投稿者「にらめっこWeb版スタッフ」のアーカイブ

vol.214 モザンビークからレポートvol.8

価値観の違いはどこから?

ちょうど一年前、恐喝にあいました。何より驚いたのは、周りに人がいっぱいいたのに誰も助けてくれなかったこと。1年過ごしてみると、日本では見られない素敵なところもたくさんあって、何を大切にしているかが違うだけなんだなぁと思ったり、思わなかったり。

「ぎゃー!たすけてー!だれかー!そこのお兄さん、笑ってないで助けて!」
約1年前の昼間の繁華街で突然若者に腕を掴まれて、必死に助けをこうも、老若男女問わず誰も助けてくれませんでした。ガードマンを呼んでも無駄。しばらくこの国で住むことが嫌で嫌でしょうがなかったけれど、改めて1年を振り返ってみて思うのは、「価値観が違う」ということです。
恐喝がいいことだとは思わないけれど、外国人にお金をせびることの大前提に、モザンビークにはお金を持っている人が困っている人を助けるのが当たり前だという考えがあります。外食に行けばお金を持っている人が全額払う上に、お金を払わない人も大きな顔をして好きなように飲んで食べているし、友達からもすぐに「助けてくれ」「パンが買えない」等々と言われます。日本人として、全く理解できない態度だけれども、その逆もまた然り。日本人同士で割り勘しているところをモザン人に大笑いされて、「そうそう、お互いお金の扱い方が違うよね」と話がはずんだことはとても印象的でした。

他にも、違いはたくさんあります。モザンビーク人は歳を召した人の荷物を運ぶことや、誰かが転んだだの、車の故障だの、みんなさっと寄ってきて助けてくれます。今眼の前で起こっていることにはとても敏感。日本人はどうでしょう?誰かが困っていても、体調不良で倒れていても、素通りする国だという外国人記者の記事読んだことがあります。事実あってほしくはないけれど、外国人に対する対応が冷たいのは否めません。外国の駅で地図を見ていて声をかけられなかったことはないし、モザンビークでも少し立ち止まっているだけで「Tudo bem?( 大丈夫?)」と多くの人が気にかけてくれます。モザンビーク人との約束で、時間をきっちり守ってもらったことはないけれど、道中で誰かを助けていたとしたら(実際に、日本ではありえないアクシデントがすごく頻繁に発生して、時間通りにつくことは結構難しい)、それはそれで素敵なことだと思うようになりました。

日本人は、時間に関しては世界一きっちりしている国、国民。誇りに思っていい文化の反面、時間に追われるあまり、眼の前で困っている人を助ける余裕がなかったり、外国語を完璧に話せないから声をかける勇気がでないのだとしたら、もったいない!「世界はいつもそんなに完璧を求めていないよ。他の人と関わることを楽しんでみて。」と伝えたいです。


vol.214 菌ちゃん野菜応援団vol.35

前回ミネラルについてお伝えしました。ミネラルは旬のお野菜にたくさん入っていますよーってお話でしたね。実はミネラルはほかのものにも入っているんですよ。
代表的なものは海のミネラル。海には昆布やワカメといった海藻類から、小魚や大きな魚までたくさんの命が生活しています。そのなかでも日本人が昔から食べてきた、昆布やわかめ、いりこなどの小魚にはカルシウムや亜鉛などのミネラルがいっぱい。
大きな魚にもいろんな栄養素はありますが、日本には一つの命を丸ごといただくことがそのものの栄養を十分にいただける、という「一物全体」という古い教えがあるんですね。大きなお魚の一部をいただくよりは海藻類や小さな小魚を丸ごと食べたほうがいいってことですね。
またお食事に「海のものと山のものを入れましょう」と聞いたことはありませんか?海に住む生き物と、陸に住む生き物。どちらもそれぞれ少しづつ違った栄養素を持っているので、その両方をバランスよく食べることで私たちは元気になれますよってことなんですね。
また海のミネラルが凝縮したものが塩なので、よいお塩は減塩せずしっかりと「美味しい」と思う味付けでご飯を食べてください。
これから暑くなって熱中症や夏バテになることも。その時にしっかりミネラルを補給しておくとばてることが本当に少なくなります。
美味しいお塩で作った本物の梅干しを食べることも夏バテ対策のひとつ。
夏を元気に乗り切るためにも。海のものと山のもの、そして天然のお塩をしっかり取ってみてくださいね。

簡単すぎるけどおいしい!梅干しごはん
ご飯をたくときに梅干し1個入れて炊く。超簡単!でも、それが美味しいんですよね。おむすびにしても腐敗しにくいのもこれからの季節にいいですね。


vol.214 ここいく日記 はじめの31歩!

ここいくの活動拠点「あいのね」では平日の夕方に「まちの保健室」を開催しています。そこには子どもから大人まで様々な人が訪れます。
小学生の頃から常連の外国人の少女は中1となり、一気に勉強が難しくなって中学は大変だぁ~と日々の困りごとを話してくれます。年間予定表を見ながら「尿検査、生理の時はどうするの」と聞いてきた時は「もう1日、尿検査の日が書いてあるでしょ。この予備日に提出すれば大丈夫だよ。」と答える。「体育は簡単に休めないんだ」とつぶやくので理由を聞くと、先生が「簡単にダルイと言わない、諦めない、全力でやる、疲れても休まない」と言うらしい。そして、男の先生だから、生理痛が酷くても言えないと漏らす。日本語が分からないお母さんにも、学校の先生にも「性」のことは特に相談しにくいと教えてくれた。
特別支援学級に通う小学生は算数が苦手。先生から、指は使わないでねと言われ、イライラして雑に書くと、やり直しと言われる。新学期、まだ理解できていないから、今年も同じ教科書で勉強しようねと言われた時は「無限ループだ!」と絶望的な気持ちになったと教えてくれた。
各務原市では令和5年3月に多文化共生プランが策定され、言葉や文化をつなぎ心のつながりを作り、子どもたちの学びを支え育むとある。令和7年度には新特別支援学校が開校し、一人ひとりの能力や可能性を最大限に引き出すことができる学校を目指すとある。立派なプランや基本計画はありますが、「まちの保健室」では、置き去りとなっている子どもたちの気持ちがたくさん聞こえてきます。
学校にも「保健室」はあるし、先生もたくさんいます。しかし、不安や悩みを言えない子どもたちがいる。身近な大人と私、「学校」と「まちの保健室」の違いは何だろう?大きな違いは、そこには上下関係がなく「安心」であること。ここいくの「いのちの授業」では人間関係の話をしています。
話し相手、遊び相手、相談相手、喧嘩相手の「相」。
話し合い、触れ合い、助け合い、励まし合い、慰め合い、認め合いの「合」。
「相」と「合」がある関係から「愛」は生まれます。
でも「愛」が生まれるような「相」と「合」のある関係を創るには「安心」な環境が必要です。そのためには互いが対等であること。ヒエラルキー(序列)の関係に陥りやすい、先生と生徒、親子、上司と部下、兄弟姉妹であっても「対等であることが人間関係の基本だよ」と子どもたちに伝えています。支配と暴力の関係の中では「安心」できず、「安全」でもなく「愛」は生まれません。
「ここいく」の仲間たちは、得意なことも苦手なことも違いますが、互いを尊重しあえる関係です。私はみんなと一緒に過ごす時間がとても楽しく、何より気持ちが「楽」です。それは安心して自分らしくいられる環境だからだと思います。
先日、なぜ「ここいく」のメンバーはずっと一緒に(13年)活動ができる関係を保てるのかなぁ~とつぶやいたら、代表の中村に「私たちは繰り返し子どもたちに人権を伝えてきた。その度に私たちは繰り返し学んでいる。伝えたことは、全部私たちに戻ってきていると思うよ。」と言われて、とても納得しました。
「いのちの授業」を届けるだけではなく、私たちもいっぱいもらっている。なんて素敵な関係なんだろう。大人も子どもも関係性をつくりにくい時代ですが、出逢いと学びで関係性は変えられます。

「ここいく」メンバー大募集中です。一緒に心地よい人間関係の輪を広げませんか。

担当:ここいくメンバー 古川明美でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)


vol.214 プレゼントコーナー

214号PRESENTS

プレゼントご希望の方は

ハガキまたはe-mailで、下記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。

1.この夏、あなたが取り組む省エネの工夫は?電気料金も気になるこの頃、あなたはどうやって暑い夏をのりきりますか?

2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望 を必ずお書きください)
※A、Dは編集室まで受け取りに来られる方。
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、 家族構成

 

ハガキまたはe-mailで、上記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
〆切:2023年7月25日 当日消印有効。
宛先 〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。

 

A.濃姫パパイヤ  信長バナナ(合)様より…3名様

信長バナナに引き続き、岐阜で栽培、収穫、販売が始まった「濃姫パパイヤ」。まだ栽培本数が少ないため、レアな商品です。栽培期間中、農薬と化学肥料不使用なので、安心していただけます。1名様につき1個プレゼント にらめっこ編集室でお受け取りください。(写真はイメージです)


B.日本最古のうるち米 古代紅米「朔月」玄米300g

自然農縁 月とたね様より…2名様

日々をていねいに、家族でお米作りをしながら、心と時間の豊かさを大切に暮らしている月とたねさんから。赤米は、玄米の種皮または果皮の少なくとも一方にタンニン系の赤色素を含む品種。縄文時代に日本に最初に伝わった稲と考えられています。

 


C.CINEX映画招待券 CINEX様より…ペア3組様

映画の中の登場人物の生き方、感じ方などを、観た人が心の中に蓄積しておくことで、人間の幅が広がり、アンガーマネジメントにも繋がるとか。映画って奥が深い!写真は映画「ウーマン・トーキング」より。柳ヶ瀬のCINEXでご利用いただけます。


D.縄文姫塩あめ ハイビスカス&ローズヒップ味

コトノハ工房様より…3名様

海のミネラルを豊富に含んだ「天然塩」であれば、減塩する必要はありません。化学添加物不使用、ミネラルバランスを考え世界中の天然塩をブレンドしたコトノハならではの塩あめができました。これからの季節、常に持ち歩きたいアイテムですね。20粒入りです。にらめっこ編集室でお受け取りください。


vol.213 なりたい自分と今つながる方法

時間は、過去、現在、未来の順番で直線上に流れるというのが一般的な考え方ですが、実際はそうではありません。「いま」をどう解釈するかで過去の経験は変わるし、それに伴って未来もガラッと異なります。過去の経験が未来を決めるわけではないということです。

過去、現在、未来は別次元で同時に存在する。
 先日、HP制作で愛用していた三上のMacBookが突然壊れました。2度目の悲劇。1度目はある人に裏技で修復してもらえ、ラッキーでした。ただ、「今度壊れたら同じ手は使えません、その時はあきらめてください」と言われていたのです。モニターは黒一色。ガーン!!私の心も暗幕が下りたように真っ暗。立ち上がらない原因をあれこれ思い浮かべスマホで対処法を調べる。調べても立ち上がらない現状に疲れ、充電したまま約1週間放置。原因を探す思考を手放し、現実を見る。PCは高温多湿は厳禁。たぶん多湿の中で(冬・石油ストーブ・ヤカンからは蒸気)スイッチを入れ、中の部品の何らかのトラブルなのかも。それを払拭できる環境にして、直る!蘇る!という気持ちがむくむく湧いてきて、再度スイッチオン。見事生き返りました。

これを引き寄せや現実創造の法則に当てはめれば、“思いをめぐらせて待っている”という今の感じが同調した現実(未来)が創造されたということになるでしょう。
現実、創造における時間の概念は、過去、現在、未来と一直線上に流れているというより、別次元として同時存在すると考えるほうがしっくりきます。そこでは量子力学の、「存在するものは、すべて物質であると同時にエネルギーだ」という考えがベースになります。無意識というエネルギー領域にアクセスし、現実を変えるための脳トレを説くのがジョー・ディスペンザ博士。その著書『あなたという習慣を断つ ― 脳科学が教える新しい自分になる方法』では、考えることと感じることというエネルギー領域が同調したとき、目に見えない電磁波場に向かって「この現実が正しい」という信号が送られると語られます。

PCトラブルの時に、私という習慣(ダメだ、壊れた、あきらめる…)というような思考を断ち、“直る、蘇ったらめちゃうれしい”という感情方向にチェンジしたのが功を奏したのかも。

そこで人生を変えるには思考と感情という両方のエネルギーを変える必要があり、そのふたつが一致すると量子における創造の力が最大になるとか。つまり“そう思って、そう感じる” 現実が創造されるというわけです。
過去は「こうだった」、そして未来は「こうだろう」と頭で考える思考のエネルギー次元のものです。それに対して現在は、「こうだ」と見たり聞いたり感じるエネルギー次元のものです。言い換えれば、過去と未来は脳の言語で表現され、現在は身体・感情の言語で現される。考えと感じ方というその両方を一新して全体像としての真実を体験することで、望む現実を創造するというメソッドが「現実創造」や「引き寄せの法則」と言われるものでしょう。
だから頭でポジティブ・シンキングを貫こうと無理したり、わかったような気がするだけではダメで、それにいい気分という実感が結びついて初めて同調する次元の未来が創造されます。なぜなら私たちは霊的な存在でありながら同時に肉体を持つ物理次元の現れであり、心と体の両方を使って体験することを求めて、この物質世界に生きているからです。つまり大抵の場合において「引き寄せ」がうまくいかないのは、身体の言語である「感じ方」が置き去りにされているためです。
病気などはその一例で、思い、言葉、行動のいずれかが本当の自分から反しているというサインです。

時間は未来から過去に向かう、アビダルマの概念。

私のPCの例でいえば、時間は過去から未来へと流れるのではなく、“そもそも直る”という未来があって、そこに向かう過程として、“湿気を取り除く1週間待ちという現在”があったという見方です。
「あれに失敗したから、未来もダメだ」「あの人に振られたから、この先幸せはない」。そんなふうに私たちは通常「現状から実現できると思われること」の積み重ねに未来があると悲観します。そうではなく、ある未来に到達するための通過点としての“今”と捉えるこの時間の概念上では、誰かに失恋したのは、もっと良い人に出会うという未来からの筋書きかもしれません。その仕事を失ったのは、本当にあなたのことを求めている職業が待っているからかもしれません。
最高の未来を設定して“今”を見れば、どんな“今”であろうと、最高の未来につながるために必要な貴重な時間になります。どのみち最高の未来になるならと精神的な余裕が生まれ、“今”の自分はどう感じて行動したいのだろう?と選択し直すこともできます。

最高の未来から問題解決するバックキャスティング思考法。
バックキャスティングとは、はじめに目標とする「未来の姿」を描いてそこから「いま何をすべきなのか」を考える思考法のこと。 不確実性の高いテーマや課題に対して具体策を考えるのに有効な手法として注目されています。
この理想の未来の姿を起点にして現状を振り返り、今何をしたらいいのかを考える方法は、環境政策を考える上でもみられます。どのようにして理想の未来像を実現できるかに関心を持ちます。将来の望ましい状態を想定し、その状態に到達するためのステップを定義する方法です。SDGsなどにも取り入れられています。

そして何より大切なことは、目標と同じくらいプロセスを楽しむこと。なりたい未来の次元の自分から見れば、今のすべてが旬のストーリーです。それをゆったりと味わうことで願う未来の次元の自分とつながり、過去、現在、未来のすべてが同時に癒され、いつでも望む現実を創り出せます。   MAKIWARI JOURNAL For Our Genuine Happiness 参照

 

大谷翔平選手が使った目標達成シート(マンダラチャート)とは?

大谷翔平選手が高校一年生の時に作成した「目標達成シート」。高校時代の監督・佐々木洋氏からの教えにより作成したこのシートは、強い目標(夢)を中心に置き、周囲9×9の合計81マスに細分化した目標を書き込んだものです。大谷選手が中心に書いた夢は「8球団からのドラフト1位指名」でした。
夢を達成するための要素
1.体づくり2.人間性3.メンタル4.コントロール5.キレ6.スピード160キロ7.変化球8.運
体づくりを達成するための要素
1.体のケア2.サプリメントを飲む3.FSQ90キロ4.柔軟性
5. RSQ130キロ 6.スタミナ
7.可動域 8.食事夜7杯朝3杯
大谷翔平選手は目標達成シート(なりたい自分になる)を作成する際、なるべく具体的に、また少し高い目標を書き込むようにしたと話しています。ひとつの大きな目標を達成するために必要な要素を細分化し「叶えたいこと」への道のりを確立したともいえるでしょう。すべての要素をクリアしていくのは難しいもの。そこで具体性を高めると、目標を見失わずに進めます。


vol.213 こころとからだのつながり

 生きている以上、感情に変化はつきもの。健康とは、体だけでなく心の健やかさもあらわしますから、感情と病気、そして内臓がつながっているのは、自然なことかもしれません。
内臓の状態と感情の 5 タイプとは、内臓と感情を含む全ての物事を、分かりやすく5つに分類しています。

この図は、感情と内臓の関係をあらわす「心と身体の相関図」です。 これでみると、怒り=肝臓、喜び=心(臓)、思い悩む=脾(臓)、悲しみ=肺、恐れる=腎 (臓)であることがわかります。 つまり、長年、怒りの感情ばかりを持ち続けていると、肝臓に不調があらわれやすく、逆に、肝臓にトラブルがあると、怒りっぽくなってしまうというわけです。肝臓が弱ると、ちょっとした風にあたっただけで涙が出たり、爪が欠けやすくなったり、またみけんのシワとして表面化します。眉間のシワは不機嫌顔の象徴。定着させないためには、日ごろのストレスにくわえて暴飲暴食を避け、肝臓への負担を減らす必要があります。 それでは、他の臓器についても詳しくみていきましょう。

怒ると肝臓が弱る!?
:怒り過ぎると気が上昇し肝が傷つき弱る。肝が弱ると筋がつったり痙攣する。肝が弱ると目が疲れ視力が低下する。怒り過ぎる人はよく手を握り締める。
:喜び過ぎると気が緩み心が傷つき弱る。心が弱ると血流が悪くなり心臓病や動脈硬化などひきおこす。心が弱ると味覚異常など舌に影響がでる。喜び過ぎる人はよく喋る。
:思い考え過ぎると気が固まり脾が傷つき弱る。脾が弱ると脂肪に栄養が回らずに痩せ、しわが増える。脾が弱ると唇の艶がなくなる。思い考え過ぎる人はよく、えずき、しゃくる。
:悲しみ憂い過ぎると気が消えて肺が傷つき弱る。肺が弱ると皮膚に異常がおき肌が荒れる。肺が弱ると嗅覚が低下や鼻の炎症を起こす。悲しみ憂い過ぎる人はよく咳がでる。
:恐れ、驚き過ぎると気が下がり乱れ腎が傷つき弱る。腎が弱ると骨や歯が弱り腰痛も起こりやすくなる。腎が弱ると耳が遠くなったり耳鳴りがしたりする。恐れ驚き過ぎる人はよく震える。

<食生活の見直し>
・栄養に偏りのないバランスの良い食事を心がける
・塩分、動物性脂肪、糖質、カロリーを摂り過ぎないようにする糖尿病の三大合併症といえば、網膜症、腎症、神経障害ですが、近年は「認知症」もその一つとして注目され始めています。認知症の3から4割が糖尿病が強く疑われる結果が出ている。
・早食いは禁物。噛むことは脳を刺激します。
・DHAやEPAを積極的に摂る。(イワシやサバなどの青魚に含まれる )

<運動の見直し>
・適度に負荷のかかる運動を継続的に行う・ウォーキング ・ジョギング ・水中ウォーキング ・水泳・ヨガ ・踏み台昇降運動・自転車
・意識して有酸素運動を行う。まずは1日10分程度の時間で気分転換になりそうな軽いものから始めましょう。 例えば、ウォーキングなどを行うのも1人で行うのではなく、できればご家族や友達と会話をしながら歩くことが有効です。会話をすると、その分負荷がかかり酸素を多く身体に取り入れる事が出 来るから。また、外に出て歩くことで、周りの景色が変化し、それに合わせて目から入ってくる情報を脳が判断する為に働くという効果も見込めます。週に2 ~3日1回約30分の有酸素運動を取り入れて行きましょう。

「涙」には意外なチカラがある?
【Q】よく笑う人は心臓病や脳卒中などが少ないという話もあるとか。では、泣くことと健康にはどんな関係があるのでしょう?
【A】泣くことは、笑いと同じように健康に良いと言えます。涙は大きく3つの種類があります。目を潤すための「基礎分泌による涙」、ゴミが目に入ったときなどに出る「反射性の涙」、脳にストレスがかかったときに出る「情動の涙」です。

その成分は微妙に異なるといわれています。基本的には涙には酸素や栄養素が含まれています。目の表面の細胞には血管がないためです。また、細菌感染予防のためにリゾチームと呼ばれる物質が含まれています。これは、細菌を保護している膜を攻撃する酵素です。さらに、目の表面の傷を治す成分などが
含まれています。

タマネギを切ったり、ゴミや煙が目に入ったり、強い光を見たときに分泌される反射性の涙は、
三叉神経と呼ばれる目や顔などにある
神経や視神経への刺激を受けると、脳内の
涙腺核を通して副交感神経を経て涙腺から涙が出ます。目の表面の傷を治すための物質が多く含まれています。

情動の涙は脳の中の前頭葉皮質が刺激されて出る涙です。このときコルチゾールといったストレス物質を低下させる作用があるとされています。つまり、感極まって流す涙にはストレスを解消する働きがあるというわけです。

泣くことはストレスによって生じる苦痛を和らげる「エンドルフィン」やそれと似た物質を増加させる一方で、人の攻撃性や怒りっぽさ、不安に関連するとされる体内の余分なマンガンを体外に排出することで気持ちを落ち着かせる効果もあるとされています。

私たちの心と体は繋がっています。
心が辛い時は、体に症状が現れます。その反対に、体が辛い時は、心に症状が現れる。心の状態を見ることって、なかなか難しいですよね?自分では大丈夫だと思っていても、実際はたくさんの問題を抱えていたり。そうこうしているうちに、許容オーバーになってしまったり。そんな事が多々あります。そうなる前に、体に出ている症状から、心に問題を抱えていないのか?

体の部位別!あなたの心の症状は?
頭に辛さがある→自分自身の抱えてる問題について整理してみる
喉→言いたいことを飲み込んでいませんか?
首→問題が大きすぎてどうにもならないと感じているのかも。
肩→過剰な責任を背負いこんでいる?
ひじ→意地を張っていたりしてませんか?
お腹→怒りなどの感情を抑え込んでいるのかも…

自分の抱えてる問題を知ることが第一歩ですね。

「病は気から」の根拠は、観察より


vol.213 ぎむきょーるーむ 想像することは、創造の始まりだ!

 20世紀最高の物理学者と称されるアルバート・アインシュタインは、「想像力は、知識より大切だ」と言い、喜劇王として知られるチャールズ・チャップリンは「人生でなによりも大切なのは、創造力だ」と言っています。
「想像力」と「創造力」。どちらの力も伸ばしたい力ですね。では、これからの社会で重要になってくるのは、どちらの「 “ソウゾウ” 力」なのでしょうか?
今回は、「想像力」と「創造力」について考えます。

「想像力」と「創造力」は同じ読み方で、どちらも同じような場面で使われることがありますが、その意味は異なります。想像力は「実際に見たり聞いたりしていないものについて考える力」のこと、創造力は「独自の方法で、新しい何かを創り出す力」のことです。英語で「想像力=imagination(イマジネーション)」「創造力=creativity(クリエイティビティ)」と表現した方が分かりやすいかもしれません。

自由な発想に基づく想像力があるからこそ創造力が発揮され、また自分でいろいろなものを創造していく中で想像力が育てられていくことから、両者は深く関わり合っていると言えます。そしてこれらには、2つの大きな共通点があります。

まず1つ目は、どちらの能力も、子どもが将来社会で生きていく上でとても大切な力だということです。想像力は、会話の中で相手が意図することを読み取ったり、資料を読み込む時に理解を深めたりするのに役立ちます。また、創造力があれば、与えられた指示通りに動くだけでなく、自分で問題意識を持って試行錯誤しながら価値を生み出すことができます。

 人間が担ってきた仕事がどんどんシステム化されたりしている現代においては、どちらもますます求められる能力となっています。
そしてもう1つは、どちらも子どものうちにどんどん伸ばしておきたい力だということです。想像力も創造力

も、大人になってからも生涯役に立つ力ですが、一番伸びやすい時期は幼児期から学童期の間です。
子どもは幼い頃から、「遊び」を通してさまざまな力を身につけていきますが、想像力や創造力もまさにこれに当てはまります。ごっこ遊びを例に挙げて考えてみましょう。
ごっこ遊びの中では、想像力を働かせてさまざまな動物になりきったり、住んだことのないような場所に家や学校を作ったりしながら、実際には経験できない世界を楽しむことができます。でも、ただ自由にイメージしながら遊んでいるというだけではありません。

幼稚園児くらいになると、自分たちで好きなように場面設定をし、バリエーション豊かな展開を繰り広げるようになります。小学生にもなれば、さまざまなアイデアを持ち寄り合ったり、その中で最適なものを話し合って取捨選択したりしながら、より高度な設定でごっこ遊びをするようになります。こういったステップアップは、実は「創造力」が伸びたことによるものです。

想像力や創造力を育むには、工作がおすすめ。

工作では、子どもが「何を使おうかな」「どんなものを作ろうかな」と試行錯誤する過程で、想像力や創造力、工夫する力、最後までやりぬく力などを育むことができます。
まずは、「想像力」と「創造力」の違いを詳しく見てみます。

 

想像力とは「心に思い描く力」
創造力とは「新しいものをつくり出す力」

世界的ベストセラー『ハリーポッター』シリーズの著者、J・K・ローリング氏は、「想像力とは、存在しないものを描き、生み出す、人間特有の能力」と述べています。つまり、経験していないことや、現実にはないものを、自分の頭のなかに思い描く力ということ。

「どんな子どもも生き生きとした想像力をもって生まれてくる。しかし使わなければ、筋肉が衰えるのと同じように、鮮やかな想像力も次第に色あせてしまう」と言っていたのは、ディズニーランドの生みの親、ウォルト・ディズニーです。

子どもの「想像力」を伸ばす方法
1:本を読む
本には映像がないからこそ、「物語の世界をより理解するために、頭のなかで挿絵をつくって想像しようとする」のだそう。また、読書で得られる疑似体験も想像力を高めます。現実では出会えないさまざまな世界や人物を知ることで、子どもたちの想像の世界が広がるのです。

2:「イメージ会話」をする
たとえば、「あの雲、なにに見える?」などと問いかける、「イメージ会話」を提案。想像力の芽生えは、イメージすることから始まるそう。景色を見ながら、「あの大きな石はなにに見える?」「空から〇〇が降ってきたらどうする?」など、イメージを促す声かけを心がけてみましょう。

「イノベーションを起こし続けた、アップル共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏。彼の考える「創造力」とは、一見すると関係のないように見えるさまざまな分野の疑問や課題、アイデアやひらめきを上手につなぎ合わせる力」でした。枠にとらわれない創造力を育むために、次の3つの方法を参考にしてみてください。

1:芸術に触れる
「五感を磨いて創造性を育むべき」と強調。美術館を訪れ、好きな作品について語り合う、楽器やダンスを習うなど、子どもが芸術に触れる機会をたくさんつくって。

2:「落書き」する
記憶力や創造力を高めるとして「落書き」をすすめ。、落書きは「脳のリラックス状態」と「脳の集中状態」が同時に起こる動作なのだそう。

3:瞑想(マインドフルネス)
子ども向け呼吸を感じる瞑想
想像力と創造力を伸ばしたいなら、忙しすぎるスケジュールは大敵。子どもが「ぼーっとできる時間」を、1日のどこかで確保してあげてね。忙しすぎるスケジュールは大敵ですよ。


最終日にやっと行けた岡本太郎展(2023年3月14日)
特に印象に残った言葉と作品

「一言で言う・人生、即、芸術」

「にらめっこ」 Staring at Each Other
1978年 油彩、カンヴァス、oil on canvas

 1975年に出版されたエッセイ集「にらめっこ」には、若き日の岡本がパリの動物園でヒョウと対峙してにらみ合った経験が記されている。そして1979年に開始した人生相談の連載は「にらめっこ問答」と題されるなど、岡本にとって「にらめっこ」とは生命の交歓の瞬間という、とても重要なやりとりであった。メディアに登場する際の岡本自身が大きく目を見開いていたのも、そうしたコミュニケーションのための仕草だったのかもしれない。

「にらめっこ」とは生命の交歓の瞬間

人間と人間以外のモノたちとの「食べる/食べられる」の関係性を、芸術家・岡本太郎は「いのちの交歓」と呼びました。 「動物と闘い、その肉を食み、人間自体が動物で、食うか食われるか、互いにイノチとイノチの間をきりぬけ、常に生命の緊張を持続させながら生きて行く。 このいのちの交歓の中に、動物と人間という区別、仕切りはなかった」と。

 本紙「にらめっこ」の名前の由来は、「どんなに忙しくても、一日一回は、目と目を合わせて”にらめっこ=対話”しよう!という思いから。今回、岡本太郎展に行って、絵のタイトル「にらめっこ」に釘付けになった私。改めて芸術から放たれるメッセージに体が震えました。岡本太郎さんのような強烈なメッセージには及ばないけれど、本紙「にらめっこ」も直感を駆使し、ことの本質に迫りたいという思いで編集を続けています。

そこでお知らせ1つ。想像することは創造の始まりだ!との思いから、第15回「こども芸術村」が開催されます。にらめっこでは折に触れ「遊び」の中から学ぶことの大切さを書いてきました。

想像力や創造力を育むには、工作がおすすめ。
と本紙の記事中にもあるように、今回の「こども芸術村アートキャンプ 」( 詳しくはお知らせ参照)はまさに工作!!ちゃんと座れる椅子づくり!なんですね。しかも流木を使って、脚は必ずしも4本じゃなくていいし、バランス、座り心地、デザイン…まさに想像して、創造する!ワクワクする内容。食事は"マオロビ"こと松浦真央さんが担当してくださるという、うれしい企画。興味のある人はぜひぜひ参加してみては?詳しくは、にらめっこ(事務局)へ。

 

 

 


vol.213 アウトドア特集  

DIYで巣箱をつくる
朝、小鳥たちの「ちゅんちゅん」という可愛らしい鳴き声で爽快に目覚め、窓を開けておいしい空気を吸い込めば、ヒーリング効果抜群ですね。実のなる木や草を植えて、季節の鳥が好む環境をつくると、少しずつですが鳥がやって来るようになります。冬場は、梅や一重咲きの椿の花の蜜を目当てにメジロが飛んできます。
鳥は赤い色を識別することができるため、赤い実のなる樹木に鳥たちが集まるのです。例えば、6月はジューンベリー、秋になれば紅葉するヤマボウシやマユミ、斑入りの葉のグミなど、いろいろな樹木があります。また、巣箱や水場も、鳥たちにとって嬉しい環境です。
鳥は警戒心が強いため、すぐには寄ってきませんが、気長に待つようにしましょう。

鳥のエサ台も作ってみよう!
冬場はエサを見つけにくい自然環境になるため、エサ台を設置して鳥を呼びます。
シジュウカラは、ひまわりの種や殻付きピーナッツが大好物。ピーナッツは殻の両端を切っておくと食べやすくなります。メジロやウグイス、ヒヨドリは柿やリンゴ、みかんを切って置いておくと寄ってきます。

鳥のエサ台の高さは?
 エサ台は置くタイプと吊るすタイプがありますが、置くタイプは猫などが潜む場所のない、見通しの良い高所に設置しましょう。 野鳥は、周囲の安全確認ができるような場所を好むので、地面から1メートルくらいの高さがあればまず安心です。 2階以上のベランダに置く場合は、平置きでも大丈夫ですよ。

 

簡単に作れるバードバスも置いてみよう!
水場は単に水飲み場だけでなく、水浴びをするところでもあるんです。鳥は羽の中の虫やゴミを水浴びして洗い落とします。滑らないように浅くして、水は毎日替えて、きれいにしておきます。
自分の気に入ったお皿に小石を敷き詰めます。これは、鳥が滑らないようにするため。次に、1cm程度の深さまで水を入れます。出来上がったら、自宅の庭の花台や景石などに置いてみましょう。
スズメはもちろんのこと、シジュウカラもやってくるかも…。気長に待ちましょう!!


vol.213 しょうがいをみつめる vol.6

まちが映る

地域の方々の協力もあり、アート展「渾沌の中の調和Ⅱ」の会期を終えることができた。昨年に引き続き今年もこの時期に向き合うことになるのが、”これはアートなのか、そうではないのか”、“障がいであるとか健常であるとか”という他者や自分からの問いである。少ししんどい引っ掛かりを抱えたまま長男の2月の命日に向かっていくというのが昨年からの流れである。
「伝えたい」という思いが希薄な私ではあるが、岐阜県障がい者芸術文化支援センター(TASCぎふ)と共同主催のイベントを開催するには、最小限の「伝える」行為は必要になる。言葉を使わずして「伝わってしまう」ことにはとても楽しさを覚えるが、チラシや文章など印刷物を発行する必要があり、認識されやすい言葉を使って伝わるように伝えることが求められたりすることには、少しハードルが高く感じる。「障がい者」や「アート」という文言などはそれを象徴する言葉であるような気がして、使うことをためらうこともある。
不特定多数の誰に何を伝えたいか?と関係者に問われると私は非常に困惑する。その問いには答えることがいつもできない。自分の長男を”障害があった息子”、”知的障がいの彼”などと連発するこの時期には消化しきれない違和感が溜まる。イベントを紹介してくれる新聞の“ 障がい者のアート”という大見出しに苛立たしさを感じたり感情が揺れることもある。同時に新たな同志がこれらをキッカケとして現われる嬉しさも交じり合って胸の中で膨らんでいき、ヒリヒリと疼く。展示という形で場を開くとはどのようなことなのかという模索は続いている。
 言葉として「障がい」という記述をしたり発言をしたりする時点で、言葉を道具として使っている。障がいと健常を分ける必要などないと過去には発言したり他者から問われたりしたが、今は「どちらでもいいんじゃね」とこだわりは薄い。言葉で表現している限り相対した反対側の言葉は生まれる。「分ける必要がない」と言う時点で「分けている」ことに気付けていない自分たちというものが存在している。分けたから“ 良い悪い”という正誤判断は抜きにして、自分をそっと見つめる機会にしたい。
今回会場としてお店を開いてくれた店主さんたちとお店に来てくれたご本人やご家族、お客様方の間には、掲げられた作品をキッカケにして「何か」が漂ったようである。そこに言葉は見当たらない。その「何か」をあえて言葉にして表現はしたくはないという気持ちは強い。作品はご本人お一人から表出した何かであり、それを観る人々もお一人で作品に対峙している。お互いに「そのひと」にフォーカスできる僅かな時間が生まれることがとても大切な気がしている。イベントはその起こるかどうか分からない「何か」のフックになるために言葉を使う。そう考えてみれば惑わされずに「ことば」の力を信じてみてもいいのかもと感じている。
結果としてイベントは「何か」が開いてしまったと感じているのは、開催されたイベントの内容や企画によるものではない。店主さんたちや訪れた人たちが、ひとつの作品を通じて交わるまちの姿を映しているのにすぎないのだから。

それを「まち」はそっと見守り続けていると信じていたい。


MASA:若者をはじめ、障がい者も一緒になって、ごちゃまぜイノベーションを目指している。知的障がいのある息子は享年24歳で2021年2月27日に旅立った。関市在住。


vol.213 やってみた 大澤 桂子さん

 やってみたシリーズ第16弾   大澤 桂子さん(80代)

一昨年、大澤さんが出会ったひとつの文章がありました。『子どもの頃やりたかったけどできずにいたことを65歳を過ぎてから挑戦すると良い』。どこかの社長さんのエッセイで、すぐに思い浮かんだのは、子どもの頃からやりたかったピアノでした。
「私が子どもの頃は終戦直後で、欲しいものも手に入らなかったし、やりたいこともできなかった時代でした」。小学低学年の頃、担任の先生が歌いながら足踏み式オルガンを弾く手元をくいいるように見て、見よう見まねでオルガンを弾いたこと。普段は触らせてもらえない講堂に置かれたピアノになぜかその日は触ることができて、鍵盤をそっと弾いてみたあの日。そんな記憶も蘇ってきました。

「70数年前、まだ稲羽郡(昭和38年に4つの町が合併して各務原市が誕生)だった頃に音楽祭があってね、合唱の伴奏を頼まれちゃって。度胸だけで弾いたような感じだけど、先生は褒めてくれました」。それがピアノに触れた2回目でした。

子育てが落ち着いた頃には、我流で身につけたキーボード演奏で仲間と老人施設へ慰問に訪れたり、抒情歌のサークルで歌を習ったりと、いつも身近にあった音楽。なのに、家事や仕事など生活のいろんなことに時間がとられることもあり、ピアノを習うことは実現しないまま…。
30年以上続けてきたバレーボールもやめ、寂しく思っていた頃に、冒頭のエッセイに出会ったことで勇気付けられ、すぐに初心者向けのピアノ練習用DVDを購入して、練習を始めました。「ピアノは、ずっと以前に娘用に買って縁側で眠ったままのものがあったし」。しかし、独学での練習に限界を感じました。
その頃、10年以上続けている“叙情歌”の会でピアノ伴奏してくださっている先生が、自宅でマンツーマンの教室を開いていると知りました。歌いながらも常にピアノを弾く先生の手元を見つめていた大澤さん。先生の人柄も先生の弾くピアノも好き。ぜひ教えていただきたいとお願いしました。「隙間時間にくらいしか練習はできないけれど、それでも教えていただけますか?」。こうして大澤さんの月に2回のピアノ教室通いが始まりました。
「どの曲もいいけれど、特にクラシックが好きでねえ、飽きがこないの。もちろん、初心者用にアレンジされた楽譜なんだけど、今までノクターン(ショパン)、トロイミライ(シューマン)、花のワルツ(チャイコフスキー)など習いました。今日もらった楽譜は「情景(チャイコフスキー)です」。2〜3ヶ月で1曲をマスターするペース。ただ、新しい曲に入ると前に習った曲を忘れがちなので、好きな曲を忘れないよう復習も欠かせません。
朝、出勤前に時間ができたとき、仕事から帰宅し遅めの夕食を終えたときなど、たとえ15分でも時間があればピアノに向かいます。「どれだけ練習しても楽しくってちっとも苦にならない。この歳でも練習していると自然に少しずつ指が動くようになるのね」。

あのエッセイに出会えてよかった、良いピアノの先生に出会えてよかった、ピアノがあってよかった!この歳になってからでもはじめてよかった!という大澤さん。
楽しそうな笑顔から、やりたいことがあればいつからだって始められるよ、と伝わってきました。

写真は昨年の8月サラマンカホールでの発表会。あの名器スタンウェイのピアノで「いい日旅立ち」を演奏。「ちょっとドキドキしたけれど、無事に弾けてよかった」。

 


vol.213 人生これから 認知症を理解する 摘み草料理会

 この「認知症のことで知っていてほしい5つのこと」という冊子には、① 認知症と診断されて変わってしまうのは、本人ではなく周りの人たち?② 重度な人の情報ばかり流れるが、色んな人がいることや、重度だと思われる人でも、色んな顔があることを知ってほしい。③良かれと思って先回りしないでほしい。普段と変わらないように接してほしい。④認知症と、ひとくくりにしないで。病名で人を見過ぎずに、ひとりの人として見てほしい。⑤なんでも認知症のせいにしないでほしい。と、認知症に関わる人に知っておいて欲しい5つのポイントが簡潔に書かれていますが、この5つの根底には共通しているものがあると私は思っています。
 30年ほど前は、徘徊する、暴力をふるう、暴言を放つ、そういうのが認知症の全てで、軽い人も同じに思われ扱われていました。今では軽度認知症(MCI)という分類もできました。認知症もそういう点では今すごく変わってきているんです。
ですが今も、認知症というだけで、その人は特別な人、何もできない人と多くの人が思っています。確かにできないことはいっぱい増えてきます。でもできることもたくさんあるんですね。ある方は、買い物に自分で行くこともできるし、美味しいご飯も作れるのに、お湯を出せなくてお風呂に入れない。そこは少し誰かがお手伝いしてお湯が出るようにしてあげればいいですよね。
また、5分前のことを忘れるというのは認知症アルツハイマー型の特徴です。例えば「お風呂に入ってね」、と言っても、「入らない!」ということもあります。そういう時、5分経ってからもう一度言うと、すんなり入るということがよくあります。認知症の人はお風呂が好きじゃない人が多いです。それにはいろんな理由があって、例えば服を脱ぐのが面倒、風呂上りに服をどうやって着たらいいのかわからなくなる。上下逆に着ちゃったり、裏返しで着たり、下着より先に上着から着たり、そんなことが起きる。それをいちいち直されたりするというのはとても苦痛なんです。また、お湯の温度が嫌、風呂桶をまたぐのが怖い、という人もいます。ひとくくりに「入らない人」としない方がいいです。「お風呂気持ち良かったよ」って言ってもらったら入る気になるかもしれないし、服を着る順番にきちんと重ねてあげて、ちょっと声をかけてあげるだけでできるかもしれないです。こちらの思いを通そうとすると無理なことをしてしまいがちですが、その人を理解して、上手に対応すれば困ることはそんなにありません。冊子に、“当たり前のことですが、認知症と診断されているだけで、一人として同じ人間などいないのです。”とありますが、そこを理解して、周りの人が関わり方をちょっと気をつけるだけで、問題なくものごとが過ぎるということはありますよね。

春は柔らかな新芽や若葉が次々に顔を出し、
暖かな日差しを浴びて、野草摘みも楽しくできます。
野草料理に挑戦するのにもってこいの季節ですね。

持ち寄った野草
ふきのとう、つくし、よもぎ、せり、なずな、スズメノエンドウ、ノビル、ホトケノザ、ハコベ、タネツケバナ、タチツボスミレ…などなど

・数種を刻んでオリーブオイルで
炒めて、マカロニパスタ
・スズメのエンドウはコールスロー
サラダの彩りに
・ふきは定番の蕗味噌・つくしはごま油と醤油でキンピラに

・サラダの青みに季節外れのキュウリを買わなくていいんだと目からウロコだった!
・雑草とひとくくりにしていましたが、これからはそれぞれの名前や、食べられるのか、調べてみます。
・抜き捨てていたものがこんなに美味しくいただけて、効能があるものも多いなんて。今まで損していた気分です。
・身近な野草が食べられると知っただけで楽しくなってきました。
・季節を変えてまたこういう会がしたいなぁ!

 

 

 


vol.213 熱中人 藤原 麻里子 さん


しなやかに流れを作り
活動の拠点でもある店をオープン。

柿渋と薬草のお店「Over Flow」オーナー 藤原 麻里子さん

ーI LOVE IKEDAとは

2016年から池田町が地方創生事業としてとして「池田町のことを町民が知らないよね」という話から、I LOVE IKEDAプロジェクトが始まりました。私は2年目からボランティアで参加しました。「いけ本」(フリーペーパー)の紙面の企画・取材していましたが、5年でプロジェクトは終了。I LOVE IKEDAのコンセプトには共感していたので、経験したことを活かし、引き継ぐ形で2017年から始めました。

ー 自然農、大豆栽培、味噌づくり…

最初は、自然豊かな池田町で、生きる力が身につくようなマルシェ を計画したところへコロナ。その時に、困窮時に強いのは?と自問自答したんです。やっぱり食べるものを育てられる人が一番強いんだろうな。ちょうどその頃に「畑使わない?」と言ってくれる人がいて、畑でのイベントに切り替えました。最初の1、2年は、菌ちゃん野菜応援団の亜紀さんから菌ちゃん農法を勉強し、菌を学んだので自然に寄り添う学びとして自然農を学び、畑で大豆を栽培しました。品種は自然農の先生が分けてくださった、滋賀県の在来種「水くぐり」。収穫後、足踏み脱穀機を使う予定が雨天続きで、すべて手作業に。それは大変でしたが、こういう作業って、昔の人たちに想いを馳せることもできるし、ありがたみというか、一粒一粒に愛おしさを感じますね。今年、この豆で味噌を仕込みました。麹は池田町の酒蔵さんからなので地産地消です。一年後が楽しみです。耕作放棄地を借り菌ちゃん農法→自然農→大豆作り→味噌作りという自然な流れができました。

ー薬草園から見えてきたこと

一昨年、夫の両親のふるさと巡りとして出身地である揖斐川町春日の薬草で有名な笹又(伊吹山の麓)を訪れました。義母の畑を案内してもらい、隣には「元祖 薬草弁当」を作り春日を盛り上げていた叔父が、仲間と作った薬草園があり、高齢になり知人に貸し出していると知りました。
数ヶ月後に、義理母から「薬草園が返ってきたからやらない?」って連絡があり引き継ぐことにしました。2022年の雪崩で薬草園の害獣除けの柵など全て崩壊され、大きな大木が転がってたり、ガードレールがぐちゃぐちゃになってたり。近くの砂防堤は5回も土砂崩れで土砂があふれだし道路が封鎖されたり。昨年は柵の修繕が間に合わず、ススキ以外の植物は全て鹿に食べられちゃいました。
なぜ土砂崩れが?と関心を持った事で、狼が絶滅させたことが、現代の鹿の生態系に影響し伊吹山・池田山でも地肌が剥き出しになっていることや、コンクリートで固める事が水脈を防いでしまったり、飽和状態を生み出すことになってる等、今までのよかれが違っていることも学びました。

ー柿渋から見えてきたこと

現在、岐阜県内では池田町で2軒のみ柿渋を製造しています。かつては日本の3大柿渋と言われた岐阜 ・ 美濃渋。柿渋とは青い渋柿を粉砕し圧縮した液体を発酵させて作ります。抗菌・防虫・消臭など効果効能があり塗装や染色などに使われてきました。池田町でしか製造していない、これこそ特産であり大切に残す事だと思い、I LOVE IKEDAの活動としても取り組んできた柿渋を「池田渋」として販売する事としました。

ー柿渋と薬草のお店ならではの店内へ

店内の木材は全て初めて柿渋塗装しました。教えてもらいノーマル、チタン、消石灰、鉄で媒染すると反応により色が変わり柿渋の面白さを体感しました。渋の種類を使い分けたり漆喰に混ぜたり和紙に塗ったり、柿渋を身近に感じて貰えるようにしました。今後、店内で薬草の香りも体感してもらう予定です。

ー地元の特産品を生かすことは日本の伝統を守ること

昔から作られてきた池田町の「柿渋」と揖斐川町春日笹又の「薬草」の特産品をより多くの方に知って貰う事は「まちづくり」「まちおこし」「伝統を守る」事に繋がると思ったのでオープンさせました。

 

柿渋と薬草のお店「Over Flow」

揖斐郡池田町本郷422-15

☎︎090-4119-8883


vol.213 夢か悪夢かリニアが通る!vol.42

岐阜県御嵩町にある環境省の「重要湿地」美佐野ハナノキ湿地群が候補地となっているリニア有害残土の恒久処分場計画。渡邊公夫町長が「受け入れを前提とした協議」を宣言し、JR東海との協議の場として有識者を交えて昨年5月にスタートした公開フォーラムは3月21日、最終回となる6回目を迎えました。           井澤宏明・ジャーナリスト

「要対策土は永久に要対策」
フォーラムの目的は、町民の不安解消や理解促進を図ることでしたが、最終回の終盤には処分場候補地の地元全16自治会でつくる「上之郷地区リニアトンネル残土を考える会」の纐纈健史会長が、有害残土の持ち込みに反対する「決議書」を読み上げ、渡邊町長とJR東海に手渡しました。冒頭には、次のように記されています。
「リニア中央新幹線トンネル残土の埋立処分計画が、当該地はもとより下流にわたり、生命、財産および環境(重要湿地)に重大なリスクが想定されることから、地域、住民が一体となって、トンネル残土から出る危険な残土持込に反対し、よりよい環境を次の世代に引き継ぐ方針とする旨決議いたしました」
反対理由として挙げたのは①安全に対する不安を消すことができない②環境保全を優先すべき――の2点。そのうち①について「要対策土(有害残土・筆者注)は、遮水シートで封じ込めようとも永久に要対策土であり、危険物に変わりはないのです。盛土が崩れない、とだれも保証できません。危険物は置かないが最良の対策なのです」としています。
さらに、2021年7月10日の地元説明会でJR東海が「地元の理解が得られなければ(残土を)持ち出す」と発言したとして、「地元、上之郷地区の総意として反対の意向を表明しますので、本約束を履行されますようお願いします」として、残土持ち出しを求めました。
フォーラム後、JR東海中央新幹線岐阜西工事事務所の加藤覚所長に尋ねました。
――決議書に書かれている説明会での約束は守られるんでしょうか。
「(説明会での話は)ちょっと言葉足らずだった部分がありますので。『住民の理解が得られなかったら外に持ち出す』と皆さんおっしゃってますけども、『たら・れば』みたいな話のやり取りだった」
JR東海側が示したのが、第2回フォーラムの説明資料。そこには「地元の自治会との打合せや当社主催の説明会において、『候補地B(有害残土処分場候補地・筆者注)が使えなくなった際の対応は考えているのか』 というご質問をいただきました。当社からは、『候補地Bが使えないということになれば、町外に搬出するという選択も出てくると思うが、現時点では考えていない』 と回答いたしました」とあります。続けて尋ねました。
――他のところを(残土処分場として)お考えになるということはないんですか。フォーラムを重ねてもこれだけ地元から反対があって、状況が変わるとは思えませんが。
「現時点では、我々が説明してきた計画で」
――それに固執すればするほど、工事は遅れるんじゃないですか。それでいいんですか。
「事実として、そういう計画をしているところはないということです」

「町長「重要性知らなかった」
一方、渡邊町長は3月8日の町議会で、6月の町長選に出馬せず、4期で引退すると表明。残土処分場を受け入れるか否かは「先送りするしかない」と、自身は判断しないことを明言しています。フォーラム後の記者会見で町長に尋ねました。
――「重要湿地」ということが分かった上で、残土処分場をつくることは適切とお考えですか。
「先に(残土処分場の)計画があったことですから。重要湿地に指定されたとしても、それに法的拘束力がないって言われれば、それは考えるでしょう」
――考えるというのは。
「残土を置くっていう。これ、健全土を含めた話ですけど」
――であれば、最初から「ここは重要湿地だけど、皆さんどう思いますか」って町民に明らかにしたうえで判断を求めればよかったんじゃないですか。
「だから、重要湿地っていう重要性なんていうのは知ってませんでしたよ。私も行政も」
今回の残土処分場候補地をJR東海に情報提供したのは2013年1月で、重要湿地指定(16年4月)より前だと強調したいのだと思いますが、最後まで質問ははぐらかされるばかりでした。


vol.213 ボーダーレス社会をめざしてvol.72

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

 

障がいを知らせる

法人ぎふ市民協が主催する「介護の仕事を考えるキッカケ研修会」がありました。「ためしてガッテン」などに出演し有名な福辺節子さんの介護術を学ぶための研修会なのですが、高齢者だけでなく、障がい者も支援する仕事はあるよねと、突如私が話す事になってしまいました。できないと断ったのですが、    の   を見てもらえばいいじゃないという話で落ち着きました。それだったら簡単だと思い、受けたのですが、なんとよく調べますと   で放送された番組は研修会などでは著作権により使ってはいけないことが分かり、急遽自分でパワーポイントを作ることになりました。
さぁ~大変。2時間半もどうする?考えた末、受講生の方はきっと障がい者の事をご存知ないだろうと考え、まず障がいを知ってもらおうと思いました。「障がいって何?」と「障がい者の支援」について話すことにしました。
まず、疑似体験をしてもらいました。抽象的な言葉は理解し辛い、手先が器用に使えない、シングルフォーカスと言って興味のある物に集中してしまう、聴覚情報処理障がいという雑音の中から必要な音を聞き取る選択聴取が難しいということなどの体験をやってもらいました。
当日の受講者は、やはり障がい者と関わっている人は少なく、もっと知ってもらう活動をしなくてはいけないなと痛感しました。特に抽象的な言葉は、伝わりにくいという体験は分かりやすかったようです。私が言うことばを絵に描いてもらう。例えばりんご、飛行機、鉛筆など。これらは難なく描けます。次に「ちょっと小さいりんご」「ちゃんと」「あそこの鉛筆」「あれ」「これ」は描けないです。抽象的な言葉は絵には描けないのです。描けない・・・そのことそのものが、知的障がい・自閉症・発達障がいの人の「とまどい」になります。
伝える側は、具体的な言葉「これをあっちに置いてください」ではなく、「机の上にリンゴを置いてください。」・「あとちょっとで終わります」ではなく、「あと5分で終わります」など分かりやすく、ゆっくり話すと伝わりやすいようです。また、絵や写真を使う方法もあります。言葉を目で分かるようにすることが大切です。しかし、障がいの軽い・重いで明らかに理解度は違いますので、すべての障がい者に当てはまる訳ではありません。
現実に、このような人たちが町の中で暮らしている。そういう人たちが、困っている時にはそっと手を差し伸べて下さいということを伝えなくてはいけません。まだまだ障がい者のことを知らない人がいっぱいいらっしゃるという事を実感しましたので、もっともっと発信しようと思います。
もし、この文章を読まれた方の中で話を聞きたいと思われましたら、どうかお気軽に私に声をかけて下さい。飛んでいきます!
さて、私と一緒に書道をしている人が、今回初めての個展を開催いたします。是非お時間のある方はお立ち寄り下さい。

 

河原 良企 書道展 6月3日(土)~6月14日(水)

ハートフルスクエアG2階で行います。


vol.213 モザンビークからレポートvol.7

Vol.7 サイクロンから学ぶ!発展しない暮らし

2月、3月、モザンビークは何度も大雨やサイクロンが到来しました。自然災害大国日本人の私たちからすると、何でこの規模でこんなにも被害が出るんだろう…首都でも水が止まるんだ…また停電か。そんな日々。その暮らし方の中に、これからの暮らしのヒントを見つけました。

サイクロンが直撃した地域。大雨が降って浸かる地域はいつも同じなのに、なかなか現状は変わらないようです。

 

モザンビークにサイクロンがやってきたのは、ほんの10年くらい前のことのようです。2019年にモザンビークを直撃したサイクロン・イダイは、とても大きな被害を出したのですが、友人は、「ブンパ、ブブブダン、ブンブンバンって大きな音が家中に響いて、太鼓みたいでした。隣の人は自分の家の屋根が飛んでなくなったんだよ。」と教えてくれました。それが、最近まで天気予報を利用していなかったからなのか、サイクロンの基準に達するような大型の嵐ではなかったのかは謎です。

私の活動先でも、「この15年間に10回もサイクロンが到着していて、脆弱な国だから支援が必要だ。」と言った文言がお決まり。2月には、私の住むマプト近郊のボアネを中心にサイクロン前の大雨で浸水した地域がたくさんあり、寄付や復興イベントが沢山行われました。野菜もほとんど流れてしまったため、「レタスは宝石よりも貴重」と言われるほどです。日本と違って災害対策自体もないに等しいし、復興の意識やスピードも違うので、壊れた道路は直されず渋滞は日常茶飯事です。また、サイクロンの時に限らず家の作りが弱くて、マンションの窓ガラスがよく割れ落ちていますが、構造上の技術が上がったりする様子はありません。元々暑い夜は外で寝る習慣も手伝って、家や建物の概念が違うのは明らか。でも、なかなか理解し難いですね。

サイクロンの経験を沢山して多くの被害が出ても、モザンビークは日本のように災害に強い国にはなり難い気がしてなりません。そして、今回の断水は長引いたので、貯めておいた水をどれだけ節約しながら使えるかを考えるうち、田舎の井戸暮らしの人々の水の使い方も、少しだけ現実感を持って想像することができました。清潔を保つって、水無しでは結構むずかしい!きっと私の活動先の村の人々は、子どもが下痢になることがあっても、それなりに少しの水で暮らしているんだと思ったんです。

振り返ってみると、停電や断水も当たり前のように起こるけれど、それなりに暮らしています。日本のように、原発を使い続けてでも今の生活状態を維持するために、電力を確保する思考パターンとはだいぶ違います。

洪水後、ボアネにいるJICA隊員中心に募金、物資支援に協力しましましたが、所属しているダンスチームでイベントにも出演しました。

シャパという乗合バスは、日本の11人乗りのバンに通常16人~20人ぎゅうぎゅうに詰め込まれて乗っています。田舎でお肉を料理するとなると一匹の鶏をコミュニティ中の大人子どもで分けて食べるから1人1欠片もらえるかもらえないかくらい。「足るを知る」ともちょっと違う、「あるものをどう使うか」。この思考パターンこそ、人口100億人時代の処世術になるのかもしれませんね!?


vol.213 菌ちゃん野菜応援団vol.34

春爛漫、ですね。
今回はミネラル豊富な旬のものを食べよう、ということ
をお伝えします。

ミネラルとは何でしょうか?

学校で身体を作るための5大栄養素について習ったことを覚えていらっしゃる方も多いかな。
私たちは日々、歩いたり走ったりおしゃべりをしたり、いろいろな活動をします。そのほかに新陳代謝と言って背や髪の毛が伸びたり、皮膚がターンオーバーしたり、怪我や病気をしても日にちが経てば治ったりします。
このように、私たちの日々の活動は、毎日の食事からとる「栄養素」が大切な役割を果たしていますが、その主なものに、「たんぱく質」「炭水化物」「脂質」「ビタミン」「無機質(ミネラル)」があり、これらを五大栄養素というんでしたね。
これらは「エネルギーのもとになる」「身体をつくる」「身体の調子を整える」という主に3つの働きをしますが、これをまとめて言えば「生命力のもとになる」ということです。
ただ、今、日本人に絶対的に足りてないと言われているのが無機質、いわゆるミネラルです。

今日の収穫・大根、にんじん、ノビル

ミネラルは、小魚などに含まれる「カルシウム」や、ひじきなどに含まれる「鉄」など、普段食べるものに微量に含まれています。その中でも健康を保たもつのに欠かせない16種類を「必須ミネラル」と呼び、骨や歯をつくる材料になったり、からだの調子を整えたりとさまざまな働きをします。その必須ミネラルの摂取量が今の日本人は明らかに足りない。

身体をお家と見立てた場合、設計図や材料、大工さんが必要となりますが、ミネラルは大工さんが持つのこぎりやカンナなどの道具。道具がないとおうちはうまく微調整とれませんね。ですから、身体の調子がいまいちだなーという方にはわたしはまず「ミネラル」をおすすめしています。

ではそのミネラルはどうやって取ればいい?
それが「旬のもの」にあるんです。旬のものはその時に必要なエネルギーや栄養素を多くもったものが含まれています。今だとヨモギや山菜、梅や玉ねぎといったところでしょうか。よもぎはその有効成分の多さからハーブの女王とも言われています。
また皮や芯にも多く含まれていますので、無農薬の野菜なら皮や芯もぜひつかってくださいね。
あとは天然の調味料やお出汁の粉、自然塩などにもミネラルは豊富。騙されたと思って天然の調味料で味付けした旬のものをしっかり食べてみてください。

※菌ちゃん野菜応援団・東海支部の各務 亜紀さんより
「ミネラルふりかけ」をプレゼント!プレゼントコーナーを見てね!

 


vol.213 ここいく日記 はじめの30歩!

持てる力を発揮できるお産を

私は助産師で女性の妊娠出産子育てに寄り添う仕事をしています。ここいくの「いのちの授業」では、子どもたちには「大人の体に近づくと命をつくる仕事が始まり、赤ちゃんができる体に成長すること」「赤ちゃんは子宮の中で丁度良い大きさになった時に自分で生まれる日を決めて生まれてくること」「生まれ方は二通りで膣を通って生まれてくる経腟分娩と、手術でおなかを切って生まれてくる帝王切開があり、どの生まれ方であってもお母さんは命がけでみんなを産んでくれたこと」を伝えています。
昨年の10月、青年会議所主催のキッズジョブパークというお仕事体験に助産院として出店し、子どもたちに助産師の仕事を体験してもらう機会がありました。母親の産む力と赤ちゃんの産まれる力を十分発揮できるように助産師がケアをすることが、満足なお産につながります。お産の時に産婦さんが安心、リラックスすることでオキシトシンというホルモンがたくさん出て、産む力がより発揮され、赤ちゃんへの愛着効果も高めてくれます。このことを子どもたちに想像してもらうにはどう伝えればよいかを考えました。
 赤ちゃんを産み出す感覚は排便の感覚に似ています。リラックスできる状況でないと出にくいことも似ています。そこで、排便がしやすい場所を子どもたちに聞くと、全ての子が家のトイレを選びました。慣れ親しんだ落ち着く場所は安心できて排便しやすい、「お産も一緒だよ」と伝えて、産婦さんが安心して過ごせるには何を望んでいるかを知ること、その人が望むことをすることがリラックスにつながると伝えました。
お産が進んでくると腰のあたりが痛くなったり、体が暑くなり汗をかいたり、のどが渇いたりします。苦痛や不快を軽減させるにはどうすればいいかを聴いてもらい、望むことをしてもらうことで、産婦さんはリラックスできます。「汗を拭く」「水分を飲むのを助ける」「うちわであおぐ」「痛いところをマッサージする」その他にも様々なケアの中から、目の前にいる産婦さんの状況や発する言葉を聞いて、どのケアが良いかを子どもたちに選んでもらい行いました。産婦さんは、自分に寄り添って大切にケアされることで、自分の持てる力を最大限発揮でき、自分の力で出産をやり遂げた!と思えます。もし、異常が起こり帝王切開などの医療が必要になったとしても自分が大切にされて力を発揮でき、ここまでやり遂げることができたと思えれば達成感や自尊感情が得られ、お産を前向きにとらえることができます。
でも、お産の現場ではともすれば、「無事に産めればよい」ということに重きが置かれ、産む人の人権や気持ちが置き去りにされているのでは?と思う時があります。それでも、お産の周辺の出来事は女性や子どもの人生に大きな影響を及ぼします。性教育と同じで、妊娠出産のことを学ぶ機会はほぼないままです。自然の営みとして妊娠出産をどう受けとめて日常生活をどう過ごすのか?そしてどのように産みたいと思うのか?妊婦健診で何回も通院していてもこれらのことを考える機会や情報共有の場は限られているのが現状です。ここいくの「いのちの授業」でも出産のことを詳しく伝える機会は今までありませんでした。今回の職業体験を機に今後はお産についても伝えていきたいと思いました。

今年度、各務原市まちづくり助成金が採択され、10月28日に「いのちのつながりフェス」の開催が決定しました。市民公園で「いのちの授業」が体験できます。

担当:ここいくメンバー 中村暁子でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)


vol.213 プレゼントコーナー

213号PRESENTS

プレゼントご希望の方は

ハガキまたはe-mailで、下記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。

1-あなたが最近、いいね!と思ったことは?

まゆをひそめるような出来事も多いけど、世の中には「いいね!」も溢れてる〜♪

2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望 を必ずお書きください)
※A、Bは編集室まで受け取りに来られる方。
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、 家族構成

〆切:2023年5月25日 当日消印有効。
宛先 〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。


A.ミネラルたっぷり!ふりかけ20g…各務 亜紀様より…3名様

「菌ちゃん野菜応援団」の各務 亜紀さんのプレゼント第2弾!いわしやあご、昆布などが入った天然だし、あおさ、ごま、塩、しょうゆ、野菜粉末などが入ってミネラルが豊富!魚の臭みもなく、お子さんにも食べやすい味で、「おひさまのおうち」で好評発売中の商品です。にらめっこ編集室でお受け取りください。


B.味わい深いカップ&ソーサー…にらめっこより…3名様

忙しい毎日の家事や仕事の合間にコーヒーブレイクでほっとひと息。

そんなときに温かみがあり使いやすい、こんなカップ&ソーサーはいかが?商品のお受け取りはにらめっこ編集室にて。その際お選びいただけます。


C.CINEX映画招待券…CINEX様より…ペア3組様

大きなスクリーンに映し出される素敵な街並み。臨場感あふれる映像に自然と登場人物に感情移入して、一緒に泣いたり笑ったり。

映画館ならではの味わいですね。写真は映画「パリタクシー」より。柳ヶ瀬のCINEXでご利用いただけます。


D.よりよく生きるためのライフデザインノート 『ゼロの昇天』
…人生これから!様より…3名様

絵本作家・高畠 純さんのイラストが軽妙!これからの人生をどう生きようか?私らしくってなんだろう?そして人生の最期を自分らしく迎えるって?そんなヒントがいっぱい詰まっています。

 

 


vol.212 あなたは誰とどうつながっていたいですか?

コミュニケーションは「意思の疎通」双方向で意思が伝わること。関係性の中でお互いの意思が伝わること、信頼関係を築くこと。インターネットが日常に根付いて、いつでもどこでも誰とでも「つながれる」ことが可能になっています。では人は果たしてどのような「つながり」を求めているのでしょうか。そして、ネットによって人と人とのつながりは深まったのでしょうか。
つながって、そこからコミュニケーションが生まれて関係性を築いていく。今号は「コミュニケーションする生き物たち」の特集です。

コミュニケーションは、言葉だけではなく身振り手振りといった動きを加えて自分の考えを相手に伝えたり、相手から伝えられたりすることで成り立ちます。互いを理解し合うために必要なことだといえるでしょう。しかし、言葉もなく身振り手振りもできない植物の世界には、こんなコミュニケーションが成り立っていました。

 

知られざる植物の驚異的な能力。
超進化論
(NHKスペシャルより)

植物は言語を持たないと思っていたが、離れた相手とおしゃべりをしているという事実もわかってきたんだそうです。ある不思議な現象でそれが明らかになりました。

一部の木が虫や動物に食べられた時に、なぜかその周辺の木々はあまり食べられない。どうして、そんな不思議なことが起こるのでしょう。また、青虫のいる植物といない植物を並べて特殊な顕微鏡で観察すると、青虫のいる葉っぱでは、食べられたことを感じて防御反応として身を守る毒の物質を作りました。驚くのは虫のいない植物。虫に触れられてもいないのに同じ防御反応を起こしたのです。

虫に食べられた木からは10種類以上もの物質が発せられていました。これはいわば植物が発するメッセージ。それを食べられていない植物に送ることで、防御の遺伝子が働き始めます。虫に食べられた葉から出ていたのは、「食べられた」というメッセージを周りに伝えるための物質。すると、周りの植物は敵が来る前に防御することができます。つまり彼らは、敵が近くにいることを周りに知らせるコミュニケーションをしていたということになるのです。植物は物言わぬ寡黙な生き物ではない。コミュニケーションを取る生き物だったのです。
さらになんと、植物が植物以外の他の生き物にまで同じようにメッセージを送っているということもわかってきました。例えば、楡の木は葉に卵を産み付けられると、ハムシが卵を産んだというメッセージを発して、その天敵のハチを呼び寄せる。コミュニケーションを取る相手は虫だけではなく、赤松はマツバハチの幼虫に食べられると、その幼虫が大好物な鳥、シジュウカラを呼びます。
自然のカで虫や鳥は自分の力だけで食べ物を見つけているのではありません。人間の知らない膨大なコミュニケーションがこの地球には存在しているのです。

「植物は地下世界でも助け合って生きている!?
植物の根の先を見てください。これは「菌糸」と呼ばれる細い糸状の菌で、世界中の植物の80%がこのように菌と繋がって共に暮らしています。
菌というのはキノコを作ったりする地下の微生物のこと。菌糸は根の内部にまでに入り込み一体化しながら土の中にびっしりと張り巡らされていく。植物は窒素やリンなどの栄養の大部分を実は菌から得ています。
そして驚くことに菌と菌はつながり合うことで、森中の木々をつないでいることが突き止められたのです。なんと地下には木と木をつなぐ巨大なネットワークが存在していることがわかってきました。
私たちはこれまで植物は、隣の植物と競い合って、光や栄養分の取り合いをしている、競争していると考えてきた。しかし、実際は全く違い、むしろ彼らは、ネットワークを介して強い協力関係を築くことで、安定した生態系を作っていたのです。

森の地下に広がる 助け合いの世界
それこそが地球を覆い尽くす陸の王者、植物が大事に守り抜いてきた生きかただったのです。自然界の掟について、自然科学者チャールズ・ダーウィンが唱えた進化論。それから160年余り。当時の常識を超えて、最先端の科学はより広くより早く生き物たちの進化の仕組みを明らかにしようとしています。私たち人間に見えている世界とは異なる植物たちが生きているもう一つの世界。ここには私たちが暮らすこの地球の命の多様性を生み出していた、進化の本当の姿があるのかもしれません。

動物の世界ではどうでしょう。(TED Edより)
カニは仲間にハサミを振って自分の健康状態を知らせるそうです。
イカは色素胞と呼ばれる皮膚細胞の色素で皮膚の模様を変えてカモフラージュしたり、ライバルを威嚇したりします。ミツバチは自分の動き、角度、感覚、ダンスの激しさで、食べ物の場所や豊富さを表現し仲間に知らせます。プレーリードッグは何千もの仲間と共に暮らしていて、コヨーテやタカ、アナグマ、ヘビやヒトといった敵がいます。彼らは警戒音を出すとき、捕獲者の大きさや姿、スピードだけでなく敵がヒトの場合はどんな服装をしていて銃を持っているかも知らせるのです。チンパンジーやゴリラといった大型人類猿も巧みなコミュニケーション能力を持っています。巧みなコミュニケーションの例として年齢や場所、名前や性別を口笛で伝えるイルカのような生き物がいます。イルカは文法もいくらか理解でき研究者がイルカとのコミュニケーションに使用する身振りを理解します。
ヒトの脳は有限数の要素から無限のメッセージを作り出すことが可能です。私たちは複雑な文章だけでなく全く新しい言葉を作り出したり理解することができます。私たちは言語で限りないテーマを伝達でき、想像上の事柄について話し嘘をつくことさえできるのです。
ヒトの言語と動物のコミュニケ—ションは全く異なるものではなく、連続的な存在だと思われます。つまるところ誰もが動物なのですから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


vol.212 断ち切りたい花粉症


花粉症の原因
花粉症は花粉に対するアレルギー反応が発生する病気。花粉は体内に入ると、免疫機能により受け入れられるかどうかを判断されます。そして異物と判断された場合、花粉を攻撃する抗体が作られ、花粉を体外に出そうとします。この抗体の働きがアレルギー反応であり、花粉を体外へ出そうとする行動が、くしゃみや鼻水、涙という形で現れる。そのため、花粉が体内にある限り、それらの症状が止まらなくなってしまいます。

花粉が飛ぶ日を把握する カラダカイゼン委員会より抜粋

家に花粉を持ち込まない

花粉は特定の条件の日に飛散しやすいため、その日の外出を避けるのも効果的。
花粉が飛びやすい条件は
•気温が高く湿度が低い日
•風の強い日
•前日に雨が降った日
•晴れた日の昼過ぎ
•晴れた日の日没ごろ
反対に夜間や雨の日、気温が低い日は花粉が飛びにくいため、外出する用事はその条件の日に済ませておくのもいいですね。

花粉症におすすめ!普段から取り入れたい食べ物
花粉症はアレルギー反応のため、体の免疫力を高めることで抵抗力を上げ、アレルギー反応を抑えることが期待できます。

① 乳酸菌
花粉症は免疫機能の異常により発生します。免疫機能が正常に働くことで、花粉症特有のアレルギー症状の発生を抑えられます。免疫機能をつかさどる免疫細胞の約60%は腸に集中しているため、腸の環境を整えることが正常な免疫機能の活動につながるのです。
また、白血球の中に含まれる免疫細胞「Th1」「Th2」のバランスが、花粉症の発生に深く関わっています。
この2つのバランスが取れていると免疫機能が正常に働きますが、花粉に反応する「IgE抗体」の産生に関わるTh2が多くなると、アレルギー反応を引き起こす「ヒスタミン」を発生させやすくなるのです。
乳酸菌は腸内環境を整える働きが知られていますが、免疫細胞のバランスを整える働きも持っています。Th1とTh2のバランスを保つことで過剰なIgE抗体の産生を抑え、ヒスタミンの発生を抑えるよう働きかけてくれるのです。乳酸菌の代表的な食品としてヨーグルトやチーズ、味噌、キムチなどの発酵食品が挙げられます。

② 食物繊維
免疫力を高めるためには食物繊維をとることも効果的です。
食物繊維は腸内環境を整える働きだけでなく、乳酸菌などの善玉菌のエサになるため、腸内を整える善玉菌の増加をうながしてくれます。
善玉菌の増加は、アレルゲンとなる花粉の吸収を抑える「IgA抗体」の増加にもつながるため、積極的な食物繊維の摂取が花粉症の症状を抑えることにつながります。
花粉症を悪化させないために生活習慣を見直し、免疫力を向上させることで、花粉症の症状を抑えることができます。

免疫、とか、菌とか、いつもにらめっこの紙面に登場する慣れ親しんだ言葉にふと『土と内臓 微生物が作る世界』体の中の隠された大自然 という本を思い出した。

地中に伸び微生物と共生する植物の根と、「腸内フローラ」という言葉で知られるようになった私たちの体内での多様な微生物の働きを対比しながら、土と内臓という異なるアイテムをつないで語っています。「栄養を得ること」、「外敵から身を守ること」という生きていく上で欠かせない二つの要素を菌たちが助ける活躍は読んでいて頼もしい。原題は「隠された自然の半分」なんだそう。自然の半分は地球で最も繁栄しながら見えていなかった微生物のことなんですね。

以下は好書好日より
地質学者と生物学者の著者夫妻が自宅の裏庭を「不毛の荒れ地から生命あふれる庭園」にする懸命な試み、がんと診断された妻が健康や食生活を見直し始めた体験、二つの物語が科学と巧みに融合して微生物を身近な存在にしている。
『土の文明史』で農耕文明が土壌を使い尽くして衰退させていくことを示して話題になったD・モントゴメリーへの期待も本書が読まれる理由だろう。
本書も微生物と動植物の共生という科学の世界にとどまらず、科学技術史の流れからの位置づけ、目を引く話題、携わった研究者の物語も紡がれる。
有機物や微生物に頼らない化学肥料は、火薬と原料が共通で、肥料工場は有事に軍需工場に転換でき、それも化学肥料の普及につながった。健康な人の便を致命的な下痢患者に肛門(こうもん)から注入する「糞便(ふんべん)微生物移植」が1958年に行われ、圧倒的な効果がありながらも抗生物質が重用されてきた。「害虫を一掃するための農薬と病原体を殺すための抗生物質」も有用な微生物に被害を及ぼしている。

こうして考えてみると、地球に存在する「もの・こと・ひと」は全てつながっているんですね。何一つおろそかにできない。
コミュニケーションでつながっているのは私たち人間だけではないこともわかったし。植物、動物を見る目が変わってきませんか。そこに目に見えない世界にも意識をすることで、様々な「つながり」を感じることになりそうです。


vol.212 檻の中のライオン


「檻とライオン」とは何をたとえているのか。
百獣の王・ライオンは国家権力です。その国家権力を動かす仕事、これが政治家。ライオンが暴走したら危ないから檻の中にいてもらおうと、この檻に当たるものが憲法です。もしライオンが檻を壊して外に出ようとしたら、憲法違反!
憲法で主権者とされているのは私たち国民です。主権者である私たちが、この檻を壊しちゃダメと言わなきゃいけない。
憲法ってそもそも何のためにあるのかなというのが今回のお話の出発点。木でいうとここが「根っこ」となります。

あなたは人権を誰からもらいましたか?
「国」?「憲法」?「それ以外」?

答えは、「それ以外」です。人権というのは憲法以前の問題です。天賦人権・生まれながらに天から授かっているのが人権です。11条をみてください。人権は生まれながらに、天から自然に与えられているものです。
歴史を振り返って見ましょう。権力が濫用されて無茶な政治が行われて、人が当たり前に持っている人権というのが、犯されてきたという背景があります。
みんなそれぞれ違うけど、みんなが共存できるような仕組みを作っていかなきゃね、これが憲法のテーマです。そもそもなんで政治が必要なのでしょう。それは一人ひとり立場の違う人が、その人らしく生きて暮らしていけるように国家権力を使って整えていく。これが13条「個人の尊重」の根本です。どんな政治権力であってもこれを尊重するのが大前提だと思います。しかし、権力というものは濫用されがち。そこで、「ライオンにやってほしいこと、やってもらっちゃ困ることを書いたから、これを守って政治をやってくださいよ」。これが憲法なんですね。こういう考え方が「立憲主義」といいます。

「立憲主義」→ライオンは檻の中へ
この檻は何のため、誰のためにあるんですか?私たちを守るためにあるんだから、この檻はわたしたちが作らなきゃ。檻を作るのも改修するのも私たちです。これを「国民主権」と言います。まず出発点は、民が主だから民主主義、ですね。民主主義の採決は多数派の意思で決定されます。私たち一人ひとりが主権者なんだぞ、主体的に政治のことに関わろうとしていくぞ、と一人ひとりがそういう意識を持っていてこそ「民主主義」の中身は充実するんですね。数の力でお前の人格を否定する、なんていうことをやってはいけません。少数派が尊重されるにはやはり「話し合い」です。

ここからは、枝・葉の話です。
「話し合ってますか?」について考えてみましょう。53条に「内閣は国会の臨時会を招集することができる。いずれかの議員の1/4以上の要請があれば内閣は召集を決定しなければならない」とあります。話し合いをするのが、立憲民主主義。 少数派の人権が犯されにくくするために、1/4しかいない勢力の意見も聞こう、ということです。
2017年、野党の議員が「モリカケ問題などもっと追求しよう」と臨時国会を開くよう要求しました。3ヶ月以上放置され、9月の終わりにようやく開かれた。でも臨時国会を開いた瞬間、はい、衆議院解散!って。秒で終わっちゃった。
そういう解散をしてもいいんですか?解散権を使うのは内閣です。内閣の解散権は、内閣のためにあるのではありません。これは53条違反です。
2020年、コロナが来た時の夏に同じことが起きました。野党が53条に基づいて臨時国会を開けと要求。今度は夏休みー。2021年も全く同じ流れです。この夏は自民党内のイベント、自民党総裁選をやってましたね。誰を看板にすれば選挙に勝てるかって。翌月の衆院選ではまた相変わらず、自民党が勝ちました。
2022年8月。一応臨時国会が開かれました。でも3日で終わっちゃいました。だって、岸田さん、安倍さんの国葬をやりたいばっかりで…。国葬をそんなにやりたいなら、国会を急いで開いて、やり方とかちゃんと議論しなきゃ。国葬をやりたいという一方で、国会はやりたくないという。それは筋が通っていない。

「平和」と「自由」
ライオンを檻に入れることで私たちの何を守っているのか、
「平和」と「自由」、この2つです。
まず平和主義。軍事力を憲法というルールで縛っておく、それによって戦争を防ぐんだ、と。これは「根っこ」から育つ「幹」です。
自民党の改正草案、何が問題なのでしょうか。自衛隊を書き込むなら自衛隊を縛るルールも書き込まないと。九条の2項、これが日本国憲法の特色と言われていますね。「ライオンは、戦力、交戦権、軍事力は一切使っちゃだめです。自衛隊って戦力じゃないんですか?違憲じゃないんですか?」という議論が昔から行れています。自衛隊ができたのが、1954年。「これは戦力じゃない。合憲です」これが政府解釈。
みんなが人間らしく生きられるためには、「自分とこが攻められたら自分の身を守らなきゃ人間らしく生きられない。だから自分の身ぐらい守っていいでしょ」って、これを「個別的自衛権」といいます。これを憲法は否定しているわけじゃない。これができるための実力部隊は戦力と言わなくてもいいんじゃないかと。そういう解釈で自衛隊は存在してきたわけです。
「集団的自衛権」の方は檻の中のライオンは手が届かないようにしてきた。そういう区別で長年自衛隊というものが存在してきたということです。
檻の中のライオンは権力の及ばないところに置いてあるので、もし「集団的自衛権」をやる必要があるなら、この檻を広げる改修工事をして「集団的自衛権」を中にいれなきゃいけない。憲法改正手続きをやらないと、この集団的自衛権はできないわけです。現行憲法ではこれ禁止されているんだから。
ところが、2015年、憲法のルールがライオンによって勝手に破られてしまいました。衆議院本会議において、「安全保障関連法案」が与党のみによる賛成多数で強行採決されたんです。集団的自衛権を改憲せずに、勝手に檻を破って外にあるものに手を出しちゃった。これは檻の破壊、つまり憲法違反と全国すべての弁護士会が「これは違憲です」という意見を公式に発表していますが、そんなことはお構いなしに多数決で法律をつくってしまった。改憲しないとできないことを勝手に決めてしまった。
改憲するのは誰ですか?国民ですね、「国民が憲法を作る」、「国民が憲法を変える」ということなんで、時の権力がどうしても憲法を変える必要があるなら「国民のみなさん、主権者のみなさん、改憲をしてもよろしいでしょうか」と、お伺いをたてるということが必要だったんだけど、勝手にやっちゃったということ。国民主権をないがしろにするやり方をしたということです。

いま話題のトピック
「敵基地攻撃能力」。日本からよその国の基地を攻撃できる、そういう技術能力を備えていこう。そのためにはまずアメリカからトマホークとやらを買ってきます。それが本当に私たちのためになるのかどうか、あと使われ方が問題ですね。
そういったいろんな個別の安全保障に関する政策が憲法の枠に収まっているのか収まっていないのか…。「これは合憲です、檻の中です」という前提で政策を考えなきゃいけないのに、檻そのものが壊れている感じがします。

憲法というのは、いくら時の政権であってもこの檻の中、という安心感があったけど、今は政権とって、数で勝っちゃうと何をしてもいい、みたいになりかねない。14条という檻で縛っているわけですが、権力を持ったライオンは、「僕、国有地とか持っているけど、8億円に値引きしてあげようか」とか、「君だけは獣医学部ができるようにしてあげよう」とか、「桜を見る会に来たら税金でごちそうしてあげますよ、後援会のみなさん」とかいろいろありましたね。日本学術会議問題では、6人の学士さんはなぜか任命しませんでした。なぜ任命しないのか説明はしないけど、なんか嫌なんです、みたいなね。権力者に気に入られるかどうかが勝負?それで忖度ということが流行ったり…。

檻が壊れないために
「改憲手続きの規定」。この規定はライオンの力だけでは変えられませんよ、とハードルを高くしています。具体的に「第何条をこのように変えよう」という改憲案が国会議員の3分の2以上の賛成がないと発議ができません。仮に発議されても、それから国民投票があります。改憲は簡単ではありません。だからと言って、改憲されないから安心では全くありません。憲法を無視する政治で国葬とか、臨時国会やらないとかは、全部憲法違反なんです。そこにかけるブレーキは二つあります。三権分立という権力同士がブレーキをかける仕組みがひとつ。そして、私たちがかけるブレーキです。それが大事です。このブレーキは、「主権者意識を持つ」「政治に関心を持つ」主権者なんだから檻を壊すときは私たちがちゃんとダメって言わないと、ダメなこと(憲法違反)がまかり通ってしまいます。
12条をみてください。「この憲法が国民に保障する平和と及び権利は国民の不断の努力によってこれを保持しなければならない」と。一人ひとりが政治に関心を持ち、憲法を学び、投票に足を運ぶ、そういった努力をしてこそ私たちのための政治が行われ、私たちの権利が保障されるんだ、ということです。
とはいえ、普段あまり憲法のことを考える機会はないかもしれませんが、憲法のことを考えなくても普通に生活ができている、それは憲法のおかげなんですよ。

知る⇨考える⇨行動する
憲法を学び、時事問題を知ろうとする、考える、そして投票所に足を運ぶ。その他いろんな政治行動をしましょう。
今回は「知る」「考える」「行動する」この三拍子そろった主権者になれるように不断の努力をしていきましょう!という話でした。今日の話を聞いて新たに知ったこともあるかもしれませんが、ふ〜ん、と知っただけで終わらないように。行動して初めて話した意味がある、と僕は思っています。

講演会「檻の中のライオンin各務原」より(2022年11月15日つくる・みらいの会:主催)

憲法がわかる46のおはなし
『檻の中のライオン』
楾 大樹:著 かもがわ出版
定価(本体価格1,300円+税)

楾 大樹(はんどう たいき):弁護士(広島弁護士会)、ひろしま市民法律事務所所長。1975年生まれ。『けんぽう絵本 おりとライオン』、かもがわ出版、(2018年)を刊行、いずれもヒット作に。講演は全国29の都道府県で230回を超える。檻を憲法に見立て、国家権力はライオンのぬいぐるみ。視覚的にも工夫をして分かりやすい活動を進めており、小学生から高齢者までファンを増やし続けている。


vol.212 しょうがいをみつめる vol.5

境界線

2023年2月10日〜23日。岐阜県関市において「渾沌の中の調和展Ⅱ」の開催に至った。岐阜県障がい者芸術文化支援センターさんと共催したアート展である。その一部は完全メタバース内展示とした。

なぜ私がメタバースに興味を持ったのか?それは「自閉症という知性」という書籍の中に仮想空間の中で活き活きと活躍する自閉症の方々の物語があり、興味を持ったからである。書籍の主題は「ニューロダイバーシティ(神経構造の多様性)」というもの。脳のバリエーションは人それぞれで、それを活かすことによって創造性を育む糸口になり得ることを様々な人たちの例を取り上げて書いてあった。私は興味を持った。

というのも、私の長男は自閉を伴う知的障がい者であった。言葉を使うことが少ない彼との暮らしの中で、親として迷ったり知りたいことは多かった。彼は同じ発音の言葉でも肯定や否定を使い分けた。前後の会話の雰囲気や声のトーン、表情や身体の向きなどから予測し判断したが、私が彼の真意を読み取れていたかどうかは分からない。

私はヘッドセット購入し試してみた。そこで感じたのは、身体の向きを変えるなど身体性を伴う会話が可能であること、相手も自分もアバターゆえに心理的ハードルが少し低いと感じたこと。(おそらく個人差あり)脳みそはいかに簡単に騙されてしまうのかということ。

仮想空間は仮想であるという定義は認識している。しかし逆説的に改めて考える。脳がいとも簡単に騙されるということは、私たちが見ているリアルは本当にリアルなのか?リアルって何?

人は五感から情報収集して脳が判断・解析している。自分の経験や思考をフィルターとして見聞きしている現実は、自分という仮想世界の中なのではないか。同じものを見ているのに他者は全く違う見解。という経験は誰にでもある。

ふと、荘子の中に出てくる「胡蝶の夢」を思い出していた。

“いつだったか、わたし荘周は夢で胡蝶になった。ひらひらと舞う胡蝶だった。心ゆくまで空に遊んで、もはや荘周であることなど忘れはてていた。ところが、ふと目覚めてみれば、まぎれもなく人間荘周である。はて荘周が夢で胡蝶となったのであろうか。それとも、胡蝶が夢で荘周となったのであろうか。”

カタチにとらわれる人の儚さを説いたものだと思っているが、どんな形であれ主体は私なのである。現実も仮想も主たるヌシは私そのものである。

社会性というものにも阻まれ、主たる私はモヤの中にいるようだ。現実と仮想の境界線はどこにあるのか。仮想空間で体験したからこそ、現実も少し疑うことができた。

視点や聴き方を変えてみる。社会的な正誤にとらわれず、本来の主体である自分を感じて見聞きすれば、眼前に広がるその現実は違って見えるのではないか?それに気づくことができるのであればテクノロジーも使ってみる価値はありそうだ。

脳には人それぞれのバリーエーションがあるというのだから、個々の「リアル」は「障がい」というフィルターを通して見なくても、彩り豊かなバリエーションに溢れているはず。


MASA:若者をはじめ、障がい者も一緒になって、ごちゃまぜイノベーションを目指している。知的障がいのある息子は享年24歳で2021年2月27日に旅立った。関市在住。


vol.212 やってみた 川瀬 智子さん

やってみたシリーズ第15弾
食習慣を変えたことで心身ともに復活した
川瀬 智子さん(50代)

あることが、自分の生き方を大きく変える。川瀬智子さんはそれを身をもって実感しました。
「2年前のある日、鏡を見ていて、あれ?私痩せてる?と恐るおそる体重計に乗ったら、思い当たることもないのに以前より5キロほど減っていて…。その後もどんどん減り続け、合計10キロくらい落ちたんです。もともとそんなに太ってはいないので、ガリガリになっちゃったんです」。
体重減少に伴い体力の低下、全身に出る痛み。常にある膨満感。徐々に臭いが氣になりはじめてた便やおなら。ひどい生理痛。当然のように精神的にも落ち込み、心身ともに「最悪な状態」となってしまいました。
重篤な病気かもしれない、とあちこちの病院で調べてもらってもこれといった病気は見つかりません。「もう自分で調べるしかないと、ネットやSNS、書籍など片端から調べました。リーキーガット、腸内細菌、発酵食品、自然療法など、いろんな情報と出会い、取捨選択する日々の中で、ようやく見つけた自分なりの結論が、自分は腸から栄養を吸収しにくい状態になっているのでは、ということだったんです」。
それからは自分に必要そうなことをどんどんと食生活に取り入れる日々が始まりました。
「メチャクチャな食生活をしていたつもりはなかったのですが、ラーメンやうどんなどの麺類も、パンも餃子も大好きだったし、化学調味料が多そうな店での食事も抵抗なかった。自分の体がここまで来て初めて食生活を変えよう!と強く思ったんです。以前からオーガニックに少しは関心があったし、特に最初の2、3ヶ月は集中的に取り組みました」。
具体的には、小麦粉をなるべく摂らないグルテンフリーを心がける。味噌汁やぬか漬けなど発酵食品や梅干しを意識して摂る。塩や油を選ぶ。砂糖は極力摂らない。できるだけ無農薬の野菜や、化学調味料・保存料等が添加されていない食品を選ぶ。揚げ物は控える、梅肉エキス、重曹・クエン酸を摂取する。1日2食にするなど。
その結果徐々に回復し、現在は体重が6キロほど戻り、様々な不調も消えました。「食と健康は結びついている、とつくづく感じました」。今では砂糖の甘さや化学調味料の味が苦手、食べ物の好みも野菜中心のあっさりしたものに。それとともに心が穏やかになりました。
「今回の不調になる以前から、政治や社会的な問題や身の周りの理不尽さにも怒りの感情が強くて、常に戦いモードでした。今は、物事って善と悪がすべてではないし、人それぞれに事情がある場合もある、と思えるようになりました」。
そして、犬や猫といったペットだけではなく、木立でさえずる小鳥、ふと目した雑草や草木、虫…。生き物すべてが愛おしく感じるようになったそう。
「発酵食品のことを詳しく知り、菌という存在さえ可愛く思えるんですよ。生きてる!って」と明るく笑うその姿からは不調時代の翳りは見えません。
「今回、自分なりにやったことで効果が出たのですが、それはあくまで自分に合っていただけ、どの人にも当てはまるわけではないです。でも、自分の体は自分が守るんだ、という意識はみんなが持っていた方がいいんじゃないでしょうか」。不調な時は内にこもり、余裕がなかったけれど、心身ともに元気になり、他の人を思いやる余裕が出てきた、そのこともうれしく思う川瀬さんです。


vol.212 人生これから 認知症は、年齢に関係ない?


人生これから!は、やがて来るその時までを「自分らしく・楽しく・生きる」ことを目指します。しかし、忍び寄る加齢による身体の衰え、もの忘れの頻度、気持ちの浮き沈みなどが生活や思考に影響を与えることもあります。そこで、自分の生活にもっとも影響があると思われる「認知症」について、まず「知る」こと、次に「考える」(対処法など)こと、そして「行動する」(対処法を知ったら実践する)ことを念頭に、活動をしていきます。
 認知症は自分には関係ないわ、と思っていませんか?実は、人生これから!のスタッフである私も人ごとでした。身の回りに対象者はいないし、まさか自分が?と疑ってもいなくて…。でも、知れば知るほど、誰がなってもおかしくない、予測はできない、兆候も読めない、しかも発症年齢がどんどん早くなってきている、進行を遅らせることができても治るわけでもない…そんなことを聞いた途端に、みぢかな問題となりました。「認知症」について何にも知らないわ、と思うと急に知りたくなって…。
「人生これから!」で定期的に勉強をしようと、えんぴつカフェでも取り上げることにしました。関心のある方はぜひご参加くださいね!随時紙面で告知いたし、学んだことをレポートしていきます。

 


vol.212 熱中人 坂井 ユリさん

やりたい」を仕事にしたい
シフォンケーキのお店を開いた 坂井ユリさん(犬山市・在住)

今から数年前、ケアマネージャーとしてボランティアで参加していた集まりの席で、仲間の一人が持参した手作りのシフォンケーキが本当に美味しくて。レシピを教えてもらって早速作ってみるが、みごとにふくらみが悪く大失敗。そんな馬鹿な!くやしくて、アドバイスをもらってはまた作り、納得いかないと作り直すの繰り返し。時には1日2回、3回焼く日も。それが3ヶ月ほども続きました。
毎日出る失敗作は、当時小学4年生の娘が一緒に食べてくれました。ある日「シフォンケーキってお腹を満たさないよねえ」と娘に言うと、「お母さんのシフォンケーキは心を満たすよ」って。 そういえば上手に焼けたシフォンケーキを友人知人にあげるとみんな大喜びしてくれる。その笑顔と娘の言葉が重なり、「手作りのものって、人を感動させる力があるんだな」とつくづく感じました。

安定して作れるようになってきた頃、私の住む犬山市では、木曽川沿いに毎週日曜に開催される朝市の体験出店者を募集していました。私のシフォンケーキを食べてくれた人が「これ売れるよ」と口々に言ってくれたことも後押しとなって、2021年8月に朝市デビューを果たしました。すると、初日になんと54個のシフォンケーキがたった23分間で完売。最初は恥ずかしそうに一緒に接客していた中学生になった娘も、飛ぶように売れていくのが嬉しそうで、にこにこ顔に。
自分の作ったものを大勢の人が買ってくれた感動、お客さんや他店の方との会話も楽しい。ケアマネージャーという仕事を続けてきたのも、もともと人と接することが好きということもあったんです。すっかり朝市の魅力にはまっちゃって、すぐに本登録をし、毎週出店を続けました。朝市を訪れるお客さんは常連の方がほとんどです。私の店に来るお客さんが一人でもいるかもしれない、そう思うと休むことはできませんでした。「おお、来とったかね。」と雪の朝に嬉しそうに声をかけられたこともありました。

次第に、これを本業でやってみたい、との思いが膨らんできました。家族に話すと「言うってことは、もうやるって決めてるんだろ?開店資金は新車を買ったと思って投資するわ」と、私の性格をよく知る夫は理解を示してくれました。ケアマネの仕事もやめ、夫や娘、周囲の方の協力のもと、友人が写真撮影やポップ作り、姉が製品作り等を協力してくれ、手作り感満載の小さな小さなプレハブのお店「あいぽち」が自宅敷地内に完成。2022年10月に無事オープンしました。シフォンケーキだけでなく、パン類、キッシュなどを並べています。

娘の愛さんと

娘には自分の好きなことを仕事にしてほしい。私の夢に向けて行動する姿を見せたい、そんな思いもありました。だからお店を4年後も5年後も続け、ゆくゆくはキッチンカーのような移動販売で、過疎の地域に住む高齢の方が近所に歩いて出かけられて、手にとって買い物ができるようにしたい。そこで安否確認もできるし、「今度来るときこれを買ってきてよ」そんな用事を頼まれるような関係もできたらいいですよね。それは自分一人ではできないことだから、賛同してくれる有志の方とチームを組んでできたらなと思うんです。

シフォンケーキという違う方向を向いているようですが、結局、ケアマネ時代に「こんなのがあったらいいのに」と思っていた事の実現に向けて歩いているんですよね。地域貢献が私の原点ですから。

シフォンケーキやパンの焼けるいい匂いに包まれて…

※お店の「あいぽち」という名前は、娘と愛犬の名前から。所在地は犬山城下町の片隅ですが、古くから住んでいらっしゃる方も多く、地元の方、観光客の方、みなさんに親しまれる店でありたいです。

場所は各種マルシェやワークショップなどのイベント会場になっている「余遊亭」のお隣です。
犬山市犬山東古券499番 090-3080-7432
営業時間:9:00~16:00
定休日:水・木 駐車場:あり


vol.212 ボーダーレス社会をめざしてvol.71

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

ことば

障がいのある人たちの書道展を昨年末に行いました。掛け軸あり、額に入った作品あり、サイズも大小さまざま、書いた内容も一文字だけのものや金子みすゞの詩を書いたものなどバラエティーに富んだ作品を展示することができました。会場には、メッセージを入れる箱を用意し「〇〇さんへ  〇〇より」という紙を置いておきました。箱の中には毎日のように2,3枚入っており、多くの方が見て下さっているようでした。メッセージの中には、お知り合いの方の作品への感想などを書いて下さっているものや「この作品が好きです」「魚が泳いでいるのを見ているような気持になります」など率直に感想を書いて下さっているものがありました。全く作者をご存知なく、個人あてに書かれている感想は、人の心を揺さぶりました。ご本人よりご家族の方がとても、とても喜んでいらっしゃる姿を見させてもらいました。知らない方からのメッセージは、ご本人が、障がいがあるゆえにことばの理解が難しいですので、親としてはこの上ない喜びだったのでしょう。偶然にも阿川佐和子さんのアガワ対談傑作集という本を読み、義家弘介先生(ヤンキー先生)が、事故で内臓複数破裂をし、生死をさまよう入院中に、恩師から「死なないで。あなたは私の夢なんだから」と言われ、生きる意欲を取り戻したというのを読んだばかりで、ことばってなんてすごい力を持っているのだろうと感激をしていた所でした。これと同じ様なことが起き、嘘のない心からのことばは、並ではない力があるのだなと実感しました。息子が3年生の時に、主人がシアトルへ赴任するときに息子を一緒に連れていくか否かでお医者さんに助言をもらおうと名大病院まで行き、診てもらったことがあります。その時にお医者さんが言われたのは「よくここまで頑張ったね」ということばでした。嬉しくて忘れられないことばです。また、ひと月ほど前に洗濯物を干しながらふっと思い出したことがありました。書道教室でのできごとです。今は大学生。当時は小学4,5年生の男の子が「お姉ちゃんは、どうやってこれから生きていくの?」障がいのある姉を思っての突然の私への質問でした。周りには誰もいなくて私一人の時に、真剣な顔で聞いてきました。「社会は変わっていくから、心配しなくていいよ。きょうだいが、両親の代わりをしなくて良い制度が出来てきているから、君がお姉ちゃんをすべて見なくていいんだよ。そのために私たちが頑張っているんだからね。」と答えました。そんな話を最近、お母様にお話ししたら、「そうでしたか。そんな小さい頃に・・・。聞いた相手が伊藤さんで良かった。」と言ってもらえました。少しは彼の役に立てたでしょうか?誰かのことばが人を元気にすることができるというのを今回、目の当たりにし、いつもとは違う展覧会の良さを知りました。


vol.212 夢か悪夢かリニアが通る!vol.41

 リニア中央新幹線の残土処分場が計画されている岐阜県御嵩町の「美佐野ハナノキ湿地群」(美佐野湿地)。環境省の「生物多様性の観点から重要度の高い湿地」(重要湿地)に2016年に指定されていた事実を、同町とJR東海が長年にわたって伏せてきたことに町民が反発。問題は未だ、解決の糸口さえ見出せません。          井澤宏明・ジャーナリスト

 

美佐野は「最後の砦」

御嵩町、ようやく認める
1月21日に開かれた第5回「リニア発生土置き場に関するフォーラム」。御嵩町は、残土処分場候補地A、Bすべてが「重要湿地」だという認識を初めて示しました。これまでは処分場候補地の一部だけが重要湿地だとして、環境省のレッドリストで「絶滅危惧Ⅱ類」に指定されているハナノキ群落の伐採を避けるよう配慮したというJR東海の計画を擁護してきました。

重要湿地の勉強会であいさつする渡邊町長

渡邊公夫町長は、処分場候補地が「重要湿地」に指定されていることを頑なに否定する発言を繰り返してきました。前回も記したように昨年11月10日の第4回フォーラム後には、「重要湿地に残土処分場を作ることは適切ですか」という筆者の問いに、「私は重要湿地に隣接してるっていう解釈です」と答えています。
残土処分場候補地すべてが重要湿地に含まれるという認識を町が示した以上、さすがの渡邊町長も否定できないはずです。第5回フォーラムの後、改めて直撃しました。
――前回、「重要湿地は候補地の隣接地だ」とおっしゃったが、これは間違いということでいいですね。
「解釈の違いってことですよね。きょうの先生方の説明で、(候補地)全体がそういう(重要湿地という)解釈になるっていうのは認識はしました」
――重要湿地という認識になったということですね、候補地が。
「ええ」
なかなかご自身の誤りを認めたくないようです。

「世界的にも屈指の規模」
2月5日には、環境省の担当者や専門家を招いて町主催の「重要湿地の保全に関する勉強会」も開かれました。
登壇した富田啓介・愛知学院大学准教授(自然地理学)は、「湧水湿地研究会」の会長を務め、環境省が2016年に「日本の重要湿地500」を見直し633か所に拡大した際、美佐野湿地を指定するよう推薦しました。
富田准教授は勉強会で、美佐野湿地の特徴について、「ハナノキの個体数で屈指の規模を誇っている。ハナノキは東海地方の固有種なので、世界的にも屈指の規模だということ」と述べ、これまでの調査で80本ほどの成木が確認され、ハナノキが自然に生えている「自生地」の中でも5本の指に入ると紹介しました。
さらに、多くのハナノキの自生地の面積が0.5ヘクタール未満なのに対し、美佐野湿地は2ヘクタール以上あることや、胸高直径(胸の高さの直径)が30センチ以上の大木が多く、樹冠(枝ぶり)が非常に大きいものが多い点でも「貴重だ」と指摘しました。
遺伝的な多様性にも言及。美佐野湿地を含めた御嵩地域のハナノキ自生地はそれぞれが近くにあっても遺伝的な系統が異なっているという専門家の研究成果を挙げ、「それだけ多様性があるということは、昔は多分、たくさんのハナノキの大群があり、多様に分化していったものが今残っている(と考えられる)。美佐野は大きく残されているので、『最後の砦(とりで)』の一つと言える」と力説しました。
会場の町民からの質問に答える形で富田准教授が「正直な気持ちを申し上げると、(美佐野湿地を)そのまま残してほしいと思っています」と本音を漏らすと、会場は大きな拍手に包まれました。
西村明宏環境大臣は2月7日の記者会見で「(美佐野湿地を)基本的には、できれば残してほしいという方針でしょうか」という記者の質問に次のように答えています。
「環境省とすれば、自然環境を守るということは重要なことだと思っておりますけれども、(中略)重要湿地に選定することによって法的な規制が生じるものでない現状において、事業者、住民、自治体の皆さんとしっかり協議をした上で進めていっていただければと思っています」
昨年5月に始まったフォーラムも残すところ1回。このような混迷の中、御嵩町は判断を下せるのでしょうか。

 

 


vol.212 モザンビークからレポートvol.6


Nampulaに行ってきました!お仕事編

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。みなさま、年末年始はどのように過ごされましたか?私は日本とは一味も二味も違う、夏真っ盛りの冬休みを楽しみました。

モザンビークのカレンダーでは、12月25日のクリスマスと、1月1日の元旦が祝日(今回は両日ともに日曜日だったため、26日も2日も振替休日となり連休!)なだけで、そのほかの日は労働日です。暑いし、何だか年越し感のない毎日でした。ただ、クリスマスと年始だけは、首都の人の多くが田舎の家族の家で過ごすから、首都はゴーストタウン化!シーンと静まり返ると聞いていました。私は両日ともモザンビーク人の友人の家で過ごさせてもらったので、街の様子はわからないのですが、6日の今でも少し閑散としている感じはあります。カレンダー通りと言っても、閉まっている個人店も多いです。

さて、事前に、クリスマスは、24日の夜にお祈りに出かけて、夜通しダンスを踊って過ごし、25日はどちそうを沢山用意して多くの家族や友人を招いて食べる。年越しは、31日の21時くらいに多くの人がビーチに迎い、花火を打ち上げて新年をお祝いし、1日もごちそう!と言われていました。ビーチで年越し?ご馳走って何?と期待を胸に、25日はUtília(ウッティリア)ちゃん宅を、31日、1日はCrionícia(クリオニシア)ちゃん宅を訪問しました。まず何よりも大切なのが、音楽とダンス!イベントの時は料理よりも何よりも音楽が大切と言われていて、DJの質が問われます。どの家庭からも常に大音量の音楽が流され、ふとした間にそれぞれ踊るし、食後も銘々に気持ち良さそうに踊っていました。子どもはお腹にいる時からダンスを覚えると言われていますが、お母さんの踏むステップに身体が揺れ、知らず知らずの間にアフリカン音楽の独特のリズムを身体で覚えているんだなぁと、妙に納得しました。そして、特徴的なのは、「時間」の違いでしょうか。料理の準備を朝から始めて、お客さんが来たらみんなでAlmoço( 昼食)だよ!と言われていたのに、食べ始めたのは25日は16時ごろ、31日は18時を過ぎていました。そして、その準備量の多いこと!5リットルほどの鍋いっぱいの牛肉の煮込みだったり、サラダだったり、フライドポテトも5kgくらいの芋で作った気がします。その他にもフェジャオン(トマトとニンニクで味付けた煮豆)、味付けご飯が両日、両家庭で共通していたものです。そして、Utíliaの家では鶏肉と豚肉の炭火焼き、Crioniciaの家では、ヤギがお嫁さんの実家から一頭送られてきて、屠殺、解体後、炭火焼きやら内臓の煮込みやらを作りました。これは大ご馳走中の大ご馳走。こちらの人は毎日お肉や魚を食べる習慣はありません(経済的な理由にもよります)が、お祝いとなると、お肉料理が並びました。残念ながら、謎の理由で年越しのビーチには行きませんでしたが、家々の庭から上がる打ち上げ花火を見て、豪華に新年を迎えました。


vol.212 菌ちゃん野菜応援団vol.33

 


腸活!菌ちゃんをたくさんお腹に入れよう(^^)/

今月は「身体が苦手なものを控えよう」です。ここで言う「身体」とは「お腹」のことをさします。なぜなら食べたものはお腹で消化吸収されていくからです。
では、お腹が苦手なもの、とはなんでしょう?
ずばりこれは「加工され過ぎたもの」となります。カットされて消毒されたり、半調理されてパックに詰められたお野菜。元のかたちがなくなるまで加工されたお肉やお魚。スナック菓子類などなど。
すぐ食べられるようなものは便利で手軽でとても簡単。
つい頼りたくなってしまいますね。だけど、すぐ食べられるということは素材そのものの時より腐りやすくなっている、ともいえます。
それを防ぐために加工食品には様々な添加物が施されていますが、それは、昔の私たちの生活にはなかったもの。
私たちの食生活はこの数十年で劇的に変わりましたがDNAはそう簡単に変わらない。そうすると、身体のなかで「異物」と認識されてしまう「添加物」はやはり負担になるんですね。
同じ理由で「農薬」「化学肥料」なども身体にとってはあまり歓迎されないもの。少しなら構いませんが日常的にたくさん取りすぎると腸内細菌のバランスを崩しやすくなってしまいます。
そうすると?付随して身体のバランスも崩れ、免疫力や自然治癒力が低下してしまうんですね。バランスが崩れすぎた結果がアトピー性皮膚炎やアレルギー、もしくは、様々な不定愁訴として症状が出てしまう、という事実が有るんです。
私たちの身体は柔軟に環境に対応してくれますからちょっとのことではこわれませんが、体調が優れない人やもう少し元気になりたいな、という方は「身体が喜ぶものを食べる」以外に「身体が苦手なものを減らしてみる」を実践してみてください。
シャンプーや洗剤、化粧品なども自然由来のものに変えるだけで驚くほど底力が沸いてきたりしますよ。少しの歩みが大きな力になります(*^^*)
どうしても加工品が続くときは解毒を促進してくれる発酵食品の他にミネラルも取り入れてみてくださいね。

次回は「ミネラル」についてお話ししますね。

菌ちゃん野菜応援団・東海支部の各務亜紀さんより「味噌玉」のプレゼントあり。
プレゼントコーナーを見てね!


vol.212 ここいく日記 はじめの29歩!

『幸せなお産』が日本を変える

いつも私たちの「いのちの授業」では、助産師である中村が、出産について経腟分娩と帝王切開があることを伝えてくれます。そして、帝王切開で生まれてきた赤ちゃんも産んだお母さんも、経腟分娩と同じようにとっても頑張った。どんな生まれ方であっても、今ここにみんながいるっていうことは、生まれた時にしっかり呼吸ができて、元気に泣くことができたってことだよ…その言葉を聞いて、普通に産んであげられなかった後悔と懺悔でいっぱいの私の心が軽くなります。そして授業で出会ったお母さんの中には、私と同じように帝王切開で産んだことを、マイナスに捉えているお母さんが多いと感じました。

私の初めてのお産は後悔だらけでした。妊娠を喜んだのも束の間、初期には流産をしかけて2週間の入院、7ヶ月には前置胎盤と診断され、リスクを避けるために仕事も辞めました。初めから病院で産むことを選び、不安と心配があっても、転院するという選択もありませんでした。出産では、入院と同時に医師からは帝王切開での出産を伝えられました。陣痛がきたら経腟分娩ができるのではないかと考える助産師さんに勧められ、陣痛を促す行為を試し陣痛がくることを待ちましたが、結局は帝王切開手術へ。それも全身麻酔だったため、長男の産声を聞くこともなく、顔を見ることも出来ずに離されて、会えたのは次の日でした。そんな納得のいかない出産を、私は育児中も引きずっていました。熱が続いたり、アトピーなどのアレルギーが出れば、下から産んでないからでは…と悪気のない言葉に傷つき、悩み、二人目はどうしても経腟分娩で産みたいと思う気持ちが強くなりました。
今回題名につけた『幸せなお産が日本を変える』は、自然なお産をする「吉村医院」の故吉村 正先生の本の題名です。日本を変えるって?と、大げさに聞こえるかもしれませんね。
昨年は、ずっとお会いしたかった、吉村医院の元婦長・岡野眞規代さんのお話を聞くことができました。助産師として病院での出産に関わってきて、「お医者さんに産ませてもらう」管理医療と、命をかけて「自分の力で産む」自然分娩の違いを吉村医院で知り、吉村先生の考え方や幸せなお産のことを、もっと知ってもらいたと講演活動をされています。
お産は全ての人の原点であり出発点。いいお産をするためには、『ゴロゴロ パクパク ビクビクしない』
しっかり動いて食べ過ぎない、胎児にも伝わる安心感。産むのも亡くなるのも当たり前に家であった、昔の日本の姿が自然分娩につながる。現在の日本では、赤ちゃん5人中1人の割合で帝王切開になっているようです。便利な世の中になった分、失ったものもたくさんあるということですね。こう言うと、帝王切開を否定しているように聞こえるかもしれませんが、自然分娩とは、けっして”下”から産むことだけを指すのではない、精一杯自然なお産を目指した結果の帝王切開なら、それはその人にとっての「自然なお産」。素晴らしいのは『自然に生きる』ということ。自然に正解はなく、人それぞれ、みんな違っていいのです…と伝えてくださいました。
このお話を、もっと若い世代の人に聞いてほしい!!きっと幸せなお産に関わることで、虐待や自殺、DVや不登校が減り、出産率も上がると思う。本当に日本が変わるかもしれないですね。

私は運良く、気持ちを受け入れてくれる先生に出会い、2人目を経腟分娩で産むことができました。この二つの出産を経験したのは、「何かお役目があるのよ」と岡野さん言われ、無駄ではなかったと嬉しくなりました。

担当:ここいくメンバー 小田佐知子でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)


vol.212 プレゼントコーナー

212号PRESENTS

プレゼントご希望の方は

ハガキまたはe-mailで、下記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。

1-あなたがこの春、始めたいことは?
寒い冬も過ぎ、日差しが暖かくなると何か始めたくなりませんか?あなたが始めたいこと、なんですか?
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望 を必ずお書きください)
※A、Cは編集室まで受け取りに来られる方。
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、 家族構成

〆切:2023年3月25日 当日消印有効。
宛先 〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。


A.菌ちゃんたっぷり!味噌玉80g 各務 亜紀様より…3名様


本紙で好評連載中の「菌ちゃん野菜応援団」(P.18)。東海市部応援団長の各務 亜紀さんによる手作りの味噌玉です。お湯を注ぐだけで地味溢れ、体も心も喜ぶお味噌汁がいただけます。スペシャルブレンドの味噌に、だし、オリーブオイル、乾燥わかめ、乾燥ネギが入っています。お味噌汁3杯分です。にらめっこ編集室でお受け取りください。


B.冊子 認知症のことで知っていてほしい5つのこと NPO団体「人生これから!」様より…2名様


誰がなってもおかしくない認知症。「人生これから!」主催のえんぴつカフェでも今後とりあげていくテーマです。冊子は、介護施設で勤務経験のある漫画家・北川なつさん著、知っておくとよいポイントがわかりやすく描かれています。(A5版、12ページ)


C.天下布武 信長バナナ 2本セット 信長バナナ(合)様より…3名様


岐阜県で栽培、収穫、販売!栽培期間中、農薬、化学肥料は使っていませんので皮まで食べれる安心・安全なバナナです。糖度も25度前後と高く、黄金の香りのバナナです。にらめっこ編集室でお受け取りください。


D.CINEX 映画招待券 シネックス様より…ペア3組様


登場人物の心情を感じながら深く考える。そこにユーモアも少し。心に残る作品と出会えたら、もう映画館にはまってしまいますね。写真は映画「すべてうまくいきますように」より。岐阜市柳ヶ瀬のシネックスでご利用いただけます。


VOL.211 風邪対策をはじめよう

冬はウイルスが活発に活動するため、風邪やインフルエンザなどが流行しやすい季節です。

安静にしていれば、数日で回復
風邪は、鼻やのどに起こる急性の炎症のことで、正確には「かぜ症候群」と呼ばれます。何百種類もあるウイルスのいずれかに感染することにより引き起こされ、その症状は、のどの痛み、鼻水、鼻づまり、せき、たん、くしゃみ、悪寒、微熱、頭痛など、さまざまです。インフルエンザとは異なり感染力はあまり強くなく、重症化することもほとんどありません。通常のかぜであれば、「かぜかな?」と思った段階でただちに安静にしていれば、数日で回復します。
しかし、無理をしてこじらせてしまうと、気管支炎、扁桃炎、副鼻腔炎、中耳炎、肺炎などや、まれに合併症を引き起こしたりすることがあります。また、かぜではなくインフルエンザの可能性も考えられますから、症状を見極めて適切に対処することが必要です。

免疫力を高める生活のポイント
そもそも風邪(かぜ)は正式には『かぜ症候群』と総称される呼吸器の感染症で、医学的には、『急性上気道炎』や『急性上気道感染症』と呼ばれています。鼻腔から咽頭(食道の入り口)までの上気道と呼ばれる部分に炎症が起こり、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、たん、発熱などの症状が出る病気です。
風邪の原因となるウイルスはライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、アデノウイルスなど実に200種類以上もあるため、原因を正確に特定するのは難しいとされています。
ちなみに、人に感染する一般的な風邪の原因となるコロナウイルスは4種類が知られていましたが、2002年にSARS(重症急性呼吸器症候群)、2012年にMERS(中東呼吸器症候群)、そして2019年にCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)と、病原性の高い新しいコロナウイルスが現れています。
一方、インフルエンザは、感染の様式は風邪と似ていますが、風邪を起こすウイルスとは異なること、上気道だけでなく肺(下気道)まで感染するケースもあること、また、症状も重くなりやすいことから、風邪とは別の病気だと考えたほうがよいでしょう。
秋から冬に向かう時期など、季節の変わり目には自律神経のバランスが乱れて体の防御機能が低下しやすくなります。また、気温が下がり、空気が乾燥してくると、風邪の原因ウイルスに感染するリスクが高くなります。コロナ禍の今、なるべく医療機関にかからないようにするためにも、“風邪に負けない”(ウイルスの防御および体内で増殖させない)体づくりが大切です。

免疫システムを活性化する生活習慣とは?
感染症から身を守るためにウイルスと戦ってくれる免疫システムですが、免疫細胞を作る力は、生まれてから徐々に上がっていって、20歳をピークに下がっていくとされています。年齢を重ねると風邪をひきやすくなるのも、こうした免疫機能の低下が影響していると考えられます。そのほか、免疫は食事や睡眠、運動など様々な生活習慣にも影響されます。まずは下のチェックリストでご自身の生活を振り返ってみよう。
 免疫システムを考える上で、わかりやすい指標の一つが体温。体温が下がると免疫の働きが低下します。血液の粘度が上がるため血流が悪くなり、免疫細胞の働きが衰えるからです。体温が下がれば、液体であるリンパの流れも滞ります。体が冷えていると感じたら、腹部や太ももなど、動脈が体の表面近くを走っている部分を直接温めるのが有効です。日ごろ“冷え”を感じていなくても、平熱が35℃台などで低い人は、体を温めることを心がけてください。“自家発電”とは、体の芯から温めること。
ストレスなどで自律神経のバランスが崩れ交感神経系が優位になると血管が収縮して血流が悪くなります。ですから、夜は体をゆっくり休めることが大切です。寝る前にぬるめのお湯に長〜く浸かる半身浴をして、副交感神経の働きを高めておくといいでしょう。リンパ球が増えるのは夜中なので、睡眠をしっかりとることも重要です。
わざわざジムで運動しなくても、早歩きを心がけ、駅などの階段をなるべく使う、電車に乗っても座らない、洗濯物を干すときには1枚干すごとにしゃがむなど、自分にとって“ちょっと面倒で嫌だなと思うこと”を日常的に行えばそれが運動になり、免疫が活性化します。運動により筋肉も増加し、体温を上げることにもつながります。 ただし、運動のし過ぎは逆効果。激しい運動は活性酸素を作り出してしまうので避けてね。

免疫力を高めるキーワードは、食事、運動、生活習慣です。免疫が健康に貢献するのは、守りを固めることができるから。
人の体は常に、細菌やウイルス、がんなどの攻撃にさらされています。そられから体を守ることができれば、健康を維持できます。栄養バランスが取れた食事をするのも、適度な運動をするのも、しっかり眠ることも、すべて免疫を高めて守りを固めることにつながり、それが健康の土台になっています。
免疫力アップを意識した生活を送りましょう。

 


VOL.211 風邪かな?と思ったら

冷えてしまいがちな首、手首、足首の3つの首を温めます!靴下やレッグウォーマー、子ども用のカイロなどを上手に活用。お砂糖を入れた生姜湯などを作って、体の中から温めるのも効果的です。忙しい時も、温めるだけならささっと即実行!!

風邪のひきはじめに食べたいのが、消化の良いうどんや雑炊。できれば、ネギ、玉ネギ、ショウガ、ニラ、梅干など殺菌作用や発汗作用があるものをたっぷり入れて。
喉が痛い場合は、炎症を抑えてくれるハチミツ大根や生のレンコンジュースもぜひ!小さな子どもの場合は、片栗粉でとろみをつけたり、砂糖で甘くしたりと食べやすい工夫もしてあげてくださいね。水分をしっかりとることもお忘れなく!

 空気が乾燥していると、風邪のウィルスは力を増してしまいます。風邪のひきはじめは、濡れたタオルを室内に吊るす、加湿器を利用するなどして湿度を50%くらいに保ち、ウィルスの繁殖を防ぎます。
同時に、換気も大切なので、2~3時間おきに窓を開け、新鮮な空気と入れ替えるように。

 風邪のひきはじめは特にうがいが重要です。喉が痛くなるのは、喉の粘膜についているウィルスと戦っている証拠。ですから、うがいでウィルスを洗い流すことが有効ですが、喉の奥まで水が届いてないと効果はありません。「アーイーウーエーオー」と声を出しながらだと、しっかり奥まで届くので、ぜひ試してみてください。

 風邪のひきはじめは、体を休めることも大事。体からの欲求に逆らわず、たっぷり睡眠をとる。寝ている間に、体の免疫力や抵抗力が高まっていきますので、眠たいという欲求に逆らわず、たっぷり睡眠をとることを心がけます。心地よい眠りをサポートしてくれる、ラベンダーなどのアロマオイルを焚くのもおすすめです。

この5つの対処法を実践すれば、薬を飲まなくても翌日にはケロっと元気になっていることも!風邪の引きはじめだけでなく、毎日の生活に取り入れるのがおすすめです。自然と免疫力があがり、風邪を寄せ付けない、たくましい身体になれますよ♪

冷えは“ちょっとした不調”と思われがちですが、実は万病のもと。「手足が冷たい」、「肩がこる」、「しもやけができやすい」、「おなかが冷えると下痢をしやすい」、「腰が冷えると腰痛や足にしびれを感じる」など、冷えの感じ方は人によってさまざま。

精神的なストレスと子どもの冷えにご用心
 冷えには、いろいろな原因があります。冬の冷えというと、気温の低下や寒冷が影響して手足が冷たくなったり、体調を崩したりする人が多くいますが、意外な原因もあります。それは、精神的なストレスです。
精神的なストレスがかかり交感神経が優位になり、体が戦闘モードになって心臓の鼓動が速く、そして体温が上がってきます。「しかし、1か月、半年とこのような状態が続くとエネルギーがなくなって体温は下がってきます。精神的なストレスによって冷えが起きているときは、自律神経を乱しているストレスを解消することが大切です」ストレスの多い生活をしていると体は温かくなりません。スポーツや趣味など、楽しくて夢中になれる活動を自分の生活の中に取り入れましょう。
また、冷えは大人だけでなく、子どもにも見られます。「冬になるとしもやけができやすい」、「風邪をひきやすい」といった不調は、冷えの兆候です。子どもの頃から体を温めることを大切にして、冷やさないように心がける事が大事。「10代、20代は、男女ともにホルモンバランスが変わる時期。とくに10代の子どもをもつ親は、子どもの体温に気をつけて健康管理をしてほしいと思います」
と『上体温のすすめ』の著者・今津医師は話す。

自分に合った体調管理の方法
 簡単で長く続けやすいおすすめの方法は、起床後に1杯の白湯を飲むこと。体の芯から温まります。
日頃から体温計を身近に置いて活用すると自分の普段の体温(平熱)がわかり、体調管理に役立ちます。体の温度には、皮膚の温度と深部体温の2種類があります。皮膚の温度は寝ているときは上がり、朝になると下がってきます。一方、体の深部温度(体温)は寝ているときに下がり、朝になると上がってきます。体の温度はこのように違いがあるため、「体温は、この2つの温度がちょうど交差するときに測定するのがいいです。起床後は食べたり飲んだりする前に、夜は布団に入る直前がよいでしょう。体温は測定時の条件をきちんと揃えることが体調管理の大事なポイントです。ぜひ、起床時や就寝前などの測定習慣をつけるようにしてみましょう

風邪やインフルエンザの予防法としてよく知られているマスクの着用。しかし、インフルエンザの予防においてはほとんど効果がないとする研究も報告されています。そこで今回は、マスクには具体的にどのような効果があるのか、インフルエンザはどう予防すればよいのか、考えてみます。

インフルエンザウイルスの大きさとマスクの穴の大きさを比較すると、インフルエンザウイルスが直径約0.1μm(マイクロメートル)であるのに対して、一般的な不織布マスクの穴は直径約5μm。インフルエンザウイルスは乾燥した空気中においては1日~2日ほど生存可能なのでマスクでは防ぎきれないといえます。

マスクをして咳をする女性

マスク装着で飛沫を防ぐ
ただし、近くにいる誰かがくしゃみや咳をしたときには、マスクによって飛沫感染(くしゃみや咳をしたときに出る水分による細菌やウイルスへの感染)を防ぐことができます。
また、マスクを着用することでマスクの内側が湿った状態になり、この湿気によりインフルエンザを予防できる可能性も示されています。(不織布マスクは除く)

マスクの着用は・・・
これまでインフルエンザの話でしたが、これはコロナについても同じことが言えます。そもそもマスクの常時着用は健康上のリスクを高めます。
「人は表情を見ながらコミュニケーションをとりますからマスクは障害になります。世界では、マスクだけでなくワクチン接種に対しても冷静な対応がされるようになっています。米国ではワクチン3回目接種は国民の30%ほどで低迷しています。海外ではそれぞれの国民が、マスクにもワクチンにも見切りをつけて不要に思って行動しているということです。こういったことも知っているはずなのに、なぜ日本人はいつまでもマスクをつけているのでしょう。自分で考えて責任を引き受けて行動することを避ける国民性も大きく関係しているように思います。自分で考えず、言われないとやらない。一度言われると考えないで永遠にやりつづける――。マスク着用はまさに、責任回避行動の典型例です。“相手を感染させないため”のマスクが、“感染しないため”のマスクとなり、最終的には自身の責任を回避するためのマスクになってしまったと言えるでしょうか」と大和田 潔 医学博士は話しています。
私たちは「マスクはなんのため?誰のため?その効果は?」をしっかり理解して、着脱は自分で決めたいですね。

参考:ボムス、自治医科大学医療センター、オムロン、PRESIDENT Onlineより


長いもバーグ
長いもは中国では滋養強壮剤(漢方薬)で、生で食べられる世界でも珍しい芋。ジアスターゼという消化酵素を含んでいるため、胃腸の働きを助けて消化を促す作用があります。
~ポイント~
つなぎに「麩(ふ)」を使用。ふわふわ食感、じゅわっとジューシーなハンバーグに焼き上がります!
<材料>
★鶏ひき肉、長いも/各100g ★麩/20g ★豆乳/50cc
★にら/40g ★卵/1/2個
★塩/1.6g ★胡椒/0.2g
★大根おろし/100g ★しそ/2枚
<たれ>しょうゆと酢・小さじ2、ごま油・小さじ1、唐辛子1/4本 小口切り
<作り方>
❶ ポリ袋に麩(ふ)を入れてたたき、豆乳を加えて馴染ませる。❷ 長いもを加え、さらに叩いて、なめらかになるまでつぶす。❸ 肉、にら、卵、塩こしょうを入れ、もみこむ。❹ ポリ袋の端を切り、フライパンに絞り出す。❺ 中火で両面をこんがり焼き、皿に移す。❻ たれを作る。ハンバーグの上に大根おろしとたれをかけ、細かく刻んだシソをのせ出来上がり。

さつまいもとりんごの春巻きパイ
秋~冬にかけての季節の変わり目は朝晩の寒暖差が大きく、体調を崩しやすくなります。さつまいもには食物繊維やビタミンCが豊富に含まれています。食物繊維は腸内環境を整える作用があり、免疫力アップが期待できます。ビタミンCは抗酸化作用が非常に高く、風邪予防に効果的ですよ。
<材料> 春巻き8本分
★春巻きの皮/4枚 ★さつまいも/200g ★豆乳/20-30cc★砂糖/30g ★バター/10g ★水溶き片栗粉/適宜 ★サラダ油/大さじ1
<作り方>
❶ りんごは皮をむき、種を除いて1cm角の角切りにする。❷ 鍋にりんご、砂糖(10g)、バターを入れて火にかけ、出てきた水分がなくなるまで煮詰める。(少し透明感が出て、色付くくらい)❸ さつまいもは電子レンジで加熱し(または茹でるか蒸す)、皮をむいて熱いうちにボウルに移して砂糖(20g)を加え、つぶす。豆乳は硬さを見ながら加えて混ぜ、餡に使える硬さにする。❹ 春巻きの皮は2等分に切る。さつまいもとりんごを乗せ、水溶き片栗粉を塗りながら巻いていく。❺ フライパンにサラダ油をひいて火にかけ、4を並べて両面色付くまで焼く。❻ 食べやすく斜めにカットする。

 

 

 


vol.211 映画「杜人」を観て

「大地の再生」に挑む

 かつて人は自然の循環を損なうことなく暮らしてきた。「鎮守の杜」の「杜」という字は「この場所を 傷めず 穢さず(けがさず)、大事に使わせてください」と紐を張った場のことだった。
映画「杜人」を観た。私たちの体も、この大地も、この地球も、息を止められたら生きられない。造園家であり、環境再生医でもある矢野さんの一言ひとことが心に響く。映画の中で、記憶に残る言葉を記し一つひとつ説明しようと思う。

「息をしている限り、まだ間に合う」。

映画の中に、巨木を移植するシーンの一言。私も事務所を移る時に柑橘類の木を2本移植したことがある。その作業は大変だった。まず深く根付いている根の周りを掘り起こすことから始める。運搬を考え根を随分切ってしまい痛めつけた。それでもこの事務所に根付き、花をたくさんつけ、今年は実もたくさんつけた。植物の生命力に感嘆している。

矢野さんはこともなげに巨木を移植すると決めた。費用も作業も大変であるが、「息をしている限り、まだ間に合う」と。 この映画は「環境問題の根幹に風穴をあける奇跡のドキュメンタリー」として各地で上映会とワークショップを展開している。


穴掘りの先生はイノシシ

イノシシは鼻先をうまく使い、凸凹に穴を掘っていく。木の根元、岩だらけの土を道具も使わずに見事に掘る。私がよく登る早朝の鵜沼の森で掘られたばかりの登山道に出くわす。鍬で耕した?と思うくらい…。

「イノシシはただ食べものが欲しくて土を掘っているわけじゃない。循環が悪い大地を掘って、空気の通りをよくしてくれているんです」「虫たちは風通しの悪いところにつく。葉っぱを食べて空気の通りをよくしてくれているんですよ」

『コラム 森・生物・ヒト』によると、「イノシシが掘り起こした穴は、漬物石よりも大きな石がいくつも掘り起こされて周囲に弾き飛ばされていたりする。大変なパワーだ。しばらくすると、穴には落ち葉がたまる。天然の堆肥場である。ミミズやムカデ、菌類などいろいろな土壌生物が集まってきて、せっせとこれらの遺骸を分解し、栄養分に富んだ腐葉土を製造する。そのうち、草木の種子が飛来したり、転がり落ちたりして、芽を出し、伸び始める」とある。さらに「イノシシが頑張るほど、土壌の通気性がよくなり、微生物をはじめとした土壌生物の活性が高くなり、有機物の分解が進み、土壌の肥沃度があがることが期待できそうである。イノシシは通常、農作物の害獣としか考えられてこなかったようだが、このように見てくると、普段はさっぱりわからなかった、森林生態系の中でのイノシシの役割が見えてこようというものである」。

人間以外の生き物は・・・

「植物はともにこの地球を生きる仲間。セミも、カニも、イノシシも、人間以外の生きものはみんな空気と水が循環するように日々環境改善している。その循環の輪から人間だけがはみ出してしまっていることが、いま、災害という形で人間社会に還ってきている

この言葉に私はうるうるしてしまう。紙面で何度も書いてきた開発という名の自然破壊に矢野さんがはっきり表現してくれたようで。しかも温かい眼差しで語る矢野さんに。
土石流や河川の氾濫が証明するように、護岸も山肌もコンクリートで被われて、いかにも息苦しそうだ。コンクリートジャングルという言葉も生まれた背景には高度成長期がある。果たして暮らしは豊かになったのだろうか。

風の通り道

「草は根こそぎ刈ると反発していっそう暴れる。風に倣って刈るとおとなしくなるんです」

今まで私は草の根元を握って、地表から5cmくらいを鎌で刈っていた。草刈りはそういうものだと思っていた。しかしそうすることで、その草の根は太くなり、土が固くなるという。
矢野さん曰く「風の通り道を作るように揺れる部分を刈るだけでいい。そうすることで主根に細いひげ根が張り巡らされ、さらに毛細根が現れる。その力で土が軟らかくなる」のだそうだ。確かにひげ根がガッチリと土をつかみ、酸素を土に入れて、ひげ根の先から出ている毛細根(もうさいこん)が団粒構造(だんりゅうこうぞう)を作っているのだから納得した。が、それは私にとってはカルチャーショックだった。

 

大地の呼吸
高度成長期からの国土開発という名の下で行われる土地の利用は、大地を窒息させる方向へ進んできた。せき止められた循環が長い時間をかけて問題を起こしていることに、矢野さんは強い危機感を抱いていた。そこで「大地の再生」に取り組むことになる。

「大地も人間と同じように呼吸し、地下を血液のような脈が流れています。それを人間が塞ぐから呼吸不全や動脈硬化が起こる。土砂崩れは大地の深呼吸なんです」

小さな移植ゴテで運動場の土をカリカリと掘り、水の流れを作る。溜まった水が、行き場を求めるかのように、または「水路を見つけた!」とばかりに流れ始める。気持ちは「詰まりを取り、流す」である。ん?なんか身体のリンパを流す時の気持ちになっている。要は同じなんだよね。身体の中で起きること、大地(土の中)、森、川、で起きることって。詰まらせたら確実に問題が起きるから。

「人間のからだでいうと呼吸と血管、空気と血液がからだの中をめぐっているのと同じように、地球全体で大気と水がからだのように循環しているんです」

そこで矢野さんはスコップ一本と観察力で問題に対峙する。一人ひとりの力を集めることで、かつての集落では当たり前だった「結(ゆい)」が今こそ必要なんだと説く。こういった一連の作業で、雨や風、動物たちがすることにならった環境改善のやり方を彼は実践し、伝えていた。       (三)


vol.211 しょうがいをみつめる vol.4

こころのもよう

アフォーダンスという言葉をご存じだろうか?ある方の文献でこの言葉を知った私は興味を持っていた。

アフォーダンス(affordance)とは、環境が動物に対して与える「意味」のことである。アメリカの知覚心理学者ジェームズ・J・ギブソンによる造語であり、生態光学、生態心理学の基底的概念である。「与える、提供する」という意味の英語 afford から造られた。Wikipedia参照

デザインなどにも用いられる概念で、引く・押すを直感的に促すドアの形状であったり、ボタンやレバーなど意識しなくとも促されてしまうことはある。大自然の中にも物質的な中にもその作用は活きていて、人はそれに無意識的に影響を受けている。そう、私たちは環境・物質・自然・人と関わり、アフォーダンスの中で生かされている。匂いで季節を感じたり、水のせせらぎに落ち着いたり、山々を見て荘厳さを感じたり。アフォーダンスは心模様にもアクセスしてくるようだ。

慧正(あきまさ)は言葉(とりわけ発話)を道具として使うことが少ない人生だった。言葉は道具であること。思考は自らが持ち合わせる語彙の範疇の中に留まっていること。それは慧正との関わりの中において、彼から表現される様々な感情の多彩さに驚きと共に感じる事が出来た。「知る」ではなく「感じる」。なぜなら「そうである」と答えを彼から聞いたわけではないから。無意識のうちに彼の態度に反応していた私はアフォードされ、アフォードしていたのかもしれない。

心が痛い、心が暖かい、心が揺さぶらせるなど、どこにあるか分からない「こころ」に温度や動きが生じるのは、アフォーダンスによるものなのだろうか。私には確かに体感として在る。

心とは一体何なのかは分からない。確かに言えることは自分という閉じた箱の中にあるのではないということ。それは関係性という空気感、安心感という場、人から出入りする息が交わる所に在るのかもしれない。そもそも「自分」とは閉じておらず、全てに繋がっているようだ。

慧正の表現は私を含む環境からアフォードされ、自ずと発せられていたと感じる。時にお互いにとって心地良くなくても。彼は私とは違い自分を表現するだけで、表現で他者をコントロールしようとはしなかった。もっともっと素直に彼にアフォードされていたなら、私はもっと自由でいられたのかもしれない。

 

MASA:若者をはじめ、障がい者も一緒になって、ごちゃまぜイノベーションを目指している。知的障がいのある息子は享年24歳で2021年2月27日に旅立った。関市在住。


vol.211 やってみた 内藤 俊さん

内藤 俊さん(60代)

日々の感動が創作の源!創作童話が2度の入選

田んぼの稲についた朝露が朝日に輝くさま、食事に出された筍ごはんの美味しさ、昨夜見た夢の奇想天外なこと!日々のふとしたことが発見につながり感動する。それらを忘れないうちにノートに書き留める。そんな毎日がなんと楽しいことか。
58歳の時に一年間だけ好きなことをやらせて欲しいと家族を説得して退職。映画を見ること、本を読むこと、童話を書くこと、朗読の講座に参加することなど、あっという間に一年が過ぎ、復職した。童話の創作を始めてからは、改めて周りの景色や日常の出来事を注意深く見るようになった。
自身の中に、物語を書きたい、という思いはずっと以前からあった。でも小説はちょっと長いな、と考えていたとき、目にしたENEOS童話賞の募集。応募要項には原稿用紙5枚とある。これなら自分にも書けるかもしれないと思い切ってチャレンジした。そのときの初めての応募作品は撃沈したけれど、それをきっかけに童話の創作は続け、ここ6年間は毎年2作品を書き上げ、「ENEOS童話賞」、「日産童話と絵本のグランプリ」の2つの公募に応募し続けている。
「書き上げた作品を息子に読んでもらうんですが、説教くさい、心に響く言葉が何もない、と、かなり辛口ですわ。ほんとうは妻の感想も聞きたいんですが、忙しそうだしちょっと遠慮しています」とはにかむように話す内藤さん。
そんな中でも、物語を書くという喜びはもう自分の中にしっかりと根を張り、今や生活の中心にさえなっている。
2018年には『漢字仙人がやってきた』がENEOS童話賞に見事佳作入選!
「だめかなと思っていたので、ええ〜!そんなことあるの!?ってびっくり。涙が出るほど嬉しかったです」。
送られてきた『童話の花束』という冊子に収められた自分の作品は、活字印刷され、イラストまで入っていて、感激もひとしお。一緒に掲載されている他の作品にも大いに刺激を受けた。その数年後、今度は日産童話と絵本のグランプリの方でも入賞。「2回も入賞するなんて、できすぎですが、よし、もっと頑張ろう!という気になりました」。
物語はパソコンで書くが、応募するときは原稿用紙に清書というのが内藤さんのスタイル。「webからも応募できるんだけど、もともと手書きが好きということもあるし、手書きの方が思いを込められる気がして」。
題材は日常に、身近にあるもの。文章は簡潔に短めに。基本はハッピーエンド。というのが内藤さんの童話。「希望が見えるというか、救われて終わりたいよね。最後が辛いと悲しくなっちゃうし」。
子ども目線に立って童話を書くようになり、小学校教員時代に出会った子どもたちの自由な発想を思い起こし、子どもってすごいなと改めて感心する。そして、「今となってはできないことだけど、教員時代に子どもたちの気持ちにもうちょっと丁寧に寄り添えたらよかったなあ」としみじみ思う。
今は1つ書き上げ応募してひと息ついた状態。大好きな映画鑑賞や読書をしたり、時には料理もしたり。面白いものを読んで、観て、体験して、たくさんの感動に出会う日々を送っている。もちろん、創作のヒントになりそうな物事は見逃さずに。


vol.211 熱中人 山田 雅樹さん


モノはうそをつかない

綿100% 徹底したこだわりは 生きている証し

山田縫製工場 社長・山田 雅樹さん

 

実は僕、洋服を作ったことがなくて、30歳を機に自分でミシンを踏むようになりました。スタッフの経験者や父親に教えてもらいながら、5年間ずっと服を作ってきました。

父親の縫製会社に就職した時期が、ファストファッション全盛期。薄利多売で安い人件費で作るというアパレル業界の流れにずっとモヤモヤしていました。今までのモノの作り方はおかしい。そこを改めたかった。「売れるためのモノづくり」はやりたくなかった。とはいえ、じゃ、何を作ったらいいのかわからなかった。そんな時、大阪に用事で行くことになり、高速を走って高架下をくぐったら右手にドーンと太陽の塔が現れたんです。あれを見た時に「なんだこれ!」とゾクゾクって鳥肌が立って…。モノづくりって、もしかしたらこれじゃないかなって思った。太陽の塔は僕に「なんだこれ」って思わせた。それは強烈に記憶に残り、自分もこういうモノつくりをしたいと思った瞬間でした。後世に残るものというか。太陽の塔は僕の感情を揺さぶり、生きることとか、自分って何者なんだ、とかを思い知らせてくれたんです。 圧倒的な モノって、服も、音楽も、アートも、それ以外のエンタテイメントも、基本的にはそういう力をもっていると、その時改めて実感しました。

自分に納得できたりとか、うそのないモノづくりをしたい。人が見た時に信じられるものを作りたい。それを突き詰めていった時、最初に「白色」がパッと出てきた。僕の中で「白」は本質的な部分という思いもあって、まず白い何かを作ろうと思った。いろんな服を探っていた時、あるブランドのシャツがすごく柔らかくて、なめらかで、これすごいな!と思うと同時に自分ならもっとできるんじゃないかと思いました。
そうして、色は「白」、形は「シャツ」と決まった。次は素材です。物質はうそがないから、素材そのものが絶対的じゃないとと思い「綿」しかも「100%」にこだわった。縫い糸も、タグも、ボタンも、です。デザインは装飾であると同時に情報でもあると思っていたので、ポケットをつけたり、ギャザーを入れたり、カフスの形を変えたりということを一切やめました。実は少し前から、あらゆる情報を断っていたんです。    を全部やめ、いろんな人間関係もかなり断ちました。情報過多は僕を混乱させるだけだから。そしてシンプルな状態に身を置いて、改めて自分が何をしたいのか、もっと自分と向き合おうと思ったんです。

シャツという一つのアイテムが、その人の生活スタイルを変えるきっかけにもなる。そうなってくれたら一番うれしい。欲を言えば僕のシャツを見て、僕が岡本太郎さんの作品をみたときのように、「なんだこれ!」みたいな、なにか感じてくれたらさらにいい。で、その人がまた何か新しいものを作れば、たぶん本当の意味でのいい循環が生まれると思うんですよ。いい循環さえ生まれれば、もう最高です。

モノを作るっていうのは、何かを残すってこと。その分責任を持たなきゃ、ですよね。この服だったら綿なので、自然から、大地からいただいたものから出来上がっていくんですね。また綿を織るときに大量の水を使いますから、水不足だと作れない。これから先々、綿を作れるかって、その保証はない。20、30年後はわかんないですし、その中でものを作って生きていくっていうことは、環境のことも含めて、自分たちが真剣に考えないと、と思っています。

綿100%。全てが綿で作られたシャツって、この世にないんじゃないかと思っています。そう考えると面白いですよね。それは自分の中で一つの自信になるし、こういう方向性でモノつくりをしていけばいいのか、と思うと自分自身も楽しい。そういう考え方で生きていけることが幸せかなと思う。

山田 雅樹(やまだ まさき)1986年生まれ・各務原市在住。祖父の代からの縫製工場を引き継ぎ、レディース物を中心に制作。自身の「100%綿シャツ」は12月13日にオープンするアトリエにて展示する。ブランディングに必要なロゴなどを依頼したグラフィックデザイナーの佐藤卓氏に「デザインとは、人とモノをつなぐもの」と言われ「これだ!」と思う。綿100%。誤魔化さない、うそのないシャツづくり。その最終場面は、綿のボタンを作る時で約1年もの間、思考錯誤を重ねた。こだわり続ける覚悟をしたからこそ生まれた結果は、佐藤氏も納得し、「これは面白い」と。

出来上がったロゴはやはりシンプル

山田縫製工場 ショールーム兼アトリエ
〒504-0952 岐阜県各務原市那加新加納町2652-1
お問い合せ  support@yamada-sf.jp


vol.211 夢か悪夢かリニアが通る!vol.40

「岐阜・御嵩町 リニア残土問題 不都合な事実を伏せた事情」――。10月25日発売のサンデー毎日(11月6日号)に筆者の記事が掲載されました。この連載の37回目でも指摘したように、リニア中央新幹線の残土処分場が計画されている山林が環境省の「重要湿地」に指定されている事実を、同町とJR東海が町民に伏せてきたことを世に問いました。続いて朝日新聞(名古屋本社版)が11月8日付の朝刊社会面トップで報じるとマスコミ各社も取り上げ、環境大臣や岐阜県知事も対応せざるを得なくなっています。     井澤宏明・ジャーナリスト

「重要湿地」を巡って

指定に「後ろ」向き
サンデー毎日で報告したのは次のような内容です。
JR東海は御嵩町に掘るリニアの2本のトンネルから出る残土約90万立方メートルを同町の山林に埋める計画ですが、予定地は「美佐野ハナノキ湿地群」(美佐野湿地)にあり2016年、環境省の「生物多様性の観点から重要度の高い湿地」(重要湿地)に指定されています。
ところが、同省のホームページにある重要湿地リストには、美佐野湿地は載っていません。今年3月、指定されているのかどうか同省に確認すると「指定されている」という回答。担当者によると、「東濃地域湧水湿地群」のリストの最後にある「など」に含まれているということです。
どうしてそんな分かりにくいことになってしまったのか。同湿地を巡っては、町生物環境アドバイザーだった女性が当時、町の担当者から耳を疑うような“自慢話”を聞かされたといいます。
「環境省に電話して、重要湿地から美佐野湿地の名前を消してやったんだ」
今年10月、この担当者に発言の真意を尋ねると、「そんなこと言った記憶は全くない。デマだと思います」と否定しました。しかし、筆者の情報公開請求に基づいて町が開示した文書から、町がリニア計画を理由に重要湿地の指定に「後ろ向き」だった事実が浮かび上がってきました。

知事「適地といえるのか」
一連の報道を受けて西村明宏環境大臣は11月11日の記者会見でこう述べました。
「美佐野ハナノキ湿地群は絶滅危惧種のハナノキなどが集中的に分布しており、同省が選定した重要湿地に含まれている。重要湿地に選定されることによって法的に規制が生じるものではないが、当該地域における事業を検討する際には、関係自治体や事業者が適切に環境配慮を行うことが大変重要であると思う」
岐阜県の古田肇知事も11月22日の記者会見で記者の質問に答えて重要湿地に言及しました。
「美佐野ハナノキ湿地群が(重要湿地に)含まれているのか、いないのか、何となくモヤモヤっとした状況でズルズル来てしまった。正式に重要湿地に含まれることが明らかになったのは今月に入ってからの御嵩町の会議で、正式なお話があったということだ。残念なプロセスで、環境省に確認するなり、もっと行政が迅速に動くべきだったと思っている」
どこか「他人事」のようですが、重要湿地の指定に向けた同省と町のやりとりは県を通じて行われていたハズです。古田知事は、リニアの残土処分場が計画されていることについては「これが適地といえるのかどうか、しっかりとした議論が必要ではないか」としたものの、今後、JR東海から提出される残土処分場計画と環境影響検討書を「県の専門家会議できっちりとチェックする」として、計画の見直しには踏み込みませんでした。
当の御嵩町はどうでしょうか。11月10日に開かれた残土処分場を巡るフォーラムには、町が初めて「重要湿地」について説明するとあって10人余りの報道陣が詰めかけました。
しかし、肝心の説明が始まったのは開会から2時間半がたった午後9時ごろ。町民の質問も受け付けませんでした。終了後、渡邊公夫町長に尋ねました。
――重要湿地に残土処分場を作ることは適切ですか。
「私は重要湿地に隣接してるっていう解釈です」
――町長は残土処分場受け入れに何でこんなに前向きなんですか。
「前向きじゃないですよ。ウェルカムじゃないって言ったでしょ。こんな嫌なことはやりたくないです」


vol.211 ボーダーレス社会をめざしてvol.69

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

障がい者の展覧会

息子の展覧会をした時に、アンケートに「こんな絵でよく展覧会をやるな」と。また、障がいのある人の書道作品に対しても同様にネットで「障がい者だったら何でもありなんや」と書かれた事があります。ある人には「あっちゃんは、障がいがあるから新聞に取り上げられるんやね。」暗に、普通の人だったら取り上げられないよねというニュアンスで言われた事があります。
どの方も芸術的とは認めてもらえなかったからの言葉でしょう。しかし、そのような事があっても怒り、落胆など全くなく、世の中にはいろいろな意見があるのだなと事実として受け止めてきました。
普段、私が美術館に行き「これが作品?」と思うことが実際にあります。作品を見る側の問題で、芸術的と見るかそうでないと見るかはその人次第です。障がいのある人が描きたいと思い、一心に描く。言葉で表せない何かを絵として表現する。出来上がった作品を批判するのは自由です。作り手には、表現の自由があり、受け止め手には、言論の自由があります。
ただ、人を傷つけるような言論は、控えるべきであると思っています。現実問題、障がいのある人の発表の場は、健常者に比べて極めて少ないです。チャンスがあれば、おおいに展覧会をし、障がいのある人の作品を見せる努力をしていかなくてはいけないと考えています。そんな訳で、11月の初旬に、障がいがある息子が岐阜市で「伊藤淳司作品展」を開催しました。私の肩をトントンとたたき、「前の展覧会から4年が経ちました。いっぱい絵ができました。」と珍しく展覧会をやってほしいと言ってきました。20日ほど前からカウントダウンが始まり、「あと何日」と楽しみにしているのが分かりました。自分の好きな人が集まってくれることが何よりの楽しみのようでした。絵を媒体とし、コミュニケーションを取るという方法でしょうか?いいものを彼は見つけました。絵を描き、展覧会を開けば人が集まってくれると考えたのでしょう。
自閉症であっても決して自分の殻に閉じこもるのではなく、人が好きなんだと思います。ただ、どう接していいのか分からないのでしょう。知っている人が来て下されば、全部の絵の説明をし、最後に「終わり」と言い、その場所からさっさと離れてしまっていました。それが彼の人との接し方でした。土・日曜日は、1日5時間、展覧会場に詰めていたわけですから素晴らしい成長だと思います。息子の絵を最初に見出して下さった方がお祝いに来て下さり「今回の展覧会が今までの中で一番好き」と言って下さいました。多くの人に支えられ今があると感謝しております。
現在の息子になるまでには、楽な道のりではありませんでしたが、結果オーライです。展覧会場で、通りすがりの若い人たちの「ワ~かわいい!!」「何か癒されるのよね。この絵」という声が、何だか忘れられません。


vol.211 モザンビークからレポートvol.5

Nampulaに行ってきました!お仕事編

北部ナンプラ州MalemaとRibáuèという地域に行ってきました。モザンビークの中でも一番農業生産率が高いのに、一番低栄養の割合が高い地域です。主食のとうもろこしやおかずに欠かせないピーナツ、野菜、果物など、何でも揃っているのに…彼らが一体どういう生活をしているのか、視察の出張となりました。

イハリ!(Emakuwa語:こんにちは!)
ポルトガル語もままならない私が、こう言うたびに大喜びしてくれたナンプラ農民との活動中に思ったこと、第二弾。

私の担当プロジェクトは、バーチャル・ファーマーズ・マーケット( VFM )。インターネット版卸会場です。AGROPONTOというアプリケーション内で農家さんと買い手をマッチング。農産物を農家さんの言い値で確実に売り、生活の安定を計るプロジェクトです。ただ、売ることを優先するばかりに家族の食べ物が無くならないように、同アプリ内に栄養に関する情報もあるし、農作物の質の向上も応援すべく、天気予報や農業技術の配信もあります。

栄養部門が私の担当と言っても、食べることは生活の基本だから、「私たちのプロジェクト」として手を出すべきところからはみ出さないようにするのが本当に大変。だって、栄養と料理、食材と作物、売り上げと家計、収入高と健康、健康と水、水と病気、って生活は無限ループで全部繋がっていきますよね?例えば、農民が気になっていることがマラリア(蚊を媒体とする感染病)だったとしても、VFMとは関係ないからできることはマラリア予防ではないんです。それが、どうも歯痒い!伝えたいことは他にあっても、下手に口出しできない!そう、大きな機関って、できる規模が大きい反面、できる分野が限られているんです。当たり前なんだけれども、生活の質の向上をしようと思うと、そこをどう乗り越えるかが難しいところだなと改めて思い知らされました。

そして、何より、教育の差がある時の関わり方の難しさを感じずにはいられませんでした。学校に行かないこと、アルファベット文字が読めないこと(現地の言葉は文字がありません。No1参照)、計算ができないこと、、、生活する上で大きな問題ではないと思っていました。それが、1から2にいけない、10から9になるのも想像できない、その様子を垣間見て、きっとこれを教育の差と言うんだなと。「アフリカは支援慣れしていて支援を待っている」と言う人がいますが、きっとこれも支援を受けると言う行為が1だとすると、1でしかなく、1の後にそれを生かして2にすると言う発想もないんだと思います。その上、支援をする側の人は大学院まで行って、2ヶ国語以上話せて当たり前の人が揃っているわけですから、思考回路のギャップもあるのでしょう。プロジェクトの目的も、プロジェクトはきっかけでしかないことも、プロジェクト後の目標も、伝わっていない。あるコミュニティでは、「支援が足りてないから自分たちは貧乏だ」と言われ、別のコミュニティでは「農薬が買えないからうまく育てられない」と言われ、その度に、「支援って何だろう?」「農薬を使うって、どうゆうことだろう?」「人生をどうしたいと思ってる?」そんな話し合いをしてきました。きっと、こういう時間が大切。心に種を植える時間が。

「必要なのは時間。この20-30年でモザンビークの暮らしはすごく変わった。何かを変えようとしなくていいから、何も気にせず楽しんでおいで」。そう言ってくれたポルトガル語の先生の言葉が身に沁みるミッションとなりました。

 


vol.211 菌ちゃん野菜応援団vol.32

腸活!菌ちゃんをたくさんお腹に入れよう(^^)/ その2

前号に引き続き、今号では菌ちゃんがお腹の中でうまく発酵してくれるためにどのようなものをどのように食べたらいいのかな、というお話です。
これはもう、とってもシンプル。「身体が食べてうれしいものを食べて、消化吸収できるような身体づくりをする」ここが基本なんです。言ってしまえば身体の中の菌ちゃんが増えるようなものを務めて食べるようにして、嫌がるものは少し控えめに。そして次に食べたものが消化吸収できる身体づくりをする、ということなんですね。
では、菌ちゃんが喜ぶ食べ物とは何でしょうか。
日本に住む私たちは日本の土壌に合っている菌を好む傾向があります。日本の土壌、気候に合っている菌は、日本に昔から存在し、日本人が昔から食べてきた食べ物や菌。つまり四季折々目にする旬のものが一番ということですね。菌の代表的なものは「糀」です。糀はお米につくカビの一種なのですが、日本固有の菌で日本でしかうまく育たないんです。なので「国菌」に認められているんですよ。
その糀で作ったものには「味噌」「しょうゆ」「みりん」「酒」などという日本を代表する調味料がありますね。昔ながらの製法で作られた調味料とお出汁を使った和食を日々身体に入れることで私たちのお腹はぐんぐんと元気になっていきます。最近では「塩糀」「甘酒」などもメジャーになってきていますね。それらを食事の中に組み込んで日々少しづつ身体に取り入れていくと、ウイルスや腐敗菌に負けない強い身体になっていきますよ!
発酵食品というとヨーグルトやチーズなどもありますが、乳製品は日本人の2割くらいの人はお腹に合わないという統計も出ていますので、健康のために無理をして食べるものではなく、嗜好品としてとらえていただけるといいのかな、と思っています。また、日本人の腸に合うのは動物性ではなく植物性の菌ともいわれていますので、そういう視点からも「糀」由来の菌は身体に負担がなく取り込めますね。
まずは「お腹が喜ぶものを食べる」ここはお判りいただけたかなと思います。

糀菌のほかには代表的な有用菌に乳酸菌や酵母菌がいます。乳酸菌はヨーグルト、キムチ、たくあん、白菜漬。酵母菌はパンやスパークリングワインなどが有名。これらも全て菌の働きで美味しくなる食べ物なんです。
冷蔵庫や防腐剤がなかったその昔、人は菌ちゃんと仲良しだったんですよね。特に高温多湿でものが腐りやすい気候の日本では、微生物を使って食べ物を保存する技術は先人の卓越した知恵と自然への畏敬の念がなせる技と言えるのかもしれませんね。

 

塩こうじは市販でもありますが作るのも簡単!
ぜひチャレンジしてみてくださいね。
糀-200g 塩-35グラム 水-ひたひた
糀はばらばらにほぐす。糀と塩をよく混ぜ合わせて「糀を起こす」。水をひたひたになるまで入れて、しばらく置く。糀の乾燥具合によって吸収率が違うので、あまりにも減るようなら水を足す。 常温で4~5日、毎日清潔なスプーンなどでかきまぜて糀がやわらかくなるまで発酵させる。
出来上がった後は冷蔵庫で保存。
鶏肉などにまぶして焼くととてもおいしいよ。

 

次回は「身体が苦手なものを控える」ここをお伝えしようと思います。


vol.211 ここいく日記 はじめの28歩!

「からだの権利」「性の権利」は人権
日本ドイツ撃破!サッカーのワールドカップ・カタール大会初戦、日本の逆転勝利が新聞の一面記事となり、朝のテレビでは東京渋谷のスクランブル交差点で、多くの人が歓喜する様子が報道されていました。スポーツを楽しむことは悪くはない、でも開催国カタールで移民労働者や性的少数者の人権が守られていない現実を想うと胸がザワザワした。ふと、報道のあり方が性を正しく教えない教育と重なりました。
日本の勝利に歓喜する人たちが悪い訳ではない。カタールの人権問題も知らないし、これまで丁寧に人権について考える機会を与えらず生きてきた人は少なくないと思う。
ここいくの「いのちの授業」では性的指向、性自認のお話を毎回します。年齢に合わせた伝え方でどの学年でも伝えています。

ある小学4年生の授業で「男の子が赤やピンクのランドセル使っていたらどう思う?」と聞くと「いいと思う」と答えが返ってきました。「じゃあ、男の子がスカート履いていたらどう思う」と聞くと「変態だ!盗んできたかも犯罪だ!」そんな答えが返ってきました。私は、この発言をした子どもが悪いとは思いません。日本の勝利に歓喜する人たちのように、よく知らないためだと思っています。
ほとんどの子どもたちが、自分自身が自分の身体の主人公であるという「からだの権利」「性の権利」の認識がありません。性は多様であり、自分の性は自分が決める。決められるのはあなただけ。
それは誰もが生まれながらにして持っている権利で、奪われることも、誰かに侵されることもない永久の権利。こんな当たり前で大切なことを教えてもらっていない子どもたちが、大人になっていく。
ジェンダー・ギャップ指数が主要先進国で最下位の日本。人権を学べない国であることを痛感しています。
国は2023年度から全国の学校において「生命(いのち)の安全教育」を実施することをきめました。それは子どもを性暴力・性犯罪の当事者にしないための、性暴力に関わる安全教育とのことです。文科省の指導内容を確認すると、性暴力は中学生からの指導となっています。現実には幼児期の子どもの性暴力被害があり、性暴力に関する学びは幼児期から必要だと私たちは考えています。

 私たちここいくの「いのちの授業」は、「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」に基づいており、国が進める「生命(いのち)の安全教育」の学習内容と学習計画とはかなり違います。最も異なる点は、私たちは、すべての学習テーマをすべての年齢で伝えます。学習テーマは年齢に応じて「らせん型」に発展させていく形で、繰り返し積み重ねるように年齢に合わせて学んでいきます。国は「発達段階にそくしたもの」として年齢ごとに指導内容がことなります。「性の安全教育」ではなく「生命の安全教育」のネーミングとなった理由はなにか?
「からだの権利」「性の権利」=人権を避けているとしたら、そこには日本の教育の根本的な問題がある気がしています。