投稿者「にらめっこWeb版スタッフ」のアーカイブ

vol.199 菌ちゃん野菜応援団 vol.20

ようやく寒くなってきて冬の気配。

 夏に蒔いた白菜や大根が大きくなって、瑞々しいばかり。
夏野菜の片付けをしながら冬野菜を愛でる。

 たくあんの仕込みをしながら春のためにイチゴの苗に水をやる。草をどければそこには大きくなったカブトムシの幼虫もいて。家ではゆず胡椒をつくったり、おぜんざいを作ったり、ちょっとした浅漬けが本当に美味しかったり。
大地と繋がっているってこんなにもワクワクすることの連続なんですよね。

 今年の冬野菜は苗ではなく種蒔き用土を初めて買い、苗を作ってみたりもしました。うまくいったのもあり、行かなかったのもあり。結局ちゃんと微生物と繋がっているか、栄養がそこの土にあるか、それだけなんだな、と思わされます。次こそはうまくやるぞ!!と思いつつ、来年の土作りに励んでいます。あぁ、ヤミツキ(^^)


今回のレシピはさつまいもとリンゴの重ね煮。

 うまくいくと塩だけであまーいあまーいおやつになります。アクの少ないお芋、カチッとしたリンゴを選んで作ってみてくださいね。

厚手のお鍋に・塩・さつまいも・レーズン・りんご・塩の順で並べます。塩はパラパラっと。レーズンは軽くひとつかみ。
りんごとさつまいもは350~500g、各同量。ごく弱火でトロトロと火をかけ、あまーい少し焦げたような匂いがしてきたらできあがり!!
そのまま食べても春巻きや餃子の皮に包んで揚げても美味しいです‼


vol.199 ここいく日記 リレートーク

性教育団体「ここいく」
10周年記念イベントを終えて

「ありがとう ありがとう 生まれてきてくれてありがとう ~♪ありのまま ありのままあなたはあなたのままでいい ~」

 私たちが大切にしてきたメッセージが、岡田健太郎さん(写真上)の優しい歌声とピアノの演奏とともに会場に広がり、ここいく10周年イベントは始まりました(^^♪

 今回のイベントは、私たちがこだわり続け大切にしてきた、それぞれの年齢に合わせた「いのちの授業」ではなく、幅広い年代の多くの人に「性教育とは?」を知ってもらうこと。そして、「性教育って大切だなぁ」と思ってもらうことを目指しました。
 当日は、今まで授業を積み重ねてきたここいくメンバーの底力とチームワーク、健太郎さんの歌とピアノ、山本文子先生の心に響くメッセージ、皆で作り上げてきたイベントに対する愛やエネルギーみたいなものが相乗効果を生み、本来の私たちの力以上のものを届けることができたと思います。イベントに関わっていただけた全ての方に感謝します。

 15年前、私は「息子に性のことを伝えたい!」と思っている一人の母親でした。
大切なわが子に、生きる術として小さいうちから「性」のことや「身体」の仕組みをちゃんと教えたい!そう思っていました。
でも、小さなわが子にどんな言葉でどんな風に、何から話せばいいのか?その方法がわからなかった。
 その頃、各務原子ども劇場の「いのちの授業」を知り会員になりました。ここでは、会員のお母さんたちの誰かが「こんなことやりたい!」と言うと、そのことに賛同する人が集まって、それを形にしていくことが日々の活動の中で当たり前に行われていました。そんな中で、必然的に性教育に興味があるお母さんたちが集まり「いのちの授業」の活動が始まりました。
 最初は「自分の息子に」としか思っていなかった私の気持ちが、子ども劇場で仲間と出会えたことで、「多くの子ども達に伝えたい」に変化し、「仲間と一緒にやっていく!」という道が開けました。そして、恩師 坪内先生との出会い。
 先生は、私たちの授業の軸でもある「あなたはあなたのままでいい」をいつも体現され、私たちのありのままを受け止め、やりたい気持ちを尊重し、見守ってくれたから今の私たちがあります。
 人は、大きな愛に包まれ、自分の思いやあり方そのままを受け止めてもらえれば、ありのままの自分を生きられ、自分の持てる力を存分に発揮し成長していけると思うのです。
10周年のイベントの感想で、
 「こんなに大きな愛を受け取ったステージは初めてです。何か大きな愛に包まれている感じ。受け入れてくださる安心感が、私が感じる大きな愛かもしれないです。今日のステージは、私のことをこんなにも受け入れてくださる人がいるって安心感があったのかもしれません。」そして、「帰宅してから、日々生活していて色々なことがなぜか受け入れられるようになってきている自分がいる。自分の中の偏見やこだわりを少しずつ認識してそうじゃないことを良いじゃないかと思えるようになってきている。」とも書いています。
 これを読んで涙が止まらなかった。この方が感じ受け取ったことは、私たちがこの10年で、恩師からありのままを受け入れてもらえたことや、性教育を学び生き方や考えが変わり、自分らしく生きられるようになったことと同じだと感じました。
 10年かけて恩師から頂いた大切なもの、学び考え続けることで身についてきたことと同じようなことを、私たちはこの方に届けることができた嬉しさと、私たちが大切していることをここまで受け取ってもらえたことが何よりも嬉しかったのです。参加された方々の心に何かしらのきっかけや光を灯せたとしたらこれ以上の喜びはありません。
 今回のイベントに参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。そして、ご縁をいただけた全ての皆さまに感謝いたします。

担当:ここいくメンバー・中村暁子でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)



vol.199 トンガからこんにちは! 連載-5

国際協力の第一歩とは!?

トンガくらいグローバル社会を素直に楽しんでいる国は他にあるだろうか?トンガ人と話していると、そんな風に思えるくらい、色々な国の人との関わりを楽しんでいるように見えます。そして、そんな風にできるのは、トンガが豊かで、「トンガ王国」という国が大好き!という自信からくるのかと思います。

トンガ人にとってオーストラリアやニュージーランドに出稼ぎに行き、家族を養うことが当たり前のようになってます。家族の中で働いていない人がいても、関係ありません。トンガ人は家族がとっても大切。だから、家族の中で何人かがお金を稼いで、何人かが畑で作物を育てます。お金を稼ぐ方法の一つとして、果物収穫などの出稼ぎがあるんです。そうやって、お隣に大きな国が人材を必要としていて、お金がしっかりもらえるという立地状況はとっても貴重な環境だと思います。トンガ自体に産業がなくてもトンガ人の生活が成り立って居る理由の一つです。 家族の中で働いていない人がいても、関係ありません。お金を稼ぐ方法としては、伝統工芸品の販売やオーストラリアやニュージーランドへの出稼ぎがあります。お金を稼げる人が家族を養うことが当たり前のようになってます。近くの先進国が人材を必要としていて、お金が必要になれば稼ぎに行けるということは、トンガ自体に産業がなくてもトンガ人の生活が成り立っている理由の一つです。そのまま住み着いて、お金を家族に送り続けることもよくあるようです。トンガ人にとってオーストラリアやニュージーランドに出稼ぎに行き、家族を養うことが当たり前のようになってます。家族の中で働いていない人がいても、関係ありません。トンガ人は家族がとっても大切。だから、家族の中で何人かがお金を稼いで、何人かが畑で作物を育てます。お金を稼ぐ方法の一つとして、果物収穫などの出稼ぎがあるんです。そうやって、お隣に大きな国が人材を必要としていて、お金がしっかりもらえるという立地状況はとっても貴重な環境だと思います。トンガ自体に産業がなくてもトンガ人の生活が成り立って居る理由の一つです。

Falekoloa (ファレコロア) というコンビニのような店が国中にあるのですが、その多くは中国人経営。トンガ人には「中国人て本当に働き者!朝6時から夜9時くらいまでお店を開けてるなんて、トンガ人はそんなに一生懸命働けない!!だからみーんな中国人経営に変わっちゃった。私たち、商売は苦手みたい。」と大きな声で笑って説明されました。

 それから、中国はトンガ輸出用に安い缶詰を作って販売したり、広大な果物畑を開墾・果物供給したりしていて、トンガ社会に深く関わっています。個人的には中国製品への質が好きになれなかったけれど、「もの」がないトンガでは、そんな中国製品が貴重な存在だということには変わりありません。

さて、トンガで活動していた青年海外協力隊とトンガ人の関わりは、文化度の高い技術移転が多いように思います。そろばん教師、日本語講師、コミュニティ開発(糖尿病やがんなどの非感染症対策)、音楽や美術教師です。トンガが豊かな国であるということへの表れだと思います。そろばんに関しては3年生から5年生まで毎朝10分間のそろばんタイムがあります。面白いのは、そろばんができるようになっても、日本語ができるようになっても、大手の日系企業があるわけではないから、仕事につながることがほとんどない事です。

だからこそ、日本人でもやらないそろばんを毎日弾いていると思うだけで、なんだか嬉しくなります。だって、「毎日〇〇をやる」とか「毎週必ず〇〇をやろう」なんてトンガ人は絶対思いつかないことを知っているから。日本人の行動特性や習慣まで体験するって、相手のことを知る上で、同じ言語を交じり合わせるよりも大切なことのように思います。元々は、王様が日本の天皇家と親交が深かったから始まったことのようですが、「分かち合う」時の姿勢を見せてもらったように感じています。

トンガ人の誇りの高さや伝統を今でもしっかり受け継いでいる姿をいつも見ていたから浮かび上がる疑問。その答えをトンガ人に聞いても「そんなの考えたことないよ」とケタケタと笑われそうですが、私は、トンガ人として揺らがないものがあるからこそ取れる態度なんだと思います。
私が、YouTubeでみたズンバをやっても、笑われるだけだったのに、トンガの曲に合わせて「芋掘り」「果物狩り」「素潜り」「魚釣り」「ココナッツ投げ」、、、とトンガの生活の様子をダンスで繋げると、とっても喜んで何回も何回も踊っていました。その体力といったら、、、。

トンガ人が大好きな言葉「’ofa atu(オファ アトゥ)」(相手を思いやったり、お別れをいう時に使う言葉)が日本人にも灯ったらいいな。そんな温かな国が世界中で増えて、もっと相互にありがとうって言い合える協力が生まれていって欲しいなと思います。


加藤美希(かとうみき)農的暮らしに落ち着きたいと思いつつ、ついつい旅人人生を送っている管理栄養士です。旅するうちに、「伝統料理と健康の秘 密」が人生の研究課題に。今回のミッションはトンガで蔓延する肥満や生活習慣病の改善。伝統料理の推進と学校菜園を通して、将来トンガの人々が世界に有す る健康大国になることを願って日々奮闘中です。


vol.199 プレゼントコーナー

1- あなたが気になる「SDGs」(17項目のグローバル目標)何番を選びますか?複数選択もOK!その理由も教えてね!
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
 タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望 を必ずお書きください)
 ※C、Dは編集室まで受け取りに来られる方。
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、 家族構成

ハガキまたはe-mailで、上記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。〆切:2021年1月25日 当日消印有効。

宛先 〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。


A.いにしえのお米(朔月)100g
自然農縁 月とたね様より…2名様

農薬・肥料は不使用、源流一番水で育て、はざ掛け・天日干しをした古代紅米です。卑弥呼様も食べていた最古のうるち米と言われています。普段のお米に混ぜて炊いてご利用ください。


B.CINEX 映画招待券
シネックス様より…ペア3組様

大きなスクリーンを夢中で観るうちに、100年前の時代にタイムスリップした気分に!写真は「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」より。柳ヶ瀬のシネックスでご利用になれます。


C.書籍「ご存知ですか、自然エネルギーのホントのこと」
にらめっこより…3名様

日本国内だけでなく地球規模で設置拡大され続けている風力や太陽光による発電。あなたは、自然エネルギーのホントのこと、知っていますか!?驚愕の一冊です。命と直結した課題に対して多岐にわたり活動される山田征さんの著書です。
にらめっこ編集室でお受け取りください。


C.オーガニックコーヒー豆200g
ボンガ珈琲様より…2名様

自家焙煎の東ティモールのオーガニックコーヒーです。香り高く、味わい深い逸品を豆でお渡しします。美味しいコーヒーでほっとひと息、そんな時間をお楽しみください。にらめっこ編集室でお受け取りください。(写真はイメージです)




 


vol.198 シンク•グローバリー アクト•ローカリー

 大きな視野で考えて、実際の行動は地道なところから取り組む。よく使われる言葉ですが、それを実践することはなかなか難しいですよね。自分のことに当てはめても「Think local,Act Local」的なことが多いのでは?と感じます。
 でもこれからは、むしろ「シンク・ローカル 、アクト・グローバル」が大事だと思いますが、皆さんはどう思いますか?

 地球温暖化や世界の紛争など、大きなことを考えても、行動に結びつきにくいものです。まず身近なことをしっかり考える。好奇心や探求心が動き出すような、自分が心から興味を持ったことは、必ず行動となります。行動すれば人とのつながりが生まれます。今の時代、そのつながりはおのずからグローバルなものになっていくのではないでしょうか。
 また、自分の生まれたところ、自分が出会ってきた人や出会ったものたち、つまりローカルな情報に愛着のある人ほど、グローバルな視野があったりすることに気付かされます。世界とは何かを知るためには、自分とは何かを知る必要があるようです。何かとても哲学的な要素を感じますが、むずかしく考えないで、まずは自分が住むエリアのことをもっとよく知ることに焦点を当ててみたいと思います。

地球規模で学び考え、地域(現場)で動く。身近な社会(家庭・地域)身近なフィールドを大切にする。

 身近なフィールド?例えばゴミ。毎日台所から出るなまゴミから、産業廃棄物まで、範囲は広いけど、ここでは今大きな問題となっているプラスチックゴミを考えてみます。
 レジ袋が有料化され、消費者である私たちの意識も環境への負荷をなくす方向に少しづつシフトしていると思います。ですが、プラスチック製品はもはや生活の一部となっています。そこで「足元から行動しよう!」の第一歩として「安易に購入し安易に捨てる」、この習慣をまず見直すことから始めませんか。今すぐにでも始められる取り組みは、マイバッグ、マイボトル、マイカップを持ち歩くなど選択肢はいくつもあります。

 さて、下の写真(1)は1192の島々からなるモルディブ諸島の一部を空からとらえたものです。この小さな島国の砂浜や沿岸の海域には、世界で最多水準のマイクロプラスチックがあるという報告です。これは対岸の火事ではありません。巡りめぐって私たちの食生活を脅かすことになります。もう一つ大きな問題もあります。海洋生物にも生死に関わる大きな影響が出ていることです。((2)(3)はほんの一例)

9割の食塩からマイクロプラスチックを検出?!

 数年前、海塩からマイクロプラスチック(プラスチックごみが顕微鏡サイズにまで小さく微細化したプラスチックの破片、以下MP)が初めて見つかった。しかし、調味料として身近な塩に、プラスチック微粒子がどのくらい含まれているかについては、分かっていなかった。新たな研究で、世界の食塩の9割にMPが含まれているというショッキングな結果が報告された。
 この研究は、韓国の研究者グループと環境保護団体「グリーンピース東アジア」の合同チームが、塩に関する既存研究を活用してまとめたもの。その分析によると、調査対象となった食塩39品目のうち、36品目でMPが検出された。MPが含まれている割合は、地域ごとにも違いがあった。密度が高かったのがアジア産の塩で、インドネシアで販売されたものが一番MPを含んでいた。アジアはプラスチック汚染が進んでおり、中でも5万4720キロメートルの海岸線を持つインドネシアは、2015年の別の研究でも、世界で2番目にプラスチック汚染がひどい国とされた。生産された場所別に見ると、MPの含有レベルが一番高いのが海塩で以下、湖塩、岩塩の順になる。

そもそもプラスチックゴミがなぜ海に漏れ出すのでしょうか?

 毎年,世界中で捨てられるプラスチックごみのおよそ2%〜5%が海に漏れています(中間値で3%)、漏れ出たプラスチックは2010年の時点で800万トン(中間値)と推定されています。
 ダンプカーいっぱいのプラスチックを1分毎に海に投棄するのと同じです。プラスチックごみが,海洋動物に絡まり、あるいは誤食され,野生動物の死を招いていることはよく知られています。目に見えるプラスチックごみよりもずっと危険なのは、MPです。化粧品やケア用品に含まれるマイクロビーズもMPです。排水溝に流れたマイクロビーズは,下水処理場をすり抜けて、やがて海に流れていきます。これら小さなプラスチックは、PCBやDDTといった有害な化学物質をスポンジのように吸着します。そして動物プランクトンや小魚、貝などの海洋動物に食べられ、食物網に入って汚染物質を濃縮していくのです、めぐりめぐって、あなたの食卓に紛れ込んできます。MPが汚染物質の運び屋になっているわけです。
 増え続ける海のプラスチックごみが今後どんな影響を及ぼすか、まだ誰も知りません。でも2つだけたしかなことがあります。
 このままのペースでプラスチックを生産し消費し続けると、海に蓄積するプラスチックの量は生息する全ての魚よりも多くなること。そして誰かが捨てたプラスチックごみは、MPとなってあなたの体に入りこむという事実です。
                         ナショナルジオグラフィックより 

 私たちの生活に欠かせない様々な製品にプラスチックが使われています。そして破棄される大量のプラスチックごみ。それをどう処理するのか。低温度で焼却すればダイオキシンが出るし、リサイクルにも相当のエネルギーが必要となります。製造元が責任を持って回収するデポジット制度はどうでしょう。しかし、日本全体では8割の自治体が賛成しているものの、回収した容器の保管場所、対象とした商品の価格が上昇することなど、様々な問題があり実施に賛成の自治体は少ないようです。何れにしても、土に還らないもの作りは未来が見えません。
 個人でできることは限られていますが、できるだけ購入しない、使用しないことが求められます。私たち一人ひとりが暮らしにきちんと向き合うことで問題の解決に繋がっていくのではないでしょうか。

  


vol.198 ゴミゼロを実現した町

“ごみ”ではなく“資源”。未来に残したい町づくり

宣言文
1. 地球を汚さないひとづくりに努めます!
2. ごみの再利用・再資源化を進め、2020年までに焼却・埋  め立て処分をなくす最善の努力をします!
3. 地球環境をよくするため世界中に多くの仲間を作ります!

美しい町の保ちかた

 34にも分別されるごみ。一体どのように収集されているのだろう、とても気になります。
 実は、上勝町では、収集車でごみの回収はしていません。その代わりに、町じゅうのみなさんが、各自ごみをここまで持ってきてくださるんです。そして、ここ、ごみステーションでは、なぜそうするのかを納得して協力して頂くために、運搬、焼却、灰の埋め立てに至るまでのコストをしっかり算出し、数字でわかるように記しています。
 34分別を行う場所には、ごみ見本やわかりやすいイラストや数字での表示が掲げられているため、子どもからお年寄りまで楽しみながら参加できるような仕掛けになっています。
 ごみステーションには、子どもが成長して着られなくなってしまった子ども服など、「持ち主にとっては不要になったけれど、まだまだ使える物たち」がずらりと並んだリユース推進拠点、「くるくるショップ」も併設。このショップは、町内の人だけではなく、この町を訪れた人々で欲しい人が自由に持ち帰ることができるという、なんとも素敵な場所なのです。
 そして、隣接する介護予防活動センター内には「くるくる工房」というショップがあり、センターのおばあちゃんたちが不要になった素材を活用してつくったリメイク商品が販売されています。
 考えずに捨てて、まとめて燃やしてしまえば「ただのごみ」。だけど、少し考えて視点を変えれば、そして、付き合いかたを変えれば、繰り返し使える大切な資源。
 ごみを減らし、資源として再活用するための仕掛けが、この小さな町には、たくさんあります。あなたの町では、どんなふうに「ごみ」が扱われていますか?

住民の手によるゴミの減量化
ごみの3割を占める生ごみを堆肥に

 毎日の生活の中から出るごみは、分別することが困難で、燃やすか、埋め立てるしか処理のしようがないものが溢れており大きな障壁となっています。ごみの問題が解決されないのはどうしてなのでしょう?それは、使わなくなった物の処理が自治体の責任になっており、消費者が負担を持つしかけになっているため、処理するときのことを考えずに様々な物が作られているからです。

 上勝町は1994年に「リサイクルタウン計画」を策定し、ごみを減らす知恵を絞ぼりました。ごみの組成と排出量を調べると、最も多いのは重量比で3割に当たる「生ごみ」でした。水分量の多い生ごみを焼却するには、補助燃料として化石燃料も必要になる。そこで、生ごみを堆肥化する方法を考えました。現在、上勝町では、町民の協力でコンポストもしくは電動生ゴミ処理機の普及率が 98% に達し、残りの家庭では直接、畑などを利用して堆肥にしています。また、商業施設でも、 業務用の電動生ゴミ処理機を使用しており、生ゴミのリサイクル率はほぼ 100%となって、 町は生ゴミを回収する必要がなくなったのです。町民にとっても、生ゴミの回収を待つ必要がないため衛生的で、作られた堆肥は自宅で利用することもできるなど、メリットはたくさんあります。

NPO法人ゼロ・ウェイストアカデミー 
4代目理事長・坂野さんのお話より

 TOPIC
全米の中でもエコ活動が盛んなニューヨークでは週一回、生ゴミの集積場所を設置します。基本的に動物性の以外の生ゴミや残飯は全て入れてもOK。市が回収し、別の場所にある大きなコンポストサイトへ移します。環境に無害な方法で処理をして再利用するのです。基本的には“土に返せるもの”が基準になっています。

ごみを出さないようにするには
1)不要なものを家の中に持ち込むことをやめる。
2)必要なものを減らす。
3)買ったものや、今あるものを繰り返し使うこと。
4)資源化(リサイクルは再加工のために貴重なエネルギーを要する。
5)有機ごみを時間をかけて分解し、養分を土に返す。
  この5項目を順に実行していきましょう。そうすれば家庭
ごみにまつわる大半を吹き飛ばすことができるでしょう。

ごみ拾いを始めた"つくる・みらいの会” 代表•今尾幸子さん

 今尾さんは今年の春、コロナ禍で自粛生活に入った時、自分にやれることはないか考えた。以前から気候変動がすごくに気になっていて、ごみも無関係ではないと知り「ごみ拾い」を始めた。
 「拾うごみの9割以上がプラスチックごみです。用なしになったらすぐに手放す、そんな感じです。だから、菓子パン、弁当容器、ペットボトル、ビールやジュースの缶、タバコの吸い殻・・・テイクアウトが増えてごみも増えたように思います。汁が出るし持ち歩けないんでしょうか、交差点の片隅にきちんと置かれていたり。」
 ごみと気候変動とどんな関係があるのか。プラスチックは太陽光にさらされ劣化する過程でメタンなどの温室効果ガスが発生する。このガスが実際どれくらい温暖化に影響しているかは研究途中なのではっきり言えないが、地球や自然界に大きなインパクトを与えているのは確か。
 「ゴミは風が吹けば飛んでいくし、用水路に落ちたり、川に流れ、やがては海にいき海洋生物を脅かし、更にマイクロプラスチックとなって海塩に混ざると除去できないんです」。
 ゴミ箱がないなら持ち帰る。この当たり前のことができないのはなぜだろう。そんなことを考えていても始まらない、とにかく「目の前のゴミを拾おう!」と決め行動に移した。すると、声をかけてくれる人や、一緒に拾ってくれる人も現れた。印象深いのは、友人の大学生の娘さんが参加してくれて、彼女が卒論にゴミ問題のことを書こうかな、と言ってくれたこと。少しづつ手応えを感じている。
 自分自身、買い物のスタイルが変わり、トレーなど出来るだけゴミになるようなものは買わないようになった。「量り売りのお店がもっと増えるとうれしい。あとは再利用ですね。生ゴミは堆肥にするとか」
 アクト・ローカリーがここにもあった。小さなことでも、行動をすることで、アクト・グローバリーにつながる。


vol.198 コロナ禍と戦争〜真の抑止力とは何か? 

日本国憲法公布74周年記念・学習講演会
主催:「ぎふ平和のつどい実行委員会」

講師 池内 了さん(名古屋大学名誉教授)

コロナ禍を戦争に譬 (たと)える

 今やコロナの問題をからめないと何も議論が出来ない状況です。これまで約9ヶ月程続いてきたコロナ禍の中で、各国の代表は戦争に譬えています。マクロン大統領は、「我々はウイルスと戦争状態にある」、「この戦争で国民はひとつにならねばならない」。トランプ大統領は「私はこの戦争に勝つ」、「見えない敵を打ち負かすんだ」と言い、安倍前首相は「これは第三次世界大戦と認識している」と言った。そのあと「見えない敵に対して国民の協力なしでは戦いに勝つ事ができない」とも。このように困難な事柄があると戦争や国難に例えるのは、国を率いる権力者たちが使う常套手段です。

戦争や国難に譬えるのは

 要するに国を守る事によって国民を一致団結させるわけです。一切の矛盾を無視して「この敵に勝たなければならない」と人々を結びつけていくわけです。だから協力しないと「負けるぞ」と脅迫、すると国の言う事に従わせる事が簡単にできる。そして、国民の間で生じたのが、国民同士のバッシング、自粛警察。国の方針に一致団結しなければならないという論点ですね。感染した者は敗北者で、一致団結を破る者は非国民で村八分。それは権力者にとっては実に都合のいいことなんですね。特に気になるのは「優生思想」で、役に立つ人間であることが強調されているんです。戦争が近づくと必ず役に立つ人間が重要視され、自国優先主義、排外主義、優生主義になっていく。この点を私たちは常に押さえておく必要があります。

コロナ禍と軍拡のパラドックス

 新型コロナウイルスは自分で栄養を作りだす事はできないけど、遺伝子情報は持ち増殖していく半生物です。その半生物的な存在に対して核兵器もミサイルもステルスF3戦闘機も無意味ですよ。人間を含む全生命体を抹殺しないと、ウイルスは撲滅できない。しかし世界はせっせと軍拡に励み、物理的破壊のための兵器をどんどん作っている。これを私は「コロナ禍と軍拡のパラドックス」と言っていますが、ウイルスは軍事力では全滅できません。その軍事費を医療体制の充実とか、感染症対策に使うという事が、ウイルス禍に対する人類の戦い方ではないかと思います。ニュースで韓国が国防費を1600億円を削減したと報道がありました。すごいなあ、と思いましたがコロナとの戦いのために軍事費を減らしたのはこれが唯一なんです。

軍拡を煽る3つの要因

 なぜそんなに軍拡が世界中にひろがっているのか、これは僕は3つの要因があると思っています。
 1つは先程の「国家の団結のため」。抑止力のため、敵に攻められないために国は武装することが大事だ、ということが底辺にある。そこには必ず仮想敵国の存在がある。つまり自国第一主義で、自国の軍事力を最大限に強くしたい。安倍前首相が使った「積極的平和主義」という言葉は、国家を団結するためのキャッチフレーズと言えると思いますね。
 2つ目は、軍と産業界。アメリカの政治を背後からコントロールしているのは軍産共同体と言われています。その軍産共同体の圧力があってトランプ大統領は日本に兵器を暴買いさせるという構造になっています。日本の防衛費のうちのほぼ2兆円をいろんな軍需産業が担っていて、常に政府に圧力をかけている。また技術的に敵国よりも有利な状況を保たなければならないと、技術的優位を常に追求しているのが経済である、と。
 それから3つ目。軍拡を煽る要因は国民の「自衛論」である。そこをじっくりと考えてみたいと思います。
 科学者と話していると、「自分は戦争に反対だから軍事研究はしたくない、兵器や核兵器を作りたくはない。」かたや、「防衛力もそれなりの兵力を持つべき。」とも言う。世論調査では国民の6割7割は自衛隊は必要だと答えます。特に災害救助の面で必要だと。武器を持つ自衛隊は私自身は必要ないと思っています。それは、日本の自衛の方針が変わってきてる気がするからです。
 集団的自衛権の行使が、安倍内閣のもとで閣議決定されました。それは同盟国がやられそうになったら、兵を送り戦うってこと。ミサイル防衛は撃って来たのを撃ち落とすんですが、それでは生ぬるい、向こうのミサイル基地をこちらから撃てるようにしなければならない。「敵地攻撃能力」。今それが議論されつつあるわけです。これがさらに進んで行くとどうなるか、「先制攻撃」になります。撃たれる前に撃っとけ!それが「国民を守るための抑止力向上に関する提言」、ここに抑止力と言う言葉があります。

国を守る意識と軍拡

 抑止力は基本的には軍事的抑止力の事。自衛、防衛、国防は安全保障です。抑止力は仮想敵から攻撃を押さえる力の事。侵略したら強烈な反撃をくわえるぞ!と脅すことなので、必ず敵よりも上まった軍事力が必要となる。そうなると敵は攻撃を強化するだろう、すると我々はもっと強くしなければならない。 これはまさしく戦後の「冷戦」と呼ばれた、アメリカとソ連間の軍拡競争の戦争です。軍拡は必ずエスカレートし、最後に核を用いた抑止力に行きつく。日本もこのままずっとエスカレートして行くと核兵器を持たなければいけない状況になっていくであろう、と。日本は「最小限の核兵器の保有と使用は憲法の禁止するものではない」ということを2016年4月に安倍前首相が閣議決定をしています。それはまさに、自衛論の究極は核兵器、核抑止である、ということの表明みたいなものだと私は思っています。

しかし、戦争は「ほぼ」終焉している

 そんなことはない、世界で数多くの戦争が起っているじゃないか、とみなさんはお思いでしょ?いろんなところで血を流す動きが確かにたくさんありますが、よくよく見れば大きな国同士の戦争は起っていない。小さな国同士の確執は、例えばインドとパキスタン、中国とモンゴル、中東ではヨルダンとかシリアとか様々な国々が戦争状態にあるように見えるし、イスラム国や、IS、そういうやっかいなものが国をかく乱し、そこにアメリカやロシアが介入して力の後押しをするからよけい対立状況はひどくなっています。小さな国内の反体制勢力、テロ、それの小競り合いもしょっちゅう起っています。ですがそれは世界を巻き込むような大戦争に発展していく様子はない。最新鋭の兵器を投影した戦争は終わったのではないか、これは甘いと思われるかもしれませんが、私はそう思っています。

なぜ戦争は終焉に向かっているか?

 要するに、攻めるのは無意味だから。世界は政治的、社会的、経済的、文化的、学術的にいろんな意味でつながっています。例えば日本と中国、日本と韓国の間もいろんな文化交流などでつながっているわけですね。そこであえて戦争なんてことはありえない。それから国連という存在。国連は限界はあるけれども機能しているというのが私の見方。何か問題が起ると、国連で議論する習慣ができている。国連で議論するという事は世界の世論がその移りゆきをちゃんと見守っているぞ、ということです。
 今、核兵器禁止条約があと5つの国が批准すれば発効するところまできています。核の保有国、核の傘下にいる国は入っていない。しかし、それでも50か国で発効して、それらの国々が核兵器保有国に迫って行ったらどうか?むろん時間はかかりますよ。しかし、それがちゃんと発効して国連という舞台では核兵器禁止が当たり前なんだ、という事がまさに世界の世論となっていくということは非常に重要なことであります。要するに国連が世界的な世論とか、世界の理性的な発想が少しづつ大国を締め付けて行く、そういう場があること、これが戦争が終戦に向かっている重要な要素であると私は思っています。

人間力による抑止を!

 個々の人間の生命・生活・人権を守る、それを最優先することこそ我々が求めている安全保障です。軍事的抑止力から「人間力による抑止を」、と私は思うわけです。実は1956年くらいから自民党が、憲法の主旨は「座して破滅を喚起することではない」と言い続けている。しかし、私は「座して平和を待つのではない」と言いたい。やはり私たちは、立って動いて行動して平和を作りだして行かなければならない。国家間の紛争や意見の対立、不同意、齟齬、そういうものがあると交渉や話し合いや説得などの外交的手段と国民間の友好的交流を通じて平和を保つ。それこそが憲法の趣旨であると。憲法九条はそのための基本条件です。そこからより積極的に踏み出して、戦争を抑止するための一番の力として力をそそぐ、というのが私の言いたい事で、これは真の抑止力であると。
 例えば北朝鮮のミサイル発射について。私たちは北朝鮮がどういう状況になっているか、まったくわからないわけです。台風が北朝鮮に多くの被害を及ぼしている可能性が非常に高くて、稲作などに多大な被害を与えていたなら、何らかの援助をするという事もあっていいんじゃないか、それがミサイルを飛ばすのを押さえる力になる、という事です。そんなふうに私自身は人間同士のつながりを最大限大事にして、そのつながりの中で平和を作っていく。人間付き合いがあったら絶対にそんなに無茶しないですよ。そういうつながりこそが世界においても求められているのです。

Q&A

Q:日本も世界もそんなに楽観的に見ていいんですか?
A:敵地攻撃能力についても世論調査では60%の人が賛成している。こういう状況で私の言っていることがほんまかいなと、みなさん当然思われるでしょう。これに関しては、歴史はジグザグであること。前進するときもあるし後退するときもある。全体としてみれば自然に成長していく。その局面局面では確かに大変なことに相対するけれど、時間が経ってみてもやはり全体としては進歩しているんです。ちょっとでも進歩する方向へ力添えするのが、我われの役割ではないのか。憲法9条がほんとにあぶない状況でもなんとか止められているのは、我われがなんとか踏ん張っているのであって、それがまた若者に影響を与えている。自分たちが正しいと思う方向へバトンタッチするしかしょうがないんですよ。長い目で見た世界の流れを、きちんと見て、押さえて、そしてそれを周りの人に、伝えていって次世代に伝える。ということを積み重ねる以外にないんじゃないかなと。だから管政権に対しても、我われは筋道を追って、おかしいことはおかしいと言い続けることです。それが結果的に世の中を変えてくんです。

Q:戦前も不戦条約があり戦争禁止の流れがあったけど、第二次世界大戦が起きた、今と何が違うか?
A:国際連盟が有効に機能しなかった時代と、世界の世論を常に感知する役割を持っている国連が今はある。国連を中心に世界が結びついている。世界は対立するよりも仲良くすることの方がやすらかなんです。だからこそ戦後75年の間、世界大戦は起こらなかった。それはこれからも起こらないと私は思ってます。ジグザグはあるけれど我われは、全体の流れとしての方向は明確に見えているんだから、その方向に自信をもって、一歩でも前に推し進めていく方に力を注ぐべきではないかと思う。というのが今日の私の結論みたいなことです。
 私ももうすぐ76になりますが、唯一誇っているのは、私が生きている時代に、私が考えていることが実現できるとは思わないけれど、これを言い続ける。で、子どもとか孫が、「じいちゃんがんばったね」って言ってくれることを楽しみにしている。原発のゴミとか、一千兆円もの借金を作ったとか、我われは罪作りな世代なんですよ。せめて、罪を軽くすることを続けたい。その罪を軽くできるようなことを我われは続けたいじゃないですか!私たちがやっていることをよい方向へ流れるために動くことが大事かなと思います。

池内 了(いけうち さとる)プロフィール
1944年兵庫県生まれ。京都大学大学院理学研究科物理学専攻修了。理学博士。北大・東大・名大など各大学で教職を執り、現在、名古屋大学および総合研究大学院大学名誉教授。世界平和アピール7人委員会委員。軍学共同反対連絡会共同代表でもある。著書に、「科学者と戦争』『科学の限界』『物理学と神』『寺田寅彦と現代』など多数。中日新聞連載記事『時のおもり』の著者の一人。


vol.198 刻の罠 その後

自分が変えられる 知らず知らずのうちに? 過去が塗り替えられていくことに気づかない。
知るチャンスさえなかったの?

自分を変えられてしまう・・・

文化、芸術の立ち位置が明瞭にあるかないかで
左右される私たちの生活、暮らし。

 衣食住は必然で欠くことができないものと言われてますが、それと同じくらい重要なのが、文化、芸術。この分野があるかないかで、大きく変わる私たちの暮らし。
例えばイメージを具体的な言葉で表すと、
・こころがほぐれる
・ほっこりする
・あんしんする
・こころがうごく
・こころが刺激を受ける
・刺激を受けると発想が豊かになる
・クリエイティブな暮らしか楽しくなる
・価値観が変わる
・こころが動くことを優先したくなる
・衣食住もクリエイティブになる
・世の中の仕組みに違和感を感じて
・食べるものに留意し、
・土を意識し始め、
・手の仕事に価値を見出し、
・貨幣の価値観から距離を置く。
・すると、世界を見る目が変わる。
・貨幣に支配されていることに疑問を持ち、
・支配から距離を置く。
・こころも体も開放感にあふれ、
・こころも体も歓びにあふれ、
・暮らしがより豊かになる。
・文化、芸術がいつのまにかくらしに息づきはじめ、
そして、ついに・すべての人がアーティストになる!

 全ての人がいつのまにかアーティストになる?そんな素敵な罠ならかかりたいと思う。仕掛け人もかっこいいじゃない?!が、「刻の罠」はそうじゃない。
 都合の悪いことには蓋をして、なかったことにしてしまおうという企みが潜み、知らず知らずのうちに「自分が変えられていく」。命の歴史の中で、人は平和を求めながらも、今なお争いや戦争を止めることができず、核や放射能への不安、飢餓や貧困は続いている。「忘れろ!つじつまの合わないことは山ほどあるし、些細な不一致ってことさ」、とささやく声が聴こえる…

「なぜ?」

 罠という漢字の成り立ちを調べると、「民」という漢字は、全体で目を表し、そこに焼いた火箸を突き刺している様子を描いた象形文字で、「ものを見る目を失わされた人」。民の上の「罒」を現在では(よこめ)(よんがしら)などと呼び、「冂」の形の枠に糸を「×」型に無数に編みこんで作った「網(あみ)」を描いた象形文字で、《目の見えない者》を《網》を張って仕掛けるから「罠(わな)」となったもの、とある。『刻の罠』はささやく声に耳を傾けるうちに、本当のことが見えなくなってしまうというシビアなテーマである。しかし舞台では「なんか変だ」、「みんな目を覚まして!」と、小学5年の千杜(せんと)と中学2年の七海が舞台で駆け巡り、メッセージを送る。

刻はひと時も途切れることなく、本当のことを伝えられてきただろうか…記憶を書き換えられてはいないだろうか?

 舞台では、いのちをつないでいく間に起こった大事なことを忘れてはいけない、人はそれぞれに幸せに生きる権利があるし、誰もそれを奪うことはできない。作為的な雰囲気に飲み込まれない、罠にはまったりしないという深層部分を太鼓と芝居で表現している。

 「舞台は言葉が中心だけど、言葉で表現できないこともある。その時に太鼓やしの笛が言葉の代わりに表現する」と座長の末永克行さんはおっしゃったが、言葉と楽器の相乗効果が舞台に現れる。するとその舞台に奥行きが生じる。まるで3Dのように。演者の表現が四方八方から体に届く。文化、芸術の真髄とも言える“心が震える”感覚を覚え、同時に今まさにこの感覚に飢えている自分を自覚した。太鼓の音、太鼓の振動は体にある毒を排出させてくれるようだ。音が皮膚から入って、振動が体の奥に浸透してから出ていく。それは体が浄化されていくイメージ。そこにしの笛の音色。これは頭のてっぺんから入ってきて骨の髄に染み込む。そしてそれは体に溶け込んで出ていかないのだ。あの繊細な音色は体の細胞に溶け込んで、太鼓とは違う部分を浄化させてくれる。

人は自然と離れていては生きていけない、これは哲学

 太鼓は土の香りがする。私は、人は「土」と離れては生きていけないと思っている。インタビューの中で、末永さんが「人は自然との関わりなくして成り立たない。これはもう哲学だね」と語っていたが、まさにその通りだと思う。
 そして私が感じたのは、この舞台にはとても深い人間賛歌が込められている気がしたことだ。人は気づくことができる、コトを起こすこともできる。今を生きる私たちは、先人たちの英知を受け継ぎ、時を刻みながら学び未来に活かすことができる。決して悲観はしない。戦争を忘れない、核や放射能はいらない、飢餓や貧困をなくしたい、平和は自分たちで作ることができる。自分を変えることなく、信じたことを貫くことができる!そのことを「たまっこ座」という三世代がつながって舞台を作ることで見事に伝えてくれたと思った。
 末永さんは今回の公演で「コロナ禍で何ヶ月も舞台ができなかった。半年ぶりに目標ができ稽古にはいつもとは違う熱が入った。目標があると、こんなにも日々の気持ちが違うのかと思った。希望があれば生きていける。支えてくれる人がいると、自分の力がどんどん引き出される。この公演があったから僕は生きられた。」とコメントされたのが印象的だった。

果敢に取り組んだ「つくる・みらいの会」

ワークの後・たまっこ座のみなさん

 たまっこ座は1985年に創立してはや35年。気がつけば末永さんらは孫たちとともに舞台を踏んでいる。親子三代にわたる編成は世界でも稀有な存在。孫世代は子どもバンド「Baby Boom」としても活躍している。親の背中を見て育つ、まさに環境が人を育てることを伝えてもくれた。
 そして、コロナ禍で公演を実現させた「つくる・みらいの会」の決断に賛同して観劇をした人も多かったのではないだろうか。目に見えない「罠」を感じ取ってほしい、『刻の罠』という舞台で、今みんなとシェアしたいという熱い想いで繋がったメンバーたちが一丸となって、念入りな準備をして公演を実行したことこそが本物の気づきなのではないかと思う。さらに公演の後の交流会(9月5日)で、は「親とか、大人とか子どもとかではなく、一人一人が自分の責任を果たす。本気の大人の中で、子どもは本気でやりたいと思うようになる。表現は自由ですし、誰でもいいたいことが言えるようになる。」と末永桂子さん。熱くて濃い時を持てたことで「よし!今を生きよう!」と思えた夏だった。

 私たちは今こそしっかり目を見開いて、国の政治を見つめ直す時なのかもしれません。真実を見せられぬまま、罠にはまってはいないか。「罠」という漢字のなりたちを知った今、私たちは決して「もの見えぬ民」ではないということを、改めて目を見開いて、自覚すべきかもしれませんね。

太鼓と芝居のたまっこ座
1985年創立。魂を揺さぶりぐんぐんと力の湧いてくる作品創りを目指し、子どもからお年寄りまで楽しめる和太鼓やお芝居の舞台として、文化庁の巡回事業を始め、ヨーロッパや北米、アジアの国々でも「時代や民族の壁を越える芸術」として高い評価を得ている。

つくる・みらいの会
「子ども達の未来を守りたい」「政治は暮らし」をスローガンに、自分たちが動くことが大事だと気づいた女性が中心に活動している市民団体。2016年から活動。

積極的に感受するとは:時には、社会に役に立たねばという意識から解き放たれて、鳥を数えた1日や、星が見えたことが最高だねと思えることに価値がある。みんな、この世を感受し存在足らしめる仲間です。あなたには、今日、話しかける木はありますか?(ドリアン助川さんの言葉より)


vol.198 しょうがいをみつめる vol.9

スリランカで 出会った子どもたち

 スリランカ という国に住んでいたことがあります。紅茶とカレーと「スリジャヤワルダナプラコッテ 」という長い首都名で有名な、インドの東に位置する島国です。
 今回はそんなスリランカ の特別支援教育についてお話したいと思います。

スリランカ の特別支援教室の風景

 スリランカ は1983年から2009年まで26年間にわたって内戦状態にありました。戦争が終結してようやく10年が経ったばかりの発展途上国です。そのため、学校設備などのハード面に関しては課題だらけです。私がスリランカ にいたのは何年も前ですが、その頃は、電気やシーリングファン(熱帯の国なので空調のためには必須)といった基本的な設備がない教室があったり、壊れたままの机や椅子がいつまでも直されずに放置してあったりということが普通にありました。
 一方で、教育には厚い国とも言われています 。公立学校であれば小学校から大学まで学費は無料で、初等教育の就学率は97%、識字率は91%にのぼり、アジア全体で見ても極めて高い水準となっています。

 そんなスリランカ にも障がいをもつ子ども達はおり、特別支援教育も存在しています。ただ、その数は圧倒的に少なく、専門の教員も足りません。地方ではこの傾向がさらに顕著で、支援が必要な子ども達全てに教育が行き届いている訳ではありません。NPOなどが私立の特別支援学校の運営や教員養成を行っているケースもあります。
 また、衛生的でない水道設備や貧しい教育インフラのために通学、在学が困難な状況に置かれている子ども達(特に身体に障がいのある子)や、家庭的な事情(距離が遠すぎることや親の特別支援教育への関心の低さ)から学校に通えていない子ども達も多くいると想定されています。
 このような厳しい環境の中ですが、私がスリランカ で出会った子ども達は皆一様に明るく、元気な子ばかりでした。教室に行けば、「一緒に遊ぼうよ」「名前書いたんだよ」などと声をかけてくれる子がいたり、話しかけるとはにかんでしまう子がいたりと、賑やかな毎日。珍しい外国人という目で街の人達から見られることの多かった私にとっては、日本での教員生活を思い出してほっとできる場所でした。

文中にも出てくるDくんとその学級

 ある学校で出会った一人の男の子(Dくん)がいます。Dくんは障がいが重く、言葉を話したり、文字を書いたりすることができませんでした。身体の動きもゆっくりでぎこちありません。机に向かって読み書き、計算の学習が中心の学校では、先生達もどう教えていいか分からず、ただでさえ教員不足の中、Dくんは教室の隅でただ座っていることが多くありました。現地の言葉であるタミル語が不自由だった私は読み書きを教えられる訳でもなく、自然とDくんと関わることが多くなりました。片言で話しかけ、一緒に色塗りをし、ハイタッチであいさつをし…。そんなことを繰り返していると、それまで下を向いていることの多かったDくんとも目が合うようになり、彼からハイタッチを求めてくるようになり、笑顔を見せることも増えてきました。そんなDくんの変化とともに、現地の先生達の様子にも変化が見られ、一緒にダンスを踊ったり、キャッチボールをしたりと、Dくんと関わりが豊かになりました。

 日本とは全く異なる環境のスリランカでも、子ども達の笑顔とひたむきな先生達の姿は変わらずにありました。1日でも早く支援を必要とする子ども達がふさわしい教育に出会えることを、今も日本から願っています。   S.I



vol.198  niramekkoGallery「三種の城」

始まりは数字だった。紙の上に数字を並べ、計算も得意で九九を歌うようにそらんじてたともき君。陶芸クラスでは時計を作り、数字があちこちで踊っていました。数字の次は線路。どこまでも続く線路にはやがて橋がかかり、トンネルもできて、ともき君の物語がどんどん膨らんでいきます。その次は、タワー。工作室から見えるツインアーチの138タワーを見ては描く。何枚も何枚も描く。長い紙に思い切り書いた時の満足そうな顔が今でも忘れられません。(写真上)そして、今のともき君のブームは?なんと「歌」なんですって。そういえば、パプリカを歌った時、クラスのみんなが反応して大合唱になったね。ともき君の興味関心が創作の原点。今後も目が離せません。


vol.198 人生これから!

「やってみた」シリーズ 第4弾

油絵からアクリル絵画に挑戦!  長谷川達子さん(60代)

 描き始めたのは48歳くらいの頃。旅行仲間と旅先でスケッチしてる人を見かけ、「あんな風に描けたらいいね」、が始まりだった。それを口にした途端、友人の一人が、「使ってない部屋があるからそこを使って!」と持ちかけてくれた。月に3回関市を流れる長良川畔の素敵な家の地下室で、お酒を飲みながらお菓子をつまみながら、描きはじめた。某銀行ロビーでのグループ展を2回、北海道ビエンナーレにも応募した。「惜しくも賞を逃しましたが昨年なら確実に入賞してましたよ。今年は賞の数を減らしたのに応募がかなり多くて」、と温かい慰めの言葉が付いて絵が返ってきて苦笑いしたとか。
 そんな頃、仲間の一人が突然京都の芸術大学に入学した。それで絵画クラスは一旦休止。それから10年ほどブランクがあったが、仕事の後輩から「中古住宅を買ったので、その2階をアトリエにしたら?」と勧められ、また絵を描ける環境が整った。
 絵を描くのは一人でもいいと思っていたが、仲間がいるともっといい。あっという間に8人が集まり、京都芸大に通う友人からアクリル画の先生を紹介され、月一回来てもらうことになった。「本当は油絵を描きたかったのですが、油絵は揮発油を使うので、お借りしたアトリエは無人のことが多く、高温になると引火する可能性もあり断念しました。」
 アトリエのこともあり油絵からアクリル画に転向した長谷川さん。まずはデッサンから。鉛筆で光りと陰を表現する。何枚も描いた。「細かく丁寧に書くこと。崩して描くのは10年早いと先生に言われてしまいました。私らしく描くのはちょっと早かったみたいです。基本は大事ですしね」。
 そんな再スタートだったが、コロナでまた休止状態に。その間は自主練。描いた絵をメールで先生に送り、先生が添削してくれる。
 「6月から再開しましたが、色つけや道具なども必要で、やはり先生に来てもらうとはかどります。」
 特に色つけは先生の指導が必須と話す長谷川さん。アクリルは水彩画のようなにじみも表現出来るし、油絵のような重ね塗りもできる事に魅力を感じた。

次は自分が描きたい
モチーフで
 モチーフ選びも結構難しい。変化のある大きいものを選ぶよう先生に言われ、自分が考えたモチーフを写真に撮って先生に見せ、意見をもらう。
 仕事より、絵のことを考えている方が楽しくて、描き始めると夢中になる。気がついたら楽しみにしていたジャズライブの約束の時間に遅れたこともあったとか。
 「絵も音楽も日頃のことを忘れさせてくれるから、私にとって精神衛生上とっても必要な要素なの。歳をとると子どもに戻るっていうでしょ。私、子どもの頃から絵を描くことが好きだったんですね。だからこういう人生になったって気がしてます。自分の思い描いていた人生に近づいてきたなぁって。コロナで仕事に出られない生活でも楽しみを見つけたので、仲間と幸せだねって言い合ってます。」  蘇原中央町在住

あなたの「やってみた」をご紹介させてください。掲載された方には人生これから!編集のライフデザインノート『ゼロの昇天』を進呈!


えんぴつカフェ 今回のテーマ
<お墓について。あなたはどうしたい?>

「お墓はいらない」、とか「夫とは一緒の墓に入りたくない」、とか
「墓守をする人がいないし」、とか様々な意見がありますが、
あなたはどう考え、どうしたいですか?それを実現するためには?
様々な意見がありました。その一部をご紹介します。

9月17日(木)「お墓について」

・2年前に母を亡くしました。自分は生前親に迷惑をいっぱいかけてきて、一緒の墓に入ってまた迷惑をかけたくないので、自分の時は海に散骨してもらうよう、あま市の業者にすでに申し込んであります。
・山の上に先祖の大きな墓がたくさんありましたが、管理どころか、そこに行くだけでもとても大変。ご先祖様には申し訳ないですが、私の代で終わりにしたいと、墓じまいを済ませました。お骨は納骨堂に入れてもらいました。
・今はいろんな情報が手に入るけど、経験者の生の声が一番と思って今日は参加しました。私は、死んだら意識もないし、お骨もゴミとして処分してもらってもいいとさえ思っています。なので、子どもたちの判断にまかせようと思っています。
・自分では私と夫のお墓は造らない、と思っていたのですが、3年前に夫が亡くなった時に子どもたちが「お墓が欲しい」というので造りました。お墓は造った以上お守りしなくてはいけない、その辺がこれから先どうかな、とは思います。
・実家は熊本で自分は長男。自分の息子は東京住まいで岐阜に来るつもりはない。お墓に関してはどうしたもんかと悩んでいる真っ最中です。
・墓じまいを済ませました。義姉が、「自分たちの下の世代に迷惑をかけないようにしよう」と。お骨は供養塔に入れていただいたので、そこでお参りをしています。
・自分たちのお墓のことは、妻とは時々話題にしますが、子どもとは話していません。自分としては樹木葬もいいかな。両親の月命日ごとの墓参りには子どもたちと一緒に行っていたので、親のそういう姿は見せることができたかな。
・私は夫の父親とは心が離れているので、一緒のお墓には入りたくないです。実家のお墓に入りたいです。
・代々のお墓のある家の次男さんが亡くなったとき、長男さんが「こっちに入ればいい」と言われ、そうされました。次男だから実家のお墓に入れないではなくて、それぞれの家庭の事情にあわせて決めていけばいいと思います。
・お墓の土地は購入したけど、今はお墓を造る気がないです。考えも時代によって変わって行くし。
・お墓ってどうして必要なのか、両親が亡くなったとき自分のためにあるのかな。すると自分がどうしたいのか、と考えないといけない。近くにあるのがいいのなら、お骨をペンダントにするということでもいいのかな。
・ある人が「俺が死んだら散骨してくれ」と生前言っていたので、遺族は遺志を尊重し散骨しました。しかし、その方の奥さんは生前何も伝えてなかった。お子さんたちは「供養塔に入れてほしい」という事でした。「ここに来ればお母さんに会えるね」と。今までのつながりを考えたとき、何も残らないというのはどうなのかな、と思いました。
・ある知的障がいのある方のケースです。ご両親のお骨をいつまでも手元に置いたままでした。それではいけないと、周りのサポートで供養塔に。すると、「これでお父さんお母さん褒めてくれるかなぁ」とひと言。それを聞いて、「ずっと気にされていたんだなぁ」と感じました。事前に子どもにしっかりと話しておくことはすごく大事だと思います。

えんぴつカフェは毎月第3木曜日 13:30-15:30
にらめっこ編集室にて。



vol.198 えんぴつカフェ

ポジティブに「死」に向き合う

これまで遺族が選ぶことが多かった遺影を生前に自分で用意する人が増えています。お気に入りの服や着物を着用し、モデル気分で華やかな写真を撮影。自分で死後に備える「終活」が定着しつつある現在、遺影をめぐる価値観も変わってきているようです。そこで、NPO「人生これから!」ではプロカメラマンによる撮影会を開催します。

専門家が、対話しながら、あなたがあなたらしく撮影に臨めるようヘア・メイクを担当いたします。また、肌色をよく見せるため、普段より鮮やかな口紅を使うことや、眉毛を鮮明に描くことなども同時に参加者にアドバイスをします。

フォトグラファー:田中千穂( ちいほ)
Chiiho photograpy & works
愛西市在住(196号の熱中人 掲載)

えんぴつ・カフェとは・・・

毎月1回おしゃべりしながらライフデザインノート『ゼロの昇天』を書き込むために集うカフェです。お茶を飲みお 菓子をつまみながら、持ち寄った課題をみんなで考えます。話題は多岐にわたります。「人生これから!」を基本に、やがて迎えるであろう「そのとき」まで、 どう生きるかを念頭に置いて書き込んでいきます。ちっとも筆が進まない、というのが現状ですが、みんなの話を聞いて、回を重ねるごとに、少しづつイメージ が湧いてきます。そんなカフェです。

参加ご希望の方は、ご連絡ください
主催:NPO「人生これから!」
問い合わせ 090-5638-7044(田辺)
      090-7854-4561(三上)



vol.198 熱中人 ミナタニ アキさん

物事を深く考え、言葉で伝えてゆく
  そこから生まれるものを大切に

「犬てつ」(犬山×こども×大人×てつがく×対話)主宰
ミナタニ アキさん(犬山市在住)

 犬てつは大人とこどもが一つのテーマについてじっくり一緒に考えることを通して、思考を広げ深めていく「てつがく対話」を中心に活動している。
 「こどもが対話に加わるとすごく面白いんです。例えば『家族』というテーマでも、『なんでそもそも家族があるんだろう?』って、大人が思いもしないことを子どもが投げかけてくれて、すると『なんでだろう』って、ぐっと考えが深まるんです。こどもがいるからこその会話が生まれる瞬間に、毎回出会います」とミナタニさん。
 答えは一つではない、最後にまとめるということもしない。参加者は、発言するしないは自由、ただ聞いているだけでもいい。
 「重要なのはその場だけで終わらず、持ち帰って『考え続けること』。それが一番大事な事かな。対話中には全然話さなかった子が、帰りの車の中でお母さんと話したというエピソードをよく聞きますが、それでいいと思うんです。学校ではなにか発言しないと、というプレッシャーのようなものがあると思うんですけど、ここではそれがない。自由でいられる場みたいなものを意識的につくろうと進行役の方と一緒に考えてやっています」。
 だから時間中に遊ぶ子もそのまま受け入れる。最初は簡単な質問でさえ親の顔を見たり、緊張して言葉を出すのに時間がかかった子どもたちにもひたすら言葉を待った。
 「3年目には、みんなで話しを継いで言葉を深めていくということが出来るようになってきました。そういう楽しさを子ども自身がわかってきた。大人以上にうまくなってる感じです。すごいことだと思います。」

 2019年2月には、犬山市男女共同参画市民会議とのコラボを企画し、男と女何が違うのか、「ずるい」をテーマに対話。その時には学校の制服に対して、なんで女の子はスカートをはかないといけないのか、と子どもたちから声があがった。
 「犬山市はフリースピーチ制度(※)というのがあるので、おかしいと思うんだったら、話してみる?と提案してみました」
 同年9月議会のフリースピーチで「なぜ女子はスカートで、男子はズボンなのか。性別に関係なく着られて違和感のない制服があれば、皆が安心すると思う」と小学校4年生の犬てつっ子がスピーチ。それを受けて市の教育委員会が検討し、2021年4月から市内の中学校の制服が、従来の詰め襟・セーラー服かブレザーか、女子のブレザータイプならズボン・スカートが選択できることが決定した。
 「一緒に考えて発信すれば、社会は変わるんだよ!ってことを伝えて行きたいと思っています。楽しんで考えてることで思考力も鍛えられますが、でもそれだけではなく、なんのために考えるかというと、より良い社会をつくるため、なんですね」。
 深く考えることは、多角的にものごとを捉え、想像力を膨らませる。それは他者の立場に立って考える思いやりに繋がっていく。地域で活動していくには、そういった視点も大切にしたい、とミナタニさんは考える。
 犬てつ4年目の今年は「てつがく対話を通して創る未来の運動会」と、初めてゴールを設けての活動に取り組む。もし自分たちで運動会を創るとしたらどんな運動会をやるのか、まず「未来の運動会」ってなんだろうという対話をして、次はそれを振り返りつつ、未来の運動会を創る要素としては何があった方がいいのかを問いかけた。
 「みんなが楽しめる運動会の『みんな』って誰か、それをずっと問い続けているといってもいいくらい。誰かにとっていい事が誰かにとっては悪いことだったりする。本当にみんなが楽しいってどうやったらできるんだろう、そのへんを今一緒に考えているところです。どういう言葉が子どもたちから出てくるのかすごく興味深いですね」
 今年の12月に開催される「未来の運動会」は、本来なら地域の人たちを巻き込んで賑やかにやりたいところだが、コロナ禍なので今回は自分たちだけでの運動会となるという。

 「言葉が得意な子もいればそうでない子、いろいろでいい。ただ、言葉が主な社会だから、こういう場で慣れていくことで、もうちょっと生きやすくなる。てつがく対話をそういう機会に思ってくれてもいいなと思います」。
 いろんな人がいて、いろんな意見があっていい。みんなが認めあえる地域、街、社会は「犬てつ」のような場所から生まれるのかもしれない。

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(※)市民フリースピーチ制度
犬山市議会では、市民が議会で発言する機会を確保することにより、市民の議会への関心を高め、市民により身近で開かれた議会の実現に努めることを目的として、市民フリースピーチ(5分間発言)制度を実施します。議会は市民からいただいた提案を全員協議会などの議論の中で熟慮し、適切にアクションします。(犬山市H.Pより)

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犬てつの3年間の記録を一冊にまとめた書籍『こどもと大人のてつがくじかん』が刊行されました。

『こどもと大人のてつがくじかん 』
てつがくするとはどういうことか?
2,300円+税 LANDSCHAFT 

こどもと大人が一緒に対話し、紡いできたてつがくじかん。
犬山で生まれた犬てつの、宝物のような三年間のドキュメント。
てつがく対話についてまったく知らないこどもと大人たちが、
手探りながらの対話を通じて、自分とは違う意見を持つ他者や、新たな自分を見出し、
対話の楽しさ、難しさに目覚めていく様子が浮き彫りになっています。
わたしたちは他者と対話し、協働する術をあまりにも学んできませんでした。
犬てつではこどもを媒介に、世界にいつもとは違うまなざしをむけ、
自由や民主主義の本質を問うような対話も芽生えてきます。
てつがくすることの意味を一から問い直す、これまでになかったような実践の書です。



vol.198  夢か悪夢かリニアが通る!vol.27

椹島付近の林道から赤石岳を望む

 「静岡県がごねているせいで、リニア中央新幹線の2027年開業が遅れてしまう」というネットを中心に広がる「静岡悪者論」に反論する動きが活発です。県の中央新幹線対策本部長を務める難波喬司副知事は10月2日、東京都の日本記者クラブで記者会見し、川勝平太知事は月刊誌「中央公論11月号」に「国策リニア中央新幹線プロジェクトにもの申す」という論文を寄稿しました。この中で川勝知事は新型コロナウイルス感染拡大について「リニア再考をせまる新しい現実」だとして計画見直しを視野に入れたリニアの「中間評価」を行うことを菅新内閣に求め、「“命の水”を戻すことができないのであれば、リニア・ルートのうち南アルプス・トンネル・ルートは潔くあきらめるべきです」と踏み込んでいます。今回は、南アルプストンネル建設が行われる予定の大井川源流部を1年余りぶりに訪れました。     井澤宏明・ジャーナリスト

荒れる大井川源流

崩壊した林道

台風、豪雨で土砂の採掘現場のようになってしまった燕沢周辺

 同行させていただいたのは、「リニア新幹線を考える静岡県民ネットワーク」が10月1、2日に行った第6次調査です。同ネットは2014年から毎年のようにリニア静岡工区となる大井川源流部の「定点観測」を続けてきました。
 源流部への入り口となる畑薙第一ダムの巨大な堰堤を渡り、ダム湖を左に見ながら進みます。いつものガタガタ道を覚悟していたのですが、整地され舗装済みのところもあります。
 管理する静岡市治山林道課に尋ねると、「JR(東海)さんの大型車両が増加することに伴って林道の痛みが生じるので、それを防ぐためのものです」との答え。舗装区間は今の段階で約200メートルを予定していますが、最終的には約27キロの林道すべてを舗装する計画とのこと。
 おせっかいながら工事費用の負担が心配になります。市によると、舗装費用はJR東海が持ち、修復費用もリニア工事中はJR東海が負担するものの、工事終了後は市の負担になるといいます。大雨や大地震が起こるたび崩れる東俣林道。将来、市が負担し続けられるのでしょうか。

土砂がたまり、橋まで1メートルもない

 途中から林道が河原に下ります。ここは昨年の台風19号で林道が崩落したため付け替えられた道。この道も今年7月の豪雨で一時、流失したそうです。赤い「畑薙橋」の鉄橋を渡って右岸へ。すぐ上流の大規模崩壊地「赤崩」などから絶えず流れ出る土砂が河原にたまり、今にも橋に届きそうです。

姿を変えた燕沢

 南アルプス南部の3000メートル級の山々の登山基地だった「椹島」(さわらじま)。リニアの工事事務所や作業員宿舎が建ち並び、今ではすっかり「飯場」(はんば)のようになってしまいました。昨年6月に川勝知事の視察に同行取材したときにはなかった宿舎の建設も進んでいます。向かいには南アルプストンネル建設への警鐘を鳴らし昨年11月に亡くなった山岳写真家・白簱史朗さんのログハウス風の写真館がありました。
 燕沢(つばくろざわ)と大井川の合流地点に着きました。JR東海はここに、トンネル掘削で生じる東京ドーム約3杯分約360万立方メートルの残土を積み上げる計画です。
 ところが台風や豪雨で、周辺の地形がすっかり変わっていました。増水した川に押し流されたのでしょう、ドロノキなどの河畔林は消え去り、土砂の採掘現場のようになっています。対岸の崩壊も進み、今にも地滑りが起きそうです。
 残土を積み上げる規模は、高さ最大約70メートル、幅最大約300メートル、長さ最大約600メートル。県は説明資料で、高さ約65メートルの県庁東館(16階建て)、広さ約18ヘクタールの駿府城公園と比較し、同規模の残土が積み上げられることを示唆しています。

林道がスッパリと切れ、斜面が崩壊している様子が分かる

 この連載15回目で明星大学准教授・長谷川裕彦さんが警告したように、大規模な崩壊を繰り返してきた千枚岳の岩屑なだれが、積み上げた残土にせき止められ、より大規模な土砂ダムができてしまう恐れがあります。昨年、今年の台風や豪雨で大きく改変された地形を目の当たりにすれば、ここに残土を積み上げれば将来何が起こるのか、「火を見るよりも明らか」だと思うのですが。


vol.198 ボーダーレス社会をめざして vol.57

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

賞味期限

  「おいしいお店に行こう!」と障がいのある人に誘われ、いざ食べに行くと「あれっ?これっておいしいの?」思うことがあります。人には味覚の差は当然ありますが、雰囲気、見た目、先入観でおいしさは全く違った物になるらしいです。
 自閉症と言われる方には、感覚過敏という特徴がある人がいます。主には「聴覚・視覚・触覚・嗅覚・味覚」の五感の一部、または複数からの刺激を過敏に感じることです。食べることが出来るものが、数種類しかないという人、お母さんが作ったふりかけ以外は食べないという人、焼きそばが好きで、私たちが作って出しても「入れた調味料が違う」と言って食べられない人など、いろいろな方に今までお会いしました。舌触り・匂い・味・外観いろいろな条件がそろって食べられないようです。
 知的障がいの方と自閉症の方とは食べ物に関しては、ちょっと違います。知的障がいの方で、賞味期限を全く気にしない人もあります。「もう捨てたほうがいいんじゃない」と言っても「食べます」と言ってガンと捨てない人もいます。食に関しては、多かれ少なかれ問題はあります。お店へ入ると同じメニューを毎回注文する人もいます。食べ物自体の温度も気にします。息子は料理が冷めたものはちょっと苦手です。電子レンジがあれば、冷めた料理はほとんどチンします。カレーは、小学校の5年生から突如食べられなくなりました。何が起きたのか分かりませんが、カレーの匂いを嗅ぐだけで小さなパニックになります。ですから、我が家ではカレーが食べられません。
 息子は、他に食べられないものはないのですが、傷んでいて少し酸っぱい味がするから、やめておこうということが分からないようです。味覚に関しては、少々不安な所があります。どうしたらお腹を壊さないでこれから生きていけるのか? 考えた末に、賞味期限だったら目で分かるからそれで、食べられるもの・食べない方が良いものを分けようと思いました。運よく、彼の頭に賞味期限がインプットされました。しかしです。賞味期限を過ぎても食べられるものはありますが、すべて捨てることになってしまいました。
 ある日、冷蔵庫の中を見ると、調味料がありません。少しぐらい賞味期限が過ぎていても使えると思い、入れておいたのが、残念!ありません。捨てられました。困ったものですが致し方ありません。彼が長い人生を生きていくために、食中毒にならないためには、この選択肢しかありません。味覚に頼って判断することは、非常に難しいようです。



vol.198 半農半X vol.39

ことば大学

 新型コロナウイルスの蔓延で、世界はこれまでの生活様式を変えていかないといけなくなりました。ふと思い出したのが、英国の詩人ワーズワースのことば「進む者は別れなければならない」です。このエッセイ欄にも何度も書いてきましたが、大学4年のころから、本などで、いいことばに出会うと、メモをするようになりました。人それぞれ、心の支えは異なりますが、私にとっては「ことば貯金」がとても大きなものとなっています。100年に1度の危機といわれる今、どんな言葉が支えになるか。おすすめをいくつかあげてみましょう。

宮崎を観光で有名にした岩切章太郎さんが言った「心配するな、工夫せよ」もいいですね。工夫は日本人の得意なことだと思います。相撲界には「三年先の稽古」ということばがあります。番付をあげていくためには、これまでとは異なる稽古を今からしておく必要がある。「風がなければ、オールを持て」。これはラテンのことわざです。いい風が吹くのを待つという発想もありますが、手元には漕ぎだせる櫂(かい)の代用となるものがあるかもしれません。古今東西のいいことばを持ち寄り、紹介し合う「ことば大学」が開催できたらと思っています。1限目=哲学系のことばに学ぶ、2限=里山・農業系のことば、3限=地域活性化のことば、4限=生命のことば、5限=関係性のことばに学ぶ、という感じです。いかがでしょう?受講してみたいと思ってくださるとうれしいです。


塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は翻訳されて、台湾、中国、韓国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。

※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題(どう生きるか)を背景と する。持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。ex.半農半漁、半農半大工、半農半看護師、半農半カフェ、 半農半絵描き、半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。


vol.198 未来に続く暮しの学びPrt-39

暮らしはアート

 今月号から、アートと暮らしについて、徒然なるままに書きたいと思います。持続可能な暮らしとは、どんな暮らしなのか、みなさん考えたことはありますか?私はコロナ禍で不安に押しつぶされそうな時だからこそ、人は基本に立ち返るのだと思います。私が思う基本は「土」です。土に触れること、どれだけ畑仕事をすることが大切なのか、身に染みて感じています。
 前号でも書きましたが、、ここオーストラリアは、州によって違うものの、規制がどんどん厳しくなってきています。行動の一つ一つに規制がかけられ、とても窮屈です。公共の場で踊ってはいけない、20人以上では集ってはいけない、外出許可証がなければ散歩にも出られないといった具合です。何を根拠にそんな規制をかけられるのか、周りはブーイングが飛び交っています。それでもこのあたりは自然に囲まれて生活できる地域なので、みんな割とのびのび生活できるのがせめてもの救いです。
 ただ、いち絵描きとして、このコロナ禍を生きるのは、かなり厳しい状況です。アーティストは人が集まって、アートを通じて交流を深めていくことを求めているからです。しかし規制が厳しい中、表現の場を作ろうとする(イベントを主催するなど)とそれなりのリスク、ストレスが一緒についてきます。私の場合は絵という形で自分と向き合って、解放というか、自由を楽しんでいます。今は“さなぎ”になった気分で、内なる情熱とこの不自由な中にも自由を探索する時期だと思っています。そのようにとらえ方を変えてみると、突如この現状が素晴らしく感じたりして…。
 今までの歴史を振り返ると、時代が変化する時には、アート、芸術の分野にも変化があります。表現の仕方が変わったり、新しい技法が生まれたり。まさに今、私たちは変化のさなかに生きています。それが今後私たちにきっと良い影響をもたらしてくれる。そう信じて表現をすることで、自分自身の内面の自由を手に入れる。
 「半農半アート」。それが私の持続可能な暮らしの第一歩。芸術は生活の一部であり、表現することの自由は、私たちが生きる中で、大切な要素だと思っています。     やお

大地の恵みに感謝!カリフラワーがいっぱい採れるのでカリフラワーパンを作るが日課になりました。半農半アートの暮らしを楽しむ。



vol.198 菌ちゃん野菜応援団 vol.19

冬野菜の準備

 暑かった夏もお彼岸を過ぎたら一気に秋の気配。暑さ寒さも彼岸まで、とはよく言ったものですね。
 畑仕事は、というとこの時期は冬野菜の準備でてんやわんや。人参の種、白菜の種、ブロッコリー、水菜、ビーツ、大根などなどをどんどんまいていきます。まいても昼間は暑いので水やりを2日忘れるとせっかく出た芽が枯れてしまったり、そもそも芽がでなかったり。もちろん、虫の被害もどうしてもこの時期はあります。失敗の連続。そのくせ草の勢いはまだまだ衰えない。めげそうになりますね。
 それでも!!まだ頑張ってくれてる秋ナス、空芯菜、オクラ、モロヘイヤ等々。美味しい野菜が食卓に上がってお腹いっぱい食べられると、やっぱり明日も畑に行こう、となってしまいます。この夏はほとんど野菜を買わずに済みましたが、なんと2年以上続いた息子のアトピーがかなり落ち着いてきて。オーガニック野菜のすごいところは無農薬とかそう言うところだけじゃない。多くの微生物を内包していて、腸内細菌と共存していってくれて腸内フローラを豊かにしてくれることだ、とは畑の師匠のお話。
 なるほどなぁ、と思うのです。家事に育児に畑仕事に。豊かというより追いまくられて休む暇もないけれど、明日も頑張ろうかな。

今回は干し芋。
秋の風味を堪能してくださいね。ねっとりした噛み応えと自然な甘み、植物繊維を多く含み、ビタミンB1、ビタミンC、
カリウムが豊富で栄養面でも優れもの。

材料 さつまいも好きなだけ 
 乾燥した天気の日2〜3日

作り方
1)さつまいもを炊飯釜に入れ、
水を3合目盛りくらいまで入れ
たら、玄米モードでスイッチON
 少量作る場合は、途中で蓋を開けて、竹串をさし、良さそうなら炊飯ストップしてください。
2)熱いうちにキッチンペーパーや布巾を使いながらさつまいもの皮をむく。竹串で縦にすーっと筋を入れると皮をむきやすいです。
3)あら熱がとれたら、水で湿らせた包丁で5ミリ程度の厚さに切る。(お好みの厚さでOK)
4)ザルや網にさつまいもを並べて1日1回くらい表裏を返しながら天日干しする。好みのかたさになったら完成♪
やわらかねっとりは2日、かためは3〜5日干しが目安です。
食べる時に、トースターやレンジで軽くあたためると、香りとやわらかさがUPします。お好みでどうぞ☆


vol.198 ここいく日記 はじめの15歩!

〜愛を叫ぶ〜

 今年は新型コロナウイルスの影響で学校等での「いのちの授業」はほぼ中止。こんな時だからこそ、体と心と命の話、包括的性教育を届けたいと思っても、呼んでもらえないと実現できません。ならば今年は、学校ではできない「いのちの授業」を実践する年にしたいと考えていました。そんな時、遠方に住む、子どもたちが思春期で「性」に関心があるという知り合いの家族が、たまたま各務原市に来てくれたので、急遽「いのちの授業」を実施しました。
 ここいくの授業プログラムは、年齢に応じて工夫され、いろいろなメニューがあります。その中のひとつ「愛を叫ぶ」というプログラムが私は大好きですが、1人でも親が参加できないお子さんがいる場合は実施しません。定員も10組くらいの親子が理想です。そんな条件があるので学校の授業では、なかなかできないメニューです。
 この日は、お父さんお母さん兄弟姉妹揃っての3家族が参加。いつものように心と体のお話をして、いのちの成り立ちを伝えたあとで「愛を叫ぶ」を実践。前振りもなく、突然の流れに、お父さんもお母さんも戸惑います。用意されたカッコいい言葉ではなく、「いのちの授業」を受けた後の流れで感じた気持ちを、お父さんお母さんから子どもたちに叫んでもらいます。
「優しい○○くんが大好きだよ~」
「いつも、からかってごめんね。でも大好きだよ」
「お母さんを受け止めてくれてありがとう~」
 それぞれの思いを叫ぶお父さんお母さんに駆け寄り抱きしめてもらう子どもたち。思わず溢れる親子の涙。その涙にもらい泣きする私たち。愛が溢れる瞬間を参加者全員で共有できた幸せな時間でした。
 こんな風に「愛を叫ぶ」ことができる家庭はきっと大丈夫。そんなに心配ないのかなぁ~と思います。それくらい「愛」の力は大きいし、人は愛が原点なのだと思っています。

 「いのちの授業」で学校に行くと様々な子どもたちと出会います。一人一人違って当たり前ということ、「あなたはあなたのままでいい。生まれてきてくれてありがとう」という思いをどれだけ伝えても、それを実感できる場所がない子どもたちは、苦しくて辛い。そんな苦しんいる子どもたちにも出会ってきました。
「あの親が、そんなこと思う訳がない。」
「自分には親がいないから、よく分からない。でも親っていいなと思いました。」
 そんな感想をもらった時、親じゃなくてもいい、誰でもいい、ありのままを受け止めてくれる人たちがいる、ということが大事だと、「ここいく」の拠点でもある「あいのね」が誕生しました。あなたはあなたのままで「あ~いいのね」と感じられる愛の根っこを育む「あいのね」はそんな地域の居場所です。ここに来る子どもたちに、ここいくのメンバーが心で愛を叫んでいます。
 誰もが幸せになるために生まれてきました。
 生い立ちは変えられない。でも未来は変えられます。
そして、自分の気持ち次第でその出来事の意味も変わってくる。
私自身もたくさんの愛をもらって幸せに生きていることを「いのちの授業」を通して出逢った人たちに伝えていきたいです。

今回、「いのちの授業」を受けてみたいという声と、届けたいという思いが重なれば、こんなふうに小さな集まりでも実現できるという新たな可能性を感じました。授業に興味のある方はお気軽にお声かけ下さい!(費用は要相談)

担当:ここいくメンバー・古川 明美でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)


vol.198 トンガからこんにちは! 連載-4

トンガ語でラグビーのことを’Akapulu(アカプル)と言います。トンガ人は’Akapuluが大好きです!
夕方になると裸足になってラグビーをする子供がたくさんいます。男の子も、女の子も関係ありません。それが、トンガ人がラグビーで強い理由の一つかと思います。

 国民10万人中でラグビー選手約6万人!その内、登録選手(プロ・アマ)約2万4千人いるそうです。ちなみに、日本は人口1億2千万人中選手が約30万人、登録選手は約10万人いるそうです。(WORLD ROGBY 2018)

人口の割に選手率が高く、競争率が低い割に一人ひとりが強い!!トンガナショナルチームも強いけれど、その他にオーストラリア、ニュージーランド、フィジー 、そして日本でもトンガ人が代表選手に選ばれています。一言で、ラグビー王国としか言いようがありません。では、先進国のような最新のトレーニングを小さな頃から受けられるわけではない環境で、どのように強くなっていくのでしょう!?
私は、なんと言っても、その「ラグビー愛」であると思います。

 そう、去年の11月2日に大西洋開催の大会で、久しぶりにオーストラリアチームに勝利したトンガは、11月15日を祝日にして、翌日の土曜日に1日かけてパレード、トークイベント行いました。各選手が出身の島を訪れ挨拶してくれました。もちろん、優勝してませんよ。ワールドカップで優勝したら、どうなっちゃうんでしょうね!?

 みんなトンガカラーの赤い服を身に纏い、早い者勝ちで選手の近くに行って写真は撮るしサインはもらうし、プレゼントもしてました。このプレゼントがすごくて、島のおばちゃん、総出で頑張ったんだろうなぁと言う事が簡単に想像できるほどの大きな手編マット(トンガではお嫁入り道具にするくらいのもの!!しかも名前入りの特注!!)まで用意されてました。トンガのいいところは、選手との距離がとっても近い事で、選手から一般人へのサービスもとてもオープンなのですが、試合を盛り上げてくれた選手への労いも素晴らしいなと思いました。選手が乗る車がトラックに椅子をのせただけってことがまた、トンガらしかったです。

 遺伝的に骨格がしっかりしているし、「大きい身体がかっこいい」という美意識から、食べ物も芋類を中心によく食べるので、ますます大きくなります。そして、自給率の高い彼らは、小さな子供の頃から、日々の暮らしの中で、畑仕事も、動物の世話も家族一緒に行っています。この習慣がどれだけ影響しているか、測りしれません。

想像してみてください!マーケットで売っているのは、20kg、30kgもする芋類ばかり。1kgに満たないトマトやきゅうりではないんです。この芋類を母親に「運んで」と言われれば、まだまだほっそりした子供でも運んでしまいます。30kgの米袋をどれだけの日本人が運べるでしょう。極め付けは、ココナッツ!ココナッツを収穫して投げる時の姿は、まさしくラグビーです。ラグビーボールの何倍の重さもあるようなココナッツをいとも軽々とホイホイ投げます。朝にはそのココナッツを大きな鉈型ナイフで割って、中身を削って豚にあげます。5歳くらいになれば、どこにでもついていくので、子供と言っても私の足よりもよっぽど分厚い足をしています。

 もう、ラグビーをやるために生まれてきたのか、トンガ人の動きがラグビーと言うスポーツになったのか、分からないくらい!!
 そんなトンガ人のラグビー観戦は、もちろんグループ観戦です。スポーツバーはもちろんないので、テレビのある家にわらわらと集まり、20ー30人で真剣に観戦!お酒を飲むわけでもなく、何かを食べるわけでもなく。大人数で観戦する楽しさもさることながら、テレビもバヘバヘ(シェア)でeco friendly !! それが無意識に、当たり前に、習慣的にできるトンガ人、かっこいいでしょ!?


加藤美希(かとうみき)農的暮らしに落ち着きたいと思いつつ、ついつい旅人人生を送っている管理栄養士です。旅するうちに、「伝統料理と健康の秘 密」が人生の研究課題に。今回のミッションはトンガで蔓延する肥満や生活習慣病の改善。伝統料理の推進と学校菜園を通して、将来トンガの人々が世界に有す る健康大国になることを願って日々奮闘中。


vol.198 プレゼントコーナー

1- あなたが今年チャレンジしたことor来年チャレンジしたいことは?
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
 タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名
(第1希望・第2希望)
 ※A、Bは編集室まで受け取りに来られる方。
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、  家族構成

プレゼントご希望の方は
ハガキまたはe-mailで、上記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係り
までお送りください。
〆切:11月25日 当日消印有効。

宛先
〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。


A.ゆりかごカレンダー2021
  ゆりかご助産院様より…3名様

毎年好評の月と暮らすカレンダー。月の満ち欠けと大潮の表記、月の出入り時間と潮の干満時間表示が便利。旧暦・六曜・二十四節気・十二支入り。月の情報満載です。にらめっこ編集室でお受け取りください。


B.写真集「奥飛騨に響く種蔵の里」
    加藤麻美様より…3名様

ゆったりとした時の流れを感じながら生活する、静かで穏やかな集落、種蔵に惹かれて通い撮り続けた加藤さんの温かい視線を感じる写真集です。にらめっこ編集室でお受け取りください。


C. CINEX 映画招待券
シネックス様より…ペア3組様

主人公と一緒に見たり考えたり笑ったり…。大きな画面に集中して観ていると、作品が伝えたいことをより感じやすい気がします。写真は「もったいないキッチン」より。招待券は柳ヶ瀬のシネックスでご利用いただけます。


D.アフタヌーンJazzライブご招待
  アートギャラリー是様より…1名様

久々のライブです。臨場感、音の響き、演奏者とのふれあい…。そんなライブの楽しみをたまにはいかが?今回は、ピアノとドラムのデュオです。大人な時間をゆったりとどうぞ。
12/19(sat)14:00〜16:00
アートギャラリー是(関市武芸川小知野489)





vol.197 あなたは差別したこと、ある?ない? 

差別とは何でしょう

 差別とは何でしょうか。ある人は「これは、差別だ」といいますが、別の人は「差別で はなくて、区別だ」といって、 意見が分かれることがあります。 この差別と区別の 違いの背景には、 区別は「しても許されるもの」、差別は「してはいけないもの」というとらえ方があります。 では、1つの行為が、社会的にみて許されるのか、許されないのか。これらは、文化・宗教、価値観などによって大きく違います。また、時代によっても大きく変化しています。 長いスパンで見れば、今の時代に生きる人が差別ではない、ととらえていることも20年、30年後には、差別だととらえられることが起こるかもしれません。

 考え方は、社会情勢によっても揺れています。今は、「ブラック ライブズ マター」で世界中でデモ行進が繰り広げられています。しかし、差別のとらえ方に意見の一致がみられないからといって、議論することを放り出してしまっては、せっかくのチャンスを逃してしまいます。意見の食い違いの中に、「見えてくるもの」「気づくこと」がたくさんあると思うから。
 異なっ意見に対しても合理的だと考えて「納得がいく」とみるのか、「納得がいかない」となのか、さまざまな意見の食い違いの中に、自分が気づいていない差別感情が現れてくるかもしれません 。 意見の違いの背景には、それぞれどんな見方をしているのかが浮かび上がってきま す。自分がどのような価値観を大事にしているのか、気づくようにもなります。

差別する側・差別される側

 私の友人にアフリカ系アメリカ人の女性がいました。初来日で、小牧空港に降り立った時に彼女は「日本は第二の故郷」とインスピレーションを得て、その後なんども来日しては我が家にホームステイしていました。家族が寝静まった後、お茶を飲みながらいろいろなことを話しました。
 自分が黒人であることで、教育の差別を受けたことが悔しかったこと。自分の肌を消しゴムで何度もこすり白い肌になろうとしたこと。平和行進でアメリカ南部に入る時ドキドキしたこと、そして石を投げられたこと、などなど。そんな話に耳を傾けながら、人種差別について当事者から聞く言葉は私の胸に深く入り込みました。日本や自身のルーツである西アフリカ・ナイジェリアの文化の話になった時、「なんで日本に藍染があるのか」と聞かれました。藍染はナイジェリア独自のものだと思っていたそう。逆に私は日本独自の文化だと思っていた。それを皮切りに、国境を越えた子育ての話、親の気持ち、なども交えて話しました。話せば話すほど知らないことに気づき、そして知ることに新鮮さを感じ、夜がふけることも度々ありました。

 「肌の色、文化、言語が違ってもみんなの想いはきっと同じよね。」彼女が帰国した後、そんな思いを手紙に書いてエアメールで送りました。しばらくすると、全く同じ内容の手紙が彼女からも届いたのです。ほぼ同時に手紙が空を交差してお互いの手元に届いた!シンクロした感じです。

 それを記念して、彼女の友人がデザインしてできたのが、このTシャツです。にらめっこの7周年記念に出会ったアリーン・ロビンソン。記憶にある方もいらっしゃると思います。
 彼女は49歳の時、腎臓がんで亡くなりました。お見舞いに渡米した時、街を歩いていたらすれ違いざまに白人ふたりに「イエロー」と蔑むように吐き捨てるように言われたことはいまだに忘れることができません。「人種」による差別感を強く感じた一瞬でした。この時から、私は「人種差別」について心のどこかでいつも意識するようになりました。

差別・偏見
日常に潜んでいるかも・・・

 単一民族で島国だからと勝手な理由で自分には関係ないように思っていた人種差別。・・・でも今はグローバル化が進み、日本でも様々な国の人たちが入り混ざって暮らしています。
 「差別」という言葉を調べてみると、こんなにもたくさんの種類がありました。
・ おたく差別・学歴差別・間接差別(一見性別が関係ないように見えるルールや取り扱いでも、運用した結果どちらかの性別が不利益になってしまう扱いのこと)・逆差別・言語差別・種差別・宗教差別・障害者差別・職業差別・人種差別・身長差別・性差別・性風俗産業に対する差別・年齢差別・部落差別・ルッキズム(Lookism容姿による差別)・エイジズム(年齢による差別)・セクシズム(性別による差別)・・・

そして新たに、コロナウイルスとともに広がる差別、偏見。

さて、果たして私(あなた)の中に差別感情があるかないか。
 そもそも差別感情とは、他者に対する否定的感情(不快・嫌悪・軽蔑・恐怖)と、その裏返しとしての自己に対する肯定的感情(誇り・自尊心・帰属意識・向上心)、そして「誠実性」の危うさの中で揺れ動く感情…そのあたりを、じっくりと考えてみたいと思います。


vol.197 日常に潜む差別

日常に潜む差別

 障害について考えてみたいと思います。「にらめっこ」の活動の一つに「風の芸術村」という美術教室があります。ここに通う人たちは、みんな素敵な特性を持っています。
 私は、すべての人に凸凹があると思っています。得手不得手、と言い換えてもいいかもしれません。障害者という言葉は使いたくないな、そんなことを思っていたある日、「優生思想について」の記事を読みました。以下はNHKが行った世論調査の結果です。

 あなたは、今の日本の社会に障害のある人への差別や偏見があると思いますか?
▽「かなりある」-18%、▽「ある程度ある」-60%、▽「あまりない」-15%、▽「まったくない」-2%と、「ある」と答えた人が77%に上りました。
自分自身に障害のある人への差別や偏見があると思うか?
▽「かなりある」が3%、▽「ある程度ある」が22%、▽「あまりない」が46%、▽「まったくない」が22%で、「ある」と答えた人は25%でした。
障害者への差別や偏見について聞いたところ「社会にある」と答えた人が80%近くに上りました。しかし、自分自身に問われると25%まで低下しています。

 アンケート結果では「差別・偏見が社会にはあるが、自分にはない」と考えている人の方が多いと言えるように思います。しかし、私たちは本当に障害者に対する差別・偏見の意識を持っていないと言えるのでしょうか。例えば、出生前診断のとらえ方はどうでしょう。優生思想に関わりが深いとされている「出生前診断」における判断は、社会的な線引きは決まっておらずグレーゾーンではないかと思います。(下の表参考)ですが、優生思想が極端になっていくと、「差別」的な思想・行動につながりかねないことは事実です。

理解広げ、社会を変えていく必要がある

 障害者の施策に詳しい浦和大学の河東田博特任教授は、社会に差別があるという回答が8割近くに上ったことについて「障害のある人にとって生きづらく大変だと思う。障害や福祉の政策立案の過程に当事者の方、特に知的障害の方がほとんど参加できていない現状を考えると、私たちは本当の意味で障害のある人と向き合いながら物事を考え整理をしているのか疑わしくなる。共に生きることを浸透させ理解を広げていき、少しずつ社会を変えていく必要がある」と指摘しています。

一方、自分自身に「差別や偏見がある」と4人に1人が答えたことについて、地域で生きる重度の知的障害者の姿を追った映画を製作した宍戸大裕監督は「差別や偏見を持ってしまう自分というのを、まずは大事にしていいと思う。差別をしていたことに気付いていく過程があった先に、差別してしまうよね、でも、それはなぜだろうねと、繰り返し問い直していく。そして差別を解消していくため、障害のある人と日常的に出会っていくことが必要だ」と話しています。

私たちはどうあるべきか

 「内なる優生思想」という言葉。やまゆり園事件の後に多く語られた言葉の一つです。NHKの調査が明らかにしているのは、差別や偏見の問題を身近にある “自分たちの問題”としてとらえようとしない考え方ではないでしょうか。まだ、私たちの社会はやまゆり園事件から十分に学べていないのではないかと思います。差別をなくそう、偏見をなくそう、優生思想をなくそうではなく、私たちはどうやったらみんなで 同じ地域社会で生きていけるかという「共生」を考えないといけないと思います。
 先日、嘱託殺人というセンセーショナルなニュースが飛び込んできました。ALS患者がSNSを通じて知り合った医師に投薬を依頼し死亡したという事件です。
 自らもALSの日本ALS協会副会長のコメントには、「生きることが当たり前の社会で、私たちは常に生と死の間におかれています。誤解して欲しくないのは、彼女の意思表明は、生きたいと思ったからこそのものであること、そして事実生きていたということです。安楽死という希望は彼女が作り出したものではなく、社会が作り出した差別の中で生み出された彼女の叫びなのだとわたしは思います。私も彼女も同じです。
 ちゃんと私たちが直面している苦悩に、現実に目を向けてください。彼女を死に追いやった医者を私は許せません。私たちが生きることや私たちが直面している問題や苦悩は、尊厳死や安楽死という形では解決できません。そしてその医師を擁護する医師や医療者、社会があるとするなら、その社会自体が否定されるべきです」。

 患者本人や支援する人たちからは、事件を機に「死ぬ権利」に注目が集まり、「生きる権利」がないがしろにされるのではないかとの声が出ている。生命の尊厳を共有し、懸念を払拭することが、ALSに限らず、様々な障害のある人と共に生きる社会を築くことに通じる。(朝日新聞社説より抜粋)

そしてコロナ禍での差別

 「ウイルスそのものは差別をしません。私たちの過度に恐れ、遠ざけようとする心が、差別の根につながっていくこと。そして、その大人の姿をいま子どもたちも見ているんだということを一人ひとりが認識しておく必要があります」。臨床心理士の森光玲雄さんは大人の行動を見ている子どものためにも差別の根を摘もうと語っています。

最後に“病気を治そう”の藤原ひろのぶさんの言葉をご紹介します。

《ごめんなさいと言うな、言わせるな》

コロナに罹って謝る人がいる
コロナに罹って謝れと言う人がいる

残念ながら風邪に効く薬はない
自らの免疫力でウイルスに負けない身体づくりを作るしかないのに、救世主が現れるのを待望するような報道が毎日のようにされている

『本日の感染者は3万人で死者は50人です』

こんな報道がされれば多くの人はパニックを起こすだろうけど、
上の数字は毎年のインフルエンザの現実

誰かに謝っただろうか?謝れと誰かを責めただろうか?

簡単に頭を下げている人は考えた方がいい
頭を下げれば下げるほど、感染者=悪の図式ができ上がる

コロナに罹った人を責めている人は考えた方がいい
責めているその相手は、明日はあなたやあなたの大切な人かもしれない

未開の地で静かに暮らしていたウイルスを目覚めさせたのは僕たちだ

意識を向ける先を変えれば、見える景色も大きく変わる

 差別や偏見の問題は「私たち」の問題であり、私たちの日常にあるとても身近な問題です。差別は私たちの当たり前の考え方の延長にあるのではないでしょうか。



vol.197 ぎむきょうるーむ 熱中症対策

「熱中症」の症状とは?

熱中症は、高温多湿な環境に、
私たちの身体が適応できないことで生じる様々な症状の総称です。以下のような症状が出たら、熱中症にかかっている危険性があります。
・めまいや顔のほてり
・筋肉痛や筋肉のけいれん
・体のだるさや吐き気
・汗のかきかたがおかしい
・呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けない
・体温が高い、皮ふの異常
・水分補給ができない

 お盆休み明けは特に熱中症に注意が必要なタイミング

 これから先、「お盆休み明け」は熱中症患者が増えやすい要注意タイミングです。休み前は体が暑さに慣れていますが、休みの間に快適な環境で過ごす時間が増えることで、体が涼しさに慣れてしまうのが主な原因です。休日の生活リズムから平日モードへの変化も相まって、夏バテや休み中の疲れが溜まりやすい時期であることも影響します。例年、お盆休み明けはまだまだ残暑が厳しい時期なので、注意が必要です。
 熱中症にかからないようにするために、以下の対策をぜひ実践してみてください。

対策1 シーズンを通して、暑さに負けない体づくり

 熱中症を予防するためには、暑さに負けない体作りが大切です。気温が上がり始める初夏から、日常的に適度な運動をおこない、適切な食事、十分な睡眠をとるようにしましょう。

対策2 日々の生活の中で、暑さに対する工夫をしよう

 暑さは日々の生活の中の工夫や心がけでやわらげることができます。適度な空調で室内の温度を快適に保ったり、衣服を工夫することで、熱中症の危険を避けやすくなります。また、日よけをして直射日光を避けましょう。自分のいる環境の熱中症危険度を常に気にする習慣をつけることも重要です。

対策3 特に注意が必要なシーンや場所で、暑さから身を守るアクションを

 炎天下でのスポーツや、空調設備の整っていない環境での作業時などでは、熱中症の危険からしっかりと身を守るアクションをとることが必要です。適度な水分と塩分の補給をおこない、こまめに休憩をとるようにしましょう。

知っておきたい 熱中症の応急処置

 もし熱中症かな?と思うサインがあったときは、すぐに応急処置を行い、場合によっては救急車を呼ぶなどして医療機関に連れて行きましょう。

熱中症の応急処置 大切な3つのポイント

(1)涼しい場所へ移動する
 まずはクーラーが効いた室内や車内に移動します。屋外では、風通りのよい日かげに移動し安静にしましょう。
(2)衣服を脱がし、体を冷やして体温を下げる
 衣服をゆるめて、体の熱を放出しましょう。氷枕や保冷剤で両側の首筋やわき、足の付け根などを冷やします。皮ふに水をかけて、うちわや扇子(なければタオルや厚紙)などであおぐことでも体を冷やすことができます。
(3)塩分や水分を補給します
 できれば水分と塩分を同時に補給できるスポーツドリンクなどを飲ませます。おう吐の症状が出ていたり意識がない場合は、誤って水分が気道に入る危険性があるので、むりやり水分を飲ませることはやめましょう。
 救急車を待っているあいだにも、現場で応急処置をすることで症状の悪化を防ぐことができます。熱中症は命に関わる危険な症状です。甘く判断してはいけません。

よりパーソナルな診断ができる
「熱中症セルフチェック」
 適度な水分・塩分の補給やこまめな休憩といっても、具体的にどれくらいの量や時間なのか分からない、という方も多いと思います。そんな方のために、「熱中症ゼロへ」は、年代・活動内容・現在いる場所の環境に応じた「自分だけ」の熱中症情報を提供する「熱中症セルフチェック」をウェブページで公開しています。無料で簡単に診断できますので、ぜひご活用ください。

熱中症セルフチェック

 コロナ禍で、夏休みが短縮となり、暑い時間帯の登下校、授業中の換気、マスクの着用など、熱中症がとても気になります。各務原市では、教育委員会が「冷感タオル」、「塩タブレット」の配布を決定。アレルギー等で塩タブレットを食べられない場合の代用として「アクアソリタ」(500ml)を熱中症対策として用意しているとのこと。この決定事項をどう受け止めるか。保護者に聞いてみると、「食育の絶好のチャンス!この機会に、丈夫な体を作ることに焦点を当て、学校全体、地域全体で取り組んでほしい」「子どもの意見、保護者の意見をきいて対策を共に考えたい」「熱中症対策として、塩タブレットや冷感タオルを配布してもらっても、体力がなければ乗り切れないから、ここはやはり“体つくり”に取り組むべきでは?その第一歩が食育と思います」「塩タブレット以外の選択肢もほしい。うちの子は梅干しがいいと言っています」などなど。柔軟な対応を望みたいですね。

 コロナ禍で、色々な課題が噴出して、そのつど保護者たちは真剣に話し合いを重ねています。子どもを取り巻く環境は大人の働きかけで大きく変わります。地球温暖化、エネルギー問題、ゴミの問題、教育の問題・・・それらをひも解いていくと、根っこはみんな繋がっていることに気づくことになるでしょう。大きな問題に立ち向かう、とーちゃん、かーちゃんの姿はともてかっこいい!子どもはちゃんと見ています。小さなことでも、変だと思うことに「異議あり!提案あり!」と声を出すことは貴重な情報発信にもなります。そんなことを踏まえつつ、まずはこの夏を乗り切りましょう!


vol.197 5Gを知ろう!

便利•快適を追求すると、同時に
リスクを背負うことにもなる

 私は全国各地でお話会をさせてもらっています。今コロナ禍で、ニュースではほぼ毎日「○○人が感染」と伝えています。一体コロナの何が怖いのでしょう。死ぬこと?それとも感染?
 「人と違うことを選ぶことを怖がる」、「ブレーキのかからない状態になる」。今回の騒ぎでは見えないものに対峙して、みんなが同じ方向を向いている。これは戦前の空気感にとてもよく似ています。私はこのことの方が怖いです。

 さて、今回はリクエストがありました“5G”について少しお話ししたいと思います。5Gとは第5世代移動通信システムのことです。この危険度をお伝えすることは専門家ではないので詳しくお話しできる立場にありませんが、直感的にヤダなと思うわけです。スマホは情報をあらゆる方面から取得できる便利なツールですが、その発信元は巨大なコンピューターです。情報量が多くなればなるほどそれは巨大化します。そして危険度も増します。「オリンピックのために5Gを!」「経済をより活性化するために!」と声だかに喧伝されている5G。その結果、情報量と危険度は100倍から1,000倍にもなります。今でも電波塔から電波が飛んでいるわけですが、山の中など場所によっては届かないエリアもあるので、それを解消するためにあちこちに電波塔を建ててきました。
 5Gは大容量のデータを瞬時にダウンロードできます。周波数が短いので(ミリ波)、アンテナをたくさん作る必要があります。ですから、信号機や電柱、マンホールの中、果てはバス停にまでつけることになり、ほぼ100m間隔に設置されることになります。私たちは、その弊害について、また電磁波、化学物質に弱い人がいることを、もっと知る必要があります。欧米では設置に反対する運動も起きています。
 今となっては、ほとんどの人が手放せなくなっているスマートフォン。命の次に大事!とまでいう人もいる。頼りきっているというか依存してますね。その弊害を今更言っても…と思っていましたが、昨年6月、長野県伊那市の小学4年生のR君と出会って、自分の考えが一変しました。

  彼は電磁波や化学物質にとても過敏な子で、高遠という山の麓で生活しています。化学物質や電磁波に弱く、常にマスクをして自己防衛をしていました。ところが、伊那市はデジタルテクノロジーの最先端を取り入れる市で、小学校では早くから電子黒板とパソコンを設置していました。そんな環境にいると、頭に槍が刺さった感じになるようです。(絵1参照)。さらに、スクールバスに乗ってある場所を通った時、頭の中が真っ暗になって、3日間登校できなくなってしまったのです。(絵2参照)それからはご両親が遠回りして学校の送迎をされています。そんな事情を抱えている彼から、講演後に周りに生えている熊笹をもらいました。R君は「これを持っていると体が楽になるよ」って。

 今は全国がコロナ禍で、授業もまともに受けられない状況になり、オンラインになりそうです。R君のこともあり、「もう黙っているのは無理、なにか行動をしなきゃ」と思い、即署名用紙を作りました。ほとんど効果はありませんが、情報を知ってもらう意味で署名はとても大事なツールです。そうして集めた署名用紙を持って、総務省、環境省に2度提出しました。その答えは、「放射線は低線量だと被曝し体に入りやすいが、5Gは大容量なので皮膚まではいくが、そこから先には入りません」、というとても理解できない内容でした。現実、電磁波の影響を受けて苦しんでいる人たちが署名しているのにもかかわらず、です。5Gは水分に反応すると聞いていますから、人体では腎臓、眼などに反応が起きるのではないか。頭痛、めまい、学習記憶障害、DNAの劣化なども気になります。さらに動植物に影響を与え、その遺伝子にも影響すると私は考えています。

 今後R君のような過敏症は一気に増えるでしょうね。
 このままだと、どんどんアンテナ設置が進行して行きます。電磁波は免疫力や免疫機能が低下するとも言われています。さらに、兵器(藪の中に潜んでいる兵士が頭がふらふらになって出てくるように仕向ける)として開発され、平和という名を借りて化学兵器が農薬にすり替わったように私たちの生活の中に知らないうちに入ってきます。また、5Gとコロナウイルスとの関係も無視できません。
 国策を翻すのは不可能ですが、地方行政にアタックして、「住宅街には設置しないで」と訴えることは必要です。小さなことでも大きな問題につながります。5Gのこの事実、ぜひ知って欲しいと思います。


山田 征(やまだ せい)1938年生まれ。東京都武蔵野市在住。反原発運動、石垣島白保の空港建設撤回運動、食や洗剤、環境、貧困についての問題、フィリピンのスモーキーマウンテンでの取り組みなど、命と直結した課題に対して多岐にわたり活動。隠された真実を知る勉強会「菜の花の会」主宰。


[5G反対]を決議した町議会・市議会

世界では各国の自治体が、5G展開に「反対」の決議をしています。イタリアでは2019年3月、首都ローマ市にある19区のうち12区が、「市による5Gプロジェクトへの反対」を決議。イギリスでは、イングランド南部にあるトトネス町の議会が、「5G展開の一時停止」を決議。同町の住民約8,000人のうち1,600人以上が「5Gの更なる研究」を求めて5G展開に反対する請願書に署名。これを受けて町議会が決議したもの。アメリカでは2018年9月、カリフォルニア州のミルヴァレー市議会が、「住宅地における新たな5G基地局の設置を禁止」した。新設が認められるのは商業地域や公園などのオープンスペースのみ、ただし、商業地域であっても「基地局は450mごとの設置」が義務づけられている。

市町村、都道府県レベルで条例を

「ブリュッセルの人々はモルモットではない」として5Gをストップしているベルギーの首都ブリュッセルのように、日本でも都道府県で「5Gの一時停止」などを決めることは可能です。市民の一人ひとりが5Gの危険性を認識し、署名や陳情などで行政に働きかけ、無視できない数となれば、行政も動かざるを得なくなります。

小学校で子どもに電磁放射線被曝をさせない

日本の政府は、全国に小中学校に通う児童生徒が2023年度までに、一人一台のパソコンを使える環境を整備する方針を決めた。また、「GIGA(ギガ)スクールネットワーク構想」と銘打ち、2020年度から全ての小中学校を結ぶ超高速通信網(通信速度10Gbps<ギガ・ビット毎秒>相当)の整備にも乗り出している。2018年(11月21日〜12月12日)には、総務省が「技術試験事務」における「5G総合実証試験」として、小学校で初めて東京都小金井市立前原小学校で「5Gを活用した動画再生とファイルダウンロードを体験する学習会」を実施した。

「学校では有線LAN」を法律で決める

『もし誰か「5G」の詳細を知ったなら『すぐ逃げなさい』と、PCC(米国の連邦通信委員会)の元委員長トム・ウィーラーが言うほど危険な5G。それに小学生をさらして平気なのが日本政府。フランスでは2015年1月に、公衆への電磁放射線放射を管理する法律で「小学校で無線LANなどの機器は、授業で使う時以外は停止させること」を決めている。アメリカのオレゴン州でも2019年6月、「学校無線LANの有害性を各校に知らせ、有線LANを利用して被曝を最小限にするよう」求める法案を採択している。日本でも、「校内では有線LANを使う」、「無線LANは授業で使う以外は停止」を法律で決めるべきです。

バクテリア・昆虫・鳥がいなくなる

アマゾンの奥地でもヒマラヤの山頂でも携帯電話が繋がるように、5G用の人工衛星を打ち上げ、電磁放射線を放射することは、生態系を壊す行為ではないでしょうか。この貴重な惑星・地球は人間だけのものではなく、あらゆる微生物や植物、動物などが住まうところでもあるはずです。元国連職員のクレア・エドワーズさんによれば、「過去20年間で、電磁放射線によって昆虫の80%がすでに失われている可能性」があるといいます。そしてさらに、「自動運転車、バス、電車の継続的な5Gシグナリングを確保するために、何百万本もの木が伐採されるリスクがある」と。

『5Gから身を守る』より
古庄 弘枝・鳥影社(500円+税)


vol.197 しょうがいをみつめるvol.8

心が動くとき

 10年以上も前のことですが、今でも覚えている出来事があります。

 当時勤めていた学校では毎朝、着替えの時間というのがありました。しかし、担任していたBさんは全然着替えをしません。ただ、ニコニコしながら周りの様子を見ているだけで、教師からの働きかけがなければ、何分でも何時間でもそこに立っているというお子さんでした。初めは教師が手伝って一緒に着替えていましたが、一人で着替えをするスキルがないわけではありませんでしたので、自分でできるようになってほしいと、ついたてを立てて集中できるようにしてみたり、タイマーで着替えの時間を意識できるようにしてみたりとさまざまな方法を試してみました。しかし、まるで効果はありませんでした。
 困った私は、事例研でそのことを大学の恩師に相談をしました。すると恩師は、「Bさんの生活の中に着替えをしたいと思わせる何かがありますか。」と問われました。それを聞きハッとしました。それまでの私はどう着替えをさせるかばかりに意識が向いていて、最も大事なBさんの気持ちは無視していたのです。
 それ以降はBさんの好きなことや楽しめることを意識的に取り入れるようにしました。それでもすぐに着替えをしてくれるようにはなりませんでしたが、今では寮に入り、介助を受けながらも自立して生活を送られています。

 印象的な出来事がもう一つあります。
 Cさんはさまざまなことに不安感を抱きやすく苦手なこともたくさんあるお子さんでした。担任して間もない頃、ちょうど図工の絵の具遊びの時間でした。「図工しないの」と言って教室を出て行ってしまったCさん。追いかけて連れ戻そうとしたら、今度は「嫌ぁ」と言って泣くは暴れるは•••。なぜ嫌なのか問いかけても答えるだけの言葉はもっておらず、理由も分かりません。仕方がないので、教室の外でCさんと並んで座り、「今日は絵の具ペタペタだよ。でも嫌なのか。」などと話しかけながら様子を見守っていました。どの位たったでしょうか、何となく中の様子をチラチラ気にし始めたかと思うと、ついには自分から教室に入り着席。差し出された絵の具で洋服や手、顔を汚しながら目一杯遊ぶことができました。

 私たち教師は、子どもたちに対して「〇〇できるようになってほしい」「〇〇させたい」と思ってしまいがちです。そう思うこと自体はむしろ教師としては大切なことでもあるのですが、その思いが強ければ強いほど、時には子どもたちの心を置き忘れてしまうこともあるのではないかとも思うのです(10年前の私のように)。
 私たち一人一人に心があるように、子どもたち一人一人にも当然心があります。心が動けば自然と為すべきことをしてくれます。しかし、障がいのある子たちはその障がいゆえ、心が相手に伝わりにくいことがあります。だからこそ、私たち教師は彼らの心に人一倍敏感でなくてはならないと思うのです。
 その子の『心が動くポイント』って何だろうと考えられること、その子の『心が動くタイミング』を粘り強く待ち、適切なタイミングで支援できることが、教師の腕の見せ所なんだと、私は考えています。

 先述の恩師の講演を聞いた時のこと。「学校の先生たちは担任する1〜2年、長くても学校生活の12年間の子どもの姿や成長しかイメージできていないことが多く、また、その中で結果を出そうと焦っている。しかし、子どもの人生は学校を卒業してからの方が長く、その後の成長は目を見張るものがある。」それを聞いて、またしてもハッとさせられました。子どもたちの長い人生の成長を信じ、じっくりと目の前の子どもの心と向き合っていける教師でありたいと思います。  S.I


vol.197  niramekkoGallery「海の生き物」

タイトル「海の生き物」

作者:小池 蒼空

魚とイカがサメから逃げてる怖がっている

蒼い空と書いて、「そら」と読みます。そら君はよく犬を描きます。小池家が飼っている「ノン」ちゃん、2歳のシェットランド・シープドッグです。そのほか、季節感たっぷりの絵を描きます。そんな中で珍しいのが「魚」の絵。しかも、魚とイカがみんな上を向いて一斉に泳いでいます。とっても勢いのある絵だなぁと思って、そら君にタイトルを聞きました。すると、なんとサメに追いかけられて逃げている「海の生き物」だとか。しかも怖がっている魚とイカなんだって。この絵は、そら君の表現力にそら君の想像力がマッチした傑作です。絵って面白いですね。


vol.197 人生これから!

「やってみた」シリーズ 第3弾

ボタニカルアート入門してみた! 太田 豊志さん(60代)

 太田さんがボタニカルアートを始めたのは今年2月のこと。各務原市のサークル発表の会場でボタニカルアートの展示作品が目に留まった。「ああいいなあ、やってみたいなぁ」。その何日か後、新聞でボタニカルアートの通信講座の広告を発見。ハーモニカのサークル、料理教室、家庭菜園など、多趣味で忙しい日々だが、通信講座なら隙間時間でできると早々に申込んだ。昔から絵画や美術が好きで、以前は版画や油絵も描いていた太田さんだが、ボタニカルアートをいざ始めてみたら、形のとり方、葉のふくらみや葉脈の書き方、花びらの重なる微妙な色具合、色の重ね方やぼかし方…。難しいことばかり。

 ボタニカルアートは植物をデフォルメしたり色を変えるのはNGで、忠実に描かなくてはいけない。「僕は元来がせっかちで早とちり、キッチリしたことが苦手な性格。なのに、こういうのに惹かれるのは不思議だねえ。でも、一枚描き終えたときは嬉しいね」
 難しくて筆がなかなか進まない時は無理して描き上げず、日にちを少し空けて描いた方がうまくいく。自分に合ったスタイルも少しずつわかってきた。教材や身近な植物を描いては送り、返ってきた添削・講評されたものを見るのも楽しい。「どういうところに気をつけないといけないとか教えてくれるでしょ、そしたら、よし次はそこを気をつけて描こうってね」。時にはパソコンでyoutubeの動画を参考にするなどし、少しずつ自分の力を積み上げてゆくことも楽しい。
 当面の目標は来年の春まで講座を無事やり通し、終了証書を受け取ること。「でも、講座終わっても描き続けると思うけどね」その頃には今は未だ難しくて手を出せずにいる薔薇や紫陽花も、太田さんはきっと作品に仕上げていることだろう。

愛車の軽トラには自作の イラストがキラリと光る

 好奇心おう盛な太田さん、なんでも挑戦して楽しむ姿はまさしく「人生まだまだこれから!」。

※ボタニカルアート:「Botanical」は植物学の、ARTは美術(画)と言う意味。植物のありのままの姿を植物学的な見地から 何の誇張もまじえずに、正確、細密に描きあらわしながら、芸術性を併せ持った絵画。近代科学が発達する前のヨーロッパで本草学(薬物を研究する学問)で薬のほとんどが植物だったため、正確に描写された植物図が求められたのがボタニカルアートが生まれ発達した背景にある。

 あなたの「やってみた」をご紹介させてください。掲載された方には人生これから!編集のライフデザインノート『ゼロの昇天』を進呈!


えんぴつカフェ<自分の葬儀、どうしたい?>

自分の葬儀は「残されたものが好きにやればいい、任せる派」と、「自分らしい葬儀を望む派」と分かれました。2回にわたって話しあった<自分の葬儀>それぞれの思いを拾ってみました。

6月20日(参加者12名)
・ 自分が亡くなった時に、家族が困らないように、必要なことはノートに書いてあるし、葬儀の費用のためにと生命保険にも入っています。葬儀に関しては残された家族がいいようにやってくれると思っているので、何も心配していません。
・ 私も自分の葬儀は残った家族が好きなようにやればいいと思う。先日印象に残った葬儀に出席しました。簡素で小さな式でしたが、バイオリン奏者が「糸」という曲を演奏し、見送りました。彼女らしい式で、それまで本人が家族とどう向き合ってきたか、どう接してきたのか、そこが問われると思いました。
・ 今、親の墓じまいを思案中です。私たちは親の墓の面倒は見ても子どもには期待できない世代かなと思う。自分のお骨もどこかに撒いてもらってもいいな、と思っています。今は余分なものは持たないように気をつけながら、日々を楽しく過ごしたいと思っています。
・ うちにもお墓はあるけど、どうにかなると思っています。ただ、自分の遺影は自分で選んでおきたいな、と。家族に任せるといいのを選ばなさそう。
・ 私の住む地域では昔からお墓がありません。お骨は京都の本山に収めて終わり。なのでお墓の管理や墓じまいとかそういう心配はないんです。

7月16日(参加者13名)
・葬儀会社を始めて18年目、お客さんの想いを形にしたいと思いながら仕事をしています。
・印象に残るのは嫁の葬儀。家族だけで行ないましたが、棺に入れませんでした。葬儀の常識、と言われるけど、出来る範囲があるはず。亡くなった方に「こうしてあげたい」とした事は、残された家族のその後の人生に大きく関わって来ます。豊かな人生を送ってほしいです。
・私は今まで3回喪主を務めました。2、3回目は自分でプロデュースし、値段も抑えました。自分の時は葬儀はしても、49日や一周忌などその後はなにもしたくないとお寺さんに伝えて了承もいただいてます。
・先日老衰でなくなった方のお通夜に行きました。枯れるように亡くなって、最後はとても細かった方なのに遺影はとてもハンサムでいいお写真でした。聞けば、以前叙勲を受けて東京に行かれたときご夫婦で撮ったものだそう。奥さんが亡くなった時にもその時の写真を使う約束で、そうすればあの世でわかるからって。すてきなご夫婦でした。
・直送ということも選択肢としてあるんだけど、本当に直送でいいのか、ということ。亡くなった方をキチンと送ってあげなかったという気持ちは遺族のその後の人生にずっと尾を引きます。お金だけが問題なら、何とかやりようがあるのでは、と思います。

えんぴつカフェは毎月第3木曜日 13:30-15:30
にらめっこ編集室にて。



vol.197 えんぴつカフェ

自分らしく生きる!

人生これから!は定期的にえんぴつカフェを開催しています。ライフデザインノート『ゼロの昇天』をどんどん書き込んでいきます。

次回は…2020年9月17日(木)13:30〜15:30

参加費500円(お茶とお菓子付き)
場所:ミニコミ紙「にらめっこ」編集室
 各務原市蘇原新栄町3−15

9月のテーマは「お墓、どうする?どうしたい?」

葬儀と同時に発生する「お墓」について、皆さんはどう思っているのか、その思いを共有し、自分の想いをノートに書き込みます。
(コロナウィルスの収束を祈りつつ、感染拡大防止に最大限の努力を惜しまず取り組みます。9月初旬に開催の可否を判断させていただきます)

「もしもの時の写真撮影会」を実施します。11月吉日。撮影場所は“学びの森”(雨天図書館展示室Bの予定)参加したい人、NPO「人生これから!」までご連絡ください。詳しくは次号で!

えんぴつ・カフェとは・・・
毎月1回おしゃべりしながらライフデザインノート『ゼロの昇天』を書き込むために集うカフェです。お茶を飲みお菓子をつまみながら、持ち寄った課題をみんなで考えます。話題は多岐にわたります。「人生これから!」を基本に、やがて迎えるであろう「そのとき」まで、どう生きるかを念頭に置いて書き込んでいきます。ちっとも筆が進まない、というのが現状ですが、みんなの話を聞いて、回を重ねるごとに、少しづつイメージが湧いてきます。そんなカフェです。

主催:NPO「人生これから!」
問い合わせ 090-5638-7044(田辺)
      090-7854-4561(三上)


vol.197 熱中人 細野 達矢さん

誰もが幸せに暮らせる日々を願って
フィリピンの子どもたちの支援活動を続ける

細野 達矢(ほその たつや)さん

 「TTY’s little help」。TTYとは達矢、自分の名をさす。その活動名が表すように、小さな支援活動を続ける細野さん。
 2016年に語学留学で初めてフィリピンセブ島を訪れた。そこで目にした、ストリートチルドレン、スラム街やゴミの山で生活する子どもたちの姿は衝撃だった。その衝撃はやがて疑問に変わってゆく。「これほどまでに貧困なのに、幸せそうな、このキラキラ輝く瞳はどこから来るのだろう?」
 方や日本は、経済的、物質的には豊かな人が多いのに、人々が感じる幸福度が低いといわれ、自殺者も後を絶たない。
 「自分なりに考えてみれば、その違いはひと言で言えば「人間関係」かもしれない」と細野さん。

 困ったことがあればお互いさまと、みんなで助けあうのが当たり前。家族の誕生パーティーを開いている家の前を人が通りかかれば声をかけ呼び込む。人との結びつきが強いと感じたフィリピンの人々。路上生活している人からは富裕層の生活も垣間見えるはずなのに、彼らにはネガティブな思考はないようだ。しかし決して捨て鉢ではなく「いつか自分の家を持ちたい」と自分なりの夢や希望を持っている。出会った人たちからは心の豊かさが感じられた。

写真集「What Is Happiness? Are you enjoying your life now?」

 そんなフィリピンの人々に惹かれカメラを向け、写真集「What Is Happiness? Are you enjoying your life now?」を帰国後に自費出版。写真を撮らせてもらった恩返しに少しでも、と本の売上金の全てを、食事支援や孤児院へのお金と物質の寄付に使用。その後も自分にできる支援活動を続けてきた。
 今年6月には新たな活動を始めた。自身がデザインしたTシャツを作成し、希望者が1枚購入するごとにその収益の一部で、現地の子どもたちに シャツ1枚がプレゼントされる。プレゼントの シャツの制作は現地のスタッフが担当、雇用とまでもいかないが、わずかでもお金が動く。今はコロナの影響で思うようには動けないが、そんな状況でもできることがあるはず、と生み出した支援だ。
 今まで6度フィリピンに足を運び、活動を続けてきた細野さん。「まだまだ自分は知らないことばかり。もっとフィリピンに滞在して、現地のことを良く知ったうえで、日本のみなさんに伝えていけたらって思います」。
 厳しい貧困生活を送りながらも、陽気でフレンドリーな人々、街のいたるところには音楽が溢れる。「僕と肌があう」、そう感じたフィリピンという国。その向こうに日本がくっきりと浮かんでくる。
 「日本では、こうでなければいけない、と常識とされることに縛られてそこで苦しい思いをしている人が多いように感じます」
 いろんな形の幸せがあっていい。だからフィリピンの子どもたちの輝きを日本の人にも知ってほしいし、フィリピンの人々の支援を続ける。文具などの寄付や幸せに関するアンケートやインタビュー、現地の子どもたちの絵画展など、今後の活動プランは次々と湧いてくる。活動を通じて、日本でもフィリピンでも、幸せを感じる人がひとりでも多くなれば、細野さんはそう願っている。(岐阜県揖斐郡在住)

※Tシャツは1枚3,000円。コットンの黒地にプリントされた細野さんのデザインは6種類。後日購入者にはTシャツを着た子どもたちの写真が贈られる。Tシャツのデザインはインスタグラム参照。購入希望は細野さんまで電話かメールで。
Instagram:photographertatsuyahosono 
Email:tatsuyahosono59@gmail.com
電話080-9486-7391


・2016年 6月〜フィリピンへ語学留学、10月〜写真集自費出版
・2019年 3月フィリピンで食事支援、孤児院へお金と服の寄付、12月孤児院、小学校、スラムへ服のプレゼント
・2020年6月〜Tシャツ販売開始


vol.197  夢か悪夢かリニアが通る!vol.26

 山梨県にリニア中央新幹線の実験線建設が計画されていた1990年代の初めからリニア計画の反対運動をけん引してきた懸樋(かけひ)哲夫さんが5月31日、亡くなりました。69歳でした。94年に出した共著「リニア・破滅への超特急 テクノロジー神話の終着点」(柘植書房)のあとがきで懸樋さんは、ベストセラー「パパラギ はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集」の一節を紹介しこう述べています。「スピード追求社会の現在でも、私たちはかなりの大事なものを失ってきたことに気付かされる。ましてこのリニアで失うもののスケールは計り知れないと思われるのである」。リニアで失われる大井川の水と南アルプスの自然を巡り、静岡県知事とJR東海社長、国土交通省事務次官との会談が6、7月、立て続けに開かれました。
                              井澤宏明・ジャーナリスト


「静岡のせい」という風評

オンラインが速い

 川勝平太・静岡県知事と金子慎・JR東海社長による初めての会談が開かれたのは6月26日。焦点は、南アルプストンネル静岡工区の準備工事着手を川勝知事が認めるかどうかでした。金子社長は5月末の定例会見で「6月中に準備工事の了解が得られないと、(品川―名古屋間の)2027年開業は難しくなる」と発言していました。
 6月もあと5日を残すのみとなったギリギリのタイミングで開かれた会談でしたが、結果は最初から明らかでした。会談に先立つ6月16日、川勝知事は大井川流域10市町首長とオンラインでの意見交換会を開き、「国交省の有識者会議の結論が出ていない段階で、トンネル掘削工事と一体である準備工事を認めるべきではない」という意見で一致していたからです。
 会談では、川勝知事が「私は国土審議会の委員もしていたから、この(リニア)計画には全面的に賛成」としながらも、「今、コロナウイルスの関係で、誰がリニアに乗るのか、リニアが許されるのか、時代遅れだとか(いう意見もある)」と中日新聞(静岡版)の識者インタビューを紹介し、「オンラインの方がリニアより速いですからね」などとコロナ時代にリニアが必要なのかという根本的な問いを投げかけましたが、金子社長がまともに答えることはありませんでした。

進捗状況の公表を

 続いて7月10日に川勝知事のもとを訪れたのは国交省の藤田耕三・事務次官です。当時、熊本県をはじめ列島各地が豪雨に襲われ、河川が氾濫、道路や線路が寸断されていました。防災の指揮を執らなければならない国交省の事務方トップがのこのこと静岡県を訪れたのです。
 新聞の「首相動静」は7月3日、東京・赤坂の日本料理店で安倍晋三首相と葛西敬之・JR東海名誉会長が会食したことを伝えています。この場で川勝知事と金子社長の会談不調が話題に上ったことは想像に難くありません。9日には藤田氏の退任報道がありました。藤田氏は旧運輸省出身で鉄道局長も務めた人物。最後の「ご奉公」だったのでしょうか。
 藤田氏が川勝知事に提案したのは、次のようなことでした。国交省の有識者会議の結果、トンネル坑口などの位置変更が必要になればJR東海に応じさせるから、7月の早い時期に準備工事を始めさせてやってほしい。国交省自らが開催する有識者会議の存在をないがしろにし、既成事実を積み重ねるかのような提案に応じられるわけもなく、川勝知事は提案を拒否しました。
 川勝知事は藤田氏との会談後の記者会見で、「(6月23日の)株主総会の前に、JR東海さんは一度、(27年開業をあきらめる)決断をされていたみたいです。だけど、有識者会議で国交省が汗かいてるんだから、静岡県に社長が行って、川勝にノーと言わせろと」と発言、27年開業延期の責任を静岡県に押し付ける「シナリオ」があったという見方を示しました。

 岐阜県中津川市のトンネル陥没、名古屋市の異常湧水もあり、リニア工事の遅れは明らかです。JR東海によると、リニアが走る予定の本線286キロのうち、山梨実験線をのぞき着手しているのは岐阜県の日吉トンネルと山梨県の南アルプストンネルの計2か所だけ。川勝知事は「JR東海が進捗状況を明らかにすることが、(静岡のせいで工事が遅れるという)風評をなくす解決策になる」と述べています。

金子社長にアピールする市民団体のメンバーら(6 月26日、静岡県庁前)
知事との会見後に囲み取材に応じる金子社長。報道陣が殺到し「3密」状態に(6月26日、静岡県庁)
大井川にかかる全長897.4メートルの木造歩道橋「蓬莱橋」(7月24日、静岡県島田市)



vol.197 ボーダーレス社会をめざして vol.56

抱え込まない

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

 障がい者の生活支援サービスを行っているNPO法人に関わって、もう20年ほどが経ちます。この20年の間に支援サービスの利用をお断りしたことが2,3件あります。「誰でもいつでも利用できる」というサービスを謳い文句にしていた事業所だったのにです。優秀なスタッフがいるため、かなり対応が困難な人でも受け入れていました。しかし、利用されるご家族の方が、ここしか見てもらえないという気持ちになられた時が危険です。本来は役所の相談窓口に行き、いろいろな人に関わってもらいサービスを使うことを考えるべきなのです。支援に自信あるからと言って一つの事業所が、抱え込まないことが大切です。自信過剰がいちばんいけなく、謙虚であるべきです。
 行政に関わって下さるようにするにはどうしたら良いのか?お断りすることが一番なのかなと思い、お伝えしました。ご家族はきっと「見捨てられた」と思われたでしょうが、そうではありません。若い障がいのある人には、これからの生活があります。その後、私が思った通り、行政主導で会議が始まり良い方向に向かいたくさんの人に関わって頂けるようになりました。
 また、書道でもお断りをしたことがあります。親御さんが熱心で、字が書けることに喜びを見つけられているようでした。しかし、ご本人は最初こそ珍しかったのか、書いて下さいましたが、時を経つごとに書道をする状態ではなくなっていきました。書道は芸術の域のものなので、喜んでやってもらわなくては意味がありません。「私には、お子さんを教える能力がないので、お断りをします」と言いました。書道をする前の段階だと判断したからです。障がいのある人と書道をすることは、決して簡単なことではありません。誰が書道をするのか?ご本人です。何より書道を楽しむことができないのであれば、「ごめんなさい。」と私が謝るしか方法がないのです。
 しかし、私以外の人だっら、もっとうまく指導ができるかもしれないなとは思いました。自分の子どもに関しても同様です。「私しか、この子を理解できない。」なんて思わないことです。私がいなければもっと、子どもは自由に生きられるかもしれません。人はそれぞれです。相性があります。苦しい時は一人で抱え込まないで、いろいろな人に関わってもらえるようアンテナを精一杯張り巡らせ、いい人に出会えたら躊躇せずキャッチすることです。


vol.197 食中毒!家庭で気をつけることは??

岐阜市を中心に、飲食店のHACCP(ハサップ)に対応する衛生管理指導のコンサルティングに取り組む野崎利晃さん(メディカルサロンM経営、学校薬剤師、薬剤師)に、家庭で気をつけるポイントを伺いました。

とにかく乾燥!生乾きは一番のNG

・台所ではまな板が一番危険です。切り痕に雑菌が繁殖しやすいから。使用後は水分をしっかり拭き取り、できれば日光(紫外線は殺菌力抜群)にあてて乾燥させましょう。 
・台ふきは乾く間もなく使いがちです。ペーパータオルを使い捨てするか、布巾を多めに用意して毎日洗濯しましょう。
・残り物など、調理済みの料理は必ず冷蔵庫に。その際にはラップは使用せず、密封容器に入れましょう。(シール付き袋でもOK!)食品保存は3密にすることが重要です。(密閉=水を入れない、気密=空気に触れない、密封=しっかり閉じる)。
・ 意外と落とし穴なのがスマホ。料理サイトを見ながら料理する人が増えていますが、スマホの画面は雑菌だらけ!画面に触れてそのまま食材に触ってませんか?キッチンに持ち込む場合は消毒しましょう。
・ 手ふきタオルはどうでしょう。しっかり手洗いうがいをしても、その手や口をふくタオルが生乾きで雑菌だらけでは意味ないですね。毎日洗って、常に乾いたものでふくようにしましょう。
・ 外食するときは必ずハンカチの持参を。お店のトイレの手ふきがタオル、という場合は意外と多いんです。持参したハンカチを使いましょう。

・ ハサップに取り組んでいる飲食店は真剣に衛生管理に取り組んでいるといえます。その目安の1つとして写真のようなステッカーがあります。

マスクは雑巾より汚れてる!?

一時間お話しいただいた野崎さん。おもむろにマスクを外し綿棒で擦ってそれを機械で測定。雑菌数が1523という数値が出ました。一方、ヨレヨレの雑巾は656!なんと一時間喋ったあとのマスクは雑巾よりも雑菌が多かった!「マスクは1日中同じものを使用するのではなく、昼間1回取り替えるといいですね。布製マスクも洗ってしっかり乾いたものを取り替えながら使用しましょう」と野崎さん。この数値は衝撃的でした!


 まな板の数値、気になりますね。先着3名まで無料で測定してもらえますよ!詳しくは、メディカルサロンMまで。https://pleaseconsultwith.com/


HACCP(ハサップ):原材料の入荷から製造・調理、出荷までの各工程で衛生管理をチェックし、安全を確保するための管理手法。2018年6月の食品衛生法改正で全ての飲食事業者にHACCPに沿った衛生管理が求められることになった。21年6月から完全義務化される。


vol.197 半農半X vol.38

育てて用いる

 娘が生まれたら、桐の木を植えたいと思うようになったのは、いったいいつの頃からでしょう。高校の頃、祖母から、日本では女の子が生まれたとき、桐の木を植えて、嫁ぐとき、大きく育った桐の木を用いて桐タンスにしてもたせたと聞いたからでしょう。軽いし、火に強いなど、「桐の特性」を知り抜き、必ず来る未来(=嫁ぐ日)を見通し、今から行動し、それを準備するという先人の知恵には未来への確かなヒントがあるような気がします。「育てて用いる」。それが脈々と培われた日本の哲学、生活美学です。今では、知る人も少なくなってしまった日本の話ですが、この桐タンスの話は大事な何かを私たちに教えてくれている、そんな気がするのです。

小さな友のために

 山里の秋の風景である柿が生っている姿を見ると思い出す先人の知恵があります。どんなにお腹が空いていても、生っている柿をすべて収穫せず、鳥たちのためにいくつか残すという日本の先人の知恵です。そんな先人のすてきな思想を知ってから、ぼくもそうするようになりました。こうした考え方は日本だけのものではなく、お隣の韓国にも同様の考え方があることを本で知りました。いまの私たちは根こそぎとってしまったり、すべてを自分(人間)だけで独り占めしてしまったりするけれど、鳥や虫などの友のためにそうしたことができるということはやはりすてきなことだし、次の世代に伝えていきたい大事な生活哲学だと思うのです。
 アイヌ民族は根っこを必ず残すという循環の思想がある。ある日、ぼくは旅人のために街路に果樹を植えるという思想に出会った。奈良時代、東大寺の僧・普照(ふしょう)の提案で旅人の休息や飢えを防ぐため、全国の駅路の両側に果樹が植えられたという。すてきな提案をする僧がいたものだ。韓国も、たとえ飢えていてもすべての実をもぎ取らず、鳥たちのために残すという。


塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は翻訳されて、台湾、中国、韓国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。

※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題(どう生きるか)を背景と する。持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。ex.半農半漁、半農半大工、半農半看護師、半農半カフェ、 半農半絵描き、半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。


vol.197 菌ちゃん野菜応援団 vol.18

今年は雨が多かった!

気温も低く市場の野菜がかなり高騰してますね。

 こんなにも社会が発達しても自然には勝てないなぁ、自然の摂理を無視して人の都合の良いように便利愉快快適を求めてきた結果がこういうときに弱さとして露呈するのかなぁ、と思いますね。
 私たちの畑も無傷、とは言えませんが、被害はかなり少なかったのでは、と思います。私たちの畑は草を執拗なまでには抜きません、それは雨抑えとなり苗が痛むのを防いでくれます。
 菌ちゃんとミネラルを土に増やし、それを吸い上げてゆっくり成長する野菜を見守る私たちのやり方は、最初は他に比べて育ちが悪いようでドキドキしますが、地下にぐーーーーっと根をはったお野菜達は、時期が来ると一気に花を咲かせ実を付け始めます。そこからは手間無し。病気にもならずピッかピカの野菜達が目の前にどんどん姿を表してくれます。

 この感動はちょっと言葉では言い表せないほど。そして畑でかぶりつく生温かいスイカの美味しいこと!!!身体中に染み渡ります!!野菜には意思がないとか言ったのは誰でしょう?こんなにも「生きてるよ!!!」とエネルギーを爆発させているお野菜たちを見ると、あぁ、このエネルギーを余すことなく頂きたい!と思うのです。かくして、せっせと畑に通い「焼けたねぇ」「ハワイに行ってきたからね〜!!」を毎年繰り返すことになるのですね。

 もちろん食卓には夏野菜がわんさか乗るのですよ。食べるってとても大事ですよね!今年はこの魅力にとりつかれた仲間達がそこかしこで自分のお野菜自慢をしています。こういうの、良いですね‼しかし、この頃の夏は半端ない暑さ。皆様も熱中症に気を付けてお過ごしくださいね。

簡単な熱中症対策に赤紫蘇で作るシソジュースはいかがですか?クエン酸が一気に身体の疲れを取り去ってくれます。夏のお供にピッタリ!

材料(2リットル分)
赤しその葉…300g、水…2リットル、砂糖(きび砂糖など好みでOK)…500g~1kg、クエン酸…25g
りんご酢で作るときは
水1.8リットル、砂糖(きび砂糖など好みでOK)150~300g、りんご酢150~200cc
作り方
1-赤しそをよく水で洗う。
2-大きめの鍋に分量の水を沸騰させ赤シソを入れる。再度沸騰したら中火で15分ほど煮出す。粗熱が取れたらザルで液をこし、ヘラなどでしそを絞る。
3-こした液を鍋に戻し、砂糖を加え弱火にかける。砂糖が溶けたら火を止め粗熱をとる。
4-クエン酸を入れる(リンゴ酢もここで入れる)よく混ぜて完全に冷まし、保存します。


vol.197 未来に続く暮しの学びPrt-38

集中することの大切さ。

 今、南半球のオーストラリアは冬。だんだんと寒さが増してきました。と言っても、亜熱帯気候の冬は日本の春先と似ていて、日中太陽が出ていれば暖かく、日が沈むと寒くなるといった気候です。冬の畑では、キャベツ、レタス、ブロッコリー、青梗菜、インゲン豆を育てています。一箇所を集中的に使い、他のエリアは、この冬はおやすみ。マルチで完全にカバーして休息させます。
 オーストラリアのコロナ対応は少しずつ変化してきています。今後どのように行政が個人経営のビジネスに対応していくか気になるところではあります。
 しかし、私は今こそ生活スタイルを見直すべきチャンスだと思います。コロナ禍で、その意識が人々に定着することで持続可能な生活が始まると思うからです。初めての家庭菜園で、実際に野菜がどう育っていくか、その過程や成長が芳しくないのはなぜか?などの質問もたまに受けます。野菜作りの情報をお互いに交換できるのはいい影響だなと思います。
 先が見通せなくて、落ち着かない日々を過ごす中、強く感じるのが、「今」に集中することの大切さ。少しずつですが規制が緩和されると途端にタガが外れて、また新しい規制が作られてしまいます。実際、その状況の変化についていくのが大変です。しかし、うれしいことまありました。以前よりも人との交流の場が増え、近況を話し合う中で「文化、アートの社会での重要性」を熱く語り合うことがあったからです。これからの時代は文化・芸術にシフトしていくべきと強く感じるようになりました。それは、このコロナ禍で、リアルに、アート、音楽、絵、パフォーマンスに触れることが難しくなって、より一層アートに触れたいと言う欲求が増えていることの現れだと思います。

 ということで、次回からは、文化、芸術が社会にもたらす素晴らしい影響をオーストラリアのアーティストの活動なども含めながら、一絵描きとしての目線でお伝えしていこうと思います。今後ともよろしくご愛読をお願いいたします。   yao

カラスより一回り小さい鳥•ジョージ。最近キッチンに出入りしつまみ食いをするので「棲み分け」のため出ていってもらいます。


vol.197 ここいく日記 はじめの14歩!

体ってス・テ・キ!

 「これから男の子の体のしくみについて話をします。これは『ペニス』です。」
 このフレーズで「射精の話」がはじまります。(私の担当)
 唐突に耳に入ってきたワードに、びっくりする子、笑って食いついてくる子、恥ずかしそうに下を向く子・・・反応は様々です。私も初めの頃は、とても勇気が要りました。それは、まだ学びが浅く、伝える内容が自分の中に落としきれていなかったから。しかし、ここいくメンバーで授業内容を吟味し、繰り返し授業をしていくうちに、何のためらいもなく、むしろ「みんな、聞いてね!」という気持ちで大きな声で伝えられるようになりました。
 小学校高学年~中学生の第二次性徴期の男の子は、自分の体の変化に戸惑う時期。親にも友達にも相談できずに悩んでいる子がとても多いそうです。
 そんな子どもたちに正しい知識を伝え「自分だけじゃないんだ」「恥ずかしいことではないんだ」と安心し、体の変化・成長を前向きに受け止められるように話をします。
・ペニスが勃起すること。男の子はお母さんのお腹の中にいる時から勃起してるよ。それは、大人の体になった時に、上手に命をつなげられるように!
・勃起しないと射精できないのは、セックスの時に女性の膣内へ精子を空気に触れることなく安全に送り届けるため。(精子は空気に触れると生きられない)
・毎日射精しなくても、絶対に溢れないよ。(体内に吸収され、老廃物として排出)
・セルフプレジャー(マスターベーション)は射精の時に快感を伴うことで、罪悪感や後ろめたさを感じる子が多いけれど、それは自分の体を知る勉強。とても大切なこと。でもマナーとエチケットがあるよ。

 射精は命を繋いでいくとても大切で素敵なこと。本当に「知る」「学ぶ」って大切ですね。これらを学ぶことで、夫や二人の息子を、とても愛おしく感じるようになりました。

 私は話終える時「男の子も女の子もお互いの体の事を知って、相手を思いやれる優しい大人になって下さい」とできるだけ優しい声のトーンとなるよう心がけます。
 「自分の体を知ることができ安心しました」「セックスはいやらしいことではなく、命を繋ぐ大切なことだと分かった」
 こんな感想を多くの子が書いてくれます。「伝わってる!」と確信できる嬉しい瞬間です。
 新型コロナウイルスの影響で、今年度の「いのちの授業」が軒並み中止。毎年、年に2回の授業を行っているフリースクールだけが、今年も変わらず授業を実施して下さいました。
 「今、学校では学習時間の確保に重きを置いていますが、こういう時だからこそ、生き方を学ぶ『いのちの授業』が必要だと強く思います。」この校長先生の言葉はとても嬉しかったです。
 こんな時だからこそ、一人でも多くの子どもたちに「いのちの授業」を届けたい。ここいくとしても、少人数の依頼やオンラインなどでも対応できるよう、あらゆる可能性を模索しています。そして、いつかは県も超えて、全国の子どもたちに授業を!そんな壮大な夢も抱いています。
 早く生の授業を届けられる日が来ますように。

担当:ここいくメンバー・横山里美でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)


vol.197 トンガからこんにちは! 連載-3

自給自足大国!トンガ王国

Mālō e lelei !! Fefe hake ?? Hau o kai !
(おーい!元気?ご飯食べにおいで!)

 トンガではこんな会話がいつでも飛び交っています。vahevahe(分け合う)文化のトンガでは、いつも誰かが食べ物を分け合ってくれます。トンガの国民は自分たちに何が必要か、どんな暮らしをしたいかを分かっているのか、心にも時間にもゆとりがあるようです。

田畑で作物を作った事がある人は、こんな言葉を聞いた事がある人も多いのでは!?トンガの人は、むしろ、自足しているけれど、自給が難しくなりつつあるように思います。
 私が帰国するときに言われた言葉。「美希、日本に帰る間に体力が下がらないようにしなさい。コロナもトンガより流行っているし、店で買い占めが起こっている国があるってニュースで見た。トンガでたくさん栄養のあるものを食べて、免疫を高めて帰りなさい。私たちのことは心配ないよ、トンガはすごく幸せな国だから。店が閉まっても、畑に行けば芋もバナナもあって、海に魚がある。日用品なんてどうにでもなる。雨がふれば石鹸がなくても汗は流せるし、トイレットペーパーがなくなれば、海に洗いに行けばいい。私たちは店に依存した生活をしていないから、何も困らない。」

 この国の豊かさを改めて感じずにはいられませんでした。実際、1月末に、コロナによる中国人の中傷被害が出ないように、島の理事が中国人経営のお店を全店一時閉店にしました。何のパニックが起こるわけでもなく、もちろん中傷被害も出ていなかったように思います。
 首都でさえ、3階建以上の建物はないし、信号は国で1台。車社会が問題になるほど、人の暮らしは近代化しつつあるのに、裸足で歩いている人もたくさんいます。みんな携帯は持っているけれど、離島の家の住所はまだない。そして、そんな国にみんな誇りを持っています。
 一家のお父さんが畑で家族分の主食(タロ芋、ヤム芋、キャッサバ、サツマイモなど)を育て、お母さんが民芸品を作って現金収入を得る生活が主流です。朝晩は子供も含めて家族で畑に行く姿もよく見かけてました。オフィスで働く人は本当に限られた人で、そんな人でも家族の畑があるから、仕事には遅れ気味。来ても休憩時間が多いし、暑ければ涼みに行って一日が終わる。残業ではなく、畑に行くためのフライング帰宅は日常茶飯事。働き者でもあるし、地べたに座って喋ったり、お昼寝したりしてて、怠け者なイメージもあります。ただ言えるのは、食べ物、食べる事をとても大切にしているということ。

 私のいたハーパイ諸島では、真夏の間、マーケットから野菜が消えます。理由は、暑い中、誰も作りたくないから。元々、トンガは野菜を食べる習慣が古くからあるわけではないので、野菜が食卓になくても大丈夫と言えば、大丈夫なんです。それでも、その中にはもう一つの大きなこだわりがありました。“農薬”です。「暑くなってから無農薬で作るのは大変。誰もやりたがらない。でも、農薬や化学肥料を使ってまで育てたくないし、そうゆう野菜は身体に悪いから、食べない方がいいでしょ?」と言われたことがあります。

 動物の育て方もあくまで、自然に、その辺を駆け回ってます。
(鶏が、あんなに高く飛んで木に登れるなんて知りませんでした。)今は、冷凍輸入肉が安く手に入るから、普段はそれで済ます人が多いものの、豚や鶏の餌はココナッツ、米、人の食べ残し、などなど人と同じものが基本です。人間より健康的に暮らしているかもしれません。特別な日は、そんな贅沢に育った動物を屠殺して、丸ごと料理します。それがまた、柔らかくて、美味しい!日本でベジタリアンを気取っていた私が嘘のような自分勝手具合でした。
 人間が食べる事が基本で、育てるのに何を使うか、使わないかに焦点を当てる日本人。動植物を自然に育てるのが基本で、育てるか、育てないかを選ぶトンガ人。

 面白いなぁ、何でこんなに違うんだろう!?そう思えるのは、体型だけではありませんでした。今日もきっと、Alu ki fē ??(どこ行くの?)と言う掛け声と、大きな笑い声が町中に響き渡っている事でしょう。


加藤美希(かとうみき)農的暮らしに落ち着きたいと思いつつ、ついつい旅人人生を送っている管理栄養士です。旅するうちに、「伝統料理と健康の秘密」が人生の研究課題に。今回のミッションはトンガで蔓延する肥満や生活習慣病の改善。伝統料理の推進と学校菜園を通して、将来トンガの人々が世界に有する健康大国になることを願って日々奮闘中。


vol.197 プレゼントコーナー

1- あなたの「免疫力アップ法とは?」
 免疫力アップは最善のコロナ対策!
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
 タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名
(第1希望・第2希望)
 ※B、Dは編集室まで受け取りに来られる方。
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、  家族構成

プレゼントご希望の方は
ハガキまたはe-mailで、上記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係り
までお送りください。
〆切:9月25日 当日消印有効。

宛先
〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。


A.大人のピアノ個人レッスン 30分間無料ご招待
       安西様より…3名様

昔ピアノを習いたかったけれど叶わなかったという方、家にピアノがないけれど弾いてみたい、楽譜がないけど…。どんな方でもOK!コロナで不安に思う日々だからこそ、音楽を楽しみませんか?坂祝町でピアノ教室を主催する安西さん宅でのレッスンです。


B.作家さんの器2個セット
    にらめっこより…2名様

遊び心満点の陶芸作家さんの作品。ピンクと濃いグレーの釉薬が織りなすランダムな模様が斬新です。ワイン?お茶?それとも…?使い方をあれこれ考えてしまう楽しい器です。にらめっこ編集室でお受け取りください。
(直径約75mm×高さ約130mm)


C.CINEX 映画招待券
シネックス様より…ペア3組様

広い空、遠くまで続く海、そんな壮大な景色に身を置くような臨場感を味わえるのは大きなスクリーンだからこそ!写真は「グランド・ジャーニー」より。招待券は柳ヶ瀬のシネックスでご利用いただけます。


D.ヨウ素入り食塩
  にらめっこより…2名様

ベルギーのきれいな海水から作られたヨウ素入りの食塩。海草類を食べる習慣のある日本では見かけませんが、海外ではヨウ素欠乏症を防ぐため、ヨウ素入り食塩が販売されています。
にらめっこ編集室でお受け取りください。
(595g入)     


vol.196 アフターコロナorウィズコロナ?

わたしの「あたりまえ」って、なんだろう?
あなたの「あたりまえ」はなんですか?

 物的な破壊を伴わないコロナ禍は今までの社会のあり方、私たちの暮しを強制的に変化させました。新しい行動をすることによって「価値の新発見」があった人は少なくないと思います。新たな行動をして感じた「良さ」や「意味」を通して、元に戻るのが本当に求めていることなのか、ここはまさにターニングポイントとなるのではないでしょうか。
 コロナ騒動は必ず収束するでしょうが、コロナウィルスの終息はあるのだろうか…。「アフターコロナ」の時代の幕開けはこれまでと違う日常なんだろうか。今まで「あたりまえ」だったことが「あたりまえ」ではなくなるってことなのでしょうか?一人ひとりがこれから何に向き合い、どう生きるかもまた考えるべき時に来ていますね。

「あたりまえ」の英語はnaturally(副詞)<当然,もちろん,本来,元来,当たり前>他にもordinary<普通の、通常の、並の、平凡な>などがあります。
 「naturally」を和訳すると、<自然の、自然界の、自然のままの、加工しない、自然の過程による、自然的な、生まれつきの、生得の、普通で、平常で>という意味。
 例えば「自然」。今まであたりまえにあった目の前の自然が、さまざまな環境トラブルで損なわれています。私たちを取り巻く環境にはとても敏感になります。あたりまえに海水浴がゴミだらけ、川で泳げないほど汚くて異臭がする、山はがけ崩れで登山道が通れなくなり…登山好きにはショックです。晴ていたら富士山だって見えていたのが見えなくなり、太陽光に干した布団には、はるか遠くから運ばれてきたPM2.5が付着し…なんて書き出したらきりがないくらい。日常のあたりまえは脅かされています。そして、見えないコロナウィルスが私たちの日常の「あたりまえ」をさらにことごとく塗り替えていく。

あなたの「あたりまえ」はなんですか?

 わたしの「あたりまえ」は、朝の目覚めから、夜眠りにつくまでの全てがあたりまえで、本来なら「あたりまえ」と思っていることは果たして本当に「あたりまえ」なのだろうか、という問いから出発することが大事かと思っています。
 食べること一つとっても、食卓に並ぶ食材は誰かが作ってくれて、運んでくれて、店先に並んで、料理をして初めて自分の口に入る。食卓の背景に想いを馳せることで、たくさんの人たちが関わっていることを知る。わたしの「あたりまえ」を実現できていることは、もう「感謝」しかないです。「あたりまえ」(そうであるべきこと 当然)の対義語は「ありがとう」(めったに受け取ることの出来ない恩恵・好意・配慮に感謝したいという気持ち)なんですね。

 コロナ禍も、緊急事態宣言が解除され3ヶ月に及ぶ自粛生活にようやく日常が戻りつつあります。しかし、まだ感染者があちこちで「数字」として発表されています。「アフターコロナの時代」とはまだまだ言えない状態。では、「ウィズコロナ」?
 ウイルスは人が人へ運びます。離れて暮らす家族、親戚、友人たちと会いたい気持ちを抑えているのが日常となってしまっています。そんな状況にインターネットが大活躍。テレワークを始め、e-ラーニング、ZOOM会議、お家飲み会などもネット環境を利用して、「ビフォーコロナ」を維持しようとしています。このような現実がいつの間にか「あたりまえ」になっていくんだろうか…

 naturalに含まれる<自然のまま>という言葉に未来のキーワードがあるような気がします。未来を想定して、今何をすべきか。本紙が過去何度も取り上げてきた「環境に影響するさまざまな問題」。大気汚染や温暖化、マイクロプラスチック、農薬、化学肥料、化学調味料、化学物質、香料、水、などなどは明らかに「自然のまま」に遠く及びません。コロナ禍で暮しや社会が変わろうとしている今こそ未来を見据えて、今後はどう過ごすか、を真剣に考える時が来たと思います。中でも「持続可能」は最も重要なキーワードです。コロナ禍で経済活動が停滞したため、空気が、川が、海がきれいになったという報告がありました。<自然のまま>に限りなく近づいてほしい。希望を持ち続け私たちをそれを維持し未来を作っていきたいです。

 メディアアーティスト 落合陽一著『2030年世界地図帳①』には、キーワードとして「SDGs(sustainable development goals)持続可能な開発目標」が登場しています。SDGsとはいっても新聞やニュースでは見かけるものの、それがどういうことなのか、まだピンと来る人は少ないのではないかと思います。コロナ禍を機に、私たちや企業や国は持続可能な開発目標のために何を考えどう行動していけばよいのかじっくり考えてみたいです。
 世の中を「テクノロジーがもたらす変化」、「人口」、「世の中が向かう方向(SDGs)」のポイントから眺めると2030年にわたしたちはどんな暮らしを送っているか少しは見えてくるかもしれません。未来を完全に見通すことは不可能ですが、こうなるだろう未来の予想に対して悲観するのではなく、余裕を持って今から対応することが大切だと思います。

近未来 あなたの「あたりまえ」が続く世界か、「あたりまえ」がひっくり返るような世界になるか… 未来を予想してみよう。
近未来 あなたはどんなイメージを抱きますか?


vol.196 アフターコロナor ウィズコロナ?-Part2

これからは「持続可能」と「循環」がキーワード
自分らしさの追求が、持続可能性につながる。

エコロジーの視点

 「手つかずの環境は素晴らしく、それを破壊する人間は悪というとらえ方ではなく、人間が生きるということは自然とすごく密接につながっていて、その相互作用の中で環境があり、そこには自分たちの営みも影響している。その感覚でエコロジーを捉えることに可能性を感じています。」
 「例えばインドでは、若い世代を中心にヨガといった伝統文化への回帰と再構築が起こっています。これらは個別に見ると様々な領域でばらばらに起こっているように見えますが、少し引いた眼で見ると、人を取り巻く様々な環境や、地球との関係を今一度考え直していくという大きなうねりがあるのです。

多様であることが、持続可能性に貢献できる

「みんなが同調して同じ方向を向くのは本末転倒であり、複雑なシステムがより持続可能であるための一番の鍵は多様性にある。一人ひとりが感じたままに違うことをする。実はそれが最も持続可能であるために大事なことです。」
 「多様性については日本でもたくさん議論がありますが、単にジェンダーや国籍の問題ではなく、一人ひとりが違うことをする。そのためには、自分自身が自分の生きている感覚に基づいて大事なことを選択していく必要があります。それが結果として全体の多様性やレジリエンス(弾力、復元力)を創っていくのです。」

「外」に向けた活動と、自分の「内」との
つながりを取り戻す

 「社会のためにと頑張り続けて、気づいたら自分のWHY(なぜやるのか?)を見失ってしまい、燃え尽きてしまう人にもたくさん出会いました。その経験から、外側に向けてインパクトを起こそうとしている活動と、自分自身の内側とのつながりを取り戻すこと、真のリーダーシップが大事だなと気づいたのです。」

「そもそもわからない世界がある」という前提に立つ

 「仏教も、もともとはわからない世界を前提にしているのですが、近年の仏教ブームではこの世界をすべて理解するために仏教を求める人が増えてきている気がする。しかし、実際にはこの世界のすべてを人間がわかるという前提に立っているから、いろいろなものがちぐはぐしているのではないかと。」
 「たしかに、スマホ画面の一分一秒を争っている現代の情報化社会は、『わからなさ』と向き合う耐性が落ちてしまっているのではないかと思います。でも、わかるものだけを前提に生きていると、頭で理解できる世界だけに閉じていってしまいます。だからこそ、わからないものにじっくりと向き合うことにこそ、新たな地平を拓く可能性があるのだと思うのです。」

システムの内側にいる存在として、向き合っていく。

 「仏教哲学者で環境活動家でもあるジョアナメイシーという方が、『アクティブホープ』という本を書いており、彼女はつながりを取り戻すワークショップをやっています。アクティブホープとは、どのような状況でも前向きに関わっていくという意味です。例えば台風の被害を見ると心が痛むと思いますが、なぜその痛みを感じるのかを考えたとき、そこにはこうなってほしいという願いや、愛や感謝があるはずです。まずは、その痛みを感じる自分がいるということを感じることが大事だと。その痛みは自分の内側や他者、周りを取り巻く環境との関係性のなかで起こっているはずで、そのことに気づいて行動を始めるのが大事だということです。」
 「逆にそのつながりがないまま社会のインパクトを追い求めてもしんどいですし、結局は目の前で認知できる範囲の課題をつぶしていくモグラたたきのような状況になってしまいます。それはそれで大事な側面もあるのですが、一人ひとりの在り方としては、いったん頭で考えることを手放して、身体で感じ、身体で受け取った情報を身体で処理していくというパラダイム(物の見方や捉え方)が大きなヒントになるのではないかと思います。」

新しい暮らしを始めよう!

新しい経済モデルで注目の循環型経済

「最近は持続可能性の流れのなかで循環型のモデルがとても注目されていますが、その先には「再生させる」という在り方があります。環境負荷を下げるためにマイナスをゼロにするという考え方はまだ人と  環境がある意味切り離された状態です。その先にあるのが、人間を“ともに地球の生態系を繁栄させていく存在”として捉えるという考え方です。」
 「たとえば、ダイクルというおむつメーカーは、土に還るおむつを作っています。循環型経済は『ループを閉じる』モデルなので、使い終わったものを回収し、リユースするといった発想になると思いますが、ダイクルでは、使い終わったおむつをそのままコンポストすると、それが土に還り、そこについた人の排尿が栄養となって植物が育ち、それを食べて育つ子供たちがまたそのおむつを使うというような、人間以外の取り巻く環境も含めてみんなで繁栄していくというモデルなのです。」

自分とまわり、社会はすべて相似形

 「それは頭で考えてもわからないので、身体感覚に意識を向けられるように余白をつくる必要があります。余白づくりには空間、時間、心の3つがあり、一番は時間です。日々忙しく生きていて自分の感覚に気を向ける時間がないという人も多いと思いますが、まずは毎日15分でもいいので、自分がシステムの一部として何を感じているのか、見つめ直してみるとよいかもしれないですね。」

社会との向き合い方や生き方のヒントを教えてくれるのが、エコロジーや生態系をテーマにこれからの時代の人間観やビジネスの在り方を探る領域横断型サロン、「Ecological Memes(エコロジカル ミーム)」。同サロンを主宰する小林泰紘さんのことばを拾いました。IDEAS FOR GOOD社会をもっとよくする世界のアイデアマガジンより。



vol.196 アウトドア特集

 Stay Homeが合い言葉のようになり、外出も必要最小限に。そんな自粛生活が数ヶ月…キャンプもままならない?そんな折に朗報!!
「太陽光が強い殺菌力を持っていることは、人類の歴史の中で、古くから知られていました。殺菌力が、太陽光線中の紫外線の作用によることは、皆さんも良くご存知のことだと思います。ですから、直射日光が当たる屋外で、何かの物体に新型コロナウイルスが飛沫核として付着したとしても、短時間で不活化され、何日間も感染力を維持することはありません。」という情報を知ると、外に出たくてウズウズ!緊急事態宣言も解除されたことだし、夏を満喫しよう!ただし、エチケットは守ってね。

野外映画を楽しむ オープンシアター

プロジェクターと白い布があれば、即席映画館に。外ご飯を食べた後、みんなで好きな映画を楽しもう!心をリフレッシュしよう!アウトドアで「観たい」映画TOP5をご紹介。・シザーハンズ(意図せず人を傷つけてしまうが弁解もできないエドワード(ジョニー・デップ)の不器用さが見ていて切ない。・天使にラブソングを(コメディタッチで気疲れせずに気楽に)・E・T(キモかわいいE.T.と少年との交流が微笑ましい)・スターウォーズ(「遠い昔、はるか彼方の銀河系で…」という語りで始まる、言わずと知れた名作SFシリーズ)・千と千尋の神隠し(ごくふつうの女の子が様々な苦労を乗り越えて成長してく)・ボヘミアン・ラプソディ(イギリスのロックバンド「クイーン」の軌跡を描いた伝記映画)

アロマキャンドル(虫除けキャンドルにもなる!!)

虫たちに恨みはないですが、プーンと顔の周りに飛んできてプチッと刺されて、かゆいのはイヤ。しかもそれが寝入り端だったりすると、もう恨んじゃう!でも、強力虫除け剤の化学的成分が、とても苦手という方にオススメがこれ!。

 シェラカップでつくると、キャンプの雰囲気がでますねー。うちにあるろうそくを溶かして、火を止める。固まり出す直前に、虫除けにいいとされるアロマオイル(シトロネラ・レモングラス・ユーカリなど)を投入。居場所の四隅に、虫除けキャンドルと強力虫除け線香で、結界を張らなきゃ。

右は虫除け結界の写真。
森林香(屋外用蚊取り線香)を2つ。虫避けアロマキャンドルも2つ(奥にも置いて4ヶ所に)。虫に悩まされずに眠れますよ。

夜カフェでちょっぴりおしゃれに過ごす。

たまには気分を変えて練乳たっぷりのベトナムコーヒーでもいかが?
淹れ方
①カップに練乳を入れ、ドリッパーをセットする。
②コーヒーの粉を入れて中蓋で押さえる。
③熱湯を少し注ぎ、蓋をして20~30秒蒸らす。
④ドリッパーいっぱいに熱湯を注ぎ、蓋をする。
⑤コーヒーが抽出できたらドリッパーを外し、よくかき混ぜる。
フィルターはアルミ製とステンレス製の2種類。アルミ製は安いものだと100円からありとってもお手軽。ステンレス製は高いものだと1,000円ほど。)

夏の風物詩、花火を楽しむ

 夏のお楽しみのひとつと言えば、花火。少人数にも、おひとりにもおすすめなのが、パチパチと静かなはじける線香花火です。線香花火ならスペースもそんなには必要ないので、お家でも楽しめます。オススメは水を張ったバケツ。バケツが風除けになって、火の玉がなかなか落ちないし、何より水に映る花火を愛でることができる。これぞ一石二鳥!


自然の中で過ごす効果
 自然の中で過ごす効果は、子どもたちにとって良い影響を与えるのはもちろんですが、ストレス過多な大人にとっても様々な良い効果をもたらしてくれます。
 例えば風や川のせせらぎ、鳥の声などの自然の音を聞くことは、ストレスを解消させる癒し効果が非常に高いです。
 また太陽の光を浴びる事で、皮膚上でビタミンDが生成され、免疫力が格段にあがり病気を未然に防ぐ効果が高まりますし、昼夜の体内リズムが整えられ精神的にも安定していきます。
 さらに自然のエネルギーを浴び、木々の多様な色彩をみたり土や木に触れる事で、脳が活発に動き脳の発育に非常に効果的です。森や川、朝や昼の香りを嗅ぐことで五感が刺激され感性豊かに五感が研ぎ澄まされていきます。
 子どもたちの成長のためにも、大人たちがリラックスして本来の姿で過ごす手助けをするためにも、自然と触れ合って、自然の恩恵に感謝した生活を心がけていきたいところです。
ぜひ今週末あたりちょっと自然に触れる時間を作ってみてはいかがでしょうか?本紙174号に掲載した「自然欠乏症候群」より抜粋


vol.196 ぎむきょーるーむ 号外!各務原の学校再開に向けてのアンケート〜結果報告〜

 こんにちわ。「各務原の学校再開に向けて保護者の声を届ける会」です。緊急事態宣言の解除が視野に入ってき、学校一斉休校の解除が取りざたされてきた2020年5月17日~5月24日の期間で、各務原市立小学校・中学校に在籍の児童・生徒・その保護者に「学校再開に向けてのアンケート」を実施しました。

 休校期間中の学校や教育行政の対応や、学校再開に向けての情報が少ない中、私たち保護者の多くは不安を抱いていました。いよいよ再開か、という段階になっても、あまりにも情報が少なく、不安感が高まってきた声を保護者間で耳にするようになり、それならば、保護者有志でアンケートを実施しよう、と取り組むことになりました。アンケートで頂いた皆さんの声を各務原市教育委員会、学校教育課へ届け、安心できる学校運営と再開指針の策定の参考にしてもらおうという趣旨で行いました。(※私たちはいち保護者有志グループであり、意見を届けるものの、このアンケートの声に応えるよう行政に対応を迫ることを目的としていません。

以下は自由回答からの抜粋です。
紙面ではすべてご紹介できず、一部ご紹介します。
※webでは、すべての自由回答も掲載しています。
https://note.com/kakamigaharaclub/n/nb520250ad9a9

子どもたちの意見

・早く登校したい。
・学校行事がなくなるの?
・今年が中3なので、部活動が出来るのか心配。
・休校中にまだ習っていないところが宿題で出ている。
・修学旅行、音楽発表会、やりたい。
・学校で咳などをしてコロナだと思われいじめが始まるのではないか心配。
・簡易給食で5時間目、6時間目まで学習するのは嫌。給食は学校生活での楽しみの一つ。普通の給食が食べたい。
・学校が休みになり、大喜び‼
・ともだちとあそべないし、おかあさんがしごとでいないときに、ひとりでるすばんするのが、かなしいです。

保護者の意見

・簡易給食の内容が成長期の子どもに悪影響だと思う。
・仲間と過ごせる事が嬉し過ぎて、ソーシャルディスタンスなんてとても守れないと思います。
・多様な支援体制を整えて頂きたい。
・逆に、家にいれば安心
・一斉授業よりeラーニングに効果を感じています。補助制度 があればなお良いです。
・不安を取り除けないお子さんと今後再開後に交流することになること。
・発症した子と接したときの状況を教えてもらいたいです。
・運動不足による肥満・選択肢に「時間に厳しい生活」とあるが、厳しいと感じるご家庭だけではないと思う。学校生活を厳しいだけのものとしては見ないでほしい。


簡易給食:小学校-パン、牛乳、ジャム、ゼリー。
(中学生はパン2個)ときどきナンも。
すべて個別包装され衛生的ですが、育ち盛りの子どもたちには圧倒的に量が少ないかと。小学1年の子と6年の子が同じ量については、もう少し配慮してほしいところ。内容は今の現状を考えると、しばらくは致し方ないかと。しかし、食べることは生きること。大切な「食」です。給食に関して、また左記のe-ラーニングについてもさまざまな意見があると思います。これを機に意見交流ができると嬉しいです。関心のある方は下記へお問い合わせください。
citizensvoice.kakamigahara@gmail.com

e-ラーニング:一般的にインターネットを使った学習を意味し、オンライン学習とも呼ばれます。
学習者側の4つのメリット&デメリット
メリット:1.場所や時間にかかわらず、自由な時間、場所で学習ができる。2.個人の習熟度、理解度に応じて学習を進められる。3.視覚的に理解がしやすい。4.学習進捗状況や小テスト結果などがすぐに確認できる。

デメリット:1.モチベーション維持が難しい。2.講師やほかの学習者との交流が図りにくい。3.実技を伴う科目には向かない。4.インターネット環境を常時確保できない学習者の受講が難しい。


【教育長にお渡ししてきました】
 結果は222件の回答を得、市内全小学校区にまたがり、328人の子どもたちの声が反映されています。2020年5月27日(水)に会を代表して、加藤教育長に集計したアンケート結果をお渡ししてきました。教育委員会の委員長他、市役所の職員の方2名様に同席して頂き、アンケートに至った経緯・趣旨の報告をしました。また、日頃から感じている学校と保護者の距離が遠い事などについても率直にお話ししてきました。
 教育長は、面談中に集計結果にざっと目通しした感想として、「大体こちらで把握しているような声が多いように思いますが、中には想定していない意見もあるかもしれません。頂いた声を現在策定作業中の指針と照らし、各学校の指針作りの参考にするようにしていきます」とお話し頂きました。

アンケート活動を通して感じたこと

今回、実施に至ったアンケート活動を通して、保護者と学校・教育行政とはどのような関係を築くことが必要か、など、感じることが多くありました。とても多くの壁・情報伝達不足・システム的な問題があるのではないか、という実態が以前よりもよく見えてきました。

<今後の活動>
この取り組みを機に、多くの保護者・地域住人の方と、学校、教育行政と一緒に各務原の公教育を考えていきたいと思いました。学校が再開され、分散登校から一斉登校になり、子どもたちの生活が段階的に平常化していく経過を見守りながら、新しい取り組みを模索していこうと思います。ともに学校の在り方・教育行政とのかかわり方について考えていく活動をしたいという仲間を増やしていきたいと思います。
どういうことをやるのか関心のある方、一緒にやってみたい方、とりあえず話を聞いてみたい方、ご意見などがありましたら、下記までご連絡ください。

citizensvoice.kakamigahara@gmail.com




vol.196 しょうがいをみつめるvol.7

新型コロナウィルスの流行により学校が休校になって3か月が経とうとしています。最近になり、ようやく再開の見通しが立ってきたものの、子どもたちの声がしない学校のさみしいことといったらありませんでした。この休校期間中、子どもたちは家の中でどのように過ごしていたのでしょうか。i.s

子どもたちの気持ち

 振り返れば2月末。突如として出された全国一斉休校の宣言とともに、いつ終わるともしれない休みに突入。「3月はこんなことをしたいな」「こんな風に一年を締めくくれたらいいな」と、立てていた計画は吹っ飛び、予定されていた卒業式も一から練り直すことに。入学式・始業式をはじめとして、感染予防をしながらどう学校を再開するかと、課題も山積でした。私はというと、別れの挨拶もままならなかったこと、一年をきちんと終えられなかったことに対する悔しい気持ちを感じてはいたものの、ウィルスという見えない敵を相手に愚痴を言うこともできず、「仕方がないよ」と自分に言い聞かせながら新年度を待つ日々でした。

 迎えた4月。感染拡大は止まらず、やはりというか、予想通り休校延長。私たち教員も3密を避けながらの勤務がスタートしました。普段であれば、ああだこうだと子どもたちのことや自分たちのことを話しながら始業準備を進め、チームとしての結束を高めていく時期なのですが、今年度は一人、まだ見ぬ子どもたちをイメージしながらの作業となりました。政府からは非常事態宣言が出され、終息までの見通しももてない中、これからどうなっていくのかという漠然とした不安やストレスが溜まっていくのを感じていました。あれこれと思いを巡らせているうちに、障がいのある子どもたちは普段からこのような不安やストレスを抱えながら生きているのではないかということに気づき、はっとしました。自閉症の子どもたちにみられるパニックは見通しのもてない不安から来ていることが多くあります。身体が不自由な子どもたちは自分でやりたいことをしたり、行きたい所に行ったりすることが難しく、フラストレーションを抱えがちです。一時的ではあれ、このどうすることもできない状況の中で彼らの気持ちを追体験できたことは、私自身の学びにもなったように思います。
 4月末になり、県内の特別支援学校では、web会議システムを利用したオンラインでの授業がスタートしました。私自身、始まるまでは生の触れ合いなくしてどの程度の教育効果があるのかと懐疑的だったのですが、実際画面の向こうに子どもたちの姿が見え、声が聞こえてくると…やはり、うれしくなるものですね。次はどうすれば子どもたちが興味をもってくれるか、楽しい活動ができるか、双方向の良さを生かしてやりとりできるかなどと、試行錯誤が始まりました。画面を通してではありますが、やはり『人と人とがつながりあう』というのが学校という場なんだということを再確認しました。

そして迎えた6月1日。まだ分散登校ではありますが、学校には子どもたちの元気な声が戻ってきました。オンラインでは会っていたものの学校で会うのは初めましての子どもたち。休校という長いブランクを感じさせないほど学校にすんなり戻ってきてくれました。しかし、やはり久しぶりに友達と会えたのは相当うれしかったようで、おしゃべりは止まらず、一緒にトランプやお絵かきをしてずーっと一緒に遊んでいます。
 ようやく、新たな学校生活が始まりました。これまでお休みだった分、これからは学校でいーっぱい楽しいことをしていこうね!


vol.196  niramekkoGallery「春・夏・冬」

タイトル「春・夏・冬」  作者・川上真輝

 パステル使いのキング!というか、一心不乱に描く姿につい声をかけそびれてしまい、服も見事にパステルに染まります。紙いっぱいに繰り広げられる絵は、まるで色が歌って踊って、観る人に話しかけているよう。まぁくんの絵を見ていると音楽が聞こえてくる…不思議でパワーに満ちています。

 なんか疲れたなぁ、と思ったときは思い切って日常から離れてみませんか?私たちの暮らしは意味や役割があるものに囲まれています。そうすると、意 味のないものに耐えられなくなるかもしれません。アートに触れるときは、意味を求めないで、心の働きを感知する力を取り戻しましょう。共感したり感動した りすることで、心の働きが活発になっていきます。たまには、美術館やギャラリーでアートな作品を鑑賞してみませんか?気持ちが落ち着いたり、リフレッシュ したり、時にはワクワクしたり…まだ自分が体験した事のない領域の喜びを体や心で感じることができるかもしれません。


vol.196 人生これから! 

やってみたシリーズ第2弾

サックス習って娘の結婚式で演奏してみた! 林 則夫さん(60代)

 13年前、映画「スィングガールズ」(※)を観た林さん。竹中直人演じる高校教師・サックスを吹けると言ってしまった姿に何故か「あれ、自分みたい」。2回も観てしまった。サックス、かっこいいなあ、よし習っていつか娘の結婚式に演奏してみよう、と決意した。
 始めにちょっとお高いサックスを購入。自分が形から入るタイプということもあるけど、高価なものを買えばもったいなくて途中で辞められないから。(家族には借りていることに。だけどバレバレだった)

週1回教室に通い、年に1、2度は発表会で演奏する。大きな音を出すことは自宅では難しく、スーパーの屋上駐車場に停めたマイカーの中、人の少ない公園、伊木の森の頂上がもっぱら練習場所。昨年は念願かなって娘の結婚式でドリカムの「未来予想図Ⅱ」をサプライズでソロ演奏し、家族も喜んでくれた。

 定年の1年前に退職し、家業の農業を継いで6年。退職する時はこれでいろんなストレスともオサラバできると思っていたら、家業というのも意外とストレスは多い。でもそんな時は趣味のサックスとバイクがあるさ、飲みに行く友人たちもいるし。と気持ちを切り替える。
 「サックスもあくまで素人の趣味なんだから無理はしない。裏拍とか16音符の連符とかはムリムリ!

発表会に吹く楽曲も、難しい部分は自分に合うレベルに先生がアレンジしてくれる。今まで吹いてきた曲は、長渕 剛の「乾杯」、尾崎 豊の「I love you」、スタンドバイミー、中島みゆきの「時代」、松田聖子…吹くのはポップスが多いけど、ジャズもロックも音楽は何でも好き。会話は常に冗談まじりの林さんだが行動はきっちり。メリハリは必要だから発表会には出ると決めている。「ただ、発表会に向けて数ヶ月前から一生懸命練習しても、終わったら抜けちゃうけどね(笑)」。サックスは難しい、でも楽しいと語る林さん。
 娘の結婚式に吹くという第1目標は達成した。「今後?このまま健康でいつまでもサックスが吹けたらそれでいいな。息が続くまでね。目指せ、90歳プレーヤーだね。高いとこ目指さなくていいの。生き甲斐でいいの。人生は楽しまないとね」。

※『スウィングガールズ』は、2004年公開の日本映画。東北の片田舎の落ちこぼれ女子高校生がビッグバンドを組んで、ジャズを演奏する青春映画。キャッチフレーズは「ジャズやるべ!」。 楽器店での管楽器の売り上げが数割ほど伸びるというある種の社会現象まで引き起こすなどといった反響を得た。

えんぴつカフェ 
4月16日に開催予定だったテーマについて。 
<自分の葬儀をどうしたい?>

人生これから!「これからをどう生きるか」を念頭に、「自分の葬儀について」どういう準備が必要で希望はどの程度叶えられるかを調べてみました。

自分の葬儀、どうしたい?(7月16日開催)

 今まで様々な方の意見を聞いてきました。意見や希望は大きく3つに分かれます。
1つは、普通の葬儀で行いたい。
2つ目は、本人の希望通りに行う。
3つ目は、残されたもののやりたいように。
 いい悪いという問題ではなく、自分はどうしたいか、が大事。今回は無宗教葬儀(自由葬)について。特定の宗教宗派の儀礼を行わずに葬儀と告別式を行う自由葬について情報を共有します。

 ・決まったルールはない・どんな葬儀を行いたいか生前から決めておく・葬儀社とよく相談しておく。無宗教葬儀(自由葬)では、宗教的な縛りがないため、葬儀内容をしっかりと組み立てる必要があります。
 例えば「音楽葬」。故人が生前好きだった音楽を流しながら進行していく。 ピアノやバイオリン、トランペットなどの楽器による生演奏や合唱隊による歌などもいいですね。あらかじめ録音しておき、BGMとして流すこともできます。「大好きな絵本の朗読」で送ってもらうのもいいね。一つアイデアが出ると、連鎖していき、思わぬ展開になることも。
えんぴつカフェでは、自分の葬儀の設計図を起こしてみます。文章でもイラストでもオーケー。おしゃべりしながら書いていきます

えんぴつカフェは毎月第3木曜日 13:30-15:30
にらめっこ編集室にて。詳しくはお知らせのページ参照ください。
「人生これから!」(非営利活動市民団体)
090-5638-7044(田辺)
090-7854-4561(三上)





vol.196 熱中人 岡田 千穂さん

その人の人生の節目に立ち会える
 一瞬を切り取る写真は、伝えるためのツールともなる

写真家 岡田 千穂(おかだ ちいほ)さん

基本「人」を撮るのが好き

 「私にとって写真は伝えるためのツールです。思っていることを人にうまく伝えられなくて…写真が代弁してくれたことはたくさんありました。自分の視点と考え方、想い、感情を通して写真になっています。」と語るちいほさんは、大学は人文学部でコミュニケーション学科を専攻だった。授業ではメディアリテラシーの講義が多かった。情報を読み解く、鵜呑みはしないとか。それを通じて自分が発信する力を身につけるという授業内容は興味深かかったが、自身はコミュニケーションに興味があった。写真を撮るのはセッションだというちいほさん。対話をしながら、その人の顔の表情や声、何気ないしぐさから、その人らしさを引き出すのが自分の役割だと。

 卒業してから三重県亀山市の写真館で働き始める。結婚式の写真を撮る仕事でいきなり現場に放り込まれた。さまざまな現場に通い撮影を学んでいった。ライブハウス、クラブ、フェスなどの撮影も多く、人の動きを追っかけたり、暗いところでも撮影した。映像とか照明とかのシチュエーションを整えたりもした。徹底した現場主義。その経験が今すごく活きているという。
 「写真は独学です。カメラは全てマニュアル設定。自分が大切にしていることは『臨場感』かな。ライブでは撮影しているのを気づかれないようこっそり撮っていましたね。ファインダーをのぞいていると、撮られてるって思われますし、そうすると緊張してしまいますから。今、この瞬間!ありのままを大事にしたいので。」
 相手が撮られているのが気持ちいいと思ってもらえるような雰囲気を作ってきた。基本的には、気づかれていない間に撮ることを心がけている。

 今、津市内で「10×10展」を開催している。10店舗に自分の写真を置いてもらう。一ヶ月ごとに写真を入れ替え、10ヶ月間続けるというプロジェクト。お金を介さないで、お店の商品や、三重の風景など、そのお店を醸し出す写真を撮っている。それはお店とのセッションとなり、そこに来る人を想像して撮る写真ともいえる。そこから来店された人とつながることができる。とても学びの多い企画だ。
 「津市内で展覧会をしている気分です。今はコロナの影響でお休みのお店もあり展示できないことはありますが、昔ながらのお店とか、年配のオーナーさんは何一つ変わらない。何があっても動じない。肝が座っているというか、お店はその方の人生の一部なんですね。」

たいようをおとづれた人を撮影しギャラリーに展示。

カメラとの楽しい時間

 さらに新しい試みも。愛知県春日井市の、たいようhuman connection naturalで、CPWの新しい写真展「『ポートレイト』/インスタレーション作品と撮影会」を5月6日にスタートした。たいようで出会った人の写真を撮影させてもらい、その場でプリント。ギャラリースペースにいっぱい飾って繋いでひとつにした。30日のクロージングにはインスタレーション作品は見事にたいようの形になった。(写真)
 「ポートレートの撮影は、その人の人生の節目、それまでの自分を封じ込めることもできる。そういう瞬間に携わることで、撮影者である自分が次のステップへ後押しをしている感じで、その方の内面に触れセッションしている感覚になります。」
 「ある時、『仕事を辞めて、今までの自分と違う自分になりたい、何も纏わないあるがままの自分を取ってほしい』という依頼がありました。写真を撮ることで、自分を客観的に見ること、見えること、自分って結構いいじゃんって思えること、コンプレックスとか、その人のエネルギーとか、気持ちいい、元気になれる…。そんな側面があるのが写真です。美しさも大切だけど、その人らしさが映り込むよう努力をしています。」と、当時を回想するちいほさんは、未来を見据えた表情になった。

今後は “ 写真でセッション”を世界で繰り広げたい。

 これからは本当にやりたいことだけをやろうと決めた。そのために独立した。
 セッションは対話。言葉ではなくても、写真というツールでコミュニケーションを取り続けるのが、ちいほ流写真なのだろう。


おかだ ちいほ
1989年生まれ。三重県出身。フォトグラファー。
写真活動10年目にして
写真ユニット「Chiiho photography&works」(CPW)を2019年より始動。
愛とエネルギーの伝わる人物写真を得意とする。