投稿者「にらめっこWeb版スタッフ」のアーカイブ

vol.216 みんなのひろば

 

 

 

環境・未来・各務原ーPFAS汚染と市政を明らかにする会ー 
代 表:小川 麻実さん
連絡先:kakamigahara.mizu2023@gmail.com

教員である私は、昨年の冬に「環境と子どもの健康を考える」という講義をon-lineで受ける機会がありました。その時にPFASの話を聞いたんです。そしたら今、各務原の水道水が問題となって…私の家、三井水源地エリアなんです!!
いろんなことを知りたいと思った。一緒に勉強できる仲間が欲しくてこの会を立ち上げました。何より子どもたちが口にするのが気になった。というのも、仕事場では子どもたちが水道水をガブガブ飲むんですよ。自宅には浄水器も付けたし、対策もとった。でも、これでいいのか???暑いのに、水を飲むなとも言えなくて…苦痛でした。
学校現場で「がん教育」っていうカリキュラムがあるんです。生活習慣を見直そうという内容で学んでいるのに、水道水に発がん性物質が含まれているかもしれない、ていうか「健康リスクのある水」なんて・・・おかしいと思いませんか?
水はみんなが使い、直接口に入るもの、しかも毎日。発生源を明らかにしないと、対症療法でしかないので、永遠に活性炭を交換し続けることになる。職業柄、血液検査は子どもの検査を優先してほしい。そして経年変化を見て行く必要があると思う。
娘が学童に行っていた時に、突如民営化の話が持ち上がり、あっという間に決まって…他の保護者と話す時間がなかった。長男が1歳の時は、保育所から入所は無理と言われ、実家に頼った。長年の不満が溜まっています。これも全て行政が決めること。政治は私たちの暮らしに直結しています。もっと関心を持たなきゃと思いました。だから市政を身近に感じられるところからスタートしたいと思っています。
夢フォーラムに参加してくれた人と繋がって、水問題も含めて、自分の思いを話せる場所と機会を作りたい。無理なく楽しく活動ができることを目指しています。

 


 

120億円の新総合体育館建設中止を求める会
代 表:高橋 明丈さん
連絡先:aki.takahashi@wh.commufa.jp

大規模体育館建設を必要とする根拠は3つ。 (1)国体、高校総体等大規模な大会がある。(2)興行として成り立つ。 (3)まちおこしの一環として。各務原市 の新総合体育館は 3,000 人以上が観覧で きる規模で根拠は、(3)の “まちおこし” のようです。スポーツ議員連盟が音頭を とったのですが、その理由は、「現在の体育館の収容力が少なく、近隣自治体の施設と比較しても人口規 模に対しては十分でない、エアコンが無い、駐車場が狭い、公式試合が出来ていない」と言うことです。
大規模な体育館を作る場合、全国レベルの競技チームがある かないかで施設の利用目的が達成できるか否かが決まります。例えば沖縄アリーナ、1万人が収容可能で年間10億円の売り上げがあります。それは、実力のある世界的なバスケットチー ムがホームグラウンドとして使っていると言う現状があるからです。しかも今の時代の流れは建物建設で賑わいを期待する時代ではなくなりました。次回アジア大会名古屋は分散型で、水泳競技は東京、ホッケー、サッカーは岐阜で開かれ名古屋では新規の体育館建設はありません。名古屋城構内の体育館の建替えのみです。
新総合体育館建設に120億もの予算をかけて、年に1、2回ほどの大規模大会開催しか期待できません。市は採算を問わないと言っています。即ち、維持管理費を含め負の遺産となり膨大な費用は子どもたちの世代にのしかかって来ます。
建設に予算を使うなら、今問題となっている「飲み水」に予算を使うべきです。それとこれは別?いいえ、財布は一つ ですからね。僕は120億円 かけてでも、新しい水源を探すべきと 考えています。PFAS が含まれた水、問題のある水源に活性炭を通して給水するやり方は中途半端で持続可能ではない。まさしく負の遺産です。PFAS が基準値越えたのは行政の手落ちではないからこそ、口先だけで誤魔化してはいけないんです。数値は日本の基準に甘んじ てはいけない。本来ゼロであるはずだから。

 

 


vol.216  BOOK紹介


『学校バトルを真面目に楽しむ』

著:岡崎 勝

本書には気になるワードがいっぱい。「GIGAスクール構想」「教員の働き方改革」「学校のデジタル化」などなど。「育つ過程で欠くことのできない身体性はデジタル化された学校でどう保証されるのか。回り道や散歩の面白さを味わいながら試行錯誤することが『コスパが悪い』とされるなら、AIの最適化に社会を委ねることは『思考停止』と同じである」。長年、学校現場にいた著者の手厳しい内容には、うなずくことしきり。保護者にも、教師の方にも読んでほしい一冊。

 


『元気で行こう』

著:木田ひと美

バイク乗りなら一度は憧れる海外ツーリング。それは著者の「いいことないかな」のつぶやきから始まった。バイク歴数年で敢行したその気概に大いに触発される。資金、言葉、食、治安などなど幾多の不安も「元気で行こう!」の掛け声で走る!この元気の源は一体…。
読後、寒いなぁ、ガタガタ道は苦手、暑い!急勾配のヘアピンカーブは無理むり〜!なんて言ってられない…。痛快で勇気をもらえる一冊。


vol.216 プレゼントコーナー

216号PRESENTS

プレゼントご希望の方は
ハガキまたはe-mailで、下記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。

1.あなたが自然の恵みを感じる時は? 温暖化など、異変が多く報じられる昨今。それでもまだ自然界からいただいてるものも多いですね。あなたが感じる自然の恵って何ですか?
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望 を必ずお書きください)
※Aは編集室まで受け取りに来られる方。
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、 家族構成

ハガキまたはe-mailで、上記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
〆切:2023年11月25日、Bは11月10日
当日消印有効。
宛先 〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。


A.ゆりかごカレンダー2024  ゆりかご助産院様より…3名様

分かりやすい月の満ち欠け、月の出入りや満潮干潮の時間なども載って、自然とともに日々を送りたい方へおすすめのカレンダーです。見やすい日付の文字、書き込める余白など、実用性もバッチリ。かわいいゆりかご助産院さんのロゴがアクセント!にらめっこ編集室でお受け取りください。


B.やきものワールド2023招待券  やきものワールド実行委員会様より…ペア3組様

国内最大級の陶磁器イベントが今年もドルフィンズアリーナにやってくる!食卓を楽しくするアイテムが集まる、買えるブースが大集合。同時開催のふるさとご当地グルメ&地酒フェアと、盛りだくさんのイベントに今からワクワクが止まらない!!

11月17日(金)〜23日(木・祝) https://yakimonoworld.jp/

 


C.舞台劇「ギャング・エイジ」ご招待  NPO法人各務原子ども劇場様より…大人1名様

クラスの人気者だったエイジは
突然らんぼう者のレッテルを
貼られてしまう…。

「ぼくはギャングになる!」子どもたちの周りで現実に起こりうるシリアスな問題を、ユーモアや歌やブルースハープの演奏で軽快に前向きに描いています。詳細は下記インフォメーションを参照してくださいね。

<インフォメーション>12月16日(土)18:00-「ギャング・エイジ」各務原市産業文化センターあすかホール ※劇団風の子中部による主に小学生親子向き舞台劇。大人2300円(当日2800円)子ども1500円(当日2000円)問合せ申込み:各務原子ども劇場☎058-370-5893(月水金10時~16時)

 


D. CINEX映画招待券  CINEX様より…ペア3組様

事実は小説より奇なり。実話を映画化した作品に出会うことで、私たちは様々な事実に出会うことができます。そして、多くのことをそこから学べます。写真は「ロスト・キング 500年越しの運命」の一場面。柳ヶ瀬のCINEXでご利用いただけます。


vol.215 自然とつながる私たちの健康

 

前号は「スマホは脳に猛毒!?」なんていうちょっとドキッとするタイトルで特集しましたが、今回はその続き、となります。
にらめっこ174号(2016年11&12月号に「自然、足りてますか?」というタイトルで特集を組み「自然欠乏症候群」について掲載しました。
やる気起きない、不安になる、いらいらする、落ち込む、憂鬱になる、何をやっても楽しくない、体がだるい、重苦しい、辛い、眠れない、熟睡できない。気力や体力が追いつかない感覚。こんな不調を感じている人結構多いですよね。これらの症状が「自然の欠乏」からきているのではというのが今回の話です。

1.「健康」と「病気ではない」は違う

「健康」=「病気でない」「弱っていない」ということではなく、例え病気でなくても健康ということにはなりません。どこも悪くないのに、なぜか心も体も不調な状態は健康とは言えないですね。

2. 自然欠乏症とは自然不足が原因で出る症状

英語では「自然欠乏症候群」をNature Deficit Disorderと表現します。Natureは自然、Deficitは欠損や赤字、Disorderは障害です。
「自然欠乏症」とは
2005年リチャード・ループという著述家が「あなたの子どもには自然が足りない」という本で提唱した自然欠乏症という概念があります。昔の子どもたちは川で遊ぶ、野原で遊ぶなど外で遊ぶことが通常でした。しかし現代外で遊ぶ子どもはまれ。子どもたちは、家の中に閉じこもりテレビやゲーム、Youtubeに夢中で、自然から遠ざかった生活しています。この自然から遠ざかる環境や生活が子供の心と体に影響を与えているというものです。
〜 自然欠乏症候群の症状 〜
☆集中力がない。一つのことに集中できない
☆他人に対する気遣いができず、友達とうまく遊べない
☆落ち着きがなく、じっとしていられない
☆忍耐力がなく、かんしゃくを起こす

これは子どもだけの話ではなく、都会に住む大人の心や体にも影響を与えます。「最高の体調」に載っていたワシントン州のボブ・ムーアヘッド牧師の文章ともとても関連しているように感じます。

3. 現代人の不調 – 人間は自然から遠ざかるほど、病気に近づく

現代医学の父と呼ばれるヒポクラテスは、自然から離れるほど健康から遠ざかり、やがては病気になってしまうことを指摘したそうです。近代化が進み、テクノロジーが発展し、化学物質に囲まれる環境で暮らす都会人は、明らかに「自然」から遠ざかっています。自然から遠ざかることで、五感が鈍化し、注意力が散漫になり、脳の疲労を招いている可能性があります。
便利な環境に身を置き不便や不足を感じることはほとんどなく生活している。でも何か「足りない」と感じる感覚ありますよね。今ガーデニング、キャンプ、アウトドア、つり、山登りやトレランなど自然に触れる趣味が注目を浴びているのは、この何か物足りない感覚を埋めているのかもしれません。人の「自然に触れたい」という本能なんです。

4. バイオフィリア – 人は本能的に自然と のつながりをもとめている

バイオフィリアとは、生命や生き物や自然を表す「バイオ」と、愛好や趣味を表す「フィリア」を組み合わせた造語で「人は本能的に自然とのつながりをもとめている」という概念。人間は自然の中で進化し、自然に囲まれている時が一番くつろげる。自然は人にとって五感をフルに活動させることができる唯一の場所であると。その自然から離れると総合失調症、不安障害、気分障害を発症しやすいそうです。うつの代表的な症状である「体がだるい」「気力が湧かない」「眠れない」も自然欠乏症からきている可能性も考えられるそうです。

5. 自然欠乏症を防ぐには日々の意識が大切

「自然欠乏症のチェックリスト」
★日の出と日没を意識して生活している
★木材など自然素材の住宅に住んでいる
★静寂さや、自然の音などを感じやすい場所で活動している
★自然の香りを実感しやすい環境で活動している
★綿や麻、絹など自然素材の衣類をきていることが多い
★携帯電話やパソコンに接することが少ない
★長時間の自動車運転や電車通勤(通学)をしていない
★主に自然食を摂取し化学薬品は摂取していない
★飲料物は自然水や有機栽培などでつくられたものである
★電気毛布や電子レンジなど、電気製品は用いていない
★日常的に森林浴、日光浴などしている
★化学薬品を塗布または吸収していない
※このリストは、「何個チェックがついたら重度」と判定するのではなく、自然欠乏症候群にならないためには、どう暮らせば良いかを知るための手段としてください。

自然欠乏症を招くような生活。例えば、自然に触れる機会の減少、科学物資に囲まれた生活、自然のリズムを無視した夜型の生活を少しでも見直し、自然に触れる機会を意識的に作る、化学調味料を避ける、早寝早起きして太陽を浴びる生活をするでも変化させることができます。そうすれば、私たちが持っている自然治癒力が本来の力を取り戻すかもしれません。

6. 1ヶ月に5時間自然に触れる習慣を持つ

ストレス回復度では「気持ちが落ち着いている」「日々の仕事に熱意と意欲を持てている」「集中できている」など、活力度では「生き生きと活力に満ちている」、創造性では「新たなアイデアがいくつも浮かんだ」などの効果です。
1回30分程度を週2回、近所の公園や自然のある場所で過ごせば月に5時間になります。1ヶ月に1回海や山を訪れ自然の中で5時間過ごす選択もできます。5時間は最低ラインで10時間過ごせば更に効果が上がります。5時間を目安に自分に合った自然と触れ合うプランを作るのも良いですよね。

自分のためのMY RETREATを計画してみよう。
例えば、朝日を浴びること、平日公園に立ち寄ること、
休日に自分の好きな自然の場所を訪れること、
なんでも良いので自然とのつながりを生活に
取り入れてみませんか?

 

BE HERE NOWより

 

 


vol.215 ダムから川へつなぐ意味

「総貯水容量で日本最大の徳山ダムの水を、トンネルの導水路で約43キロメートル先の木曽川まで延々と流そうという計画である。愛知県・岐阜県・三重県を流れる木曽川・長良川・揖斐川は木曽川水系と呼ばれ、一体として水資源開発が行なわれてきた。だが水需要の減少と、長良川河口堰や徳山ダムなどの建設により、この地域は完全な水余り状態なのだ。そのため、この導水路建設は2009年から休眠状態だった。しかもその14年前に、導水路事業からの撤退を表明し、凍結へと追い込んだのは河村市長本人だった。」と語るのは、フォトジャーナリストの伊藤孝司さん。

 私が岐阜に移り住んで間もない頃、バイク(50cc)で岐阜市内の高島屋の前を走っていた時、路面電車(今は撤去された)のレールでスリップして転倒。しかも路面電車の真ん前で。多数の視線を感じながらバイクを起こし、とぼとぼ歩いて自宅へ帰る途中の金華橋で足がとまった。西の空の夕日と川面に映る夕日が、私のしょぼくれた心に直球で飛び込んできたのです。「なんてきれいな景色。なんて美しい川面。これが長良川。この美しい川を私は忘れない」と、胸に刻んだのでした。
それから間もなく、長良川河口堰建設の話が再浮上(1959年に河口堰計画が作られた)。1988年、天野礼子氏が、長良川河口堰建設の反対を始めた。本能的・直感的に私は反対運動に飛び込んだ。私の原風景である長良川を守りたい一心だった。「長良川ネットワーク」というA3二つ折りの情報紙の編集を担当。しかし、1995年に、河口堰運用が始まってしまった…。
 反対運動は熱を帯び、長良川DAYという全国規模のイベントで毎年多くの人と交流し、賛同を得たかに見えた。折しも政権は社会党が覇者となり、村山政権となった。これで完成された河口堰も閉めることはないだろうと皆が思っていた。だが1995年7月6日、当時の建設大臣の命で閉門された。その日大雨の中、私たちは河口堰を閉門させまいとゴムボートに乗って抗議をしていた。すると水資源開発機構の人から「ここは危険ですから立ち退いてください」と言われ、「この堰は安全じゃないのか」という応酬も徒労に終わり無念を胸にボートを降りた。この運動は「公共事業の見直し」を成果とし、今は「河口堰開門」に向けて運動は続いている。

「長良川河口堰は、工業用水の水源確保を最大の目的に建設された施設ですが、未だ一滴の水も工業用水に使われていません。使われているのは僅か16%で水道水として使われていますが、住民からは「まずい!元の水源に戻してほしい」と声が上がっています。海と川を分断した河口堰の下流側には約2mのヘドロ層が堆積し、日本でも有数のシジミ漁は大きなダメージを受けました。堰き止められた上流側は、潮の干満がなくなり、水面は上がったままとなりました。長良川下流域生物相調査団の報告書によると、広大なヨシ原は水没し90%が消滅。そこに生息していたオオヨシキリは1/4程度に減少し、多くの生き物の棲みかがなくなりました。」と長良川市民学習会 武藤 仁さん。

武藤さんが事務局長を務める、長良川の環境改善を目指す市民団体などでつくる「よみがえれ長良川実行委員会」による 討論集会「長良川に徳山ダムの水はいらない」が2023年6月11日、長良川国際会議場で開かれたので即駆けつけた。

基調講演で岐阜大学教授・向井貴彦氏。「清流・長良川のためには何が必要なのか?」がテーマ。以下概要。

揖斐川・長良川・木曽川の自然は同じなのか?
木曽三川は、揖斐川・長良川・木曽川。濃尾平野を流れる下流域はかつて網目状につながっていたことから、一つの水系として考えられがち。行政的にも「木曽川水系」としてまとめられている。木曽三川は地質的にも岐阜県東部の木曽川水系(飛騨川含む)と西部の揖斐川・長良川は異なっている。木曽川は渓谷が発達し、多数のダムが建設されてきた。長良川は、両岸が開けておりダム建設には不向き。

木曽川水系連絡導水路は「環境」をよくするのか?
この導水路事業は、長良川と木曽川の渇水時に徳山ダムに貯留された水を導水して環境を維持するためとしている。遺伝的に異なる魚類などが混ざると遺伝的撹乱と呼ばれる自然破壊となる。そうなれば生物多様性の保全という観点から明確にマイナス。予防原則的には水系間での生物の移動を生じさせることはしないでほしい。特に外来種は繁殖力が強い。揖斐川ではコクチバスがものすごい勢いで繁殖していて、鮎が危ない。導水路で徳山ダムの水を利用するというのは、水質的にはNGです。最大の懸念は徳山ダムで毎年生じる淡水赤潮、アオコ。特に、長良川や木曽川が渇水となるような場合に、徳山ダム湖のアオコがどうなるかは大きく懸念される。

様々な長良川の環境問題として

「現在、世界的には『30by30』という目標が掲げられている。30by30(サーティ・バイ・サーティ)とは、2030年までに陸・海それぞれ30%以上の面積を健全な生態系として効果的に保全しようというもの。これは、効果的に自然の劣化を防ぐには、まずは自然が適切に保全されている場所を一定面積以上、維持することが必要だという考え方に基づいています。
長良川河口堰は、堰を解放すれば自然環境への問題は解決する。それに対して、揖斐川や木曽川のダムは恒久的な構造として建設されており、河口堰の解放のようにはいかない。清流・長良川は、様々な事業で自然を失いつつあるが、木曽三川の中では最も回復できるポテンシャルがある。
こうした状況において、自然環境を劣化させる事業をさらに積み上げるのか、30by30を目標とする時代において自然環境を回復させる方向に舵を切るのか。世界に誇れる清流長良川へと蘇らせてほしいと願わずにいられない。」と結んだ。

私が住む市では、既存の体育館が「大規模のスポーツ大会ができない」、「駐車場に限界がある」などの理由で、こともあろうか湿地帯(農地)に新総合体育館を建設しようとしている。その湿地帯には、新丸山ダム建設時に出る残土を充てがうという。さらに特別支援学校が新設される。市庁舎も完成に向け工事真っ只中。(業務は新庁舎で行われている。残すは駐車場だ)巨大公共事業は巨大な金が動く。全て税金だ。この負の遺産を次世代につないでしまうことになる。そんな「つながり」は責任ある大人たちが断ち切らなければ。
 木曽川水系連絡導水路事業も巨大な税金が使われる。6月11日の討論集会には約100人が参加(主催者発表)。・声を上げること・ムーブメントを起こすこと・事実を知ること。この3つはとても重要なこと。人任せにせず自ら発信者になること。この討論会に参加して改めて思いました。

 


vol.215 水道水にPFAS?有機フッ素?

 各務原の水(かかみがはらの水)の源は、木曽川の水でも池の水でもなく、地下40mの深層からくみ上げた「100%地下深層水」水脈である地下の帯水層は豊かな水量に恵まれ、地下水は、東から西へ1日に約1mの速さで、常に流れ続けています。地下水がよどみなく流れる帯水層は、まさに「地下の川」なのです。 ●地下水はミネラルの宝庫 各務原台地は、350万年前から形成されてきたミネラル豊富な何層もの地層から成り立っています。雨水などが、この地層を浸透する過程で少しづつ磨かれ、ミネラルたっぷりの「かかみがはらの水」となっていきます。鏡水産HPより(各務原市鵜沼朝日町)

そんな地下水にびっくりするニュースが・・・

各務原市に移り住んで30数年経ちます。各務原市は地下水を汲み上げているので水はおいしいと定評がありました。実は以前住んでいた愛知県半田市も水には定評がありました。しかし、長良川河口堰建設のあおりを受け、取水が愛知用水から河口堰に変わって、味が激変し、多くの家庭が浄水器を取り付けたとのこと。実家に帰ると水道水のまずいこと!塩素臭が半端ない!沸騰させて塩素を抜くか、(水道水の塩素は熱に弱いため、煮沸によって除去することができる。ただし、その場合は沸騰してから「さらに15分以上」沸騰し続けることが大切。なぜなら、水道水には消毒処理の過程で発がん性があるとされる「トリハロメタン」が含まれている場合があり、水道水を沸騰させることでその量は2〜3倍に増え、沸騰直後には最もその濃度が濃くなるから。水道水が沸騰してからさらに15分ほど沸騰し続ければ、ピークを超え水分中のトリハロメタンを除去することができる。なお、気化したトリハロメタンを空中に逃がすため、やかんのフタは開けたままにしておくことが重要)それか、溜めて一晩くらい置いて塩素抜きをしないと使えなかった。(み)

そもそもPFAS PFOSって何?
PFASとは、人工的に作られた有機フッ素化合物の総称です。種類は4,700以上といわれています。水や油をはじく効果があり、熱にも強いことから半導体や包装紙、防水服など身近な製品に使われ私たちの暮らしを支えています。ただ、一部は分解されにくく、体に蓄積されるため、人への有害性が指摘されるものもあります。現在、こちらの3つの化学物質が国際条約で製造・使用禁止となっています。環境省が、これらの物質について調べたところ、西日本から東日本に及ぶ各地の河川や地下水から国の値を超える場所が次々と見つかり、その地点は139に上っています。一体何が起きているのか。各務原市もその一つだった。

2009年以降、国際条約でPFOSなどは規制対象になり、日本でも原則として新たに製造・使用はされなくなりました。
「永遠の化学物質」と呼ばれるほど分解しにくい性質があり、過去に環境中に出てしまったものも長く土壌や地下水の中に残り続け、全国各地で高濃度のPFASが検出されています。

各務原市の対応
各務原市民への説明について
・まずは全力で、浄化作業。市職員にも限界があるので、各地域での説明会は考えていない。
・有機フッ素化合物(PFOS A)の面的広がりを調査するため、市内全域に設けた 95箇所の水質観測井戸の水質調査を行う。

・対象となった水源地の配水区域にある市内の市内の保育所、幼稚園、小・中・特別支援学校等の一部の給水栓に浄水器を設置する。設置予定時期/8月21日〜25日に順次設置する予定
(8月8日市議会議員宛書面より抜粋)

・市民説明会は職員の人出が足らないので考えてはいない。
・血液検査をしても原因が特定できないので行わない。
(各務原市議会 全員協議会)

今後の対策について
・令和4年9月から令和5年2月にかけ基本構想策定
・令和5年5月から基本計画実施
・活性炭による除去対策決定。
沖縄で高い実績。8月~実証実験。効果確認次第、早急 に本格稼働。12月までに浄化目指す
・三井水源地に除去施設をつくる。

R2年になぜ公表しなかったのか
令和2年の時点では、水質検査は任意であり、水質は急激に悪化するものではないという認識でいた。令和4年4月19日の検査結果を、22日に報告を受け、副市長が浅野市長に報告。
市長の判断:水の浄化が第一、原因究明に努める指示。市民の公表の考えなし。

唐突に判明するより、対策を練ったと同時に発表した方が市民に不安を与えないと判断したと説明。


vol.215 ぎむきょールーム 「外遊び」が子どもにとって大切な10の理由

1. 太陽光を浴びられるから!

太陽光は子どもの健康的な成長を促す上でとても重要です。人の体は太陽光、その中でも特に紫外線を浴びることによって、体内のビタミンDの生成がされます。このビタミンD、私たちが健康的な生活をする上でびっくりする程沢山の手助けをしてくれてます。骨の成長、免疫力の向上、感情のコントロール、しっかりとした睡眠… 子どもたちは風邪をひきにくくなり、肺などの臓器も強化され、体力がぐーんとアップ!

 

2.遊びの中で工夫が生まれる

子どもたちは大人の制限のない「外遊び」という小さな社会の中で、自分たちの遊びを作ったり、問題を解決したりして行くプロセスの中で管理能力を身に付けることが出来ます!これらのスキルは元から子どもたちが持っているものではなく、経験や練習を積むことで徐々に発達していくものなのです。

 

3.学ぶきっかけがいっぱい

例えば、「木を登る」という行為をとって見てください。木を掴んだ時の感触や、落ちた時の痛さ、登って行った時にだけ見える最高の景色、そしてそこで出会う今まで見たことのない虫たち…「危ないからダメ」の一言は、子どもたちがこれら全てのことを学ぶチャンスを奪ってしまうのです。

 

4.協調・共同性が身につく

外遊びの大きな魅力の一つは大人数で遊ぶこと。鬼ごっこやかくれんぼ、缶蹴りや陣地取り….子どもたちは友達とこのような外遊びをすることを通して “ルール” の概念を学んでいきます。人の意見を聴く力、自分の意見を口にする力…沢山のことを教えてくれる場でもあります!

 

5. 想像力・発想力が豊かになる

外の自然の中には五感で感じられる不思議なものがたーくさん。子どもにとっては様々な想像を掻き立てるワクワクする出会いとの連続です!これらの自然との出会いから、子どもたちは自分の道具を作ったり、ごっこ遊びをしたり、壮大なお話を考えついたりします。昔から愛されている小説「赤毛のアン」の主人公であるアンも、雄大な自然に囲まれて想像の翼を広げていきましたよね!
外遊びは室内にいるだけでは活性化されない脳の一部を刺激し、子どもたちの想像力や発想力を豊かにしていってくれるのです。

 

6.自然への興味が生まれる

雪の上を歩くとどのような感触がしてどのような音がするのか?植物はどうやって成長するのか?土を触るとなんで暖かいのか?どうやってちょうちょうは飛び方を覚えるのか?外で遊んで、自然に触れていると、子どもたちには様々な疑問が浮かんできます。そして自然の世界は、子どもたちがその動きや変換を観察することでしっかりと疑問に答えてくれます。

 

7.開放感から集中力が高まる

外遊びは子どもの集中力を高める効果があることでも知られています。自然は子どもたちが自然の時間の流れに沿って物事を観察するスペースを与えてくれるため、子どもたちは自分たちが疑問に思ったことに真っ直ぐに集中する事ができます。外の自然環境は子どもたちの日頃の生活からの逃避場所としての役目を果たすことによって、彼らのストレス軽減に大きく役立っているんだとか。
こんなにメリットが一杯だなんて、やっぱり自然は偉大ですね!

 

8. 自分自身への理解が深まる

ブランコをどれくらい高く漕げるか。どれくらいの高さまで木を登れるか。砂の上で転げ回るのはどんな感触なのか。このような体験を通して、子どもたちは自分の限界を試していくことで、自らの身体的・精神的な能力を認知できるようになります。自分の身体の限界は試してみないと分からないし、何かが出来た時・出来なかった時の悔しさや喜びや痛みの感情は経験してみないと子どもたちは学べません。

 

9. エネルギーの発散に役立つ

アメリカの教育現場では、子どもたちは体を動かさない勉強などのアクティビティに長時間専念していると、身体の中に発散しなければならないエネルギーが溜まっていくという考え方がよくされているようです。このように子どもたちの身体の中に蓄積されたエネルギーは外遊びを通して健康的に放出出来るんです。例えて言うならば、机に向かって使い切っちゃった電池を、外で遊ぶことでリチャージするというイメージ!外で十分遊んで身体の充電を終えた子どもたちは、また勉強などに集中して取り組む準備が出来ます。

 

10. 夜、ぐっすりと眠れる

外遊びはそんなお子さんたちの規則正しい睡眠を促すのにも一役買ってくれるんです!
これは、外遊びをすることによって生成が促されるメラトニンというホルモンに深く関係しています。人の身体は、日中に日の光を浴びると夜中にメラトニンが作られるようになっており、それが分泌されることによって眠気が誘発されます。このメラトニンは自律神経を整える役割も果たしてくれており、しっかりとした生活リズムを刻む上で大変重要な役割を果たしてくれるんです!

piyground hope より


vol.215 しょうがいをみつめる vol.8

磁 足
世の中には垂直に立った“モノ”は目に見える範囲で無数に立っている。家の中では壁や建物そのもの。一歩外に出てみれば建物だけではなく標識、看板などありとあらゆる“モノ”が垂直方向に向かって施されている。小さいものだと縁石や車止めは低いけれども壁を形成している。

そんな垂直に立って平面を遮断するあらゆる壁たちが磁気のようなものを発していて、歩いていると足がそれにくっついてどうしても離れないということがあるだろうか?

長男は歩き出しのタイミングで壁などに足の側面を当てながら進む。家の中であれば壁に足をドン、ドンと当てながらその通りの幅を確かめるように進む。スーパーの駐車場に車を停めた時などは、隣の車のタイヤに足の側面を当てたりするので、“させないように”ヒヤヒヤしながら進んだものだ。

時にはその壁面に足が磁石のようにくっついてしまうようで、どれだけ彼の手や身体を引いてもその足は一定時間を経過するまで離れない。自分の意思で離さないようにしているという見方が“常識”ではあると思うのだが、本人の少し困ったような表情や私たちに引っ張られて身体が前のめりになっても、大股で股が裂けそうになっていても、くっついた彼の片足は離れてくれないように見えた。

行動に障がいがあるというチンケな言葉で簡単に隅に追いやられる彼らの見せる“非常識”は、私たちの持っている“常識”というものをいとも簡単に揺さぶってくる。揺さぶられてもなお、自分の“常識内”で理解しようとしてしまう自分はよく出没した。時折り自分の常識を揺さぶってくれる長男の存在は、私自身が自分の“常識”という檻の中で生きて窮屈にしているんだなと感じさせてくれた。しかし、人はまた自分の居心地の良い檻の中に戻っていく。そんなことを繰り返し感じていくのが生きていくということなのかもしれない。

ほんの些細な「足が壁にくっついてしまう」という彼の日常は、彼にとっては常識的で窮屈なことだったのかもしれない。だって、足が壁にくっついて離れないのだから。

常識、非常識で分けて見ているから私たちの目に留まりやすい行為であって、全ての人は何かにこだわったり、ついついしちゃうことに困ったり、やめようとしたり、ワクワクしたりもしながら生きている。見えないように隠しながら、折り合いをつけながら。それが人の営みのようにも感じる。人々をあえて混ぜることもなく、共に居させることでもなく、意識せずに違いが「在る」ということを確認し合えば、自分たちが閉じこもっている“常識”という檻の隙間は広くなって、もっと出入りしやすくなるような気がする。

呼吸など自然に委ねていることから始まり、何でもない動きや情動であっても、ひとつひとつが生きているということ、「表現」と呼ばれるものだろうと思う。たまたま絵に描いたら“アート”と呼ばれる表現のひとつとなるのだろうが、「足が壁にくっついてしまう」のも「彼が生きていてこそ」であって、それは彼の紛れもない「表現」であった。

常識や非常識という区別を無意識的にしている自分を見出すことができれば、世の中は混ぜなくとも既に渾沌としており、それはバランスよく個々の「表現」という形をとりながら調和していくような気がしている。

※渾沌=荘子によると、物事の区別がなく人の手が加えられていない未分化な状態で、無為自然のことを意味している。


MASA:若者をはじめ、障がい者も一緒になって、ごちゃまぜイノベーションを目指している。知的障がいのある息子は享年24歳で2021年2月27日に旅立った。関市在住。


vol.215 やってみた 小栗 秀子さん

やってみたシリーズ第18弾 木版画
イメージが湧いてくる、その瞬間が好き!
小栗 秀子さん(70代)

小学校の時、授業で木版画があって、江ノ島(行ったこともないのに)をなんかで見て、それを題材に版画を作ったんです。それが校内に張り出されて…がきっかけかな?とにかく図画工作の授業が面白くて、その時間がもう楽しくって。それと中学の時、美術の先生に褒められたのも大きかったかなぁ。そんな記憶が社会人になってから呼び覚まされたって感じかな。
働き始めた会社では山岳部に所属しましたが、そこにいたTさんに、「美術部もあるよ」と誘われて両方に所属。スケッチ旅行とかしてました。
退社後、街で偶然Tさんに出会って、近況報告。 岩田覚太郎先生(風景や動植物を、自然な親しみ易い画風で表現した木版画家・1902-1999)の弟子であるTさんと、覚太郎先生が主宰されていた淡虹会の版画展を観に行きました。それを見たら自分もやりたい!と思ったんです。それからTさんのところに通って木版画を始めたら、版画の持つ世界観に魅了されてしまいました。

木版画
まずデザインを考えます。題材はふと思いつくことがほとんど。彫るのが一番大変で、まさに体力勝負です。版木に版分け(色分け)して彫るんですが、イメージを常に思い浮かべて彫り分けないといけなくて頭がくらっとしてくるの。でも面白い!この作業はほんと脳トレになりますね。
木版画の工程で「彫り」はいつでも休憩できるけど、「刷り」は途中でやめられません。絵の具を多めに作ってそれを使い切らないとね。途中で足らなくなって絵の具を足すと色が変わっちゃうし。後からもう一枚刷りたいと思っても、それはできないの。もちろんバレンで刷るんだけど、見当合わせに苦労するし、面積が広いと大変。だから1枚か2枚くらいしか刷れないんです。
江戸木版画は、「絵師」「彫師」「摺師」と分業ですが、私は一人でやるしかない。まず、イメージ画を書いて、どういう版画にしようか下絵を描きます。一旦分解して色分けを考えながら彫る。版別に着色して刷る。がんばって刷って2〜3枚かな。最初から最後まで一人でやらないといけないから、やっぱしんどいね。しんどいけど楽しい。
油絵をやっていた時より大変だけど楽しいですね。何が楽しいかって?だんだんと積み重ねていくところかな。それと油絵は描いたら終わり。でも1点もので世界に一枚しかない。だけど、修正は可能。一方版画は何枚も刷れるイメージがあるけど、私の場合は2〜3枚が限界。それでも、一枚一枚風合いが違うので、やっぱり1点ものといっていいのかもね。木版画は、体力と視力が必要だとつくづく思いますね。
3年前に「ワルツ」を町民展に出した時、観てくれた人から「色がいいね」と言われました。Tさんから色彩感覚を学んだことで色の使い方が変わってきた。初期の作品と色使いが全く違うことに、自分でも驚いています。

シルクスクリーン
この作品は「マーシーストリート」(ハービー・ハンコック)っていう曲を聴きながらイメージを膨らませてデザインした4色刷りです。シルクは木版に比べ刷りが楽ですね。配色を変えたり、紙を変えたりできるところも面白い。何枚も印刷できるから、クリスマスカードや年賀状を作っていました。このてんとう虫は私のお気に入りの一枚です。


vol.215 人生これから ここが知りたい認知症のこと&藍染め体験会

家族が気づく初期症状
・ 同じことを何回も行ったり聞いたりする
・ 料理など家事の手順がわからなくなる
・ 料理の途中で別の事が気になり今やって  いることを忘れる
・ 時間、日時、場所がわからなくなる
・ 物の名前が出てこない
・ 薬の管理ができなくなる
・ 物事の関心や興味がなくなる
・ 水道やガス戦の閉め忘れが多くなる
・ テレビや新聞などの内容が理解できない
発病の要因(喪失体験が誘因になる)
・ 子どもの独立
・ 退職した
・ 配偶者や知人が死亡して寂しい
・ 嫌な事があった
・ あてにされなくなった
・ 寂しくて頭を使わなくなった
        当日の資料より

参加者の感想

・明日は我が身?みじかな人が心配、夫が認知になったら…「備えあれば憂なし」の気構えで参加しました。
・本を買って勉強したんだけど内容はハード面(お金の問題とか、後見人制度とか)今日は実例をたくさん聞く事ができてとても参考になりました。
・ 義母を施設に入れたくなくて私がみています。「財布を盗られた!」と何度警察を呼びつけたことか。犯人は息子(私の夫)と決めつけるんですね。でも、私の友人たちが「あなたはすごいよ、よくやってる」「あなたの心意気に感激」とか褒めてくれるので、続いているかな。
・ 知人のご夫妻について。奥様が認知症になり、ご主人が介護をされていますが、共倒れにならないか心配。デイサービスなどを利用されたら?と提案しても「今まで本当によくやってくれたから俺がみる」ときっぱり。でも、疲弊しているのは明らかで…。今日はみなさんにいろんなご意見をいただき参考になりました。
・食べ物がとっても大事だということを再認識しています。直接の要因ではなくても、できるだけ薬に頼らない生活をするにはやはり食べ物から。魚や野菜、大豆製品、海藻などを使う和食(いわゆる伝統食)がいいと思う。

最後に認知症予防ゲームをやってみました。
右手と左手は一つづつずらしてカウント。


 藍染めの体験会は、初めての人ばかり。説明書を読みながら、あーでもない、こーでもないとなんとか原液を作る。ぶくぶくしてくるはずだよね、と待つ間に、模様作り。絞ったり、板を挟んだり、輪ゴムや糸でおしゃべりしながら絞り染めに。模様は乾いてから解きほぐす。だんだんわかってくると、いろんなアイデアが出始める。
右下の写真は畳一枚ぶんはある布。テーブルクロスにどお?色といい模様といいなかなかグッド!模様をイメージしてたわけではないけど、偶然の模様が面白い!そして色もちょうどいい。原液が元気なうちは色濃く染まり、Tシャツ15枚、という能書きを無視して、あれもこれも染めたくなって、シーツを染めてみた。原液のキャパオーバーになるとだんだん薄くなっていく。それもまた良し。手袋してたけど、みんなの手は真っ青に!

 


vol.215 熱中人 円通寺住職 岡田 英賢さん

 

 

 

 

たった一つのルールは「ひとりにしない」こと。
誰かといっしょは、ご飯がおいしいからね。
今日は誰と食べる?

円通寺 住職・岡田 英賢さん

居場所としての子ども食堂
例えばおかあさんが仕事していて子どもさんが帰ると、一人だけ、という家庭があったりとか、私はそう状況を分かったりする立場にあったので、「じゃ、ここにおいでよ、晩ご飯食べていく?」となって…。それがいわゆる子ども食堂の始まりかな。週に2回、火曜日と木曜日。毎回20から30人ほどのお子さんがきます。子ども食堂は貧困をイメージしがちですが、貧困だけではない。一番気になるのは孤食です。一人じゃないよっていうのを伝えたい。
坐禅の時に、呼吸を意識してねっていうんです。吐き切らないと吸えないから最後まで吐き切って、それから吸う。普段の呼吸ってあまり意識しないですよね。空気も水も大事。それらが「ある」前提で暮らしています。当たり前すぎて意識しないという側面があります。人との繋がりもそうなんですよね。

友心庵
心を通わせる場所。ここは「ひとりぼっちを作らない」というルールがあります。30人くらい定期的に来る子たちがいますので、大量生産できるキッチンを整備しました。
和尚さんが作ったカレーをちょっと味見してよと、そんな雰囲気。受け皿というか、本当に困っている人のサポートになればいいかなと。ゼロ円カレーをやるためにここを作ったようなもの。一昨日もここで高山ラーメンを80食くらい作りました。

子どもの頃の記憶
例えば今の10歳の子が、20年もすると30歳になる。もしかすると自分の子どもがいて、その子に、小学校の時にお寺で勉強してね、と話すかもしれない。だから目いっぱい楽しいことを経験して欲しい。

大人の本気
大人も本気でないと。私はここでラーメン作ります。実は子ども達の間では、和尚さんのラーメン世界一だといって楽しみにしているんです。それは大人の意地ではなく本気なんです。大人の本気は一番伝わりますよね。
ダメなことは目いっぱい怒ります。それは、相手を傷つけることとか、人を馬鹿にしたりとか、無意識のうちに傷つけてしまうこと。悲しんだり一人ぽっちになった人を出した時は連帯責任です。ということは、傍観者になるなってことです。大人でも同じですよ、見て見ぬ振りとかね。それもダメだよって。
病気した時に健康のありがたさがわかるように、ピンチになった時に、周りに誰もいないっていうのがいちばんきついんじゃないかと思うんです。ピンチになったら、必ず誰かが助けてくれる。だから、傍観者ではいけないんです。それがいちばんそれが大事なことのような気がしています。
マザーテレサさんが「『愛』という言葉の反対の言葉って何?『無関心』て言いました。もっとね、いろんなことに関心を持ってということなんですね。

幸せって、なんですか?
先日、車いすのダンスチームの舞台を見に行ったんです。いろんなグループで小学生から大人の方までが曲に合わせて踊ります。車椅子を押しているお母さんも笑いながら、本人も声だして笑いながら、発表するというか。みんなとってもいい笑顔なんだよね。団体の代表の方が、「練習で集まる時は、嫌なことがあっても、残した問題がそのままであっても、『笑顔』でいようねって言うんです。そして、笑顔でいること、それを積み重ねることで、幸せになるんですよね」って。本当にそう思います。
宗教の根っこの部分はね、みんなが「しあわせだな」って思えることじゃないですか。

フードバンク物流センターには、あらゆる企業や個人から食品の寄付がある。それを丁寧に仕分けし冷蔵保管する。7月29日に開催された「フードドライブ」では、高校生が「こめっこカフェ」を開催したり、寄付をされた方にかき氷をプレゼントしたりと、大にぎわいの1日となりました。(円通寺・関市小屋名)

共感を得ること
もう一軒のお寺・観修寺の管理が難しくなり、ご本尊様とお墓を移築をして、解体する話に。近隣の方に迷惑かけてもいけないので、まず綺麗にすることから始めた。それが6〜7年前。コツコツやっているうちに、「和尚さん、なにやってるの?」って声をかけられ、一人二人と手伝っていただける方が増えてきて、みんなで片付けをするようになりました。
自ら汗をながしてやっているところに人が来て、人と人が繋がって、だんだんと大きくなっていきます。我々は知らないだけで、人は皆いろんな悩みや問題を抱えている。それは誰でもあるので、もっともっと人が関われるような場所を作っていきたいというか。それが今のいちょう庵。いろんな人の受け皿になることができればいいなと思って。
ここを頼ってくれる人がいたりとか、そういう人たちがいることで、この建物自体の価値が出るんですね。


vol.215 夢か悪夢かリニアが通る!vol.44

 リニア中央新幹線の工事実施計画の認可取り消しを求め、沿線住民らが国を相手取り7年前の2016年5月に起こした行政訴訟「ストップ・リニア!訴訟」の判決が7月18日、言い渡されました。連休明けのこの日、東京地裁入り口にあるX線手荷物検査機が故障するトラブルが発生し、係員が手荷物を一つ一つ確認。東京都心で最高気温が37.5度を記録する中、傍聴人には高齢者が多いのにも関わらず長時間待たされる羽目に。この影響を受け、午後2時開廷の裁判は傍聴人がすべて席に着くのを待ち、約15分遅れてスタートしました。                                                                                                                                井澤宏明・ジャーナリスト

 

 

住民の声、司法に届かず

「不当判決」の旗を掲げる(左から)橋本良仁・原告団事務局長、原告の天野捷一・リニア新幹線沿線住民ネットワーク共同代表、半田虎生弁護士

「請求を棄却」
判決は、口頭弁論終結後に異動した市原義孝裁判長に代わり、篠田賢治裁判長が代読。篠田裁判長は小声で主文を読み上げ、「いずれも棄却する」という言葉が辛うじて聞き取れるだけ。
「聞こえません」「ナンセンス」「不当判決」と傍聴席から怒号が飛び交う中、3人の裁判官はそそくさと逃げ帰るかのように退廷しました。その間、1分足らず。
主文は「原告らの請求をいずれも棄却する」というものでした。判決文は700ページにも及びましたが、原告団や弁護団は直後に出した「声明」で「本判決は、国及びJR東海の主張を丸写しにしたものであり、現実に生じている(山梨)実験線での環境被害を無視したもので、責任ある判断を放棄したに過ぎない」と痛烈に批判しました。
どのような内容なのでしょうか。争点の一つ、環境影響評価を例にとってみましょう。原告側は、JR東海の環境影響評価は、トンネル掘削により発生する残土の置き場を十分に確保しなかったり、駅や車両基地などどんな鉄道施設を造る計画なのかを明らかにしなかったりしたまま行われた杜撰(ずさん)なもので、そのような環境影響評価に基づいた工事実施計画を国が認可したのは環境影響評価法違反だ、などと主張しました。
これに対して判決は、残土(発生土)置き場を十分確保しなかったことを容認する判断を以下のように示しました。「環境影響評価の手続上、原告らの主張するような発生土置き場の位置等を具体的に特定すべきとする法的な根拠までは見当たらない」「環境影響評価の手続は、事業の内容が順次具体化していく過程で、事業特性等を踏まえつつ実施されるものであって、必ずしも(環境影響)評価書の作成時にあらゆる事項が具体的に特定されていることまでは求められていないものと解される」「最終的に、発生土置き場等を必要とする量等を確定することが困難であったことなどから、本件評価書の作成時に、全ての計画を具体化することまではできず、事後調査を検討すべき状況にあった」

「杜撰アセス」を容認

どんな鉄道施設を造るかを明らかにしなかったことについても、判決は以下のように容認しています。「原告らの主張するように、鉄道施設の形状等を具体的に特定するよう求めることは、建設線の建設の事業を実施しようとする事業者に実行可能な範囲を超えて困難を強いるものにほかならない」
そのうえで判決は、「評価書の記載事項等を精査しても、国交大臣の判断が重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないし、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとは認められない」と国土交通大臣の「裁量」を広く認め、原告の主張を退けました。
記者会見で原告団長の川村晃生・慶應義塾大学名誉教授は「我々が7年にわたって住民被害や環境への影響、安全性の問題など、鉄道事業が持っている根源的な問題を投げかけてきたのにも関わらず、裁判官が全く汲み取らなかった点に不満、憤りを感じる」と悔しさをにじませました。
国会内で開かれた報告集会では、行政法や環境法が専門の礒野弥生・東京経済大学名誉教授が「環境アセスメント(環境影響評価)をどう評価するかについて裁判所は全体的に消極的だが、(今回の判決は)ひど過ぎる、最悪だなと思った。この判決をこのままにさせておいたら、次の裁判、他の事項にとってもすごく問題だ」と、東京・神宮外苑の再開発問題を例に挙げて警鐘を鳴らしました。
原告側は7月28日、東京地裁判決を不服として東京高裁に控訴しました。


vol.215 ボーダーレス社会をめざしてvol.74

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

違う世界

6月に大阪にいる娘の所に行きました。娘婿が出張で5日間いないので助けてほしいと。娘は小学校の先生をしていて、大忙しのようでした。子どもが3人いて、2歳の子がまだまだ手がかかります。コロナが収まったようなので2年ぶりに、電車を使い出かけました。
大阪はやはり人が多いです。都会は違うなと再確認しました。娘の家に着いてからは、食事の用意・子どもたちの宿題を見る・習字を一緒にする・トランプやカードで遊ぶなど普段できないことをたくさんしてきました。子どもたちを相手にしていると少々若返ったような気がします。3人の子どもは、我が家の障がいのある息子とは違い、手がかかりません。泣いてもすぐ元に戻ってくれます。小学6年生ともなると大人です。何の手もかかりません。可愛いばかりです。障がいのある人は、ひとつこじれたらなかなか元には戻れません。本当にこだわりがないって楽だなと思います。障がいのある子どもがいない生活ってこういうものなんだなとつくづく感心してしまいました。
こんな平和な生活をしている人が、世の中のほとんどなのかなとその時は考えてしまいました。(実際は、貧困家庭が多くなってきていて大変な世の中になっているようですが。)そしてこのような生活をしている人に、障がいがある人を理解してほしいと訴えても無理なんじゃないかなとも思ってしまいました。娘は道徳の本を見せてくれて、障がいのある人の事も勉強するよと言ってくれましたが、身近に障がいのある人がいない場合、そのような人の事を子どもたちは想像できるのでしょうか?私はどうしたら、障がいを理解してもらえるのか?考えてしまいました。息子からの何度も繰り返されるメール・電話で、あ~我が家には障がい者がいたのだったと我に返る5日間でもありました。
人が10人いれば10人が違った生活をしています。娘たちの生活が普通であるとすれば、それとは、かけ離れた生活をしてきました。全く違う世界で私は生きてきたのだなと、フッと思いました。きっと価値観も何かにつけての基準も違うのだと思います。娘が中学を卒業した時、すごく嬉しかったのを思い出します。義務教育が終え、まずは親としてすることはした。後は好きに生きてちょうだいと思いました。高校で少し不登校になりかけた時も、学校を辞めればいいんじゃないと言いました。ハードルが滅茶苦茶低いのです。精神を患うくらいなら学歴なんか関係ないと思ってしまいます。
まず楽しく生きることが一番です。生きていかなくちゃいけないのです。学歴なんか無縁の所で生きている障がいのある人たちを見てきている私には、誰もが、今そこにいるということが一番なのです。人と比べてみても仕方ないことは明白です。自分は自分。好きなことがあればそれで 。障がいがあっても息子のように好きなことがある人は、とても幸せそうです。障がいのある人と接していると、人としての原点に時々戻れます。これは幸せなことだったのかもしれません。
娘が「言われた事をすぐやらない」と6年生の を叱っているのを見ても、そのうちやるのにと内心思い、助け舟を出します。「何でそんなことで叱るの。ちっともいう事をきかなくても私は 君の事、大好きやわ」と言うと は照れて「孫は可愛いいって言うからな」と満面の笑みです。「味方が一人いて良かったね」と娘も笑うしかなく、場は和やかになりました。ひょっとしたらハードルが低いのって、皆が笑顔になれるのかもしれません。


vol.215 モザンビークからレポートvol.9


価値観の違いはどこから?

Makuma tani ( テテ州のNhemgua 語;元気ですか?朝のあいさつ)!
テテ州の出張で新たな生活に関する発見がありました。日本人は、備えて蓄える、働くという感覚がそもそも備わっているように思いますが、モザンビーク人は今、以外は何も見ていない、考えていない。とでも言える行動が多いです。そんな中で農村での計画性も垣間見て、貧困についても考えるきっかけとなりました。

「節約方法を学んでお金が貯まるようになった。とても興味深かった。ただ、隣の子どもが病院に行く、学校の用意が必要…結局自分の家族より困っていることは起こるから自分のために使えるお金はなくなる。」これは、ナンプラ州のコミュニティでプロジェクトについての感想を伺ったときのこと。家族の範囲の感覚が広い、助け合うことが前提で生きているというべきか、自分が明日必要なお金は気にしていないというべきか・・・

お金が貯まらない理由は人を助けているからだけではありません。友達にパンのおつかいを頼んだら、勝手におつりを使い切り、ジュース(こっちでは結構高級)も買ってきて、「おつりに自分が少しお金を足したら、ジュースをプレゼントできることに気づいた。きっと喜ぶと思ったから」と。単なる欲でジュースを買ってきたと思った私としては、「泥棒と一緒じゃないか!?」くらいの勢いで腹を立てたけれど、逆に相手としても、せっかく朝ごはんをより楽しもうと思って、なけなしのお金をかけたのに、何で怒られているんだ?と腹を立てました。話し合っているうちに、あぁ、モザンビーク人にとって、誰がお金を払っているか、いくらなのか、明日お金が残っているか、ではなく、やっぱり「今」が大切なんだ、と気づき、最終的には私が反省することに。
かと思えば、テテ州のコミニュティで話を聞くと、計画性のある暮らしぶりでした。テテ州はダムがあるため電気も水も通すことができるし、動物の家畜も盛んで、物価も高いです。そんな中で農家さんの暮らしは、簡単ではありません。もちろん電気も水も通す余裕はありません。それでも、収入が上がる収穫期は週3日くらいはヤギや鶏を食べることもあるんだとか(モザンビークの農村部に暮らす人は一般的な動物性食品を積極的に食べる地域は少ないです。虫やネズミは食べます。)。誰かが屠殺すると、お隣さん同士で買い合ったり、お金の持ち具合では現金の代わりに畑に働きに行くそうです。収穫期の収量が明らかに少なく、1年を通して主食のキビやヒエが食べられないことが分かると、山に木炭を作りに行って、飢えないようにする、それがこの土地の暮らしだと教わりました。今しか見ていないと思いきや、そうではない。お金がなくても、他の方法がある。私たちがその違いに目を向けていないだけ。なぜ、世界の貧困がなくならないの?そもそも貧困って何?答えはあるんでしょうか?


vol.215 菌ちゃん野菜応援団vol.36

 今年は5年ほどお借りしていた畑を移動することになり、植え付けた夏野菜を移動させ植え替えて、その後の水やりに日々追われてます。ですが、新しい畑は菌ちゃんが少ないのかな?草もあまり生えず、なんとなく殺伐とした雰囲気。野菜たちにとってはかなり過酷な場所みたいで、水をあげてもあげてもなかなか根付かず、大半が枯れてしまいました、ざんねーん!

でもね、これって、お腹の中も一緒なんです。

普段からお腹の中の菌ちゃんを考えた生活を心がけていると、いざという時も楽に乗り越えていけるけど、無頓着でいたらちょっと大変なことになりかねないということ。いざ、とは風邪をひいたり、不要なものを体内に入れたり、大きなストレスにさらされたりした時。そんな時、外からは見えないけど身体の中の免疫力は総動員。

シャットアウトする、追い出す、やっつける。

そんな複雑な三段階で身体は私達の健康を守ってくれてるんです。滞りなく免疫力が働くためには日々いかに体内環境を安定させておくか、がとても大事。
じゃあ体内環境の安定化とは?となると以前からお伝えしている、腸内を発酵モードにしておくこと、ミネラルを努めて取ること、身体にとって負担となるものを減らすこと、になるわけですよね。体を整えるとは、本当にシンプルなことなんだと都度都度思わされます。ただし、そのバランスが崩れたときは復活させるのに時間がかかる。でもそれってリセットのチャンス。

どうしようー、ではなく「よしリセットキター、
もっと良い身体にしよう」と思えば良いですね!

この夏、暑くて体調を崩される方も多いです。
そんな時は身体を信頼して、外から内から出来ることを丁寧にやってみてください。
身体の防衛三段階とは?内外からのアプローチについては次回詳しくお伝えしますね!!

 あれ?体調イマイチかな?という時は、梅酢を3倍に薄めてうがいをする&飲む。これだけでも身体は元気になりますよ。旬のみょうがを梅酢に漬け込んでも箸休めになります。お試しあれ。

 

 

 


vol.215 ここいく日記 はじめの32歩!

多様性を認める社会って?

 私たちは、性教育の授業を通して人はみな違うこと、ありのままの自分でよいことを伝えたいと思っています。性の多様性を伝える時は男らしい女らしいって何だろう?普通って何だろう?と問いかけます。そもそも人はみな多様で唯一無二の存在だということが伝わればいいなと願っています。

先日、各務原市主催で、中京大学教養教育研究院の風間孝教授の講演会 「性の多様性と性的少数者(LGBT+Q)の人権」がありここいくメンバーと参加しました。
講義の中で風間先生から参加者にいくつかの問いかけがあり、そのたびに性的少数派の人の日々の傷つきや、多数派の当たり前だと思っている感覚が少数派の人の心を傷つけていることに気付かされました。 「世の中には男と女しかいない」 「好きになる相手は異性」 「自分の思う性別と体の性別は一致している」など、多くの人が「当たり前だ」と思っている考え方。例えば友人に「彼氏いる?」「彼女いる?」という日常の何気ない言葉に同性愛者の方は答えられない。「好きな人いる?」「付き合ってる人いる?」と聞かれたら答えることができるかもしれないのに。日常の中で多数派の「当たり前」を「当たり前じゃない」と感じる少数派の人たちは、私は「当たり前じゃないんだ」と、日々の中で感じさせられていることにさえ気付いていない現状。
そして、多数派には当たり前に保証されている「特権」について。異性愛者のカップルの婚姻届けは当たり前に受理されるが、同性愛者の場合は受理されず夫婦として認められない。夫婦ではないので、パートナーが病気やケガの時にも病状説明も受けられず、パートナーが死亡したときには二人で住んでいた持ち家は婚姻関係がなければただの同居人で譲渡もできない現状。
 性教育を学んできた私も気付いてなかった性的多数派の「当たり前」にある特権がないことで、性的少数派の人たちの人権が守られていない社会。 多数派が普通で少数派は普通じゃないから認められないのか?人は誰もが多様性にあふれていて性の多様性に限らず、誰一人同じ人はいないのにその理解が進んでいないことが問題だと思います。
最近成立したLGBT理解増進法をめぐり「女子トイレや女子風呂に、男性が私は女性ですと入ってくるかもしれない」、と 幼い子どものトイレでの性被害の事例をあげて女性や子どもの権利を脅かす法案と反対の声があがった。私たちは、この機運に違和感があり、6月3日名古屋レインボープライドのパレードに参加をし、当事者の方からこの件に対して意見を聞きました。
トランスジェンダー当事者の方の意見としては、そもそも日本はジェンダー指数は先進国最下位の国。雇用を含めあらゆる場面で女性の権利は守られていない。子どもの自殺も不登校も増え続け、子どもの権利も守られているとは言えない。そんな状況に対して運動すべきであり、なぜここで女性や子どもの権利を訴えるのか、女性や子どもの権利については分けて考えるべきである。性犯罪は自認する属性の問題ではなく、性犯罪を犯す個人の問題である。性自認の問題と性犯罪の問題は分けて考えるべき。全てにおいて非常に雑な議論のまま「女性や子どもの権利」を保護する観点が優先され、結果「この法律に定める措置の実施等に当たっては、性的指向又はジェンダーアイデンティティにかかわらず、全ての国民が安心して生活することができることとなるよう、留意するものとする」という文言が条文に加えられた。これは「マイノリティの人権や尊厳は、どこまでいっても多数派が認める範囲でしか守られない」という発信であり、性的少数者が抑圧されている社会の不均衡や不平等を考える問題、という大前提は置き去りになっていて、非情に悲しい。との意見を聞きました。

この法案自体が、LGBTの人の理解を深め、その人たちを守るための法案であったはずなのに、LGBTの人たちみんなが悪い人ではないけれど、そういう人もいるかもしれないからこの法案に反対、という思考はLGBTの人(少数派)を守るためのものではなく、多数派を守る視点の法案になってしまったことに社会の無理解を感じずにはいられない。

担当:ここいくメンバー 中村 暁子でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)


vol.215 みんなのひろば ちゃんと座れる椅子、作ったよ!&Book紹介

ジャーナリスト 井澤 宏明氏
連載中の「夢か悪夢かリニアが通る!」ジャーナリスト井澤氏が第2章を執筆。
リニア新幹線は、死に体に近づきつつある。財源不足、発生土の処理や静岡での未着工問題、大都市でのトンネル掘削でのシールド工法の技術問題、その結果導かれた大幅な工期遅れ、住民の反対運動など。そしてこれから直面する南アルプスのトンネル掘削、それに伴う南アルプスの壊滅的な環境破壊。強行すれば、さらに大きな破綻を招くことになる…。

 

「メディアよもやま話し」を執筆していただいた(172号から180号)
津田 正夫氏・著
オッペケペー節で有名な役者・川上音二郎。風刺の効いたセリフと威勢のよさが一世を風靡。今、明治の庶民にとっての「自由民権運動」を追体験する!

 

 

188号「熱中人」で取材をさせていただいた
堀野 慎吉氏・著
戦争の秘話をやさしい挿絵と文体でまとめられています。地元で起きたこと、知らなかった事実。過去を振り返ることは未来を作ること。今ある平和は、先人達のおかげ。感謝せずにはいられない。


vol.215 プレゼントコーナー

215号PRESENTS

プレゼントご希望の方は
ハガキまたはe-mailで、下記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。

1.あなたのおすすめスポット教えて! コロナ禍も暑い夏も乗り切りました。この秋お出かけしたい人におすすめスポット教えてね。
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望 を必ずお書きください)
※Dは編集室まで受け取りに来られる方。
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、 家族構成

ハガキまたはe-mailで、上記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
〆切:2023年9月25日 当日消印有効。
宛先 〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。


A.「おとなの音あそび」発表会ご招待券 CLUB是様より…3名様


何か一つ楽器を演奏できるといいよね、に端を発しておとなの音遊びが始まりました。練習に励みになるよう発表会を設けました。この日はおとなの学芸会のようなもの。石釜で焼きたてのピザを頬張りながら、素人の演奏を聴くのもいいかもよ。会場はアートギャラリー是(関市武芸川)


B.CINEX映画招待券 CINEX様より…ペア3組様

この世界のどこかで、私たちの生活とはかけ離れた日々を送っている人々がいる。その事実をドキュメンタリー映画は教えてくれます。それを観て、あなたは何を思いますか?写真は「世界のはしっこ、ちいさな教室」の一コマ。柳ヶ瀬のCINEXでご利用いただけます。


C.シニアポートレート撮影券 NPO人生これから!様より…1名様

プロのヘアメイクとフォトグラファーが引き出すあたなの魅力は一段とアップしてる?普段とは違う一面?以前のこの撮影会が自分を見つめ直すきっかけになった方も。もしもの時に使えるお気に入りの一枚を。撮影日は11月16日。会場はにらめっこフリースペースを予定。晴れたら公園へ。


D.トートバッグ型コンポスト 命の循環プロジェクト様より…1名様

生ごみを「入れる・混ぜる・フタをする」たったこれだけ。おしゃれなトートバッグ型コンポストで、生ごみを捨てない暮らしを。スタイリッシュなトートバッグ型のコンポストです。生ごみと混ぜ合わせる原料つき。栄養価の高い堆肥を作ることが出来ますよ。にらめっこ編集室でお受け取りください。


vol.214 動植物と私たちの暮らしとのつながり

参:自然と社会の豊かさを考えるcircu

かつて欧米ではミツバチの大量失踪が問題となり、事態を重く見た日本でも有識者会議が行われました。
「ミツバチが減少している」と聞いても、どのような影響があるのか、すぐに自分事として問題に感じられる人はあまりいないのではないでしょうか?しかしこのまま減少が続けば、自然環境や私たちの食生活に大きな影響が出ます。

ミツバチはなぜ必要?
ミツバチの存在は、自然環境にとって不可欠。同時に、私たちの食生活にとっても欠かせない存在です。花々の受粉を助けて植物を繁栄させるだけでなく、受粉によって野菜や果物を実らせるからです。
2011年にはUNEP(国連環境計画)のアヒム・シュタイナー事務局長が、「世界の食糧の9割を占める作物100種類のうち、7割以上がミツバチによって受粉している」と発表しています。
このことからも、ミツバチの存在が私たちの食生活を支えていることがわかります。

ミツバチ減少の原因は?
・農薬の使用
欧米でミツバチの大量失踪が起きた後、その原因として「ネオニコチノイド」系農薬による影響の可能性が指摘されました。農作物につく害虫駆除や、植物が受ける害虫被害を最小限に抑えることを目的として、散布します。効果の持続時間が長く散布回数が少なく済むというメリットがあるので、多くの農作物を育てる過程で使われてきました。
しかしミツバチに限らず、ネオニコチノイド系農薬を散布している田んぼではアキアカネやワカサギが同様に減少していることがわかりました。こうした背景を踏まえ、ネオニコチノイドが生物に対して何らかの影響を及ぼしているということは言えるでしょう。

・ダニの発生
ミツバチの体に寄生するミツバチヘギイタダニによる被害。このダニは、幼虫とサナギの中間期であるミツバチの体液を吸って産卵し、繁殖します。
一方、体液を吸われた蜂は成虫になっても羽が縮れて飛べず、花の蜜や花粉を集められません。つまりエサを得ることが出来ないまま、命を落とすこととなります。
欧米では数百万箱以上の巣箱が
ダニの被害に合い、巣箱にいたミツバチは全滅したと言われています。しかし、ダニの詳しい生態はわかっておらず、現在もなお、対策のための生態研究が行われています。

・気候変動
蜂は温度や湿度などにデリケートで、季節ごとに状態が変化します。
しかし、温暖化によって植物の開花時期がずれたり花が咲かず、蜂がエサを得られなくなっているのです。熱波や豪雨などの異常気象も、蜂にとって過酷な状況。一方、蜂の天敵であるダニや寄生虫は温暖化によって寿命を延ばし、蜂にとってはより生きづらい環境となっています。
ミツバチが減少を続けることで、自然環境や私たちの生活には具体的にどのような影響があるのでしょうか。

ミツバチが減少すると影響は?
・自然環境への影響
ミツバチが減少し続ければ、多くの植物は受粉が出来ず数を増やすことが出来ません。森林の減少にも繋がり、地球温暖化は加速するでしょう。また、森林減少が続くと雨水の浄化機能を失い、水質汚染や水害を引き起こす原因となります。水質汚染が起きれば、川や海に住む魚や貝、海藻といった生態系も被害を受けます。
同様に、植物が育たないことで、ミツバチのように花の蜜を吸う蝶や木の実を食べる動物はエサを失うでしょう。生態系は連鎖しているので、こうした事態がさらなるミツバチの減少を招き、悪循環となるのです。

・私たちの生活への影響
ミツバチの減少による影響は、自然環境に対するものだけではありません。はちみつや野菜、果物の獲れる数が減り、価格の高騰が起こります。
他にもコーヒー豆やアーモンドもミツバチによる受粉が行われているため、ミツバチが減るとこうした食品は価格が高騰したり、口に出来なくなったりするでしょう。
植物を食べて育つはずの家畜を育てることが出来なくなり、食肉や乳製品も、入手出来なくなります。さらに、綿花の生育過程でもミツバチによる受粉が行われているため、コットン製品が使えない、着られないといった事態も起きます。
農作物の種類によっては、農家による自家受粉が行えるものもありますが、ミツバチが媒介することによって効率的かつ経済的に受粉を行えるだけでなく、果実の品質も良くなるため、やはりミツバチの存在に頼らざるを得ないのです。
これらを踏まえると、ミツバチの減少は私たちの生活ひいては経済を破綻させるだけのインパクトがあると言えるのではないでしょうか。

私たちにできること
買い物をするときに無農薬・オーガニックの野菜や果物、製品を選ぶことがまず第一歩。価格の安いものの多くは多量の農薬が使われ、大量生産されています。
「買い物は投票」であることから、無農薬・オーガニックのものを積極的に購入することで、無農薬・オーガニックで作物や商品を作る農家やメーカーを応援することに繋がり、ミツバチを守ることに繋がります。

 

 

 

ドイツ発Topics

2019年秋に造った1号機とセバスチャン・エバーディングさん(40)

ハチのための自動販売機「ガチャガチャ」をアップサイクル 生息地増やせ

「ハチのごはん自販機」
機械はもともと、子ども向けにチューインガムやおもちゃを売るガチャガチャだった。エバーディングさんはそれらを修理して、新たな用途に使えるように「アップサイクル」。

なぜハチなのか。ドイツが児童文学「みつばちマーヤの冒険」で知られているから?エバーディングさんは「最初みんなそれを連想するんだけど、僕の自販機はむしろ野生のハチのためなんだ。ミツバチは養蜂家が大切にしているけど、野生のハチのことはほとんどの人が気にしない。生息地はどんどん少なくなっている」。野生動物が好きで、保護団体でボランティア活動をした経験もあるという。
花粉を媒介するハチや鳥の働きは、農作物生産の4割近くに影響を与え、果実や種子として栽培される作物の75%がハチの恩恵を受けている。
この自販機は、わずか3年半でドイツ全土に広がり、現在稼働中のものが約300台もある。一つのカプセルで1~2平方メートルの植栽ができると仮定すると、これまでに100万平方メートル以上になる計算という。

ハチの自販機から出てくるカプセル。ひまわり、コリアンダー、ディルなど地域にあわせた植物の種が詰まっている。

「僕たちの世代は、学校帰りに自販機でガムやおもちゃを買うのが楽しみだった。何味が出るかな、どんなおもちゃかな、って。自販機はそういうワクワクを生み出す。子どもがお小遣いでハチのための種を買って、『お父さん、お母さん、植えようよ』と言ったら断る理由なんてないよ」
これですべての問題が解決するわけではないことはエバーディングさんも分かっているが、人々の意識を変えるきっかけになれば、と願っている。

朝日新聞GLOBE 自販機 機械と人の物語より

 

 

 


vol.214 植物編から食物連鎖を考える

植物が繁殖のために他の生物を利用することも、自然界にはよく見られます。最も有名なのは、ミツバチとさまざまな植物との関係でしょう。ミツバチは花の蜜を吸う行為を通して花粉を運び、他の花に受粉させます。これは「送粉」といい、ミツバチだけでなく、チョウやガ、また地域や環境によっては、コウモリも送粉を行ないます。洞窟などといった特殊な環境では、ハチやチョウといった送粉者が存在しません。そのため、こうした環境下にある植物は、花の蜜をコウモリに吸わせることで、送粉をしてもらっているというわけです。

受粉して果実を作った植物は、その後、種子を散らし、より広範囲に繁殖していくことを目指します。その際に利用する生物、つまり種子の運搬という作業を協力してくれる存在が、鳥になります。昆虫などに比べると遠くまで飛べる鳥に果実を食べてもらうことで、広範囲に渡って種子を散布してもうらわけですね。
植物は、鳥に実を食べてもらうため、さまざまな工夫を凝らします。熟すと目立つように色づき、果実は鳥が好む味になります。さらに、胚は消化されずにフンとともに鳥の体外に出てくるよう、硬い殻で包まれています。こうした花粉や種子を運んでもらう行為も、昆虫や鳥などに利益があるため、「相利共生」のひとつ。

さて、食物連鎖の右の図をよくみてください。

人間をふくむすべての動物の食べ物は、植物が光合成によってつくる有機物(ゆうきぶつ)が源になっています。そして植物を食べる草食動物が肉食動物に食べられ、その肉食動物の遺骸(いがい)はバクテリアによって分解されるというように、たがいに「食べる・食べられる」関係を食物連鎖といいます。食物連鎖の最下位で、あらゆる命を支えているのが植物です。そんな植物とそれを食べる生物は、単なる捕食・被食の関係というわけではありません。上記にあるように、植物は自ら身を守り、ときには食物連鎖の上位の生物を利用して、したたかに生きています。
食物連鎖の構造にはいくつかの層があります。植物を草食性のこん虫が食べ、これらの草食性こん虫を肉食性のこん虫や小動物が食べています。さらにこれらを食べる、ワシ、タカ、フクロウといった猛禽(もうきん)類、キツネ、タヌキといった肉食ほ乳類がいます。このように生物の量を図にするとピラミッドの形になり、それを生態系ピラミッドと呼びます。生態系ピラミッドは、上位であればあるほど、生きていくために広い自然環境を必要とします。

上図の生態系ピラミッドのように、全ての生きものは他の生きものとお互いに支えあいながら生きています。例えば、特定の地域で、ある種類の昆虫や植物が減った場合、食物連鎖などの影響により他の生きものも減り、生態系全体の危機に繋がります。

人間は肉食動物だから、高次消費者?だから生態系ピラミッドの頂点にいる?そうでしょうか…。人間は火を使い道具を使うことで、上位に位置する動物たちでも倒す力を持った。だけど、そこにどれだけの「畏敬」があるのかは不明…例えば日本。文明を手に入れた人間は、アンブレラ種※と言われるヒグマやツキノワグマの強さを畏敬することを忘れ、開発によって彼らの生息域を狭め、深山に追いやった。
私たち人間は既に大自然を構成する一員ではないのかもしれないし、大自然にとっても、もはや単なる闖入者でしかないのかもしれないね。

※アンブレラ種とは、個体群維持のために、エサの量など一定の条件が満たされる広い生息地(または面積)が必要な種のこと。地域の生態ピラミッドの最高位に位置する消費者である。アンブレラ種を保護することにより、生態ピラミッドの下位にある動植物や広い面積の生物多様性・生態系を傘を広げるように保護できることに由来する概念。
日本では一般的にツキノワグマやヒグマ、オオタカ、イヌワシなど大型の肉食哺乳類や猛禽類がアンブレラ種と言われることが多い。

何も食べなくても成長できる生産者「植物」

すべての動物は食物を探し求め、動き回っています。自らの食物だけでなく、子に与える食物を探し求めて、あちらこちらへと動き回ります。これは、動物が生命を維持していくためには、食物が必要だから。ところが、草花や樹木などの植物は、じっとしていても生きることができ成長します。
私たちは摂食することによりエネルギー源であるブドウ糖を外から取り入れています。
植物はブドウ糖を体内で生産しています。光合成により、光と空気と水から自らのエネルギー源となるブドウ糖を作っている「生産者」です。

すべての生命のエネルギー源は太陽

植物(生産者)は、光合成により水と二酸化炭素からブドウ糖を作るとき、太陽からの光のエネルギーを吸収します。その結果、ブドウ糖の中に光のエネルギーが取り込まれ、蓄えられます。元をたどれば、生命のエネルギー源は太陽ということになります。

すべての動物の食料を賄う生産者「植物」

植物は生物として生きて、成長するために必要な物質(ブドウ糖、デンプン、タンパク質、脂肪、ビタミンなど)を自分で生産することができます。端的に言えば、植物は動物がいなくても生きていけるかもしれません。しかし、動物は植物がないと生きていけません。
食物連鎖の関係をたどっていくと、植物は、地球上すべての動物の食糧(エネルギー)をまかなっていることがわかります。私たち人間は、食糧を植物や動物に依存しています。ウシやブタ、ニワトリなどの動物は、植物の体である葉や茎、根や実などを食べています。「肉食動物」のライオンやチーターなどは、シマウマなどの「草食動物」の肉を食べ、草食動物は「植物」を食べて生きています。
食物連鎖の形態は、数多くありますが、どれも出発点は生産者である植物。植物は、すべての動物の食糧(エネルギー源)を作り出している「生産者」なのです。

 

参考:ACORNコラム、一般財団法人環境イノベーション情報機構、森林・林業学習館

 

 

 

 


vol.214 ぎむきょーるーむ スマホは脳に猛毒?!?

 1日何時間以上スマホを使ったら依存症? 3時間以上、8時間以上、10時間以上…様々な説があります。依存しているかどうかは、以下のような質問から自身で判断することができます。

スマホ依存症・セルフチェック

★ スマホは、家でも仕事中や移動中でも、どんなときでもすぐに手に取れる場所にスタンバイしてある。
★ 電車内、仕事の休憩中、待ち時間など、ちょっとでも時間が空いたらスマホを取り出すのがクセになっている。
★ スマホの着信音やバイブレーションの「空耳」が聞こえることがある。
★ 「情報に乗り遅れること」「みんなが知っている情報を自分だけが知らないこと」に対して不安や恐怖を抱いている。
★ 夜、ふとんやベッドの中でもスマホをやっている。
(参考:奥村 歩著『そのもの忘れはスマホ認知症だった』)

★ スマホをする時間を増やすために、家庭での仕事や役割をおろそかにすることがある。
★ スマホをしている時間が長いと周りの人から文句を言われたことがある。
★ 人にスマホで何をしているのか聞かれたとき防御的になったり、隠そうとしたことがある。
★ スマホをしている最中に誰かに邪魔をされると、いらいらしたり、怒ったり、大声を出したりすることがある。
★ スマホをしているとき「あと数分だけ」と言っている自分に気がつくことがある。
★ スマホをしていた時間の長さを隠そうとすることがある。
★ スマホ使用のため、予定していた仕事や勉強ができない。
★ スマホ使用のため、(クラスで)課題に取り組んだり、仕事や勉強をしている時に、集中できない。
★ スマホを使っていると、手首や首の後ろに痛みを感じる。
★ スマホがないと我慢できなくなると思う。
★ スマホを手にしていないと、イライラしたり怒りっぽくなる。

(出典:久里浜医療センターHP「インターネット依存度テスト」より設問の一部を抜粋)
上記の質問は依存度をチェックするためのものですが、当てはまる数が多ければやはり、依存度は高い状態だと言えます。                                                       精神科医・樺沢 紫苑

 

精神科医・樺沢氏が教える「スマホは脳に猛毒?!?その3つの理由とは」

① 視覚障害
光っているものを見ると人間は興奮して楽しくなる。パチンコなどはすごく光っていますね。パチンコ台そのものが光と音で興奮するようにできてます。スマホの落ちもの系のゲームも連鎖して爆発してたくさん光ります。
短時間であれば問題ないですが、3時間以上一回も立ち上がらずにゲームを6時間できたりするのは脳が興奮している証拠。視覚刺激はすごく脳を疲れさせます。

② 脳が休む暇がない
仕事の休憩時間にスマホをする人が多いですね。電車の待ち時間や乗車中もスマホを見る。スマホ依存症の人やヘビーユーザーで、ぼーっとする時間がないのは脳の危機です。ぼーっとしているときに活躍する「デフォルトモード・ネットワーク」※に入ってきた情報や記憶を整理して脳に固定していきます。何かをインプットするときより、ぼーっとしている時の方が脳は活発になる。ぼーっとしているようで、脳を整理して活性化しているんです。スマホを見ていると脳を整理できないし、情報を詰め込みながら整理するのは無理。記憶ができなくなり、認知症のような状態になります。だから脳を休ませることが大事。何もしないでぼーっとするのが一番いい。それができない人はお風呂がオススメ。精神科医・樺沢氏のマイブームは「闇風呂」。電気を消してお風呂に入るとすごくリラックスできます。アロマキャンドルを焚くとさらにいい。光の刺激を遮断するだけでも脳がすごくリラックスします。
(三上も実践中!ほんとリラックスできます。超おすすめ!)

③ ブルーライトによる体内時計の撹乱
寝る前2時間以内のスマホやゲームなどのブルーライトを浴びると睡眠障害の原因になります。ブルーライトは午前中の波長なので夜10時に浴びた場合、夜なのに朝の10時だと脳が思ってしまうので脳が目を覚ます指令を出すんです。夜間にブルーライトを浴びると体内時計がどんどん撹乱します。体内時計が狂うとすごく健康に悪い。メンタル疾患やがんなど様々な病気のリスクを数倍高めることにつながります。特に夜間のブルーライトが良くない。寝る前2時間はデジタルデトックスしよう。
メンタル疾患で療養中の人や、メンタルの調子がよくない人などは何をするにも意欲がないので、スマホやゲームをやってしまいがち。意思や判断の必要のない行動をとる傾向があります。メンタルの弱っている人が、スマホやゲームを長時間した場合、脳の活動性(特に前頭葉)を弱めてしまい、余計にメンタル疾患を悪化させます。スマホが常習化している人は、前頭葉に負担をかけ続けているので脳が休息できなくなります。メンタル疾患が治らない状態を自分で作っているんです。スマホやゲームをゼロにするのは無理ならせめて1日2時間以下に。メンタル疾患でない人も、1日4〜5時間もやると脳が疲れてくるから、メンタル疾患に移行する可能性が高いですよ。スマホやゲームをする場合は時間を限定してください。

 

脳の活動エネルギーの約75%を消費するのが、このデフォルト・モード・ネットワーク。主にぼーっとしているときに、内側前頭前野と後帯状皮質の活動がアップします。逆に集中して作業をしているときに使われるエネルギーは5%、残りの約20%は脳細胞のメンテナンスに当てられるのだそう。

DMNデフォルトモード・ネットワークについて

※DMNは<Default Mode Network>の略語で、ぼんやりした状態の脳が行なっている神経活動のこと。

DMNの具体的な役割には「危機への備え」と「情報の整理」があります。
危機管理 脳が完全に休んでしまうと、突然の危機に反応しづらいため、脳の一部(DMN)を待機(アイドリング)状態にして万が一に備えています。
情報の整理 入力:五感を通して情報を収集。 整理:入力した情報を取捨選択。 出力:言葉や行動として表す。DMNの働きが弱いと、脳内で情報が整理されず、ぐちゃぐちゃに散らかったデスクのような「脳過労」状態に。インプットした情報が脳に定着しづらくなったり、脳の活動自体が低下したりといった恐れがあります。
DMNが活発な状態と活発でない状態には、それぞれメリットとデメリットがあります。両方を理解したうえで、DMNの「オン」と「オフ」を切り替える必要があります。

 

 

DMNを活性化(オン)させる方法
脳内にたまった情報をスッキリと片づけ、脳疲労を防ぐためにも、DMNをオンにすることは重要です。
● 観察瞑想 3つのステップで実践します。
1. 調身:背筋を伸ばしつつ、力を抜く
2. 調息:5秒かけて息を吸い、10~15秒かけて吐く
3. 調心:感情・思考を観察する。心をなるべく弛緩(しかん)させて、とりとめのない思考や感情の動きに身を委ねる。
● 楽しい空想 PCD(Positive Constructive Daydreaming)ポジティブで建設的な空想をする。脳の集中状態を解除し、心を緩める効果が期待できる。
● デジタルデトックス 現代人はみんなやった方が良さそう。
● 単純な作業・運動 たとえば、皿洗いや掃除、靴磨きなど。
● パワーナップ 15分間から30分程度、昼寝するとDMNが活性化し、記憶の取捨選択や定着を行ってくれます。

DMNを不活性化(オフ)させる方法
仕事や勉強に集中したいなら、DMNの活動を抑制することが必要。
● 集中瞑想 観察瞑想と異なり、雑念をシャットアウトして精神を研ぎ澄ます感覚。観察瞑想と同じ3ステップですが、「調心」における心の使い方がまったく異なるので要注意。
3. 調心:呼吸に集中する。自分の呼吸に全神経を集中させ、「5秒かけて息を吸う→10~15秒かけてゆっくり吐く」をキープしながら、鼻を通り抜ける息の感触や、膨らんだりしぼんだりする肺の感覚などに意識を向ける。
● 雑念のコントロール
捨てる:心のなかで「もう十分!」と叫び、雑念を頭の外に放り捨てる様子をイメージする。
例外を考える:心配事が当てはまらないケースを想像する。
賢者の目線で考える:自分が尊敬する人や歴史上の偉人なら、問題をどう解決するか想像する。
善し悪しで判断するのをやめる:雑念や心配事について「善い」とも「悪い」とも判断せず、中立に考える。
由来を探る:なぜその考えにとらわれてしまうのか、原因を考える。

STUDY HACKERより抜粋

 

 

 

 


vol.214 ソーラークッキング

ソーラークッキングの大きなポイントは2つ
①太陽光を集約すること→「光るもの」
②集めた太陽光を熱に変えること→「黒いもの」

まずは身近なものでつくってみよう!

太陽の光を集める①には、反射板や集光板となるものを使います。身近な素材として、レジャーシートの裏側や、車用のサンシェード、もしくは銀色の厚紙、アルミホイルを貼ったダンボール等々。②は、黒い鍋など、調理したい食材の周りを黒くしておくと、光が吸収されて熱に変わります。ダッチオーブンや南部鉄器のような黒くて鋳物の鉄鍋があればパーフェクト。ない場合も、市販の黒いアルミホイルを使って鍋や食材を包めば大丈夫。
さらに熱を効率よく通すためには、輻射熱(ふくしゃねつ)も重要です。たとえば鍋の内側まで黒い鋳物鍋なら、内側ではたらく輻射熱によって、食材の中心部まで早くしっかり火が通ります。そうした鍋がない場合は、ガラスやビニールなどで覆い、温められた周りの熱も逃さずに対流をつくり出すようにします。

いざ実践!

身近なアイテムを揃えて、太陽光がちょうどあたる位置を決めます。ソーラークッキングでつくる料理といえば、ゆで卵、焼き芋、焼きりんごなど。それとは別にオススメしたいのは、ソーラークッキングを日常的に、日々の暮らしに取り入れる方法です。それは、下ごしらえを任せること。
ただし手づくりソーラークッカーにはいくつか難点があります。
・食材に火が入るまでの時間を予想しにくい。
・ガス調理より時間が掛かる(ゆで卵で60分前後など)
・食材によって火の入り方が違うこともある
・調味料、特に油は使えない(液状の調味料に浸けながら煮込むなどは可能)。そこで、これを食材の準備、下ごしらえだと割り切ると難点は全て解決されるんです。

ソーラー「下ごしらえ」実例紹介

朝起きて天気を確認し、キッチンにある野菜をチェック。夏なら茄子やズッキーニ、玉ねぎや人参、水で戻した大豆なんかもソーラークッキングと相性がいい食材です。それぞれ黒アルミホイルで包んだり鍋に入れてソーラークッカーへセット。あとは普段通り、家事や仕事をしながら午前中を過ごします。
1〜2時間後、すっかり火の通った野菜を取り出したら、お昼に使う分を残して、あとは保存しておきましょう。ズッキーニを適度にスライスして、好きなソースと一緒に茹でた麺に絡めたら、もうお昼のパスタが完成です。
もう少し時間がある時は、各野菜を同じ位のサイズにカットしておけば、好きな時に色んなお料理に使えます。塩こしょうでラタトゥユ、ビネガーを加えてカポナータ風、バジルソースで軽く炒めてバジル炒め、チーズを乗っけてトースターで焼くのもお手軽です。
夕食の準備だってもちろん昼間のうちに保存しておいた野菜を活かせます。茄子をスライスしたらフライパンで軽く焼き上げて、生姜醤油を掛ける。茹でた後でダシ汁に浸けて冷やしておいた浸し豆を取り分ける。玉ねぎと人参を水と一緒に温めてお味噌を溶かす。あとはご飯をよそうだけです。

もっと簡単な“ソーラー下ごしらえ”ならこちらをぜひ。
お水を入れた鍋をソーラークッカーにセットして約1時間。沸騰前後まで熱したら、鍋ごと室内に移動させ、生卵を沈めて蓋をします。8分経過したら卵を取り出し、水で冷やせばトロトロの温泉卵が完成です。
メリットを強調したくなる
・下ごしらえが一気に済んで自炊が楽になる
・太陽に任せてる間に仕事や用事ができる
・ガスの火を使う時間が短くて済む(夏場は特に助かる)
・素材の味が引き出されるようにおいしい(と感じる)

じっくりじわじわと加熱されるソーラークッキングなら、時間の感覚もおおらかになってくるから不思議です。慣れたらきっと、よく晴れた日に「何か焼かなきゃもったいない!」と感じてしまうかも。                   参:Greenz

 

干し野菜のきほん

干し野菜とは切った野菜を太陽に当てて干したもの。干し野菜のきほんは「野菜を洗う」→「水気をふく」→「切る」→「風通しがよく日の当たる場所に干す」の工程のみ。朝から夕方まで天日干ししておけば半生タイプの干し野菜が完成。乾物のようにカラカラに干すのはもう少し時間がかかりますが、半生タイプの干し野菜なら半日もあればOKなものもあるのです。
干し野菜は、栄養価が増し手頃な価格で買える旬の野菜を長期保存して、最後までおいしく食べる昔ながらの知恵から生まれたものです。買ったのに捨ててしまう…というもったいないことは止めにして、買ったらおいしく使い切る干し野菜生活をはじめてみませんか。

干し野菜のメリット

野菜本来の旨味を太陽と風の力を借りて中にぎゅーっと閉じ込める干し野菜は、あれやこれやと調味料を足さなくても出汁が出て薄味でもとってもおいしいんです。また、料理のレパートリーが少なくて毎日の献立に頭を悩ませている方にもおすすめ。同じ調理法でも干し野菜をつかえば食感や風味が異なり新鮮な一品が完成。 乾燥させることで実(み)はもちろん皮も葉っぱも丸ごと使い切れる保存食をつくることができます。冷蔵庫に残っている野菜を干して、冷凍保存も可能です。

干し野菜初心者さんはこれを干そう

まずは「きのこ・かぼちゃ・大根・にんじん・さつまいも」など、水分の少ない野菜から。大切なポイントは干し野菜の大敵、湿気。水分が少ない野菜でも野菜を洗った後や切った後にキッチンペーパーなどでしっかり水気を拭かないとカビの原因になりかねませんのでここは丁寧に処理しましょう。

向いている野菜、向いてない野菜

干し野菜の代表といえば、にんじん・大根・蓮根などの根菜類、ピーマン・ナス・オクラ・かぼちゃなども干し野菜向き。干すと野菜特有の青臭さが消えるだけでなくピーマンは苦みを感じにくくなるため、苦手なお子さんもペロリと   食べてくれるはず。また、オクラは干してもネバネバが残り、歯ごたえ抜群の食感を楽しめます。しょうが・にんにく・ねぎなどの少しだけ使いたい薬味も、干し野菜にしておくと使いたい分だけをさっと使うことができ重宝します。
逆に干し野菜に向かないのは水分が多い野菜ですが、トマトは種を取り除き水分をしっかり拭き取ることでおいしい干し野菜にすることができます。また油分が多いアボカド、かいわれ大根など細い野菜は干し野菜には不向きな野菜と言えます。

保存方法と賞味期限は?

乾燥具合によって保存方法、保存期間が異なります。カラカラになるまで干した野菜は密閉瓶や密閉袋などに乾燥剤を入れ、直射日光と湿気を避ければ長期間常温での保存が可能。 半生タイプは袋か保存容器に入れて冷蔵庫に入れておけば、素材にもよりますが3~4日程度、水分が多い場合はキッチンペーパーに包み、2日に1度交換するとより長持ちします。すぐに使わない時はカビの発生を防ぐためにも冷凍保存がおすすめ。かさが減ってスマートに保存できる干し野菜のストックはあと一品欲しい時や忙しい朝のお味噌汁づくり、キャンプごはんにも活躍しますよ。         参:PROKITCHEN

 

 

 

 


vol.214 しょうがいをみつめる vol.7

平たんなうねり

落ち着く、整う、心穏やか。
どれも今の心境を表す言葉にはならないけど、なんとなく心の“うねり”と“うねり”の波間は平たんになっている。
明るく努める、元気よく努める、前向きに努める。
どれも今気にしている事柄を表す言葉にはならないけど、なんとなく衝動の“うねり”と“うねり”の波間は平たんになっている。
まだまだ頻繁に起こる“うねり”を観察しながら、その“うねり”の間隔は広くそして低くなったと感じている。落ち着いているとか混乱しているとかのどちらににも当てはまらない平たんな景色が広がりつつあるようにも見える。ような気がするだけかも。
春から夏に向かうこの季節は2年前に他界した長男を想い、寂しさを纏う時期である。今年も然り、やはり寂しいのである。
2月末に長男の3回忌法要を終え、3月末には香川県三豊市。瀬戸内海に浮かぶ粟島の「漂流郵便局」を訪れた。
届け先のわからない手紙、預かります。行き先不明の手紙が届く小さな島の『郵便局』

~いつかのどこかのだれか宛~
こちらは、届け先の分からない手紙を受け付ける郵便局であり、「漂流郵便局留め」という形で、いつか宛先不明の存在に届くまで漂流私書箱に手紙を漂わせてお預かりいたします。

過去/現在/未来
もの/こと/ひと
何宛でも受け付けます。

いつかのどこかのだれか宛の手紙がいつかここにやってくるあなたに流れ着く。

懐かしい未来への郵便局。漂流郵便局、開局いたします。

【漂流郵便局】
築50年の郵便局を使ったアートプロジェクト。手がけたのは現代美術作家の久保田沙耶さんで、第2回目の瀬戸内国際芸術祭を機に誕生。局内では、全国から寄せられた「誰かに届けたい想い」を綴ったハガキが展示されています。※本物の郵便局ではありません。

三豊市観光交流局HPより

2022年2月に主催したアート展「渾沌の中の調和」の開催前に漂流郵便局留めで長男宛にハガキを出した。彼が繋いでくれた人たちと共に展示という形を取りながら、町なかに空気が広がっていく気配を感じた。その稀有なる縁や彼が存在として在ってくれることを感謝する内容をハガキに記した。2023年2月の展示ではさらにそれは広がり、大きな渦”の”始まりを見ているかのようであった。
訪れた瀬戸内の景色は、美しさや荘厳さ、悲しみや寂しさ、懐かしさや喜びを同時に連れてきた。感情が両極端に揺れるのを平たんな心の景色から眺めていた。そこには優しく海と島々が広がっているだけであった。ハガキを出した時からみると未来である今を優しく抱きしめたいと思えた。そして「ありがとう」と伝えたいと思った。
自分が書く文章、いや今までの会社経営の中でも「衝動」に駆り立てられ実行することは多かった。長男と離れて2年経った今は、臨場感あふれる彼との触れ合いがない。身体にギュッとくる感覚がない。思わず抱きしめる、思わず怒る、思わず笑う、思わず悩む、思わず気づく、思わず……書き留める。臨場感をなくした今は書けない。書きたい衝動にかられない。瀬戸内を訪れて以来そう感じていた。
今感じている景色を表すことは私を困惑させる。それは存在や悲しみを薄れさせ、失っていく恐怖として感じるからである。しかしフェーズは変わろうとしているのだろう。「もう彼に関する文章は書けない」と思っていた昨日を平たんな景色から今は眺めていようと思う。

って、書いとるやん!


MASA:若者をはじめ、障がい者も一緒になって、ごちゃまぜイノベーションを目指している。知的障がいのある息子は享年24歳で2021年2月27日に旅立った。関市在住。

 


vol.214 やってみた 松野 知子さん

やってみたシリーズ第17弾

楽しみを見つけた日々に、今日もルンルン!

松野知子さん(仮名・70代)

いよいよ定年…もう仕事がなくなるの?これから自分はどう生きていけばいいの?という不安があり、思い切って社長に相談しました。ありがたいことに継続勤務となりちょっと一安心。でも仕事を続けるには、体が動くとこが大事。友人の勧めもあり、ジムに通うことにしました。
通い始めて数ヶ月、自分でもだいぶ筋力がついてきたなぁと思った時、コーチからも「筋力がついてきましたね、何かやりたいことはないですか?」と聞かれた時、何気に浮かんだのが「山…山に行きたい」でした。するとコーチから「いい登山クラブをご紹介しますよ」と言われ、早速入会しました。全国規模の山の会で、犬山の会はメンバーが50人ほど。ハイキングから軽登山、沢登り、山スキー、アルパインまでの幅広い活動をしています。そこから私の山歩きが始まったんです。
高い山に行きたいときは、教育トレーニング部で、滑落した時の救助方法、その際のロープワークなど色々教えてくれます。段階を踏んで「いつか自分も」と思っているのですが、私は超初心者。なので、まずは体力をつけるべく、低山からスタートしました。

初めて登った山は夜叉ヶ池山。夜叉ヶ池から岐阜県側を見た景色がすごくきれいで…それで山にハマってしまいました。
見る景色、感じる空気、仲間との会話、全てが楽しくて、下山した時は「次はどこの山に?」と自分に問うててちょっとびっくり。メンバーにはいろんな人がいます。花に詳しい人、キノコが得意な方、山菜なら任せて!という人がいて、頼もしいし、楽しさも倍増します。でも、「連れてって〜」という思いではいけないんですね。「一緒に登る」、という意識でないと。これも例会の時に教わりました。今は先輩方に頼っているけれど、今度新しく入会してきた人を引っ張れるようにならないと、と思っています。
実は私は歩くのが好きではなかったんです。というより「歩けない」と自分で思っていた。ところが今は自信がついてきて、先日は自分が計画を立てて、鵜沼宿からうとう峠を経由して岩屋観音堂、ロマンチック街道で太田宿まで歩く、というコース約15kmをメンバーと歩きました。帰りはJR美濃大田駅から電車。以前、鵜沼に住んでいたのに、地元のことを何も知らなかったなぁ、と思ってこの計画書を出して実践しました。

コロナ禍でしばらく山に行けなかった時期に、この団体の活動報告をしっかり読むようになって驚いたんですが、本当にいろんな人が入会されているんです。最高齢は81歳。平均年齢が65歳くらい?定年で会社を退いた方が多いので、平日も山に行けるんですよね。

山を歩き始めて、自分に自信がついたのも大きかったけど、何より楽しみができたのが大きいですね。人生は楽しまなきゃ!「今度はこの山に行ける!」と思うと仕事も楽しみながらできるしね。今は山に行けるのが楽しくて楽しくて…。

そう語る松野さんはもう次の山を見据えていました。

 

 


vol.214 人生これから ここが知りたい認知症のこと

Kさん:自分や家族の言動が気になる時、何科の病院に行けばいいんでしょう?
田辺:脳神経内科というところに行くのが一番いいと思います。近くになければ、物忘れ外来というのが、いろんな病院に作られていて、脳のいろんな検査をしてくれます。はっきりと脳や脳の血管の萎縮が画像にみられるまでは診断がつかないかもしれない。でもその時にMRIを撮ったなら、後でどこの病院で診てもらっても比較はできるのでMRIのデータは保存しておいた方がいいです。
Mさん:認知症は遺伝や生活習慣、食べ物などと関係ありますか?
田辺:食事の影響や様々な要因が組み合わさって現在のその人の状態なのですから、それをしたから良いとかは言い切れないです。ただ、運動するとか、外に出て行くとか、そういうのはすごく大事なので、家に閉じこもりがちな人はデイサービスなどに行くと良いのかな。
私は今、認知症予防ゲームをやっているんですけど、そこで見ていると予防ゲームに参加する人の方がしない人より認知症の進み具合がゆるやかになる、と私もスタッフも実感しています。でも、ゲームに来ていても、家族との関係などは家庭によって違います。周りの人の対応も大きいです。特に、「あんた駄目だね」「できてないよ!」って出来ない事ばっかり言われるとだんだん萎縮して、転がるように落ちてどんどん悪くなります。本人ができることを見つけて「これやってほしいわ」と言うとやれることも多いんです。周りの人は心配のあまり本人ができることを先回りしてとりあげずに、できる事を増やすように関わってもらいたいです。
Tさん:それは認知症に関係なく人間関係ですね。
田辺:要は関係作りをいかにしていくか、っていうのが一番大事なところだと思いますね。それしかないと思います。
Mさん:認知症から鬱になったり、精神障害になったりすることもありますか?
田辺:動きが悪くなったり沈みがちになったとか、その辺も病院で見てもらわれると良いでしょうね。認知症によって鬱になるということもあるし、反対に、鬱だと思っていた、人格が変わってしまって精神障害かなと思っていたのが実は認知症だったということもあります。その辺も病院で脳の検査をしてもらうとわかります。
Hさん:最近私、物忘れが多いんですけど、加齢によって、みんな脳が萎縮していくんですか?
田辺:そうです。でも、先日ラジオで聞いたのですが、「海馬の萎縮からくるアルツハイマー型認知症は、物忘れではなくて、記憶の玄関である海馬そのものが扉を閉ざしている状態」だそうです。新しく情報が入ってこないからいろんなことがやれないようです。何度言ってもできない、と周りは思うかもしれないけど、言われたことが理解できないという事のようです。昔できていたことは残っているでしょうね。
Mさん:私たちは今はまだ認知症になっていないと思うので、今のうちに自分ができることを増やしておいたほうがいいよね。そういうことならできるね!


4大認知症

1.アルツハイマー型認知症
脳の中にアミロイドβなど「脳のごみ」と呼ばれる不要なたんぱく質が溜まり、それによって、神経細胞が変性し、死滅。そのうち脳の海馬や頭頂葉などが萎縮して、認知症の症状が出てくる。認知症のなかで最も多くみられるタイプで、症状は物忘れなどの「記憶障害」から始まり、自分のいる場所や時間などがわからなくなる「見当識障害」、物盗られ妄想、徘徊などの一般的にイメージされる認知症の症状が出現する。

2.血管性認知症
脳梗塞や脳卒中、くも膜下出血など、脳の疾患が原因で発症。脳の認知機能を司る部分(前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉、海馬など)などで血管が詰まり、十分に酸素や栄養を送れなくなることで細胞が死滅。主な症状は、「記憶障害」や「判断力障害」など。一日のうちでも症状に波があり、認知機能はまだらに低下していく。さらに、感情のコントロールが効かなくなり、すぐに泣きだしたり、怒りだしたりする「感情失禁」も多くのケースでみられる特徴。

3.レビー小体型認知症
レビー小体とは、脳の神経細胞にできる特殊なたんぱく質のこと。レビー小体がたくさん集まる場所では神経細胞が破壊され、命令がうまく伝達されなくなる。後頭葉と呼ばれる視覚を司る部位にレビー小体が集中して発症すると幻視の症状が出る。みんなの「家の中に知らない人がいる」「服の中に虫がたくさん入ってきた」など、現実にはないことを言い出すようなことがあれば、レビー小体型認知症を疑うことも必要。

4.前頭側頭型認知症(FTD)
脳の約4割を占める前頭葉と側頭葉が萎縮し、血液の流れが滞ることで発症するのが前頭側頭型認知症。初期段階では、認知症の一般的な症状である物忘れよりも、性格の変化や異常行動が目立つ。人格の変化や異常行動が現れるため、精神疾患と間違われることも。また、罪悪感がなくなることから、万引きや痴漢を起こしてしまうケースがみられる場合もあるので要注意。                                                             みんなの介護 より抜粋

 

 

 

 

 


vol.214 熱中人 都竹 政貴さん

一人縫製の現場から見えるコト、見えないモノ

メルチデザイン 都竹 政貴さん

 

バクまくら
tomoniプロジェクトで「僕ら専門家(陶、ガーデン、服などの表現者)と障がいのある表現者の作品を掛け合わせて何ができるか」そんな取り組みに参加させてもらった時に、伊藤淳司さんとつながりました。(P-15ボーダーレス社会を目指して イラスト作者)淳司さんと雑談をしながら、彼が描いた絵をたくさん見せてもらいました。「どれが一番好きなの?」と聞いた時に、バクのイラストを出してきてくれたんです。「じゃぁ、これで何を作ろう」と話し合いました。
バクは夢を食べるよね。「そうだ、怖い夢を食べてもらえる枕にしよう」ってことで、バクまくらを作ることに。安眠する枕だから、枕の中身のそば殻は近所の蕎麦屋さんからもらって、薪で炊いて煮沸消毒。そのあと天日干し。「いい夢を見てもらう」というのがコンセプトのちょっとこだわったバクまくらを作った。淳司さんの書いたバクの絵も素敵だし、寝室にバクがいるっていうだけで、安心感を得られるんじゃないかな。

最高の生地に出会って
tomoniつながる和綿プロジェクト※でいろんな人とつながっていく中で、特にリトアニアでリネンを育てている、カミンスカスさんが面白くとても印象に残っています。リトアニア(エストニアやラトビアと共に、1940年以降ソ連に併合されていた。1990年に独立回復宣言)がもと旧ソ連に併合されていた頃、国中がリネン畑だらけだったんだって。彼が子どもの頃は「青い花が咲く頃には青空が下に落っこちたんじゃないかっていうくらいの景色があったんだ」って。ソ連が崩壊して、リネン産業が衰退。青い色が消えてしまったことを憂えていた彼は、昔ながらのやり方でリネンを育てようと一念発起。そんなカミンスカスさんが原料を送ってくれた。それが生地になった。ものすごく肌さわりがよくて、ワンピースドレスを作りました。自分の中では、この生地は寝具とかパジャマがいいんじゃないかという思いがあり、和綿プロジェクトでできた生地で、もう一回バクまくらを作ったんです。今度は、墨でシルクスクリーン印刷。完全に乾ききっていなかったのか、一回洗いをかけたら、墨が溶けて、墨染めになっちゃった。全体を見るとそれはそれで悪くはないんだけど、今の段階では洗濯機では洗えない。商品化にはまだまだ課題が残りました。
アートと福祉
伊藤さん(淳司さんのお母さん)にはできればこれを「売れるようにしたい」と話しています。これでお互いに収益が上がれば、と。福祉とアートをつなぐ、まさにコラボレーションです。ただ何をもって福祉というのか、自分はあまりよくわかってないんです。障がいのある人の創造性を支えるというか、実はお互い様なんですけどね。でも、専門家とコラボすることで、色々な接点が生まれて来るんじゃないかと感じてはいます。
自分はかつてべルギーのアントワープ王立アカデミーという、ヨーロッパでも歴史ある美術大学のオープンスクールで学んだのですが、そこで感じたのは、モード科、テキスタイル科のレベルがすごく高いということでした。そこで出会って仲良くなった日本人とある時、「目を隠して過ごしてみよう。 時間でやめる」と決めてスタート。目から入る情報が何もない状態で、コーヒーを飲みたくても、どれくらいが一杯なのかわからなくて…。夜になると、外も部屋も真っ暗。急に暗闇の怖さが襲ってきました。でも、そういう疑似体験を重ねることで、立場の違いを理解できるようになればいいなと思いますね。そこにどうアートを絡めていくか…。

アートの役割
体力には自信があったけど、9年前に潰瘍性大腸炎を患って、一ヶ月半の入院生活。あっという間に筋力が衰えました。退院しても足腰が痛いし、仕事はできないし…。そんな時に、近所の第2いぶきさんが、非常勤で来ないかと声をかけてくれたんです。そこで最初に「百々染め(草木染め)」を仲間たちと取り組みました。第2いぶきは結構重度の方が多くいろいろ学ばせてもらいました。ただ、自分自身の体が弱っていたのもあって、職員より仲間たちと一緒に話をすることが楽しいし、気持ちもよかった。もちろん難しいこともありますけど。
障がい者って、一括りにはできないですが、昔は大変だったと思うんですよ。差別とか偏見で隠されちゃったりとかして。やっと今になって、障害者差別禁止法ができて、是正されつつあるように思いますが、まだまだ昔を引きずっている感じは否めないですね。そんなこともあって、「アートの役割の一つには福祉とつながりあうこと、そして、ともに支えあっていけること」なんだと思っています。

tomoniつながる和綿プロジェクトとは 日本の風土と日本人の肌に一番なじむ繊維である「和綿」を通じて、 人と人、人とモノ、モノとコトがつながる物語を紡ぎ、 アート、デザイン、ビジネス、福祉の分野をつなぎ、新たな出会いと仕事が生まれる場をつくりたい――そんな願いを込めたプロジェクト

 

つづくまさき●メルチデザイン デザイナー・服飾作家・コラボレーション作家。
1971年生まれ。岐阜県立岐南工業デザイン科卒。デザインから縫製まですべて一人で行う。地元縫製工場にて技術を身につけた後、独自のパターンメイキングで制作。
1996年 個展「大量生産できない服」 MELCHI DESIGNSを始める
服の原料(種から)づくりを実施。


vol.214 夢か悪夢かリニアが通る!vol.43

リニア中央新幹線を巡る対照的な2つの集会が5月末、東京で開かれました。一方は、「講演&シンポジウム 立往生するリニア建設」。7月18日に東京地裁で予定されているストップ・リニア!訴訟判決を前に原告団などが主催、「リニア新幹線と南海トラフ巨大地震」(集英社新書)の著書がある地震学者で神戸大学名誉教授の石橋克彦さんが講演しました。もう一方は、「リニア中央新幹線建設促進期成同盟会」総会です。こちらは沿線10都府県で構成し、リニアの早期実現を目指す会。昨年7月加盟した静岡県の川勝平太知事が出席するとあってマスコミも注目する中の開催でした。今回はこの総会でどんなことが語られていたのかレポートします。                     井澤宏明・ジャーナリスト

 

「リニアムラ」の住人たち

「進捗率」には触れず
リニア建設促進期成同盟会の総会は5月31日、東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急に約260人を集めて開かれました。副会長の川勝知事が登壇したのは会長の大村秀章・愛知県知事らに次いで3人目。冒頭、「静岡県は一貫してリニアに賛成しております」と述べると、少なからぬ出席者は顔を見合わせ、驚きの表情を見せました。
続いて、静岡県が県内の着工を認めていない南アルプストンネル問題に言及しました。「南アルプス工事を含め、トンネルを掘ると2つの問題が出てきます。1つは水です。もう1つは掘削土です」。川勝知事は具体的な課題を列挙した上で、「これらを合理的に解決すれば、何の支障もない。ぜひぜひ皆さま方のお知恵を拝借し解決しながら、リニアの成功に向けて協力したい」と挨拶を締めくくりました。が終始、不機嫌そうな大村知事の表情が印象に残りました。
他の知事は競い合うかのように、いかに県内の工事が順調に進んでいるかということをアピールしました。
「トンネル区間は9割強が契約。明かり(地上走行)区間は、釜無川橋梁に続き、笛吹川、濁川橋梁が着工するなど、県民に目に見える形で着実に進捗している」(長崎幸太郎・山梨県知事)、「県内の工事契約率96.9%ということで、発生土の処理の問題を始めさまざまな課題があるが、一つ一つ解決しながら事業が着実に進められてきている」(阿部守一・長野県知事)、「岐阜県も順調に進んで来ており、工事が本格化したという状況。その象徴が昨年6月の岐阜県駅舎本体の起工式で、いよいよ始まるなということを実感している。15工区のうち13工区の契約が実施済みで、12工区で既に工事が進んでいる。全体の91%」(古田肇・岐阜県知事)
どの知事も工事の「契約率」は明言するのですが、工事の「進捗率」には一切触れません。なぜなら、各都府県の工事は大幅に遅れており、川勝知事が昨年9月、神奈川県視察の際に指摘した「不都合な真実」だからでしょう。

アセス開始をごり押し
来賓はリニア「夢物語」を次々と披露しました。「早期実現を目指す議員連盟」の高市早苗衆議院議員(奈良県)は「大地震が来た後のことを考えてみてください。(リニアが走る)大深度は比較的強いですから、何とか流通が維持される。今朝もJアラートが鳴りました。飛来物があったときでも避難場所としての考え方もできるんじゃないか」と呼びかけましたが、冒頭の石橋名誉教授によると、南海トラフ巨大地震発生時に起こる「複合災害」では、津波被災者などから救助要請が殺到し、南アルプス山中のトンネル内に停車したリニアの乗客を救助する人員は割けず、JR東海は原発のような自主防災組織を用意する必要があるといいます。
総会では、「名古屋・大阪間については、(中略)2023年から環境影響評価(環境アセスメント)に着手すること」とした決議を採択しましたが、JR東海の宇野護副社長は今年4月11日、国の有識者会議後の私の質問に「(名古屋)以西のアセスについては、静岡工区着工の見通しがついて、(品川・)名古屋開業の見通しがハッキリした段階で考えていく話なので、今年やるというのは考えていない」と否定しています。
どこか浮世離れした「原子力ムラ」ならぬ「リニアムラ」の住人たち。「不都合な真実」からいつまで目を背け、ごまかし続けるのでしょうか。


vol.214 ボーダーレス社会をめざしてvol.73


NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

障がいを知る

「交通事故にあったの?」「ばあばって、ガンもして交通事故にもあって、大変やなぁ」と孫が言った言葉に笑ってしまいました。
確かに大変でした。11年前に胃がんになり、4年前に車にはねられました。ちょうど今頃です。その頃の気持ちを忘れないように記録を残しておきました。今は気持ちの整理ができているので、書いてみようと思います。
『自転車に乗っていた私は、乗用車にはねられた。足が動かない。救急車を呼んでもらい、病院に運ばれた。レントゲン検査では、骨に異常はないとのこと。簡単な手当で、自宅に帰ることになった。帰りは車いすに乗らないと動けない。両足が動かない。家に帰り、寝て動かしてみても、両足とも動かない。腰が痛く、動けない。右にも左にも動かせない。一晩過ぎて、朝起きるのにも15分以上かかったが、動けた。しかし、腰が痛くて、起き上がれない。腕の力を使い、起きてみると足は動いたが、一人では立てない。何かにつかまってだったら、動ける。足が動いたことに感謝する。キャスター付きの椅子を杖替わりにする。椅子がないと動けない。左の腰を強く打ったため、整形外科で左膝に電気を流す電気治療をしたためか、痛みが少なくなった。しかし、右足は、特に悪くないだろうということで、そのままにしておいたら筋肉が収縮してしまい、股関節に激痛が走り始めた。約3週間歩けなく、右足の筋肉は衰えていった。お医者さんに右足も電気治療をしてほしいとお願いすると3日ほどで激痛はなくなった。が、筋肉の収縮はすさまじいのと、筋肉の衰えで足が動かなくなっていた。理学療法士さんにつき、筋トレを始める。両足とも衰えていたため、膝がぐらぐらする。毎日スクワットなどをし、鍛えなおす。日にち薬で徐々に歩けるようになる。足元に落としたものが拾えない。階段が上がれない。身体障がいの人の辛さが分かった。また、車に乗せてもらうのも、自由ではない。遠慮しつつ、運転手に気を遣う。なんて自由がないのかと思う。きっと知的障がいの方もこんな思いをしているのだろうと思う。遠慮しつつどこかに出かけるより、自転車、歩きで自由にと思うのも分からなくない。今回の事故は、まだまだ修行が足らない私への試練だったようだ。弱者の気持ちが十分わかり、人の優しさが分かったのは間違いない。』と綴られていました。
自分の行きたい所へ行けない。なんて辛いことなのでしょう。一度、どうしても本が読みたくて、本屋に行きたいのに行けないことがありました。自分の思いは封印せざるを得ない。諦めるしかありませんでした。 こんな生活は、ひょっとしたら障がいのある人は、日常茶飯事なのかもしれないです。支援者が、嫌だと拒否したら、障がいのある人は自分の意思があってもその通りにはならないのではないでしょうか。自分自身が、障がいのある本人になって初めて分かりました。もちろん頭の中では、今まで十分、分かっているつもりでしたが違っていました。本当の辛い気持ちを、体で、感覚で知りました。人の気持ちは、想像はできますが、本当に想像していることが合っているかどうかは全く分かりません。
今では、痛みはもちろんありますが、歩けるようになりました。自分の体は、自分で治すという体操に巡り合ってからは、毎日15分程度の体操と    のトリセツショーという番組で紹介されていた「血管のばし」を朝晩10分やることで健康な体を取り戻しつつあります。限りある人生、健康が一番です。


vol.214 モザンビークからレポートvol.8

価値観の違いはどこから?

ちょうど一年前、恐喝にあいました。何より驚いたのは、周りに人がいっぱいいたのに誰も助けてくれなかったこと。1年過ごしてみると、日本では見られない素敵なところもたくさんあって、何を大切にしているかが違うだけなんだなぁと思ったり、思わなかったり。

「ぎゃー!たすけてー!だれかー!そこのお兄さん、笑ってないで助けて!」
約1年前の昼間の繁華街で突然若者に腕を掴まれて、必死に助けをこうも、老若男女問わず誰も助けてくれませんでした。ガードマンを呼んでも無駄。しばらくこの国で住むことが嫌で嫌でしょうがなかったけれど、改めて1年を振り返ってみて思うのは、「価値観が違う」ということです。
恐喝がいいことだとは思わないけれど、外国人にお金をせびることの大前提に、モザンビークにはお金を持っている人が困っている人を助けるのが当たり前だという考えがあります。外食に行けばお金を持っている人が全額払う上に、お金を払わない人も大きな顔をして好きなように飲んで食べているし、友達からもすぐに「助けてくれ」「パンが買えない」等々と言われます。日本人として、全く理解できない態度だけれども、その逆もまた然り。日本人同士で割り勘しているところをモザン人に大笑いされて、「そうそう、お互いお金の扱い方が違うよね」と話がはずんだことはとても印象的でした。

他にも、違いはたくさんあります。モザンビーク人は歳を召した人の荷物を運ぶことや、誰かが転んだだの、車の故障だの、みんなさっと寄ってきて助けてくれます。今眼の前で起こっていることにはとても敏感。日本人はどうでしょう?誰かが困っていても、体調不良で倒れていても、素通りする国だという外国人記者の記事読んだことがあります。事実あってほしくはないけれど、外国人に対する対応が冷たいのは否めません。外国の駅で地図を見ていて声をかけられなかったことはないし、モザンビークでも少し立ち止まっているだけで「Tudo bem?( 大丈夫?)」と多くの人が気にかけてくれます。モザンビーク人との約束で、時間をきっちり守ってもらったことはないけれど、道中で誰かを助けていたとしたら(実際に、日本ではありえないアクシデントがすごく頻繁に発生して、時間通りにつくことは結構難しい)、それはそれで素敵なことだと思うようになりました。

日本人は、時間に関しては世界一きっちりしている国、国民。誇りに思っていい文化の反面、時間に追われるあまり、眼の前で困っている人を助ける余裕がなかったり、外国語を完璧に話せないから声をかける勇気がでないのだとしたら、もったいない!「世界はいつもそんなに完璧を求めていないよ。他の人と関わることを楽しんでみて。」と伝えたいです。


vol.214 菌ちゃん野菜応援団vol.35

前回ミネラルについてお伝えしました。ミネラルは旬のお野菜にたくさん入っていますよーってお話でしたね。実はミネラルはほかのものにも入っているんですよ。
代表的なものは海のミネラル。海には昆布やワカメといった海藻類から、小魚や大きな魚までたくさんの命が生活しています。そのなかでも日本人が昔から食べてきた、昆布やわかめ、いりこなどの小魚にはカルシウムや亜鉛などのミネラルがいっぱい。
大きな魚にもいろんな栄養素はありますが、日本には一つの命を丸ごといただくことがそのものの栄養を十分にいただける、という「一物全体」という古い教えがあるんですね。大きなお魚の一部をいただくよりは海藻類や小さな小魚を丸ごと食べたほうがいいってことですね。
またお食事に「海のものと山のものを入れましょう」と聞いたことはありませんか?海に住む生き物と、陸に住む生き物。どちらもそれぞれ少しづつ違った栄養素を持っているので、その両方をバランスよく食べることで私たちは元気になれますよってことなんですね。
また海のミネラルが凝縮したものが塩なので、よいお塩は減塩せずしっかりと「美味しい」と思う味付けでご飯を食べてください。
これから暑くなって熱中症や夏バテになることも。その時にしっかりミネラルを補給しておくとばてることが本当に少なくなります。
美味しいお塩で作った本物の梅干しを食べることも夏バテ対策のひとつ。
夏を元気に乗り切るためにも。海のものと山のもの、そして天然のお塩をしっかり取ってみてくださいね。

簡単すぎるけどおいしい!梅干しごはん
ご飯をたくときに梅干し1個入れて炊く。超簡単!でも、それが美味しいんですよね。おむすびにしても腐敗しにくいのもこれからの季節にいいですね。


vol.214 ここいく日記 はじめの31歩!

ここいくの活動拠点「あいのね」では平日の夕方に「まちの保健室」を開催しています。そこには子どもから大人まで様々な人が訪れます。
小学生の頃から常連の外国人の少女は中1となり、一気に勉強が難しくなって中学は大変だぁ~と日々の困りごとを話してくれます。年間予定表を見ながら「尿検査、生理の時はどうするの」と聞いてきた時は「もう1日、尿検査の日が書いてあるでしょ。この予備日に提出すれば大丈夫だよ。」と答える。「体育は簡単に休めないんだ」とつぶやくので理由を聞くと、先生が「簡単にダルイと言わない、諦めない、全力でやる、疲れても休まない」と言うらしい。そして、男の先生だから、生理痛が酷くても言えないと漏らす。日本語が分からないお母さんにも、学校の先生にも「性」のことは特に相談しにくいと教えてくれた。
特別支援学級に通う小学生は算数が苦手。先生から、指は使わないでねと言われ、イライラして雑に書くと、やり直しと言われる。新学期、まだ理解できていないから、今年も同じ教科書で勉強しようねと言われた時は「無限ループだ!」と絶望的な気持ちになったと教えてくれた。
各務原市では令和5年3月に多文化共生プランが策定され、言葉や文化をつなぎ心のつながりを作り、子どもたちの学びを支え育むとある。令和7年度には新特別支援学校が開校し、一人ひとりの能力や可能性を最大限に引き出すことができる学校を目指すとある。立派なプランや基本計画はありますが、「まちの保健室」では、置き去りとなっている子どもたちの気持ちがたくさん聞こえてきます。
学校にも「保健室」はあるし、先生もたくさんいます。しかし、不安や悩みを言えない子どもたちがいる。身近な大人と私、「学校」と「まちの保健室」の違いは何だろう?大きな違いは、そこには上下関係がなく「安心」であること。ここいくの「いのちの授業」では人間関係の話をしています。
話し相手、遊び相手、相談相手、喧嘩相手の「相」。
話し合い、触れ合い、助け合い、励まし合い、慰め合い、認め合いの「合」。
「相」と「合」がある関係から「愛」は生まれます。
でも「愛」が生まれるような「相」と「合」のある関係を創るには「安心」な環境が必要です。そのためには互いが対等であること。ヒエラルキー(序列)の関係に陥りやすい、先生と生徒、親子、上司と部下、兄弟姉妹であっても「対等であることが人間関係の基本だよ」と子どもたちに伝えています。支配と暴力の関係の中では「安心」できず、「安全」でもなく「愛」は生まれません。
「ここいく」の仲間たちは、得意なことも苦手なことも違いますが、互いを尊重しあえる関係です。私はみんなと一緒に過ごす時間がとても楽しく、何より気持ちが「楽」です。それは安心して自分らしくいられる環境だからだと思います。
先日、なぜ「ここいく」のメンバーはずっと一緒に(13年)活動ができる関係を保てるのかなぁ~とつぶやいたら、代表の中村に「私たちは繰り返し子どもたちに人権を伝えてきた。その度に私たちは繰り返し学んでいる。伝えたことは、全部私たちに戻ってきていると思うよ。」と言われて、とても納得しました。
「いのちの授業」を届けるだけではなく、私たちもいっぱいもらっている。なんて素敵な関係なんだろう。大人も子どもも関係性をつくりにくい時代ですが、出逢いと学びで関係性は変えられます。

「ここいく」メンバー大募集中です。一緒に心地よい人間関係の輪を広げませんか。

担当:ここいくメンバー 古川明美でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)


vol.214 プレゼントコーナー

214号PRESENTS

プレゼントご希望の方は

ハガキまたはe-mailで、下記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。

1.この夏、あなたが取り組む省エネの工夫は?電気料金も気になるこの頃、あなたはどうやって暑い夏をのりきりますか?

2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望 を必ずお書きください)
※A、Dは編集室まで受け取りに来られる方。
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、 家族構成

 

ハガキまたはe-mailで、上記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
〆切:2023年7月25日 当日消印有効。
宛先 〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。

 

A.濃姫パパイヤ  信長バナナ(合)様より…3名様

信長バナナに引き続き、岐阜で栽培、収穫、販売が始まった「濃姫パパイヤ」。まだ栽培本数が少ないため、レアな商品です。栽培期間中、農薬と化学肥料不使用なので、安心していただけます。1名様につき1個プレゼント にらめっこ編集室でお受け取りください。(写真はイメージです)


B.日本最古のうるち米 古代紅米「朔月」玄米300g

自然農縁 月とたね様より…2名様

日々をていねいに、家族でお米作りをしながら、心と時間の豊かさを大切に暮らしている月とたねさんから。赤米は、玄米の種皮または果皮の少なくとも一方にタンニン系の赤色素を含む品種。縄文時代に日本に最初に伝わった稲と考えられています。

 


C.CINEX映画招待券 CINEX様より…ペア3組様

映画の中の登場人物の生き方、感じ方などを、観た人が心の中に蓄積しておくことで、人間の幅が広がり、アンガーマネジメントにも繋がるとか。映画って奥が深い!写真は映画「ウーマン・トーキング」より。柳ヶ瀬のCINEXでご利用いただけます。


D.縄文姫塩あめ ハイビスカス&ローズヒップ味

コトノハ工房様より…3名様

海のミネラルを豊富に含んだ「天然塩」であれば、減塩する必要はありません。化学添加物不使用、ミネラルバランスを考え世界中の天然塩をブレンドしたコトノハならではの塩あめができました。これからの季節、常に持ち歩きたいアイテムですね。20粒入りです。にらめっこ編集室でお受け取りください。


vol.213 なりたい自分と今つながる方法

時間は、過去、現在、未来の順番で直線上に流れるというのが一般的な考え方ですが、実際はそうではありません。「いま」をどう解釈するかで過去の経験は変わるし、それに伴って未来もガラッと異なります。過去の経験が未来を決めるわけではないということです。

過去、現在、未来は別次元で同時に存在する。
 先日、HP制作で愛用していた三上のMacBookが突然壊れました。2度目の悲劇。1度目はある人に裏技で修復してもらえ、ラッキーでした。ただ、「今度壊れたら同じ手は使えません、その時はあきらめてください」と言われていたのです。モニターは黒一色。ガーン!!私の心も暗幕が下りたように真っ暗。立ち上がらない原因をあれこれ思い浮かべスマホで対処法を調べる。調べても立ち上がらない現状に疲れ、充電したまま約1週間放置。原因を探す思考を手放し、現実を見る。PCは高温多湿は厳禁。たぶん多湿の中で(冬・石油ストーブ・ヤカンからは蒸気)スイッチを入れ、中の部品の何らかのトラブルなのかも。それを払拭できる環境にして、直る!蘇る!という気持ちがむくむく湧いてきて、再度スイッチオン。見事生き返りました。

これを引き寄せや現実創造の法則に当てはめれば、“思いをめぐらせて待っている”という今の感じが同調した現実(未来)が創造されたということになるでしょう。
現実、創造における時間の概念は、過去、現在、未来と一直線上に流れているというより、別次元として同時存在すると考えるほうがしっくりきます。そこでは量子力学の、「存在するものは、すべて物質であると同時にエネルギーだ」という考えがベースになります。無意識というエネルギー領域にアクセスし、現実を変えるための脳トレを説くのがジョー・ディスペンザ博士。その著書『あなたという習慣を断つ ― 脳科学が教える新しい自分になる方法』では、考えることと感じることというエネルギー領域が同調したとき、目に見えない電磁波場に向かって「この現実が正しい」という信号が送られると語られます。

PCトラブルの時に、私という習慣(ダメだ、壊れた、あきらめる…)というような思考を断ち、“直る、蘇ったらめちゃうれしい”という感情方向にチェンジしたのが功を奏したのかも。

そこで人生を変えるには思考と感情という両方のエネルギーを変える必要があり、そのふたつが一致すると量子における創造の力が最大になるとか。つまり“そう思って、そう感じる” 現実が創造されるというわけです。
過去は「こうだった」、そして未来は「こうだろう」と頭で考える思考のエネルギー次元のものです。それに対して現在は、「こうだ」と見たり聞いたり感じるエネルギー次元のものです。言い換えれば、過去と未来は脳の言語で表現され、現在は身体・感情の言語で現される。考えと感じ方というその両方を一新して全体像としての真実を体験することで、望む現実を創造するというメソッドが「現実創造」や「引き寄せの法則」と言われるものでしょう。
だから頭でポジティブ・シンキングを貫こうと無理したり、わかったような気がするだけではダメで、それにいい気分という実感が結びついて初めて同調する次元の未来が創造されます。なぜなら私たちは霊的な存在でありながら同時に肉体を持つ物理次元の現れであり、心と体の両方を使って体験することを求めて、この物質世界に生きているからです。つまり大抵の場合において「引き寄せ」がうまくいかないのは、身体の言語である「感じ方」が置き去りにされているためです。
病気などはその一例で、思い、言葉、行動のいずれかが本当の自分から反しているというサインです。

時間は未来から過去に向かう、アビダルマの概念。

私のPCの例でいえば、時間は過去から未来へと流れるのではなく、“そもそも直る”という未来があって、そこに向かう過程として、“湿気を取り除く1週間待ちという現在”があったという見方です。
「あれに失敗したから、未来もダメだ」「あの人に振られたから、この先幸せはない」。そんなふうに私たちは通常「現状から実現できると思われること」の積み重ねに未来があると悲観します。そうではなく、ある未来に到達するための通過点としての“今”と捉えるこの時間の概念上では、誰かに失恋したのは、もっと良い人に出会うという未来からの筋書きかもしれません。その仕事を失ったのは、本当にあなたのことを求めている職業が待っているからかもしれません。
最高の未来を設定して“今”を見れば、どんな“今”であろうと、最高の未来につながるために必要な貴重な時間になります。どのみち最高の未来になるならと精神的な余裕が生まれ、“今”の自分はどう感じて行動したいのだろう?と選択し直すこともできます。

最高の未来から問題解決するバックキャスティング思考法。
バックキャスティングとは、はじめに目標とする「未来の姿」を描いてそこから「いま何をすべきなのか」を考える思考法のこと。 不確実性の高いテーマや課題に対して具体策を考えるのに有効な手法として注目されています。
この理想の未来の姿を起点にして現状を振り返り、今何をしたらいいのかを考える方法は、環境政策を考える上でもみられます。どのようにして理想の未来像を実現できるかに関心を持ちます。将来の望ましい状態を想定し、その状態に到達するためのステップを定義する方法です。SDGsなどにも取り入れられています。

そして何より大切なことは、目標と同じくらいプロセスを楽しむこと。なりたい未来の次元の自分から見れば、今のすべてが旬のストーリーです。それをゆったりと味わうことで願う未来の次元の自分とつながり、過去、現在、未来のすべてが同時に癒され、いつでも望む現実を創り出せます。   MAKIWARI JOURNAL For Our Genuine Happiness 参照

 

大谷翔平選手が使った目標達成シート(マンダラチャート)とは?

大谷翔平選手が高校一年生の時に作成した「目標達成シート」。高校時代の監督・佐々木洋氏からの教えにより作成したこのシートは、強い目標(夢)を中心に置き、周囲9×9の合計81マスに細分化した目標を書き込んだものです。大谷選手が中心に書いた夢は「8球団からのドラフト1位指名」でした。
夢を達成するための要素
1.体づくり2.人間性3.メンタル4.コントロール5.キレ6.スピード160キロ7.変化球8.運
体づくりを達成するための要素
1.体のケア2.サプリメントを飲む3.FSQ90キロ4.柔軟性
5. RSQ130キロ 6.スタミナ
7.可動域 8.食事夜7杯朝3杯
大谷翔平選手は目標達成シート(なりたい自分になる)を作成する際、なるべく具体的に、また少し高い目標を書き込むようにしたと話しています。ひとつの大きな目標を達成するために必要な要素を細分化し「叶えたいこと」への道のりを確立したともいえるでしょう。すべての要素をクリアしていくのは難しいもの。そこで具体性を高めると、目標を見失わずに進めます。


vol.213 こころとからだのつながり

 生きている以上、感情に変化はつきもの。健康とは、体だけでなく心の健やかさもあらわしますから、感情と病気、そして内臓がつながっているのは、自然なことかもしれません。
内臓の状態と感情の 5 タイプとは、内臓と感情を含む全ての物事を、分かりやすく5つに分類しています。

この図は、感情と内臓の関係をあらわす「心と身体の相関図」です。 これでみると、怒り=肝臓、喜び=心(臓)、思い悩む=脾(臓)、悲しみ=肺、恐れる=腎 (臓)であることがわかります。 つまり、長年、怒りの感情ばかりを持ち続けていると、肝臓に不調があらわれやすく、逆に、肝臓にトラブルがあると、怒りっぽくなってしまうというわけです。肝臓が弱ると、ちょっとした風にあたっただけで涙が出たり、爪が欠けやすくなったり、またみけんのシワとして表面化します。眉間のシワは不機嫌顔の象徴。定着させないためには、日ごろのストレスにくわえて暴飲暴食を避け、肝臓への負担を減らす必要があります。 それでは、他の臓器についても詳しくみていきましょう。

怒ると肝臓が弱る!?
:怒り過ぎると気が上昇し肝が傷つき弱る。肝が弱ると筋がつったり痙攣する。肝が弱ると目が疲れ視力が低下する。怒り過ぎる人はよく手を握り締める。
:喜び過ぎると気が緩み心が傷つき弱る。心が弱ると血流が悪くなり心臓病や動脈硬化などひきおこす。心が弱ると味覚異常など舌に影響がでる。喜び過ぎる人はよく喋る。
:思い考え過ぎると気が固まり脾が傷つき弱る。脾が弱ると脂肪に栄養が回らずに痩せ、しわが増える。脾が弱ると唇の艶がなくなる。思い考え過ぎる人はよく、えずき、しゃくる。
:悲しみ憂い過ぎると気が消えて肺が傷つき弱る。肺が弱ると皮膚に異常がおき肌が荒れる。肺が弱ると嗅覚が低下や鼻の炎症を起こす。悲しみ憂い過ぎる人はよく咳がでる。
:恐れ、驚き過ぎると気が下がり乱れ腎が傷つき弱る。腎が弱ると骨や歯が弱り腰痛も起こりやすくなる。腎が弱ると耳が遠くなったり耳鳴りがしたりする。恐れ驚き過ぎる人はよく震える。

<食生活の見直し>
・栄養に偏りのないバランスの良い食事を心がける
・塩分、動物性脂肪、糖質、カロリーを摂り過ぎないようにする糖尿病の三大合併症といえば、網膜症、腎症、神経障害ですが、近年は「認知症」もその一つとして注目され始めています。認知症の3から4割が糖尿病が強く疑われる結果が出ている。
・早食いは禁物。噛むことは脳を刺激します。
・DHAやEPAを積極的に摂る。(イワシやサバなどの青魚に含まれる )

<運動の見直し>
・適度に負荷のかかる運動を継続的に行う・ウォーキング ・ジョギング ・水中ウォーキング ・水泳・ヨガ ・踏み台昇降運動・自転車
・意識して有酸素運動を行う。まずは1日10分程度の時間で気分転換になりそうな軽いものから始めましょう。 例えば、ウォーキングなどを行うのも1人で行うのではなく、できればご家族や友達と会話をしながら歩くことが有効です。会話をすると、その分負荷がかかり酸素を多く身体に取り入れる事が出 来るから。また、外に出て歩くことで、周りの景色が変化し、それに合わせて目から入ってくる情報を脳が判断する為に働くという効果も見込めます。週に2 ~3日1回約30分の有酸素運動を取り入れて行きましょう。

「涙」には意外なチカラがある?
【Q】よく笑う人は心臓病や脳卒中などが少ないという話もあるとか。では、泣くことと健康にはどんな関係があるのでしょう?
【A】泣くことは、笑いと同じように健康に良いと言えます。涙は大きく3つの種類があります。目を潤すための「基礎分泌による涙」、ゴミが目に入ったときなどに出る「反射性の涙」、脳にストレスがかかったときに出る「情動の涙」です。

その成分は微妙に異なるといわれています。基本的には涙には酸素や栄養素が含まれています。目の表面の細胞には血管がないためです。また、細菌感染予防のためにリゾチームと呼ばれる物質が含まれています。これは、細菌を保護している膜を攻撃する酵素です。さらに、目の表面の傷を治す成分などが
含まれています。

タマネギを切ったり、ゴミや煙が目に入ったり、強い光を見たときに分泌される反射性の涙は、
三叉神経と呼ばれる目や顔などにある
神経や視神経への刺激を受けると、脳内の
涙腺核を通して副交感神経を経て涙腺から涙が出ます。目の表面の傷を治すための物質が多く含まれています。

情動の涙は脳の中の前頭葉皮質が刺激されて出る涙です。このときコルチゾールといったストレス物質を低下させる作用があるとされています。つまり、感極まって流す涙にはストレスを解消する働きがあるというわけです。

泣くことはストレスによって生じる苦痛を和らげる「エンドルフィン」やそれと似た物質を増加させる一方で、人の攻撃性や怒りっぽさ、不安に関連するとされる体内の余分なマンガンを体外に排出することで気持ちを落ち着かせる効果もあるとされています。

私たちの心と体は繋がっています。
心が辛い時は、体に症状が現れます。その反対に、体が辛い時は、心に症状が現れる。心の状態を見ることって、なかなか難しいですよね?自分では大丈夫だと思っていても、実際はたくさんの問題を抱えていたり。そうこうしているうちに、許容オーバーになってしまったり。そんな事が多々あります。そうなる前に、体に出ている症状から、心に問題を抱えていないのか?

体の部位別!あなたの心の症状は?
頭に辛さがある→自分自身の抱えてる問題について整理してみる
喉→言いたいことを飲み込んでいませんか?
首→問題が大きすぎてどうにもならないと感じているのかも。
肩→過剰な責任を背負いこんでいる?
ひじ→意地を張っていたりしてませんか?
お腹→怒りなどの感情を抑え込んでいるのかも…

自分の抱えてる問題を知ることが第一歩ですね。

「病は気から」の根拠は、観察より


vol.213 ぎむきょーるーむ 想像することは、創造の始まりだ!

 20世紀最高の物理学者と称されるアルバート・アインシュタインは、「想像力は、知識より大切だ」と言い、喜劇王として知られるチャールズ・チャップリンは「人生でなによりも大切なのは、創造力だ」と言っています。
「想像力」と「創造力」。どちらの力も伸ばしたい力ですね。では、これからの社会で重要になってくるのは、どちらの「 “ソウゾウ” 力」なのでしょうか?
今回は、「想像力」と「創造力」について考えます。

「想像力」と「創造力」は同じ読み方で、どちらも同じような場面で使われることがありますが、その意味は異なります。想像力は「実際に見たり聞いたりしていないものについて考える力」のこと、創造力は「独自の方法で、新しい何かを創り出す力」のことです。英語で「想像力=imagination(イマジネーション)」「創造力=creativity(クリエイティビティ)」と表現した方が分かりやすいかもしれません。

自由な発想に基づく想像力があるからこそ創造力が発揮され、また自分でいろいろなものを創造していく中で想像力が育てられていくことから、両者は深く関わり合っていると言えます。そしてこれらには、2つの大きな共通点があります。

まず1つ目は、どちらの能力も、子どもが将来社会で生きていく上でとても大切な力だということです。想像力は、会話の中で相手が意図することを読み取ったり、資料を読み込む時に理解を深めたりするのに役立ちます。また、創造力があれば、与えられた指示通りに動くだけでなく、自分で問題意識を持って試行錯誤しながら価値を生み出すことができます。

 人間が担ってきた仕事がどんどんシステム化されたりしている現代においては、どちらもますます求められる能力となっています。
そしてもう1つは、どちらも子どものうちにどんどん伸ばしておきたい力だということです。想像力も創造力

も、大人になってからも生涯役に立つ力ですが、一番伸びやすい時期は幼児期から学童期の間です。
子どもは幼い頃から、「遊び」を通してさまざまな力を身につけていきますが、想像力や創造力もまさにこれに当てはまります。ごっこ遊びを例に挙げて考えてみましょう。
ごっこ遊びの中では、想像力を働かせてさまざまな動物になりきったり、住んだことのないような場所に家や学校を作ったりしながら、実際には経験できない世界を楽しむことができます。でも、ただ自由にイメージしながら遊んでいるというだけではありません。

幼稚園児くらいになると、自分たちで好きなように場面設定をし、バリエーション豊かな展開を繰り広げるようになります。小学生にもなれば、さまざまなアイデアを持ち寄り合ったり、その中で最適なものを話し合って取捨選択したりしながら、より高度な設定でごっこ遊びをするようになります。こういったステップアップは、実は「創造力」が伸びたことによるものです。

想像力や創造力を育むには、工作がおすすめ。

工作では、子どもが「何を使おうかな」「どんなものを作ろうかな」と試行錯誤する過程で、想像力や創造力、工夫する力、最後までやりぬく力などを育むことができます。
まずは、「想像力」と「創造力」の違いを詳しく見てみます。

 

想像力とは「心に思い描く力」
創造力とは「新しいものをつくり出す力」

世界的ベストセラー『ハリーポッター』シリーズの著者、J・K・ローリング氏は、「想像力とは、存在しないものを描き、生み出す、人間特有の能力」と述べています。つまり、経験していないことや、現実にはないものを、自分の頭のなかに思い描く力ということ。

「どんな子どもも生き生きとした想像力をもって生まれてくる。しかし使わなければ、筋肉が衰えるのと同じように、鮮やかな想像力も次第に色あせてしまう」と言っていたのは、ディズニーランドの生みの親、ウォルト・ディズニーです。

子どもの「想像力」を伸ばす方法
1:本を読む
本には映像がないからこそ、「物語の世界をより理解するために、頭のなかで挿絵をつくって想像しようとする」のだそう。また、読書で得られる疑似体験も想像力を高めます。現実では出会えないさまざまな世界や人物を知ることで、子どもたちの想像の世界が広がるのです。

2:「イメージ会話」をする
たとえば、「あの雲、なにに見える?」などと問いかける、「イメージ会話」を提案。想像力の芽生えは、イメージすることから始まるそう。景色を見ながら、「あの大きな石はなにに見える?」「空から〇〇が降ってきたらどうする?」など、イメージを促す声かけを心がけてみましょう。

「イノベーションを起こし続けた、アップル共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏。彼の考える「創造力」とは、一見すると関係のないように見えるさまざまな分野の疑問や課題、アイデアやひらめきを上手につなぎ合わせる力」でした。枠にとらわれない創造力を育むために、次の3つの方法を参考にしてみてください。

1:芸術に触れる
「五感を磨いて創造性を育むべき」と強調。美術館を訪れ、好きな作品について語り合う、楽器やダンスを習うなど、子どもが芸術に触れる機会をたくさんつくって。

2:「落書き」する
記憶力や創造力を高めるとして「落書き」をすすめ。、落書きは「脳のリラックス状態」と「脳の集中状態」が同時に起こる動作なのだそう。

3:瞑想(マインドフルネス)
子ども向け呼吸を感じる瞑想
想像力と創造力を伸ばしたいなら、忙しすぎるスケジュールは大敵。子どもが「ぼーっとできる時間」を、1日のどこかで確保してあげてね。忙しすぎるスケジュールは大敵ですよ。


最終日にやっと行けた岡本太郎展(2023年3月14日)
特に印象に残った言葉と作品

「一言で言う・人生、即、芸術」

「にらめっこ」 Staring at Each Other
1978年 油彩、カンヴァス、oil on canvas

 1975年に出版されたエッセイ集「にらめっこ」には、若き日の岡本がパリの動物園でヒョウと対峙してにらみ合った経験が記されている。そして1979年に開始した人生相談の連載は「にらめっこ問答」と題されるなど、岡本にとって「にらめっこ」とは生命の交歓の瞬間という、とても重要なやりとりであった。メディアに登場する際の岡本自身が大きく目を見開いていたのも、そうしたコミュニケーションのための仕草だったのかもしれない。

「にらめっこ」とは生命の交歓の瞬間

人間と人間以外のモノたちとの「食べる/食べられる」の関係性を、芸術家・岡本太郎は「いのちの交歓」と呼びました。 「動物と闘い、その肉を食み、人間自体が動物で、食うか食われるか、互いにイノチとイノチの間をきりぬけ、常に生命の緊張を持続させながら生きて行く。 このいのちの交歓の中に、動物と人間という区別、仕切りはなかった」と。

 本紙「にらめっこ」の名前の由来は、「どんなに忙しくても、一日一回は、目と目を合わせて”にらめっこ=対話”しよう!という思いから。今回、岡本太郎展に行って、絵のタイトル「にらめっこ」に釘付けになった私。改めて芸術から放たれるメッセージに体が震えました。岡本太郎さんのような強烈なメッセージには及ばないけれど、本紙「にらめっこ」も直感を駆使し、ことの本質に迫りたいという思いで編集を続けています。

そこでお知らせ1つ。想像することは創造の始まりだ!との思いから、第15回「こども芸術村」が開催されます。にらめっこでは折に触れ「遊び」の中から学ぶことの大切さを書いてきました。

想像力や創造力を育むには、工作がおすすめ。
と本紙の記事中にもあるように、今回の「こども芸術村アートキャンプ 」( 詳しくはお知らせ参照)はまさに工作!!ちゃんと座れる椅子づくり!なんですね。しかも流木を使って、脚は必ずしも4本じゃなくていいし、バランス、座り心地、デザイン…まさに想像して、創造する!ワクワクする内容。食事は"マオロビ"こと松浦真央さんが担当してくださるという、うれしい企画。興味のある人はぜひぜひ参加してみては?詳しくは、にらめっこ(事務局)へ。

 

 

 


vol.213 アウトドア特集  

DIYで巣箱をつくる
朝、小鳥たちの「ちゅんちゅん」という可愛らしい鳴き声で爽快に目覚め、窓を開けておいしい空気を吸い込めば、ヒーリング効果抜群ですね。実のなる木や草を植えて、季節の鳥が好む環境をつくると、少しずつですが鳥がやって来るようになります。冬場は、梅や一重咲きの椿の花の蜜を目当てにメジロが飛んできます。
鳥は赤い色を識別することができるため、赤い実のなる樹木に鳥たちが集まるのです。例えば、6月はジューンベリー、秋になれば紅葉するヤマボウシやマユミ、斑入りの葉のグミなど、いろいろな樹木があります。また、巣箱や水場も、鳥たちにとって嬉しい環境です。
鳥は警戒心が強いため、すぐには寄ってきませんが、気長に待つようにしましょう。

鳥のエサ台も作ってみよう!
冬場はエサを見つけにくい自然環境になるため、エサ台を設置して鳥を呼びます。
シジュウカラは、ひまわりの種や殻付きピーナッツが大好物。ピーナッツは殻の両端を切っておくと食べやすくなります。メジロやウグイス、ヒヨドリは柿やリンゴ、みかんを切って置いておくと寄ってきます。

鳥のエサ台の高さは?
 エサ台は置くタイプと吊るすタイプがありますが、置くタイプは猫などが潜む場所のない、見通しの良い高所に設置しましょう。 野鳥は、周囲の安全確認ができるような場所を好むので、地面から1メートルくらいの高さがあればまず安心です。 2階以上のベランダに置く場合は、平置きでも大丈夫ですよ。

 

簡単に作れるバードバスも置いてみよう!
水場は単に水飲み場だけでなく、水浴びをするところでもあるんです。鳥は羽の中の虫やゴミを水浴びして洗い落とします。滑らないように浅くして、水は毎日替えて、きれいにしておきます。
自分の気に入ったお皿に小石を敷き詰めます。これは、鳥が滑らないようにするため。次に、1cm程度の深さまで水を入れます。出来上がったら、自宅の庭の花台や景石などに置いてみましょう。
スズメはもちろんのこと、シジュウカラもやってくるかも…。気長に待ちましょう!!


vol.213 しょうがいをみつめる vol.6

まちが映る

地域の方々の協力もあり、アート展「渾沌の中の調和Ⅱ」の会期を終えることができた。昨年に引き続き今年もこの時期に向き合うことになるのが、”これはアートなのか、そうではないのか”、“障がいであるとか健常であるとか”という他者や自分からの問いである。少ししんどい引っ掛かりを抱えたまま長男の2月の命日に向かっていくというのが昨年からの流れである。
「伝えたい」という思いが希薄な私ではあるが、岐阜県障がい者芸術文化支援センター(TASCぎふ)と共同主催のイベントを開催するには、最小限の「伝える」行為は必要になる。言葉を使わずして「伝わってしまう」ことにはとても楽しさを覚えるが、チラシや文章など印刷物を発行する必要があり、認識されやすい言葉を使って伝わるように伝えることが求められたりすることには、少しハードルが高く感じる。「障がい者」や「アート」という文言などはそれを象徴する言葉であるような気がして、使うことをためらうこともある。
不特定多数の誰に何を伝えたいか?と関係者に問われると私は非常に困惑する。その問いには答えることがいつもできない。自分の長男を”障害があった息子”、”知的障がいの彼”などと連発するこの時期には消化しきれない違和感が溜まる。イベントを紹介してくれる新聞の“ 障がい者のアート”という大見出しに苛立たしさを感じたり感情が揺れることもある。同時に新たな同志がこれらをキッカケとして現われる嬉しさも交じり合って胸の中で膨らんでいき、ヒリヒリと疼く。展示という形で場を開くとはどのようなことなのかという模索は続いている。
 言葉として「障がい」という記述をしたり発言をしたりする時点で、言葉を道具として使っている。障がいと健常を分ける必要などないと過去には発言したり他者から問われたりしたが、今は「どちらでもいいんじゃね」とこだわりは薄い。言葉で表現している限り相対した反対側の言葉は生まれる。「分ける必要がない」と言う時点で「分けている」ことに気付けていない自分たちというものが存在している。分けたから“ 良い悪い”という正誤判断は抜きにして、自分をそっと見つめる機会にしたい。
今回会場としてお店を開いてくれた店主さんたちとお店に来てくれたご本人やご家族、お客様方の間には、掲げられた作品をキッカケにして「何か」が漂ったようである。そこに言葉は見当たらない。その「何か」をあえて言葉にして表現はしたくはないという気持ちは強い。作品はご本人お一人から表出した何かであり、それを観る人々もお一人で作品に対峙している。お互いに「そのひと」にフォーカスできる僅かな時間が生まれることがとても大切な気がしている。イベントはその起こるかどうか分からない「何か」のフックになるために言葉を使う。そう考えてみれば惑わされずに「ことば」の力を信じてみてもいいのかもと感じている。
結果としてイベントは「何か」が開いてしまったと感じているのは、開催されたイベントの内容や企画によるものではない。店主さんたちや訪れた人たちが、ひとつの作品を通じて交わるまちの姿を映しているのにすぎないのだから。

それを「まち」はそっと見守り続けていると信じていたい。


MASA:若者をはじめ、障がい者も一緒になって、ごちゃまぜイノベーションを目指している。知的障がいのある息子は享年24歳で2021年2月27日に旅立った。関市在住。


vol.213 やってみた 大澤 桂子さん

 やってみたシリーズ第16弾   大澤 桂子さん(80代)

一昨年、大澤さんが出会ったひとつの文章がありました。『子どもの頃やりたかったけどできずにいたことを65歳を過ぎてから挑戦すると良い』。どこかの社長さんのエッセイで、すぐに思い浮かんだのは、子どもの頃からやりたかったピアノでした。
「私が子どもの頃は終戦直後で、欲しいものも手に入らなかったし、やりたいこともできなかった時代でした」。小学低学年の頃、担任の先生が歌いながら足踏み式オルガンを弾く手元をくいいるように見て、見よう見まねでオルガンを弾いたこと。普段は触らせてもらえない講堂に置かれたピアノになぜかその日は触ることができて、鍵盤をそっと弾いてみたあの日。そんな記憶も蘇ってきました。

「70数年前、まだ稲羽郡(昭和38年に4つの町が合併して各務原市が誕生)だった頃に音楽祭があってね、合唱の伴奏を頼まれちゃって。度胸だけで弾いたような感じだけど、先生は褒めてくれました」。それがピアノに触れた2回目でした。

子育てが落ち着いた頃には、我流で身につけたキーボード演奏で仲間と老人施設へ慰問に訪れたり、抒情歌のサークルで歌を習ったりと、いつも身近にあった音楽。なのに、家事や仕事など生活のいろんなことに時間がとられることもあり、ピアノを習うことは実現しないまま…。
30年以上続けてきたバレーボールもやめ、寂しく思っていた頃に、冒頭のエッセイに出会ったことで勇気付けられ、すぐに初心者向けのピアノ練習用DVDを購入して、練習を始めました。「ピアノは、ずっと以前に娘用に買って縁側で眠ったままのものがあったし」。しかし、独学での練習に限界を感じました。
その頃、10年以上続けている“叙情歌”の会でピアノ伴奏してくださっている先生が、自宅でマンツーマンの教室を開いていると知りました。歌いながらも常にピアノを弾く先生の手元を見つめていた大澤さん。先生の人柄も先生の弾くピアノも好き。ぜひ教えていただきたいとお願いしました。「隙間時間にくらいしか練習はできないけれど、それでも教えていただけますか?」。こうして大澤さんの月に2回のピアノ教室通いが始まりました。
「どの曲もいいけれど、特にクラシックが好きでねえ、飽きがこないの。もちろん、初心者用にアレンジされた楽譜なんだけど、今までノクターン(ショパン)、トロイミライ(シューマン)、花のワルツ(チャイコフスキー)など習いました。今日もらった楽譜は「情景(チャイコフスキー)です」。2〜3ヶ月で1曲をマスターするペース。ただ、新しい曲に入ると前に習った曲を忘れがちなので、好きな曲を忘れないよう復習も欠かせません。
朝、出勤前に時間ができたとき、仕事から帰宅し遅めの夕食を終えたときなど、たとえ15分でも時間があればピアノに向かいます。「どれだけ練習しても楽しくってちっとも苦にならない。この歳でも練習していると自然に少しずつ指が動くようになるのね」。

あのエッセイに出会えてよかった、良いピアノの先生に出会えてよかった、ピアノがあってよかった!この歳になってからでもはじめてよかった!という大澤さん。
楽しそうな笑顔から、やりたいことがあればいつからだって始められるよ、と伝わってきました。

写真は昨年の8月サラマンカホールでの発表会。あの名器スタンウェイのピアノで「いい日旅立ち」を演奏。「ちょっとドキドキしたけれど、無事に弾けてよかった」。

 


vol.213 人生これから 認知症を理解する 摘み草料理会

 この「認知症のことで知っていてほしい5つのこと」という冊子には、① 認知症と診断されて変わってしまうのは、本人ではなく周りの人たち?② 重度な人の情報ばかり流れるが、色んな人がいることや、重度だと思われる人でも、色んな顔があることを知ってほしい。③良かれと思って先回りしないでほしい。普段と変わらないように接してほしい。④認知症と、ひとくくりにしないで。病名で人を見過ぎずに、ひとりの人として見てほしい。⑤なんでも認知症のせいにしないでほしい。と、認知症に関わる人に知っておいて欲しい5つのポイントが簡潔に書かれていますが、この5つの根底には共通しているものがあると私は思っています。
 30年ほど前は、徘徊する、暴力をふるう、暴言を放つ、そういうのが認知症の全てで、軽い人も同じに思われ扱われていました。今では軽度認知症(MCI)という分類もできました。認知症もそういう点では今すごく変わってきているんです。
ですが今も、認知症というだけで、その人は特別な人、何もできない人と多くの人が思っています。確かにできないことはいっぱい増えてきます。でもできることもたくさんあるんですね。ある方は、買い物に自分で行くこともできるし、美味しいご飯も作れるのに、お湯を出せなくてお風呂に入れない。そこは少し誰かがお手伝いしてお湯が出るようにしてあげればいいですよね。
また、5分前のことを忘れるというのは認知症アルツハイマー型の特徴です。例えば「お風呂に入ってね」、と言っても、「入らない!」ということもあります。そういう時、5分経ってからもう一度言うと、すんなり入るということがよくあります。認知症の人はお風呂が好きじゃない人が多いです。それにはいろんな理由があって、例えば服を脱ぐのが面倒、風呂上りに服をどうやって着たらいいのかわからなくなる。上下逆に着ちゃったり、裏返しで着たり、下着より先に上着から着たり、そんなことが起きる。それをいちいち直されたりするというのはとても苦痛なんです。また、お湯の温度が嫌、風呂桶をまたぐのが怖い、という人もいます。ひとくくりに「入らない人」としない方がいいです。「お風呂気持ち良かったよ」って言ってもらったら入る気になるかもしれないし、服を着る順番にきちんと重ねてあげて、ちょっと声をかけてあげるだけでできるかもしれないです。こちらの思いを通そうとすると無理なことをしてしまいがちですが、その人を理解して、上手に対応すれば困ることはそんなにありません。冊子に、“当たり前のことですが、認知症と診断されているだけで、一人として同じ人間などいないのです。”とありますが、そこを理解して、周りの人が関わり方をちょっと気をつけるだけで、問題なくものごとが過ぎるということはありますよね。

春は柔らかな新芽や若葉が次々に顔を出し、
暖かな日差しを浴びて、野草摘みも楽しくできます。
野草料理に挑戦するのにもってこいの季節ですね。

持ち寄った野草
ふきのとう、つくし、よもぎ、せり、なずな、スズメノエンドウ、ノビル、ホトケノザ、ハコベ、タネツケバナ、タチツボスミレ…などなど

・数種を刻んでオリーブオイルで
炒めて、マカロニパスタ
・スズメのエンドウはコールスロー
サラダの彩りに
・ふきは定番の蕗味噌・つくしはごま油と醤油でキンピラに

・サラダの青みに季節外れのキュウリを買わなくていいんだと目からウロコだった!
・雑草とひとくくりにしていましたが、これからはそれぞれの名前や、食べられるのか、調べてみます。
・抜き捨てていたものがこんなに美味しくいただけて、効能があるものも多いなんて。今まで損していた気分です。
・身近な野草が食べられると知っただけで楽しくなってきました。
・季節を変えてまたこういう会がしたいなぁ!

 

 

 


vol.213 熱中人 藤原 麻里子 さん


しなやかに流れを作り
活動の拠点でもある店をオープン。

柿渋と薬草のお店「Over Flow」オーナー 藤原 麻里子さん

ーI LOVE IKEDAとは

2016年から池田町が地方創生事業としてとして「池田町のことを町民が知らないよね」という話から、I LOVE IKEDAプロジェクトが始まりました。私は2年目からボランティアで参加しました。「いけ本」(フリーペーパー)の紙面の企画・取材していましたが、5年でプロジェクトは終了。I LOVE IKEDAのコンセプトには共感していたので、経験したことを活かし、引き継ぐ形で2017年から始めました。

ー 自然農、大豆栽培、味噌づくり…

最初は、自然豊かな池田町で、生きる力が身につくようなマルシェ を計画したところへコロナ。その時に、困窮時に強いのは?と自問自答したんです。やっぱり食べるものを育てられる人が一番強いんだろうな。ちょうどその頃に「畑使わない?」と言ってくれる人がいて、畑でのイベントに切り替えました。最初の1、2年は、菌ちゃん野菜応援団の亜紀さんから菌ちゃん農法を勉強し、菌を学んだので自然に寄り添う学びとして自然農を学び、畑で大豆を栽培しました。品種は自然農の先生が分けてくださった、滋賀県の在来種「水くぐり」。収穫後、足踏み脱穀機を使う予定が雨天続きで、すべて手作業に。それは大変でしたが、こういう作業って、昔の人たちに想いを馳せることもできるし、ありがたみというか、一粒一粒に愛おしさを感じますね。今年、この豆で味噌を仕込みました。麹は池田町の酒蔵さんからなので地産地消です。一年後が楽しみです。耕作放棄地を借り菌ちゃん農法→自然農→大豆作り→味噌作りという自然な流れができました。

ー薬草園から見えてきたこと

一昨年、夫の両親のふるさと巡りとして出身地である揖斐川町春日の薬草で有名な笹又(伊吹山の麓)を訪れました。義母の畑を案内してもらい、隣には「元祖 薬草弁当」を作り春日を盛り上げていた叔父が、仲間と作った薬草園があり、高齢になり知人に貸し出していると知りました。
数ヶ月後に、義理母から「薬草園が返ってきたからやらない?」って連絡があり引き継ぐことにしました。2022年の雪崩で薬草園の害獣除けの柵など全て崩壊され、大きな大木が転がってたり、ガードレールがぐちゃぐちゃになってたり。近くの砂防堤は5回も土砂崩れで土砂があふれだし道路が封鎖されたり。昨年は柵の修繕が間に合わず、ススキ以外の植物は全て鹿に食べられちゃいました。
なぜ土砂崩れが?と関心を持った事で、狼が絶滅させたことが、現代の鹿の生態系に影響し伊吹山・池田山でも地肌が剥き出しになっていることや、コンクリートで固める事が水脈を防いでしまったり、飽和状態を生み出すことになってる等、今までのよかれが違っていることも学びました。

ー柿渋から見えてきたこと

現在、岐阜県内では池田町で2軒のみ柿渋を製造しています。かつては日本の3大柿渋と言われた岐阜 ・ 美濃渋。柿渋とは青い渋柿を粉砕し圧縮した液体を発酵させて作ります。抗菌・防虫・消臭など効果効能があり塗装や染色などに使われてきました。池田町でしか製造していない、これこそ特産であり大切に残す事だと思い、I LOVE IKEDAの活動としても取り組んできた柿渋を「池田渋」として販売する事としました。

ー柿渋と薬草のお店ならではの店内へ

店内の木材は全て初めて柿渋塗装しました。教えてもらいノーマル、チタン、消石灰、鉄で媒染すると反応により色が変わり柿渋の面白さを体感しました。渋の種類を使い分けたり漆喰に混ぜたり和紙に塗ったり、柿渋を身近に感じて貰えるようにしました。今後、店内で薬草の香りも体感してもらう予定です。

ー地元の特産品を生かすことは日本の伝統を守ること

昔から作られてきた池田町の「柿渋」と揖斐川町春日笹又の「薬草」の特産品をより多くの方に知って貰う事は「まちづくり」「まちおこし」「伝統を守る」事に繋がると思ったのでオープンさせました。

 

柿渋と薬草のお店「Over Flow」

揖斐郡池田町本郷422-15

☎︎090-4119-8883


vol.213 夢か悪夢かリニアが通る!vol.42

岐阜県御嵩町にある環境省の「重要湿地」美佐野ハナノキ湿地群が候補地となっているリニア有害残土の恒久処分場計画。渡邊公夫町長が「受け入れを前提とした協議」を宣言し、JR東海との協議の場として有識者を交えて昨年5月にスタートした公開フォーラムは3月21日、最終回となる6回目を迎えました。           井澤宏明・ジャーナリスト

「要対策土は永久に要対策」
フォーラムの目的は、町民の不安解消や理解促進を図ることでしたが、最終回の終盤には処分場候補地の地元全16自治会でつくる「上之郷地区リニアトンネル残土を考える会」の纐纈健史会長が、有害残土の持ち込みに反対する「決議書」を読み上げ、渡邊町長とJR東海に手渡しました。冒頭には、次のように記されています。
「リニア中央新幹線トンネル残土の埋立処分計画が、当該地はもとより下流にわたり、生命、財産および環境(重要湿地)に重大なリスクが想定されることから、地域、住民が一体となって、トンネル残土から出る危険な残土持込に反対し、よりよい環境を次の世代に引き継ぐ方針とする旨決議いたしました」
反対理由として挙げたのは①安全に対する不安を消すことができない②環境保全を優先すべき――の2点。そのうち①について「要対策土(有害残土・筆者注)は、遮水シートで封じ込めようとも永久に要対策土であり、危険物に変わりはないのです。盛土が崩れない、とだれも保証できません。危険物は置かないが最良の対策なのです」としています。
さらに、2021年7月10日の地元説明会でJR東海が「地元の理解が得られなければ(残土を)持ち出す」と発言したとして、「地元、上之郷地区の総意として反対の意向を表明しますので、本約束を履行されますようお願いします」として、残土持ち出しを求めました。
フォーラム後、JR東海中央新幹線岐阜西工事事務所の加藤覚所長に尋ねました。
――決議書に書かれている説明会での約束は守られるんでしょうか。
「(説明会での話は)ちょっと言葉足らずだった部分がありますので。『住民の理解が得られなかったら外に持ち出す』と皆さんおっしゃってますけども、『たら・れば』みたいな話のやり取りだった」
JR東海側が示したのが、第2回フォーラムの説明資料。そこには「地元の自治会との打合せや当社主催の説明会において、『候補地B(有害残土処分場候補地・筆者注)が使えなくなった際の対応は考えているのか』 というご質問をいただきました。当社からは、『候補地Bが使えないということになれば、町外に搬出するという選択も出てくると思うが、現時点では考えていない』 と回答いたしました」とあります。続けて尋ねました。
――他のところを(残土処分場として)お考えになるということはないんですか。フォーラムを重ねてもこれだけ地元から反対があって、状況が変わるとは思えませんが。
「現時点では、我々が説明してきた計画で」
――それに固執すればするほど、工事は遅れるんじゃないですか。それでいいんですか。
「事実として、そういう計画をしているところはないということです」

「町長「重要性知らなかった」
一方、渡邊町長は3月8日の町議会で、6月の町長選に出馬せず、4期で引退すると表明。残土処分場を受け入れるか否かは「先送りするしかない」と、自身は判断しないことを明言しています。フォーラム後の記者会見で町長に尋ねました。
――「重要湿地」ということが分かった上で、残土処分場をつくることは適切とお考えですか。
「先に(残土処分場の)計画があったことですから。重要湿地に指定されたとしても、それに法的拘束力がないって言われれば、それは考えるでしょう」
――考えるというのは。
「残土を置くっていう。これ、健全土を含めた話ですけど」
――であれば、最初から「ここは重要湿地だけど、皆さんどう思いますか」って町民に明らかにしたうえで判断を求めればよかったんじゃないですか。
「だから、重要湿地っていう重要性なんていうのは知ってませんでしたよ。私も行政も」
今回の残土処分場候補地をJR東海に情報提供したのは2013年1月で、重要湿地指定(16年4月)より前だと強調したいのだと思いますが、最後まで質問ははぐらかされるばかりでした。


vol.213 ボーダーレス社会をめざしてvol.72

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

 

障がいを知らせる

法人ぎふ市民協が主催する「介護の仕事を考えるキッカケ研修会」がありました。「ためしてガッテン」などに出演し有名な福辺節子さんの介護術を学ぶための研修会なのですが、高齢者だけでなく、障がい者も支援する仕事はあるよねと、突如私が話す事になってしまいました。できないと断ったのですが、    の   を見てもらえばいいじゃないという話で落ち着きました。それだったら簡単だと思い、受けたのですが、なんとよく調べますと   で放送された番組は研修会などでは著作権により使ってはいけないことが分かり、急遽自分でパワーポイントを作ることになりました。
さぁ~大変。2時間半もどうする?考えた末、受講生の方はきっと障がい者の事をご存知ないだろうと考え、まず障がいを知ってもらおうと思いました。「障がいって何?」と「障がい者の支援」について話すことにしました。
まず、疑似体験をしてもらいました。抽象的な言葉は理解し辛い、手先が器用に使えない、シングルフォーカスと言って興味のある物に集中してしまう、聴覚情報処理障がいという雑音の中から必要な音を聞き取る選択聴取が難しいということなどの体験をやってもらいました。
当日の受講者は、やはり障がい者と関わっている人は少なく、もっと知ってもらう活動をしなくてはいけないなと痛感しました。特に抽象的な言葉は、伝わりにくいという体験は分かりやすかったようです。私が言うことばを絵に描いてもらう。例えばりんご、飛行機、鉛筆など。これらは難なく描けます。次に「ちょっと小さいりんご」「ちゃんと」「あそこの鉛筆」「あれ」「これ」は描けないです。抽象的な言葉は絵には描けないのです。描けない・・・そのことそのものが、知的障がい・自閉症・発達障がいの人の「とまどい」になります。
伝える側は、具体的な言葉「これをあっちに置いてください」ではなく、「机の上にリンゴを置いてください。」・「あとちょっとで終わります」ではなく、「あと5分で終わります」など分かりやすく、ゆっくり話すと伝わりやすいようです。また、絵や写真を使う方法もあります。言葉を目で分かるようにすることが大切です。しかし、障がいの軽い・重いで明らかに理解度は違いますので、すべての障がい者に当てはまる訳ではありません。
現実に、このような人たちが町の中で暮らしている。そういう人たちが、困っている時にはそっと手を差し伸べて下さいということを伝えなくてはいけません。まだまだ障がい者のことを知らない人がいっぱいいらっしゃるという事を実感しましたので、もっともっと発信しようと思います。
もし、この文章を読まれた方の中で話を聞きたいと思われましたら、どうかお気軽に私に声をかけて下さい。飛んでいきます!
さて、私と一緒に書道をしている人が、今回初めての個展を開催いたします。是非お時間のある方はお立ち寄り下さい。

 

河原 良企 書道展 6月3日(土)~6月14日(水)

ハートフルスクエアG2階で行います。


vol.213 モザンビークからレポートvol.7

Vol.7 サイクロンから学ぶ!発展しない暮らし

2月、3月、モザンビークは何度も大雨やサイクロンが到来しました。自然災害大国日本人の私たちからすると、何でこの規模でこんなにも被害が出るんだろう…首都でも水が止まるんだ…また停電か。そんな日々。その暮らし方の中に、これからの暮らしのヒントを見つけました。

サイクロンが直撃した地域。大雨が降って浸かる地域はいつも同じなのに、なかなか現状は変わらないようです。

 

モザンビークにサイクロンがやってきたのは、ほんの10年くらい前のことのようです。2019年にモザンビークを直撃したサイクロン・イダイは、とても大きな被害を出したのですが、友人は、「ブンパ、ブブブダン、ブンブンバンって大きな音が家中に響いて、太鼓みたいでした。隣の人は自分の家の屋根が飛んでなくなったんだよ。」と教えてくれました。それが、最近まで天気予報を利用していなかったからなのか、サイクロンの基準に達するような大型の嵐ではなかったのかは謎です。

私の活動先でも、「この15年間に10回もサイクロンが到着していて、脆弱な国だから支援が必要だ。」と言った文言がお決まり。2月には、私の住むマプト近郊のボアネを中心にサイクロン前の大雨で浸水した地域がたくさんあり、寄付や復興イベントが沢山行われました。野菜もほとんど流れてしまったため、「レタスは宝石よりも貴重」と言われるほどです。日本と違って災害対策自体もないに等しいし、復興の意識やスピードも違うので、壊れた道路は直されず渋滞は日常茶飯事です。また、サイクロンの時に限らず家の作りが弱くて、マンションの窓ガラスがよく割れ落ちていますが、構造上の技術が上がったりする様子はありません。元々暑い夜は外で寝る習慣も手伝って、家や建物の概念が違うのは明らか。でも、なかなか理解し難いですね。

サイクロンの経験を沢山して多くの被害が出ても、モザンビークは日本のように災害に強い国にはなり難い気がしてなりません。そして、今回の断水は長引いたので、貯めておいた水をどれだけ節約しながら使えるかを考えるうち、田舎の井戸暮らしの人々の水の使い方も、少しだけ現実感を持って想像することができました。清潔を保つって、水無しでは結構むずかしい!きっと私の活動先の村の人々は、子どもが下痢になることがあっても、それなりに少しの水で暮らしているんだと思ったんです。

振り返ってみると、停電や断水も当たり前のように起こるけれど、それなりに暮らしています。日本のように、原発を使い続けてでも今の生活状態を維持するために、電力を確保する思考パターンとはだいぶ違います。

洪水後、ボアネにいるJICA隊員中心に募金、物資支援に協力しましましたが、所属しているダンスチームでイベントにも出演しました。

シャパという乗合バスは、日本の11人乗りのバンに通常16人~20人ぎゅうぎゅうに詰め込まれて乗っています。田舎でお肉を料理するとなると一匹の鶏をコミュニティ中の大人子どもで分けて食べるから1人1欠片もらえるかもらえないかくらい。「足るを知る」ともちょっと違う、「あるものをどう使うか」。この思考パターンこそ、人口100億人時代の処世術になるのかもしれませんね!?


vol.213 菌ちゃん野菜応援団vol.34

春爛漫、ですね。
今回はミネラル豊富な旬のものを食べよう、ということ
をお伝えします。

ミネラルとは何でしょうか?

学校で身体を作るための5大栄養素について習ったことを覚えていらっしゃる方も多いかな。
私たちは日々、歩いたり走ったりおしゃべりをしたり、いろいろな活動をします。そのほかに新陳代謝と言って背や髪の毛が伸びたり、皮膚がターンオーバーしたり、怪我や病気をしても日にちが経てば治ったりします。
このように、私たちの日々の活動は、毎日の食事からとる「栄養素」が大切な役割を果たしていますが、その主なものに、「たんぱく質」「炭水化物」「脂質」「ビタミン」「無機質(ミネラル)」があり、これらを五大栄養素というんでしたね。
これらは「エネルギーのもとになる」「身体をつくる」「身体の調子を整える」という主に3つの働きをしますが、これをまとめて言えば「生命力のもとになる」ということです。
ただ、今、日本人に絶対的に足りてないと言われているのが無機質、いわゆるミネラルです。

今日の収穫・大根、にんじん、ノビル

ミネラルは、小魚などに含まれる「カルシウム」や、ひじきなどに含まれる「鉄」など、普段食べるものに微量に含まれています。その中でも健康を保たもつのに欠かせない16種類を「必須ミネラル」と呼び、骨や歯をつくる材料になったり、からだの調子を整えたりとさまざまな働きをします。その必須ミネラルの摂取量が今の日本人は明らかに足りない。

身体をお家と見立てた場合、設計図や材料、大工さんが必要となりますが、ミネラルは大工さんが持つのこぎりやカンナなどの道具。道具がないとおうちはうまく微調整とれませんね。ですから、身体の調子がいまいちだなーという方にはわたしはまず「ミネラル」をおすすめしています。

ではそのミネラルはどうやって取ればいい?
それが「旬のもの」にあるんです。旬のものはその時に必要なエネルギーや栄養素を多くもったものが含まれています。今だとヨモギや山菜、梅や玉ねぎといったところでしょうか。よもぎはその有効成分の多さからハーブの女王とも言われています。
また皮や芯にも多く含まれていますので、無農薬の野菜なら皮や芯もぜひつかってくださいね。
あとは天然の調味料やお出汁の粉、自然塩などにもミネラルは豊富。騙されたと思って天然の調味料で味付けした旬のものをしっかり食べてみてください。

※菌ちゃん野菜応援団・東海支部の各務 亜紀さんより
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