちらの時間も捨て難く大切なもの。この無理せず自由なスタンスが長続きの秘訣かもしれません。
「布を見て、あ、こんなものを作ろう!と思うときも愉しいですが、作る工程はもっと愉しい。一番は、もうすぐ作品ができあがる、というときですね。不思議なもので、完成してしまうと意外に関心がなくなってしまうんです」
「娘のセーターなど、編みたい物もあるんですけど、今は10月の展示に向けてのパッチワークつくりが最優先、まだ漠然とした構想を、これから形にしていかなければいけませんしね」。