投稿者「にらめっこWeb版スタッフ」のアーカイブ

VOL.161 緊急特集・集団的自衛権「わたしたちは考えた」

緊急特集

「集団的自衛権の行使」が閣議決定!されて

一人ひとりが幸せ度をアップして自分が幸せであれば周りも幸せ、周りが幸せなら自分も幸せ、という雰囲気を作ろう。・自分で判断できる子どもに育てること。それが、自分たちができる平和活動かな。最終的には、一人ひとりの意識が大事だねと、意見が一致して座談会は終了。

座談会出席者

  • Kさん(22、20、18、15才:4男の母)
  • Aさん(高1、中1、小4、1才:4男の母)
  • Mさん(高3、高1、中2、小6、小3、年長、年少、9か月:4男4女の母)
  • Hさん(19、高3、中3:3児の母)
  • コメンテーター:河合良房弁護士
  • 司会進行:にらめっこ編集部

01自衛権行使閣議決定を受け家族で話し合った。
次男「戦争がなくなればいい」私「どうしたらなくなる?」
次男「欲を捨てればいいじゃん」って。

憲法9条が守られないような国は、「日本」じゃない。
だから国外に移住、も選択肢としてありだと思う。

01長男は昔から銃に興味がある子。私は戦争の道具なんてと思うけど、その子が持った興味を、親のエゴで反対していいのかどうか…

もっと周りのみんなと話さなきゃ。話すことで危機感や、情報を共有しなければ…。3.11以降、特にそう思うようになりました。

司会:集団的自衛権の行使が閣議決定されたという事実に対して、危機感をもっと拡げたい。先生は「平和・自由・命を守ろう。もう黙っとれんアクション」という具体的な行動を起こしていらっしゃいますが、各自の事情で参加したくてもできない、と言う人達もたくさんいます。

河合:子どもが小さいとか、世間体とか…みなさんそれぞれ与えられた条件があるわけですからね、性格の問題、仕事、たとえば、家族に自衛隊員がいたらなかなか参加できないというのもあるでしょう。
ただ、絶対必要なのは、少なくとも、「自分はそのことを考えている」ということ。そうすればそれぞれの局面でそれに応じた対応はできるわけですから。で、後はその周り特に家族にそれをどう拡げるか、と。
たとえば、ご自分の家族が自衛隊に入っておられるんだったら、それはある意味では話しやすい環境であるわけですね。自衛隊員になるには人それぞれの理由があるでしょうが、少なくとも戦争に行きたいという人は、たぶんいないわけです。

司会:自衛隊員がメディアに頻繁に登場するようになりました。なんか作為を感じますが、たとえば小さいときから、自衛隊に興味を持ったり、銃に興味を持つことはNGですか?興味そのものを否定するとその子そのものを否定することになってしまう。

河合:その通りです。銃ならそれをどう使うかを教えるのが親の務め。それは何も銃だけの問題だけじゃないです。
たとえば、テレビを見ていて、早く勉強しなさいとか言うと、基本的にはテレビばかり見ていちゃいかんなぁ、勉強しなきゃいかんな、と子どもは思っているわけですよ。そんなときに「何をやっているの!」と言われてしまったら、もう、「やらないといかんなぁ」の意欲が失えてしまう。
先ほどの銃に興味を持つことでも、マイナス面をクローズアップして、だからそれはダメよと言ったら、逆方向に走ってしまうことがあるということを踏まえていなければいけませんね。

司会:集団的自衛権の行使が閣議決定されると戦争ができる国になるわけですよね。危機感を抱いてしまいます。

河合:危機感を持つことは重要ですよ。だからといって、すぐに戦争がどうこうっていう話しではないです。閣議決定とは、集団的自衛権に関する法律を作ってもいいよ、あるいは、そういう法律に改正してもいいよ、ということですから。これから十幾つも関連する法律が動いてくるわけです。

司会:では、閣議決定は、法整備ができる段階に進んだということ?

河合:間違いなく一歩進んでしまいました。よくお城に例えるのですが、本丸は憲法9条、本丸に行くまでに、外堀、があるわけです。

司会:まだチャンスはあるということですか?

河合:もちろん!自民党の憲法改正草案(にらめっこ157号に掲載)が出てますよね。改正草案には国防軍とか、軍事裁判所とか、そういう言葉が出てきています。
そういうのがないと、本当の意味での軍隊にはならない。実戦に向けた訓練とか、実際にはやっていますが、今の自衛隊はまだ、本当の意味での軍隊ではないですから。

司会:この先、徴兵制が敷かれるかもしれないと話題になりました。もし徴兵制度ができたら、拒否はできないのでしょうか?

河合:もちろん、拒否はできません。どういう法律になるかが問題ですが、義務化という内容だとしたら、拒否すれば法律違反になってしまう。しかし、まだ法律の中身が決まっていません。
ただ、常識的に考えれば、病気とかそういう理由がないかぎり、戦争はいやだからという理屈は通らない。でも、現段階ではそういうことは、机上の空論。
それよりも、多くの人が自民党を支持しているということのほうが問題です。逆に国民の9割方が反対していたら、徴兵制ができるなんて事はあり得ないです。

司会:じゃぁ、これから私たちにできることというと…来年の統一地方選挙。それでどういう結果が出るかが重要になりますね。

河合:そうですね、今回の閣議決定については地方の議会が意見書を出していますからね。多くは岐阜県議会のように、「閣議決定を国民の声を聞かないでやるのは反対」と。地方ではそういう声を上げてきていますから。
滋賀県知事選では、脱原発の候補者が当選しました。あと沖縄知事選がどうなるか。その後の福島。このあたりは相当影響が大きいので、仮に、もしできるなら、沖縄や福島に友人知人がいるとしたら、自民党、公明党には絶対に入れるなよと、伝えることができる。
沖縄で勝つと、相当大きいインパクトを持つ。沖縄は最前線ですから。選挙が私たちの直接行動ですから、まずは棄権しないで投票に行ってほしいですね。人で選ぶか、政策で選ぶか、いろいろとあるけど、最後は政策で選ぶしかないでしょう。

01

司会:ところで、先日の座談会で小学生の娘さんが、「デモに参加するのはいいんだけど、デモそのものがもう戦争みたい、みんな怒ってる」って。それは、平和的じゃないという感想をもらしたとお母さんが話していました。

河合:いろいろ考えを市民の方に訴える形が中心だとすると、確かにあまり過激だったり、怒っている感じがするとまずいですね。沿道の人たちにも参加してもらいたいというのであれば、もう少し方向性を考えた方がいいかな。時代がずいぶん変わってきてるということでしょうね。
安保反対の時はもっと激しかった。人が死ぬぐらい、激しく抗議した。バリケードを組んで…それはある意味、社会全体がそれを認めるような雰囲気があった。もちろん、批判する声もありますが。
しかし、今は社会全体がまぁ、平和ぼけというか、社会的問題に関心が向かなくなっている。デモとは示威運動、そういうものに対して、違和感を感じる層が増えている。
今回の1000人パレードの目的も、新聞に載せてもらって、全国各地で反対運動が起こっているよと、みんなに伝える。正直言ってそれが最大の目的なんです。

司会:政治的な話しが周りのみんなとできない。しら?っとされてしまう。という意見も出ました。

河合:そうですね、日本はそういう傾向が高いです。これは一般的な解説としては、日本はいわゆる本当の意味での市民革命が成されていないからといわれています。
たとえば、アメリカの独立戦争、フランス革命、イギリスの市民革命…本当の意味で闘いとったというのが日本にはないのかなということ。与えられたモノで暮らしている。あとは、もう教育でしょうね。

司会:平和教育なら、私たちは歓迎です。

河合:平和教育って何ですか?抽象的すぎますよ。安倍総理だって、積極的平和主義といっている。あれだって平和教育なんですから。

司会:うわぁ、一緒にされたくない!でも、今とても重要な時期に直面していることは実感しています。私たちの力は本当に小さい。じゃぁ、どうしたらいいか。具体策が見えてこないと、困惑するばかりで…

河合:私はつくづく思っていることがあって、やっぱり、新聞をしっかり読む事です。最近の若い人は読まないって聞いてますが、しかし、今回座談会に参加された方々は、新聞を読むのはそんなに苦ではない方だと思っています。
新聞は情報が偏ってよくないとか言う人がいますが、本当によく読んでいる人が言うんだったらわかるんですが、読まずに、そういうことを言うのは問題だと思う。新聞は、本当に日本の今の現状を憂えていますよ。
毎日少しづつでもいいから、よく読んでそしてそれを話題にする。
比較的身近にできることですよね。テレビでもいろんな事やっているけどね、僕は見るのが苦手でね。腹が立ってくるんです。(笑)

司会:読めば読むほど気持ちが暗くなってくるんですが…。

河合:少なくとも現時点では憲法は生きている。9条は生きているんだし、9条は世界遺産やノーベル平和賞にしたいくらい。
あとは、時間が許すかぎり集会などに参加して、仲間が沢山いるんだ、決して少数派ではなく多くの人が怒っているんだと、いうことをお互いに知るということが必要ですね。

司会:また、頑張ろうという気になれますね。

河合:はい。あとは、インターネット。これはなかなか難しい部分もありますが、匿名で、平和を守らなきゃいかんよと言うこと自体はどんどん発信できます。あといろいろな案件のパブリックコメント(意見公募)が募集されている。パブコメは誰でもできる。

司会:パブコメが多くなったら、どんな変化が生まれますか?

河合:正直みえないかもしれない。特定秘密保護法のときも世論の7,8割方は反対だったのに通されたんだからね。ただ、そういう事実は残る。自民党だって、その流れがあって、集団的自衛権もかなり慎重にやりました。
最終的に事実の積み重ねでしょう。粘りづよく、根気よく。
つらいですけども、それしかしょうがない。みんなが動かないと。子育てと同じではないでしょうか。

司会:どんなときでも、私たちは子どもを育てながら未来に希望を繋げたいです。

河合:国民は捨てたモノじゃない。日本を支える力を十分もっています。若者の中にも考えを持って動き始めている人たちがいます。
日本を動かしていくのは、サイレントマジョリティーよりは意見を持った人たちです。そういう人たちが黙っている人たちを少しづつ変えていくわけです。だからあんまり嘆く必要はないだろうと私は思う。
それぞれ頑張っているオピニオンリーダーがいる。それを支えれば未来につながると期待していいでしょう。それとやっぱり、9条があるということは、少なくとも集団的自衛権についても歯止めとなります。
9条を守る。日本にとって、大きな課題、目標、そしてそれが喜びであると、私は思いますね。

司会:そうなると憲法の勉強会が必要ですね。

河合:日本国憲法は美しい散文だともいわれているし、読みやすいです。憲法の超訳というのも出ているし、主体的に読み合わせするといい。新聞も読み合わせがいいかなと思います。
そして、憲法をどう解釈するかというのを議論するのもなかなか面白いですよ。玉石混淆…一人だと偏るから、みんなで議論すれば、玉石のうちの石は棄てて玉だけを見つけることができる。議論の場をつくり、おおいに議論して欲しいと思います。

司会:ありがとうございました。

(文責・にらめっこ)


VOL.161 暮らし上手「食& 医」「食が運命を変える」

「食」を変えると運命が変わる!

ƒvƒŠƒ“ƒgおいしく・たのしく・ありがたく

 

01体にいい自然食を、という選択の前に、最初の一歩としてなすべき事があります。一切の合成洗剤を使わないこと。

私たちは”愉快・快適・便利”な生活を求めた事によって私たちの住む環境を汚してきました。周りの水や空気を汚しておいて、自分の食べる物だけ有機・無農薬・無添加、そして健康になりたい。
これでは単なる我がままです。

私たちが具体的に動かなければ、具体的な答えは出ないんです。

今日から、ご自身の家にある合成洗剤は一切使わないでください。シャンプーもですよ。だって、太陽と空気と土と水がなきゃ私たちは生きていけないわけですから。

まずは自分から。私ひとりぐらい…じゃなくて、私1人が変わる事によって、例えばここに80人の人がいたとして、各務原でも80軒の人たちが合成洗剤を使わなくなっただけで、劇的に変わってきます。そして、その姿を子どもたちに見せることが、親の一番大切な教育なんですよ。

未来はどこから来るんでしょうか?

私は3.11以降、毎年福島の人たちに保養に来ていただいています。最初ここに来られた方たちは、よかったって、わーわー泣いていました。

私が「今回の地震も原発事故もみなさんの人生の予定通りです」て言ったら、怒るんですよ。「冗談じゃない、うちの子いつ死ぬかわかんないのに、甲状腺腫れているのに、鼻血が止まらないのに、予定通りだなんてそんなことよく言えますね。こんなところ来るんじゃなかったー!」って。

「じゃあ何のために来たんですか?」「何のために、何のために」って私ずーっと聞いてたら、最後にポロっと「幸せになりたいんです」って。そうなんですよ。私たちは幸せになるために生まれて来て、幸せを求めているんです。

「じゃあ、あなたはいつ幸せになりたいんですか?5年後ですか?20年後ですか?」その方は答えられないんです。

そして、その福島のお母さんたちは「今」不幸なんです。放射能が心配で、鼻血が止まらないし。「私は不幸、可哀想なのよ、だけど幸せになりたい」と言うんですが、なれません。

なんで幸せになれないんでしょう?みなさん、未来はどこから来るんですか?今、今、今の積み重ねでしょう。今幸せと思わない人は未来に幸せになれないんです。だからお母さんたちに言いました。

「じゃあ5分後にみなさんが幸せになれたら一年後も幸せになれますよね。5分後幸せになるためのトレーニングをしてみましょう」と。

今みなさんは東電が悪い、地震が悪い、放射能が悪い、原発が悪い、国が悪い、県が悪い、って言っていますよね。そしてあの人が悪い、この人が悪い、と恨みねたみ、そねみ憎しみを4分59秒間持って5分後に幸せかといったら絶対幸せじゃないですよね。

そのお母さんたちに「今日来た時に嬉しい!幸せ!って泣いていらっしゃいましたよねえ?そのことに4分59秒間フォーカスしてください。そしたら5分後は幸せですよね」。

その人の現状、立場、経験、全て同じなのに、どっちにフォーカスするかで未来は違うんですよ。だから今の幸せを数えるんですよ。今回の原発事故で日本全体が変わるチャンスなので、そこに未来を創りましょうって。

保養目的で「わら」に滞在して

ここで過ごしたお母さんから手紙をもらいました。

「出発する前はとにかく福島から遠いし、行った事もない町だし、すごく不安もありました。その上、野菜だけの食事、鶏の解体、持ち物は懐中電灯と長靴。一ヶ月も耐えられるかしら?特にうちの子どもは野菜が苦手なので行ってご迷惑にならないかしら。

ですが福島に帰ると、また絶対遊びに行きたいという思いに変わりました。震災以来、放射能さえなければ普通の生活が出来るのに、とやり場のない怒りや悲しみを感じて生活してきましたが、その普通の生活ってなんだろうとすごく考えさせられました。

食事は子どもが好きだからという理由でお肉や甘い物ばかりを食べさせたり、面倒くさいという理由でレトルト食品を使ったり、環境の事を全く考えずに洗剤やシャンプーを使ったり。

船越さんに言われました。放射能汚染と言う前に、環境汚染をしていなかったかい。その言葉にドキッとさせられました。

地震さえなかったら、放射能さえなかったらとネガティブに捉えていた出来事でしたが、それがなかったら岡山に行く事もなかった。「わら」での生活も知る事もなかった。

「わら」で出会った全ての人たちとも出会う事がなかったんだ、そう思うと、震災にあった事は自分の人生において大きな意味のある出来事だったんだと思います。」

震災にあった人でさえ、震災にあって良かったと言ってくれているんです。そこからみんなは前進して行ったんです。

みなさんがどこにフォーカスするかだけで、みなさんの人生は変わりますし、食べ物を変えると運命も変わる、それだけ。今ここ、それを生きるだけで大きく変わる。それが本当の自然食です。

で、そのお母さんたちに言った事は三つだけ。
「あらゆる出来事に偶然はない」。「絶妙のタイミング」。
「乗り越えられない事は絶対おこらない」。

いいですか、みなさんとっても辛い事がいっぱいあるはずです。でも、乗り越えられない事は絶対起らない。安心してください。

(文責・にらめっこ)

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船越 康弘 プロフィール

自然食料理人1956年、岡山県生まれ。
20歳の時、食養を世界に広めた故桜沢如一氏の思想に出会い、食べ物を変えると人生が変わることを実感。自然食を単なる健康志向ではなく、幸せと感謝の生き方に進化発展させる。岡山県の山奥で自然食の宿「百姓屋敷わら」でのイベントを軸に、全国でセミナー、講演会、料理教室などを行っている。 著書に「わらのお話」、「穀物菜食動物・人間」船越かおりとの共著に「野菜たっぷり重ね煮レシピ」、「わらのごはん」、「わらの料理」がある。 百姓屋敷わら http://wara.jp/

vol.161 暮らし上手「食&医」「食」を変えると運命が変わる!


VOL.161 暮らし上手「食&医」「かくれ脱水症」

「かくれ脱水症」

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残暑を乗り切るために、夏バテ対策をしっかりしましょう!

 

夏の暑さが続くと、胃腸の調子が悪い、何となくカラダがだるい、 活力がわかないなど、カラダに変調を感じることがあります。

高温多湿が原因で起こる体調不良の総称が夏バテと呼ばれています。 残暑を乗り切るために、夏バテの原因を理解し、 夏バテ解消のための適切な予防や対策をおこないましょう。

日頃から心がけたい夏バテ予防法。

夏バテは、日常生活でのちょっとした工夫で予防できるものです。規則正しくバランスの取れた食事を摂り、疲れを取るための睡眠を重視するなど、正しい生活習慣があれば夏バテ知らずでいられることも、覚えておきましょう。

その夏バテは「かくれ脱水」では?

たとえば、夏になると夏バテになり、疲れやすくなったり、食欲が落ちたりする人もいます。でも、夏バテの背景には「かくれ脱水」が潜んでいるケースも考えられます。

発汗などで体液が減ったり、食欲が落ちたりして体液が減ると消化管への血流もダウン。おかげで消化吸収がスムーズに進まなくなり、栄養素が取れなくなり、疲れやすくなります。

そして消化器の血液量が減ると食欲も減退。食が細くなると、さらに栄養素が足りなくなりますし、食べ物から水分と電解質が摂れにくくなるので、体液が減って一層脱水症に近づくという悪循環に陥るのです。

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今年は、7月上旬から高温(多湿)の記録的な猛暑が続く夏となりました。自律神経アンバランスと胃腸力低下からの食欲不振→エネルギー不足状態が心配されます。このような状態では、猛暑日でない気温が30℃前後でも容易に熱中症になるので気を許さないでください。

夏バテは、いわば熱中症予備軍でもあります。夏が終わりに近づいても油断せず、脱水対策を心がけるなど、熱中症の予防対策を続けましょう。

「かくれ脱水」が起こりやすいのは?

脱水症は、炎天下の野外で激しい運動や労働をしたときだけに起こるものではありません。脱水症はさまざまな状況で起こり、その前触れとなる「かくれ脱水」はいつでもどこでも起こります。

なかでも注意したいのは、①屋内、②夜間、③運転中という3つのシチュエーションです。

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脱水症の多くは実は屋内で起こります。ことにマンションのように気密性の高い集合住宅では、風通しが悪くなり、かいた汗が蒸発しにくく、体温が下がりにくいため熱中症のリスクが上がるのです。

夜間も熱中症の危険度が高まります。 ことに暑い季節のコンクリート製の住宅では、昼間にコンクリートにこもった熱が夜間に放熱されるため、気温が上がりやすくなります。それなのに「夜トイレに起きたくないから」と水分摂取を控えると、発汗が増えて脱水症になりやすいのです。

運転中に熱中症になることもあります。運転に限らず、熱中症には「物事に“熱中”しすぎるとリスクが上がる」という側面があります。 物事に熱中しすぎると水分補給が疎かになりやすいからです。

さらに運転中はトイレに行く回数を減らすために水分を制限しがち。窓を閉め切ると風通しが悪くなって汗が蒸発しにくいため、体温も上がりやすくなります。

日本では脱水症のピークは年2回あります

脱水症や熱中症は「暑い季節に起こる」というイメージが強いのですが、四季で気候が大きく変化する日本では年2回のピークがあります。

第一のピークは春から夏にかけて。
暑くなって湿度が上がり、発汗で体液が失われて脱水症が起こります。湿度が高いとかいた汗が蒸発しにくくなり、体温が十分に下がらないため、熱中症が起こります。熱中症を伴う重たい脱水症は、梅雨のおわりにかけて増えてくる傾向があります。

第二のピークは秋から冬にかけて。
寒く乾燥してくると風邪、インフルエンザ、ノロウイルスなどが流行。これらの感染症から来る発熱、下痢、嘔吐などで体液が失われると脱水症になりやすいのです。

いずれのピークでも「かくれ脱水」を早期に見つけ、脱水症を起こさないことが大切です。

手軽にできる経口補水液

水1リットルに塩3g(小さじ1/2)と砂糖40g(大さじ4と1/2)を混ぜて溶かせばできあがり。さらにレモンやグレープフルーツの果汁を加えれば、味もそこそこ良くなるし水分代謝も促せます。

もっと簡単に作るには…100%ジュースに塩(3g)と水を混ぜて1リットルにしてください。

1. 効果的な飲み方を知っておこう

経口補水液は一気に飲むのではなく、点滴を受けるようにちびちびと飲みましょう。脱水状態になったからといって、あわててたくさん飲むと更に吐いてしまう場合もあります。

2. どのくらい飲めばいいのか

一般的には一日に500ml~1000mlをちびちびと飲みます。赤ちゃんの場合は1日50~100ml/kgの量を3~4時間かけて摂取してください。5kgの赤ちゃんなら250ml~500mlということです。 04

3. 特に子どもには経口補水液がいい

スポーツドリンクは特に子どもの脱水症状に適していないので経口補水液を使いましょう。ただし3ヶ月未満の赤ちゃんの場合はひとまず小児科に確認してください。

4. 味は不味い

経口補水液は間違いなく不味いです。しかし、脱水状態になっていたり喉がカラカラのときに飲むと意外とすんなり飲めます。子どもには上で紹介したようにジュースを使って作ってあげるといいかも。

(かくれ脱水Journalより)

vol.161 暮らし上手「食&医」「かくれ脱水症」

 


VOL.161 ママたちの座談会「子どものしかり方」

0101

次世代を担う子どもたちを愛し、その子がいきいきと、心身ともに健やかに成長することを目的とした座談会です。

第10回 自然派ままたちの座談会
参加者
Aさん :高1、中1、小4、1才男子
Fさん: 小2女子、
1才男子Iさん: 小3女、年少男子

子どものしかり方

わたしって叱りべた?「しかる」は「ほめる」ことと同じくらい重要。問題はしかり方???わかっているつもりでも、ねぇ…
ついカッとなる自分…同じ悩みを持つままたちに話を伺いました。

●子どものしかり方って難しい

Iさん:こっちは本気で困ってる、というのがどうしたら子どもに伝わるんだろう?って思ってます。
わが家は家族揃って夕食を済ませたらお風呂に入って、という生活のリズムで今までやってきてるのに、変なタイミングで本を読みだしたり、さあ出かけようというときに、ちょっと待って宿題するから、って。そんなことがざらなんです。
何回も言ったり、予定をイラストに描いて貼ったりと色々努力したので、もうどうしたらいいのか。時にはつい手が出てしまいます。もう三年生だからわかってもいいはずなのに。自分の中で限度に近いです。

Aさん:うちは、三男が一学期の間、計算ドリルと漢字ドリルを1ページもやってなかったの。これは彼の問題だからと放っておくと本当にやらない。先生も怒らないから困りもしないんです。
それで「学校に行くのはあなたの権利。でも学校から出された宿題は義務。あなたが義務を放棄するなら権利をうけることもできないよ。学校からの義務をやる気がないのだったら、家に居て家の仕事をしなさい!」と言ったら、やるんだけど、基本的に本人が困っていないから、結局言わないとやらない。どうしたもんかなって思っています。

Fさん:私の場合、しかれないというか。つい嫌みな言い方になっちゃうんですよね。横目で見ながらボソッと「こうすればよかったんじゃないのぉ?」みたいな。
ちゃんと言葉にできず、お互い嫌な空気になって、それが続いてコミュニケーションがとれなくなって、ちゃんと話しができなくなっちゃった。それで今は気になる事には目をつぶって、楽しい会話だけをすることから関係を修復しようとしています。
そもそも、朝ごはんをきちんと食べずに学校に行くようになったのが始まりでした。だって、家を出る1時間前に起きるのに、髪型を整えるのに30分もかけてるんですよ(笑)。自分にない個性を理解出来ずに、だったらご飯を、という気持ちがその時は強くて、こうなっちゃったんです。

Aさん:この間友達が、その子がなんでそれをしているのかがわかると腹の立つ事もなくなるし、落ち着いて話しができるんじゃない?って言ってたんだけど、でも、親としてここは譲れないというところはあるよね。私の場合、例えば人に向かってナイフを向けてるとか、死ねって言ったり、万引きをしたりとか、そんな時は悠長にしてられないわ。

● 大事な日頃のコミュニケーション

Aさん:子どもも1人の人格だから、親子で気持ちをすりあわせる事も大事かなと思う。私はこう思うけどあなたはどう思う?とか、社会通念はこうだから、お母さんはあなたにこう言うんだけど、あなたはどう思っているの?とか。

Iさん:よくしゃべる子はまだいいんだけど、あまり話さない子はどうしたらいいのかなあ。

Fさん:怒る時って、何かをやってほしいのにしてくれないとか、すごくモヤモヤするじゃないですか、そのモヤモヤをうまく話し合いで解決できたらなあって思うんです。そうしたらお互いスッキリするよね。

Aさん:まず、自分が幸せであることがすっごく大事だと思う。余裕があるから。

Fさん:それは思う!それには夫婦仲は大事よね。

Aさん:以前自分が、パパや息子の言動が気に食わない、っていう時期があって、しょっちゅう怒鳴ってた。そしたら家族の体調が悪くなっちゃって。自分が安定しているのって凄く大事だなってつくづく思ったの。夫婦関係でもうまくいかないことがあると結構イライラするしね。

Fさん:パパが仕事で忙しくて、家の事を何もかも任せっきりになってしまうと、こちらは手一杯でストレスがたまっちゃう。するとつい子どもにあたったり、言葉が過ぎてしまうこともあるわ。

Aさん:親子でも、夫婦でも日頃のコミュニケーションって大事だねえ。

そもそも「しかる」ってなんだろう

ー 社会的によくないことをしたらしかる。
「わたしはそれがイヤなの」
という理由でしかってもかまわない

01わたしは、しかることの定義は「いいこと悪いことの区別を、厳しい態度で子どもに示すこと」だと考えています。

しかるべきこととして「危険なこと」「人を傷つけること」「人の迷惑になるようなこと」があげられます。

でも、そのほかにも「洋服にシミをつけられるのがどうしてもイヤ」「飲み物をこぼされるのがキライ」など、人によってはあまり気にならないことだけれど、自分はどうしてもやってほしくないことってありますよね。そういうことでも、いっしょに暮らす家族として「ママはそれがイヤだからやめてね」と伝え、しかってもいいと思います。

子育てをしていれば、しからずにすむということはありません。いいこと、悪いことの区別をつけて、繰り返ししかりつづけなくてはならないと考えたほうがいいと思います。

とはいえ、ずっと言い続けたとしても、せいぜい「大人になって必要なときに、直すことができる」ようになる程度。しかることはそれくらい気が長い作業だということを覚えておいてください。

無藤隆先生・お茶の水女子大学教授、
お茶の水女子大学附属小学校校長

ー しかる基本は「命にかかわるとき」だけ。
あとは子どもの力を信じてあげよう。

子どもを絶対にしからなくてはならないのは、基本的に「命にかかわるとき」だけだ、とわたしは思っています。

事故にあいそうだったり、大ケガをするのではないかというときには、大声で「絶対ダメよ!」と子どもをビビらせてもしかる必要があります。

それと、人にダメージを与える場合。ハサミでつつくとか、高いところでふざけて押すとか、そういう他人の命に関わる場合も、しかるべきだと思います。

しかるのではなく、「お願いする」でも十分

たとえば、自分で歩く力があるにもかかわらず、母親に「だっこだっこ」とだだをこね、母親が疲れ果てていた場合、つい親はしかりとばしてしまうのではないでしょうか。

けれど、しかればしかるほど子どもは抵抗して、状況は悪くなるものです。そんなときには、たとえば「お母さん、とても疲れちゃったの。自分で歩いてほしいな」と、真剣に子どもの目を見てお願いする方が、しかるよりも効果があるのです。

「それでは、子どものごきげんをとっているのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、それはちがいます。おごそかに、親が真剣であることを、言葉をつかってきちんと説明するのです。

たしかに、子どもときちんと向かい合い、言葉で説明するのはエネルギーも根気もいることです。でも、子育てというものは、本来めんどうなもの。粘り強く、根気よく、言葉で伝えていってほしいのです。

諸富祥彦先生・千葉大学教育学部助教授

「これが理想のしかり方」という
具体的なイメージがもてますか?

02こどもの心を豊かに育みながらも、社会のルールを守り、他人を思いやれる人間に育てていく…そのために必要な「しかり方」には、動かしがたい法則があります。

必要なのは、あくまでも「子どもの目線に立ったしかり方」です。そしてそれはママの心も軽くしてくれるはずです。

部屋を片づけるとき、頭の中に完成形のイメージがなければ、ゴミの山の移動をするだけですよね。同じように、「正しいしかり方」をイメージしなくてはなりません。まずはそこから始めてみましょう。

「しからなくていい」ことってなんだろう?

▼大人と同じような「見通し」「判断力」を求めてしかってはいけない
▼子どもが「できない」ことを、しかってはいけない
▼生活リズムを整えることで、しからなくてすむ場合も多い
▼子どもは「親の姿」を見て学ぶ。しかる前に自分を見直して
▼マナーに関することは、何度も何度も何度も言い続けるべき

「子どものしかり方がわかる本」(主婦の友社)より抜粋

vol.160 ママたちの座談会「小さい子とテレビ」

VOL.161 中高生、平和を考える

Peace of peace 小田 奏さん 古川 司さんの報告

Peace of peace
平和について語り合いたいと思って、2013年の春、各務原市内の中学生で作りました。これまで
「自分にとって平和って何だろう」
「TPPについて考えよう」
「核について学ぶ」を開催。
今後も大人と一緒に「平和について」学び合いたいと考えています。

連載第六回

「ヒロシマで見て、聞いて、考えた」

01

私と司君は、この8月4日から6日まで、広島で行われた原水爆禁止世界大会と全国高校生平和集会に参加してきました。
私は去年の長崎に次いで2回目(広島は初めてでした)、司君は世界大会も広島も初めてでした。今回は、そこで見て、聞いて、考えたことを報告したいと思います。

【8月4日】

・今日は、原水爆禁止世界大会の開会式とRing Link Zeroにでました。平和行進にも参加しました。みんなの熱い気持ちが伝わり、私ももっともっとたくさんの人に伝えたいと思いました。
また、原爆ドームを初めてみました。写真とは全く違い、すごい迫力があり、当時の風景など、たくさん頭に浮かび少し怖くなった一面もありました。
開会式では被爆された方のお話が一番印象に残りました。
「私はガンが二つあり、心臓病もあります。病気をしていて、毎日たくさんの薬を飲んでいるけど、まだ死にはしない。もっとたくさんの人に伝えたい。」という言葉です。次は私たちがバトンを受け継いで、たくさんの人達に伝える責任があると感じました。(奏)

・被爆者の話をたくさん聞けて良い経験が出来ました。皆さんそろって「もう二度と起こしてはいけない」と言っていました。
だから、僕はこの思いをつなげていこうと思いました。あと、参加者には「お年寄りが多いのかなぁ」と思っていたら、若い人がたくさんいたので本当にうれしかったです。(司)

【8月5日】

・全国高校生平和集会に参加しましました。私たちは分科会で、米軍基地と日米安保について考えました。
今回は初めての司会でとても不安でした。すすめていくのに、わからないことやとまどうことがいっぱいでした。
でも、発言すると高校生が反応してくれて、とても勉強になりました。今日学んだことを忘れず、また疑問に思ったことを調べたりして、もっと知りたいと思いました。(奏)

・全国高校生平和集会に参加して、僕は政治に関心があるのはお年寄りばかりだと思っていたけど、しっかりと関心を持っている若者もたくさんいることが分かりました。それが本当にうれしかった。
参加者の発言の中に「文化祭で集団的自衛権を取り上げたんだけど、全く知らないという高校生が今日をきっかけに勉強したいと言ってくれた」というのがありました。とても印象に残りました。
ボクも全然関心を持ってくれない人に対しても、自分の知っていることを伝えていきたいと思いました。(司)

【8月6日】

・今日は、はじめに平和公園へいきました。今日は原爆が落ちた日だったので、原爆ドームを見てたくさんのことを考えさせられました。ここで何人もの人が亡くなり、近くの川に水を求めて、死にそうな人が入っていったり…。とても怖くなりました。
デモ隊がいて、「安倍帰れー」「集団的自衛権反対!」と必死に叫んでいました。それを見ていて私も一緒に叫びたくなりました。だって、もし法律で集団的自衛権の行使の方法がきまってしまったら、同じ過ちを起こしてしまうかもしれないんですから…。
安倍総理のお話も聞きました。頭の中が「???」で一杯になりました。原爆…たった一つの爆弾でこんなにたくさんの人の命を奪われる…と改めて思わされました。
原水爆禁止世界大会閉会総会にも参加してきました。たくさんの人のお話をききました。
どの方もおっしゃったのは、「同じ過ちを繰り返すことは、絶対に許させることではない。だから、来年のニューヨークで行われる会議(NPT=核不拡散条約再検討会議)までに署名をあつめ、核廃絶を目指し、みなさんで頑張りましょう」という言葉です。
私もそう思います。絶対に許させることではありません。戦争は絶対に嫌です。みなさんも嫌ですよね?!だから、みんなで頑張りたいと思います。(奏)

・原爆ドームの前で「安倍帰れ!」と叫んでいるデモ隊にあいました。警察もシールドを持ってたくさんいました。最後に、世界大会閉会式に参加しました。最後のフィナーレがよかったです。帰りの、鈍行8時間の長旅は疲れたけど。(司)

vol.160 中高生、平和を考える


VOL.161 知的に楽しく学ぶ・遊ぶ・集う Activa

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たべる 7月14日

田んぼプロジェクト4年目。昨年は収穫の半分くらいをイノシシに荒らされメンバーはショックを隠しきれなかった。 んで、今年こそは大事な食べ物を守ろうと、電柵を施すことに。周囲をしっかり張り巡らし、よしっ!これで安心。

02と思いきや、張って数日後、金具と電柵を壊して、イノシシが入った模様…とほほ。黄色い看板に「あぶない」って書いてあるのに…
そういえば、田んぼの入り口に仕掛けてある大きな罠にウリ坊が2匹かかっていた。

周辺がすごく獣くさかった。あのウリ坊はどうしたんだろう。
ひょっとして、そのウリ坊の母イノシシが怒って電柵をモノともせず猛進したんだろうか?まだ、稲は青いのに。なんとか、稲刈りまでおとなしくしてて欲しいなぁ~。人毛をぶら下げると効果てきめんって聞いたけど、どうなのかしら?

いきる 7月27日 終活しよう!ポートレート撮影会

ポートレート写真を撮りました。何だかカメラのファインダーがまっすぐこちらを向いていると、笑顔のつもりがちょっと緊張します。でも、最高の笑顔で!パチリ。今日のこの表情を忘れずに。

アクティバでは一年に一度、撮影会を企画しています。いい年の重ね方が、表情となって現れる気がします。そして、もしものときに、使える写真になれば、と思っています。備えあれば憂いなし、今後も撮影会は続けますので、軽~いお気持ちで参加して下さいね!

あそぶ 7月27日

ニューオリンズジャズ

真夏の夜の夢。今年は、ニューオリンズジャズをたっぷり堪能。ピアノ&ボーカルの泉澤果那さんは、ニューオリンズをこよなく愛するピアニスト・シンガー。聞けば、すべての音を「ミミコピ」するんだそう。

ころころ飛び跳ねるニューオリンズピアノとしっとりと聴き応えのあるトランペット、そしてドラム、ベース、パーカッションとのセッションで、素敵なひとときを過ごすことができました。

ニューオリンズ・ジャズバンド ピアノ、トランペット、ドラム、ベース、パーカッション。 それぞれの楽器の音色がおりなすハーモニーが絶妙でした。

04

2014年9月10月の予定

たんぼプロジェクト

ご家族での参加、お待ちしてます!05

9月28日(日) 稲刈り&はさかけ

10月12日(日) 脱穀&唐箕&籾すり

  • 時間 8:30 田んぼ集合 お昼ご飯付き&アクティバ通貨一枚進呈
  • 場所 アクティバ田んぼ(武芸川温泉西約1km 山側)
  • 参加費 会員1,000円 非会員 2,000円

※ アクティバ通貨は収穫祭で新米と交換できます。
稲穂の状態や天候により変更が生じることがあります。
参加ご希望の方は事前に事務局にお問い合せ下さいね。

足踏み脱穀機
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唐箕
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昨年の参加者の声

08収穫っていいね!ここの田んぼはビオトープ!!
メダカ、かえる、八丁トンボたがめ、などいっぱい!
子どもは大はしゃぎ

足踏み脱穀機ってけっこう疲れるわぁ?
太ももにがつんときまっせ!でも、肉体労働の後のランチめっちゃおいしかった!

これが難しいんだなぁ~
熟練者の方に「ブンブンまわして、ほいって束ねるんだよ」って言われて四苦八苦… 結局、地味に藁で結ぶことに…

はさかけしてお日様にしっかり乾かしてもらう。
昔ながらの方法で米作りできるってしあわせ~。大地の恵みに感謝です!

09アクティバ通貨をいっぱい集めて11月の収穫祭で新米と交換してくださいね!

※ アクティバ通貨は、田んぼプロジェクト(田おこし・草刈り・田植え・草取り・稲刈り・脱穀など) 参加者に一枚づつお渡ししています。

11月16日(日) 収穫祭

  • 10アクティバで収穫した新米をいただきます。
  • アクティバ通貨と玄米の引き換え日です。
  • 276バンド結成1周年
    「般若心経・ゴスペルバージョン」
    のお披露目!
    また、276バンドが縁でつながった
  • ゴスペル・クワイヤさんの、「Let It Go」
    この2曲のあとは、プロ登場です!
  • サックスカルテットの演奏を堪能していただきます。
    BijouSaxQuartet
    (ソプラノ・アルト・テナー・バリトン&ドラム)

詳しくは次号にてお知らせいたします。

vol.161 知的に楽しく学ぶ・遊ぶ・集う Activa


VOL.161 新米Nurseものがたり-(Vol.23)

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ホスピスの患者さんを受け持つことが増えた

こないだ受け持った患者さんは40歳のチベット人だった。
部屋にはダライラマの写真やら赤や黄色の布がいっぱい。
肝臓のがんと肺への転移もあって、自宅では吐き気と嘔吐がひどく、どうにも収まらないからやってきた。
腹水もたまって苦しそうで、痛みも強いみたいだった。

家族も本人も薬を投与することに異常なほど執着しているような気がした。とにもかくにも痛み止めを、吐き気止めを、点滴をもっともっとって言ってきた。

最初は家族の強い要望で、少しの点滴を続けてた。
でも2日も経つと、やっぱり体が点滴を通して人工的に入ってくる水分を処理しきれなくって、どんどん腹水となっておなかがまたパンパンになって痛みが増してきた。 すると家族はおなかに針をいれて腹水を取り除くParacentesisをしてくださいって頼んできた。

血圧は来たときからずっと70/50と低いまんま…
そんな状態でParacentesisをしたら、そのまま血圧がぐっと下がって死ぬかもしれない。

「今現在ではその選択肢はできないので、まずはこの点滴をとめましょう」と提案したら、家族は、一様に〝何にも飲めないのに!何にも食べれないのに!じゃあどうするのか!” と怒ったように言ってくる。
”なんで針をさして腹水をとりのぞけないのか!” と。

この患者が死にゆくということを、まだまだ受け入れられないのか、完全にホスピスの方向性とは真逆だった。
おもわず、「それが死ぬ過程なんです、最後は体がだんだん飲んだり食べたりできなくなっていくんです」って何度も言いそうになったけど、言わなかった。なんとなく言えなかった。 チベット仏教のことはよく知らないのだけど、なんとなくすごい違う宗教のように思えた。

死ぬ前の夜、奥さんがすごい血相で、
”とにかく本人も痛みを取り除いてほしいって強く願ってるから、痛み止めをもっと増やして、もっと頻繁に投与して、とにかく死ぬ瞬間も完全に痛みがない状態で死なせてほしい。だから痛み止めがいつでも投与できるように、今からドクターに電話して準備しといて!必要なときに、いまからドクターに連絡しますなんて言わせないわよ!”ってめっちゃ何回も何回も言われた。

そもそも完全に痛みがない状態で死なせるのは、安楽死に近いんではないかと、そのとき思った。 人が死にゆくとき、薬の力で完全に痛みがない状態って不可能だと思う。ってゆうか死にゆく本人しかわかんないよね。 意識がなくなっても、もしかしたら痛みは続いてるかもしれない。身体的な痛みが抑えられたとしても、精神的な苦痛は残るときもあると思う。

痛みを抑えられるだけの薬は、そうとうな量が要るぶん、それだけ意識をもうろうとさせる。意識をもうろうとさせて、意識が無い状態になると、むしろ意識がないから何も感じてないのかな。見ている方はそのほうが楽だ。 痛みは精神を破壊させることもあるし、痛み苦しみながら死を待つのはやっぱり辛い。

死にゆく体や心や魂は、どんなふうにつながっているんやろう。全てが一致して、魂が静かに天に昇っていくという最期を迎えられるんやろうか。

与えられた命を全うする…

やっぱりこの言葉に尽きる。

ポーランド人のおばあちゃん

最初に、あなたチャイニーズ?コリアン?ってきかれて、ジャパニーズって答えると、[ジャパニーズ!?あぁ、とても美しい国ジャパン!ジャパニーズピープルは本当に優しくてナイスな人が多い]って、日本のことべた褒めだった。

よく聞くと、お孫さんが日本に住んでいるらしい。日本人の友達を何回もアメリカに招いたこともあるそうで、なんだか日本に対するイメージが良すぎる(笑)

お寿司が大好きだそうで、寿司は毎日食べるのか?作れるのか?って質問攻め。こんなにもべた褒めされると、うれしい反面恥ずかくなってくる。そんなイメージの日本であってほしいと強く思う。

今の安倍政権下の日本、震災後の日本、進むべき方向を見直し、遠く離れた外国の人から、美しい国、美しい人々といわれるような地域と国であってほしいと、べた褒めされればされるほど強く感じる。

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vol.161 新米Nurseものがたり-(Vol.23)


VOL.161 記者雑感 From気仙沼-(Vol.14)

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新たに建設中の仮設商店街。周囲は盛り土をしたままで建物はほとんどない(7月17日)

「配送業務 月給13万8千円~ 35歳以下」「水産加工員 月給12万3200円~ 年齢不問」。ハローワーク気仙沼求人NEWS(7月14日号)から写し取った。

どちらも正社員。重機が使えたり潜水士だったりと工事関係の資格を持っていれば30万円に届くが、そんな人はとっくにどこかで働いている。

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4年ぶりに復活したフカヒレ丼。大きいけれど個人的には…(6月6日)

ハローワーク気仙沼管内の有効求人倍率(4月)は1.8倍で、基幹産業の水産加工に限ると2.4倍。全然足りないのだ。持ち家があっても月12万円で一家は養えない。

「ちょっと安すぎませんか」とある水産加工業者に聞いたら、震災前より上げて、この金額だという。市内の水産関連6団体は従業員を確保しょうと、県外出身者が住める寮を作るよう市や国に要望しているが、進展はない。

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気仙沼漁港に大量に水揚げされたヨシキリザメ(6月4日)

3月末でがれき処理が終わり、日銭を稼げる現場は激減した。だから定職に就く人が増えそうなものだが、なぜか集まらない。事務職も接客も「急募」の張り紙が目立つ。「皆、どこで何してんだいね」。別の加工業の人も弱っていた。

かと思うと、雇う側に?がつくこともある。美濃加茂市で6月に閉鎖したコールセンターが、その一例だ。運営するDIOジャパンは震災後、東北5県に14のセンターを開いた。しかし7月までに7カ所を閉鎖か事業停止とし、3カ所を営業譲渡。4カ所が残るばかりだ。

気仙沼は今のところ1度の給料遅配で済んでいるが、市長は先行きをとても不安視している。漁業と加工が中心の港町で初めての業態、かつ被災者雇用に対する期待が高かっただけに、落差も大きい。

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本格再開した「海の市」。メバチマグロの解体ショーも(7月19日)

そんな中、順調に増えているのが船乗りだ。それも10代20代の若手が全国からやってくる。

震災前の2003年~09年の新規就労はゼロだったのに、12年から2年間で50人に達した。船員を募る宮城県北部船主協会の担当者が、漁師の仕事や陸での生活をブログに載せ、一人一人の疑問に丁寧に答えて人気を集めた。

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唐桑半島の漁港近くの岩場で遺体捜索をする気仙沼署員(6月11日)

ただ、担当者は絶対に「来て下さい」と言わない。「本当にやる気なら手伝います」という姿勢を貫く。

13カ月航海の遠洋船や35日周期で漁を続ける近海マグロはえ縄漁船の仕事は、体も精神的にも相当きつい。加えて、震災後の業界保護のため、水揚げにかかわらず経費を補償してきた国の制度が今年度で終わる。お願いして来てもらうのにふさわしくないのだ。

今年は更に、はえ縄船の主品目であるサメ漁が国際的な批判にさらされた。高く売れるヒレだけを切って残りは捨てる、という指摘だ。昔から肉をすり身、皮を工業製品の原料として扱ってきた市内の業者は激怒。しかし、嵐が収まるのを待つように、表だった反論を避けてやり過ごした。

vol.161 記者雑感 From気仙沼-(Vol.14)


VOL.161 特別寄稿連載「半農半Xという生き方」塩見直紀

01

「10年」

人生の成功者の共通点は2つあって、1つは腹式呼吸、もう1つは早起きだそうです。そんな講演を聞いたのは、いまから20年ほど前のこと。以来、早起きを志してきたのですが、なかなか習慣にすることはできませんでした。

でも、10年前、私はふとある発想の転換をしたのでした。
娘が幼稚園の年少のころ、夜の8時には娘と一緒にふとんに入って絵本を読み、寝かしつけていました。

ある夜、絵本を読んで子どもと一緒に寝て、(ぼくだけ)朝3時に起きたらどうだろう?とひらめいたのです。やってみると、翌朝からなんと3時起きができるようになりました。

現在、10 年とすこしとなります。
朝の1時間は夜の2時間に匹敵すると朝の効用の本にはよく書かれています。静かな里山での朝3時からの2~3時間は思索のための、自己探求のための尊い時間となりました。

人生の成功者にはいつなれるかわかりませんが、ずっと続けていきたい習慣です。自分でもほんとうによく10年が経ったものだと驚いています。

「あとから来る者のために」

大変な時代ですが、大人世代の踏ん張りどころです。ときどき弱音も吐きたくなりますが、こんなときは勇気を与えてくれる詩をときどき読んでみることをおススメします。

よき時代をすこしでも招来できるように、心をこめて仏教詩人、坂村真民さんの詩を贈ります。

「あとから来る者のために」    坂村真民

あとから来る者のために
田畑を耕し 種を用意しておくのだ
山を 川を 海をきれいにしておくのだ
ああ あとから来る者のために
苦労をし 我慢をし
みなそれぞれの力を傾けるのだ
あとからあとから続いてくる
あの可愛い者たちのために
みなそれぞれ自分にできる
なにかをしてゆくのだ

まちづくり&自己探求 塩見直紀のエッセイ より

塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表

1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コ塔Zプトを提唱。半農半X本は中国語訳され、台湾、中国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。

※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題
持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。
ex.半農半漁、半農半大工、半農看護師、半農半カフェ
半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。

まちづくり&自己探求

綾部市社会福祉協議会に隔月でボランティアエッセイ掲載。
それを「にらめっこ」に連載します。

vol.161 特別寄稿連載「半農半Xという生き方」塩見直紀


VOL.161 エコビレッジfromオーストラリア

オーストラリアでエコビレッジの立ち上げに参加している
日本人女性YAOさんのレポート

01

Eco Village “Paradice One Retreat”の目的

  • 持続可能な自給自足の生活をする事
  • 生活を共有するもの同士、お互い高め合って成長する事
  • 大規模なパーマカルチャーのプロジェクトの達成
  • 安全で健康的な食材を、お客様と一緒に共有する事
  • 可能な限り地球上に自然を残せるようにする事
  • ひらめき!を感じてもらえる「暮らしのモデル」を提供する事

イタリアのエコビレッジ Torri superiore

02今回はイタリアでのエコビレッジ滞在の報告をしたいと思います。ここを訪れた目的はペイントのワークショップですが、私にとって、コミュニティがどう機能していて、どう生活しているのかを、客観視できるので、学ぶ事がたくさんあり有意義な時間を過ごせています。

歴史ある小さな街に今年で25周年を迎えるエコビレッジ、トリスペリオーレ。25年前、廃墟同然の石造りの建物を、時間をかけながら自分達で修復し、拡大し、今になってやっとほぼ修復が完了した所。建物の修復も自然素材を使っています。一つの建物に、いくつもの部屋があり、迷路のような通路で繋がっています。

メンバーは子どもを含め20人。6つの家族が一つの家族の様に生活しています。事務、キッチン、畑などセクションごとにチームが分かれていて、それぞれ担当分野のチームが責任を持ち、機能してます。

03働いた分の収入は個人に入って来ますが、ビレッジ自体の収入は主に宿泊とワークショップの開催でまかないます。その収入は、ビレッジ運営経費に回しているようです。また、キッチンスタッフがガーデンスタッフから野菜を買う、という、コミュニティ内での金銭サイクルがある事も教えてくれました。

食事の時間がみんなの集まるコミュニティの時間。週末には地元の人もご飯を食べに訪れるためとても賑やかになります。クラフト市を開催したり、ヨーロッパエコビレッジネットワークに加入したりと、外との繋がりも活発に活動しています。

とくにGEN(グローバル エコビレッジ ネットワーク)の本部も兼ねていて、世界中のエコビレッジ間での情報共有、繋がりをまとめる役割をこの施設が果たしています。

0425年という過程を経てやっと今のグループで13年続いていると言っていました。始まりは大変だと言うこと。焦らず、前を見据えて正しい道を通っていけば、時間とともに築いていくものなんだなと思いました。

何より、グループが一つの家族となり、支え合い、楽しく日々を過ごしている姿を見て、みんなで楽しく過ごせることの大切さ、幸せと愛で満ちた空間を作り上げるには、個人個人の姿勢と、グループとの繋がりと信頼を築くこと。そして自然に対する感謝、土地とともに生活していることを自覚できる環境にいることも重要だなと思いました。

みんなに感謝

 Yao

vol.161 エコビレッジfromオーストラリア


VOL.161 ぎむきょーるーむ 香り、化学物質で苦しむお友だち

01   香り、化学物質で02

 

なんかこのにおい苦手…これって、化学物質過敏症っていうの?

知らないことを「ないこと」にしないでほしい。

ぼくが中学校の耐震工事で
化学物質過敏症になって7年がたちました。

田口 航

一番始めに症状が出たのは、中学1年生の夏休みでした。水泳部の練習中に自分の身体に異変を感じました。ぼくはそれまで、元気が取り柄の、友だちと遊んで笑って、皆勤賞なんかとるような子どもだった。病気ともアレルギーとも無縁でした。

このころ、中学は耐震工事で、校舎全体をビニールで覆われていました。練習に行くと、シンナー臭がずっとありました。

たしか、練習は九時からでしたが、泳いでいて気持ちが悪くなりました。吐き気がすごくこみあげてくる。それで、その日はコーチにいって帰らせてもらったんです。

03自分の体調があきらかにおかしくなったのは、9月の始業から。教室に入ると気持ちが悪いなあと思ったけれど、ちょっと最初はガマンしていました。でも、20分くらいで吐しそうになって、保健室で何時間か休んでいました。早退し、自宅で休んでいると、翌朝には調子がもどります。

毎日、朝元気に登校して、気持ち悪くなって帰るという日が続きました。頭痛、寒気、目眩も学校に行くとひどくなる。病気になる前の平熱は37 度。それが学校にいると指先とかが冷たくなって、体温も35度くらいに低下していました。あとは、眠気ですね。症状が出たその日に、かかりつけの病院に行きました。医師の診断は「風邪かな」ということでした。

数日して、母が親類から「化学物質過敏症」という病気のことを聞いて、北里大学病院へ行くことになりました。「化学物質過敏症」との検査結果が出たのは11月のことです。

結局、中学は転校することになりました。当時は、まともに授業は受けられないし、転校しか選択はなかったと思います。

今年、大学2年生になります。大学に入ってからは、だいぶ体調はいいです。

ここ数年、香料を添加した洗剤や柔軟剤で不調になる人が多いそうですね。でも、過敏症になると、結構鼻は便利です。嗅覚は大事。鼻が匂いを感知してくれると逃げることができましたから。ぼくは、臭いのしないものが一番怖かった。気がつかないあいだに気持ちが悪くなってしまう。シンナー臭はある意味わかりやすくて助かります。

実際、本人が知らないだけで、いまの時代「化学物質過敏症」は多いのではないですか。でも、まだ「化学物質過敏症」というと「花粉症?」と聞き返されます。いまは、この化学物質過敏症という名前を知ってもらうだけでもいいと思っています。

そして、自分の知らないことを「ないこと」にしないでほしい。自分がその病気を知らないから仮病なんじゃないかとか、神経質なだけじゃなかとか…症状よりそういうことに苦しんだかな。まず、そこが変わらないとどうにもならないかな。

対処、治療法について

ここのところ、「香り長もち!」を強調した合成洗剤や柔軟剤が流行しています。私も電車の中で強い香りを感じることがあります。香りは個人の好み、趣味のような側面もありますが、問題はこの香りが、化学物質でつくられたものであるということです。

化学物質過敏症の患者さんの話しを聞いていると。「まず、舌がしびれて」「頭痛を感じて」その後、香りを感じた…ということがあります。香りそのものの好き嫌いではなく、それを生成する化学物質が問題なのです。

化学物質過敏症の人にとっては、症状を誘発したり悪化させたりする、この洗剤や柔軟剤、お母さんたちの化粧品の香りをつくる化学物質も、ときには「凶器」とも思えるほどの症状を起こします。

香りを例にしましたが、これはごく一例です。化学物質はそうした個人レベルの問題で解決することではない、根深い問題という点もおさえておきたいところです。

社会全体が化学物質なしには成立しないこと、自然であるより人工的なものを優れているとする文化のなかに、いま子どもたちの暮らしがある、ということなのです。

化学物質過敏症には、現在のところ特効薬はありません。
基本的な対処、治療法は、次の四つです。

(1)室内はできるかぎりの換気を。
(2)薬やサプリメントのとりすぎに注意。
(3)養生のすすめ。早寝早起き、太陽をあびる、軽い運動をする、ぬるめのお風呂や温泉、足湯、半身浴などのリラックス効果のあるものを。腹式呼吸や就寝時の室内環境(暗くする)などの見直しも。
(4)精神的安定をはかる。

化学物質はいたるところにありますが、それを避けようとするあまり、特別な暮らしを求めるのは、よけいにストレスを高めてしまいます。病気の実態を正しく知って、できるだけおおらかに過ごす、患者さんにはそうアドバイスをしています。

宮田幹夫  北里大学名誉教授・「そよ風クリニック」院長

子どもたちに伝えるとき・教えるとき

花粉症との違い:

花粉は粒子です。化学物質過敏症の原因物質は、ほとんどガスです。マスクをしていてもほとんど取り除くことができない。それと、花粉には季節があるけれど、化学物質過敏症には季節がない。反応する物質があればどこでも起きてしまう。

化学物質の場合、ある物質で化学物質過敏症になってしまうと、徐々にほかのいろいろな物質にも反応するようになります。ですから、自分が化学物質過敏症になったころ存在しなかったような、柔軟剤の香料などでも症状が出てしまう。どういう物質で起きるかということはよくわからない。本人でないとわからないのです。

スプレー液をなめますか?

人間は食物を食べて生きているので、口から取り込んだものの防御機構は非常に精密にできています。つまり、口に入った時点で、まず異物は吐き出してしまう。

口内で咀嚼したものは、非常に強い胃酸がある胃へ入って分解する。多くのものは分解されて、小腸で吸収されて、肝臓にいきます。肝臓でいろいろな解毒をおこなったら心臓に戻って、そして心臓から体全体に広まっていく。

ところが、鼻から吸い込んだものは直接心臓に入るんです。そこにはなんの防御機構もない。肺は呼吸で取り込んだガスを血液に溶かし、いきなり心臓へ送ります。心臓にいけば当然体中に広まり、その後肝臓へ戻ってくる。つまり空気中にある毒物はいったん身体に広まってから、肝臓で解毒される。

いま、流行っている制汗剤、消臭剤、抗菌剤などのスプレー、あるいは防虫剤のようなガスのものを使う、それは大変危険なことだと思います。

よく、講演会でこんなお話しをします。皆さんが家でスプレーをする薬品の液を飲んだりできますか?なめますか?とお尋ねします。飲んだりなめたりしたくないものはスプレーしてはいけません。と、それが大原則なんです。

覚悟をもって使うもの

04いま、たとえば、乳母車のなかにでも携帯用の蚊取りを入れている人がいる。あれを見ると私はものすごくぞくっとします。小さな子どもの鼻先にそういうものを置いているとしたら、非常に高濃度のものを吸う可能性がある。

それは、小さい身体に大きな影響をあたえて、そして成長するに従って、拡大されて望ましくない影響が顕在化する可能性はある。ということを考えますと、生涯にわたって、曝露量、少なければ少ないほどたぶんいいのでしょう。

蚊もゴキブリも生き物の仲間です。それを避ける、殺すということは、なにか子どもにダメージがないとはいいきれない。そういう覚悟をもって使う必要があると、私は思います。

柳沢 幸雄
開成中学・高等学校校長・東京大学名誉教授・工学博士

vol.161 ぎむきょーるーむ 香り、化学物質で苦しむお友だち


VOL.162 I’m Challenger「月3万円ビジネス実践中 吉岡翔一朗さん」

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今はちいさな仕事つくりが、大きな目標です。

 

月3万円ビジネス実践中!吉岡 翔一朗さん

「エコロジーなまちづくり」

そんなタイトルの講演会に出かけたんです。スライドショーでは環境先進国のドイツの環境都市・フライブルクの映像でした。ドイツではすでに原発をやめ自然エネルギーに切り替えていました。講演会での話しに魅了され、環境問題にますます興味を持ちました。

ドイツの取り組みが、日本では全然できてないのはなんでだろう。ふと疑問に思い、講演会の後、フライブルク視察ツアーがあることを知り、参加することにしました。ツアーは一週間。下は小学生、上は60代の方、学生が一番多かったかな。総勢30人ほどでした。夏休みだったからかな、小学生の子は単独で参加していました。

ヨーロッパのエコ活動に興味を持った人たちばかりで、本当に多種多様な人たちと交流でき、楽しい一週間でした。

ドイツ・フライブルクで最初に感じたこと

政策として、大きく3つに分けていたことです。
その優先順位にびっくりしました。 最優先はなんと「家のリフォーム」なんです。
断熱材を使用したり、エネルギーを使わなくてもいいような工夫。エネルギーを最小限にしても快適に暮らせる家づくり。それに併せてエネルギーを考えるという取り組みです。
できるだけ燃費のいい生活を心がけるということでしょうか。

2番目は「コ・ジェネレーション」(一種類のエネルギー源から複数のエネルギーを取り出すこと。特に,発電の際に生じる熱エネルギーを再度発電や暖房に利用すること)。

発電所で出た熱を有効利用することを国が後押ししています。冬は寒いのでこういった熱で暖房を取れるのはいいですよね。3番目に「自然エネルギー」を取り入れる。太陽光発電・風力・水力などです。

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ツアー参加のとき、自分は22才。大学4年生のときでした。ちょうど就職活動の時期だったんです。
その頃は、ふつーに企業に就職して、と思っていたけど、ツアーで刺激を受けてその考え方が変わりました。

ドイツで取り組んでいることを日本でもやってみたい。このまま就活していいのか、迷いが出てしまった。それで、一年休学して日本を自転車で回ろうと、九州を一周して東京までいろいろな面白いところを見つけて旅をしました。

自転車の旅で「トランジション・タウン」というコミュニティーに出会いました。ゆるい感じで持続不可能を持続可能にする生活スタイルです。

エコビレッジとも似ていますが、共同生活ではなく、各自の家に住み自分の今の生活はキープしながら、定期的に集まって、米作り、野菜つくりを共に作業しながら、未来のビジョンを話し合う。できることから、楽しみながら、持続可能な社会を組み立てていこうという活動です。

旅の途中の最終到達点で、もっともっと勉強したいと思うようになりました。いろいろな方からの情報を得て、非電化工房が弟子を募集していることを知り、さっそく面接を受け、昨年の4月から今年の3月までの一年間、ウーファー(住み込み弟子)として工房での生活をおくりました。

(非電化工房とは:新しい暮らし方の実験工房でもあり、電気を使わずに暮らす道具の博物館でもあり、アトリエでもあり、本当の豊かさを追い求める私設テーマパーク。愉しい非電化の発明で、新しい豊かさへの選択肢を提供している。栃木県の那須高原にある)

非電化工房での生活は、3つの学びを中心に暮らしました。

まず、1つ目に「自立力」自立力とは自給力(食べ物、エネルギー、必要なモノを作れる力)2つ目は「自活力」自分の能力を活かし、それで必要なお金を稼ぐ力。3つ目が「仲間力」コミュニティーをつくり、支え合いながらみんなの力をコラボして暮らすこと。

そんな3つを学ぶために、主にカフェのセルフビルドや畑で野菜を育てたり、エネルギーのことも学び、地域でイベントを開いたり参加させて頂き地域の方と交流もしていました。

そして、「自立力」で、セルフビルドで家を弟子のみでつくりました。(弟子は多いときで5人、少ないときは2人でした)

まずは土地ならしからはじめ、基礎つくりからから水道工事まで、専門家や業者には一切頼らないで大工作業も自分たちでやる。プロにしかできない、作れない、と思っていたことが、その気になれば素人でもできるんだなと思ったことは大きかったです。

でも、フツーの家ではなく、非電化の家です。電力会社とは契約をしないで、自家発電でやってみろと言われ、あたふたしたり・・・
先生(藤村氏)に教えを請いながらつくりました。とても充実した一年でした。

やっぱ、電気があった方がいいな、と思うことは?

風呂!かな。冬場はけっこう辛かった。お風呂は五右衛門風呂だったんですが、湯上がりはすぐ冷えるし(/_;)。

でも、非電化は電気を否定するわけではないんですよ。あくまでもライフスタイルの提案なんです。

人生の中で一番濃い時間を過ごして、自分が変わったと思うこと

大学に入って、時期が来たら就職してという選択肢しか持っていなかったけど、自分が生きるための方法は、就職して給料を得るという他にもいろいろあるんだということに気づいたことです。

そして今、自分のやりたいことが見えてきたんです。それは、小さな仕事をつくって、小さな収入を得て、生活は小さな支出に押さえる。

非電化工房での修行生活で3つの力が身についたことで、生きていく自信になりました。これからが僕の本当の意味での人生のスタートかなと思います。

本当の意味での人生のスタート

今、仕事をつくる事に興味があるんです。起業とかいうイメージとは違い、月3万円ビジネス(分かち合いのビジネス)です。

たとえば3万円ビジネスを月に3から4つ持つ。収入は10万円前後となります。そして支出を3~4万円ほどに押さえる。実働週3日くらいになります。仕事のない日は畑で野菜作り・・・
そんなライフスタイルを築きたいと思っています。すると時間に余裕ができます。まさにスローライフとなります。

月3万円ビジネスのルールは仕事はいいことで楽しく!!
自分の仕事を通じて社会が持続可能な社会・地域になって良くなって、社会性も向上できると思うとわくわくして楽しい!
今は、本当にできるのか、実践で実験中です。今回のソーラーフードドライヤーつくりのワークショップも、その一環です。

みんなで仕事をつくろう!

先ほどお話ししたトラディション・タウンのコミュニティーに参加しているので、いろんなつながりが増えました。仕事の宣伝方法とか、会場探しとかを一緒にやってくれる人がいるので助かります。自分一人ではたいしたことはできないですから。マンパワーのコラボレーションから、いろいろな仕事を生み出していきたいと思っています。

吉岡さんが参加している『トランジション・タウン浜松』(TT)とは。

現代の持続不可能な行き詰まりを迎えている地域社会から、地域の『自然』・『いきもの』・『人のいとなみ』を創造的で楽しいカタチで自立的循環を生み出し、持続可能な地域社会・町へのトランジション(移行)を目指すゆるやかなジモトに根差した世界的ネットワークです。

TTは浜松の持続可能性の為に活動していたり、興味を持っている方をネットワーキングさせ、様々な創造的コラボレーション活動を生み出しています。 トランジションタウンのテーマは【誰でも参加が可能!】 みなさんも一緒にトランジション!!していきませんか?
みなさんのこれからの暮らしがここで作り出せるかも・・・♪

ソーラーフードドライヤー・ワークショップの様子

9月20日 県立森林文化アカデミーにて。

主催:パーマカルチャー中部

04

使いきれない野菜や、採れすぎちゃった野菜など。あと、果物、キノコや魚など自然の力で美味しく保存!
乾燥させる他にはパン生地の発酵にもGood!温度計と湿度計がついているので、空気穴の開閉で、温度を調節します。

05できた!ドリルやドライバー、金づちなど普段使い慣れていない道具を駆使して、やっと完成。
生活の道具をつくるって、智恵を創出している感があります。

参加者感想

持続可能な生活に興味があり非電化生活に並々ならぬ関心を持っていた。っていうか、実は電気代を滞納してて、非電化生活に突入してます。案外と大丈夫なことがわかりました。
生活に密着した道具をつくり、生活に取り入れることで自分の生活が少しづつ変わっていくだろうと思った。
電気がなくて困ったな、と思うときは、夜帰宅したときに、着替えを探したりするのが苦労、と言えば苦労かな。あとはあまり不便を感じないです。友だちが遊びに来たとき「真っ暗でごめんね~」と言います。

樋口 仁さん(犬山市)

06

藤村靖之著『月3万円ビジネス』
非電化・ローカル化・分かち合いで愉しく稼ぐ方法

(晶文社)

いいことしかしごとにしない
うばいあわないでわかちあう
月3万円ビジネスのオヤクソク

vol.162 I’m Challenger 月3万円ビジネス実践中!吉岡 翔一朗さん

VOL.162 暮らし上手「食& 医」「そのお肌乾燥警報!?」

「そのお肌乾燥警報!?」

ƒvƒŠƒ“ƒg要チェック!お肌、02

冷たく乾いた外気や暖房による乾燥で、冬のお肌はどんどん水分が逃げていきます。
あなたの肌には、乾燥注意報が出ていませんか?

≪あなたの肌は大丈夫?乾燥度チェックシート≫

  • 洗顔後、肌がすぐにつっぱる感じがする
  • 肌につやがなく、くすみやすいような気がする
  • 肌をさわると頬のあたりにざらつき感がある
  • 以前からあったシミが濃くなってきたような気がする
  • 髪のパサツキが気になることがある
  • 長時間、エアコンの効いた環境で過ごすことが多い
  • 外出したり、室外でスポーツをすることが多い
  • 唇が乾いてカサカサしたり、皮がめくれることが多い
  • ファンデーションののりが悪い
  • 化粧水はコットンではなく手でつけている。

あなたの乾燥度は??(チェックシートの項目を累計)

・0~2個・・・乾燥予備軍

今のところ、お肌は比較的潤いが保たれている状態です。でも油断は禁物!冬の過酷な肌環境や加齢に負けないよう、今のうちからきちんと保湿ケアをして、みずみずしい肌を保ちましょう。

・3~5個・・・乾燥注意報

お肌かかなり乾燥している状態です。このまま放っておくと、冬の間にお肌はますます乾いて、うるおいが枯れてしまう危険が。普段のスキンケアを見直して、お肌に水分を補給しましょう。

・6個以上・・・乾燥警報

お肌の潤いは危機的状態!極度の乾燥でお肌が悲鳴を上げています。毎日の保湿ケアにもっと時間をかけて、じっくりとていねいな保湿を心がけましょう。

03

 

寒くて空気が乾燥する季節は、お肌の乾燥が気になりますよね。加えてオフィスの暖房の風にさらされて、気がつくと目はショボショボ、お肌はカサカサ状態に。この時期は、いつも以上にていねいな保湿ケアが重要になります。

 

 

 

冬こそ水洗顔が大事

角質層をおおって肌の水分を閉じ込める働きをしているのが皮脂膜。皮脂は、もっとも自分にあった保湿成分で、皮膚を守る力はどんな高級な化粧品にもかないません。

冬場は肌の血行や新陳代謝が悪いので、皮膚の天然クリームである皮脂の分泌がいつにもまして減っています。そんな大切な皮脂膜を、お湯で洗い流すといったダメージ洗顔法で落とさないように注意をしてください。

冬はついお湯で洗顔しがちですが、お湯は皮脂や角質細胞間脂質を流してしまう働きがあります。加えて、洗顔料を使って何度も洗顔していれば「守りの皮脂」が落ちて、乾燥肌がどんどん進んでしまいます。

洗顔料を使うなら1日1回程度、朝の洗顔は素洗いで十分です。
そして肌本来のうるおいを保つために、寒い冬こそ水洗顔をしてください。

体の内側からも水分補給

冬は、肌の乾燥にともなって、顔のたるみも目立ってきます。
外側からの保湿ケアも大事ですが、まずは体内にきちんと水分を取りこんで、細胞内に水を戻さないとダメ。そのためには、水分補給がとても大事です。

細胞組織にすばやく水分を補給するなら、スポーツ飲料が適しています。ただし、スポーツ飲料は糖分が高いので飲みすぎに注意を。カロリーをチェックしながら飲むとよいでしょう。そのほか白湯や麦茶などもおすすめです。

コーヒーや紅茶、緑茶などカフェインを含む飲み物は、利尿作用が強いために飲んだ分以上に体から水分が出て行ってしまうので、水分補給には適していません。

なお、「水分をたくさんとると、むくむ」というのは誤解です。
むくみの原因は、冷え、運動不足、水分不足による脱水状態により起こります。 正しい水分補給を心がけて、体の内側からもうるおいを保ちましょう。

保湿が大事なことはよ~くわかりました。では、保湿にはどんな方法があるのでしょうか?

「保湿」とは、たくさんの水分を肌に与え、それを油分で維持することです。

赤ちゃんの体は80%が水分です。これは、生きるのに必要なのはもちろん、これから細胞が成長するために必要だからです。ところが成人して年を重ねるとドンドン体内の水分は少なくなっていきます。

水分が少なくなる原因はいくつかあります。
そのひとつ、体が水分をためるためにヒアルロン酸というものがあるのですが、これが減っていきます。
20歳を100%とすると、30歳で65%、50歳になるとわずか45%になります。そのため、乾燥化が進み肌が本来持っている新陳代謝や回復力、バリア機能が衰え、しみやしわが出来るのです。

ですから、肌に水分を補給することで、肌の回復機能を復活させ健康な状態に戻すのが大事です。よく「風邪は万病のもと」と言いますが、同じように「乾燥は、肌トラブルのもと」です。

効果的な保湿とは?

保湿とは、『適切な水分が良質な油分によって蒸発を防ぎ、肌に保持されている状態』です。保湿にはホホバオイルや椿オイルがおすすめ。しかし今回は「食べ物」で保湿を考えてみます。

乾燥肌に効果のある食べ物を紹介します。

まず緑黄色野菜です。ビタミンAが多く含まれており新陳代謝を促す働きがあります。不足してしまうと皮膚表面がダメージを受けやすくなり肌がカサカサになってしまいます。

04 潤いは内側からも!

次に角質層にある脂質・セラミドです。肌の水分を保持するための働きがありセラミドが不足すると水分が蒸発してしまいます。
セラミドを多く含む食品として大豆、ヨーグルト、ほうれん草など。特に30代後半から減少してきますので注意しましょう。

次にたんぱく質。基本的に皮膚の角質細胞はたんぱく質で出来ているため肌のバリア機能を維持するためには良質なたんぱく質が必要となってきます。ですが、肉類の取りすぎは要注意。
なぜなら血中コレステロールを高めてしまう飽和脂肪酸というものが多く含まれているからです。 たんぱく質を多く含む魚類、卵、大豆、食品肉類、牛乳などです。

また果物やナッツ類も効果的です。ナッツ類はビタミンBとビタミンEが豊富に含まれています。果物も水分が多く含まれており栄養抜群なので積極的に食べていきましょう。

このようにいくつか紹介しましたが、肌の角質層から水分の蒸発を防いで肌を潤す栄養を食べ物でも取っていこうという事です。

バランスのいい食生活を心がけ、セラミドやビタミンA、ここで紹介したものを日常的に摂ってお肌を乾燥から守りましょう。

(スキンケア情報サイトより)

vol.162 暮らし上手「食&医」「そのお肌乾燥警報!?」


VOL.162 暮らし上手「食& 医」「冷えは万病のもと」

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冷えは万病のもと Part-2

02Vol.160で夏本番を控え、エアコンなどから体を守ろう!と「冷えは万病のもと」特集をしました。162号は「冬」を目前に、備えておきたい『冷え』対策です!

宇宙には完全なものはありません。すべてのものは助け合い、お互いに平等でなければなりません。平等であるためには、循環が大切です。ぐるぐる回るということです。

人間の体も同じです。血液が頭の方にだけいって、足のほうにはあまりいかないという偏りは、非常に困ります。血液はくまなく全身を回っていなくてはなりません。

東洋医学では血の巡りと同じように、気の巡りというのがあります。気もまた血の巡りと同じように偏りなく巡ることが大切です。
気には「陰の気」と「陽の気」があって、両方の気が体中を回っていなければならないのですが、滞ると病気になります。

この二つの気のうち、陰の気は上がり、陽の気は下がる性質を持っています。それが、ぐるぐる上がったり下がったりすることで、体は健康でいることができるのです。

冷えると気が体を巡らず、血行不良になる

陰の気と陽の気はもう一つの性質があります。陰の気は冷たいところが好きで、陽の気は暖かいところが好きなのです。そこで、足元が冷たくて頭のほうの上半身が暖かいと、陽の気は上から下へ降りられない。下へ降りると冷たいからです。

反対に陰の気は上が暑いので上がれないのです。上がらなくてはいけないのに、上がれない。下がらなくてはいけないのに下がれないということになり、巡りが滞って病気になるわけです。

こうして体の上下の温度差ができてしまった状態が「冷え」です。「冷え」れば当然血管が縮み、血管が縮めば血液の流れが悪くなって、血行不良が起こります。

動脈のほうから十分に血液がこないとなれば、内蔵の細胞や、手足の筋肉の細胞などに必要なだけの酸素や栄養が届かないので、老廃物や疲労物質は出ていくことができません。これが病気の元になるのです。

昔から言われている「頭寒足熱」が、気の巡りをよくするために重要なことはお分かりでしょう。

「冷え性」と「冷え症」って違うの!?

一般的に、寒がりや冷えやすい人のことを”冷え性”といい、 西洋医学的には、冷えは体質と捉えられ治療法はないとされています。そのため多くの人が「体質だから‥・」とあきらめてしまっているのです。

しかし、東洋医学的には冷えやすい、冷えていることを”体質”ではなく病気とし、 「冷え症」という名称を使います。「冷え症」の人は、寒さに対して敏感で、人一倍寒いと感じ、不快な症状を伴います。

一番の特徴は、体が一度冷えてしまうと、そのあと、なかなか温まらないことです。暖房や厚着したり、カイロなどで体を温めても一時的にはあったかくなっても、冷え性(症)を改善したことにはなりません。冷え症は、ありとあらゆる症状をひきおこす原因となります。

冷え性の症状は、手足の冷え、おなかの冷え、肩こり、腰痛、頭痛、便秘、肌荒れ、風邪、生理不順などなど実にさまざまです。「冷え症でない女性はいない!」といっても過言でない!ほど女性のほとんどは体の冷えがあります。

「私は足がほてるほどで冷え症ではない!」と自信を持って言う人がいらっしゃいますが、足元があたたかくても、それ以上に上半身が熱ければ、冷えの状態です。
体の奥に冷えがたまり、表面が熱くなっているのも冷えです。

暑がりの人、特に顔が赤くなって「のぼせ」の状態になっている人は、「冷えのぼせ」の状態にあり、相当冷えていると考えられます。
女性だけでなく男性の冷え症も。

冷えの代表的な症状はみなさんご存知の通り「手足の冷え」です。血液を全身に送り出す心臓から一番遠い手足が冷えるというのは冷え症の
初期症状です。

体には自然治癒力があり、常に正常に戻ろうとする力を秘めています。その自然治癒力を邪魔する要素=「冷え」なのです。

頭寒足熱&腹八分目

03健康のために‘‘頭寒足熱‘を意識した生活を目指すことが理想的なのですが、「頭寒足熱」(ずかんそくねつ)とは、そのまま考えると頭を寒くする、冷やすという意味だと思ってしまいます。

そうではなく、頭を温めてはいけないという意味です。そして足は温めるということは、足を温めると体全体の血流が良くなるということです。「足が第二の心臓」といわれていることは、これを考えると理解できるのではないでしょうか。

足を冷やすと血流が悪くなり、高血圧・心臓病・動脈硬化の原因となります。

腹八分目!食べ過ぎは万病のもと。
冷えにより消化器官の調子が狂うと食欲も狂いたくさん食べたくなります。1口の量を少なくして、30回程噛んでゆっくり食べてください。冷えとりができれば自然と食欲もおさまります。

【食べ過ぎないための心得】

  • 食事をつくる量をこれまでより2~3割減らす
  • 食べるときのひと口の量を少なくする。
  • 30回以上噛んでゆっくり食べる。
  • 口にものがなくなってから次のものを食べる。
  • 満腹感を覚えたら食べるのをやめる。

 

これらを習慣にすると、腹八分目でもおなかいっぱいと思え自然な満腹感が得られるそうです。

しかし、分かっていてもなかなか、すぐには改善できないと思います。冷えとりを続けるコツは、「無理なくできることから楽しんですること!」です。いつも心がけるだけで少しずつ変わってきますよ。

 

温める性質の食品(=陽性)

  • 水面下に生えるもの:海藻類(昆布・わかめ・海苔)
  • 地面の下に生えるもの:根菜類 (ごぼう・大根・ニンジン)。いも類
  • 豆類:小豆・エンドウ豆・その他大豆製品(豆腐など)
  • 干したもの:乾燥野菜・干し魚・干し肉・干しきのこ
  • 発酵食品:味噌・醤油・酢・納豆・ぬか漬け・チーズ・ヨーグルト
  • 塩を加えたもの:塩漬け・みそ漬けにした野菜・魚・肉類
  • 重石で圧力を加えたもの:漬物
  • 精白・精製していないもの:玄米・玄麦・栗・天然塩・天然はちみつ・黒砂糖

冷やす性質の食品(=陰性)

  • 人工的に精製したもの:白米・精製食品・白砂糖・マーガリン・人工甘味料
  • 地面の上に出ている植物:菜っ葉類・果物(特にトロピカルフルーツ)
  • 嗜好品:酒・香辛料・お菓子・乳製品・清涼飲料水
  • 熱を加えても冷やす性質のもの:牛乳、動物性脂肪(肉や魚はレモン汁を少々かけるとよい)

参考:ときめき暮らし研究所、病気にならない「冷え取り」健康法より

vol.162 暮らし上手「食&医」「冷えは万病のもと」


VOL.163 ママたちの座談会『どう?パパとの関係』

0101

次世代を担う子どもたちを愛し、その子がいきいきと、心身ともに健やかに成長することを目的とした座談会です。03

第11回 自然派ままたちの座談会

座談会出席者
Yさん:結婚歴18年
Iさん:結婚歴12年
Mさん:結婚歴20年

どう?パパとの関係

04ケンカするほど仲がいい、
なんて本当かなぁ??
元は他人の二人だけど、 せっかく縁があって夫婦になったんだもの。
なるべくなら、ケンカしないで
理解しあって、仲良くしたい。
うまくやっていくコツ、考えてみませんか。

 

 

子育て中の気持ち、聞いてほしいな

Mさん パパにもっと家事を手伝ってほしい、話を聞いてほしいというママは多いよね。

Yさん 1人目が赤ちゃんのとき、全然身なりを整える余裕もなくて、自分が顔を洗ったかさえ覚えてないくらい大変なのに、夫が帰宅するなり、「色気がねえなあ」って言った事があったのよ。キレそうになったわ。

Mさん そうだよねえ、トイレだって満足に行けないよねえ、そんな頃は。

Yさん 家庭を守るのって結局女の人。掃除、洗濯、食事の用意などの家事全般なんでもやらないと、当然、育児もそうだし。
子どもが幼稚園や学校でつまずいたっていうのも全部母親が受けるよね。ボタン付けも、学校からもらってくる書類に夫の名前を書いてハンコ押すのも母親でしょう。で、子どもの提出物が遅れたら怒られて。
そういうのが積み重なっていって、それを夫に聞いてもらいたいのに、夫は「俺は仕事でいっぱいいっぱいで忙しいから」って。
思いや気持ちを共感してほしかっただけなのに。気持ちの抜き場がなくて、あの頃は辛かったなぁ。

Mさん 私は、ちっとも話を聞いてもらえなかったので、会社の夫のパソコンに言いたい事をメールで送ったことがあるよ。なぜか敬語で。

一歩引いてみたら

05Yさん 心理学を勉強をしたり、いろんな講演会にも行った。
あるとき、「人間はみんな自分のことをわかってほしくて生まれてくるんだよ。みんながわかってほしいと言っていたらケンカになるでしょ。聞いてほしかったら一歩さがって、自分が聞くという事を考えないかん。ダンナさんの気持ちを考えなさい」と言われたのね。
その時目からウロコがとれたのがわかったの。そうか、私が一歩引くんだ!って。それまでは、何で私が一歩引かないかんのって思ってたの。でも、気付いた人が大人になって、どこかで引かないとね。
それで、「あなたはどう思ってるの?」って聞くようになったら「じゃあ君はどう思っているの?」って聞いてくれるようになってきたんだよね。そこに行くのにずいぶんと年数かかったわ。

Iさん 私が結婚する前に「女性の方が精神年齢が高くなるよ」って職場の先輩に言われましたよ。

Yさん 結局、夫を変えることはできないし、私だけの家でもないし、みんなが気持ちよく暮らせるなら、お互いの妥協点をすりあわせていかなきゃね。

Mさん うちは私が風邪引いたりして寝込むと夫がすごく機嫌が悪くなるの。かえって具合が悪くなりそうなくらい。
でも、それを人に話したら、それは不安だからだよって。そうなのかぁ、と思ったら少しは腹立たずに聞けるようになった。相手のことを知るのは大事なんだなあと実感したわ。
それから、夫は自分の思うように人を動かしたいタイプなの。
それで友だちに「自分の思うように人を動かそうとすること、止めてほしいわ」と言ったら、「それだって自分の思うようにダンナさんを変えようとしているじゃん」と笑われちゃった。

Iさん 人間関係はお互い鑑だっていうもんねぇ。 06

Mさん 女の人って、出産や子どもの学校とか、いろんな事に真正面から向き合わなくちゃいけなくて、その時々で、今までの考え方ではだめかもって、軌道修正の機会がいっぱいあるけど、男の人ってそのままのスタンスで来れちゃう人も多いよね。
そうすると時間とともに夫婦の間で考え方に開きが出てくることもある程度しようがないことかもね。

Yさん もともと違う家庭で育って来た人同士が暮らすんだもんね。うまくいかなくて当たり前って思っておくと気が楽になるかな。

夫婦がうまくいくちょっとしたコツ

♥「どーしても譲れない」部分以外は「まぁいっか」

ドアの開けっぱなしや電気を消すタイミング。はみがき粉を置く位置、掃除の仕方、などなど…。非常に小さなことですがそれがどんどん気になってしまう他人との生活=結婚生活。

全部が全部自分の思うどおりになれば自分のストレスはなくなりますが、そうしようとするとその分相手のストレスが貯まってしまいます。

「どーしてもこれは譲れない」と思う部分はしっかり相手に伝えて、逆に「ここはあなたに合わせるわ」という部分をつくりましょう。
だいたいお互いが「50:50」と思えれば、ストレスが貯まったときも「相手にも色々ガマンしてもらってるし…まぁいっか」と思えるようになります。

♥3回ぐらい言いたくなったら言う

夫婦が生活する上で、いろいろと気をつけなければいけないことはありますが、だからと言って嫌なことがあってもただひたすらガマンする必要はありません。

ストレスを貯めすぎると夫婦間もギクシャクしてしまうので、しっかり伝えるべきことは伝えます。伝える基本としては、「3回ぐらい同じことを言いたくなったら言う」。1回や2回ぐらいは目をつぶりましょう。長い道のりです。

♥愚痴は友達に聞いてもらいましょう。

特に男性は「愚痴」を嫌う傾向が強いので、夫に愚痴を言う癖がある人は注意。ケンカの元になりかねません。

ストレスが貯まったらガールズトークで発散するのが良いかと思います。この「ちょっとしたコツ」は、相手に合わせるための努力ではなく自分が幸せになる努力ではないかなぁと思います。

生活の知恵があつまる情報サイトnanapiより抜粋

BOOK 紹介

01

『みんな好きで一緒になった 』

小南 奈美子 (著) ポプラ社
税込1,404円

出会ったばかりのころ、わたしたちは幸せに満ち溢れていた。それでもあなたは離婚という選択を決断できますか?夫婦の「絆」をもう一度蘇らせる一冊。2度の離婚を経験したカリスマトレーナーが教える「許す」ことで必ず上手くいく夫婦の知恵。

 

 

 

01

『底ぬけ父子手帳―エッセイマンガ』

いぢち ひろゆき(著) 講談社
税込1,296円

いいかげん子育てに目覚めなさいっ(by妻)ドタバタ、ジタバタ、オロオロの日々。子育てパパのドキュメント笑(ショー)。男性目線で描かれているので、パパの気持ちを理解する参考になるかも。バカバカしくて、面白くて、なんだか気持ちも軽くなりそうな一冊。

vol.162 ママたちの座談会『どう?パパとの関係』


VOL.162 中高生、平和を考える 

Peace of peace 小田 奏さん 古川 司さんの報告

Peace of peace
平和について語り合いたいと思って、2013年の春、各務原市内の中学生で作りました。これまで
「自分にとって平和って何だろう」
「TPPについて考えよう」
「核について学ぶ」を開催。
今後も大人と一緒に「平和について」学び合いたいと考えています。

連載第七回

被爆体験を聞く

7月22日の「Peace of Peace」で、5歳の時に長崎で被曝された木戸先生をお招きして当時のお話を聞きました。

はじめに、私と司君が関心を持っていることについて発表しました。司君は、徴兵制について話してくれました。
わたしたちの憲法日本国憲法18条には「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」とあります。
しかし、石破さんは「徴兵制というのは国を守る仕組みである。そして、国を守るのは国民の責任である」と言っています。そうすると、憲法18条があっても集団的自衛権が決まったら徴兵制も決まってしまうかもしれない。だから、とても不安と話してくれました。

私は、『戦争の作り方』の本を読みました。読んでいて、本当にこのように進んでいるなぁ・・・・と思いとても怖くなり、「なにかしなきゃ!」っと思いました。

皆さんも是非読んでみてください!
本当にこのようにすすんでいますから・・・・

次は木戸先生のお話です。

01先生が被爆されたのは5歳の時でした。空襲警報が解除され、配給所でお母さんと待っていたときに、原爆が投下されました。
そのとき、20メートルほどとばされ、大きな火傷を負いました。
あと3メートルとばされていたら、川に落ちていて命は無かったかもしれないと言われました。その後、良い先生と出会い、薬を塗ってもらって、火傷はそれ以上ひどくはならなかったそうです。「水をくれ~」と叫んでいる人々をみながら逃げていったそうです。

当時、アメリカの飛行機がしきりに飛んできていたので、飛行機の音を聞いただけでどの飛行機がわかったそうです。

木戸先生に、たくさんの写真を見せていただきました。 参加してくれた子の中には、写真を見て泣いてしまう子、写真があまりにもすごくて見ることができない子もいました。私も怖くなり見られませんでした。

私は、去年長崎にいった時木戸先生に案内していただいたフィールドワークの時のお話を思いだしました。本当に大変だったんだなぁ・・・・と思いました。

けど、人ごとではありません。もっと、たくさんの人に木戸先生のお話を聞いてほしいと思いました。たくさんの人が聞き、聞いた人たちが次へ次へと伝えていかなくてはならないと思いました。

最後に「被爆者はお金でもない、物でもない。謝罪をもとめている」と言ってみえました。今もなお苦しんでみえる方、心に大きな傷を負った方はたくさんみえます。その方々の傷は一生消えることはないと私は思います。だから、また同じ過ちを起こしてはなりません。また戦争を起こしたくありません。戦争はとても恐ろしいことです。

憲法9条の解釈が大きく変えられ、集団的自衛権が決定されようとしている今、これは決まってはいけないことです。だから、私たちに今何ができるかを考えなければならないと私は思います。
そのために、私はこの記事を読んでみえるみなさんにしっかり理解してもらえるような記事を書きたいと思っています。私は本当に危機感を持っています。

私は戦争を本当にしたくありません。
戦争をしたい人はいないと私は思います。
Peace of Peaceの交流会も続けていきたい思っています。

是非ご参加ください。

02追記:木戸先生が紹介してくださった写真は、被爆直後に長崎へ入り惨状を撮影された山端庸介さんの写真です。
木戸先生が北へ向かって避難された浦上川の対岸をぼぼ同じ経路で北へ向かって撮影されたものです。
下記のURLで見ることができます。

http://www.peace-museum.org/welcome.htm

vol.162 中高生、平和を考える


VOL.162 知的に楽しく学ぶ・遊ぶ・集うActiva

01

晩秋に「食」と「音」の彩りを

収穫祭

14/11/16(日) 開場/16:30 17:00~
場所 アートギャラリー是
0575-46-38780575-46-3878
(関市武芸川温泉西200m)02

ご自由にご賞味下さい。

★アクティバ米の食べ比べ

  • ・玄米と3分つきをご用意します。
  • ・アクティバ大豆で作った味噌汁

★石窯で焼きたてピザ

  • ・おからピザ&クリスピーピザ
  • ・アクティバ特性の野菜スープ(ひよこ豆入り)
  • ・ドリンク各種(ドリンクのみ別途)
    ※アルコールもご用意いたしますが、運転される方にはご提供できませんのでご了承下さい。

Bijou Sax Qartet

03

Bijou Sax Quartet 東海地方を中心に様々なスタイルで演奏活動を展開する若手サックスプレーヤー4人組! クラシックからジャズまで幅広く、またオリジナルのサックスアレンジにリズム隊を加えるスタイルを得意とし会場を盛り上げる!
三輪一登/sop. 渡辺志穂/Alt. 横原由梨子/Ten.
川地立真/Bar. 山田信晴/Per.

収穫祭プログラム

  • 17:00 ~収穫祭・食を楽しむ~
  • 18:00 276バンドお披露目演奏
  • 18:10 The Muses Let it go演奏
  • 19:00 Bijou Sax Qartetコンサート

276バンドとは:

楽器をひとつマスターしたい!という会員の希望をワークショップで実現したとき、「そうだ、バンドをつくろう!」と言いだした人がいた。その提案に意気投合し、さっそく練習に取りかかった。テーマ曲は「般若心経・ゴスペルバージョン」それぞれ楽器を手に、毎月第一土曜日に練習を重ね、とうとう発表の日を迎えます。
うまく演奏できたらご喝采!!

04

アクティバたんぼプロジェクト

9月28日(日)稲刈り

OLYMPUS DIGITAL CAMERA第4期目となったたんぼプロジェクト。今年は電柵のおかげか稲の品種が土地に合ったのか、豊作です。っていうか、昨年のダメージが大きすぎて今年は普通かもしれません。でもうれしい!!!

ビオトープに実験として一本植えをしてみたところ、分蘖してみごとに稲穂が実り輝いていました。自然の力に改めて感服!
自然農バンザイ!!!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
天日干し
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今年も姿を見せてくれた、八丁トンボ。真っ赤な体が緑に映える。

 OLYMPUS DIGITAL CAMERA OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今年妹が生まれた杏珠ちゃん。稲刈りだってできちゃうぞ!

 

10月12日(日)脱穀・唐箕

10笹舟にぷくぷくの新米がのって、 このまんま、神さまにお供えしたい感じ。

 

11 OLYMPUS DIGITAL CAMERA

唐箕のハンドルをぐるぐる回す!ちびっ子たちも大活躍!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

脱穀、唐箕のあとは地味ぃ~に落ち穂集め。
今年は2升とちょっと。
籾すりしたらいよいよ収穫祭だよ~!

「本物を知る・大人のワイン会」

12月21日(日) 14:00~18:00
アートギャラリー是(武芸川温泉西200m)
会費:2,000円(アクティバ会員1,500円)

15ワインの
スペシャリストを囲んで
ちょっと大人な
ワイン談義を!

 

  • 16ワインをより美味しく飲むためには?
  • ヴィンテージってなに?
  • ワインを飲み残したらどうしたらいいの?
  • なぜボルドーワインのコルクは長いの?
  • ブドウの品種による味の違いって?
  • 国産ワインを楽しみたいんだけど…

 

などなど、ワインについてふだん抱いている「知りたいこと」をどんどん質問してみよう!

ワインのスペシャリストの河出さんに、極上ワインからお手頃ワインまでバラエティーに富んだワインを取りそろえていただきます。
テイスティングしながら、自分好みのワインを見つけましょう。

17石窯ピザも用意します。
ワイン、おつまみ、サラダなどご用意いたしますが、これ、ワインにピッタリ!と思うような肴をご持参いただければ ワイン会にも華が咲く?!逸品持ち寄り大歓迎!!!

※微量でも飲酒後の車の運転は違法です。
運転される方のテイスティングはご遠慮下さい。

参加申込は→アクティバ事業部058ー383ー8666(三上)まで

アクティバ登録メンバーの募集

ただ今アクティバでは登録メンバーを募集中!応募はFax・Mail・Telなどどんな方法でもOK。イベントや、勉強会などに登録メンバーが活躍できる機会を実現したいと思います。相互に楽しめるようなスキルバンクです。

vol.162 知的に楽しく学ぶ・遊ぶ・集う Activa


VOL.162 新米Nurseものがたり-Vol.24

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連載 part-24

うちの病院はあいかわらずすごい・・・

なにがすごいって、患者が多種多様すぎて、ちょっと異様だと思う。それが都会だからなのか、この世の中がおかしくなってきてるのか。

心中に巻き込まれた中国人の女の子、29歳。
何箇所も体を刺されて、内臓だけでなく手足の神経や腱も傷ついた・・・心の深いところまでも。
自殺しようとして2階から飛び降りて、死ねなかった中国人の中年男性。声が聞こえたっていってたから、きっと精神的になにかあったんやろう。

2人は同じ時期に入院して、全然関係はなかったけど、2人ともほんとに顔がフラットで表情がなかった。何がどうしてこうなったのか・・・。また笑える日はくるんやろうか。

刑務所からもよく来る。60代のおじさんは、ユダヤ人。最初すっごい狂ってて会話もなりたたない感じだった。
突然シーツをかぶってへブルー語で呪文のようなお祈りをし始めたと思ったら、痛み止めや、抗生物質や、食事を持って行っても、「祈りの途中に話しかけるな~!もう~最初っからやり直しだよ~」って言って、またズーッとシーツの下にもぐってモゴモゴ…。

何をして刑務所に入ったんだと思って記録を読んでたら、なんとニューヨークの証券界の世界でも超有名な会社?の社長で億万長者らしい。奥さんも超有名人らしい。
足の感染症で敗血症になりかけて病院きたみたいやったけど、糖尿がうまくコントロールできてなく感染症もひどくなってた。いくらお金持ってても、幸せな人生を送ってるようには見えなかった。

もう一人のおじさんも刑務所から。釣り好きの陽気な白人やったけど、看守に口うるさく言ったらしくてそのまま5人の看守に殴る蹴るの暴行をうけ、肋骨折って気胸ができて運ばれてきた。
もちろん看守の記録には、受刑者が看守を2発殴ったって書いてあるらしい。でも本人は「看守には指一本触れてないし!刑期終わったら絶対訴えてやる!」て言ってた。

先週は病院の近くで、ホームパーティー中にドアをノックして「ハロー」って言って入ってきた男に、4人が撃たれた。
その撃たれた人たちはみんなうちの病院にきたけど、そのうち1人は容態も安定してうちの病棟にあがってきた。

銃があっては、人は幸せには なれない。
何のための武器であっても、武器があることで幸せはうまれない。

死を看取ること

今日は受け持ちの患者さんが朝からいきなり錯乱状態になった。泣きわめいて手足を動かして、まるでもがいてるみたいだった。
ターミナルの精神錯乱みたいで、人によっては幻覚をみたり幻聴があったりする。この患者さんも本当に錯乱してて泣いてた。

これは家族も見ているのが本当に辛い。多めの鎮静剤で落ち着いた。でもそのあとはもう意識は戻ってこなかった・・・

お昼前には呼吸の感じが、もうすぐその時がくる感じだったし呼吸もしんどそうでなく、痛みもなさそうだったからモルフィンを投与しなかった。

そして、午後2時すぎに亡くなった・・・

金曜日には、今刑務所で囚役中の息子さんが、1時間だけという短い時間だけど、看守の付き添いのもとこの患者さんに会いにきた。そのときはまだ意識もあって、お母さんが坊やに話しかけるように息子さんの顔に手をあてて何か話してた。

患者さん、息子さんに会えてよかった。
息子さんも、お母さんに会えてよかった。

この患者さんが亡くなったとき、息子さんは刑務所の中で母親が死んだことを聞かされるんやなぁと思ったら、なんかやるせなくなった。最後は本当に静かに息がとまった。

2、3時間たってから、お体を包みにいったときも、まだ全然体が温かくて死んだのがうそみたいだった。

それから患者さんの顔をみて思わず泣いた。死ぬときに家族につられて泣くことはあっても、亡くなって何時間もあって、体を包むときはけっこう無感情のまま淡々としてることが多いのに、このときはなぜか、泣けてきた。

死んだときにはなかった安らかさがあふれてて、まるで本当に微笑んでるような表情だった。その安らかさに泣けてきた。よかったって。入れ歯のせいかもしれんけど、あのときは天使が迎えにきたんやなぁってほんとに思った。

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vol.162 新米Nurseものがたり-(Vol.24)

 


VOL.162 記者雑感From気仙沼- Vol.15

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気仙沼市中心部の夏祭り。町内にできる災害公営住宅の入居予定者にも参加を呼びかけた。(8月9日)

気仙沼市中心部の貸し事務所で9月上旬、「企業内診断士、被災地での挑戦」という本の出版記念パーティーがあった。

富士通や三井物産など大手7社で別々に働く中小企業診断士有志が、昨年4月から市内3カ所の仮設商店街の飲食店を巡る「気仙沼バル」を開催。本はその経緯と問題点をまとめたものだった。

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今季のサンマ初水揚げ。鮮魚小売店には市民が行列を作った。(8月30日)

これまでに3回開かれたバルのことは知っていたが、催しに飽きていたので一度も覗かなかった。

が、パーティー前日に本を読み、当日、話を聞いて思い込みを恥じた。ITや飲食、マーケティングなど各界の診断士が強みを融合させたのも面白いが、普段はライバルの3商店街が手を組めば、という発想がいい。

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元の災害復旧のために任期途中で帰ることになった広島市からの応援職員2人。(9月5日)

著者の1人は「街おこしには若者、バカ者、よそ者が必要と言われる」と指摘。まとめ役の川居宗則さんは「よそ者だから3商店街をつなぐことができた」と話した。

パーティー会場の貸し事務所も、よそ者、かつ若者の杉浦恵一さんが8月に開いた。愛知県安城市出身の28歳。早くから東北にボランティアに入り、2011年6月に気仙沼市に住み着いた。

同年11月には月命日にろうそくで慰霊する「ともしびプロジェクト」を始め、他の様々な行事でも牽引役となった。

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気仙沼署は月命日の遺体捜索を続けている。この日も骨1本が見つかった。(9月11日)

しかしもはや震災から3年5カ月。「元気があれば役に立つと思っていたけれど、専門職や特殊な能力が必要な時期に来ている」。

そう考えて起業家のための事務所を作ることにした。
まずは都会から専門家を呼び込み、市内の人と関わってもらう。

その結果、地元に新たな仕事が生まれてこそ、本当の復興につながると信じている。ダーツ・バーだった被災物件を、友人・知人らの手を借り、数カ月かけて改装した。

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船内にたまった油混じりの水を処理する施設。3年半ぶりに復活した。(9月9日)

そうした動きに地元はどう応えているのか、今ひとつつかめない。

3商店街のうち、解体された第18共徳丸近くの「鹿折復幸マルシェ」は8月で閉鎖。
数百メートル離れた場所で「鹿折復幸マート」として9月以降、順次再開した。

しかしこれも仮設店舗。2年後には再び立ち退かなければならない。

漁港周辺の「南町紫市場」と「復興屋台村 気仙沼横丁」も近いうちに取り壊され、場合によっては鹿折と同じように別の場所で再度の仮設店舗入居を余儀なくされる。いずれも、一から街を作り直す区画整理という工事のためだ。先行きが不透明ななか、「街おこし」を考えている余裕はないのかもしれない。

が、これからも被災地と歩もうとするよそ者は、気づいている。地元がその気にならなければ、どうしようもないことを。

冒頭の本も「徐々に『気仙沼のヒトによるイベント』にシフトしていくべきと考えている」と提唱する。気仙沼に早く、バカ者が現れて欲しい。

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宮城県沿岸部を自転車で走る大会。気仙沼市中心部では今も建物の土台や津波で壊れたままの建物が残る。
(9月14日)

vol.162 記者雑感 From気仙沼-(Vol.15)


VOL.162 特別寄稿連載「半農半Xという生き方」塩見直紀

01

「ともいき」

阪神大震災の翌年、1996年から始めた自給農も今年で19年目となります。田んぼでは昔ながらに縦横30センチ間隔で手植えをし、その後、手押しの除草機を2度走らせます。

しばらくすると、手での田の草取り。
今年も変な天気でしたが、それでもおかげさまで収穫のときを迎えさせていただきました。手刈りをし、稲架(いなき)での天日干しを
終えて、ほっとしています。

田の草取りは私の好きな時間の1つですが、やはり一番好きな時間は、貴い時間だなと思うのは、田に落ちた稲穂を拾う、「落ち穂拾い」の時間です。

一本残らず全部拾ってしまいたいところですが、鳥など地球の仲間のためにあえて残していきます。

先人のこうした哲学、思想は、「共生(ともいき)」の時代のいま、なんとかひろめていけたらなと思っています。

「手塩にかける、工夫する」

激動の変革期を生きている私たち。これからどう生き、どんな時代になったらいいのか。何を取り戻し、何を創造していったらいいのか。

そんなことを日々考えているのですが、美しい日本語のなかに、ヒントがたくさんあることに気づきました。これを日常に取り戻したらいいのではないかと思うのです。

気になることばをいくつかご紹介しましょう。
いま注目していることばに「手塩(てしお)にかける」や「ひと手間かける」ということばがあります。

これからの時代は「手料理」「手仕事」「手入れ」「手当て」など、「手」に関することを取り戻してみるのもいいのかもしれません。

「工夫する」ということばも再度、光を当てるべきことばだと思います。宮崎を観光地にした「宮崎観光の父」と呼ばれる岩切章太郎という方の自伝に『心配するな工夫せよ』という本があるそうです。

いまはいろいろ心配事がいっぱいの時代ですが、岩切翁のように、あれこれ手を動かし、歩きながらも考え、頭をひねり、あきらめないで
いろいろ工夫してみる。

先人は「工夫する力」をもっていました。私たちも「心配するな工夫せよ」の精神を忘れずにいれたらと思うのです。

まちづくり&自己探求 塩見直紀のエッセイ より

塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表

1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コ塔Zプトを提唱。半農半X本は中国語訳され、台湾、中国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。

※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題
持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。
ex.半農半漁、半農半大工、半農看護師、半農半カフェ
半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。

まちづくり&自己探求

綾部市社会福祉協議会に隔月でボランティアエッセイ掲載。
それを「にらめっこ」に連載します。

vol.162 特別寄稿連載「半農半Xという生き方」塩見直紀


VOL.162 エコビレッジ from オーストラリア

オーストラリアでエコビレッジの立ち上げに参加している
日本人女性YAOさんのレポート

01

Eco Village “Paradice One Retreat”の目的

  • 持続可能な自給自足の生活をする事
  • 生活を共有するもの同士、お互い高め合って成長する事
  • 大規模なパーマカルチャーのプロジェクトの達成
  • 安全で健康的な食材を、お客様と一緒に共有する事
  • 可能な限り地球上に自然を残せるようにする事
  • ひらめき!を感じてもらえる「暮らしのモデル」を提供する事

「平和の日」に想う

01平和の日のために作ったビッグ ojo ode dios ojo de dios (スペイン語:オホ デ ディオス) 英語だとeye of gods神の目って意味になるかな。南アメリカの文化で、魔除けとして部屋に飾る。

9月21日。日本では秋分、ここオーストラリアでは春分を迎えました。春の始まりの日であるとともに、この日は国際平和の日でもありました。季節の切り替わりと、平和を祝福する意味を込めて、paradise one ではgroval peace party “EARTH DANCE”を主催しました。

earth dance のコンセプトは、音楽と踊りで繋がろうという、国際的イベントです。協定世界時間 午前12時 、同時に平和に向けて祈りをする時間も設定されています。

ここオーストラリア・バイロンベイでは午前10時。paradise oneではこの時間にみなで円をつくり平和に向けて祈り、平和の姿をイメージし、ともに呼吸をし、”平和”に対しての思いを共有し、この日は始まりました。

祈りのあと、畑へ行きこの日のために準備した新しいガーデンベットに種を蒔きました。畑での時間は、とても平和な時間が過ごせます。静かで、心地よく陽の光が身体を暖めてくれて、収穫の様子を想像します。

その後、ランチを共にいただき、平和を議題にしたトークセッションをしました。このトークでは、パレスチナ問題がメインに持ち上がり、パレスチナの歴史や現状を知り、今起きている問題について考える機会を参加者と共有する事が出来ました。

そこでは違う視野からの情報を受け入れるのに戸惑う人もいました。パレスチナで起きている問題だけではなく、どの争い事も、なにがもとで争いが起きているか、歴史的背景を知り、理解し、解決法はあるのか、どうしたら解決できるのか、具体的に、現実的に、そして行動に移す必要があると、感じました。

私は自分自身に、自分はなにができるのかを問い続けています。まだまだ私の情報量は浅く、もっと”知る”事が必要な段階にあるため、今は学びの時間です。

そして、トークセッションを終わると、ライブの演奏が始まり、オープンキャンバスでは、ペイントが始まり、”美”と”喜び”と”幸福”を共有する時間となりました。

 03最近の収穫!スパイラルブロッコリー

「平和」と言っても、具体的に何が平和なのかを考えた事がなかったので、この一日を通して、平和をイメージし、深く考え、それを共有するという体験をすることが出来ました。

私の思う、平和の状態とは、安心でき、幸せでいられる事。まだまだ解決しなければならない問題がたくさんあるという事も、再認識し、環境について、共生することについて、バランスについて、人間社会について…まずはしっかり現実を受けとめ、それから小さなことから始めて行こうと思います。

YAO

vol.162 エコビレッジfromオーストラリア


ぎむきょーるーむ・こどものはげまし方

01

子どものはげまし方「がんばろう」といってはいけないの?

0203

「子どもたちをはげますことは、とっても大事」とみんないう。
けど、「がんばれ!」っていってるだけでしょ?
といわれれば、そうかも。

「心をこめて、その子のためを思って…そこが重要だ」と、
子育て本には書いてある。
けど、それって精神論じゃん!04
雨乞いじゃん!

滝に打たれろ、みそぎをしろ、
根性入れてがんばれ!って
結局、また「がんばれ」かよ…
がんばれない子は、はげませないのか

02

慌てない!現状を慎重に知ることから

熊谷 喜一郎

「はげまし」については興味深い研究があります。「幻肢痛」という、事故などでなくした腕や脚が痛む現象があるんですが、これが起きる人と起きない人がいる。そのちがいは周囲のはげまし方にありました。

ひとつ目のはげまし方は、「痛みに寄り添うサポート」。「痛いんだね」と共感するなど、その人の痛みに注目して癒すはげましです。

もうひとつは、「社会的サポート」。社会復帰の手立てや介助の体制を考えるなど、痛みとは関係ないところでサポートする、いわば現実対応型です。

調査の結果、幻肢痛が起らなかったのは後者でした。腕や脚を失うとは、昨日まで信じていた自分の身体のかたちが変わったということですから、当然、未来の予測も裏切られる。とても大きな「予測誤差」です。そこでは、新しい身体で生きていくには、これからどう世界をつくり直せばいいのかをいっしょに考えることが、痛みを緩和させたわけです。

ここはすごく繊細なところです。私たちは、目の前で人が苦しんでいたり悩んでいたりすると同情の気持ちが湧いてくる。心が反応するんですね。はげまされる側も、たとえば「がんばれよ」などといわれるとありがたいと思う。思うけれど、では、これからどうすればいいのかというと途方に暮れてしまう。

勉強でもスポーツでもなんでもいい、目標をもってとりくんできたことが、大きな壁にぶつかって挫折する。子どもがぺしゃんとなる。親は慌てて「無理しなくていい」と、やめることで解決しようとする…。でも、昨日まで「がんばれ」と言っていた親が、急に「やめていい」といったら、子どもはグレます。ぼくならグレる(笑)。

05大切なのは、さきほどの「社会的サポート」と同じで、周囲の大人は「どこにどんな問題があった」「じゃあ、どこを変えたらいいだろう」と、いっしょに考えて、慎重に目標を再設定すること。現実をしっかり見きわめ、予測を子どもといっしょに徐々に変化させていくことです。

ここで、「具体的」というのはとても大切なことなんです。けれど、大人でも子どもでも抽象的にしか語れない人が少なくありません。自分のことを語るのに「私って、ダメなんです」「私って案外こうなんです」で終わってしまう。

大切なのは、「何月何日にどんなことが起きて、自分はどんなふるまいをしたのか」といった具体性なのですが、そこにつながらない。これでは反省のしようもないですよね。そうして「ダメだ」という抽象的なところだけで頭がぐるぐるまわってしまって、そこから抜け出せなくなる。

過去を具体的に語れる人は、未来の計画を具体的に立てられるといわれます。具体的にふり返るから、次の一歩をどうするのかを考えることもできるんでしょうね。

はげましって結局は、めんどうくさがらずに、丁寧に具体的におたがいの話をすりあわせていくことなんじゃないでしょうか。

<くまがい・しんいちろう>
小児科医。東京大学生先端科学技術センター特任講師。


06浜田 寿美男

「がんばれ」や「がんばろう」がほんとうの励ましになるのは、たがいがその脈絡を共有しているときだけです。あと一息で山頂にたどりつく手前ですわりこんだ仲間に、自分も座りこみたい気持ちのなかで「がんばろう」という。そこではたがいが同じ立場で脈絡を共有していますから、「励まし」が生きますし、声をかけられたほうも「励み」になります。

だけど、親や先生が子どもを励ますとなると、これがむつかしい。大人と子どもでは力がちがいすぎますし、立場もちがいます。そもそも生きている脈絡も大きく食いちがっています。「相手の気持ちになって」なんていいますが、じつはそれがいちばんむつかしいのです。

学校に行くような年齢になれば、いまは親と子でも、たがいの生活の脈絡が重なりあう機会が少なくて、相手の気持ちの流れがなかなか読めません。

07

だとすれば、子どもが自分の手を離れ、自分の知らない学校空間や仲間関係を生きるようになったと諦めて、この子にはもう親も読みきれない自分独自の生活の脈絡があるものだと見切る。

そのうえで、「がんばってるよね」というほうが、こちらも楽だし、子どもも楽。気楽なようですが、そのほうが「励み」にもなります。むしろ困るのは、切羽詰まった脅迫的な「がんばれ」です。これはこわい。

自分から離れた別の脈絡で、子どもたちががんばって、がんばって、でもうまくいかないことがある。そんなとき「がんばってもできないことはある」と思い直して、「まあゆっくりしようか」といえるかどうか。これってけっこう大事な気がします。

それに「できないからって、命まで取られることはない」。だからという妙ななぐさめ方で、「そうだよね」と納得して、ホッとする。「励み」というのは、そうした開き直った安心のうえで動きだすもの。

力を抜いて、まずはいまを生きること。いやいや、これは子どもにかぎらない話。じつをいえば、最近の私自身に向けた呪文です。

<はまだ・すみお>
発達心理学・法心理学者。奈良女子大学名誉教授。


VOL.162 エネルギー再考 山田征さん

01

これまでにない巨大産業が動き始めた!

山田征

巨大利権が動くこの問題を、抵抗者を出さないですすめていくための戦略がずっと前からすすめられていていました。特に原発を止めたいと思う人たちがうまくのせられて、逆に政府を応援する側に回ってしまった。その辺も含めて話していきたいと思います。

そもそも原発に替わるエネルギーは必要なのか…

結論から言いますと、必要ありません。なぜ必要ないのか?

原発は定期検査や、地震、事故などでの緊急停止の際も一瞬たりとも停電を起こさないように、初めから必ず同じ出力の火力発電が車のアイドリング状態で用意されています。これをバックアップ発電と呼んでいます。

いま現在日本中の原発全ては2011年3月11日に起きた地震と事故による緊急停止と順次始まった定期検査によって止まっています。それでも電気が足りないという事態は起こっていない。

なのに、なぜこんなに自然エネルギーが注目されているのでしょうか??一口で言えば、巨大な利権がからみはじめた国策だからです。

その国策について時系列順に話していきます。

自然エネルギー、再生可能エネルギーを国策として促進するという政策は、20数年前からスタートしました。

1994年、一般家庭でソーラーパネルを設置すると補助金を出すという制度がスタート。

1997年度から風力発電の風車を建てる民間企業に補助金を出す制度がスタート。風車は、1本が1億円から6億円くらいする高額な建造物。1本建てると1/3の補助金がでました。地方行政が建てる風車に対しては、1/2の補助金が出ました。風車の設置場所を地図に置き換えていくと日本列島のかたちになります。

2009年に民主党政権になり事業仕分け始まる。風車もまな板にあがり、その大半が止まったままだという指摘があった。風車は、風速0mでも外部電源で発電できる。

私たちは1kw、だいたい20数円で買っているが、事業者は電気をたくさん使うので1kw10数円で買えるが、発電した電気は10数円でしか売れなかったので全然儲けが出ない。

でも回さなくても、この風車を立てるときにもらえる、億単位の補助金で潤うというシステムになっていた。つまり補助金目当ての風車だったんですね。

次に、ソーラーパネル。2009年11月1日、民主党政権になった2ヶ月後に太陽光発電促進賦課金、固定価格買い取り制度が閣議決定されました。1994年度から補助金制度が始まり、さらにパネルを乗せる人を一気に増やすために、その家で使って余った電力を一般の電気利用者が買い取り負担します。

新聞などの報道では電力会社が買い取ると表現をしてますが、そうではなくて、一般の電気利用者が1kw42円で買い取る制度です。

民主党政権になってから事業仕分け(補助金の使われ方が妥当かどうかを仕分ける)と行政刷新会議(法案、法令、条例、法律的な決まり事を見直す会議)が始まった。

2011年1月にあった行政刷新会議で提言されたのが「再生可能エネルギー促進による規制緩和提言」。太陽光や風力とかいった発電設備を促進していくために規制をゆるめるというもの。

国有林(国立公園、国定公園、自然公園など)、保安林(水源林、防潮林、防風林、防砂林、野火止めなど災害から人命を守るための保安林)、それから農地(食糧の生産の場)。

こういったところは昔から建造物を建てたり、ボーリングしてはいけないという規制がかけられていますが、自然エネルギーを促進するためにその規制を緩和し、ソーラーパネル等を設置したらそれを緑化設備と見なすというものです。

日本にはいろんな生産工場があります。規制の中には「工場立地法」というものがあり、敷地の25%を緑地化する義務があります。ところがパネルの場合は樹木を皆伐しなければならないから、工場立地法と真逆になっていく。パネルも電気を生み出す工場なわけですね。

それで、考え出したのがソーラーパネルそのものを緑地帯、環境設備と見なすと提案。それを元にできたのが、2013年6月に閣議決定された「農山漁村再生可能エネルギー法」という法律です。

ふか金制度が決まったときにもう一つ決まったことがあります。それは契約アンペアが1万kw以上の事業者は使用料金が8割引になるというものです。

このときに何が起きたかというと、1万kwに満たない多くの中小企業が2012年の7月から契約を1万kwに切り替えました。また工場や企業だけでなく個人の場合でも同じようなことが起きています。

普通契約するアンペアは、その家屋内のデンキの使用状況(量)に合わせて決められますが、パネルをのせた場合は、のせたパネルの最大発電量に合わせた契約になりますので、たいてい、それまでより大きな数字になってしまいます。

つまり、電力会社は、社会全体で契約されたアンペア数の総量に合わせて発電設備を用意しますので、パネルをのせる家が増えれば増えるほど、電力会社はたくさん設備を増やすことになってしまいます。

そういうカラクリのもとに国策として自然エネルギー政策が進められようとしています。

ここ数年大変な災害が次々に起きています。気象情報の中に突風、竜巻、雷などの警報が目立ちます…それはこの自然エネルギーの政策と直接、間接に関係があると私は思っています。

(8月23日 岐阜市・上宮寺にて)

スマートグリッドは英語ではsmart grid(賢い電力網)

02

スマートグリッドを構築するためにはスマートメーターが必要不可欠ですが、そのメリットデメリットを調べてみました。

メリット:

  • ピークシフトに対応できる。
    (そもそもピーク時は原発なしでも乗りきった…)
  • 電力会社の人件費削減が可能となる。(雇用促進に反するよなぁ…)
  • 契約や解約の煩わしい手続きが簡略化される。

デメリット・問題点:

  • 雇用減少の問題。
  • 通信セキュリティの問題。
  • 測定が正確すぎることによる問題。
  • スマートメーターに交換した直後から電力使用量が大きくなる(電気料金が高くなる)可能性あり!
  • それに何より、電磁波が飛び交うことによる健康被害の訴え、「節電」「自然エネルギー活用」という美辞麗句のもとに個人の生活に介入し管理しようという動きに、危うさを感じます。

太陽光発電のヒミツ○×Quiz

  • Q1ー自然の太陽の恵みで発電するからエコだね!
  • Q2ー最近のパネルは寿命も長いけど、災害時の非常電源も必要。
  • Q3ーメンテナンスいらずで楽々?。03
  • Q4ーパネル○○枚分で原発○基分も発電!
    電気料金が安くなる!
  • Q5ーソーラーパネルはリサイクルできるよ!
  • Q6ー火力発電所が減るから環境に優しいね。
  • Q7ーパネルを載せて売電すれば儲かる。
  • Q8ーパネルから電磁波が出てるってホント?
  • Q9ー企業も屋根にパネルを載せてエコを
    アピールしてる。
  • Q10ー脱原発のために代替エネルギーが必要だよ。
  • Q11ーメガソーラーはダメだけど、屋根ソーラーはいいよね。
  • Q12ー田舎にメガソーラーが増えて景観が悪い。
  • Q13ー電力自由化で太陽光の電気を買えるといいな。
  • Q14ー蓄電池があれば太陽光発電に使えるから助かるね。

私たちはどうしたらいいか。

山田さんのお話会でいつも思うことは、事実を知って、自分の生活を省みること、電気のムダ使いをやめ、便利さに安易に乗らないこと、でしょうか。しかし同時に打開策が見えない。選挙は1つの方法というけれど、実感を持てない。

では、エネルギー問題を他国から学ぶべき点を選択し、それを草の根運動として続けることはどうだろう。少しづつでも変化を実感できれば、それを未来に託すことはできる。経済優先の政策の結果が、人や自然をむしばんでいるのは紛れもない事実なのだから。(三)

山田 征(やまだ せい)プロフィール

1938年生まれ 東京三鷹市井口のヤドカリハウスを拠点に躍動中!◇同時多発テロをきっかけに毎月最終日曜、西東京市の公民館にて隠された真実をテーマとした勉強会『菜の花の会』を主宰◇フィリピン、スモーキーマウンテンの子ども達への支援など様々◇著書『山田さんのひとりNGO』『ただの主婦にできたこと』他

クイズの答え

Q-1,3,4,5,6,7,10,11,14 ×      Q-2,8,9,12,13 ○

vol.162 エネルギー再考 山田征さん

 


VOL.163 I’m Challenger 「一位一刀彫・彫り師東 直子さん」

01

一位一刀彫

一位はイチイの木。一刀彫は、一刀一刀に魂を込めて彫る、と父は言いますけど、もう一つ、ノミの削り跡を活かした、サクサクッとした作品がありますよね、ノミ跡一刀一刀残して彫るという意味合いでもあると思います。  木彫りにもいろいろあるけれど、一位一刀彫が何故こんなに素朴な優しい感じがでるのかな、って思ったとき、やっぱりこのイチイの木の素材のよさだなと思うんです。成長がとてもゆっくりな木なので、育つのに百年もかかる貴重な木です。手に取って見ると本当に年輪が細かくて美しい木で、あぁ、自分はすごくいいものに触れている、作らせてもらっているんだな、ということはよく感じます。イチイの木は軽いんですよ。木の中では柔らかくて彫りやすいです。

きっかけ

父が一刀彫を生業としていて、お弟子さんを何人もとって、作業場もあって…。そういう環境で育ってきて、絵を描いたり、ものを作る事は小さい時から好きでしたけど、一刀彫をまさか自分がやるとは思っていませんでした。  高校卒業後、地元で一刀彫とは関係のない仕事に就いていたんですけど、23、4歳頃から、何かものつくりをしたい、生涯続けられるような職を手につけたい、という思いが出てきました。でも、何がやりたいのか、何がやれるのかというのが自分でもわからなかったんです。そんな時、父が一刀彫で小さいものだったら、女性の直子でもできるかもしれないからやってみるか?と声をかけてくれたんです。  一刀彫は男性社会で、女性はいなかったんですけど、私が小さい時から物を作ったり、絵を描くのが好きだったのを見ていたから勧めてくれたのかもしれません。  それで、6年間勤めた職場を退職して、東彫刻に入門しました。当時は男性二人がうちに弟子入りをしている時だったので、私 も一、二年遅れで入門してそれから修業が始まったんです。  娘だからといって特別な事はなく、道具を研ぐ事などから始まり、木工機械や木取りも教わりましたが、体力的に男性と全く同じようにできない部分もあって、そこは助けてもらいながら。当時はまだ力もなくて、木工機械で何かあると大きなケガにつながってしまうので、そこが危なっかしいという事もあったと思います。他のお弟子さんにずいぶん助けてもらいました。だから自分はなるべく掃除とか、できることから一生懸命やろうと、最初の一年はほとんど掃除で終わったようなものでした。

作品

5年間修業して、みなそれぞれ彫号をもらって独立しました私は「直」という彫号をもらいました。独立後は男女関係なく、自分のオリジナルの作品を作って販売、営業も、と全部自分でやっていくわけです。私が一番ありがたかったのは、父の「自分のオリジナルの作品を産み出していきなさい」という考え方です。父は大きい木彫から、彫刻からありとあらゆるものをやる人で、「自分の真似はきっとできないだろうけど、直子の作品を作って行けばきっとやっていけるから」という言葉をよくもらっていました。人の真似じゃなくて、自分にしかできない作品を作って行きたい、という思いで今までやってきました。  私がつくるものは小さいものがほとんどです。もともと小物なら女性の私でもやっていけるかな、という気持ちもありました。しかも、小さな作品なら、大きいものを彫る父が、木取りをした後に残る部分で作ることができる。貴重なイチイの木を無駄のないように、良い部分を利用する事ができるんです。

女性職人展

独立して、さあこれからは自分で、という時に、全国の伝統工芸の職人さんばかりを取材している、東京のライターさんが取材に来てくださいました。それがきっかけで、東京で女性職人展が開催されて、毎年出させてもらっているんです。それは私にはありがたい出会いでした。男性社会の中の女性職人ということで、孤独を感じる事もあったんですけど、他の女性達がそれぞれ伝統工芸の作品を作っているのを見て、すごく刺激を受けました。ああ私も頑張っていいものを作らなきゃと、課題を持って帰り、もう一歩上に、もう一歩上にという気持ちになれたんです。  その一つのご縁からいろんな人と繋がる事もできました。仕事をいただいたり、今年10月には“伝統工芸ふれあい広場 渋谷ヒカリエ2014”に出させてもらいました。いろんな人やお客さんとお話しができたりして、より一刀彫を知ってもらうこともできました。家の中で作るばかりでなく、こちらから出かけて行くという事は大切だなと実感しています。

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プロセス

作品作りは、まずデザインから始まります。私はデッサンしたものをコピーして、正面からと横からの型紙をつくります。それを機械場に持って行って、合う木を探して、型紙をあてて切り落とします(木取り)。機械を使うのはこの時だけで、その他は全て手作業になります。その後、粗彫り、中彫り、仕上げ。着色はしないで、木の色合いを大切にします。彫刻は要らない部分をとっていく、そうするとその本体が出てくるんです。  何をどう彫るか、デザインは楽しみと苦労の両方があります。入門して初めて思ったのが、頭に立体が全く浮かばなくて、はあ、なんて世界に入ってしまったんやろう、できるかなって。すごく後悔しました。でもそこはやっぱり父のおかげ、本当に何もできないところから教えてもらいました。  何を彫るか決まったとき、花などのように手元にその見本があれば一番いいのですが、動物などはそうはいきません。例えばネズミを彫るんだったら、ネズミの写真などの資料を図書館で探して見て参考にするんです。でも写真にない部分など、それでもわからない時は、今でも父に教わりに行きます。私、父が元気なうちに教わりたい事はまだまだいっぱいあるんです。

商品

03この世界に入って20年弱ですけど、もう辞めようと思った事は何回もありました。今も正直、これだけでやっていくのは大変なんです。一生懸命作っても売れないと仕事として成り立たないし。でも、ああもうできないかな、という時でも、常に自分の空いた時間に座って作って、ということをやっていると、ポツンポツンと注文が来たりもするんです。本当にもう細々とですけど、続けてこられたのはやっぱり好きだからだと思います。  商品は、一刀彫さんの中でお店を構えている方、高山市内だと四軒に置いてもらっています。売れるとやっぱり嬉しいですね。小さいですけど自分の中のヒット商品というのがあって、時々そういう商品も生まれて、やっていけるといいかなあって思うんです。この間、韓国からの観光客の方が私の作品を買って行ってくださったそうです。自分の作品が韓国の家庭に飾られる、何てすごいんだ!と思いますね。  私の作品にはカエルや花など、自然を題材にしたものが多いんです。カエルは、小さい作品になりやすいし、と父が力を入れて教えてくれた題材です。実際作ってみても、何に乗せても絵になるし、飽きないですね。もっと違うカエルも彫りたいし、カエルで日本一と言われたいですねぇ。  また、咲いている花を見ると、こんなふうに彫りたいな、咲いている花を胸元につけたような感覚の彫りをしたい、と思います。そして、一つの作品から何か背景が浮かぶというか、ストーリーのあるもの、そういう作品ができるといいですね。そこを目標にしています。  彫刻って、作り手その人が作品に出るものだと思うんです。だからというわけではないんですけど、やっぱりもっと自然の事などを知って、その上で彫れたら、そういうものも生まれてくるかな、と思うんです。        (高山市在住。43歳)

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VOL.163 暮らし上手 -医・食「そうだ、笑ってみよう!」part1

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笑う門には福来たるといいます。確かに笑顔でいると福や幸せが寄ってくるような気がしますよね。では、私たちの身近な幸せである健康はどうでしょうか? 笑うことと健康は関係あるのでしょうか?「笑い」がストレスを解消し、病気を遠ざけることがさまざまな研究で明らかになりつつあります。生活習慣病の予防に「笑い」は大いに役立ちそうです。今回は、「笑い」と免疫力の関係をご紹介します。

ユーモアや笑いが「生きる力」を与える

2010年に起きた、チリのサンホセ鉱山落盤事故。その救出劇は、今もなお感動的な出来事として世界中の人々の記憶に残っていることでしょう。33名の鉱山作業員が地下700メートルの避難所に閉じ込められ、17日間連絡が途絶えたものの、その後無事であることが確認され、事故から69日後に全員が救出されました。 後日、作業員のチームリーダーが朝日新聞のインタビューに対し、過酷な状況の中、生き抜いた理由について、「希望があったこと、楽観的であり続けたこと、そしてユーモアを忘れなかったこと」と答えました。このことは、ユーモアや「笑い」がいかに、「ヒトの生きる力」と密接に関わるかを物語っています。

赤ちゃんは大人の「笑い」を真似て育つ

米国で行われた調査では、大人は1日に平均17回笑うと報告されています。「笑い」といっても、単に笑顔になるだけでなく、「ハ、ハ、ハ」と声を発する「笑い」もあります。ほとんどの動物は笑顔ができますが、ヒト以外では知能の発達した猿以外、笑い声を発することができません。笑うことは、脳にとって非常に高度な作業であるようです。人間の赤ちゃんには「天使の笑顔」といわれるような、寝入りばなに見せる笑顔があります。赤ちゃんをあやす時は、笑顔で接したり、褒めたりしないと、笑わない子どもに育ってしまいます。赤ちゃんは大人に笑顔を褒められることで、笑顔と「笑い」を学習していくのです。

年齢とともにストレスが増し、笑えなくなる

02「笑い」に関する様々なデータが報告されています。「声を出してよく笑う」を性別でみると、男性40%、女性60%で、女性のほうがよく笑うことが分かっています。 世代別ではどうでしょうか。「よく笑う」は30代が65%、40代が50%、50代が45%です。やはり年齢が若いほうがよく笑うようです。ある調査報告によると、小学生は1日に平均300回笑うが、70代では1日に2回程度しか笑わないと報告されています。 なぜ年齢を重ねるにつれて笑わなくなるのか。これについては、ストレス説が有力です。年齢とともにストレスが増え、笑えなくなるということです。ただ、先の調査では、人生で最もストレスが多いのが30代、40代ですが、60代、70代のほうが「笑い」の回数が少ないことから、ストレス以外の要因も大きいのではないかとの見方もあります。 つまり、脳機能が「笑い」と密接に関係しているのではないか、ということです。ただ、「笑い」により脳機能が高まるのか、脳の認識機能が高いことから「笑い」が促されるのか、どちらが一体先なのかということは、今のところまだよく分かっていません。

「笑い」は最高の”クスリ”!!

03「笑い」は、ストレス漬けの現代人にとって最も必要なもので、そして健康的でお金もかからず、しかも自分も周りも幸せにしてくれるものだからです。 「笑いの効用」は、まず何と言っても免疫力をアップすることです。ナチュラルキラー細胞(NK細胞)を増やして抗がん作用を高めたり、体内に侵入した病原菌などを撃退するのです。 大笑いすると酸素の取り込みが通常の3~4倍に上がり、脳に酸素がよく行き渡り、頭がよくなったり、記憶力の向上など、脳の若返りに役立つほか、ストレス解消に繋がります。 「大笑い」して身体がリラックスすると、アレルギーの原因たるIgE抗体が減少し、アトピーが改善するのだそうです。アレルギーの赤ちゃんをもつお母さんは、ぜひとも授乳時は笑ってあげて欲しいもので す。さらに「笑い」は、リウマチにも効果があります。関節リウマチの患者さんたちに、落語家、林家木久蔵さんの落語で大笑いさせた後、関節リウマチを悪化させるインターロイキン-6の値を測ったところ、その値は劇的に下がっていたそうです。そして、「現在あるどんな薬を使っても、短期間でこれほど数値を下げることはできない。」と感動したそうです。これを伝え聞いた木久蔵師匠は、「笑いはリウマチにキクゾー」と言ったとか、言わなかったとか… 「笑い」だけが薬ではありません。感動・感謝・喜び・祈り等々ポジティブ(前向き)な心の持ち方も、また様々な眠っている遺伝子をスイッチオンさせ、人の生命力向上に役立つのです。まさに心と身体は一体なのです。東洋医学が教える「身心一如」(身体と心は一つの如し)なのです。以上の考えは、また新潟大学教授、安保徹博士の「免疫論」、即ち、ストレス等で緊張した交感神経を和らげ、リラックスすることによって副交感神経優位を実現し、免疫力を向上させようとする考えと軌を一つにするものです。今日、「笑い」は単なる娯楽の域を遥かに超え立派な学問となっています。人がストレスで病気(気の病)を作り続ける限り、「笑い」は最高の”クスリ”であり続けるでしょう。

 


VOL.163 暮らし上手 -医・食「そうだ、笑ってみよう!」part2

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脳をリラックスさせ活性化させる

笑う効用は免疫力をアップさせるだけではありません。そもそも「笑い」とは、視覚、聴覚、触覚などの神経系統が刺激を受けて、脳に反応するものなので、脳とは密接な関係にあります。 噺家でもある医師が月1回「病院寄席」を開いて高座にあがっているそうです。笑いと脳の関係について調べる ために、寄席の前後、脳卒中を起こした患者さんたちの脳波と脳血流量を測定してみました。すると、約70%の人が寄席の後、アルファ波が増加し、脳内血流も上昇するという結果が出たそうです。 健康な人がリラックスした状態のときに発生するアルファ波が増えて、脳機能の低下を示すデルタ波やシーター波が減少しているというのは、脳を損傷している人にとって、笑いは脳機能回復に有効な証拠といえましょう。

暮らしの中に笑いを

02「笑いは副作用のない良薬」。そして、笑いはお金のかからない、いちばん身近な健康法ともいえます。ですから、楽しい時は豪快に笑いましょう。とはいえ、不景気な世の中、笑えるような状況じゃないという人、もともと笑うことが苦手という人もいるでしょう。そんな人は普段から「笑いのトレーニング」をしておくと、笑顔が作りやすくなります。たとえ作り笑いでも、顔の筋肉の動きによる脳への刺激で免疫力はアップするそうです。 人それぞれ「笑い」のツボは違いますが「笑い」を生活の中に取り入れて、ワッハッハと笑って、心も体も健康になりましょう。

笑いは効率のよいスポーツ

笑い過ぎてお腹が痛い」という言葉がありますが、これはなぜか?痛い部分、それは腹筋。「笑う」という行為には、筋肉が存分に使われているのです。 「笑い」によって刺激される身体の筋肉は、「腹直筋」「僧帽筋」「外腹斜筋」「大胸筋」の4つ。その他、「表情筋」といわれる、20種類以上もの顔面の筋肉も同時に刺激しています。女性にとっては「笑いジワができる」と敬遠されがちな「笑い」ですが、実はこの理論は大間違い。シワを気にして笑わないようにしていると、「表情筋」が衰えることで、かえって肌のツヤやハリに悪影響を及ぼしてしまうのです。つまり「笑い」は、楽しく、そして無意識にできる筋トレなのです。筋肉収縮運動ということは、もちろんカロリーも消費されているということになります。

笑顔体操

03朝起きたら、まず鏡を見て、笑顔を作る練習をしましょう。 顔の筋肉がほぐれていると、笑顔を作りやすくなります。 鏡を持って、自分の好きな笑顔を見つけましょう。目・口、左右対称に笑いましょう。目も笑う(目がなくなってしまうくらい細めましょう) 具体的には・・・ 1・口角を上げる(唇の両端が上を向くように)→ ほほの筋肉を鍛える  ・口を突き出して左右に繰り返し動かす  ・ほほを膨らませたりすぼめたりする*3回1セットで手が空いたと  きにすると効果的とのこと。 2・ 目をくっきりぱっちりあけ→目力を鍛える運動   ・目をぎゅっとつぶっては、ぱっと大きく開く。これを繰り返す

 

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VOL.163 カタコトの部屋 自然派ママたちの座談会「どうつくる?自分の時間」

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「ここ最近、ゆっくりと“自分の時間”を持てたことなんてない!」「“自分のための時間”なんて、考えるヒマもないわ!」というお母さんも多いかもしれませんね。たまにはほっと一息つける時間が欲しいですよね。そこで今回は、ままたちが「自分の時間」をどんなふうにつくったらいいか話し合いました。

子どもは可愛いけど…

Aさん:子どもがいなくても家事のあれこれで忙しいし、いればいたで宿題がわからないだの、お腹がすいたのって。コインランドリーで洗濯物やお金を入れているその間も、子どもはぎゃんぎゃん泣いてるし。そういう一つ一つに縛られてる?!て感じちゃう。 Mさん:掃除が終わった、と思っている所に子どもが帰って来て、02砂とか小石を部屋でこぼしたり、ため息がでるわ。 Aさん:子どもが生まれて諦めた事はいくつもあるよ。ピアノを弾く事、お化粧をすること、洋服を試着してから買うこともね。なかなか自分の時間ってないけど、ふっと自分になれる時間を作るということも必要だよね。 Nさん:子育ては24時間態勢だし、ちょっとリセットとか、そういうことしないとドンドン時間に飲み込まれちゃうよね。 Mさん:そのあげくに子どもに当たったりしてね。 Nさん:気分的な余裕が生まれると優しくもできるんだけど、自分の時間もなくてだんだん追いつめられると、誰に対してもトゲトゲしてきちゃう、そういう自分も嫌だし。子どもは大事なんだけど、自分の時間が作れないって、私もすごくストレスを感じた事があったわ。

時間の作り方、私の場合

Nさん:子どもが小さい頃は社宅住まいで同世代も多く、よくこどもを遊ばせるのを見ながらおしゃべりしてたの。でもあるとき、これってなんか生産的じゃないよね、もっと自分の時間がほしいわ、ということになって。じゃあ、子どもを遊ばせている2時間は順番に一人ずつフリーにしようって。その2時間は美容院、美術館、映画どこに行こうが、どう過ごそうがOK。その間に子ども同士がけんかして、多少アザとかできてもお互い様ねって。あったことも全部報告して。あんたの子、結構陰湿なことしてたわよ、とか(笑)。当時は夫も仕事が忙しいこともあって、そんなふうにしていたわ。 Mさん:そういう何でも言いあえる関係を作っていたんですね。 Aさん:私の場合、テレビにお守りしてもらう時もあるし、兄ちゃん達に任せた!っていうときもあるし。それから、自分がしたい勉強はもう本当にちょこちょこと。煮物を10分くらい煮込むときに本を読むとか、車を運転している時に講演会の録音したのを聞くとか。 Mさん:うちは最近やっと次女もパパがいれば夜も大丈夫になってきて、パパも行っておいでって言ってくれるから、時々夜のファミレスでママ友会を開きます。それから、うちはパパの親と同居だからおじいちゃんに見ていてもらうこともあります。同居のストレスもそうやって見てもらえることで軽減される気がするし、おじいちゃんも子どもも楽しそうだし。 Nさん:家族の協力というのはすごく大事だよね。

お仕事も大切な時間

Aさん:03私は週に一回だけど働きに行く時は、有料の託児に預けるの。そういうのを利用するのもひとつの手かなって思うよ。 Nさん:その辺は割り切ってね。 Aさん:でも、一生懸命働いても全部保育料に消えちゃったりすると、何のために働くのかなって思う時もあるのよね。 Nさん:でも、私はそうやっていくうちに自分のスキルが上がっていくんだとか、社会との繋がりもできる、と自己満足かもしれないけど思っていたの。取り残されるんじゃないかなんて不安もあったから、とにかく細々とでも仕事はしていたのね。 Aさん:そうか、そういう考え方もあるのね。 Nさん:まだまだ子どもを持つ女性は働きにくいよね。でもたとえ一週間に一日でも、時間をやりくりして働くということはママにとっては大事な自己実現の一つ。子育てというものを社会全体で温かく見守ってほしいね。

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05保育園に行かせるか、幼稚園に通い出すまでは仕方ない…。そうあきらめてしまっている方も少なくないでしょう。でも、子どもが小学校に行き出しても、付き合いは増えるわ、勉強は見なくちゃいけないわ、でお母さんの用事は増えるばかり。自由になる時間はなかなか持てません。そうこうしているうちに下の子も生まれ、またまた忙しい日々が続き、自分の時間なんてどこへやら…。そんなパターンが目に見えるようです。ところが、ある方法で自分の時間をしっかりとつくり出して、その貴重な時間を自分の夢を叶えるために使っているお母さんがいます。 さて、その方法とは? そう、カンのいい方ならもうおわかりでしょう(笑)。 それは“早起き”!! 現在Sさんは夜9時には子どもたちといっしょに就寝し、毎朝4時には起床。そこから3時間ほどを、静かで誰にもジャマされない“自分のための時間”として趣味に、夢の実現に、おおいに活用されているのです。そして“早起き”には単に自分の時間が持てるというだけでなく、数々のメリットがあるそうなんです。つまり、 ★子どもたちといっしょに寝るので、子どもたちの寝付きもスムーズで、自然に早寝早起きっ子になった。・「子どもを早く寝かせなきゃ!」とか「眠りそうになっても自分はまた起きないといけない」などのストレスがない。 ★朝、自分の時間を過ごした後に子どもたちが起きてくるので、機嫌よく「おはよう!」が言える。 ★昼間は“子どもたちのための時間”と割り切れるのであまりイライラしない。 ★そして何より「この子たちがいるから自分のやりたいことがやれない」という発想にならずにすむので、八つ当たりすることもない。―――などなど。 もちろん、「夜9時に寝ちゃったら、お父さんとの時間がなくなる」とか、子どもが夜もちょくちょく起きるとか、まだ授乳中とか、各家庭によって事情はさまざまでしょうが、もし可能ならトライしてみる価値はあると思いませんか?

育児のまぐまぐ!子育てのヒントより

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VOL.163 中高生・平和を語る

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私たちは、今の政権のままでは、不安なことがいっぱいだと考えています。政治に無関心な人も、今回だけはこのままでいいのかを真剣に考えてほしいと思います。  私たちの不安の第一は、集団的自衛権行使を容認することで、戦争のできる国になるのではないかということです。一内閣で憲法解釈を変更したのですが、国民の真意を問わなくていいのでしょうか? また、知る権利、表現の自由が危ないとも考えています。特定秘密保護法は12月10日に施行されました。これは、歴史で習った、第二次世界大戦の時のめっちゃ恐ろしい法律「治安維持法」と同じだと思います。  原子力はいらないと思うのですが、現政権は原発再稼働を推進しています。まだ福島第一原発は大変な状態で、火山の噴火や地震も多い、なのに、なんで再稼働?と思います。核のゴミを子ども達に残さないで下さい。食の安全も守って下さい。


02僕にとっての憲法九条は、誇りと安心です。今僕は、安心して生活できています。それは、憲法九条があるからです。僕は、中学一年生の時、幼なじみの友達を亡くしました。ものすごく悲しくて、皆で泣きました。たった一人のいのちでも、あんなに悲しかったのに、戦争が起きたら悲しむ人でいっぱいになると思います。
だからこそ、この平和憲法に感謝したいです。ものごとを武力で解決しないという平和憲法があるのは日本だけです。僕は、これを日本の一番の誇りだと思っています。戦後から現代まで平和でいられたのも、この憲法のおかげです。だからこそ、この平和憲法を守らないといけません。しかし、今ずっと守られてきたこの平和憲法の精神を、一内閣の解釈変更という形で簡単に変えられてしまいました。本当に悔しかったです。でも、この国の政治家を選んだのは僕たち国民です。政治家のレベルは国民のレベルだと思います。
だから、国民みんながちょっとでもいいから政治に関心を持てば、戦争の出来る国にも近づかないと思うし、今の憲法九条を守れると思います。僕はこれから、政治に関心のない人たちに自分の知っている限りのことを伝えて憲法九条を守るために、今の政治を変えていけるように、自分にできることを頑張っていきます。日本の未来を絶対に諦めず、自分たちの手で、守っていきたいと思います。皆で頑張りましょう。


03私にとっての九条は、みなさんが笑顔で暮らせている源だとおもいます。1945年8月、広島・長崎に原子爆弾が落とされました。たった一つの爆弾がたくさんの人のいのちを奪い、今もなお苦しんでいらっしゃる人たちはたくさんいます。  第九条は「戦争を放棄する」というきまりです。  戦後からこんにちまで平和でいられたのは、この憲法があったからだと私は思います。しかし今、また戦争をできる国にしようとしている人たちがいます。また戦争が起こってしまったら、今まで人を殺さなかった人が人を殺してしまうようになり、たくさんの人が亡くなり、たくさんの人が悲しみます。そんなことは絶対に反対です。  第九条のようなこんな素晴らしい憲法があるのは日本だけです。第九条が平和な世界にしてくれると私は信じます。このような憲法のある日本人ということに誇りを持ち、一日一日を大切にしていきたいと思います。また戦争をする国にしないため、自分のできることを精一杯努力し、頑張っていきたいと思います。私、一人の力では何もできません。皆で頑張りましょう。


 


VOL.163 新米Nurseものがたり-(Vol.25)

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今日はベルビュー病院のVNSNYホスピス病棟での仕事。サンクスギビング前日っていうこともあって、患者さんの数は少なかった。 その中の一人は、32歳。うちと同い年、きれいなの女の子やった。 朝から呼吸がかなり苦しそうで、意識はほとんどないものの、声を出しながら苦しんでいた。何が原因で苦しいのかわからないけど、痛みのようでもあり息ができなくて苦しんでるようにもみえた。隣で座ってたお母さんも辛そうだった。 同い年というのは、なぜか一番辛い。31歳でも33歳でもなくて、自分と同じ年に生まれて同じ年月を生きてきた32歳。同じ年に生まれたというのは、なんだか少し違う感覚を覚える。 途中なんども泣きそうになった。 ご家族によると、彼女はいつもほんとうに前向きで、がん治療にも一度も弱音を吐くことなく、最後まで精神的に強かったとお聞きした。32歳の若さで、乳がんで両方の乳房の切除、化学療法を経て、放射線療法をつい2,3日前まで受けてきた。それだけでも彼女の体はそうとう弱ってたと思う。肺炎も引き起こしてた。 朝から痛み止めや、鎮静剤、呼吸困難を和らげる薬を、かなりの量で投与して、午後になるころには、だいぶ静かになった。意識は完全になくなって、呼吸も浅くなった。 お母さんはベッドの上の娘さんを抱きしめながら、長いこと泣いてた。何度かたばこを吸うといって外にでて、涙をぬぐう姿がみえた。小雨が今にも雪にかわりそうな中・・・。 午後からは親戚や友達やいろんな人達が回りを彼女の周りを取り囲んで、いろんな思い出話をしたり、彼女に話かけたりしてた。 たとえ意識がなくなっても、耳は一番最後まで機能が残るとよく言う。最後まで話しかけてあげてください、いろんな話をしてくださいと、ご家族にはよく言う。 患者さんはたとえ反応しなくても、意識ないようにみえても、きっと全部聞いているし、感じている。 人は静かに眠っている状態を、安らかなという。 たとえ意識がなくても眉間にしわがよっていたり、うなり声を少しでもすると、痛みがあるととらえる。 もし患者さんが、痛みではなく、精神的な苦痛で苦しんでいたとしたら。悲しくて、怖くて、助けをもとめようとしていたら・・・ それでも医療従事者や家族は、うなっていたり苦しそうな顔をしたら、痛みと受けとり薬を投与する。顔が安らかに眠っている状態、またはそれに近い状態までそれを繰り返す。 薬を大量に投与して、症状を緩和させるのは、痛みや呼吸困難には必要だと思う。ただそれは同時にはっきりでもうっすらでもあった意識をも失わせてしまう。 言葉が発せられない状態で、それを痛みで苦しんでいるのとは違うとは、誰も言えない。 錯乱状態になったり、すごい体中が重くてしんどかったり、何か話そう、伝えようとしててもどうしても体がゆうこときかなくて、伝えられなかったり。身体的な痛みや苦しみはなくても、精神的な苦痛が大きいかもしれない。そういう人もいると思う。 声にならない声をきくことは、本当に難しい。 もしかしたら薬だけでなくマッサージセラピーで痛みや緊張が緩和できるかもしれない。アロマセラピーを併用したら、意識を失わせることなく、痛みや苦しみが軽減できるかもしれない。もしかしたら宗教的なお祈りや、手かざしによる霊気や浄霊で苦痛が軽減できるかもしれない。 患者さんに大量に大量に薬を投与するたびに、これでいいんだろうか、って思うの。 苦しそうにしている人をみると、針から薬を入れてくだけでなく、全身きれいにきれいにして、アロマオイルつかって、やさしくやさしくマッサージしてあげたくなる。

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VOL.163 記者雑感 From気仙沼-(Vol.16)

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許されるミス、許されない作為

02 市内で初めて防災集団移転の土地造成(7区画)が終わった登米沢という地区で「強度不足」が発覚した。気仙沼市は法律の基準を満たすか検査して市民に引き渡したが、家を建てる業者が補強しないと何かあった時のための保険に入れないと主張したため、一部の市民は自費で地盤強化工事をせざるを得なかった。  議会でこの問題が取り上げられると、市は「調べる」と答弁。そのうち仕組みが分かってきた。地盤の強さが数字上で基準を上回っても、土を盛ってから1年未満など特殊な場合は、保険会社が個々に大丈夫かどうか判断する。不動産業界では当たり前らしいが、市民はそうそう家を新築しないので知らない。市にすると、戸建ての宅地を作る業務自体が平時はないから、こちらも知識なし。「強度不足」かと思ったら、市の勉強・説明が足りないだけだった。  こうして新しい宅地は少しずつできているけれど、物件はまだ足りない。百数十世帯が復興事業のために立ち退かなければならないため、市は「仮住ま03い」を新築する。プレハブではない。集合住宅とはいえ、かなり立派な建物だ。震災から何年もたてば民間アパートが空くだろうから、立ち退き対象者には自分で当座の住み家を探してもらい、家賃を移転補償として市が払う、はずだった。ところが3年8カ月たっても空きがない。  仮設住宅に移ればと思うが、「自宅を補修して住んでいた人に、あまり差のある暮らしはさせられない」との理由で新築する。費用は十数億円。復興事業が一段落すれば取り壊す物件もある。これは、予想・認識不足じゃないのか。

 

利用される被災地支援の実績

0411月8日、離島の大島で自衛隊と米豪両軍による「災害訓練」があった。3国合同も東北でのオスプレイ使用も初。当日の現場では、ひっそり抗議する人もいた。けれど、気仙沼は小野寺五典・元防衛大臣の出身地。まして大島は震災後の孤立状態を米海兵隊に助けられた経緯がある。島民に話を聞くと「頼もしい」とオスプレイに好意的な人が多い。「落ちるなら自分の家でもいいんだよ」とまで言われると、反論できなかった。理由の真偽はともかく、展示が中止になった各務原市とは相当の温度差だ。  それにしても、何度も墜落している機材で災害時にけが人を運ぶ、という論理には無理がある。はっきり軍事訓練だと言われたら、大島の人たちは受け入れたのだろうか。復興を巡る市の力不足は情けないが、悪意がない分まだ救いがある。「災害訓練」と称して軍事訓練をやるのは、被災時の支援実績をたてにしているだけに、卑劣きわまりない。

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現役新聞記者(宮城県・気仙沼在住) 私の居る事務所県住居は、1階の浸水のみですみましたが、3軒隣の警察署も、少し離れた小学校も解体です。節電といわずと、家の周辺は真っ暗。人がいないから…街灯もいらないわけで……これから、気仙沼で自分の視たまま感じたままをお届けします。


VOL.163 平和のつどい「今こそ求められる憲法の力」伊藤 真

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この国はアクセルだけで進んで来ちゃった。でも幸い大事故を起こさないでここまで来ました。しかし、ブレーキ役を果たしてくれる政治家や政党がいなくなった。それでも自由民主党の中にもリベラル派保守の人たちが、「憲法9条は大切なんだ!戦争だけはやっちゃいけない!」と叫んだり、社民党や共産党など、いわゆる野党がブレーキ役を果たしてくれてはいます。が、現実はどうでしょうか。押さえきれている野党がいるとはいいにくいですね。 法律は国が国民の自由を制限した社会の秩序を守るための道具ですが、憲法は国民が、国家権力の乱用に歯止めをかけるための道具です。憲法は、国民の権利(人権)・自由を守る法で、あくまでも人権保障が目的。近代の国家みんな共通です。そこに日本は、「戦争させない」という目的も追加しました。 人権を守るために、憲法の中に人権規制ばかりあるのはあたりまえですね。憲法を守らなければいけないのは、国の政治家や官僚や裁判官や自治体の首長さんや、職員のみなさんたち、公務員のみなさんたちです。ですから憲法を尊重し擁護する義務を負うとして、99条※にあえて、国民を入れなかった。国民には憲法を守る義務なんてこれっぽちもないんです。

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私たちが政治家たちに憲法を守らせるというのが国民主権。私たちが主体となって憲法をつくり、憲法どおりの仕事をさせることなんです。

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強い力は何も権力だけではありません。暴力や腕力、お金の力、会社関係、社会的地位、専門知識、いろんな強い力をもっている人が、それを理不尽に行使しようとするときに、ちょっと待ってください!これはおかしいぞ、弱い者いじめじゃないかって声をあげる。さまざまな強弱の関係がある中で、強い立場の人を縛り、弱い立場の人をまもっていく、というのが、今日の憲法の役割なんですね。 誰もが強い面もあれば弱い面もあります。多数派と少数派は入れ替わることもありますよね。他者への共感というのは単純だけど一番難しい。ではどうしたらいいか。イマジネーション・想像力を働かせることなんです。私は本土の東京の人間で、今の安倍政権になってから、政府はなにやっているんだ!とただ「政府」と言いますが、沖縄新聞を見ると、この政府がやっていることに対して「日本政府は・・・」というんですね。「日本政府vs琉球」。沖縄のみなさんたちは今どんな思いでいるんでしょう。そういう想像力、他者への共感・配慮、それが、憲法の最も大切な価値である個人の尊重ということに他ならないんですね。(憲法13条「すべての国民は個人として尊重される。」) 自分が他者と違っていい、ということを認めあえることは、自分が自分らしく生きればいいんだ、そう思えると心に余裕ができて自信がうまれます。そうすると、自分と違う他者の存在、いろんな違う考え、自分と違う宗教や国籍の人を認める心の余裕がうまれてきて、多様性を受け入れることができる。そういう社会ができていくんじゃないかと思うんです。 個人のレベルで人と同じ、人と違う、それと同じように、国のレベルでも他国と同じ、他国と違う、があっていいはずです。この他国と違うところ、日本だけ集団的自衛権が行使できない、日本だけ軍隊を持ってない、それは情けない、と思う人もいると思います。しかし、それこそ「誇り」なんです。

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憲法はもともと理想なんです。理想と現実は食い違う・・・むしろ、理想と食い違うからこそ、憲法という理想を掲げるんです。なにも9条だけではありません。14条の「法の元の平等」という理想。それから25条の生存権「すべて国民は健康的で文化的な最低限度の生活をする権利を有する」。いかにその理想に現実を近づけていけるか、それが、今を生きる私たちの責任です。さきの先輩たちが、自由で平和な世界を創って下さいました、それを、守るのは先輩たちへの責任なんです。そしてもちろん、次の世代へ引き継ぐ責任がある。両方への責任があるんです。そして憲法を知ってしまった者の責任。 話題にして下さい、声をあげて下さい、こうした集会に参加するのもいい、署名運動もそうです、パレードに参加するのもいいでしょう、新聞やテレビに投稿するのもいいでしょう、電話をかけてみるとか、地元の議員にファックスを流すだとか、とにかく声をあげ続けるということがとても大切なんです。 安倍政権が集団的自衛権を閣議決定したことを国民は忘れていませんからね!国民の知らないうちに憲法が変わってたなんて絶対に許しませんからね!というかたちで、私たちが声をあげ続ける、それが何よりも大切なことと思います。そして最後に私の好きな言葉で締めくくります。 Festina Lente(ゆっくりいそげ)

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伊藤さんのお話は90分でしたが内容は200分以上!!・・・日本国憲法の成り立ちの解説も含め、本当にわかりやすい!!!。紙面にはほんの一部の掲載となりましたが、全文をご希望の方は編集部までご連絡下さい。

 

 


VOL.163 ぎむきょーるーむ「10歳の疑問」

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Q:好きになると胸がドキドキするのはなぜ?
答える人 作家 伏見憲明
A:その人にどう思われているのか……
心配で、鼓動が高なる!

ドキドキって、」どんなときに起るものだろう。たとえば、 算数のテキストの答案が返されるとき。いったい自分が何点 とったのか心配で、心臓から口が飛びだしそうになる。それ から、遠足の前の晩に、明日友だちといっしょに 出かけるのが楽しみで、なかなか寝つけ ないときにもなる。あるいは、次の 日に注射をうたれることを考える と、心臓の音が重くなる。その ように人は、ひどく心配だった り、何かを強く望んだりする と、ドキドキする。 もちろん、だれかを好きになれ ば、その人にどう思われている のか、きらわれていないか、好き になってもらうにはどうしたらいい か、もしかしたらむこうも自分のことを好 きなのではないか…と、鼓動は高なる。好きになればな るほど、「こんなふうに思われたらいやだなあ」と、「こんな ふうに思われたいなあ」の思いも強くなるから、ドキドキの 大きさもテンポもはげしくなる! ふしみ・のりあき・作家。著書に「さびしさの授業」「男子のための 恋愛検定」(ともに「よりみちパン!セ」イースト・プレス)など

 

Q:おっぱいが大きくならなかったらどうしよう!
答える人 産婦人科医 今井理恵
A:大きくなり方は人によってちがいます。

女の子の乳房(おっぱいの正式な名前)が大きくなりはじめ るのは、8~9 才くらいです。そのころから卵巣から女性ホル モンをつくるようになり、女性ホルモンのはたらきによって 乳房は大きくなるのです。  乳房の大きくなり方は、人によってかなりちがいます。小  学生のうちからどんどん大きくなる人もいます し、大人になるまで乳房があまり大きくならな い人もいます。  乳房が大きくなることについての希望 も、人によってさまざまです。「なるべ く大きいほうがいい」と思っている人 もいれば、「小さめでスポーツをするの に、じゃまにならないほうがいい」と か「わたしは胸が小さいほうがかっこい いと思うので、大きくならないでほしい」 と思っている人もいます。  大豆や牛乳をたくさんとると大きくなるという 「うわさ」がありますが、それはほんとうではありません。 大きくても小さくても、それがその人の「自分らしさ」なのです。 いまい・りえ 産婦人科医。神奈川県勤労者医療生活協同組合・ 港町診療所勤務。子宮内膜症、月経困難症、PMS などを中心 とし、思春期外来にも応じる。監修書に「女性の悩み解決ガ イド“ほっ” とする生理痛の本」(築地書館)など。

Q:おちんちんのかたちが変だあ!
答える人 四国学院大学教授・メンズセンター運営委員長 大山治彦
A:顔がみんなちがうように、かたちも大きさもいろいろ。

それは心配だね。男ならみんな、一度は、自分のおちんちんのかたちや、 大きさなんかについて、いろいろ思ったり、なやんだりしたことがあるんじゃ ないかな。私もそうでした。きみとおんなじ。それでも、心配だったら、お 父さんとか、信頼できそうな大人の男の人に相談してごらん。今回は、お母 さんとか女の人じゃなくってね。でもね、おちんちんのかたちや大きさって、 いろいろあるんだよ。顔がみんなちがうようにね。  今度、おふろ屋さんや温泉などに連れていってもらって、いろいろな人の おちんちんを見たらいいよ。とくに、自分やおうちの人、友だちのおちんち んしか見たことのない人は、もっとたくさんの人のおちんちんを 見たほうがいいと思う。びっくりするくらい、いろいろな かたちや、大きさがあることがわかるよ。そして、でき れば、自分のおちんちんが好きになれるといいね。 おおやま・はるひこ 四国学院大学教授・メンズセンター運営委 員長。専門はジェンダー研究(男性学)、セクシュアリティ研究、 市民活動論など。

 

Q:あかちゃんはどこから来るの?
答える人 養護実践研究センター代表
茨城大学名誉教授 大谷尚子
A:お母さんのおなかにある子宮から

あかちゃんは自分が生まれたいときになると、お母さんに 「生まれたいよ」というサインを出します。そうすると、お母さ んの子宮(いのちの部屋)はギューッとちぢみます。子宮の中で暮らして いたあかちゃんは体を回転させながら、産道(いのちの道)を押し広げ、 その道を通って、お母さんの体から出てくるのです。その出口は、お母さ んの膣(ヴァギナ)です。  膣は女の人の体にあるもので、おしっこの出るところと、うんちの出る 肛門のあいだにあります。ふだんはせまい道なのですが、あかちゃんの出 したサインによって、広がっていくのです。あかちゃんは自分で体の姿勢 や動く向きを変えたりしながら上手に産道を通って出てきます。多くのあ かちゃんは自分の力で、この世に生まれてくるといえます。なお、あかちゃ んやお母さんのいのちを守るために、薬の力を借りたり、お母さんの産道 を通らない(お母さんのおなかを切る方法「帝王切開」)で生まれてくるこ ともあります。 おおたに・ひさこ 養護実践研究センター代表 茨城大学名誉教授。お・ は編集協力人。著書に『養護ってなんだろう「保健室の先生」といわれる 私たちの仕事とその意味』(小社刊)など。

 


VOL.163 環境講演会「子どもの脳が危ない」黒田洋一郎

01

 

<発達障害と療育>

発達障害やグレーゾーンの子というのは、どういうことかというと脳の発達途中で、ある神経回路だけが障害があって、特定の行動だけ、例えば他者とのコミュニケーションなどがうまくできないなどがみられます。他は正常でいろんなことができます。線引きしたら、白黒別れるようですけど、実はその線引きの周りが全部灰色なんです。症状による診断ですので、医師によるバラつきが出てしまい、非常に診断が難しいんです。  発達障害と診断されるとずっとそのままかというと、そうではなく、たとえば2才のとき自閉症と診断された子が3才になったら発達障害でなくなったとか、かなりの人たちが自閉症から、特定されない広汎性発達障害に変わったという報告もあります。脳というものは一般的に思われているよりも、もうちょっと柔軟なものではないかと私は思っています。  治療療育するためには、脳の神経回路(シナプス)を新しく作れば良い。そういうと、「え?!」と驚かれる方がいますが、これは大人では昔からやってます。例えば巨人軍の長島さん。あの人は脳溢血で半身麻痺と言語障害でしたが、おそらく療育の良い方がついたことと、本人も必死で言語療法をやりました。するとかなり戻りましたね。大人の神経疾患ではリハビリテーションが当然なんです。  大人より子どもの方がはるかに脳が柔らくシナプスができやすい。そうすると、療育の中でも、特定の行動を繰り返すようなリハビリ的な行動療法で、治す事ができるんじゃないかと思うのです。これにはやっぱり早期発見、早期療育の重要性があるわけです。また、治療、回復、予防の可能性を考える時、家庭や社会環境も考えなきゃいけません。日本では最近、発達障害になった子どもへの接し方が悪くて子どもがますます悪くなってしまった、という二次障害の例が増えているそうです。

<発達障害と環境化学物質>

人間の脳には無数の神経回路があってそれは、化学物質でつくられています。そこへ、その化学物質と構造のよく似た“環境化学物質”(殺虫剤、農薬など)などが外から乱入すると、脳が本物の化学物質と間違えて、神経回路をつくる時に異常が起きてしまいます。  親からもらった遺伝子が正常でも、遺伝子が体を作る時にかく乱されると障害が起るということです。発達障害の原因は遺伝にあるのかと研究された結果、遺伝よりも環境の影響が強いんじゃないか、との考えが多くなってきました。そうすると、予防の可能性が出てくるんです。  悪い環境だったら、いい環境にしたら防げるということになります。だから、農薬などが発症の引き金になっている可能性は高いので、環境化学物質の曝露を避ける事で予防ができるということになります。これはかなり合理的な予防です。  発達障害を起こしうる環境化学物質としては、有機水銀や鉛等の重金属、それからPCBやダイオキシンなどの有機塩素化合物、有機リンやネオニコチノイドなどの農薬があげられます。特に、有機リンやネオニコチノイドなどが、アセチルコリンという重要な神経伝達物質に関係しています。  普通シナプスというのは胎児?4歳くらいで発達します。大人の脳には脳関門というものがあって、毒のあるものはなるべく脳の中に入れないようにしていますが、胎児や乳児の脳というのは、脳関門が未発達ですから、発達するまでの間は、素通りしてしまいます。だから母親が摂ったものが胎児に、母乳の中に出たものを乳児が飲むと一部は脳に移行する。発達の一番盛んな時期に危険なものが入りやすいということになります。

<昆虫と人間の脳>

02 近年ミツバチの大量死はネオニコチノイドなどの農薬汚染によることもはっきりしています。人と昆虫は違うと言う人もいます。もちろんいろいろ違うんですけど、こと神経系のシナプス伝達に関するかぎり基本的に同じなんです。だから記憶の研究も実はショウジョウバエを使ってやっているくらい、人の記憶と昆虫の記憶は似た仕組みだと、脳研究者の間では考えています。ですから、農薬が害虫だけに効いて、ヒトや益虫には効かないなんていうのは不可能なんです。  発達障害は療育で症状を軽減させることは可能ですけれども、大変な努力が必要です。発達障害の引き金になるような農薬などは、予防的にひとまず禁止にしておこう、というやり方がこれから段々主流になってくると思います。これを予防原則というんですけど、これは本当にこれからの哲学というか、ものの考え方の基本になるべきだと私は思っています。   (文責・にらめっこ)

033

 

 


VOL.163 エコビレッジ from オーストラリア

01

10月中旬の3日間。パーマカルチャーのイベントのホストをしました。日本食のシェフをやっていた日本女性と和食を提供。仕込みも含めて2日間。ランチとディナー、約70人分の日本食を作ったのはいい経験になった。 日本食は仕込みに手間がかかる。焼きおにぎり、煮物、キャベツとしその浅漬け、いんげんの胡麻和え、本当に素晴らしきかな和食!そして、味噌作りのワークショップに参加させてもらった。麹造りからの過程を学びました。元の麹菌は日本から取り寄せましたが、それ以降は、自分たちでできる!。しかも、豆麹(大豆とか、ひよこ豆)も起こせるんです!でも温度が上がりすぎると納豆になっちゃうらしいから、お米とか麦よりも難しいらしい。白みそと赤みその違いは大豆を茹でるか蒸すかでかわるんだって!茹でるのが白で、蒸すのが赤。で、たまり醤油は味噌つけるときに大豆の茹で汁を含ませてつけると浮いてきた水分がたまり醤油になるんやとー!!異国で、日本文化の新しい知識がついてちょっとうれしい♪

02

 

そんなこんなで、毎週末イベントを主催していたため、忙しい生活を送っていました。03ようやく落ち着き、それとともに、人が入れ替わり、いまは新しい変化と移行の時期を迎えています。今度はこの新しいグループで何を作り上げていけるのか、いまはそれを見つけ出そうとしている段階です。 グループ生活では、コミュニケーションがとても重要です。それから、助け合い、支え合い、そして、受け入れる事、伝える事。それが重要になって来ます。新しい人たちは、新しい事を持って来てくれて、グループにシェアをしてくれます。たとえば、ヨガや音楽などのクラスなど、それぞれのスキルをグループに提供することができます。ガーデニングでも、今までと違う新しい知識を持っている人が、この場所でも適しているか、実践して、改善しようとしてくれます。新しい方法でガーデンベットをつくってみたりと、知恵を出し合い、お互いが学んでいる過程だと思います。 わたし個人的には、わずかな経験と知識をシェアできるよう、ペインティングセッションの時間を作りました。絵を描いてみたいというメンバーに、画材と空間を提供して、絵を描く時間を共有する。そういう時間を過ごすだけでも、生活の変化を感じられます。ここでの共同生活をどのように組み立てていくのか。持続可能な生活を模索しながら、2015年の幕開けは、新しく加わった音楽家とともに、なにを作っていけるか。これから楽しみです。                                YAO

 


緊急特集 ジャーナリスト・久保田弘信さん講演会「イスラム国」人質事件と日本のゆくえ

01

回のを受けて

後藤さんは非常に優しい方で、取材のテーマがぼくと似ているんですね。戦争の中で非難民として生きる子どもたち、大変な思いをして暮らす家族、そういった人々に焦点を当てる。僕たちジャーナリストにとって、一番の喜びは「伝えること」、「知ってみなさんに考えてもらうこと」なんですが、メディアが扱う情報はどこか偏っています。取材をして帰国して、日本のメディアに使ってもらおうとしても、「うーん」といって使ってくれないんですね。日本のメディアは非常にセンセーショナルな映像を求めます。

昨年末に僕は遺書を残してイラクの最前線に行きました。「なにかあったときには僕の責任。ですからイラクの人を恨まないで下さい。二国間の関係がこじれるのが一番困ります。」と。後藤さんは最後シリアに行かれる前にビデオメッセージを残されました。『もし自分の身になにかあっても、シリアの人を恨まないで下さい』と。にもかかわらず、日本の首相はなんと言ったか。『罪を償わせる!』。何でそういう強固な言い方をするのかなと。間違いなく後藤さんはそのことばを望んでいないと思う。日本の首相がそういう発言をする中で、世界中のメディア、世界中の人々が「日本って右傾化しはじめたんだな」、というのを感じています。

このままでいいのか、それは僕が決めることではありません.僕は現地で撮ってきた情報をみなさんにお伝えして、こんなふうに日本って思われていますよ、そんな中で、このまま安倍首相が行っている「積極的平和外交」という方法に行くのかそれとも平和憲法を大事にしていくのかって、実は僕たち日本人が一人ひとりが考えなきゃならない時期に来たと思う。今までは「9条を守る」、「日本の平和外交をどういうふうにしていくか」ということは日本国内の問題だった。そのことを今は世界中が注目しています。日本は大きな分岐点に来たんだと海外のメディアが伝えていますし、海外の人たちは思っています。

人質事件に関して

安倍政権に対する批判もありますが、非常に残念なのは、またもや出ました「自己責任論」。イギリスのBBC系列のニュースペーパーで、日本は自国民になにかあると、行ったやつが悪いという国なんだ、と書かれていました。もちろん、湯川さんにいろいろ問題があったかもしれない、後藤さんも危険を承知で行ったのかもしれない。でも自分たちの国民が、第3国の人に殺されたときに、「行った本人が悪い!?」これ、日本独特の文化なんですね。危険を承知でやったんだから、死んでも仕方がないんじゃないか。こういう考え方をする日本は、ハイリスク・ローリターンを覚悟の上、自費で戦場に赴き、内情を取材する僕らジャーナリストにとって、非常にやりにくい国です。フランスのジャーナリストが、イスラム国ISISに拘束されて、無事帰って来たときには、英雄扱いでした。かたや日本では帰って来た本人が最初なんて言いますか?「ごめんなさい。ご迷惑かけて申し訳ありません」そこが違うと思うんですね。

イスラム圏は危険か?

今日も、各新聞社やテレビ局の方が大勢いらっしゃいました。インタビューを受けたときに「中東、それからイスラム圏の危険ってなんですか?」って聞かれたんですね。今回のニュースをきっかけに中東とかイスラムの国が危険だって言うふうに、なんか一面的に日本が伝えてしまっているところがある。
確かに危険はあります。政情が不安定な国ですし、問題は多々あるんですけど、僕たちは中東の国々のことをどれだけ知っているかって言うと、かなり知らない人が多いんですね。反面、日本という国は世界中から知られています。
で、今回の件があって、中東のことに少し思いを寄せる。イラクとシリアの間にはややこしい問題があり、イスラム国っていう新しい勢力がいるんだ、かつて戦争があったイラクってもう十年以上経っているが、その戦争後、どういう治安でどういう暮らしをしているんだろう、シリア内戦が起こった?シリアってどういう国なのか…僕たち知らないんですね。何か事件が起こって、その事件をきっかけに伝えられるだけで、その国の国民性とか、全然伝わってない。
イラクの人、シリアの人、それからトルコの人、ヨルダンの人、みんなが、日本のことよく知ってます。よく思っています。戦後、たった70年弱のあいだにここまで「復興した国」、もう1つは「戦争を放棄した国」って。特に今まで、イスラム圏との戦争に関わって来なかったということで、中東の人たちは、日本のことを非常によく思ってくれてます。僕らジャーナリストは肌でそれを感じているんです。

僕たちは中東を知らない。

後藤さんの死をきっかけにこれだけの人が集まってもらって、中東のことに思いを寄せてもらったら、この会の初めにしていただいた黙祷よりも彼は喜んでるんじゃないかと思うんです。いつ僕もそういう立場になるかわかりません。毎回覚悟しています。そのときに黙祷してもらったらうれしいです。でも、それ以上に僕が今まで伝えたいと思ったことを残された人たちが知ってくれたら、それが一番うれしいですね。  (文責・にらめっこ)

中東諸国の歴史ー①/6  1年かけて勉強しよう!

02中東諸国では、なぜここでこんなに戦争が起こっているのでしょうか?それは、「石油」という利権と、「宗教」 による対立があるから。特に 「石油」が大きなポイントで、この利権を得るために中東以外の諸外国も積極的にこの地域に関わってきました。
また、「宗教」による対立があるために、双方が利益や損失を考えて和平をする、といった事もなくなってしまいます。
そこへ来て、「イスラエル」という全く違う宗教と民族の国がポンと出来て、ますますゴタゴタになってしまいます。

元々、「中東」 の一帯には 「オスマン・トルコ帝国」 という名のデカい帝国がありました。言うなればこの帝国が中東地域を 「天下統一」 していた訳で、一時は東ヨーロッパから北アフリカまでその支配地域を延ばしていました。
同じ頃、ヨーロッパでは「大航海時代」 が訪れた。オスマン・トルコ帝国が中東地域を完全に制圧してしまったため、「陸がダメなら海だ!」 というワケです。

1500 年前後、日本がちょうど戦国時代だった頃。「ポルトガル」 「スペイン(イスパニア)」 「イギリス」 「オランダ」 などの国々が、まだ見ぬ世界を探求するために船を出し、貿易船と、それを襲う海賊と、海賊を倒す艦隊が入り乱れていました。コロンブスがアメリカ大陸を発見したのは1492年ですね。
1600 年頃、大航海時代は 「探検の時代」 から 「支配の時代」 へと移っていく。探検航海によって世界の姿が解って来ると、その新しい世界を支配しようと、列強国が互いに争いを始めるようになります。ヨーロッパの軍隊は最新の武器で武装していますから、世界の国々をガンガン占領していきます。
こうして、その地域の住民の事など無視した 「領土の取り合い合戦」 が起こる事になります。このヨーロッパの強国が世界中の国々を 「植民地支配」 していく事が、その後の世界の歴史に大きく影響する事となります・・・(次号へつづく)


新米Nurseものがたり-(Vol.26)

01

 

最初は、家でベッドから座っていた姿勢からすべりおちて大腿骨の骨折で入院した。手術後何日もたって、意識がなくなりICUに運ばれた。バイタルがかなり安定してるためにうちらの病棟に。でも、両足はもうすでに脈が無く、かすかな血流によって保たれている状態だった。血管の専門医も現時点での外科的な処置は、患者の生命の危険がともなうという判断で処置はなされず。そのかわりに薬の投与で塞栓や血栓が肺や脳をつまらせないようにする処置がとられた。意識もないため、食事は鼻からの経管栄養で投与されてた。
両腕は浮腫でむくみ、血液検査や点滴針をさすのが難しいために何度も針でさされてあざだらけだった。その痛々しい腕からは体液が常にしみ出る状態だった。両足は壊死さえ起こしてないものの氷のように冷たく紫がかった色をしていた。
まったく意識がない、つねってもゆすっても反応しない。瞳孔がおっきくなって動かないようにみえた。どうしちゃったんだ、何が起こったんだ、脳が機能してないのか…。

そんな状態でも、血液検査やものすごい量の薬の投与、4時間おきの鼻から胃にはいるチューブでの水分補給など、もう拷問に思えるくらいいろんなことをしなきゃいけなかった。この人は意識がない状態で、こういうことを望んでいるんだろうか。元のように意識が戻って、おかゆを食べたり家族とわずかでも会話ができるようになるんだろうか。
医者たちは誰もが口をそろえて早急に緩和ケアかホスピスに切り替えるといった。
前日、家族のヘルスケアプロキシ―(本人が判断できない状態のときに本人に代わってすべての医療ケアにかかわる決定をする人)と家族を交えてミーティングをした際に、DNR/DNI(心肺停止の時に挿管を含む蘇生をしないこと)が決まった。でも、緩和ケアのみにするか、ホスピスに切り替えるまでは、やはり延命をするために心肺蘇生以外のことは全部なされる。
それは、たぶん本人にとっても家族にとってもケアする側にとっても苦痛だと思う。

3日後には、経管栄養も外れて薬の数も最小限になってた。
ところが、家族がやってきて、「なんで食べ物を与えない?アイスクリームでもゼリーでもいいから食べさせろ。このまま餓死させたくない、点滴も辞めて、いったいどうゆうつもりだ!」と言ってきた。しかし、本人は意識がなく飲み込めないから食べさせることはできない。今の状態で無理やり口に何か入れたら、誤嚥性の肺炎になることは間違いない。
ケースバイケースだけど、基本的に緩和ケアやホスピスは延命につながることはしない。でも中国の人達は、文化的に食に対する意識がかなり強いといつも感じる。
ホスピス病棟でも、食べるたびに吐いて、食べるたびにおなかの張りを訴える中国人の患者さんに、それでも家族はひたすらおかゆを食べさせていた。吐く=体が受け付けない、意識がない=食べられない、ということではないのか。点滴も体が受け付けなければ、すぐに肺に影響がでて浮腫ができてくる。それでも、ちょっとでもいいから点滴で水分補給を!という家族は多い。前はそれもわかるような気がしてたけど…。

でも、最近は乾いていくという過程も死にゆくことのなかで自然なことなのではないかと思う。年をとるほど、肌はハリがなくなり、だんだん軽くなっていくのは、自然なことだと思う。軽い方が骨や関節に負担が少なくなるしね。死が近づいているとき、体が乾いていくのは、やっぱり自然なことだと思う。

人は何も食べたり飲んだりできなければ、死ぬ。それはとても自然なこと。人間に限らず、どんな生き物でもそう。生き続けるということは簡単なことではない。どんな環境にすむ生き物でも自分の命を保持するための栄養補給と水分補給ができなくなったら死ぬ。自分で生きる力が無くなった時、命は死ぬ。
それが医療の進歩のおかげで、昔なら助からない命も助かるようになってきた。食べるという行為なしに、胃や血管に直接、生命が維持できる栄養を届けることができるようになった。
これは奇跡のようであり、奇妙な現実でもあるとうちは思う。

森や草原や砂漠に住む哺乳類は、生まれた瞬間に母親の母乳を飲める力がなければ、死ぬ。でも人間の赤ちゃんは未熟児で生まれて母親のお乳を飲む力がなくても、みんながみんな死ぬわけではない。とくに先進国やNICUや他医療が整っていればいるほど生存率は高くなる。それは素晴らしいこと。ただそれがどんな命にも使われるべきかというと、そうでもないと思う。赤ちゃんは、その時期をのりこえるとたいてい自発呼吸、自分でお乳を飲んだり、自分で生命を維持していけるようになる。
それが、自分自身で生命を維持できる力の回復が見込めない人や、死が近い人に使われると、本人にとっても家族にとっても辛い時期が続く。何のための延命で、何のための栄養で、何のための医療なのか。本人のためなのか、家族のためなのか、そこにエゴはないのか。

命は死ぬ運命と一緒に誕生する。生まれれば死ぬ。そこに永遠はないし、きまった時間もない。
どんなふうに生きたいか、どんなふうに逝きたいか、どんなふうに生きてほしいか、逝ってほしいか、不吉とか暗いとかって毛嫌いせずに、普段から話しておくのはすごい大事だと思う。

 

02


記者雑感 From気仙沼-(Vol.17)

01

02 津波で廃校になった小学校跡地に市内初の災害公営住宅が完成し、1月31日に入居が始まった。あの日から1422日。「1日、1日、待っていた。でもまだ多くの人が仮設住宅にいるから、自分だけ喜んではいられない」。佐藤淑枝さん(72)は語った。
岩手県一関市の仮設住宅から引っ越したのは佐藤さい子さん(67)。独居で車を持たない佐藤さんは、古里を離れた仮設でも駅や店に近い方がいいと考えた。ところが住み始めた直後に腰を傷めて思うように歩けず、買い物にも行けない。そんな折、気仙沼市のスーパーが仮設巡回バスの運行を始めた。佐藤さんの所は週2回。店の軒先まで連れて行ってくれるし、道路が凍っても休まない。今では体がかなり回復した佐藤さんだが、「本当に助かる」と転居直前まで利用した。
スーパー近くの飲み屋で2年ほど前、潜水士の藤代隆久さん(42)と知り合った。どんな仕事か知りたくて昨年末、津波で壊れた岩手県宮古市の防波堤復旧現場にお邪魔した。大きなコンクリートブロックが隙間なく並ぶようクレーンを海中で誘導し、海底に着けばブロックを釣っていたワイヤーを工具で外す。これを繰り返して新しい防波堤ができる。藤代さんの姿は私の乗る船からは見えない。船上のスピーカーから、「ゼー、ハー」という呼吸音が聞こえる。「ああ、藤代さんは生きている」。なぜかそんなことを思った。
暮らしと復興を支える仕事は、買い物バスや潜水士以外にも多い。税別280円にもかかわらず、大口の工事現場に限って配達を始めた弁当屋もある。経営者の鈴木恒子さん(67)に会うと、「弁当より子どもの話を」と頼まれた。子ども劇団「うを座」。学芸会は勘弁して欲しいと思いつつ、稽古を覗いてみた。
大津波警報を伝える無線とサイレン。「いやあーっ」。幼なじみが目の前で津波にのまれた姉の実体験を高校2年の鈴木菜々さん(16)が演じる。高校3年の畠山沙樹さん(18)は、同居していた祖父が行方不明のままだ。仲間の船が無事か、港に見に行ったという。畠山さんは語りかける。「ほかの人のこと心配すんのは、すごくいいことだと思う。でも自分の命ぐらい何より大事にしてもいがったんではねえがな。4年もたつし、はやぐけえってこいや、みんな待ってっからさ」。
恐れ入った。辛い体験の再現に終わらず、「世界の支援を受けた私たちだからこそ、世界の子どもに目を向けよう」というメッセージを発する後半も圧巻だ。震災前はあまり感情を表に出さなかった畠山さん。たくさん泣いているうちに、笑ったり、怒ったりするようにもなった。声優を目指して、今春、関東の専門学校に進む。

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“天然のくらし”応援団 第1回は「農薬について」

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日常生活になじんでいる 殺虫剤、蚊取り線香なども農薬です!

発達障害とはどういう意味でしょう?胎児期や幼児期の脳機能の発達の障害で、その現れ方により注意欠陥多動性障害や自閉症スペクトラム、学習障害などとよばれます。
原因は遺伝とか子どもの育て方とかいわれたした。しかし、科学の進歩につれて環境の影響が大きいと分かりました。昨年11月9日、発達障害と環境との関係についての黒田洋一郎博士の講演会が各務原市でありました。環境中の水銀などの重金属や有機リンなどの農薬、ダイオキシンのような残留性有機汚染物質などが脳発達に影響し、安全な殺虫剤と宣伝されているネオニコチノイドも神経細胞に影響を与えることを説明しました。農薬などの環境汚染物質は発達障害と深い関係があります。
日本の農薬使用料は世界で2番目に多い!
「アメリカの農薬使用は多い」という人がいます。これは誤解です。経済協力機構OECDによると、日本の農薬使用量は長い間OECD加盟国で1番多かったのですが、最近の調査は韓国が1番で、日本が2番です。米国の農業は出費をできるだけ避け、防除が必要なほどの虫がいななければ殺虫剤を使いません。日本では虫などの発生を予想し、年間の防除予定を組み、防除が必要なほど虫がいなくとも散布することがあります。この結果、日本の農薬使用重量は単位面積あたりアメリカの約17倍です。この他に日本では農薬に分類しない「除草剤」なども民家近くで使われています。

アメリカの国立環境衛生研究所が昨年10月に発行した雑誌に、「神経発達障害と誕生前に農薬近く近く住むこと」という論文が発表されました。この論文は母親が妊娠中に有機リン殺虫剤を使用する農場の1.5キロメートル以内に住むと、子どもが自閉症スペクトラムになる可能性が60%増え、妊娠後期に住むと可能性は2倍になると報告しました。ピレスロイド殺虫剤(蚊取り線香によく使われる殺虫剤類)との関係も報告されています。
除草剤も心配です。今年1月、エポック・タイムズ紙に、よく使われている除草剤グリホサートは自閉症を起こすだろうという記事が出ました。結果は確定したものではありませんが、妊娠中や幼いお子さんをお持ちの方は、除草を考えるとき思い出してください。
このように最近の研究は発達障害は環境の汚染と強い関係があると次々に明らかにしています。脳は神経系の一部です。神経に影響するような殺虫剤は警戒しましょう。除草剤も安心できません。室内でゴキブリ駆除剤や蚊取り線香を安易に使うのは考え直しましょう。子どもや自分達の健やかな明日のためです。

02

 


中高生・平和を語る

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今回は、今年1月大垣のようこそ先輩グループ主催で行われたワールドカフェ「どうしてカンボジアの子どもたちは目が輝いているの?」に参加して学んだこと、考えたことを紹介しようと思います。
この企画は、大垣のメンバーでわたしの友だちでもあるうきちゃんが、高校でカンボジアについて学んでいく中で、子どもたちが生き生きと目を輝かせて勉強しているのを見て驚き、「みんなと、カンボジアと日本の子どもや学校について考えてみたい」と提案したことからはじまっています。

 

02

 

世界のほとんどの国には義務教育制度があります。ただし、その考え方には特定の年齢の間を義務教育の対象にする年齢主義と、特定の課程を終了するまでを義務教育の対象にする課程主義の2つがあり、私たちの国の義務教育は年齢主義を、カンボジアは課程主義を取っています。
どちらの国も義務教育の間は義務なので、親は子どもを学校に通わせなければなりません。でもカンボジアの場合、ポル・ポト政権時代※に学校教育が廃止され、学校は軍の基地や刑務所として使用されるなどして破壊されてしまいました。教員は知識人と見なされ、小学校教員の8割は殺されました。また焚書政策によってカンボジアの大半の書物は失われました。その傷跡は深く、今もなお教育の立て直しが行われています。そのため、カンボジアの子ども達は整っているとは言い難いような環境下で勉強しています。それでも、将来に夢や希望を抱いで毎日勉学に励んでいます。
就学率は小学校では90%を超えますが、卒業できるのはそのうちの半分です。カンボジアでは退学率、留年率が非常に高くなっています。家庭が貧しいため家の手伝いをしなくてはならず、学校へ続けて通うことができません。地方は、都市部と比べ学校数も教員数も極端に足りていません。そのため、地方に住んでいる子どもは都市の学校まで通わなければならないのですが、それができないといった事が起こります。そのような理由で、退学率・留年率は上がってしまいます。
カンボジアには、本当は勉強したいのにできない子ども達が沢山いるという現状があります。ワールドカフェでは、「カンボジアの子どもの目はどうして輝いているのか?」「理想の教育とは?」「どんな学校に通いたいか?」という3つのテーマでメンバーを替えながら話し合ったのですが、その中で出てきた「知らなかったことを自分で見つけた時に目が輝く」という意見が印象に残りました。私たちは、整った環境で義務教育を受け、卒業できるのが当たり前で、本当に目を輝かせて授業を受けてきたかと言えば疑問です。それが、カンボジアの子ども達には保障されていません。カンボジアでも、たくさんの人が学校に行けるようになればいいのになぁ…と考えました。学校に行くことによって世界への視野も広がり、たくさんの夢に出会うことができるようになるのではないかと考えました。
私たちの国は戦後70年、一度も戦争で人を殺さず、そして殺されずにやってきました。その間にたくさんの難題があったと思うのですが、しっかりとした教育を受けて、それを乗り越えたからこそ今の平和な日本があると私は思います。
この平和な日本が続くよう、私は願います。

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エコビレッジ from オーストラリア

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昨年の12月21日はオーストラリアでは夏至にあたる日。季節の切り替わりのお祝いを込めて、party for the new paradigm(新しい形式でのイベント:意訳)というイベントを開催しました。
02このイベントの基本コンセプトは、ギフト。ギブ&テイクではなく、ギフトです。この考えをシェアし、実践して、体験を共有する事です。特徴は、参加者全員で共に作り上げるというところ。入場料はなし。その代わりに参加者は自分のギフトを持ち寄ります。今回は、事前に申し込みをしてもらい、なにをギフトするのかはっきりと伝えてもらうことにしたので、色々な形での参加とギフトが集まりました。

イベントに興味を持ちながらも、自分がなにをしたらいいのか解らない人は、ボランティアというかたちで参加してくれました。そして、このイベントの主旨を理解し、なんらかの形でのギフトを受け取り、自分もギフトをしたい、もっと積極的に参加したいと思って、再び来てくれる人たちがいました。たくさんのアート、ミュージック、ワークショップ、パフォーマンス、マッサージ、トーク、ご飯、そしてたくさんの笑顔と愛、様々な形での刺激を受けとてもいい経験になりました。

今回は2回目なので準備にも気合いが入りました。クルーの役割分担を明確にして、どうしたらチームワークがうまく機能するかが一つの課題でした。一つのイベントを作り上げる過程は、コミュニティー03(協働生活)にはとてもいいレッスンとなります。いかに、サポートしあえるか、各自が自分の役割を見つけられるようになる訓練にもなり、知恵を分ちあい、連帯感を築くいい機会となりました。それは、自分は人の為に何ができるのか、自分自身と向き合う機会となり、ほかの人は何が出来るのかを知ることができたからです。

それぞれのスキルを共有できるという事は、つぎは一緒にやってみようという意識が生まれます。連帯意識ががどんどん広がっていくことで、お互いを高め合うことにつながると思います。
私のできることは、「絵を通して表現をする事」なので、日本からこの期間に遊びに来てくれた、絵描きの友達と二人でライブペイントを披露しました。
人と絵を通してコミュニケーションをとるというのは、普段使わない感覚を使うのだなと体感しました。

こういった主旨のイベントは、めずらしいので理解するのに時間がかかる人もいます。物々交換でもなく、お金を払わなくてもよくって、ギブ&テイクでもない・・・「ギフトのみ」。それがどんなに楽しくて、自由な感覚なのかを分かち合い、これをいろんなところで実現可能にするために、いっしょにつながろう!とイベント参加者との絆も生まれました。その絆がわたしたちクルーを勇気づけてくれて、次なる熱意にもなりました。

さて写真はイベントの様子と、最近のパラダイスの畑の様子です。今は夏真っ盛り。亜熱帯気候特有の雨期でもあるため、今年は雨が頻繁に降ってくれて、畑の作物は順調に育っています。オクラ、ピーマン、ケール、キュウリ、ズッキーニ、スイカ、緑の夏野菜たちが私たちに収穫の喜びを与えてくれてます。
be happy YAO

 

 


カタコトの部屋 自然派ママたちの座談会「トイレトレーニング」

01

 

悲喜こもごも、トイレ・トレーニング

Aさん:4男は生後3ヶ月からおむつなし育児(※)をして
いました。おっぱい飲ませておむつを替える前などにさせるとおしっこもウンチもしていたし、7ヶ月くらいからはおまるでもちゃんとしてたのよ。でも一昨年、8月にすごく暑くて、私がトイレに連れていくのもだるくて、しんどくて、ちょっと休んでいたの。そうしたら、9月に入った時にはもうイヤイヤ!っが始まって…。たった1ヶ月で時期を逸したのかなあ。「トイレ!」って言うから連れて行くと、ちょっと座っただけで、「降りる!」って。それで下ろしたとたんにジャー!したそうにしてるから「トイレ行こうか」って言うと「むーりー!」って…。
02Mさん:そう言う時なのかな?我が出て来たというか。
Aさん:おむつの中でできるなら、そっちの方がいいじゃん、みたいな感じ。漏らすと気持ち悪いように普通のパンツをはかせてみたんだけど、一日に何回も漏らされると洗濯の量も半端なくて、おむつに逆戻りしています。
Mさん:うちの長男の場合、おしっこはすんなりおむつ外せたのに、ウンチだけは4才過ぎてもおむつの中でないとできなかったの。ある日、スーパーに買い物に行った時に、ウンチって言うので、慌ててトイレに行って、4才なのにおむつ交換台の上でおむつに履き替え、そこでう?んってやってたんですよ。そうしたらちょうどそこへ同じくらいの男の子がぱーっとお母さんとおしっこしに来て、「えっ!おむつ?」と言って通り過ぎて出ていったんです。そのときはそのままウンチはしたんですけど、「お母さん、明日から俺、トイレでするわ」って。次の日からトイレでするようになったんです。いやぁ?、どこに何がころがっているかわからんなぁって思って(笑)。
Iさん:過渡期にはいろいろありますよね。うちは1才の終わりだったかな。おしっこ行きたいのに、こちらが声かけると拒否したりということがしょっちゅうで。育児書を見ると怒っちゃダメって書いてあるんだけど、ある程度大きくなったんだから、というのもわかってほしいし、こちらも我慢できないし、ちょくちょく怒ってました。
Mさん:漏らしても、これはしょうがないなと思える時と、いや、そこは!という時とあるよね。
Iさん:本人的にもわかっている時もありますよね。
Aさん:そう。子育ては思うようにはいかないんだよ、と教えてくれてるのかと思えるくらい(笑)。

 

トイレこわい?

Sさん:この子は最近時々教えてくれるようになりました。でも、おまるにいろいろ子どもの興味を惹くようなものがついているので、それで遊んじゃっておしっこをしなくなっちゃった。トイレにいる時間だけが長くなっちゃったの。
Mさん:最近のおまるって、音楽が流れたりすごいんですよね。
Iさん:音楽流れるし、光も出るし!
Sさん:子どもをトイレに誘うためにいろいろついているのかな。
Aさん:そういえば、上の子が小さい頃は、トイレが怖いって言って、よく漏らしていたわ。
Mさん:うちも、「トイレ怖いもん、でっかい穴があいてるし」って。お母さんがしている様子を見せるといいと聞いたから見せたり、足が浮かないように台も買ったし、おまるも買ったけど、結局そこじゃなかったのね。

 

こどもが悪いわけじゃないのよね

Aさん:お兄ちゃんが小学生になってもよく漏らしてて、あまりにもひどかったから病院に連れて行ったの。
Mさん:体の加減でそうなっているんだったら、なんとかしてあげたいもんね。
Aさん:その時は、腎臓にはなんの異常もないから、まあ、時期を待って、って言われたの。結局治まったんだけど。
Mさん:そういうとき、本当に待つしかないね。
Aさん:本に書いてあったんだけど、赤ちゃんは、させればトイレでもおまるでもできるのに、おむつをつけっぱなしにしていて、おむつの中でしなさいと親が教えているんだって。それを今度はトイレでしなさい、と習慣付けさせられるから可哀想だって。あぁ、そうかと思ったよ。
Mさん なるほど、この子にも早速やってみようかな。腰も座ってるから、もうおまるも使えるもんね。やる気に火がつきました。

※おむつなし育児 おむつの中でおしっこやうんちをすることを当たり前にしない育児法。 EC (Elimination Communication = 排泄コミュニケーション)とも言われ、今注目を集めています。日本でも昔から行なわれてきましたが、その智恵が伝承されることなく、途切れてしまっています。なるべくおむつの外でさせるようにすることで、赤ちゃんに気持ちよい排泄を導きます。いわゆるトイレトレーニングではありませんが、おむつが外れやすい傾向はあるようです。

 

03

 

 

 


暮らし上手 -医・食 ぐずる子、さわぐ子は食事で変わる!「腸を整えよう」

01

 

化学物質から身を守る「腸脳力」

 

情緒不安定な子どもたちは、加工食品から体内に取りこまれる食品添加物や農薬など、化学合成物資の被害者とも言えるでしょう。そうした、人体にとっては毒性をもった成分によって脳の生理現象が起こり、問題行動につながっていくからです。そんな毒から身を守ってくれているのも、じつは腸なのです。腸の中に食物が次々に運ばれてくると、腸はその栄養分や化学成分をいち早く分析し、すい臓、肝臓、胆のうに命令して、適切な反応をひき起こさせます。
たとえば、タンパク質や脂肪が体に入ってくれば、すい臓に命令してそれを分解してくれる酵素を腸に分泌させます。また、胆のうに指示して胆汁を腸に流し込みます。
また、食物と一緒に有害物質が侵入すれば、腸はこれをいち早く察知して大量の液体を分泌し、強制的に下痢を起こすことで、毒物を体外に排泄してくれます。じつは、下痢は生体の大切な防御反応として、とても重要な働きをしているのです。もし、この働きがなければ、私たち人間はたちまち毒素で中毒を起こして死んでしまうでしょう。
このように、腸は体に必要な物は取り入れ、有害な物は排泄するという善悪を判断する脳のような働きをする驚くべき「腸脳力」を備えているのです。
化学物質から子どもを守るためにも、腸の働きを健全化させておくことが、何よりも大事なのです

 

腸内環境が変われば意識が変わる

 

腸が「考える臓器」であるなら、腸内に入ってくる食べ物の質や量によって、考え方=意識が変わるということになります。
戦後、日本の食生活はカロリーという熱量の大小が中心の考えに重きが置かれ、「たくさん食べる人は健康だ」というような常識がまかり通るようになりました。
近年では肥満や生活習慣病の増加を受けて、量より質のほうが大事だと思う人が多くなりましたが、厚生労働省が「一日30品目を」とすすめてきたようにいろいろな食品をまんべんなく食べても調子が良くない人が大勢いますね。
それは「食物の質」の吟味に誤りがあったからにほかなりません。食物に含まれるビタミンやミネラル、食物繊維や酵素、抗酸化物質といった、ごく微量な栄養素こそが大切であり、それがないとうまく食べ物が燃焼しない不完全燃焼とでもいうべき状態をつくり出してしまいます。
少しの食べ物で元気に活動するためには、「食べものに備わる生命力」という質の吟味が大切になります。食材を選ぶのはお母さんの役割ですから、子どもたちの健康はお母さんの選択支にかかっているといってもよいでしょう。

 

人間はお腹にぬか床を抱えて生きている

おなかの内部には約300種類、100兆個の腸内細菌がいて、なんとその重さは1,5キロにもなるそうです。私たちは、おなかに微生物がたっぷりと含まれているぬか床を抱えて生きているといってもよいでしょう。
ぬか床の管理が悪くなると腐敗してしまい、悪いムシがわき悪臭が立ちこめて不愉快な状況がつくられてしまいますね。それと同じように、腸内が腐敗してくると、人間の意識や気分にも不機嫌な状態がつくられます。その結果、怒りっぽくなったり、過度に不安になったり、落ち込んだりといった精神の不安定な状態に陥りやすくなります。
ぬか漬けといったらきゅうりやなす、かぶやにんじんなどが定番で、肉やたまご、魚や乳製品などの動物性食品をぬか床につけることはありませんね。これはぬか床に入れると腐りやすく、管理が難しい食べ物だからです。
動物性食品の摂取量が多くなるほどに、おなかの腸内細菌の集団にも異常が起きて「悪玉菌」といわれる腐敗菌が増えて、腐敗毒素であるインドールやスカトール、フェノール、硫化水素、アンモニア、アミンなどの硫黄酸化物や窒素酸化物といった有毒成分が腸内で大量発生するのです。こうした「おなかのぬか床の腐敗」を防ぐためには、動物性食品を減らして、野菜や穀物を主体とした食事に変えることです。

 

大切な日々のぬか床管理

 

02おなかのぬか床をじょうずに発酵させるためには、塩の種類が重要なポイントになります。
微量ミネラルを除去した精製塩が市場に出回った当初、漬け物の味が悪くなったため、クレームが殺到したことがありました。そこで、当時の日本専売公社(民営化で現在は日本たばこ産業)は、にがりを含んだ粗塩を漬けもの用の塩としてあらたに売り出したのです。
乳酸菌には天然塩に含まれる微量ミネラルが必要のようで、質のいいぬか床づくりに海水を煮詰
めたり、天日乾燥してつくられて自然な塩を吟味して使うことが大切です。そしてそれは、ぬか床は毎日かき混ぜないと腐敗してしまうので、それが手間だからといって断念する人が多いですね。同様に、人間のおなかのぬか床も、たえず撹拌してあげないと腐ってしまうのです。
でも、人間のおなかの内臓までには手が届きませんね。では、いったいどうしたらよいのでしょう。それにはまず笑うこと。笑いによって横隔膜が振動することで、おなかのぬか床がゆらぎ、ほどよい撹拌 が行われるからです。
実際、「腹を抱えて笑う」ことで免疫力が上がることがわかっていますが、それはおなかのぬか床の発酵状態がよくなるため、といってもよいかもしれません。
ぬか床を冷蔵庫で長期保管しておくと、発酵が止まってしまいますが、それは低温では乳酸菌などの微生物の働きが悪くなるためです。ということは、おなかが冷えている子どもたちは、腸内細菌の働きが悪くなって、食べたものが不消化になり、下痢や軟便、腹痛、アレルギーなどの疾患や、食べても太れないといった体質になりやすいのです。

 

食物の皮が元気なぬか床をつくる

ぬか床には、ときどき米ぬかをあげないと発酵状態が悪くなってしまいます。同様に、おなかにもぬかつきの玄米を入れてあげる必要があります。麦ごはんや雑穀ごはんでもかなりおなかは元気になりますが、やはり、玄米ごはんに含まれるぬかの量はダントツに多いのです。
玄米だけでなく、果物や野菜の皮には亜鉛やカルシウム、マグネシウム、鉄分などの微量ミネラルや、食物繊維、酵素、ポリフェノールといった微生物の栄養となる成分がたくさん含まれていますから、皮ごと食べたいですね。

 

よくかめば、100年もつぬか床に

 

さらにおなかの発酵状態をよくするのが、だ液です。だ液に含まれているアミラーゼが、発酵促進剤として働きます。だから、だ液をたっぷり出したいのですが、ひと口30回以上かめば、だ液の分泌が盛んになり、おなかの腸内細菌の状態がよくなります。
それから、ぬか漬け上手のおばあちゃんから熟成したぬか床をもらってきて、家のぬか床に混ぜると、弱ったぬか床でも発酵状態がよくなります。これと同じように、人間の腸にも伝統製法でつくられたみそや醤油、漬け物や、塩こうじ、玄米甘酒、米あめといった発酵食品を入れてあげれば腸内環境が改善していくのです。
玄米と伝統製法の味噌汁、漬け物をよくかんで食べ、笑って過ごすことで、100年以上もつ丈夫なぬか床を腸内に作り上げましょう。

「ぐずる子、さわぐ子は食事で変わる!」より 岡部賢二・著廣済堂出版 1,200円+税


I’m Challenger 「落語家・正光寺しなのさん」

01

 言葉が持つ力

颯一郎は小さい頃から絵本がすごく好きな子でした。私が保育士をしていた関係で、家に絵本がたくさんあったという事もあるかもしれません。自閉症という障がいがあることで、大変なこと、辛いことも多かったんですけど、絵本が好きで助かったこともありました。例えば散歩に出かけて、泣いてそこから離れないとき、やりとりがオウム返しの絵本『わにさんどきっはいしゃさんどきっ』の台詞の「怒っていてもはじまらない」と、私が言うとぶすっとしながらも、「怒っていてもはじまらない」と言い、「もう少しがんばれ」と言うと「もう少しがんばれ」と言って起き上がって、散歩を続けたということがありました。
小学生の頃、日本語で遊ぼうというのがブームになった時に、彼はやっぱりとても言葉が好きなんですね。一番最後に名言集というのがあって、今日の名文というのがあるんです。そこがすごく好きで、それを本に作ったらそれをずっと諳んじるくらいになって。外を歩いているときによく独り言を言うので、菜の花が咲いていたら「菜の花や」と私が言うと「月は東に日は西に」って言ってくれる。で、雲を見て「おーい雲よ」と言うと「どこまで行くんだ」って詩の続きを言ってくれたり。それで本当に穏やかな気持ちになれました。また、親子読書といって親が本を読んで子どもがそこに感想を書く、というのもやりました。続けるうちに颯一郎が読んで、私が書く事になったんです。だんだんと出来事が書かれるようになってきました。最近は彼が日記代わりに書いている、という感じですね。まだ続いているんです。
他にも、バラエティ番組の、いろんな物の単位を言うゲームを、学校からの帰り道に二人でやっていると、そこに下校途中の同級生が混ざってきたりしたこともありました。そんなふうに、言葉で遊ぶという下地はその頃からあったんですね。
颯一郎がゆっくりとした発達だったからこそ、私は毎日のやり取りの中で、絵本の素晴らしさ、言葉の素晴らしさとか、そういうことがはっきりと目に見えて、幸せに感じていたんだと思います。

落語との出会い

中学2年の春でした。お世話になっている方が、颯一郎の独り言を聞いていて、「颯ちゃん、桂枝雀の落語を聞かせてみたらどうかなぁ」って言ってくださいました。それですぐ聞かせてみたんだけど、その時はちっとも好きじゃな
かった。でもその後、テレビの「えほん寄席」という子ども向けの落語を紹介する番組で「んまわし」※という落語にすっごいはまったんです。それでその頃はまだ落語の絵本が出てませんでしたので、番組を録画したものを颯一朗が再生して、私がそのせりふを全部紙に書いて、それを憶えて話し始めたのが落語の始まりです。それから3年間で18席の落語を覚えました。今ではいろんな方の落語のDVDを一緒に見て、颯一郎が特に笑った言葉や仕草を私がメモしておくんです。それを見せながら「どれ入れる?」と聞いて、颯一郎が決めて、落語に盛り込みます。どれも入れられない時もあります。でも、押しつけはしないです。というか、やりたくなければ、絶対やらないですけどね。
その後、小学校の特別支援学級で1、2年を担任してくださった先生に、「うちの子最近落語にハマりだしてね」と話したら、「じゃあ今度うちのお寺でするお盆会でやってみる?」と言ってくださって、初めて落語のお披露目をさせてもらいました。中学2年の夏の事です。
その時の姿は半パン、Tシャツ。手には100円ショップで買った扇子と手ぬぐい。四席させてもらったのですが、コピー落語で、見たまま聞いたままやるので、話す言葉はもう弾丸のようでした。でも、初めて人前で落語をする颯一朗の姿を私は泣きながらビデオに撮っていました。「すごーい!」って。終わった後にその先生と抱き合った事を覚えています。
2回目は、その年の暮れ、同じお寺の除夜会での年越し落語でした。その時、私の父が昔着ていた着物を着て落語をしたんです。そしたらもう全然違う。着物を着せたらこんなに変わるんやって思って。その時から岐阜のリサイクル着物ショップに通って、今では何着もあるんですよ。颯一郎も2年前から働いていますから、今では自分で買うようになりました。嬉しいですね。

颯一郎の落語

中学3年のときの合唱祭でゲスト出演された方が「もう一度あの歌声が聞きたい」っと目に留めてくださったんです。もともと声楽を学びたいという思いはあったんだけど、なかなか障がいのある子どもを教えるという先生がおられなかったので、困っているんですと話したら、ではご紹介しましょうかって言ってくださったんです。そのご縁で篠田弘美先生と出会え、そこから歌のレッスンがはじまり、落語で呼ばれた時にお歌も一緒に歌わせてもらってもいいですか?と、3年程前からは落語とお歌とセットでさせてもらうようになりました。そのときは必ず声楽で教えていただいて、合格が出てから歌わせてもらっています。
そうやって、落語じゃないものがくっついてきたので、もっと颯一郎の面白い所を出してもいいかも、と、電車のアナウンスの真似が上手なので演目に入れてみました。そうしたらお客さんにすごく喜んでもらえたんです。う?ん、面白くなってきたなぁって思いましたね。颯一郎も自分がやる会の名前を「おもしろ会」と名付けました。
最近では、落語の中にそこの会場名を入れるとか、お客さんが笑うのを聞いてから話すということもできるようになりました。前はおかまいなしだったけど、今はお客さんが笑ったら自分も一緒に笑って、それから話し始めるんです。周りの反応を見てするというのは自閉症の人にとっては難しい事なんです。だけど、それができてる、すごいですよね。
最初はね、お客さんも厳しかったですよ。「早口で何言ってるのかわからん」って言われたりもしました。でも、「この前よりおもしろかったよ」「歌がよくなったよ」と言われるようになりました。颯一郎が一生懸命落語をしているので、応援してくださっているのかもしれません。ありがたいことに、3年くらい前にやったところから、まだやってみえますか?と声をかけてもらったりもします。毎年定期的に呼んでくださる所や単発での依頼、併せて年間20回ほどさせていただいています。おかげさまで年々回数が増えてきています。私はよく一番前に座って、誰よりも笑ってるんです。
颯一郎も親の関わりだけではこうはならなかったです。いろんな人が関わってくださって、颯一郎の人生がひろがっていったんですね。多くの人のエッセンスが入って、それで今があるんですね。本当にありがたいと思います。あらためて人の力の素晴らしさを実感しています。                                    (母 直子さん・談)

編集部 颯一郎さん、初めて正光寺で落語をしたときはどんな感じでした?
颯一郎 笑いがとまらなくなるとか。
編集部 颯一郎さん自身も面白かった?
颯一郎 はい。
編集部 どんどんやりたいですか?
颯一郎 はい。

※「んまわし」。「ん」のつくコトバを言って、その中の「ん」の数を競う「んまわし」というコトバあそびの落語。

02


食は文化・食は芸術「マクロビ美人になろう!」 

マクロビ美人になろう!
食べ物でこんなに変わる私たちの「からだ」「こころ」

「からだ美人」になる

食べ物は肌に表れる
私たちが自分の意思で摂り入れた食べ物が、消化、吸収されて重なる分解と合成の結果、皮膚、つまり肌ができあがります。皮膚のすぐ下には毛細血管が張り巡らされています。きれいな血液が流れていればクスミのない肌に、老廃物たっぷりのドロドロ血液だと紫外線に当たって化学反応を起こしソバカスができやすくなります。ヒトにはほ乳類(肉類・乳製品を含む)や鳥類・その卵類、甲殻類(シーフード)などのタンパク質や脂肪を消化・吸収・消費・排泄するシステムが完備されていません。何割かは身体のどこかで停滞してしまう…そして老廃物となってたまってしまいます。吸収され血中に入り込んだ栄養分は分解・合成と進行しながら体中をめぐりますが、脂肪として口に入りやすい動物性食品は、人体の温度より融解点が高いのでとけ込めずぷかぷか浮かんでいるイメージで全身をめぐります。同時に農薬や食品添加物などを一緒に食べているので、化学物質や摂取された過剰な糖分でもドロドロ血をつくって酸化血液を増やし続けています。各種多様な物質で私たちは体内の血液を汚しているわけですが、中でも美容健康上困るのは、これら酸化血液が酸化脂質や活性酸素を多量に含むと言うことです。酸化血によってつくられ、老化してしまった細胞が各組織を作り出し、それら器官・内臓が様々な症状を引き起こします。血液を汚さない食物を選び、老廃物を溜め込まない食べ方に努めたいものです。


01ほかにも、食べ物は・・・

  • 顔の造形に表れる
  • 体形・腕や脚の太さを決める
  • 爪や髪に表れる
  • 髪の生え方が変わる
  • からだの硬さにでる
  • 足・腰や身体を重くしている
  • 頭の冴え・目の輝きを決める
  • 風邪をひきやすくしている
  • キュートな口もと、セクシーな唇を作る
  • 目もと・目のまわりに表れる。

 

「こころ美人」になる

01食べ物は・・・
自分をうっとうしいと感じさせる
引きこもりを軽くする
小言・悪口を言わせる
イライラ・怒らせる
興奮やオーバーハイを静める
「心配性」「取り越し苦労」を起こす
「猜疑心(ねたみ・うたがう心)」を強くする
「涙もろさ」「悲しみ」「淋しさ」をつのらせている
「何でもスグとびつく」「すぐあきる」
「我慢できない」「スグきれる」心をつくる
「気が弱い」「恐がりや」を変える

食べ物は「自信」「確信」を育てる
甘い飲み物やお菓子、これらは気分をハイにします。足を地から浮かせてしまうことも。しかし、一人になったころには沈んだりボヤーッとして、時には「頭に来た。もうイライラする!!!」といった感情が走ることも。しばらくすると落ち着くのですが、極端に糖度が高いものを摂り続けると糖尿病や低血糖症を通り越して腎臓にダメージを与えてしまいます。こんな話があります。ある女性が「同じカロリーならご飯でなくても好きなケーキやフルーツを」という理屈で食べ続けていました。数年後腎臓がんが発見されました。同時に引っ込み思案になって、自分の能力を発揮できないでいました。病気を機に甘いものは全てやめ、玄米ご飯を300回噛んで食べると、そこには十分な甘みを感じることができました。よく噛んで植物性の副食を摂り続けることで快復に。ただ食事のルールを守っています。「いのちが愛おしいから」とわらって「自分はこれで行こう・もう大丈夫」と確たる自信を持ち、いつも同じ自分でいられるようになりました。

食べ方じょうず

01 マクロビオティックでは、何を食べるかといった「足し算」ではなく、何を控えたらいいかという「引き算」からスタートします。

(1) 極端に陽性エネルギーを多くもつ食品は、体調によってはしばらく控えます
動物性食品(肉類、卵類、乳製品、魚介類(白身魚の刺身や煮魚は時々はよい)およびその加工品。
(2) 極端に陰性エネルギーを多くもつ食品は控えましょう
油脂(バター、マーガリン、ラード、ショートニング、大豆油、コーン油、紅花油、ヤシ油、胚芽油、サラダ油)精製糖(白砂糖、あらめ糖、氷砂糖、ブドウ糖、乳糖、オリゴ糖、還元糖)油脂を多く含む加工食品(揚げ菓子、クッキー、ケーキ、パン類、インスタントラーメン、マカロニ、スパゲッティー、ドレッシング、マヨネーズ)
(3) 自律神経を乱しやすい食べ物
動物性食品(特に肉類、養殖魚類、牛乳)砂糖類の入った食べ物、食品添加物の入った食べ物、化学調味料、清涼飲料水、アルコール類。
(4) 体液(血液やリンパ液など)を汚し、循環不良を起こす食べ物は控えましょう
動物性食品(特に肉類、卵)、油脂類、砂糖類、精白された粉の食品の食べ過ぎ(パン類、パスタ類、麺類、菓子類)

01 極陽性食品といわれている食品に、肉類があります。これらの原材料は動物です。赤い血をもつ、つまりヘモグロビンをもつ以上は生存するためには塩分が必要であり、古塩(肉には必ず塩(Na)が成分として入っている。一度動物によって使われた塩分なので古塩と呼ぶ)として塩分を含んでいます。それは私たちの血液製造には何の役にも立たないと言われています。また、それらを食べると反動で極陰性の糖度がとびきり高い果物やジュース、甘いケーキやアイスクリーム、アルコール類を身体が要求してきます。両極端になると、気分が沈んだり不安や心配からビクビクすることもあります。そんなとき、頼りになる主食が玄米ご飯。春はハトムギや大麦(押し麦や丸麦)、重たい気分を軽くしたいときは、夏はコーンを、気を和らげたいときには、きびや粟を混ぜて炊きます。玄米ご飯は圧力をかけずに炊くことをおすすめします。土鍋で炊くとおいしいですよ!。水の分量は玄米の1.5倍が目安。中火で沸騰したらとろ火にして約15分〜20分。湯気からこんがりお焦げの匂いを感じたら火を止め20分蒸らします。

 

「火」の話し

食生活や住まいを中心とする熱の「火」を考えてみます。寒さが厳しくなるとヒトは身体が冷えてつらくなるので、何とかして暖をとるための工夫をしてきました。これは「食べて命を明日へつなぐ」という食という行為から始まったと言っても過言ではないでしょう。

現代に暮らす私たちが生活のために使う火力は、やはり自然界からの恵みであるもの、自然により近い「炎」から得られる火力が心身に最も馴染むのではないでしょうか。

マクロビオティックは食や住にこの「炎」という火力を人類にやさしい熱源として使います。たとえば玄米を水と自然塩ひとつまみとともに、土鍋に入れ、炎で炊いたご飯。それを身体の中に入れたとき、玄気パワーがジワッと広がり、次第に身体の一部に溶け馴染むのを感じます。天然の「火」の優しさと強さがそこにあるのです。

料理じょうずになろう

五感は変化を楽しんで、体内は外界とのバランスを摂り快適に暮らせるよう工夫された食生活がマクロビオティック料理です。春から夏へかけて食べ物は、より軽め、さっぱりしているものを好みます。「暑い」「熱い」は状況的に陽性といえます。身体は緩み陰性な飲み物・食べ物を求めます。従って、調理は気温の上昇につれ陰性度を高め、体内と対外のバランスを図ります。加熱時間を短く、味もあっさり目。残暑を過ぎたころ、緩んだ身体の体温は奪われ冷気やウイルスが忍び込みます。本格的な冬には今までとは反対を心がけます。気温が低く(陰性)なるのに比例して食事は陽性度を高めます。陽性度の高い根菜類を多く摂り、加熱時間も長く。味はやや濃いめ。このように自然と陰と陽のバランスを整えているんです。自然を感じることは「身体の声を聞く」ことにつながります。これからも、気候風土にあわせた果物や野菜など、地元で採れたものを摂るよう心がけましょう。『まくろ美美人』文芸社 著:カノン小林

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COLUMN 血の話し

「風の谷のナウシカ」と血液は腸で造られるという「千島学説」が結びついた。そのわけは…

ある日、がん細胞って何なのかなあと、ぼーっと考えていたことがある。すると、宮崎駿アニメの中で私が一番好きな「風の谷のナウシカ」のイメージがふっと浮かんできた。あの“腐海の森”で、毒を出して人を寄せ付けないオウムを始めとする昆虫たちが、なぜか突然、がん細胞と重なって見えたのだ。

ナウシカは、キツネリスのテトが牙をむいて、自分の指にかみつき血を流しても「こわくないのよ、ほら、こわくない。ねっ」と言って、指を差し出し続ける。するとテトは、自分が噛んで傷つけたために流れているナウシカの指の血を、次第になめはじめる。ナウシカは知っていたのだ。攻撃してくるものは怯えているものであることを。怒っているものは、傷ついているものであることを。

人間が、毒を出す森である腐海を焼き尽くしてしまおうと攻撃を始めると、腐海の王である強大な蟲オウムが人間を殺そうと暴動を起こす。ナウシカは「怒らないで、こわがらなくていいの。私は敵じゃないわ」と言ってオウムを抱きしめる。

オウムは人間に攻撃されたため、足はちぎれ、からだから青い体液を流し続ける。目は怒りで赤く燃えている。死にかけているオウムに寄り添いナウシカは言う。「ごめん…ごめんね…。許してなんていえないよね。ひどすぎる…」すべてを破壊し尽すほど荒れ狂っていたオウムたちも、ナウシカのやさしい語りかけによって静まってゆく。ナウシカの愛だけが、オウムの怒りと凶暴性を失速させられるのだ。私はこの場面で毎回泣いてしまう。

ナウシカは知っていたのだ。腐海は、人間が汚した世界をきれいにするために生まれた森であることを。腐海の樹木は、汚れた土や水の毒をからだに取り入れて、地下で美しい水、空気、胞子、結晶を作っていたことを。腐海の蟲たちは、本当はみなその森を守る精であるということを…。

「風の谷のナウシカ」と「千島学説」が私の中で不思議に重なってしまった。千島学説(故・千島喜久男医学博士の学説)では、がんは、血液の汚れを警告しているものであり、がん細胞は汚れた血液の浄化装置だという考え方をしている。現代西洋医学のがんに対する考え方とは全く違う。

千島学説は、血液は骨髄ではなく小腸の絨毛で作られているという学説だから今の医学会では認められていない。この学説を認めてしまったら、現在の医学教育を根底から塗り替えなければいけなくなるからだという。

「偉大なる素人でありたい」と思った私は、医学的にどちらが正しいかというより、どういう考え方が私にとってより納得できるのか、前向きになれるのか、行動に移せそうなのかという物差しで選択していくしかないと思ったのだ。

そういう意味では、がん細胞=極悪非道の超悪玉、故に、どんな手段を使ってでも殺す、叩き潰すという、西洋医学の好戦的な考え方より、がん細胞は、血液の汚れを警告するため、血液を浄化するために生まれるのだから、まず、宿便をとって、腸の大掃除をして、腸内細菌叢のバランスを整え、血液をきれいにし、酸化したからだを中庸に戻し、がん細胞が生きにくい体内環境を作ろうという千島学説のメッセージの方が腑に落ちる感覚があった。

がんというものが“死の象徴”になっているのかもしれない。まるで、がんを叩きつぶせば死が消えてしまうかのように。死は決してなくならないのに。もちろん、死とは肉体という物資が消える現象に過ぎないのだが。

免疫力、生命力があることが何よりの鍵。私たちのからだには、毎日数千、数万個のがん細胞が生まれているのだという。なぜそれが、がんとして発病しないかというと、免疫力、生命力があれば、からだ自身が、がん細胞を退治し癒してくれるので発病には至らないのだという。
「スピリチュアルライフを始めよう」より抜粋

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©1984 二馬力・徳間書店・博報堂

 


ぐー・ちょき・ぱー/ボーダレス社会を目指して(28) 伊藤佐代子

ボーダレス社会をめざして(28) 伊藤 佐代子さん

個展

「あっちゃん、これ何て書いてあるの?これ何?」
「これは○○です。」
10月の末に息子が個展を開きました。その会場でのひとコマです。淳司を小さい頃から見てくれていた私の友人と淳司とのやり取りです。この会話を聞きながら、あ~これっていいな、自然体だー。聞いていてとても気持ちよく、その空気を楽しみました。5年ぶりにそれも一度引退宣言をしたのに個展が開催でき、いろいろな人が淳司に会いに、淳司の絵を見に来て下さいました。展覧会をすると最初に書いたようなことに思いがけず気づかされたりもします。淳司の今までがすべて蘇ってくる9日間でした。

個展を開くということはそんなに経験できることではありません。「個展を開けばいい」と私に言って下さった人も来て下さいました。淳司の絵を最初に世に出して下さった人です。14年前の話です。いつもカラーコピーをしているお店に行くと機械が故障をしていました。仕方なく遠かったのですが岐阜のパルコの文具店に淳司の暑中見舞いのはがきをカラーコピーするために行きました。ちょうどお客さんがなく店長さんと絵を描いた淳司の話をしていると「おもしろい絵だね。良かったら売ってあげるから作品を持ってきて下さい」と。夢のような出会いでした。その後すぐカレンダーをそのお店で売ってもらうことになったのですが、その人は私に「個展」という言葉を投げかけて下さいました。そんなこと出来る筈がない、夢のまた夢と思っていました。しかし、現実にそれが実現できている今は何なのでしょう?大きい賞を貰ったわけでもないのにたくさんの人に来ていただける展覧会を開くことができる幸せを感じています。

この「ぐーちょきぱー」を読んで励まされていますと会場を離れる時に言って下さった人も新聞を見て来て下さいました。なんて多くの人を巻き込んで淳司は生活しているのでしょう。今回の展覧会も淳司にとっても私にとっても有意義なものでした。毎回思うのですが、一人で生きているのではない、多くの人に支えられて生きているのだと。そして今置かれている環境と今まで出会った人に感謝・感謝です。

プロフィール

伊藤 佐代子 (いとう さよこ)
伊藤淳司の母、岐阜障害者就業・生活支援センターの支援ワーカーをした後、NPO法人オープンハウスCANの理事長。地域で暮らす障がいのある方の生活支援や障がいのある方と書道を楽しんでいる。

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NPO法人オープンハウスCAN