NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子
障がいのある人の選挙
7月20日に参議院選挙がありました。障がいのある人の付き添いで投票所へ一緒に行きました。初めての経験です。会場に行って、「支援者です。どうすればいいですか?」「一緒に中へどうぞ」えっ???それはいけません。「私は入らない方がいいと思いますので、投票事務の方にお願いできますか?」すると「字は書けますか?」「書けます」という会話をした後、すぐに若い男性が一人、障がいのある人について下さいました。丁寧に要所、要所で説明をして下さったので、スムーズに終えることができました。
何日も前から「選挙はどうするの?」「付いていくから大丈夫」と繰り返し同じ質問をされていたのですが、選挙が終わるとほっとしたように「ありがとう」と私にお礼を言われました。
投票は「選挙人本人が、自らの意思で投票用紙に記入し、自ら投票箱に入れなければならない」と 定められています。
選挙の公正を期するためのルールとして、 ● 投票するかしないか、誰に投票するかを決めるのは本人でなければならない ● 投票する権利を誰かに委ねることは認められていない ● 投票所内で障がい者を支援するのは、投票事務従事者に限られる ● 投票所内ではほかの選挙人の行動に影響を与えるような行為をしてはいけないということがあります。
候補者の顔写真があるといいのに。私が一緒に行って投票したい。私が代わりに書いてあげたい。などは法律では認められていません。ですが、投票用紙に字を書くことができない人のために、例外として「代理投票」というものが認められていますので、利用されるといいと思います。
選挙前に、総務省選挙部から投票所での対応例についての連絡がきました。
・相手の立場に立って、安心感を持たれる応対に努めます。
・困っている方には進んで声をかけます。
・「ゆっくり」「ていねいに」「くり返し」相手の意思を確認します。
知的障害のある方への対応例として
・できるだけ絵・図・写真などを使用して分かりやすく説明したり、説明のポイントをメモ書きして渡すなどの工夫をします。
・コミュニケーションボードを必要に応じて利用します。
・繰り返し同じ話をされる方でも、話を途中で遮らずに、応対します。
・短い文章で説明し、内容が理解されたことを確認しながら対応するようにします。
・パニック状態でも、強制的に制止せず、少し落ち着いてから応対するようにします。
と、理解ある内容で嬉しくなってしまいます。
障がいのある人たちの事を考えてもらえるような社会に徐々になってきているようです。