vol.224 身体に有害物質が入ったら解毒する

デトックス「Detox」は、英語のdetoxificationの略語で、「de(否定)」+「toxicus(毒の)」に由来し、体内に溜まった有害毒物を排出させることを意味します。
私たちの体には毎日様々な化学物質や環境ホルモンなどの有害物質が入ったり、体内で老廃物が作られたりしています。体内に入った多くの有害物質は、肝臓で解毒され、無毒化されます。
肝臓は人体で最大の解毒臓器です。肝臓で解毒されたものは、胆汁を使って便の中に排泄されたり、血液から尿に排泄されたりします。さらに、割合は少ないですが、汗や爪・髪の毛も排泄ルートの一種です。
 ただし、その排出力は体質によりますし、加齢や生活習慣の乱れで排出機能は低下します。その下がった機能を元の状態、またはそれ以上に上げるために、食べ物や飲み物などを使って行うのが「デトックス」という健康法です。こまめな水分補給やバランスのとれた食事、適度な運動を心がけて、夜はしっかり入浴するなど、今日からトライできる生活習慣が中心です。

最大のデトックス方法は?

 カラダに溜まった毒素の約75%は便から、20%は尿から、3%は汗から、残りの2%は髪や爪の生え代わりによって排出されると言われており、腸内環境をととのえて便通をよくすることが最大のデトックス方法と言えます。

身体の毒素とは何ですか?
毒素とはカラダに害を及ぼす有毒物質のことを指し、食材として口から摂取しているものや皮膚から吸収されるもの、そしてカラダの中で栄養素が代謝された後に残った老廃物などがあります。

体に溜まった毒素はどうやって出せばいい?
肝腎要(かんじんかなめ)と日本語で言いますが、それだけ、肝臓と腎臓は人間にとって重要な臓器。これらが解毒の要となります。毒素の主な排泄ルートである便や尿がしっかり出ていることが重要です。体内に溜まってしまった毒素を体外へ排出するには「排泄機能(はいせつきのう)」を使うのが一番効果的です。 つまり、便・尿・汗などによって老廃物(毒素)を排出するということなのですが、この中でも最も排泄効果が高いものが「便」です。

重金属をデトックスする食べ物は?
 体の中に溜まった重金属や有害ミネラルなどの有害物質を捕まえて排出します。 ビタミンC、亜鉛、セレンなどにキレート作用があります。 キレート作用を持つ食材の代表は、玄米や大豆、野菜ではほうれん草、玉ねぎ、アスパラガス、ニンニクです。 フルーツではリンゴやバナナ、その他にも、牡蠣やいわしもキレート効果が期待できる食品です。

毒を消す食べ物は?
ブロッコリーやカリフラワー、キャベツ、大根などのアブラナ科の野菜が挙げられます。 また、無毒化するミネラルであるセレニウムはにんにく、長ねぎ、玉ねぎ、海藻類に多く含まれます。 有害物質の体外への排出を促す食材。 食物繊維を多く含むリンゴやごぼう、きのこ類、海藻類などが挙げられます。

便通改善によるデトックスの効果
便通を改善するデトックスには、さまざまな効果があります。まず、便秘解消することで、吹き出物が減り美肌になるほか、ぽっこりした下腹も改善。
腸内環境を改善すると代謝がよくなるので、ダイエットや太りにくい体のベースを作ることができます。
また、食物繊維をしっかり摂取して排便を促すことで過剰な脂質や糖質も排出できるので、脂質異常症の予防や血糖値の改善にも。毒素が排出されることで、体のめぐりがよくなり、疲労感の回復、むくみ改善、冷え性や肩こりの緩和なども期待されます。腸内環境がよくなることで、ストレス耐性も上がるので、イライラしにくくなることも。デトックスは、ダイエットはもちろん、体の免疫力の強化、メンタルの健康にも期待できます。

腸内デトックスにおすすめの食材
 毒素の排出するサポートをするのが食物繊維を多く含む、野菜や海藻、豆製品、キノコ類などです。
体内にある毒素の排出をサポートするのが食物繊維。食物繊維には「水溶性」と「不溶性」の2種類があり、それぞれ異なる働きをします。わかめ、もずく、めかぶ、なめこ、ごぼう、オクラ、モロヘイヤ、アボカド、納豆、キウイなどに含まれる水溶性食物繊維は、余分なコレステロールや有害物質を吸着して排泄します。
また、きのこ類、豆類、ほうれん草、にら、かぼちゃ、とうもろこし、さつまいも、やまいも、こんにゃくなどに含まれる不溶性食物繊維は、便のかさを増し便通を改善します。
ごぼうやオート  ミールのように、水溶性と不溶性ど   ちらも含まれているものも。それ以外にも様々なものに複合的に含まれているので、いろいろな食品を組み合わせて摂取しましょう。
腸活して代謝が活発になるように
腸に便が溜まると異常発酵して毒素が出ます。それは血液にのって全身を巡り、体全体の代謝を悪くする。便秘を改善して腸内をデトックスすることが大切です。

便秘には主に3つのタイプがある
● ストレス型
ストレスによって自律神経のバランスが乱れて便秘に。腸のぜん動運動は主に副交感神経が優位なとき(リラックスしているとき)に活発になります。

● 腸のぜん動不全型
腸のぜん動運動の動きが低下した状態。溜まった便が異常発酵し、腸内環境が悪化して便秘に。

● 直腸・肛門型
便が直腸まで来ているのに、便意の我慢が続いたりして、便が溜まったということを脳に送るサインが鈍くなって便が出にくくなる。

● 複合型
上の3つのタイプが合わさったタイプ。

腸のぜん動運動を促すための腸トレ
 ストレス型か腸のぜん動不全型、あるいはその複合型なら、腸のぜん動運動を促すための腸トレがおすすめです。
また、ストレス型は、ゆったりと入浴して副交感神経を優位にしたり、食物繊維や発酵食品を積極的に摂るようにしましょう。ぜん動不全型の場合は、ゆったりと入浴する以外に、大腸マッサージなどを行うといいでしょう。
【腸トレ1】寝ながらツイスト
体をひねることで、効率よく腸を刺激して、ぜん動運動を促すことができます。
仰向けに寝たら、片ひざを曲げて逆側へひねります。曲げた脚と逆の方向に顔を向けると、深くツイストできます。寝る前や排便したい時などに、これを両脚とも行いましょう。      参考:クラシエ、大正製薬(腸活ナビ)