住民に対する寄り添い方 自治体によってこんなにも違う!
岡山県吉備中央町の円城浄水場では、2023年、一部に有害性が指摘される有機フッ素化合物のPFASが極めて高い濃度で検出されていたことが発覚し、町は2024年11月から12月にかけて、住民などの希望者を対象に公費による血液検査を初めて実施しました。検査を受けたのは2歳から102歳までの709人で、血液検査の結果を公表。血液中の濃度は、検査をした700人余りの平均で、アメリカで健康リスクが高まるとされている値の7.5倍余りとなり、検査を受けた人の9割近くがこの値以上だったということ。結果について岡山県吉備中央町の山本雅則町長は「住民の心配は大変大きいと思うが、公費で血液検査を行った決断は間違ってなかった。しっかり支えて寄り添い、不安の解消に努めたい」と話していました。
一方で、青木官房副長官は、記者会見で「現時点の知見では、どの程度の血中濃度で、どのような健康影響が生じるかは明らかになっておらず、血液検査の結果のみをもって健康への影響を把握することは困難とされている。環境省も自治体が行う血液検査に対し、支援を行うことは考えていない」と述べました。そのうえで「水道水中のPFOSやPFOAについて暫定目標値を定め、超過することがないよう地方自治体が水道事業者などを指導している。政府としては、関係省庁が連携して国民の安全・安心のために必要な対策をしっかりと進めていく」と述べました。
各務原はどうでしょう。国の決定に従うというスタンスは相変わらずですが、市が防衛省東海防衛支局に「このままフェードアウトとなるとありがたい」とメールを送ったとか。これには耳を疑いますね。
各務原市のホームページより R5/10/20
提案
PFASの問題について、各世帯に対する対策および経済的保障を行ってください。各世帯がミネラルウォーターや浄水器を購入する必要に迫られた原因が何かを考慮すれば各務原市が責任を取るべきと言えます。複数の市議会議員に話をしたところ全員「予算はある」と明言しました。なお、現時点で人体への影響が確認できていないから何もしないというのは、過去の公害問題から何も学んでいないと言わざるを得ません。
現時点においてPFASの健康リスクがないと言い切るのであれば、血液検査を行い市民に対して健康リスクの現状を説明すべきです。血液検査も行わず、現時点で人体への影響に問題ないというならば、その根拠も示すべきです。
学校などに浄水器を設置したのは大人よりも影響の出やすい子ども達が利用するから設置したのでは?我が家にも未就学児が二人います。各世帯に何もしないことの市の対応について、整合性が取れていません。
回答
PFOSおよびPFOAは難分解性等の性質から、規制物質になっておりますが、毒性については、現在も議論が継続している状態です。また、血液検査につきましては、現時点での知見では、どの程度の血中濃度でどのような健康被害が生じるかについては明らかになっておらず、PFOSおよびPFOAが、人体に影響を与えるメカニズムも解明されておりません。現在のところ、市で血液検査を行う予定はございません。
また、このような情報を総合的に判断し、ミネラルウォーターなどへの補助や、水道料金の変更は考えておりません。
学校および保育所等(以下、学校等)に浄水器を設置した経緯は、学校長から子どもたちや保護者が安心するために、三井水源地でのPFOSおよびPFOAの濃度低減の対策が完了するまでの間、浄水器を設置してほしいと強い要望を受けたため。現在は、濃度低減の対策が完了し、みなさまへの給水を開始しています。検査結果は、9ng/Lで暫定目標値である50ng/Lを下回ったことを確認しております。
20年以上にわたって全国の「PFAS」の状況などの研究を続け、環境省の専門家会議のメンバーでもある京都大学大学院の原田浩二准教授は…
〇必要な取り組み
PFASを取り扱っていた工場周辺など、過去の調査で値が高く出ることが明らかな場所もあるので、まずは各地域でPFASがどのように使用されていたかを把握しておくことが必要だ。経済産業省がPFASを取り扱っていた事業者に対して、聞き取りや調査の協力を要請するなど、環境省だけでなく、幅広く関係する省庁横断で取り組むとことで、対策として実効性があるものになる。
ピーファス問題は始まったばかり。
ピーファスは「水汚染」として語られがちですが、暮らしのあらゆる綿に侵入しているーーというい現実に我々は直面しているのです。「今後も新たな汚染地域が見つかっていくと思います。ピーファス問題は、ピーフォス、ピーフォアの製造廃止で終わったのではなく、始まったばかりなのです。メディアでも取り上げられ市民の関心も高まり指針値を超えた自治体では原因究明の調査を行う動きが始まっています。行政が動かないとそのまま汚染が放置されてしまう。もしくは一時的な対応で終わるのではないかという懸念が残ります。環境省を通して自治体はしっかり対応し、市民に正確な情報を伝えることが必要です。
それでは今後どう変えていけばいいのか。
行政による規制もありますが、ヨーロッパでは、必要のないピーファスはとりあえずすべて排除していく方針を示しています。行政が不必要なピーファスは使用しない・規制することを提示することで、メーカーも変わらざるを得なくなる。我々生活者はそれらの動きを注視する必要があるのです。
ピーファス汚染に対して、何を知りたいのか、どのような不安を抱いているのか、ということを研究者も目を向ける必要がある。と同時に市民として「今、何が起きているのか」という問題意識を持って調査の必要性を行政に訴えて行くことが重要です。