投稿者「にらめっこWeb版スタッフ」のアーカイブ

vol.220 プレゼントコーナー

220号PRESENTS

ハガキまたはe-mailで、下記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。

1-あなたがワクワクする時ってどんな時? ウキウキ、ワクワクと心が弾む♪あなたがそんな素敵な気分になる時はどんな時?
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望を必ずお書きください)
※Cは編集室まで受け取りにこられる方。
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、家族構成
〆切:〆切:2024年7月25日  当日消印有効。Dは7月16日
宛先 〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。


A.[SOUL STATION] after noon liveご招待

アートギャラリー是様より…ペア1組様

終了しました。


是で初ライブ決定!
ウッドベース、ピアノ、テナーサックスがエネルギッシュに響きあい聴く人の心を揺さぶります。日曜の午後、至福のひとときを過ごしませんか?


B.CINEX映画招待券 CINEX様より…ペア3組様


岐阜県東白川村が舞台のドキュメンタリー作品。故郷を離れた監督だからこそ、ツチノコを通して見えてくるものがあるのかも。ぜひ岐阜の映画館の大きなスクリーンで岐阜県を感じよう。写真は映画「おらが村のツチノコ騒動記」の1コマ。招待券は柳ヶ瀬のCINEXでご利用いただけます。


C.写真集「ばあちゃん ぼくが継ぐ」 加藤 麻美様より…3名様

飛騨河合で山中和紙を作り続けるおばあさんの、なんとチャーミングなこと。そして、それを手伝ってきたお孫さんや家族。単に、伝統という言葉ではないものが、ここにはあります。

20cm×28cm100ページ にらめっこ編集室でお受け取りください。


D.7月24日えんぴつカフェご招待  人生これから!様より…1名様

明るく生きるためのヒントがいっぱいの「えんぴつカフェ」。7月には中部学院大学看護リハビリテーション学部名誉教授 後藤 真澄先生に、脳トレやリハビリについて楽しくわかりやすく、お話いただきます。詳しくは、「えんぴつカフェ7月の案内」を参照ください。


vol.219 謎すぎる菌ちゃん

微生物。見えないだけに謎多き存在ですが、「私たちヒトは、微生物に支えられて生きている」と専門の研究者は語ります。微生物は、土の中にも存在し、土壌の生成や生態系の維持に大きな役割を果たしており、農業をする上でも無視できない存在です。そんな土壌微生物が、昨今、いままでになく注目を集めていることをご存じでしょうか。それは、いったい、なぜでしょう。

研究で解明されていることは、たった1%

「微生物」とは、肉眼で捉えることができない小さな生物の総称。例えば、「細菌(バクテリア)」「カビ」「原生動物」「藻類」など。よく知られている細菌といえば、「乳酸菌」「納豆菌」「麹菌」「ピロリ菌」等々です。微生物は、私たちの手、口、鼻、目、皮膚にも潜んでおり、腸の中には100兆個が存在していると言われています。それらはバランスを取り合って、私たちの健康を支えてくれています。他の生き物にも存在し、空気中や、あらゆる環境の中にも息づいています。ただ存在するだけではなく、その場で増え続け、何らかの影響を与えているのです。現在、地球上の微生物については、どの研究者もこう言います。「99%は謎」。
大きくわかっていることは、私たちは、「微生物に支えられて生きている」「微生物に生かされている」、さらには「微生物に支配されている」と研究者が語りたくなるほど、切っても切れない深いつながりを持つ最も身近な生き物ということ。


菌ちゃんが分解できないものは?
微生物にも分解できない“ゴミ”があります。 それは微生物にとって有毒な物質。 また、もともと地球上にはなかった物質、例えば人間によって作られたプラスチック製品などは、微生物による分解がむずかしい物質です。

では微生物は何を分解しますか?
通常、微生物は生物の死骸や枯葉などを好んで分解するのですが、中にはダイオキシンやPCB、残留農薬など、人間が合成した有害化合物を分解する変り者もいます。 このような微生物は、化学物質で汚染した土壌を修復するための、環境浄化技術に利用されています。

微生物は化学物質を分解できるのか
はい、自然界には分解されにくい化学物質をも分解してくれるような微生物が存在します。 そのような微生物、「分解菌」をうまく利用して汚染された環境を修復することを「バイオレメディエーション(bio=生物,remediation=修復)」といいます。 化学物質を食べて無害な物質に変えてくれる分解菌です。

希望のもてる最新研究
PFASをめぐる懸念のひとつは、人体や環境中にいつまでもとどまる点にあります。「永遠の化学物質」は、時とともに蓄積するおそれがあり、取り除くのは難しい。PFASを含む食品パッケージは堆肥化できず、ごみ埋め立て地を汚染します。

Fofbes JAPANによると、「永遠に残る」化学物質をナノテクノロジーと微生物で分解を目指す!として現在、ピッツバーグ大学とニューヨーク州立大学バッファロー校の研究者がその仕組みの解明に取り組んでいます。(218号にもこの記事の一部を掲載)

かたや、ヒトと微生物の関係について、日本の研究グループが、12年もの歳月をかけ、私たちの先祖をたどり、「アーキア」という微生物に行き着くことを解明しました。
私たちは、かつて微生物でした。微生物とは、深いところで繋がっていたのです。今、微生物のおかげで健康を保ち、私たちは生きています。微生物によって生かされているといっても過言ではないでしょう。

それならば、ギブアンドテイク。土が劣化しているのであれば、土の中の微生物が再び生きやすい環境を取り戻す手助けをする。それができたら、微生物も私たちも、正真正銘、共に地球を支え生きていることになるでしょう。土を耕し、土の健康を守ることは、実は私たちの健康を守ることにもつながっているのですね。
もう一つ。化学の進化は私たちの暮らしを大きく変えました。簡単、便利、安価…ばかりを追求すると自然界に大きなダメージを与えるばかりか、私たち人間に未知の不安を抱かせることになります。自然の理にかなった生き方を選択したいものです。
目に見えないものにもその気配を感じる事はとても重要です。PFASにしても放射能にしても、健康被害を与えないと言われる基準値は一応の目安ではありますが、それにとらわれると重要なことを見逃してしまう恐れもありますから。


かんじんなことは目に見えないんだよ
(サン=テグジュペリ)
小説の中で王子は「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」と教えられました。現代社会に生きる私たちは、目に見えるものばかりに心を奪われて、数値ばかりを追い求めてきました。その結果、大切なものを見失い、目に見えない多くのものに支えられていることに気付かなくなってしまったのではないでしょうか。


vol.219 廃棄野菜をアップサイクル

廃棄される野菜たち
にらめっこ編集部でも過去に何度も足を運び、膨大な量のキャベツや小松菜、ほうれん草などを収穫させてもらったことがあります。車いっぱいに積んだそれらの野菜は、編集室に置きその場で公開。欲しい方にもらっていただきました。収穫しないとその野菜たちはどうなるのか?
「はい、トラクターで踏み潰し土に混ぜる」のだそうです。有機物として土に還るとは思いつつ、野菜たちの本望ではないだろう…。複雑な思いで事務所から一時間以上かかる畑に、何度通ったことか。こういう現状の裏には、農家さんの忸怩たる思いがある。大きくなりすぎたのは市場に出せない、のだそう。適度な大きさに育ったものを収穫して市場に出せばその畑の役割は終わる。だから、それ以降の野菜は、次の野菜を植え付けるのに邪魔なだけ。さっさと土に混ぜるか、何日かの猶予を残し、その間に欲しい人が好きに収穫する。そういう現実にびっくりすると同時になんとかならないものかと思っていました。

こども食堂や、独居の方など必要としているところへ配る。「世の中には不必要な命など一つもない」という吉田先生(菌ちゃん先生)の言葉に後押しされて、命を活かす方法を選んだボランティアの人たち。それでも限界はあります。そんな折に希望につながる記事を見つけたのでご紹介します。

廃棄野菜がクレヨンに!?紙に!? TOPCONより
 いま、廃棄野菜へ温かな目が注がれています。これまで農作物の世界では、取引や出荷の簡素化、流通の合理化によって定められた規格に適さない野菜が、「規格外」というレッテルを貼られ捨てられていました。いわゆる「食品ロス」です。  食品の廃棄は、「もったいない」だけではなく、捨てて燃やすことにより地球環境への負荷が増大します。そのため、日本では法整備され、SDGsへの取り組みとしても廃棄削減が強化されている最中です。つまり、不当な廃棄はNGへ。そこで、新たな付加価値を持たせる流れが盛んになりました。野菜を全く別のジャンルへと製品化させるのもその一つ。なんと、クレヨンや紙、洋服の染料へアップグレードさせる「アップサイクル」という方法が注目を集め、ヒット商品が続々と誕生しています。

隠れ食品ロス問題が2021年に浮上
食品ロスとは、「本来食べられるのに捨てられてしまう食べ物」のこと。売れ残り、規格外品、返品、食べ残し…。実は、ここには、出荷前に畑で廃棄される農作物は含
まれていません。畑で規格外と確認できる、曲がったキュウリ、丸くないトマト、先が分かれたニンジンやダイコンなどの変形野菜は、SNS映えはしますが、市場では廃棄されるとわかっているので、産地で処分。ダメージを受けている野菜も、同じく処分。また、豊作の場合も、価格を維持するための生産調整として産地で処分。これらは「畑の食品ロス」とも「隠れ食品ロス」とも呼ばれており、現状が見えにくくなっていました。

モノづくりにも廃棄野菜を活用
代表的なモノといえば、「おやさいクレヨン」(mizuiro株式会社)。廃棄された野菜(果物も)をパウダー状にして配合し作られています。それぞれのクレヨンには、色の名前ではなく、「きゃべつ」「ねぎ」「ごぼう」「ながいも」「とうもろこし」「雪にんじん」等と材料名の表記。
越前和紙の老舗工房「五十嵐製紙」が手掛ける「Food paper」も野菜のアップサイクルです。和紙職人の息子による5年間もの夏休みの自由研究『食べ物から紙を作る研究』がヒントとなり、地元の福井県で廃棄される野菜や果物を使用して紙類などが作られています。使用する野菜は、ニンジン、玉ネギ、ジャガイモがメイン。その他、オクラ、パプリカ、ショウガ、ナス等、収穫できる季節に合わせても製品化。
環境負荷が最も深刻とされるファッション業界でも、新しい価値が生まれています。野菜を中心とする廃棄食品に含まれる成分から染料を抽出し、素材や商品を提供するプロジェクトブランド「FOOD TEXTILE」(豊島株式会社)が名だたる企業をサポートしています。化学染料ではなく、野菜等による天然染料90%を使用したTシャツ、ネクタイ、シューズ、ハンカチといった洋服や雑貨に驚きを隠せない消費者が続出しています。トレーサビリティを徹底し、タグから読み取れる商品の背景や生産の過程を大切にしていることも大きな試み。持続可能を目指す社会では、ファッション業界でさえ取り組みが問われることを、このブランドは教えてくれています。

そもそも規格外野菜とは? なるほどSDGSより
市場で決められた大きさや形、品質、色の「規格」から外れてしまった野菜のことで、規格に合わない野菜や、傷がついた品質の良くない野菜は規格外野菜となるのです。
これらの規格外野菜は、商品として出荷はされません。カット野菜や加工品として商品になることもありますが、ほとんどが廃棄されているのが現状です。規格外野菜として廃棄される量は、生産された野菜量の約30%〜40%にものぼります。

では、なぜ規格が存在するのでしょう
規格を設ける主な理由としては、取引と流通を効率化するため。トラックで野菜を運搬する際、野菜はダンボールに詰められます。しかし、形がバラバラだとたくさんダンボールに効率よく野菜を詰めることが出来なくなります。
また、レストランなどの飲食店から野菜の形やサイズを指定されることも。それは、形の良い「きれいな野菜」を買いたいという日本の消費者の意識も関係しているでしょう。しかも、規格に合わせるように、必要以上に農薬が使われているのです。

食品ロスを減らす!私たちにできること
エシカル消費に徹すること。その取り組み例からできることを考えます。エシカル消費とは「人や地球環境、社会、地域に配慮した消費行動」のこと。このとき、・価格・品質・安全性・倫理性の4つのポイントで、「人、地球環境、社会、地域」に優しいものを選びます。


vol.219 永遠の化学物質を排出する!? 3つのデトックス方法


発汗による解毒
汗の分析は、ヒトにおける BPAの生体蓄積をモニタリングするための方法の一つとして考慮される必要があります。誘発された発汗は、BPAを除去する潜在的な方法のようです。BPAが体外に排出される主な経緯の一つが汗によるものだということが明らかになっており、サウナや運動で発汗することがBPA,PFASのみならず、他の有害な化学物質の除去を促進することが研究で明らかになっています。
誘発された発汗は、DEHFやMEHPなどの有毒な「フタル酸エステル化合物」の除去を促進するのに役に立つ可能性があり、汗から容易に特定される(おそらく組織に蓄積されているのでしょう)いくつかの有毒成分は、血清中には検出されなかった。誘発された発汗は、人体から多くの有毒要素を除去するための潜在的な方法であると考えられます。

「アブラナ科の野菜」による解毒
キャベツ、カリフラワー、特にブロッコリースプラウトのようなアブラナ科の野菜には、植物が本来、捕食者や病原体から身を守るための化合物である、ファイトケミカルの一つ、「スルフォラファン」が含まれています。スルフォラファンは、体の解毒力や抗酸化力を高める作用があり、がん予防にも効果的だということが、研究で報告されています。このスルフォラファンを含むものを摂取すると、私たちの体は「第2相薬物代謝酵素」として知られるものを放出し、 BPAや PFAS、その他の有毒な脂溶性化学物質(油に溶ける性質を持つ物質)を水溶性(水に溶ける性質)に変え、体がそれらを除去しやすくすることがわかっています。

腸内には、マイクロバイオームという細菌叢が存在します。肝臓の周り、そこから出ている総胆管にもマイクロバイオームがあり、肝臓から毒素を押し出しています。そこで野菜を使い、そこに存在するこれらの善玉菌に餌を与える必要があり、「アブラナ科の野菜」が有効です。これらは、肝臓の解毒を促進する素晴らしい効果があります。


発酵食品の解毒作用
近年の研究では、発酵食品には、BPAを分解して除去できる特別な細菌株が含まれていることが示されています。日本で行われた研究ではブレエベというビフィズス菌と、乳酸菌シロタ株の2種類の菌はBPAが腸内で吸収されるのを防ぎ、体内から排出するのに役立つものとして期待されています。また、2007年の日本、2013年のインド、2023年に韓国で行われた研究等でも、キムチ、大豆等(納豆)の発酵食品に含まれる細菌が、BPAをより無害な物質に分解することがわかりました。
腸内の微生物は、毒を分解する酵素を作り、解毒を助けます。オススメは、善玉菌とアブラナ科の野菜を組み合わせることです。例えばキャベツのような食物繊維のプレバイオティクスを発酵させます。キャベツはアブラナ科であるだけでなく、
発酵させると善玉菌にもなるため、解毒に役立つ
素晴らしい食品となります。


ファスティング、断食による解毒
化学物質の多くは、体内に多くのフリーラジカル損傷を引き起こします。それに対抗するため、私たちの体は「内因性抗酸化物質」と呼ばれる抗酸化物質を生成。特に断食すると、体がオートファジーの状態になり、体の損傷の修復のほか、病原体の除去も促進されます。断食は内因性の抗酸化ネットワークを増やすのにも役立ち、抗酸化物質がより多く生成され、免疫システムがより強力に。結果的に、体がフリーラジカルによるダメージに抵抗できるようになります。

大抵の環境毒は油に溶ける性質で、厄介な場合は脂肪の中に蓄えられます。その脂肪に蓄えられた毒を、最も効果的に解毒する方法の一つは食事を一時的に止めること、つまり断食です。食事を消化するのには、膨大なエネルギーが必要です。そこで、食べるのをやめると、体が一番助けが必要な場所を探して、そこにエネルギーを費やし始めるのです。ただその前に、まずその場所をきれいにして掃除しておく必要があります。それは、断食中にあなたの体が行なっていることで、解毒、デトックスがしばしばクレンズ(浄化)と呼ばれる理由なのです。

今回は摂取してしまったPFASやBPAを解毒する、有力な方法をリサーチしました。しかし、まずこれらの有害物質を極力避けるよう、食生活や生活態度を改めることが第一歩。摂取されたものに対しては、これらの手段が有効のようです。また、前述の野菜や、発酵食品を選ぶ際も、農薬、化学肥料、化学調味料、ある種の添加物などは、それ自体が毒素であり、そもそも解毒を行う肝臓、腸などの環境を悪化させるため、できるだけこれらのものを使用していない食品を選ぶ必要があります。

自分でオーガニック、有機野菜を買ってきて自然塩などで漬物を漬けるのも良いかもしれませんね。

※「マイクロバイオーム」とは、多様な微生物が集まったコミュニティのこと。 土壌や水中にはそれぞれの環境に応じたマイクロバイオームがあり、人体にも、口の中や皮膚、腸内、女性の膣内にもマイクロバイオームが形成されています。 その中で、特に近年注目されているのが腸内のマイクロバイオーム、いわゆる腸内細菌叢です。

岡山県吉備中央町
関係住民への血液検査 公費で実施
岡山県吉備中央町の円城浄水場から有害な有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が検出された問題で、町は22日、基本的な健康対策を発表した。関係住民への血液検査や継続的な健康調査を行うとしている。

町賀陽庁舎で記者会見した山本雅則町長によると、PFASの血中濃度を調べる血液検査の対象は、浄水場の水を使用した円城地区約500世帯の希望者。町が水道水の安全を確保した昨年11月までの約15年間に居住・勤務した人も含む。費用は町が負担する。

外部委は「血中濃度の医療的な低減策が確立されておらず、かえって不安が増す恐れがある」として血液検査を推奨していないが、山本町長は定期検査により「濃度の低下が確認できれば安心につながる」とし、検査機関の選定や希望者の募集を急ぐ考えを示した。

山本町長は「住民の皆さんには心配をかけている。今回の方針や対策を広く周知し、不安があれば相談してもらい、一緒に解消していきたい」と述べた。
(2024年03月22日 21時16分 更新)山陽新聞デジタル

広島県東広島市
PFAS」検出受け住民の健康診断実施
東広島市の川や水路で有機フッ素化合物(PFAS)のうち有害性が指摘される物質が国の暫定目標値を超えて相次いで検出されている問題を受けて、東広島市は23日、地域住民を対象に健康診断を行いました。

東広島市では、市内を流れる川や水路、それに井戸から「PFAS」のうち有害性が指摘される2つの物質が国の暫定目標値を超えて相次いで検出されています。このため、暫定目標値を超えている地域の住民を対象に健康診断を行うことにしていて、会場の集会所におよそ40人の住民が訪れました。

東広島市医療保健課の吉岡志保課長は「この問題で地域の人には健康面で不安を持っていて、市として寄り添うために実施した。受診した人には検診の結果を返しながらこの問題について話していきたい」と話していました。
市では、23日に受診できなかった人に向けて、4月以降も健康診断を行うことにしています。 NHKニュース


vol.219 ぎむきょーるーむ 早期教育のメリット、デメリット


今から20年ほども前の話。今は尾木ママで知られる尾木直樹氏の講演会がありました。(その当時から少しオネェことばだった気がします)それはともかく。早期教育は意味がない、とはっきりおっしゃっていました。 『早期教育を施して幼児期に特別な能力を身に付けても、小学校に入ったらほとんどが元の木阿弥。僕の娘の例をお話ししましょう。彼女は、カナダに留学するのですが、渡航前は、日本の勉強レベルはかなり上だったので、余裕のよっちゃん、意気揚々としていました。それは最初の一年だけ。あれよあれよという間にみんなに追いつかれ、抜かされて、慌てふためいたんです。向こうの学生は目的が定まることで、猛烈に勉強を始める。短期集中というかね。ということは、学力というものは、勉強に意義を見出せることが大事なんですね。』

もちろん、早期教育の全てが悪いわけではありません。でも、早期教育を始めるなら、いい指導者を見つけて、その後もずっとお金をつぎ込んで、子どもを「その分野で突出した子」にし続けていかなければならないの。尾木ママ(日経ウーマンより)

というわけで今回は「早期教育」を考えてみます。
早期教育は、未就学児に対して知識や技術の習得を目的に行う教育です。 英語や読み書き、運動などが例として挙げられます。 早期教育は、「好奇心や得意分野を引き出せる」といったメリットがある一方で、「自主性や創造性の発達が遅れる可能性がある」などのデメリットもあります。

早期教育と幼児教育の違い     ほいくらしより
早期教育と似ている教育方法のひとつに、「幼児教育」があります。幼児教育は、児童の日常生活における、あらゆる場面での教育の総称です。そのため、保育園や習い事などに留まらず、家庭での生活や地域活動なども幼児教育に含みます。
知識や技術の習得を主な目的とする早期教育と異なり、幼児教育では多様な社会性を身につけることも目的のひとつです。幼児教育で身につけた能力は、今後の人生において子どもの基礎となります。早期教育と幼児教育を混同すると、教育の方向性が定まらなくなってしまうため、それぞれの内容をしっかり覚えておきましょう。

早期教育のメリット
メリット1:子どもの好奇心や得意分野を引き出せる
小さい子どもの好奇心を引き出すためには、新しい経験や物事に接するきっかけを、親が提供することが重要です。思いもよらないものに興味を持つ場合もあり、子どもの可能性を広げることにつながるでしょう。
また、多くの事柄に触れるなかで、子どもの得意分野を引き出せることもあります。得意分野の専門的な教育を受ければ、さらに才能を伸ばすこともできるでしょう。

メリット2:子どもに「自分はできる」という自信がつく
できることが増えると、子どもが「自分はできる」と自信を持つようになります。自信がつくことで、自己肯定感が高まり、子どもはほかの物事にもどんどん挑戦するようになるでしょう。結果として、さらに経験や能力の幅が広がります。
「よくできたね」などの肯定的な声掛けを行うことが大切です。「もっとこうしなさい」といった否定的な発言は、子どもが自信をなくしてしまう可能性があるため、注意してください。

メリット3:育児の相談相手を見つけられる
早期教育は、子どもだけでなく親にとってのメリットもあります。 幼児教室に通う場合、先生やほかの親と交流する機会が増えるため、育児の相談相手を見つけることが可能です。
育児をしていると、日常的にストレスがかかる場面が多くなります。特に、母親は育児に専念していることも多いため、日ごろ他人とコミュニケーションを取る機会自体が減少しやすいでしょう。また、関係性が深いがゆえに、夫には話しにくいこともあるのではないでしょうか。
悩みや疑問を気軽に話せる相手を見つけられれば、親自身が楽しくリラックスできる時間にもなります。

デメリット1:自主性や創造性の発達が遅れる可能性がある
早期教育のなかには、先生から一方的に知識や技術を伝えるだけの場合もあり、主体性が身につかない可能性があります。事前に教室などの情報を集め、子どもが主体的に学べるような幼児教室やサービスを選ぶと良いでしょう。
また、子どもと友達が接する時間が少なくなると、遊びや日常的なコミュニケーションのなかで身につくはずの創造性が養われないことも懸念されます。反対に、早期教育によってほかの子どもよりできる事柄が増えてくると、周囲より優位であることを重視してしまう可能性もあります。

デメリット2:精神的負担を与える可能性がある
早期教育を詰め込むと、子どもにとって精神的な負担となる危険性があります。特に、親が早期教育に対して過度に期待している場合は、教育が訓練のようになってしまうことも考えられます。
子どものなかで、「親を喜ばせなきゃ」「親に怒られないように」などの義務感が発生し、プレッシャーがどんどん大きくなる可能性があります。

まとめ
早期教育は、未就学児に対して知識や技術の習得を目的に行う教育です。英語や読み書き、運動などが例として挙げられます。
早期教育は、「好奇心や得意分野を引き出せる」といったメリットがある一方で、「自主性や創造性の発達が遅れる可能性がある」などのデメリットもあります。 また、早期教育を行う上では、「子ども自身が楽しんでいるかどうか」や「子どもの自主性を抑圧しない」の2点が重要です。早期教育を失敗しないためにも、ぜひ2つのポイントを意識してください。


vol.219 続しょうがいをみつめる vol.1


『障害は個性か』
この問いに対する私の見解は、
「現時点ではNO ですが、社会(我々)が変わればそう言える日が来るかもしれない」です。

障害とは何か。

一般的には、目が不自由なこと(視覚障害)とか、半身麻痺がある人(身体障害)などと考える方が多いでしょう。これを、障害の「医学モデル」といいます。障害は、目が不自由だとか、半身麻痺がある『人』そのものがもっているという考え方です。だから、目が不自由な人はそれを補うため「点字を読めるようにしよう」とか、白杖の使い方を学ぼう」と言われます。半身麻痺のある人は、「杖を使ったりリハビリしたりして機能回復を目指しましょう」と。努力を求められるのは、障害のある人の側だということです。

「障害」という言葉を辞書で引いてみましょう。「物事の成立や進行の邪魔をするもの」とあります。この本来の意味に立ち返ってみると、障害は、目が不自由だとか、半身麻痺のある『人』がもっているものではなく、生活、学習、仕事の成立や進行を邪魔している『社会』の側にあるということになります。これを、障害の「社会モデル」といい、世界的には主流の考え方です。このモデルで障害を考えると、努力を求められるのは、社会の側だということになります。
日本でもこの考え方に基づいて、公共施設にエレベーターが設けられたり、要請があれば筆談で窓口対応をしたりといった環境がかなり整えられてきました。障害者差別解消法などという法律も整備され、障害者雇用率も上昇して社会的に活躍する障害のある方も増えています。
一方でなかなか変わらないのが、社会(我々)の価値観であるしょう。表立って差別することは流石に減ってはきていますが、何かがあると「障害者だから・・・」と言われることはいまだに多いのではないでしょうか。
「障害者だから・・・」と当事者が自分にレッテルを貼り、自ら機会を奪ってしまうことすらあります。
社会(我々)の価値観を変えることは容易ではありません。ですが、社会の仕組みを変え、法律を変え、目に見える部分から変えていくことはその第一歩であり、まさに今その途上にいると私は信じています。

「個性」という言葉を辞書で引いてみましょう。「個人に具(そな)わり、他の人とは違う、その個人にしかない性格・性質」とあります。
目が不自由であっても半身麻痺であっても、その人の望む生活、学習、仕事ができる社会(障害となるものがない社会)であれば、不自由な目も麻痺のある半身も『個性』だと言えるようになるかもしれないし、そうなってほしいというのが、私の望みです。
たとえそれが、まだ遠い道のりだったとしても、障害のある方々を支援する者として理想をもっていたいと思います。

ライター・障害者支援に携わっているS.Iさん


vol.219 やってみた 篠田 睦月さん

 

やってみたシリーズ第22弾
ゼロスタートで、作品展を開く
工房睦月・篠田 睦月さん

倉庫(作品の陳列)兼 アトリエ 兼 お昼寝べや…そんな工房・睦月を建てて早20年。2年ほど前に娘のプライベートの部屋も作ったので、製作の場が狭くなってしまったけど…そう語り始めた篠田さんは、もともと縫製が大好き。好きが興じてすてきなアトリエを作って、毎日せっせと製作しています。 「作ると、きれいにディスプレーして誰かに見せたくなる。でもここでは駐車スペースも少ないし、周りに迷惑をかけられないしね。なら、どこか他の場所でみんなに見てもらおうと、今回可児市文化創造センターalaをお借りして『アートと手作り作品展』を開催することにしたんです」。

自分の夢は学校で習得した大好きな縫製を仕事にすることだった。それで縫製に携わる会社に勤めたものの、“人にたのまれて作る”のではなく、“自分が創りたいもの”を作りたいという気持ちがだんだん強くなってきた。結婚を機に会社を辞め自分のスタンスで創るスタイルに舵を切った。それが売れるのか売れないのか、という問題はあるが、とにかく創ることを楽しみたいという気持ちが強くなってきたという。

「6年前、大病を患い初めて死を意識しました。その時、縫製にまつわる備品とか、コツコツ買い集めたパーツ(ファスナーとかボタンとか…)を手づくり仲間にあげちゃった。今まで作りためてきた作品もあったけど愛着もあるし、何より自分の思いがこもっているしと、作品の処遇を考えました。そこで、お客さんの中に赤十字に勤めている方がいらして、その方に『役に立ててもらえれば』と思って、ほとんど全部差し上げたんです」
後日、その方から連絡が来た。
「作品が好評で結構な収益になりました、ありがとう」と。自分が作ったものが、誰かの役に立てたんだと思うと、自分が救われた気がしたと本当にうれしそうに語る篠田さん。

「身辺整理をすると、なんかすごくスッキリしてね。人生のリセットというか…。そういう意味では、大病は良いきっかけを作ってくれました。今までの自分を棚卸しできたし。でも、元気になると、自分の人生を取り戻したいという思いがむくむくと出てきて。やっぱり洋裁が好きなんだと、再認識しました」。作品はみんな寄付したり、処分したけど、布だけは残してあった。
ゼロスタート!しようと作ったのが、この帽子。これでますます元気が出てきて、自分の人生を生きようと思った。病気で一度は覚悟した自分の命。よし、人生を仕切り直そう。売れる、売れないは気にせず、「創りたいものを作る!」と。
今は作ることが楽しくて、楽しんでできた作品を集めて作品展をしたいと思いを馳せ、この5月に第2回作品展が実現する。

 いろんな人と出会って…作品展のやり方を学んできた。そう考えると「自分の人生全部が作品」なんだという篠田さん。利益だけを追求するのではなく、「やることに価値がある」と。今回の文化創造センターの会場も一人では広すぎて…で、協力してくれる人を探していたら、呼応してくださった方が二人。今までお付き合いしてきた方々で、恵那の井口 久美子さんと(洋服)と、群馬の田中 克樹(切り絵)さん。

 「手作りの品って、丹精込めて作る割りに採算が合わないんだよね。でも作家たちはプライドを持っていらっしゃる。私は捨て身でやれるけど、お二方を巻き込むわけにはいかない。その塩梅が難しいです。でも、やってみなきゃわかんないです。今年は2回目。来年3回目ができるといいなぁ」と篠田さんは早くも来年の構想を練っているようだった。


vol.219 熱中人 青木 ラブさん

“普段遣いの女優”というキャッチーなフレーズを引っさげて颯爽と現れた青木ラブさん。マッシュルームヘアが印象的なラブさんは、今年2月24日から上映された「女優は泣かない」に出演した。

ーラブさんが演じた内田仁美はどんな人?
主人公の梨恵(蓮佛美沙子)は可愛い人なんですけど性格が悪くて友達がいないのね。内田は梨恵の地元の同級生で、唯一の友達。ちょっとキャラが強め、というのが私の役どころです。

ー映画のストーリーは?
主人公の梨恵がスキャンダルで仕事を干されて、その再起をかけた仕事を地元・熊本でドキュメンタリーを撮る。ドキュメンタリーを撮るのが、若手ディレクターの咲(伊藤万理華)。地元で撮りながら、彼女のルーツに触れていき、彼女の家の問題と、仕事を絡めた梨恵自身の問題がさらに絡んで、最後は家族の話になっていくんです。升毅さんが、梨恵のお父さん役。宮崎美子さんは梨恵の昔の彼氏のお母さん役。そして双子のマナカナのお姉ちゃんの方、三倉茉奈さんが梨恵のお姉さん役というキャスティングです。
まだ完成する前のたたきの状態の台本を読んで、なんていい本なんだって感激しちゃって。だからオファーをいただいたときは本当にうれしかった。

ー自分が演じた作品が、世の中に出ました。どんな気分ですか?
実はこの映画の企画ができたのは6年も前なんです。コロナ禍があったので、伸びに伸びてしまって。熊本ではクランクインして2日目でコロナになって、自分のパートを一つだけ撮ったら、監督から「ラブさんごめん、大事な話があります」って言われた時はドキッとしました。結局、監督はじめ5人の方がコロナに感染してしまい、もう撮れないと判断し一回中止しますと。そこからさらに1年。本当にやっとできた作品なんです。だから私、一演者なんですけど、この作品の宣伝をやれることがあれば全てやりたいと思って、東京でもラジオに出て、豊田と東海市のラジオ、高崎のラジオと岐阜のラジオ…ともう一人でいろんなところに行って宣伝していました。

ー青木さんの出身は岐阜県大垣市。高校では演劇部で活躍、大学卒業後は、就職活動はせずに女優の道に進みました。今、迷いはないですか?
それは…ありますね。やっぱり同級生の友達が大企業で働いてちゃんとした収入を得て生活しているのを見たり、友人の家に遊びに行くと、友人の子どもが懐いてくれて、それは楽しい時間なんですけど、こんなにも人と違う生活、人生を選んだ私。これで良かったのかなというのは、ついて回ってきますね。でも、今は邁進してやりきること。この映画の番宣をやりきる。そこから何か派生してお仕事に結びつくこともあるだろうし、いろんな人に出会えるチャンスだと思うんです。こういう風にちゃんとした映画になったものがあるので関心を持って頂ける。見せるものがないと、宣伝もできないし、評価もしていただけないですしね。なので今はこの映画の番宣をしながら自分の営業をしています。

ーこれから、目指すことは?
朝ドラに出たいですね。なんでかわからないんですけどすごく「朝ドラ」に出たい。年末に自身のプロフィールを持っていろんなテレビ局に飛び込みで営業に行きました。日本テレビと共同テレビ、テレビ東京。プロデューサーさんに手渡すんですが、最初は手も止めてくれない。でも自分はフリーの役者をしていてちゃんと自己紹介をして、ごあいさつをすると「えっ?本人なの?」って、きちんと正対して向き合ってくださるプロデューサーさんもいらっしゃいます。これはもう自分で行かなきゃと思ってます。ただ、朝ドラは日本放送協会。入構証がないと入れないんです。西島秀俊さんのマネージャーさんがとても親切な方で、その方が NHKに行かれる時に一緒に行きたいとお願いしました。

ー呪文のように「朝ドラ」「朝ドラ」に出るまでは…?
はい、髪の毛もツヤツヤにして、マッシュルームヘア(天使のリング)を売りに、こういう個性的な人、要りませんか?と記憶に残る飛び込み営業をし続けます。

あるオーディションを受けた時、大変すぎて帰りの電車の乗り換えがわからないほどヘロヘロになってしまって。体力には自信あったんですが、これじゃダメやと思い、心肺機能を高めようと始めたのが、キックボクシングです。もう7年続けていますが、運動することで心と体が保たれるんです。

*1983年生まれ、岐阜県出身。近年の主な出演作品に、映画『タイトル、拒絶』(20/山田佳奈監督) 、YouTube日本生命チャンネル「心配性の母ちゃん」(22)、TV「働かざる者たち」(20)、「スカッとジャパン」(21)、舞台「呼吸」(22/西条みつとし演出)、「快物」(19/倉本朋幸演出)ほか。秦建日子主宰演劇ワークショップTAKE1 出身。


vol.219 アウトドア特集

日光にあたるメリット
日光を浴びると、セロトニンやビタミンDなどが生成され、私たちの体と心に良い影響を与えます。

骨や歯を強くする
紫外線を浴びると、ビタミンDが生成されカルシウムの吸収を良くする働きがある。
脳の健康に役立つ
ビタミンDは、脳機能を正常に保つ働きがある. 年齢とともにビタミンDの摂取レベルが低下すると、認知を司る脳の機能が低下することが分かっています。
免疫力が上がる 体内時計をリセットする
朝すっきり目覚めたり、夜ぐっすり眠れたりと規則正しい生活を送れます。

日々の活力や健康的な体を保つためには、太陽の光が欠かせない。1日30分は外に出て、日光浴をする習慣をつけてみてください。

 


vol.219 菌ちゃん野菜応援団 vol.39

三寒四温、いや、五寒二温?というくらい寒さの残った3月。月末に雪が降るなんて何年ぶりだったでしょうか。
せっかく植え付けたじゃがいもが寒さで凍みたのでは!と心配になるほどでした。でも、春!春が来ましたね。
毎年この季節は、あー新しく畑仕事が始まるなぁとわくわくします。冬の間にためた生ごみ漬物を土に返し、コンポストの中の堆肥を取り出し、草を使って草堆肥の畝を作り。とにかく「土つくり!」土が出来てなければ野菜は育たない!!!発酵した土が出来ているか、つまりは土壌中にどれだけ微生物がたくさん居るか。そこがキーポイント。
 また腐敗菌を増やさないためにも今年は軽トラでたくさん炭を買い付けてきて畑にすき込みました。炭は光合成細菌の高級マンション。これで有用菌がきっとたくさん入居してくれることでしょう。
今年は畑活の日を固定にして皆様に参加してもらいやすい形にしていこうかな、と考えてもいます。各務原は水道水から検出されたPFAS問題もまだまだ未解決のところが大きいですよね。
PFASにとどまらず現代社会には様々な化学物質が溢れていて、そろそろ無視できないレベルに来ています。そこに光を当てるのが微生物!!地球環境問題も、体内環境問題も。微生物がうまく動いてくれるようにすることで解決に向うことは多いのです。畑にも菌ちゃん!体内にも菌ちゃん。さぁ、今季も菌ちゃんと仲良くしていきますよぉー!!

作り方は簡単。
大豆1キロ、糀1キロ、塩350グラムを用意。
①大豆は一晩水でふやかして柔らかく茹で、潰しておく。
②糀と塩を合わせた塩切り糀をつくる。
③庭に出てその場にある野草たちを摘んでくる。今回我家の庭にいたのは、はこべ、ふきのとう、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリ、カキドオシ、ユキノシタ、ヨモギ、ノビル、等など。
④野草をきれいに洗って細かく切り、①、②と共に合わせる。固いときは豆の茹で水で調整する。
⑤容器に空気を抜きながらきっちり詰めて密封。半年から1年後をお楽しみにします。
味噌汁にしたり、味噌和えにしたり、味噌炒めも美味しい。春の野草は身体の毒出しにもってこい。熟成が楽しみです!


vol.219 ボーダーレス社会をめざしてvol.78

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

住まいと意思決定

障がいのある人はどのような所で暮らしているのでしょう。まず、入所施設と言われる所があります。20年ほど前に「障がいがある人もない人も、同じように地域で暮らす」という「ノーマライゼーション」の考え方が主流になり、入所施設が建てられなくなりました。
次に現在多く利用されているグループホーム。高校を卒業後、そのままグループホームへという流れはできてきているようです。都会では、シェアハウスもあります。あとは、自宅です。親御さんの年代により大きく動きが違ってきています。放課後デイサービスなど多くの公的サービスを使い慣れてきている親御さんたちは、スムーズにグループホームの利用を考えられます。 私の年代の親は、子どもとなかなか離れられずにいます。そんな中、親と障がいのある人が一緒に暮らせる施設というものがあるというのを紹介したいと思います。
因島にある高齢者・障害者地域生活総合支援センター「はばたき」です。他の地域でも障がいのある人と親とが一緒に支援を受けられる施設というものが少しはあるようです。しかし、なかなか全国的には広がっていかないようです。国の制度では、経営・運営が難しいのだろうと思います。昔は施設か自宅かの二者択一でしたが、今は多様化してきています。しかし、親御さんと一緒に暮らしていらっしゃる方は多いと思います。 障がいのある人が高齢になれば、当然、親はもっと高齢です。家族そのまま地域で支援という事が、これからは増えてくるだろうと思われます。先日そのような会議がありました。高齢者の支援者と障がい者の支援者との顔合わせがありました。家族支援となると当然の成り行きですが、初めての経験でした。親が介護保険を利用し、障がい者が障害福祉サービスを利用するというケースです。
障がい者に携わっている人が、高齢者支援のノウハウを知らないのと同様、高齢者を支援されている方は、障がい者についてほとんどご存知ないのが実情です。これからは何度も話し合いの場を持って理解を深めていくより仕方がないのかなと思います。果たして障がいのある人の事をどれだけ、高齢者支援の方々が理解していらっしゃるのか・・・?興味津々でした。
話し合っていくと障がい者が、よく分からないようでした。
① 経験したことは、理解できますが、経験していないことは、分からないのではないでしょうか。
② 選択肢は3つくらいまでで、ことばだけでは多分理解できないでしょう。
③ 「今後どうしていきたい?」という質問は、難しく、具体例がないと分からないと思います。
④ ゆっくり分かりやすいことばで話してほしい。など、本人を交えての会議では知っていて欲しいことを4つほど障害福祉サービス側からお話ししました。
「分かりませんか??どう話したらいいでしょう?」と困っていらっしゃる姿は印象的でした。本人主体と言っても、ご本人がどうしたいと言えない人がいるという現実に愕然としていらっしゃるようでした。
障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドラインというものがあります。
① 本人への支援は、自己決定の尊重に基づき行うこと。
② 職員等の価値観においては不合理と思われる決定でも、他者への権利を侵害しないのであれば、その選択を尊重するように努める姿勢が求められる。
③ 本人の自己決定や意思確認がどうしても困難な場合は、本人をよく知る関係者が集まって、様々な情報を把握し、根拠を明確にしながら意思及び選考を推定する。
高齢者支援の方と一緒に、できる限りご本人の意思を推定し、物事を進めていくことが大切になります。


vol.219 夢か悪夢かリニアが通る!vol.48

 

JR東海の丹羽俊介社長は3月29日、リニア中央新幹線を巡り「残念ながら2027年の開業は実現できる状況にはない」として品川―名古屋間の「27年開業断念」を公式に表明しました。しかし、その原因については「静岡工区が開業の遅れに直結している」と相変わらず静岡県が県内の南アルプストンネル着工を認めない「せい」にしています。もし、この4月に着工できたとしても、開業は「34年以降」になる見通しだとか。ところが、同県の川勝平太知事が辞意を表明し、4月3日に記者会見すると翌4日、同社は山梨、長野両県の工事でも31年まで工事が遅れることを初めて明らかにしました。静岡県以外の沿線各都県でも工事が大幅に遅れていることは以前から指摘されていましたが、同社は頑なに認めようとしませんでした。リニア事業が足元から揺らぎ始めています。       井澤宏明・ジャーナリスト

『2027年断念』の波紋

「リニア問題が大きな区切りを迎えた」。辞職を決断した理由を述べる川勝知事(2024年4月3日、静岡県庁の記者会見で)

「失言」と「リニア区切り」で辞職決断
川勝知事の辞意表明のきっかけは県の新採用職員への訓示でした。
「静岡県庁というのは、別の言葉で言うとシンクタンクです。毎日毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたり、あるいはものをつくったり、ということと違って、基本的に皆さま方は頭脳・知性の高い方たちです。ですから、それを磨く必要がありますね」
猛批判を受け報道陣に釈明した2日夕、突然漏らした辞意。川勝知事は3日、改めて記者会見し、「特に一次産業、農業、酪農、水産業は最も大事にしてきた産業で、そういう方たちの心を傷つけたとすれば誠に申し訳なく、心からおわびを致します」と謝罪しました。
辞職決断の原因として「失言」以上に強調したのが「リニア問題」でした。
「一番大きかったのはリニアです。私は(任期の)4期目はリニアの南アルプストンネル工事から、南アルプスの水と生態系、環境をいかに守るかということに心を砕いてきた。リニア問題を解決するのは、事業計画を見直す以外にないと思っていた」
川勝知事は「27年開業断念」を挙げ、「丹羽新社長が事業計画見直しに踏み出された。リニアの問題が大きな区切りを迎えた。県民と約束したリニア問題で一里塚をしっかり越えた」と自賛してみせました。
さらに、「リニアについては将来世代のことを考えなくちゃいけない。南アルプスは国立公園ですから、自然を保全することは日本の国策であると信じているし、ユネスコエコパークですから、政府が関わっているので国際的公約であると。(リニアは)国家的事業とはいえ営利事業ですから、堂々とものを言わなくちゃいけないと思っていた」と、自負ものぞかせました。

「南アルプストンネル、ペイするのか」
静岡工区に関しては国の有識者会議が23年11月、約3年半の議論を終え報告書をまとめました。とはいえ、南アルプストンネル掘削により大井川の水が減ったり、上流の沢が枯れて生態系が破壊されたりする恐れがなくなったわけではありません。県は国に議論を求めていた47項目のうち30項目が「未了」だとして着工を認めず、専門部会で同社と対話を続けるとしています。
3日の記者会見ではこの点についても「道半ばで解決されていないのでは」と問われましたが「仮に工事をやる場合にしても2040年近くまでということだから、いかに南アルプス(トンネル)工事が長い時間かかるものでペイする(採算がとれる)かどうか問われているんじゃないか」と、繰り返し主張してきた南アルプストンネルの「ルート変更」を示唆する回答で応じました。
リニア事業そのものについても「立ち止まってどうしても考えざるを得ない段階。従来とはまったく違う次元に至っている」と、問題提起しようとする場面もありましたが、マスコミが取り合うことはありませんでした。
リニアの県内着工を巡って「命の水を守る」と国やJR東海と対峙し続け「静岡バッシング」の的となってきた人物の突然の退場劇。NHKが夜7時のニューストップで報じるなど、リニアの行方とからめて注目を集めています。川勝知事は任期を1年残して4月10日、辞職願を提出する意向です。直後の知事選でリニア問題がどう語られるのか、注目したいものです。

「2027年開業断念」を公式に表明した丹羽社長(左、YouTube鉄道局チャンネル「第2回リニア中央新幹線静岡工区モニタリング会議」から)

 

 


vol.219 ここいく日記 はじめの36歩!


いのちの授業 じっくり編
普段の授業は決められた時間の中で、性教育の国際水準ともされているガイダンスのようにジェンダーへの理解や、体と心の発達、性や生殖など包括的性教育の一連の内容をギュッと凝縮して伝えています。でも、本当はもっと時間をかけて丁寧にじっくり伝えたい。昨年の「いのちのつながりフェス」をきっかけに、通常の授業をテーマごとに分けて取り組むことに挑戦しようと決めたここいく。まずは、今年3回に分けて自主授業を企画しました。今回はその授業の様子をお知らせします。

2月10日(土)☆成長する体の仕組み・食育☆
通常の射精・月経・プライベートパーツのお話に食育をセットで伝えました。大人の体に近づいてくると、いのちをつなげる体に成長します。成長するには食べることが必然。じゃあどんな物を食べる?朝は?昼は?10年、20年先、健康な精子が作られる体であること、赤ちゃんが産める体であること、そのために食べることを大切にして欲しい。砂糖・添加物の話では、ジュースにどれだけの砂糖が入っているかをクイズにしてみんなで考えます。普段飲んでいるものに、想像以上の砂糖が入っていることを知ると、子どもも大人もびっくり!!まずは知ることが大事。知っていることで何を食べるか自分で選択できる。本当に食は大切ですね。食育だけの授業をやりたいぐらいです。

2月24日(土)☆いのちの始まり・性の多様性・心の話☆
通常は人間の性交や受精しか教えませんが、他の生き物はどうなのかな?魚は?ニワトリは?精子は空気に触れると生きられない。どの生き物も水がないと生きられない。知れば知るほど面白い。いのちってすごい!生きるってすごい!
それぞれの生き物が様々な方法でいのちをつないでいる…いのちの神秘、精子と卵子の出逢いを知ることで、自分のいのちも大切にできる。そして性の多様性やジェンダーの話の中から、お互いの違いを認め合うことで、ありのままでいいんだ…自分らしくでいいんだ…と感じてもらえたら嬉しです。性交も受精も、生まれ方も産み方も、性別も家族の形も、み~んな多様であることを伝えたい!そんな思いのプログラムとなりました。

3月17日(日)☆妊娠と出産の話☆
妊娠中の胎児の成長を、お腹の中の赤ちゃんの様子や重さの変化で伝えます。今回は、途中でお空に帰るいのちのこと(流産・中絶)も伝えました。そして出産へ。普段の授業では、経腟分娩での出産劇を見てもらい、帝王切開については話をするだけですが、今回は両方とものお産を出産劇で伝えました。妊婦さんが、「触って欲しい、欲しくない、この体勢がいい!」などハッキリ自分の意思を伝えながら陣痛と向き合う迫真の演技に、参加の子どもたちは本当に心配そうに見ていました。帝王切開も手術の様子をリアルに再現。お腹を切って、子宮を切って赤ちゃんを取り出します。自分も帝王切開で生まれたのと教えてくれた女の子。自分の出産の時を思い出しましたと話してくれたお母さん。終了後に、参加者の皆さんの感想を聞き、交流ができてとても良かったです。

もっともっと伝えたい、学びたい、ここいくは今も進化中!!自主授業も続けていきたいと思っています。

担当:ここいくメンバー 小田 佐知子でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)


vol.219 プレゼントコーナー

219号PRESENTS

プレゼントご希望の方は
ハガキまたはe-mailで、下記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
1-最近びっくり!しちゃったこと
日常の中のささいなことでも大歓迎!あなたが最近驚いたことってなんですか?
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望を必ずお書きください)
※Aは編集室まで受け取りにこられる方。
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、家族構成
〆切:〆切:2024年5月25日  当日消印有効。
宛先 〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。


A.青磁の平皿2枚セット にらめっこより…2名様


涼やかな色合いの青磁は、これからの季節にぴったり。お刺身、水羊羹、カルパッチョ、サラダ…食卓を彩る器と料理とのコラボレーション。見て、味わって、楽しみの幅が広がりますね。野の花をおいても青磁は花を引き立てますよ。
にらめっこ編集室でお受け取りください


B.CINEX映画招待券   CINEX様より…ペア3組様


映画の主人公の生き方に励まされ、力をもらう。そんな名作と出会えたら、毎日の生活に変化が起きそう。いろんな人生に出会いに映画館に行ってみよう。
写真は映画「パリ・ブレスト〜夢をかなえたスイーツ〜」の1コマ。
柳ヶ瀬のCINEXでご利用いただけます。


C.「おとなの音あそび」ご招待 アートギャラリー是様より…ペア1組様


ピアノにサックス、ウクレレ、ギター…。音楽を楽しむ人集まれ!腕前を披露する人も聴くだけの人も、心地よい空間で、飲みながら・食べながら楽しいひと時を過ごしませんか?


D.よりよく生きるためのライフデザインノート「ゼロの昇天」
人生これから!様より…2名様


もしもその時が来たら、私らしく見送ってほしい…。でも、私ってどんな人?その時が来るまでどんな風に生きようか。など、よりよく生きるためのヒントが詰まった一冊です。絵本作家・高畠純さんのイラストが温かく寄り添います。


vol.218 生命力あふれる土の物語


簡単でスゴイ「土ごと発酵」
まず、作物の茎葉や残渣、雑草などをそのまま発酵素材として活用。田畑にある有機物をその場所で活かすやり方だから、運ぶ手間もかからず、とっても小力的です。
通路に摘葉した葉を置きその上から米ヌカをふる。収穫後に、ワラや収穫残渣の上から米ヌカをふる。すると、白いカビ(糸状菌)がビッシリ生えてきます。米ヌカは微生物が利用しやすい養分やミネラルが豊富で、残渣などとともに土の表面・表層に集中的に施すことによって、微生物相が劇的に変化し、田畑が糠漬けの床のように発酵の場に変わります。発酵の過程で微生物は、エサとして土のミネラルを溶解・吸収します。土は微生物のすみかであるとともにエサにもなり、こうして土全体が発酵する。だから「土ごと発酵」なのです。
土ごと発酵によって、有機物や土のなかの溶けにくい成分、ミネラルが有効化し、これに微生物がつくるアミノ酸なども加わり、作物は健全に育ちます。だから肥料はなくていい。健全で病気に強いだけでなく、個性的なおいしさも生まれる。土ごと発酵は、簡単でスゴイ!!
ウネは壊さずに不耕起とし、収穫後のウネの上に残渣を盛り、その上からボカシや山草をおいて発酵させます。


微生物が土の粒子を活性化し、団粒化をすすめる
土ごと発酵では、微生物が「土を食べて」ミネラルを溶解・吸収するとともに粘土などの土の粒子を活性化し、さらに活性化した土の粒子をパワーアップした微生物が結びつけ、団粒がつくられるようです。
「よい土では、養水分が『回流』する」と、農業環境技術研究所の樋口太重氏が指摘をしています。樋口氏は、土における養水分の流れを、人体の血の流れにたとえて、血流の悪化が脳溢血など各種の疾患を招いているように、土の健康度を血流ならぬ回流のよしあしからとらえようというわけ。
畑の養分過剰は、「回流」の低下が原因
石灰やリン酸など、養分が過剰に溜まっている畑では回流が弱まっているからと言われます。血の流れが悪くなると、血圧を上げてすみずみまで血を流そうとしますが、その時、血液に圧力(力学的ストレス)がかかり、その結果、血そのものがさらに流れにくいドロドロになる。つまり、血液の流動性の低下が高血圧を招き、高血圧が一層血流の流動性を低下させるという悪循環が、事態を悪化させていく。これと似たようようなことが、肥料が過剰に蓄積する過程で起こっているのではないだろうかと、樋口氏は土壌のEC(肥料濃度)の上昇は、回流を悪くする方向に働くと指摘しています。ECはいわば血圧に相当する。これが高濃度になると回流が低下し、その結果ますます肥料濃度が濃くなり、それが一層回流を停滞させる。通気性が悪ければ、発酵にかかわる微生物も貧弱になり団粒形成も進まない。肥料効率が悪いうえに根の活力・吸肥力も弱い。こうして養水分は回流せず、肥料が化合物として溜まっていき、一部は流亡して地下水を汚染することになる。
今、畑に求められていることは、土を団粒化して、水や空気を保持しやすくすること。土壌微生物層を豊かにすることですね。

土ごと発酵を通した、作物―土―作物の循環
残渣の利用で大切なのは乾燥させてからすき込むこと。生で水分の多い状態では発酵ではなく腐敗のほうに進んで行きます。そして「残渣を十分に乾燥させると、脱水していくなかで「死物寄生菌」である「体内菌」が目を覚まし、発酵をはじめる」。ここでいう体内菌とは、こうじ菌、納豆菌、乳酸菌、酵母など発酵で活躍する菌ちゃんたちで、その発酵を促進してくれるのが米ヌカ。そして、この体内菌は土ごと発酵を通して作物から作物へと引き継がれていくんです。土ごと発酵のやり方は田畑、農家、地域により多様で、そこから生まれる作物もまた多様です。それぞれに個性的な作物と、微生物も小動物もミミズもたくさんいる生命力あふれる土の物語は、農家を元気づけ、私たちを惹きつけることになります。

「菌ちゃん野菜応援団」でいつもコラムを書いてくださっている菌ちゃんアドバイザーの各務 亜紀さんは随分前から「土ごと発酵」を実践されています。その驚く効果を取材しました。

戦後、農薬と化学肥料を使う慣行農法が主流になったので、土の生命力が落ちてしまった。農薬と化学肥料は微生物を殺してしまうから。現代社会も、殺菌、滅菌、抗菌、除菌とどんだけ菌ちゃんを避けてるんだ?と思います。また、昔の人は落ち葉を集めたり、肥溜めを作ったりして有機物を堆肥にしてから土に戻していました。自然と共生していたんですね。
土ごと発酵は、土に生ゴミを入れて、そこに米ぬかを入れるんですが、米ぬかだけだと腐敗しやすいので、いい菌ちゃんがいっぱいいる状態のぼかしを使います。大きめのポリバケツに生ゴミと塩を入れて、漬物のように嫌気発酵させます。それを土に入れると、土の中で分解が始まります。生ごみの発酵、分解の過程を土の中で行うので、「土ごと発酵」なんですね。土ごと発酵することで、土中に有用微生物が増え、その結果、団粒構造の土ができ、野菜が元気に育ちます。

驚く効果
キャベツ:甘い ブロッコリー:苦味がないスッキリした味。きゅうり・人参:くさみがない。そして何より野菜に虫がつかなくて美味しい!
害虫が来にくい。益虫とちゃんとバランスをとってる。益虫はカマキリとかてんとう虫とか、蜘蛛とかね。そういう虫たちが増えていく。いらない命というものはこの世にはひとつもありませんから。


vol.218 土壌を発酵させて安心へとつなぐ

人間の目で見える大きさの限界は0.1〜0.2mm。髪の毛1本くらいの太さだといわれます。それより小さなものは目に見えませんが、空気中や土の中、私たちの体内にもたくさんの「菌」がいます。菌は物ではなく、れっきとした生きもの。食べものにも棲み着いて、色々な変化を起こします。小さいけれど私たちの生活に欠かせない、菌ちゃんの世界を見てましょう。

「発酵」は菌のはたらき

私たち人間と同じように、菌も食べものを食べて生きています。例えば、麹菌(カビの一種)が大豆のタンパク質を食べて、アミノ酸(人間が食べると旨みを感じるもの)をつくり出すと、大豆は味噌に変化。人間はこの変化を「発酵」と呼び、昔から食べものづくりに利用しています。

畑も発酵する?

「発酵」が役に立つのは食べものだけではありません。野菜を育てる畑でも重要な役割を持ちます。森や林の中の自然の土では、動物の死体や落ち葉が菌に分解され、植物が根で吸収しやすい形の栄養に変化します。人間がつくった畑では自然に栄養素が出来にくいため、菌を畑に入れて様々な栄養をつくってもらう必要があるのです。

土壌づくりに役立つ“土着菌”のススメ

土着菌とは、その地域に元々棲みついている様々な菌のことを指します。土着菌は地域や採取する場所、季節によって性質がそれぞれ異なりますが、身のまわりにある山林や竹林、田んぼなどからいくらでも採取できることが特徴です。
土づくりに役立つ土着菌の名称として「ハンペン」という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。ハンペンは、林の中にある落ち葉などをどかすと現れる真っ白な菌糸のかたまりを指します。なおハンペン=1種類の微生物ではありません。しかしそんな地域環境に合った強い菌たちを活用することで得られる効果は多々あります。

土着菌の採取方法
もし林にある落ち葉の下などに先に紹介した真っ白い菌糸のかたまり(ハンペン)が見つかれば、それはそのまま土づくりに活用できます。見つからなかった場合には、・腐葉土・硬めに炊いたご飯・通気性のいい弁当箱状の箱やバケツなどを用意します。弁当箱状の箱やバケツにご飯を入れ、腐葉土に混ぜ込むか置くかします。すると数日後にはご飯に様々な色をした菌(麹菌やケカビなど)が生えるはずです。それを採取します。

採取した土着菌を使ってぼかし肥をつくろう
ぼかし肥とは、油かすや米ぬかなどの有機肥料に、土やモミガラなどを混ぜて発酵させて作る肥料のことを指します。土に肥料分を混ぜて薄める=ぼかすという意味合いから”ぼかし”肥というのだそう。さっそく採取した土着菌を使って、ぼかし肥をつくっていきましょう。
必要なもの ・米ぬか・おから・採取した菌・水。
作りかた 1)原材料と水(500cc程度)を混ぜる。2)日陰で発酵させ出来上がり!というシンプルさです。採取した菌と水を入れ、よくかき混ぜたら、<米ぬか:おから=3:1>で混ぜたものに加える。混ぜたものは日陰で発酵させます。一日一回かき混ぜて発酵が進めば、4〜5日ほどで発酵熱が生じます。好気性菌なので、発酵熱が生じ始めてきた頃から切り返し(土の上と下をひっくり返すように混ぜる)を行い、空気を循環させます。

土着菌等を活用した土づくりのコツ

先で紹介した土着菌の採取方法やぼかし肥の作り方ですが、注意点があります。土着菌は当然ながら生きています。そのため、気温や環境によって紹介した日数でうまくことが運ばないこともあれば、発酵が進みすぎることも十分考えられます。
土着菌等を活用して土づくりを行う場合には、彼らが生きていることに配慮して、彼らの変化をよく観察したうえで行動することが大切です。成分が明確に数値化された化学肥料に比べると、手間暇はかかります。しかし微生物と向き合った土づくりには、土の変化が日に日に感じられるという魅力がありますよ!   参:自然派COOP


にらめっこは毎年、味噌用の大豆を作っています。昨年お借りした畑は今年で2年目。以前、その畑は慣行農法で作物を作っていた様子。なので、昨年は、葉ばかり大きくなり、莢の実は小さかった。まぁ、合間を見て草刈りをしなければならないところを、ちょっとサボった面もある。草も随分育っていた。
さて、今年は昨年の大豆がしっかり残留肥料を吸い取ってくれたであろうと、期待は大きかった。草もまめに刈り取り、根元に置いた。苗の間隔も十分。日あたり風通しも申し分ない。先日いそいそと収穫した。期待は膨らんでいたが、莢は膨らまず・・・なぜじゃ〜!!早速ネットで調べる。タネの蒔き時、よし。肥料を与えない、もちろんよし。風通し、良好。雨??うーん今年は長雨が続いたし、水はけが良くない?畝は低かったわ・・・。大豆の幹は太く芯は茶に変色していた。うーん、原因がわからない。来年は、土着菌で堆肥を作って畑を発酵させてみよう。(mi )

 

 

 

 

 


vol.218 ぴーふぁす汚染はじまったばかり

 前号(217号)では水は土壌を汚染する、という特集でした。微生物は地球を救う!というなんとも心強い菌ちゃんの存在。しかし、「永遠の化学物質」はなかなか手強いのです。以下、『これでわかるPFAS汚染」ー暮らしに侵入した「永遠の化学物質」ー(著:原田浩二)を抜粋します。

農作物がピーファスを取り込む
大阪府摂津市におけるダイキン工業淀川製作所周辺での土壌、地下水のピーフォアが高濃度で検出されたことはすでに紹介しましたが、この一帯では水道水の汚染はあまりありませんでした。これは水道の水源が主に淀川の水であったためです。しかし、農家で農作物を自家消費している住民には、ピーフォアが100ng/ml近い血液濃度の人もいました。水道水以外に考えられる摂取経路として農作物に着目しました、農家さんの野菜を分析し、ピーフォア濃度が高いことが明らかになりました。ピーファスの中でも、ピーフォアで高い汚染がある土壌では農作物にピーフォアが入り込んでしまうことがわかり、ピーファス汚染がもはや水の問題に止まらないことを示していたのです。

土壌汚染対策法の導入を
日本ではピーファスの土壌汚染の状態が不明のままに放置されています。しかし日本の法律には「土壌汚染対策法」という、運用次第では強力な法律があります。土壌汚染により汚染された水を飲料水として飲むリスクの低減、人の健康被害の防止のため、国が土地の所有者や管理者、あるいは占有者に汚染の除去を命じることができる法律です。
米国には、汚染対策法として「スーパーファンド法(Superfund Act)」があり、「包括的環境対策・補償・責任法(CERCLA)」と「スーパーファンド修正および再授権法(SARA)」の2つの法律がセットになっています。汚染調査や浄化は米国環境保護庁が行い、汚染責任者を特定するまでの間、浄化費用などは石油税などで創設した信託基金(スーパーファンド)から支出するしくみになっています。日本の「土壌汚染対策法」も本気になって運用すれば、ピーファスの土壌汚染対策に大きな力を発揮するはずです。
また将来的な適用を考えて、土地の所有者が取り組みを進めることも期待したいです。日米安保条約に関わる地位協定の制約もあり、困難な課題ではありますが、日本の法律で明確に位置付けることは、在日米軍に対しても、対応を求めるための根拠となると考えられます。

ようやく対策強化に動く日本
日本では2023年1月に入って、ピーファス対策強化を視野に入れた議論がようやく始まりました。厚生労働省、環境省の合同会議では、今後の水質目標値の再検討が行われ、一度は据え置きになったものの、検討する姿勢が示されました。その根拠となるリスク評価に内閣府食品安全委員会が着手し、その結果が23年度に出され、それに基づいて改訂が行われる可能性があります。23年2月にはピーフォスとピーフォアが水質汚染防止法の指定物質となりました。23年8月には土壌中のピーファス分析の方法が環境省から自治体に通知されました。
私も参加している環境省による「PFASに対する総合戦略検討専門家会議」では、ピーフォア、ピーフォス以外のピーファスの取り扱い、汚染実態の調査の強化を提言し、24年度予算への要求が出されました。これが十分かは議論がありますし、行政、自治体の取り組みについて市民の目を向けて、声を上げていくことが必要です。
今後も、新たな汚染地域が見つかっていくと思います。ピーファス問題というのは、ピーフォス、ピーフォアの製造は廃止で終わったのではなく、はじまったばかりなのです。

ピーファスの人体への影響
ピーファスの環境汚染の状況や摂取の実際を知ると、結果としてどのような影響があるのかについて、心配されるかと思います。ピーファスのうち、ピーフォス、ピーフォアについてはこれまで多くの研究が行われ、いろいろなことがわかってきました。
2000年代半ばに行われた、ネズミなどを使った動物実験は、特に、親のネズミにピーファスを投与して、生まれてきた胎仔の成長が遅れることが示されました。この影響は肝臓や神経、発がん性の影響が出る投与量より低濃度でも確認され、多くのリスク評価で目安になっています。ヒトの健康調査となる疫学研究でも、母体血中のピーフォアとピーフォスの濃度と出生体重に程度の大小はありますが、関係があったことが報告されています。これらの疫学研究では、血中濃度はそれほど高くなくても影響が見られ、人間は実験動物よりも影響を受けやすい可能性があります。


各務原市では、昨年11月、岐阜民医連 PFAS汚染健康調査実施委員会が地元住民ら131人/希望した28~96歳の男女131人(各務原市122人、岐阜市9人)を対象とした血中のPFAS濃度の検査を結果を発表した。
住民が要請したにも関わらず、「血液検査の実施はしない」「浄水器取り付け費用の補助はしない」と結論づけた各務原市。2023年4月からは下水道料金の値上げをしたばかり。市民からは不満、不信感は拭えない、という声が多々聞こえる。

そこで、血中のPFAS濃度の検査を受けた方からその数値結果と感想をお聞きしました。
(個人情報保護のため名前と整理番号は伏せてあります)
 もう検査結果を見て、衝撃だった!ここに住んで23年。私より長くここに住んでいる人よりも数値が高かったし!単純に検査結果は年齢が高ければ高い人ほど数値が高いと思っていたけど…違っていました。もちろん個人差もあるだろうけど、平均値より高い数値に正直驚いています。でも、なんで自分はこんなにも数値が高いんだ?
10年くらい前のことですが、人間ドックでLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の値が高い事が明らかになって、その時「食生活を考えて」と言われて気をつけていたのです。卵とか脂質は控えるとかね。でも何をやってもその数値が一般的基準値を超えてる。何がいかんのかさっぱりわからなくて。これって、も、もしかして、私のコレステロール値が高いのは長年飲み続けてきた水道水!PFASのせいかも?…なんて思ってしまうんです。因果関係なんてわからないですが、それくらい不安です。今は水道水を飲んでいないので、今後の検査で私の脂質異常症がどう変わるか、すごく興味があります。
市は「相談窓口を設ける」という事ですが、満足できる解答が得られるか、その窓口がちゃんと機能するのか。たらい回しは御免被りたいです。それと相談窓口で受け取った内容をデータ化することはちゃんとしてほしいですね。
また、PFAS汚染の血中濃度を分析できる施設は全国にたった一箇所しかないんです。
各務原市には県の保健環境研究所がありますよね。今どんな活用のされ方をしているんだろう。あの建物内で、分析センターを開設したらいいのにな。各務原市は当事者だし、マスコミもこぞって取材に訪れるだろうし、全国的にも超有名になるよね。PFAS外来、相談窓口も一本化して、定期的に健康診断、血液検査をして、それらをデータとしてちゃんと残す。知見がないなら検査を積み重ね知見として構築していく。そんな姿勢を市に求めたいですね。
(談話・三井水源地 在住 Aさん)

 

 今回の血中濃度調査は長期間に体内に取り込んだPFASの量を評価するものであり、現在の濃度では急性の健康影響を引き起こす可能性はほぼありませんのでご安心ください。また、血中濃度は、飲料水や食事に含まれるPFASだけでなく、職業、年齢、性、ライフスタイル、使用する日常品などでも影響を受けることがあります。
今回のPFASの大規模な汚染と健康影響を明らかにする調査は、京都大学のご協力を得ながら全国で取り組みが行われていますが、PFASの汚染と健康影響の全貌が分からず手探りで調査を進めざるを得ません。汚染状況の把握と、汚染源およびPFAS曝露による様々な健康影響に関して明らかにするためには皆様の引き続くご協力が欠かせません。

血中濃度のとらえ方と考え方
ガイダンスは、血中濃度(PFAS,PFOA,OFHxS,PFNAなどの合計値)に関して、医療上の指針を出している。今回の調査では、PFAS,PFOA,OFHxS,PFNAの合計値と健康影響がよく研究されているPFAS+PFOAの合計値をそれぞれ皆様に報告しています。報告値のうちPFAS+PFOAの合計値に注目して、以下の値と比較してください。
2ng/mL未満:健康影響はない。
2ng/mL〜20ng/mL未満:感受性の高い集団(妊婦など)では悪影響の可能性。
20ng/mL以上:脂質代謝異常の検査、甲状腺ホルモンの検査、腎がんの徴候や症状の確認、精巣がんや潰瘍性大腸炎の症状の評価を勧める。

 

 

 


vol.218 ぎむきょーるーむ アーシング

土いじりで子どもの五感が発達!
いま注目のアーシング

アーシングとは、靴やソックスを脱いで、裸足や素肌で大地と直接つながること。私たちの祖先はアーシングをしながら生きてきました。体をアースすることで身体電気を地面に逃し、体の電気のバランスを保ちます。

電気の生活をするところには、必ず電磁波が発生します。家庭内では特に気をつけたいのは、スマートフォン、携帯電話、電子レンジ、IHヒーターです。

帯電したら、放電しよう!
足元の地面に、自然の宿すエネルギーの源があります。木々が大地に根ざしているように、人間にとっても地面に触れることは、太陽の光、空気、 水、食物と同じくらい本質的なもの。無理なく「自然」を自分の生活に、そして人生に取り入れるよう心がけてみよう。
最近は、スマフォが日常に溶け込んで子どもにも随分浸透しています。太陽の下で公園で遊んでいるのに、滑り台の上で、ベンチで、皆それぞれに携帯を持って俯いています。中には隣にいる子とラインでやりとりしてる子も…そんな子どもたちにはぜひ「デジタルデトックス」をするように誘いたいものです。方法は簡単。素足になって、砂の上や芝生、なければ地面でいいのでそこに立ち、大地と直接つながります。
これはアーシング(Earthing 地面とつながること)といって、電化製品をアースすると同じ原理。体をアースする事で、身体電気を地面に逃し体の電気のバランスを保ちます。足の裏だけではなく、手のひらや体の一部が地面に接触するだけでもアースパワーを受け取ることができます。特に導電物質(電気を通す)である海水に浸ることで、最も効率的なアーシングを行うことができます。波打ち際を裸足で歩いたり、海水浴を楽しむことは、最高のアーシング手段ともいえます。水は伝導性が高いので、海でなくても川や湖に手足を浸すだけで確実にアーシングができます。
素手で行う庭の手入れや土いじりでもアーシングが出来ます。軍手をせずに素手で土に触れてみて。伝導性の高い泥に直接触れる田植や田んぼの手入れは、超お勧めのアーシング方法です。
極端な話、親指と人差し指で生えている木の葉をつかんだだけでもアーシング効果はあると言われています。木にふれたり、茎をもって花の匂いを嗅いだり、外に出た際に積極的に自然に触れてみましょう。

現代の私たちは、電化製品、TV、パソコン、携帯電話など、電磁波の中で生活し、知らず知らずのうちに帯電しています。ドアノブを掴んだ瞬間にビリビリッ!となって驚かされることがありますが、これが帯電している証拠です。着衣が擦れ合って発生する静電気を逃がすこともできず、増え続ける電気製品や電線から発生する電磁波(人工的な電磁波)を浴びて過ごす時間が多くなりました。
人の身体は、元々電気を通すようにできています。体が水分で出来ているので、雷の電気も簡単に流れます。体内の電気も地面に触れることによって、地面に流れます。アーシングは、とても簡単で自然な健康法です。

帯電したら、放電しよう!
帯電した血管のなかでは、赤血球が数珠状につながったり、だまになったりして、いわゆるどろどろ状態なんだそうです。これが、アーシング10分すると、数珠状になっていた赤血球が離れて、さらさらに流れ始めるんだそうですよ。

今すぐ試してみて! 静電気予防のヒント

不快な「バチッ」という静電気を発生させないためには、放電することが重要。ドアノブなどの金属製のものに触れる前に、コンクリートの壁や木製の家具などに触れ、体にたまっている電気をゆっくり逃がしましょう。
他にも、革製の財布や綿の手袋を手に持ってドアノブなどに触れるのもOK。また、花壇の手入れなど土いじりをすることも効果的です。
また、セルフ式のガソリンスタンドでは静電気除去シートが設けられています。これは静電気が着火源となって火災が起きるのを避けるためで、体にたまった静電気を逃がすことができるようになっています。給油の際にはノズルを持つ前に、まず静電気除去シートに触れるようにしましょう。

保湿で撃退!静電気を予防する5つの方法

● ハンドクリームをこまめに塗る● 洗いすぎに注意● 熱いお風呂は厳禁● 水分を摂取する● 部屋を適度に加湿する

それともう一つ!洋服の組み合わせに気をつけること。
性質の近い素材を組み合わせて選びましょう。できるだけ天然繊維の衣服を身に着けるよう心がける。

 

COLUMN

昔の人々は、土が好きだ。母なる大地のパワーに触れるため、地面に彼らは座った。大地に触れることは皮膚にも良いので、老人たちはモカシシを脱いで神聖な地球の上を裸足で歩いた。土は気分をリフレッシュさせてくれた。身体を強くしてくれた。浄化して癒してくれた」

アメリカ先住民のラコタ・スー族の首長、執筆家、教育家として知られるルーサー・スタンディング・ベアの言葉です。


vol.218 しょうがいをみつめる 最終回

そのうちニューヨーク

「そのうち」と聞いて皆さんはどう感じるだろうか。ネガティブな感情や態度として使われることが多いと思うこの言葉に私はポジティブな可能性を感じている。

 タイパやコスパなど、いわゆるパフォーマンスやリターンを予測した評価基準に慣らされてしまった私たちは、早急に答えを出すことが評価につながったり、問題解決という実感を伴う満足感を得ることがあるため日々奔走してしまっている。

そのため問題や課題というものを探し、解決するべきだと目標設定をしたり、そのための順序や枠組みまで考えてしまう。深くは考えていないにしろ、そのようなフレームを知らず知らずに作ってしまいながら進んでいる側面をぬぐい切れない。早急に解決せねばならぬものと「そうでもないもの」という観点を持ってみたらどうだろう。「解決せずそのままにしておく」ということはストレスがかかり、すっきりしないモヤモヤとして残ることが多い。そのままにしておくことも解決のひとつであると定義し、時にはこれに「取り組む」姿勢を持つことも必要なのだと思う。「しないこと」に取り組む。「決めないこと」を決める。これは経営時代に意識して行っていたことであるが、何もしないとか放任・放置とは少し違う感覚を持っている。そして、それを行動に移すには結構勇気が必要だ。

知的に障がいを伴う方々(私の中では長男)の繰り返し行う“こだわり”や飛び跳ねたりなどの予想外の行動、コレらは社会生活において正さなければならない行為として広く認知されていることが多いように思われる。迷惑を掛けたり、自傷や他傷の可能性もゼロではないため、確かにそのような側面もあるが、全てが今すぐに対処すべき対象ではないと考えている。起こってしまう事象は事象として、そのままにして「そのうちに」としておくことがあってもいいような気がしている。そのままにしつつ、ただ寄添ったり、そばにいることで本人が置かれている環境や見つめる眼差しがどこを見ているかに私たちがふと気づく余白時間をもたらすことがあるからだ。

これは私のつたないほんの少しの経験からなので一概には言えない。しかしながら「そのうち」というスタンスの包含する範囲はとても広く、目標や明確なビジョンという直線的で外れてはいけないルートというより、ぼんやりとした森の中に漂うというイメージがある。ぼんやりとはしているが歩き続ける、目指す先は見えずとも進む。道から外れたり寄り道したりすることによって違った景色が見える、小道が交わるのが分かる、近くに川が流れている音が聞こえるなどということに気付き、道は確固としたものとして私の後方にできていく。

長男にいつかどこかで会える日もこの後方にできる道の見えない先にあるのであろう。「そのうち、そのうち」また逢う日までそのうちに。

※2年間連載を努めさせたいただいた“ぎふ発・子育て生活情報誌「にらめっこ」”への連載はこれにて終了となります。機会を与えて下さったすべての皆様に感謝申し上げます。


MASA:若者をはじめ、障がい者も一緒になって、ごちゃまぜイノベーションを目指している。知的障がいのある息子は享年24歳で2021年2月27日に旅立った。関市在住。


vol.218 やってみた  榊田さん一家

やってみたシリーズ第21弾

連綿と続ける“餅つき”は年末の恒例家族行事。

榊田さん一家(総勢15人)

もうかれこれ3/4世紀は続いていますね。餅つきは毎年12月30日。今まで小雨の時はあったものの、ほぼ晴れていました。その間、両親がなくなり、餅つき行事は兄夫婦が継承しました。その兄夫婦もなくなり、今は兄の長男が引き継ぎ家族行事として継続しています。多い時は総勢22人という大所帯。
狭い庭で、つきあがった餅を受け取り、大鏡餅を作ります。大小2段のお鏡さんを作るのですが、そのいびつなこと!まぁ、いいかっ。次にのし餅を15枚。みんな休む間もなくそれぞれも持ち場の仕事をこなします。・お湯を沸かす・薪を割る・火の番・手返しをする・餅をつく・つきあがった餅を伸ばす・子守り・餅に絡めて食べるための大根をすりおろす・そのほか絡める具材を用意する…。具材は、大根おろしがメインですが他に、きな粉、あんこ、なめ茸、キムチ、納豆、海苔、ふりかけ、たたき梅、塩昆布、すりごま、それに美味しいお醤油。
そして、12時過ぎに最終の大臼を全員でついて、ようやく終了。所狭しと並んだ器と箸。ぎゅうぎゅう詰めに座って、自分の席を確保。そして、いただきます。いつだったか、子どもたちがトッピング用に、チョコレートやクリームチーズ、明太子…どの組み合わせが美味しいか品評会をしたり。あろうことかわさび、からしなどを用意して、ドッキリで、からしを絡めたのを人に食べさせたり。涙があふれる顔にはもう、笑うしかないですね。断然美味しいのは、さっぱり系の大根おろしです。それに甘辛く煮たなめ茸。これが最高に美味しい。あと残り火で焼けたお芋もホクホクしていて、美味。これがデザートになって、もう満腹!
日本の伝統行事?でもないですが、我が家の伝統を子どもたちに継承し、末永く続けていられることに感謝です。


VOL.218 えんぴつカフェ 認知症予防ゲーム


認知症の悪化を防ぐ!ゲームやレクに期待できる効果

【脳が活性化する】
脳細胞は年齢と共に減少し、健康な人でも記憶力や思考力が低下していきます。失われた脳細胞は再生されることはありませんが、良い刺激を与えれば脳神経のネットワークが強くなり、脳機能低下を防げると考えられています。
ゲームやレクは、言葉や手先、体を使うものが多く、普段あまり使われていない脳の部位を活性化してくれます。脳への良い刺激は、すでに認知症を発症している方の進行を遅らせる効果も期待できます。

【身体機能がアップする】
年齢を重ねると健康な人でも体力や筋力が
衰えるものですが、認知症になると通常より活動量が低下し、身体機能が急激に衰えやすくなります。身体機能の低下は転倒による骨折を招きやすく、寝たきりになる可能性を高めてしまうため要注意です。その点、ゲームやレクで楽しみながら適度に手足を動かせば、体力・身体機能の向上が見込めます。

【人との関わりが増える】
人とのコミュニケーションは脳に刺激を与え、脳機能の低下を防ぐことにも役立ちます。
認知症になると人との関わりが面倒になり、引きこもりがちになる人が多いです。そして、コミュニケーションが極端に少ない生活は認知機能のさらなる低下を招きます。
ゲームやレクを一緒に楽しむ仲間がいれば、自然とコミュニケーションが増えて脳の活性化につながり、人との関わりを楽しめるようになれば、引きこもり傾向も改善するかもしれません。

【生活にハリが出る】
ご本人の精神状態にも良い作用が期待できます。ゲームやレクは自然と笑顔になれるものが多く、「楽しい」「またやりたい」とポジティブな気持ちにもなりやすいです。生活にハリが出て、心身に好影響を与えられるでしょう。また、認知症の方の心身が安定すれば、介護をする方の負担軽減にもつながります。

「安心介護」より

 


vol.218 夢か悪夢かリニアが通る!vol.47

 岐阜県御嵩町でJR東海が計画しているリニア中央新幹線の残土処分場受け入れの是非を巡り、町が設置した審議会が迷走しています。委員の大半に受け入れに否定的なメンバーを集めた一方で、審議の途中から町長が一部受け入れを容認するような発言をし始めたのです。                                 井澤宏明・ジャーナリスト

 

迷走する御嵩町審議会

新町長が「一部」容認
JR東海は御嵩町の坑口から掘る2本のトンネルから出る残土約90万立方メートルを坑口に近い山林の谷間に処分する計画です。うち「健全土」約40万立方メートルを民有地と町有地(候補地A)に、カドミウムやヒ素などの重金属を基準値以上含む「有害残土」を含む約50万立方メートルを町有地(候補地B)に埋め立てる計画を同町に示

候補地Aにあるハナノキと思われる巨木。案内してくれたJR東海職員は「希少種保護の観点で教えるわけにはいかない」と樹種を明らかにしなかった。残土処分場になれば伐採されるというのに(2024年1月10日、岐阜県御嵩町美佐野で)

しています。
2021年9月、当時の渡邊公夫町長が有害残土について突然、「受け入れを前提として協議に入りたい」と表明して反対の声が広がり、同町が有識者を交えてJR東海と協議する「公開フォーラム」を始めたものの頓挫したいきさつはこの連載42回目(にらめっこ213号)までにお伝えした通りです。
渡邊町長から判断を「丸投げ」された形の渡辺幸伸・新町長が「受け入れ前提」方針を「白紙のゼロベース」に戻すと表明して設置したのが今回の審議会です。委員14人のうち9人を有害残土の受け入れに「反対」だったり、残土処分場そのものに「反対」だったりするメンバーが占めました。
23年11月19日の第1回審議会では候補地A、B両方について議論の対象にするとしていた渡辺町長ですが、12月3日の第2回会合では突然、「候補地Aは(JR東海の)自社用地であることから、計画の全否定だけでは交渉は極めて困難。代替案や具体的な提案が必要だと考えている」と発言したため、委員から猛反発を受けました。
町長発言の直前には、JR東海の担当者が、候補地Aの大部分を占める民有地を地権者全員から取得済みであることを明らかにしました。しかも、買い取りは公開フォーラム開催中に始まっていたといいます。
途中退席し報道陣に囲まれた町長は、11月28日にリニア中央新幹線建設促進岐阜県期成同盟会(会長・古田肇知事)がJR東海に要望書を提出した席で、同社から「他のところで(土地を)探すのは、事業スケジュールなどを考えるとなかなか難しい」と伝えられたと告白しました。

公募委員やむなく辞任
審議会の「ゴールポスト」を動かすような発言は続きました。会長を務める三井栄・岐阜大学社会システム経営学環教授(計量経済学)が今年1月14日の第4回会合で、「審議会として御嵩町以外のところに健全土を持っていくという話は非常に無責任な話になると思う」と発言したのです。
しかし、リニア残土を他の自治体に持ち出している例は数多くあるうえ、愛知県から岐阜県に運び込んでいる例もあります。21年11月14日に開かれた当時の町長と住民との意見交換会でJR東海の担当者も「御嵩町の中から出たものは御嵩町で処分しなければならない法的な義務はありません」と明言しています。
三井会長は「岐阜県におけるリニア中央新幹線開業の経済効果」という論文を書いたり、十六銀行の「リニア中央新幹線を活かした地域再生・活性化に関する報告書」 のアドバイザーを務めたりしていますが、審議会では中立の立場での運営を求められているはずです。
筆者は1月28日の第5回会合後、三井会長に尋ねました。「(会長の発言は)町外に持ち出す結論を出すのは審議会として無責任だというふうにとれますが、そういう意味ではないですか」。三井会長の答えは「はい」。傍らにいた町職員によると「そういう意味ではない」ということだそうですがどうにも腑に落ちません。

残土処分場「一部」容認に転じた理由を報道陣に説明する渡辺町長(2023年12月3日、御嵩町役場で)

一方、町長が選任した委員の1人が、町長の「一部容認」の意向を受け入れるよう他の委員らに電話で働きかけていることが発覚(当の委員は筆者の取材に「してません」と否定)。この行為を止めるよう審議会で呼びかけた公募委員の元に、先の委員から弁護士を通じて脅しや口封じともとれる「通知書」や「電報」が送り付けられ、耐え切れず辞任に追い込まれるなど、審議会内外の不穏な動きからも目が離せません。


VOL.218 続 平和のつどい

平和のつどい 対談 望月 衣塑子さん 白井 聡さん

なぜ戦争への準備なのか〜平和への道を探る

2023年11月3日 平和のつどい 岐阜市民会館大ホール

望月 衣塑子さん(ジャーナリスト)

東京・中日新聞に入社後、日本歯科医師連盟のヤミ献金問題、防衛省の武器輸出、軍学共同をテーマに取材。17年4月以降は、森友学園・加計学園問題で、官房長官会見で質問を続けた。著書に『武器輸出と日本企業』、『新聞記者』、『報道現場』、『日本解体論』(白井聡との共著)近著に『日本は本当に戦争に備えるのですか?』(共著)など多数。

 

 

 

白井 聡さん(政治学者)

思想史家、政治学者。現在、京都精華大学国際文化学部准教授。『永続敗戦論ー戦後日本の核心ー』(石橋湛山賞、角川財団学芸賞受賞)、『国体論ー菊と星条旗ー』、「武器としての「資本論」』『日本解体論』(望月 衣塑子との共著)、近著に『日本の正体』他、多数。

 

望月/グローバルサウス(主に新興国・発展途上国・第三世界と同様の意味)と先進国の戦い、その流れの中で日本はどう立ち会うべきなのか。今回先進7カ国の中で日本は唯一イスラエル支持をしなかった。

白井/今アメリカの内部を見ていると、相当よくないと思います。ロシアは経済制裁で干上がって戦争できなくなる、でも全然ロシアは干上がらない。先進国が途上国を従わせられなくなってきたときに、日本の立ち位置はどうなるか。
日本はぺリーによって鎖国を破られ、急速に近代化を進め、当時の言葉で一等国、今で言う先進国になった。当時の一等国というのは帝国主義国家で、日清戦争、日露戦争をしていろんな植民地を得た。その帝国主義陣営に加わったのも本当最後の方だったので、相対的に見て恨まれ度が低い。これをどうやってこれから外交に活かしていくのか、という事が大事だろうと思います。

望月/中国の、若い世代はまた違いますけど、上の世代は日本に対して尊敬もあれば憎しみも強い。今心配なのは、アメリカ軍の幹部が「2027年に台湾有事は起こりうる」と言っている。それに備え軍拡を急速な勢いで岸田さんが進めている。
CSISという国際戦略研究所が24通りの台湾有事のシナリオをだした。アメリカはもし台湾有事で中国と事を構えた場合、勝てると。ただし、一つのシナリオにおいては勝てない可能性がある。それは何かと言うと有事の際に日本の在日米軍基地を使う事を日本が認めなかった時だという。だから協力しろよな、と言っているように私にはみえた。
それから対中感情に関して、例えばテレビの番組を見ていても、たびたび出てくるのが、中国でこんなひどいことが行われているとか、対中感情を悪くさせるようなメディア報道がすごく増えている。今の日本のメディアの状況、そして対中国に対して有事が、もう目の前に来ているんだ、来るかもしれないんだということをアメリカのシンクタンクとコラボするような形で日本の世論ができてしまっている。ここをどう見ているか。ちょっと教えていただきたいんです。

白井/雰囲気作りに見えるというのは全くその通りでして、覚悟はないし、展望もないと思うんですね。忖度して、権力に気に入られるためにやっている、というほどの意思すらないのでないか。なんとなく危ないというふうに思っている。その結果がどういうことをもたらすかとか、多分何も考えてないのだろうと。それが今の日本のテレビなんかの標準的な水準だろうと私は言ってるんですよ。

望月/私が衝撃を受けたのが、昨年の9月から11月、岸田さんが防衛力強化を話し合う有識者会議というのを開きました。その中の主要なメンバーのうち3人、メディア関係の権力者と言われる方が参加をして、かなり活発な意見を出していました。非常にびっくりしたのが、「これまで憲法9条という制約があって武器輸出という産業も非常に制約を受けてきた。これからこの制約をどんどん解き放ち、民間企業にもっと率先して防衛産業に投資すべきだ」「メディアももっと安保、防衛ということについて大々的に発信していく必要がある。防衛省の施設に対しては建設国債というものをあてていくこと」「これからは敵基攻撃能力の保有は当然のことである。まずは外国製ミサイルを買うということを検討してはいかがか」と。ビックリすることに約1ヶ月後、11月30日の朝刊一面では、「政府トマホークミサイル購入へ 500発」と。国会議員の自民党の防衛族でさえ知らないネタを有識者会議の会合の場で発言し、その約1ヶ月後に堂々と自社の朝刊一面でドカーンと書かせ、年明けに国会で認めさせていく。もう戦争が来る、有事に備えろ!ということで、一定の、ゼネコンや一部防衛産業にお金を湯水のごとく注ぎこませる。そしてそれを煽るような報道を一部メディアトップの人たちがどんどん旗を振ることで、結果としてもう“戦争をする国”にさせるんだ、ということを今一部の大手メディアが大きく舵をきっていると思います。
なので、戦争させようとしている人たちにとにかく戦争をさせないこと。これが私も含めて、戦争に子どもたちや孫を絶対巻き込んではいけない、という人たちの気持ちも含めて、一部思いのあるメディアやそこに関わる有識者、それから今日ここの会場に来ているみなさんですね。おそらく不安な気持ちをたくさん抱えている方がいると思います。みなさんのような思いをきっちりと束ねて、政治を変えていく。戦争が来るんだ!という恐怖の先に何が生まれるのか、それはウクライナや今のガザの状況をみれば明らかだと思います。世の中を変えていくために一番私たちマスメディアの責任が問われているんじゃないかと思います。

白井/本当に不安になる話がいっぱいありますね。いま日本が置かれている対外関係において、やってはいけないこと、それはアメリカにそそのかされて中国と戦争をやるということに他なりません。中国がどういう出方をしてくるのか、というところはすごく難しいわけです。彼らは何を考えているのか、本当の意図を探るパイプすらも今は失われてきている。かつては自民党の中にも中国派みたいな人たちがいていろんなパイプというのはあったわけですが、今やそういったパイプを使っただけで、国内に嫌中が広がった結果、媚中派だ、親中派だ、そういった噂が飛び交ってみんなそれを躊躇する状態になっています。だから、相手の腹を探るということがどんどんできなくなってきている。だから非常に危険な状況に一歩ずつ進んでいるなと思わざるをえないですね。

望月/じゃあ、どうすればいいかって話ですよね。例えば小渕優子さんは、日中議連の事務局長をやっているそうです。嫌中が進んでいる空気を変えていきたいと、超党派議連の中でまとまって、かつては団体で中国を訪中するということをよくやっていました。そういうことを今やりたいと思っても、党内の嫌中感情がすごくて、とても訪中できる状態じゃない、ということを言っていました。
何が大切なのか。やっぱりここは私たち市民レベルで身近にいる人たちでいいと思うんですが、中国の方とか、他の国の方と話をし、理解をし、彼、彼女の出身である国々とどう私たちは理解をしあい、同じ人と人として繋がっていくべきか、ということを私たち市民レベル、それからメディアレベルでやり続けるしかないのかなと思っています。
以前に中国大使館の方とお話しした時に、「外交において戦争というのは最大の失敗だ」と。なぜ同じようなことを私たちは理解できあえないのでしょうか、ということを言っていました。私は今この国の世論が、一部メディアが煽ることによって嫌中が吹き荒れている状況をとにかく変えていかなきゃいけないと思っています。
今日私たち2人の話を聞いていると、アメリカってとんでもない国だと感じる人もいると思います。とんでもない一方で、アメリカがすごいのは逆バネの力っていうのが常に働いていること。つまりいろんなものをちらつけさせながら、戦争を起こさないための外交努力、対話のルートというものを作っている、こういうアメリカのしたたかさというのも、日本は身につけなければいけない。今日いるみなさんにも嫌中が吹き荒れてて、なんとなく怖いなと感じている方もいるかもしれないですが、そこから変えていく、ということを話していきたい。嫌中感情が吹き荒れる先には何もいいことは起きないんだ、ということを伝え続けたいな、と思っています。

白井/敗戦以降、日本人はアメリカと一心同体という妄想を持つことで、先進国なんだ、白人世界の仲間なんだというふうにやってきた。中国人や韓国人とは俺たちは違うんだ!と言ってイキっている。それは非常に見苦しい存在でしかなくなってきているわけです。私は本当に危険なのはこのことだと思うんです。
これほどまでに、言って見れば「自律した国で自律した人間であろうとすること」、そのことからひたすら逃れ続けるという、そういう生き方をしている人々。これはやはり情けない、恥ずべきことだと思います。我々はやはり尊敬に値する仕方で、この世界の中でいなければならない。そのことこそが私たちの命を最終的には守っていくということになるんだ、というのが私の考えです。

 

講演会を終え、懇親会でのお話で伝えたいこと

白井さん:日本の教育全体の問題でしょうが、日本は政治的に世界からどう見られているか。敗戦国であるというリアリティを戦後のある時期調子がよくいったために忘れられていくという、それが社会先人のすべての大きなゆがみをもたらしている。尊敬される国は筋が通っていることだ。筋を通せなくなることは国際政治ではいくらでもあることだが、最悪だと思うのは、自分というものがないこと。国民も自分の人生をまともに生きようとしていません。
2019年に実施した若者たちの意識調査で、日本、ヨーロッパ、アメリカ、中国、韓国などで、・社会意識で・自分は社会の一員である・社会において変えたいことがある・その課題について身の回りの人とはなしている、とか社会的なことにどれだけ関わりたいと思っているかというアンケートで、すべての項目で日本はビリです。
全国各地にある9条の会がされてきた活動は、非常に重要だった。継続は力なりということで20年近く続けてこられたことに心より敬意を表したいと思う。どうやって世代を越えて伝えていくかということが課題となっていると思う。

望月さん:広島サミットに行ったとき、ウクライナのゼレンスキー大統領が最終日の前日に来日。広島放送局の若手男性記者が、「武器の話が出たけど今回、平和の都市広島で、平和資料館をご覧になられたときに、貴方は何を感じたのか」と、「武器ではなく平和な対話による解決ということをどう思われるか」と踏み込んだ問いをした。ゼレンスキー大統領は、対話による解決には言及しなかったが、彼ははっきり「いま日本に武器による支援は全く求めていません」と答えたことから始まって、「いつか自分たちの街も平和の都市広島のように生まれ変われると思っている。僕は軍事支援を日本に求めません」と明確に言った。日本の国民が聞いているだろう「広島サミット」の場で武器の支援を!とは言わなかった。
ゼレンスキー大統領は「日本は9条を守り続けている国民がいる国だ」と思っている。海外の首脳陣が見たときに「9条を持って、それを掲げている日本という国は、平和を守り続けたいという国である。だから武器輸出とかいう支援を求める国ではない」ということを知られていることは、すごく大きいことだと感じた。
9条を骨抜きにしようとする動きは進んでいる。だけど、9条の理念があるおかげで76年以上直接的に戦争しないですんだ国であって、その中に私もいたんだと思うと、守りつづけなければいけないと感じました。

 

 

 

 

 

 


vol.218 ボーダーレス社会をめざしてvol.77

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

 

力になるもの

大人になった発達障がいがある人への支援で何が大切なのか? ①成功体験を積む ②自己肯定感を上げる ③自己理解を深める ④誰かに助けを求めることを覚える ⑤誰かに相談をするということを覚える⑥余暇活動を充実させる ⑦安定した生活習慣をつくることだと研修会で聞いてきました。
障がいのあるなしに関わらず、ほとんど誰にでも当てはまることです。中でも私がびっくりしたのは、余暇活動・趣味の事を言われたことでした。何年か前にはそんなことは誰も言いませんでした。多くの人を見てきたことによって必要だと認められたのではないかと思います。好きな事は、ストレスを解消するために必要です。私たちと全く同じです。
私たちはストレス解消法をそれなりに知っています。それでもストレスはどういう訳か溜まります。障がいのある人はどうでしょう。本人が自ら趣味を持つ事が難しい人もいらっしゃるでしょう。そんな人には、関わる人たちが多くの機会を作り、好きなものに当たればラッキーという息の長い支援が必要になります。彼らにとって余暇活動や趣味は、探し出して作っていくものだと思います。好きな事が一つあれば少しは豊かな生活を送ることができるのではないでしょうか。
また、成功体験を積むことや安定した生活習慣をつくるということは、就労に結び付けることができるのではないかと思います。
障がいがあるなしに関わらず、就労をめざすには、食事のマナー、清潔さ、身だしなみ、あいさつ、返事ができるなどのごく基本的な事がまず大切です。障がいのある人は、次に公共交通機関の利用、金銭の扱い・管理や時間の理解などできると良いとされています。金銭管理や時間の感覚はかなり難しくハードルは高いです。金銭に関しては、980円の品物が1000円札を出せば買えるということを知っていれば  だと私は思っています。障がいが重くてもそんなことができる人がいらっしゃいます。何と店員さんの顔の表情を見て取るのだそうです。経験に勝るものはありません。
障がいがあるからと言っても、この社会で生きていかなくてはいけません。最低限必要なことは、身につけておいた方がいいに決まっています。知的に重度な人でも、小さい頃から基本的な習慣を身につけている人は、大人になってからもきちんとできています。お茶碗やお皿を出す、食器を洗う、お風呂掃除をする、洗濯ものを干すなどお手伝いを小さい頃からするという事は非常に大切です。お手伝いをしてきた人は、働く意欲が育っているようです。自分の役割を果たすことによって、家族から褒められ、喜ばれるという体験を肌で感じ取ってきているからだと思います。
一般の人も同じです。息子はもう46歳になるのですが、小さい頃からお手伝いをやってきましたので、料理、洗濯、掃除などはできます。ある日、息子が「のせのせハンバーグを作ります」と言って、夕食に作ってくれたり、「食パンがないから僕が買ってきます」と買ってきてくれます。今は、スポーツ店で働いていますが、小さい頃の彼からそんなことは、全く想像もできませんでした。私自身、「彼が施設に入らなくてはいけないから」と思い、彼が4歳の時に、運転免許を取りに行ったくらいです。障がいのある人の力になる事を普段からこつこつとやり続ける。簡単なようで難しいことです。誰からも評価されませんが、大人になった時に何かしらの助けになるような気がしています。


vol.218 ここいく日記 はじめの35歩!


私にとっての「いのちの授業」

 昨年までの私は仕事の就労時間が短かったため平日の幼稚園や学校での「いのちの授業」に、ほぼ参加することができました。私にとって「いのちの授業」に行くことは日常の一部でごく当たり前の活動でした。しかし、昨年の4月より自ら新しい職を選び、フルパートで働くようになり、平日の授業はほぼ参加できなくなりました。
初めの数カ月は新しい職場に慣れることで精一杯でしたが、仕事にも慣れ生活が落ち着いてくると、今まで参加できていた平日の「いのちの授業」に参加できていない事実に気付くようになりました。それは寂しさというより、物足りなさ…。やりたい事がやりきれていない満足感のなさでした。

私はなぜ、そこまで「いのちの授業」に参加したいと思うのか?自分の気持ちに向き合ってみました。

私は現在、認定こども園で保育士として働いています。そこでひとりひとりの子ども達と深く向きあうことの大切さを学びました。心に寄り添い関わることで子ども自身が安心して本来の姿を取り戻していく。子ども達が自ら育つ力を発揮して成長していく姿を目の当たりにしてきました。そんな生き生きとしている子ども達をみていると、なんだか羨ましくなりました。私も今やりたいことをやりたい!私が「いのちの授業」に参加して満足感でいっぱいになれば、保育の現場でも、子ども達によい影響を与えれるのではないか?

そして保育現場での気づきを「いのちの授業」に反映できるのではないか?

そう思うようになってからは、仕事の中抜けの時間を利用して、出来る限り「いのちの授業」に参加するようになりました。準備や後片付けは全く手伝えず、メンバーには負担をかけていますが、誰も嫌な顔ひとつせず、遅刻して参加する私に対し「よく来てくれたね、ありがとう」と毎回あたたかく迎えてくれます。そして、これまでとなんら変わることなく役割を振られます。それには感謝しかありません。

「いのちの授業」は私にとって「心が動く場」であり、ここいくは、ほっと落ち着く居場所です。私の体になくてはならない大切な栄養みたいなものなのだと思います。

 職場が変わったことで改めて自分が何を大切にしたいのか?必要なものはなにか?気付くきっかけとなりました。今後もひとつひとつの「いのちの授業」を丁寧に行うことが私の生きがいです。ぜひ、「いのちの授業」と出逢ってみて下さいね。

担当:ここいくメンバー 夛田 良子でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)

 


vol.218 モザンビークからレポートvol.12

家庭レベルで浄水をすること

自分の暮らしを自分で良くする。その意識を育てながら、人々の暮らしを良くするようなプロジェクトを考えたい。そんな思いで2年間、JICA青年海外協力隊と言う立場で活動していました。その集大成的な活動は「水の浄水実験」となりました。コミュニティに入り、家庭レベルで浄水をすることで、健康や農耕の状態を良くする、そんな活動は結局資金不足でできませんでしたが、多くの人がその重要性に賛成してくれました。

水、私たちの生活になくてはならない物です。日本にいれば、ほぼ100%の地域で水道の蛇口をひねれば飲料水にできる水が出てき、山から清流が湧き出ている地域もあります。しかし、モザンビークでは、綺麗な水の水源が少なく、その水を原因として病気も多発しています。5歳以下の子どもの死因の第3位に下痢が入っており、水源、綺麗な水、水に対する注意などの不足が予想できます。雨で水溜りができれば、子どもたちは泥水の中でプールのように遊んでいます。川上で洗濯をしていても川下で食器洗いする人もいます。井戸はどの地域でも掘れるわけではありません。
そこで、私が考えたのは、石と砂利を通して、微生物の生物活性による浄水で、川や湖などの自然の水をより安全にすることと、生活排水を生活用水や農業用水にすることです。
目的は二つです。一つ目はもちろん、地域の素材を使って水の質を高めて生活改善すること。二つ目は、自分で水の循環を作ることで、自分の生きる地域を自分たちで守れるという意識を作ることです。初めはグレーウォーター(料理からの水。対してブラックウォーターは洗濯水やトイレの汚水)を家庭内で飲料水まで持っていくことを考えました。モリンガの種に浄水効果があると聞き、モリンガの種を集めて実験もしました。
しかし、なかなか排水は綺麗になりませんでした。いいかな?と思うと、急に緑の水が出てきたり、全く変化が見られなかったりの繰り返し。世界中の専門家に聞いても、良い方法は得られませんでした。そこで、飲水用の浄水と農業用水の浄水を二手に分けることにしました。農薬の使いすぎの防止もできるし、農薬が買えないから作物が沢山育てられないという人への慰めにもなるのでは!?と。
安全性への責任という意味でも安心でした。色々な人に話し、意見をもらう度にこの国にはこれが必要だから頑張って!と言われたのにも関わらず、最後は資金不足の壁。水が当たり前のように手にできる日本に生まれたことを、奇跡のようにも感じたし、その日本が世界の水事情の改善を牽引していかなければという気持ちにもなりました。


vol.218 プレゼントコーナー

218号PRESENTS

 

プレゼントご希望の方は
ハガキまたはe-mailで、下記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。

1-もうすぐ春ですよ〜!あなたが始めるもの、何かありますか?

暖かくなったら、旅に出たい!運動を始めたい!家庭菜園を始めたい!…それとも??さあ、何を始めますか?

2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望 を必ずお書きください)
※B、Dは編集室まで受け取りに来られる方。
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、 家族構成

〆切:2024年3月25日  当日消印有効。
宛先 〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。


A.林 祐市ソロピアノ・ライブご招待

アートギャラリー是様より…ペア1組様  慌ただしい日常をちょっと忘れて、大人なひとときを。ピアニストの林さんは叙情派と評され、透明感のある美しい音色と、繊細かつ力強い演奏は聴く者の心に響き渡ります。極上のアフタヌーンライブをお楽しみください。3月24日14:00start


B.写真集 『ばあちゃん僕が継ぐ』

Photographer加藤 麻美様より…3名様

 岐阜県北部に位置する河合村。そこで作られている山中和紙。作っているおばあさんの、なんとチャーミングなこと。そして、それを手伝ってきたお孫さんや家族。家族、生き方とは…。その全てを写真が物語っています。※にらめっこ事務所でお受け取りください。


C. CINEX映画招待券

CINEX様より…ペア3組様

 時代に翻弄されながらも、意志を強く持ち、自分の道を歩む主人公。映画館でそんな生き方と出会ってしまったら、あなたの人生が何か変わる、かもしれません。写真は映画「風よ あらしよ」のワンシーン。※柳ヶ瀬のCINEXでご利用いただけます。


D.ミニサボテン   にらめっこより…2名様

 手のひらにちょこんと乗せられるミニサボテン。場所をとらないので、お部屋のわずかなスペースでも置くことができます。丸いフォルムに産毛のようなトゲがなんだか可愛く、癒してくれそうですね。※にらめっこ事務所でお受け取りください。


vol.217 水は土壌に染み込むよね

土壌は、水や空気と同じように、私たち人間を含んだ生き物が生きていく上で、なくてはならない ものです。土壌は、地中にいる生き物が生活する場であり、土壌に含まれる水分や養分が、私たちの 口にする農作物を育てます。 土壌汚染とは、こういった働きを持つ土壌が人間にとって有害な物質によって汚染された状態をい います。原因としては、工場の操業に伴い、原料として用いる有害な物質を不適切に取り扱ってしまっ たり、有害な物質を含む液体を地下に浸み込ませてしまったりすることなどが考えられます。また、 土壌汚染の中には、人間の活動に伴って生じた汚染だけではなく、自然由来で汚染されているものも 含まれます。

土にはどんな役割があるの?
土は、水や空気と同じように、人や生物が生きていく上で重要な基盤(土台)です。また、水を浄化したり、農作物を育てたりする機能を持っています。

土壌汚染って何?
人の活動に伴って排出された有害な物質が土に蓄積されている状態を言います。例えば、
・ 有害な物質が、使用しているときにこぼれたり、有害な物 質を含む排水が漏れたりして土の中に入る。
・ 有害な物質を含む廃棄物が不適切に土に埋められて、雨な どによって有害物質が周りの土に溶け出す。
・ 排気ガスや飛灰の中に含まれる有害な物質が土の表面に落ちる。
などによって土壌汚染が起こります。

土壌汚染には、次のような特徴があります。
◆土壌汚染の原因となっている有害な物質は、水の中や大気 中と比べて移送しにくく、土の中に長い間止まりやすい。
◆また、汚染されていることに気づきにくい(目に見えない)
◆一旦土が汚染されると排出を辞めても長い期間汚染が続く。
◆そのため、人の健康や生態系などに長い期間にわたり影響を及ぼす。
◆揮発性有機化合物は、地下深くまで浸透しやすく、地下水 に溶け出して、その流れに乗って汚染が広がるおそれが大 きい。また、揮発性が高いため、地層中の空気を汚染し、大気へ放出される恐れもある。
◆重金属は、土の中ではあまり拡散しないで止まりやすい。

土壌が汚染されるとどうなるの?
土壌汚染は様々な経路で人の健康や生活環境・生態系へ影響を与えます。放っておくと人の健康などに悪い影響が及ぶおそれがあります。

の健康へ影響を及ぼす可能性のある行為
1、汚染された土が口に入ったり、直接皮膚に触る
2、汚染された土から有害な物質が溶け出した地下水を飲む
3、土から大気に出た有害な物質を吸い込む
4、汚染された土が雨などで流出して川や海に入り、魚を汚染する。こうした魚介類を食べる。
5、汚染された土の上で育てられた農畜産物を食べる。

生活環境・生態系への影響
6、悪臭などの不快感
7、引用される地下水の油膜
8、農作物や飼料用植物の生育阻害
9、生態系への悪影響
これらのうち、まず健康への影響を速やかに把握し、対策を取ることが必要。また、生活環境や生態系への影響については、まだわかっていないことが多いため、効果的な対策を考えるためには科学的なデータをもっと集める必要があります。

土壌汚染による環境リスクとは?
人の健康や生活習慣、生態系へ悪い影響を及ぼすおそれ(可能性)のことを、“環境リスク”と言います。きちんと環境リスクに応じた対策をとればリスクを低くしたり、回避したりすることができます。環境リスクの大きさは次のようになります。土壌汚染による環境リスク=土の有害性の程度×暴露量。 土壌汚染の原因となっている有害な物質の程度と体内に取り込む量(暴露量)とで決まります。
暴露とは、汚染された土が手にくっついて、知らず知らずに土を口に入れてしまったり、汚染された土が飛び散って口に入ってしまったり、汚染された土から有害な物質が溶け出した地下水を飲んだりして体内に取り入れることを言います。

土壌汚染とリスクコミュニケーション
土壌汚染が見つかった場合でも、地域住民と行政と事業者で情報を共有し、対応策などについて冷静に話し合うことで、住民の不安が解消されるようになります。このように情報を共有してお互いの意思疎通を図るプロセスを「リスクコミュニケーション」と言います。
リスクコミュニケーションで重要なことはたくさんあります。
・ 企業や行政が早い段階で情報を出すこと。
・ 情報をわかりやすくして出すこと。
・ 住民が意見を言う機会を作り、住民は積極的に参加すること。
・ 住民の意見を土壌汚染対策に反映させること。

●行政の役割
・ 土壌汚染対策法を的確に実施する。
・ 土壌汚染に関する情報が公正かつ的確に開示されるよう事業者や土地の所有者を指導する。
・ 地域住民に対して、土壌汚染の環境リスク について正しい理解を深めるための啓発活動などを行う。
・ 事業者に対しては土壌汚染の調査、対策のための支援などを行う。
●市民の役割
・ 土壌汚染とその環境リスクについて、正しく理解する。
・ 発見された土壌汚染について事業者が開催する説明会などがあれ ば積極的に参加する。
また話し合いの場では、土壌汚染とその環境リスクについて正しく理解し、次のことを心がける。
・ 言いたいことは言う・ 相手の話をよく聞く・ 冷静に話し合う。

指定支援法人 財団法人 日本環境協会より

 

 

 

 

 

 

 


vol.217 土壌には菌ちゃんがいる!


微生物って素晴らしい!!!
微生物は地球を救う
微生物の活躍なしでは我々の生活は成り立ちません。パンや味噌、醤油、酢製造などの食品分野や食材を作るための畑の土壌微生物、さらに、医療分野では、抗生物質生産菌、現在では、バイオマス燃料などにいたるまで微生物の恩恵を受けていることを解説します。
土の中の微生物には、人間にとって特に有用なものもいます。通常、微生物は生物の死骸や枯葉などを好んで分解するのですが、中にはダイオキシンやPCB、残留農薬など、人間が合成した有害化合物を分解する変り者もいます。このような微生物は、化学物質で汚染した土壌を修復するための、バイオレメディエーション(bio=生物,remediation=修復)と呼ばれる環境浄化技術に利用されています。
自然界にはこうした分解されにくい化学物質をも分解してくれるような微生物が存在します。 そのような微生物、「分解菌」をうまく利用して汚染された環境を修復することを「バイオレメディエーション」といいます。

バイオレメディエーションの仕組みは2つ
1つ目は、土壌中の微生物を元気にする薬剤を汚染土壌に投入し、微生物を活性化させる仕組み。2つ目は外部で培養した元気な微生物を土壌に送り込む仕組み。どちらも、微生物の働きを利用して汚染物質を分解しています。

特徴とメリット
バイオレメディエーションの特徴は、他の浄化手法に比べコストパフォーマンスに優れ、生態系に与える影響が少ない技術であること。メリットは以下の通り。
・広範囲におよぶ汚染の浄化が可能・原位置で作業できる(※)ため作業コストが低い。
・常温、常圧のためエネルギーをあまり必要としない。
・浄化に伴う環境負荷が少ない
※ 汚染された土壌を掘り返したり、地下水をくみ上げたりせずに、その場で浄化作業ができる。

食品や医薬品、エネルギーにも有効なバイオ技術
日本では昔から、味噌や醤油、日本酒や漬物などの身近な食べ物で、微生物を利用した発酵醸造の技術が伝承されてきました。このように微生物は、食品の保存性を高めたりおいしさを増したり、食生活を豊かなものにしています。それだけではなく、抗生物質や薬品、バイオマスエタノールなどの新たなエネルギーの生産など、さまざまな分野で、微生物を有効利用するバイオ技術の研究が進められています。

微生物の分解者としての役割
微生物は、地球の生態系にとって大変重要な働きを担っています。中でも「分解者」としての役割は、地球環境の維持にとって最も重要な事柄の一つ。
生物の排泄物や遺骸などは、しばらくすると、その場からきれいに無くなってしまいます。例えば、植物や動物が死んだ場合、それらの遺骸は虫や菌類、細菌などによって処理され最終的には土に還ります。具体的には、死んだ生物の遺骸は、それを摂取した他の生物体の構成成分や二酸化炭素、水、土壌中の諸物質になります。このように、生物の遺骸や老廃物を栄養源として生きる生物のことを「分解者」と呼びます。分解者には、ミミズや昆虫など、肉眼で確認できる大きさの生物の他に、目に見えない微生物が含まれています。これらの働きで、有機物が最終的には二酸化炭素と無機物に変換され、生態系が保たれています。小型動物が大まかに分解したものを最終的に微生物が分解します。
また、微生物は我々多細胞生物よりも遥かに分解できる物質の種類が多いのが特徴です。人間の科学力ではとても分解できないような物質があったとしても、その物質を地球に住んでいるある微生物がいとも簡単に分解してしまう、というようなケースが非常に多くあります。この理由として、「地球上には様々な種類の微生物が存在しており、それぞれが様々な物質の分解能力を持っている」こと、「微生物は他の生物に比べ、新たな化学反応経路の獲得が大変得意であること」などが考えられます。

「永遠に残る」化学物質
ナノテクと微生物で分解を目指す
ここ数カ月で、複数の企業が食品パッケージから「永遠の化学物質(Forever Chemicals)」を排除する計画を発表しました。永遠の化学物質とは、人体に蓄積するおそれがあり、環境中で分解されない物質のこと。

希望のもてる最新研究
PFASをめぐる懸念のひとつは、人体や環境中にいつまでもとどまる点にあります。「永遠の化学物質」は、時とともに蓄積するおそれがあり、取り除くのは難しい。PFASを含む食品パッケージは堆肥化できず、ごみ埋め立て地を汚染します。そうしたPFAS分解をめぐる問題を解決する方法を研究しているのが、ピッツバーグ大学とニューヨーク州立大学バッファロー校の研究者たち。
この研究で焦点になっているのが、ナノテクノロジーと微生物を用いたPFASの分解だ。ナノマテリアルとPFASを反応させれば、微生物が食べられるくらいの大きさまでPFASを断片化できるかもしれない。研究の目標は、環境からPFASを除去する効率的な処理プロセスを開発することにあります。
この研究で調べられているPFASは15種類だけですが、そこから得られる知見は、さらに幅広い用途に応用できる可能性があるのだそう。研究チームは、PFASの分解の仕組み、副生成物の毒性、化学物質を消費する微生物のパフォーマンスを検証する計画です。

参考:農業環境技術研究所、Academic Presentation、JAPAN Forbes

 

 

 

 

 

 

 

 


vol.217 ぴーふぁす徹底図解


PFASって何? ― 第二のダイオキシン問題

PFASによる人体と環境汚染が進行中です。PFASは、パー(またはポリ)フルオロアルキル化合物の略称です。日本では有機フッ素化合物といい、化学的に最も結合力の強い炭素-フッ素結合を持つ人工化合物の総称です。現在、4700種類以上が存在しています。環境中できわめて分解されにくいため「永遠の化学物質(フォー エバーケミカル)」と呼ばれています。


PFAS にばく露すると免疫力が低下する!
約4700種もあるPFASの毒性はほとんどわかっていませんが、PFOS、PFOAについては、近年の研究から、次のような毒性が明らかになってきました。

1-環境ホルモン(内分泌かく乱)作用:甲状腺ホルモン、男性・ 女性ホルモンなど多様な性ホルモンのかく乱作用
2-発がん性:腎臓がん、前立腺がん、乳がんなど
3-生殖毒性:不妊、低出生体重児の増加など
4-免疫力の低下:感染症にかかりやすくなる
5-肝臓への毒性:肝疾患との関連
6-コレステロール値の上昇
7-潰瘍性大腸炎
環境ホルモンは、ごく微量でも影響を及ぼすので、感受性が高い発達期の胎児や子どもへの影響がとくに危惧されます。

PFOSやPFOAは難分解性・蓄積性からPOPs条約、化審法の規制物質になったものの、毒性が明らかになってきたのは、ここ数年のことです。健康影響の指針となる安全基準値(耐容一日摂取量)は、欧米において、この14年で約5000分の1と規制が強化されてきています。日本では2019年、PFOS、PFOAの耐容一日摂取量はそれぞれ20ng/kg/日、水道水質の管理目標値はPFOS、PFOA合わせて50ng/L 以内(暫定)と設定されました。

国際的な規制と各国の取り組み
環境中での残留性(難分解性)、生物蓄積性、人や生物への毒性が高く、長距離移動性が懸念される残留性有機汚染物質(POPs:Persistent Organic Pollutants)を規制する条約で、PFASのうち、PFOSは製造・使用、輸出入が制限される物質(附属書B)、PFOAは製造・使用、輸出入が原則禁止される物質(附属書A)として指定されています。しかし、日本の規制は世界の後追いです。

中日新聞 2023年12月4日朝刊

 

命を育む水(水道水)が、今限りなく危うい状況となっています。自分たちの命は自分たちで守る!今、ここで動かないと一生後悔する!自分ごととしてこの問題に向き合い一緒に行動・勉強しませんか?
環境・未来・各務原ーPFAS汚染と市政を明らかにする会(代表・小川 麻実)kakamigahara.mizu2023@gmail.com


vol.217 ぎむきょーるーむ ギャングエイジとゴールデンエイジ

 

「ギャングエイジ」とは? ~自立のスタート~
必ずやってくる超反抗期「ギャングエイジ(gang age)」。親にとっては子育ての山場のひとつといえますが、子どもにとっては発達段階における重要な時期。いわば「自立のスタ―ト地点」ともいえます。この時期を上手く乗り切るために、親はギャングエイジをよく理解しておきたいものです。「ギャング」とはチームやユニット、仲間を意味する言葉です。
「ギャングエイジ」の頃は自我が強くなり、生意気な発言が多くなりますが、それは“成長の証”。 ただ親子間、また人付き合いにおいて、あまりにも敬意に欠く発言や態度が見受けられる場合は、強く叱っても良いでしょう。この頃になると、親にウソをついたり、秘密を持つようにもなります。そんな場合、ウソに気づいたとしても、「さすがにこれは」と思うほどのことでなければ、見て見ぬフリをして、見守ることも必要です。それをとがめたり、叱ったりすると、親に何も話さなくなることもあります。

「ギャングエイジ」になれない子どもが増えている?!

ひと昔前は、子どもは日暮れまで外でかけまわって遊んでいたものです。それが最近はそんな子どもの姿はパッタリ見られなくなりました。こうしたことが原因で、子どもが「ギャングエイジ」になれなくなってきていると、懸念されています。
発達心理学での「ギャングエイジ」は青年期以降の社会生活の基礎となります。
親が注意することを以下にまとめてみました。
①塾や習い事を控えめにし、友達と自由に遊べる時間を確保する。
②子どもができることには手を貸さない。過保護では自主性や意欲が育たず、仲間に入れない子どもになってしまう。
③よほどの問題がない限り、子どもの友達を否定したり、遊び方に干渉したり、子ども同士のトラブルに口出しをしない。
子どもは遊びを通じて成長していきます。
「ギャングエイジ」という時期は小学3年~4年のこの時期しかありません。
「ギャングエイジ」の時期を上手く過ごすことができれば、子どもは社会や他人に関心を持ち、自発的に関わりを持とうとするようになります。それが、その先大人になったときの人間関係や社会生活の基礎となり、自然に社会に溶け込むことができるのです。悩める時期であるとは思いますが、子どもをそっと見守り、つかず離れずの距離で見守っていくのが良いでしょう。

 

ゴールデンエイジとは?
子どもの運動神経がググっと伸びる黄金の成長期

『ゴールデンエイジとは?』 ◇9歳から12歳頃をいいます。成長が早い時期の5歳と12歳では身体的違いが大きいので、ゴールデンエイジを「プレ・ゴールデンエイジ(5~9歳)」と「ゴールデンエイジ(10~12歳)」に分けて考えます。プレ・ゴールデンエイジ(5~9歳)の特徴は「神経系の発達」神経系の発達がほぼ完成し、動きの巧みさを身につけるのに最も適している時期です。 ゴールデンエイジ(10~12歳)の特徴は一生に一度だけ訪れる、あらゆる動作を短時間で覚えることのできる「即座の習得」を備えた時期として重要視されています。子どもは、パッと見た直感だけで動きのコツをつかみ、その動作を習得してしまいます。
この時期に色々な運動、スポーツをすることが大切。「好きなこと、面白いことに熱中し、すぐ飽きる」という子どもの特性を利用して体を動かす方向に誘導することは、難しいことではありません。
ゴールデンエイジが注目されるようになった理由は「外遊び」の時間と質が変わったから。外遊びで特に注目したいのが鬼ごっこ、けんけんぱ、缶蹴りなどの“昔遊び”です。
遊ぶことによって、身体を動かし、無意識のうちに運動神経を発達させます。

この二つの時代(エイジ)に共通することは、やはり「遊び」。「遊び」は、幼児の脳や体の発達を促進させます。 追いかけっこや鬼ごっこ、ボール遊びなどの外遊びは、動き回るので心肺機能が向上したり体力がつきます。 また、いろいろな動きを経験するのでバランスよく筋肉がつくのをサポートし、 日光を浴びる適度な運動は、丈夫な骨の育成にもつながります。
遊びは日常的なものであり、その知識や感性は蓄積されていきます。一方で娯楽(ゲームやYouTubeなど)は非日常的なものであり、そこで得たものは蓄積されるのではなく消費されていきます。
遊びは、子どもの「やってみたい」「遊んでみたい」という気持ちから始まる自発的なもの。娯楽もときには大切ですが、基本的には子どもの自発性を大切にした遊びを重視するようにしたいですね。特に、【ごっこ遊びは柔軟性・創造性】が育ちます。
少なくシンプルなアイテムのなかで、子どもは独自のルールや楽しみ方を見つけて、脳を発達させていきます。また、ごっこ遊びをすることでコミュニケーション能力を養うこともできます。さらに【外遊びは社会性】を養います。自然に触れることで触覚や視覚、聴覚などを刺激し、好奇心、想像力などを膨らませることができ、遊具を使ったり自然のなかを駆け回ることで体力、身体能力を高めることができます。

参考:Fungoal、ASTEP


vol.217 しょうがいをみつめる vol.10


日々は常ではないような

 

コロナに罹患した。なかなかしんどい時間を過ごしなんとか回復したが、体力の無さを今更ながら実感している。夫婦順番に罹患していき、”いつ罹ってもしょうがないよね”と少しばかりの余裕もあった。

「コロナ禍」と言われた時期は数年に渡り人々が口にしていたと思うが、思い出すとそれが始まった時期には私はまだ経営者であり、知的障がいの長男と認知症が進んだ母親と同居していた。自分の環境が変わったのだという実感をひしひしと感じる。

今はもう長男・母ともに存在としてこの世にはいない。

コロナが蔓延し始めた頃は”高齢の母親が罹患したらどうしよう”とか”治療や通院が難しい長男が罹患したらどうしよう”とか少ない情報の中で戸惑っていた。社会生活は規制が暗黙的に敷かれ、マスクが日常的に着用出来ない母親にマスク着用や手洗い消毒を促す毎日にイライラしたり、逆ギレされて怒ったりと日常の形が変わった時期でもあった。会社の運営方法にも工夫が必要とされる時期でもあり、自分自身も罹患しないよう経営指揮を執り、細心の注意を払いながら過ごすことが日常となった。

日常という些細な今は、次から次へと過去という形態になり過ぎ去っていく。その積み重ねが日常であり、”今”を過去から見たら”未来”というのであろう。未来とはそんなあるようでないものでしかないようだ。パンデミックという世相は生活習慣や「当たり前」を変えながら、繰り返し変わらないと思っていた日常が「そうではないかも?」と思わせるひとつのキッカケとなったのかもしれない。

簡単に1分先や10年先の未来描くことを私たちは頭の中で巡らせている。しかし当たり前が変化した時、その先は予測できない不安に包まれる。日常的に私たちはまだ起こらない未来に戸惑い、夢を見、自分の心が”今ここにない”ことにどれほどの時間を費やすのだろう。それらの未来を案じる”希望”や”憂い”は自分を突き動かす原動力となり、結果としての喜びや達成感を感じさせてくれたり、悲しみや失望にも形を変えてきた。それに突き動かされることは悪いことではないけど、翻弄されていることに気づかないままだと厄介だ。

常に変化し続けている”今”を日常と呼ぶのならば、予測しようがなかった2人がいない今を生きている私の現実は思いもよらなかった未来と言えるだろう。幸か不幸かという未来図よりも、日常はいつもそこにあるものではなく、とどまることなく変化し続けていて、今も刻々と変化しているということ。そう感じていたいと願っている。

コロナ禍という言葉が人々の日常から薄れゆく今、薄れることなくただ濃密に色濃くハッキリと私の心に映し出された過去という日常は、今は望んでも得ることが出来ない。それは時間の流れから一歩離れたところに今も脈々と漂っている。それは悲しみや苦しみという想いを超えて現在という未来となった。今やその過去はあるべくしてあった必要な経験であったと変化し、これからも変化するだろう。今の捉え方次第で過去と呼ばれる過ぎ去った時間はどうにでも捉えなおすことが出来ることは原体験から映し出され続けている。それは今という日常を色濃く照らし、常ならぬ日常を暮らしていくヒントになっている。そして、それは”今”が積み重なった未来をうっすらと映し出す光となっている。

映し出される景色を感じるために私は日々を生かされている。その先はこれからもハッキリとは見えることはないだろう。


MASA:若者をはじめ、障がい者も一緒になって、ごちゃまぜイノベーションを目指している。知的障がいのある息子は享年24歳で2021年2月27日に旅立った。関市在住。


vol.217 やってみた 松浦 利重さん

やってみたシリーズ第20弾

お日様の力をいただく、八木山 日の出登山。

松浦 利重さん(70代)

各務原市東部に位置する八木山。標高296メートルのこの山は、南側麓に住宅地や学校もあり、地元の人々に親しまれています。
2年前から可能な限りほぼ毎日、日の出登山を続ける松浦さん。登山を始めるようになって、持久力がつき、お腹の脂肪も減り、少しずつ体が引き締まってきました。精神面でも変化が。「心が強くなったというか、ダラダラするのは今でもそうなんだけど、そこからやる気モードへの切り替えがスムースにできるようになりました」
そもそも、日の出登山を始めたきっかけは?
「何か一つ自分に決め事をして、それを続けるといいよ」と、ある勉強会で出会った方がアドバイスをくれました。読書にするか登山にするか迷い、体を動かす八木山日の出登山に決定。 数年前に自治体のイベントで、八木山、双子山、愛宕山と連なる三山を縦走した経験もあったので、八木山は気軽に行けるちょうど良いところでした。ところが初日、数年間ぶりに登ってみると「え、こんなにしんどかったっけ?」。特に山頂直前の岩場の険しく感じること。山頂にたどり着いた時はぐったり、思わずその場でへたり込みました。
それでも、誰もいない山頂で昇り来るお日様と向き合っていると、そのパワーが自分の中に入り込んでくるような気がしました。自然にお日様を拝み、頭をさげる自分がいました。
「気持ちいい!これは続けましょう!」
以来、雨天時、前日の雨で道がぬかるんでいる日、泊まりで出かけている日以外は毎日続ける松浦さん。
季節により時刻が変わる日の出は、6月頃は5時40分くらい、冬は7時くらい。山頂で日の出を迎えられる時刻にあわせ家を出ます。薄暗い山道をせっせと歩き、冬でも汗グッショリ。帰宅して衣服を着替えれば気分爽快、1日の始めに体を動かし充実した時間を過ごすことができ、気持ちがいいこと。これはランニングハイならぬ登山ハイかも。
八木山日の出登山もいつのまにか2年が過ぎたけど、毎日登っていても飽きるということはないと松浦さん。「根元で3本に分かれているお気に入りの木、きっとみんなここで休むんだろうなと思える石。日に日に大きくなる木の実、変わった形の葉っぱや空に浮かぶ雲。季節ごとに咲く花。どれも面白いよね」。馴染みの風景に心安らぎ、小さな発見が新鮮な気持ちにさせてくれます。気になる植物などを見かけて帰宅後に調べることはしょっちゅう。
「登山の影響なのかな、よく空を見上げるようになりました。心に余裕がないと空を見上げるってこともしないよね」
移りゆく自然の面白さに出会うたびに写真に撮り、SNSで発信もしていましたが、ある日、登山道から外れた斜面に生えているキノコを撮ろうとして、足を滑らせ左足首に怪我を負ってしまいました。3ヶ月の休養期間を経てもうすぐ復帰、八木山の自然とお日様に再び会える日も近づいてきました。
「まずはもっとゆるいところで足慣らししてから。それから八木山登山を再開しますよ。」
今や八木山日の出登山は、松浦さんに欠かせない存在のようです。

 


vol.217 人生これから シニアポートレート撮影会

● 普段撮れないような素敵な写真を撮ってもらいました。今のうちに息子達に渡しておこうかな。楽しい時間でした。
● 自分の遺影を撮ると、来るときはちょっと気分も落ち気味でした。でも撮っていただいた写真を見て、これなら部屋に飾ってもいいし、家族に「これを撮ってもらってきたんだよ」と明るく報告できます。
● さすがプロ!素敵な写真を撮っていただいて嬉しいです。今日は自分だけでなく、仲間の普段とは違う一面が見られて良かったです。
● お話しながらのヘアメイクと撮影でリラックスして参加できました。自分の知らない側面を見られて良かったです。
● まるでモデルになったような、楽しい時間でした。普段なかなかできないような体験をさせてもらいました。
● いつもとは違う私を撮ってもらい、とっても良かったです。メイクで可愛くなれてうれしかったです。
● プロの目線ってすごい!私の中にあるものを引き出して、形にしてもらえて嬉しいです。家族にも見てもらいます。

撮影後、写真のセレクト
この時間がまたいいんです。自分再発見の瞬間かも!!ヘア・メイクも念入りに。

みなさんが喜んでくださってとても嬉しいです。もっとみなさんに輝いてもらえるように頑張ります。  (ヘア・メイク:みさ)

今日は窓からの自然光の具合も良く、まるで絵画を撮っているような気分でした。遺影といえど、美しさ、その人らしさって大切だな、と思って撮っています。気軽に撮ってもらえたらいいな、と思います。 (フォトグラファー:ちいほ)


vol.217 夢か悪夢かリニアが通る!vol.46

2016年、新青森―新函館北斗間で部分開業した北海道新幹線。30年度末開通を目指し札幌延伸工事を進めていますが、工事の大幅遅れに加え、札幌オリンピック・パラリンピックの30、34年開催が白紙になり、開業時期の見直しも取り沙汰されています。新函館北斗―札幌間の約8割がトンネルで、札幌ドーム約12杯分の残土が出る見込み。リニア中央新幹線でも9割近くを占めるトンネルから掘り出される膨大な残土が工事のネックになっていますが、北海道新幹線では既にヒ素やセレンなどの重金属を基準値以上含む「有害残土」が掘り出され各地に積まれています。                  井澤宏明・ジャーナリスト

 

北海道新幹線で起きていること

「やりたい放題」
「住民の目がないとやりたい放題です」。人懐っこい笑顔に憤りを隠せないのが、工事が進む八雲町の住民で「流域の自然を考えるネットワーク」スタッフの稗田一俊さん(75)です。
福岡県生まれの稗田さんは1972年、東京水産大学(現・東京海洋大学)を卒業。水中撮影専門の映画会社を経て、フリーランスカメラマンになりました。北海道の遊楽部(ユーラップ)川でサケの撮影を手がけ、内浦湾(噴火湾)のホタテを撮影したことをきっかけに八雲町に移住。『鮭はダムに殺された 二風谷ダムとユーラップ川からの警鐘』(岩波書店)などの著書があり、「どうぶつ奇想天外!」(TBS)などテレビ番組の撮影も手掛けてきました。
豊かな自然を肌で感じてきた経験から、沢や湿地を埋め立てる残土処分を黙って見過ごすわけにはいきません。現場に足繁く通い、地道に調査した事実を突きつけて、リニアも建設している北海道新幹線の建設主体「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」(鉄道・運輸機構)や自治体に改善を求め続けてきました。
2016年には、八雲町の立岩トンネル工事現場にある有害残土仮置き場の沈殿池から濁水が遊楽部川に排出されているのを確認。有害残土が同機構側の説明していた「遮水シート」ではなく、すき間だらけの「防水シート」で覆われた状態で仮置きされ、風にあおられた土砂が牧場にまき散らされている実態も目撃し、会のホームページなどで報告しました。
たび重なる改善要求にも関わらず、トンネル工事現場からの排水により、清流に魚があふれていたルコツ川や山崎川の川底の石が泥をかぶり、魚の棲めないドブ川のような「死の川」に。そんな悲惨な状況も撮影、公表しています。

「監視の目は必要」
新函館北斗駅のある北斗市では農業者などで結成した「新幹線トンネル有害残土を考える北斗市民の会」(坂本常光会長)に協力。砕石採取場跡地にある有害残土の最終処分場から、雨が降るたび大野川に流れ込む白濁した排水や砂泥を採取。専門機関の分析で、環境基準の1・5倍のヒ素が検出されました。大野川流域の函館平野(大野平野)は、道南地方有数のコメどころ、ブランド米「ふっくりんこ」の産地です。
同機構の調査では「基準値以下」だったものの、その後、処分場の地下水から環境基準を超える重金属セレンを検出。有害残土搬入は中止され、渡島トンネル工事は一時中断。セレンの処理プラントを設置せざるを得なくなりました。
この有害残土最終処分場の盛り土は遮水シートも敷かず、地面にそのまま積む「ずさん」ともいえる工法で行われてきました。同機構は「地盤中の重金属等は水分に溶出しながら土粒子に吸着する特性があります」と安全性を強調しますが、地下水が汚染されるのではないかという住民の疑念は消えません。
工事現場に通ううち、稗田さんは警察に通報されたり、入り口の看板に「事前通告なく、警察等へ直ちに通報します」と記されたりするようになりました。
それでもめげません。筆者は11 月初旬、稗田さんに現地を案内してもらいましたが、残土処分場に正面から入れないと見るや、「ちょっと見せて」と一眼レフカメラを懐手に処分場の脇にある小川に水浸しになりながらズンズン分け入っていきます。
「監視の目は必要。本当は僕なんかがやるんじゃなくて、自治体がやらないといけない」と稗田さん。自治体が事業者と「二人三脚」となって住民を守ろうとしない構図はリニアを巡る状況とそっくりです。


vol.217 平和のつどい

なぜ戦争への準備なのか〜平和への道を探る」

2023年11月3日 平和のつどい 岐阜市民会館大ホール

安保三文書決定、戦争できる国へ突き進む岸田政権

望月 衣塑子さん(ジャーナリスト)

東京・中日新聞に入社後、日本歯科医師連盟のヤミ献金問題、防衛省の武器輸出、軍学共同をテーマに取材。17年4月以降は、森友学園・加計学園問題で、官房長官会見で質問を続けた。著書に『武器輸出と日本企業』、『新聞記者』、『報道現場』、『日本解体論』(白井聡との共著)近著に『日本は本当に戦争に備えるのですか?』(共著)など多数。

国連児童基金(ユニセフ)によると、ガザ地区の病院では赤ちゃん120人(人工呼吸器をつけている未熟児の新生児70人を含む)が保育器の中で、予備の発電機につながった機械を頼りに生きている。ガザの報道はテレビや新聞で取り上げてはいますが、自分たちのこととして議論を進めているのか。こういう状況を見ると、今日本が23兆円という巨額の軍拡に舵を切ったことによりガザ地区、イスラエルのような戦争となりうる…。私は今とてつもない危機感を持っているんです。

昨年末に岸田さんが突如、国会で安保三文書を決定し、敵基地攻撃能力の保有を打ち出し、GDP比2%の軍事費を増強しました。こういう流れの中で8月8日、台北での国際フォーラムが開かれた。そこで麻生副総裁の「戦う覚悟」発言が出ました。「今ほど、日本・台湾・アメリカをはじめとした有志の国に、強い抑止力を機能させる覚悟が求められている時はない。こんな時代はないのではないか。『戦う覚悟』です」「台湾海峡の安定のために、(防衛力)を使うという明確な意思を相手に伝える。それが『抑止力』になる」。自民党副総裁という立場での講演です。麻生さん周辺の議員の方々も、「中国が反応しているということは、つまりこれは『抑止力』になっているということ。今回の麻生さんの『戦う覚悟』発言で戦争のリスクは下がる」というんです。何言ってるんだ?ですよね。
この発言で「抑止力」になっているのか、と言ったら全くそうではない。8月9日、在日中国大使館は「ものほど知らずで、でたらめを言っている」「日本の一部の人間が執拗に中国の内政と日本の安全保障を結びつけることは、日本を誤った道に連れ込むことになる」と。中国外務省も「台湾海峡の緊迫した状況を誇張し対立を煽り、中国の内政に乱暴に干渉した」と非常に強く反発をしております。日本はけしかけるような内政干渉とも言われることを麻生さんに、政府の外務省を通じて言わせたんです。
今年は日中平和友好条約締結から45年の節目ですが、尖閣諸島をめぐる問題や処理水の海洋放出もあり双方の国民感情は悪化。日中関係に「悪い」「どちらかと言えば悪い」は、日本人で68.4%、中国人で41.2%。18歳以上の2500人を対象にした調査結果です。
何が問題なのか。処理水の問題を掲げた日本人が36%で4割近くいる。処理水問題が結果として政治的な道具に使われているということ。今までの保守系新聞だけではなく、朝日新聞、リベラル紙さえもが、この処理水を問題視している。これを受けて中国の社説でかなり厳しく批判をしていました。
結果としてこれが軍拡を突き進み、防衛費を2 %に引き上げ、その先にあるのは台湾有事、台中戦争ということを想定している岸田政権。ではこの流れをどう変えるのか。アメリカへの対米依存度の約3倍、日本は中国に依存しています。海産物の輸入制限をやられた時に、年間871億円ですよ。それほど多くの水産物が日本から中国へ輸出していたんです。アメリカ以上に対中関係を改善させていくことが本当に今一番大切なことなんです。

防衛財源確保法が成立
増税の代わりに、今後は同法成立で創設された防衛力強化資金の税外収入など他の財源からの追加負担も検討される。毎年4兆円を確保しなければならない。年間3兆円あれば、小中高大の国公立大学の授業料も無償化、給食費の無償化、これが可能だという試算が出ています。3兆円をその無償化に使って欲しいと私は思ってます。
軍拡のために増税に頼っては良くないが、税外収入に頼るということは国債に依存するということ。それは太平洋戦争の時と同じような日本の財政があやういと言われているので、軍拡予算を作るために防衛増税をして、どんどん国債に頼っていけ、という。こういう非常に無秩序なやり方に日本は舵を切ろうとしているんですね。同じようなやり方で、安保三文書を閣議決定され、軍拡を突き進めようとしています。
敵基地攻撃能力(反撃能力)保有明記。▼ 安保関連経費 2027年度に防衛力の抜本的強化と、それを補完する取り組み
周辺国への認識 中国=対外的な姿勢や軍事動向などは我が国と国際社会の深刻な懸念事項であり(中略)これまでにない最大の戦略的な挑戦。
ところが韓国の革新系の新聞は、「事実上戦争ができる国家に変わった、軍拡を激化させ緊張を高める」と。そして保守系東亜日報でも、「憲法9条を完全に無力化する内容」と報道。日本の防衛費が現在の世界9位からアメリカ、中国に次いで3位に。こうなると韓国は世界の2位3位の軍事増強国家に包囲される!と、去年の安保三文書決定以降、韓国の世論の中で、軍事増強国家に包囲されてるぞ、北朝鮮、中国に包囲されるということで、実は今、リベラル系の知識人も含めて、全体の7割の人が「韓国も核を持つべきである」と、核武装を支持。日本はアメリカ軍のトップが2027年にも台湾有事が起きうるということを話題にしたことを受け、台湾有事に備えよっーという流れが急速な勢いで進みどんどん軍拡を進めています。
結果としては安全保障のジレンマという流れの中で、周辺国の東南アジアの地位、こちらの軍拡ということを物凄く誘発しているんですね。このままじゃ全体がまさに緊張に包まれ、何かが起きた時にあっという間に戦争に巻き込まれていくんじゃないかということに、私はここでも危機感を覚えます。

 

 

ウクライナ紛争以降の世界秩序

白井 聡さん(政治学者)

思想史家、政治学者。現在、京都精華大学国際文化学部准教授。『永続敗戦論ー戦後日本の核心ー』(石橋湛山賞、角川財団学芸賞受賞)、『国体論ー菊と星条旗ー』、「武器としての「資本論」』『日本解体論』(望月 衣塑子との共著)、近著に『日本の正体』他、多数。

 

統治の崩壊
ここまでひどくなってきた理由ってのはなんだろうか。構築されてきた社会のあり方、これが限界に達した。それが統治の危機という形で全般的な行き詰まりが現れたんだと思います。そして戦後という言葉。今年は戦後78年目。日本は1945年の敗戦という形で大きな挫折を味わう。そこからいわゆる戦後復興、高度経済成長があって、現代に至る。
このようにみていくと1945年はマラソンでいうと折り返し地点のように見える。そこを境に戦前と、戦後という時代をわけている。戦前は明治維新を起点として考えると77年間。そして1945年から昨年77年間、つまり、昨年は戦前と戦後が時間的に同じになった。そして今年、戦後の方が長くなりました。
長くなったこの戦後という言葉、日本人は独特の二つの意味を与えてきたと思います。一つは1945年に終わったあの戦争の後、ということですが、もう一つは戦争一般です。あの戦争はいろんな意味でひどいものであって、最終的には核兵器というそれまでの兵器とは桁の違うものを使われて、敗戦を認めることになった。
で、そこから、もう戦争はこりごりだ、絶対戦争しない、させないということで「憲法9条」が大事なものだと考えられてきたわけです。戦争は絶対起こしてはならないという信念確保です。しかし一方でそこには問題があったように私には思われます。といいますのは、「もう戦争はないんだ」という感覚が広く日本社会に定着してしまった。だからこの戦後という言葉が独特の響きを持ってつながってきたんだと思うんです。この78年間、日本は交戦する当事国には一度もならなかった。
サンフランシスコ講和条約と日米安保条約というのは同時に結ばれています。この二つの条約は完全にワンセット。つまり、一応独立は認めてやるけれど、米軍は駐留し続けるぞ、ということが、宿命のように決められていったのです。いわばそれを前提としたうえでの、アメリカの傘の中(核の傘ともいう)にいるということが全ての前提となった上での平和主義。だけど、もうそういった時代は終わりました。今それが音を立てて崩れようとしている。ウクライナ紛争勃発以降、急速にまたハッキリと表面化してきたというのが現在の情勢であると私は考えます。

この地図をご覧ください。紺色の国はロシアとウクライナが戦争を始めて、ロシアに対する経済制裁に参加している国(北米の2カ国、ヨーロッパのほとんどの国々、オセアニア主要国であるニュージーランド、オーストラリア。アジアでは日本、韓国、台湾、それからシンガポールです)。黄緑色の国々は参加していない国(南米とか中南米とかアフリカとか、中東、それからアジアの広い範囲の国々)。参加していない国の方が圧倒的に多い。このことの意味をよく考える必要があると思うんです。つまり、この戦争が始まってロシアの所業は帝国主義的だとアメリカは激怒する。なんかヤクザの抗争みたいな論理なわけ。実はヤクザの抗争に例えると今の情勢というのが非常によく理解できるんです。というのはヤクザっていう現象は人間の社会における暴力という極めて原初的な形態ですから、そして国家というものの本質はここにあるわけです。そういう理屈でロシアが戦争を始めたなと、そんなことはけしからん!許さん!ロシアを干上がらせてやれ。さあ、みんなで制裁しよう。とアメリカはヨーロッパ西側諸国に言ったんです。だけど、そんな平和主義違反を中東や中南米の国々はどんなふうに聞くでしょうか?アメリカはまさに中南米はおれのシマだ、反米的な政権ができようものなら、あるいはできそうになると、あらゆる攻略を使い、時には軍事力を直接むき出しに使って叩き潰していくということをやってきたわけです。要するに制裁を実行した国は先進国であり、してない国は途上国だっていうこと。こういう図式が鮮明になっていくにつれてこの戦争の意味、位置づけっていうのがどんどん大きくなってきました。
まずこれはロシア対NATOの戦争だというふうに考えられるようになった。確かにウクライナは実はバルト諸国から多大な資源を受けなければ戦争継続ができないわけです。いわゆる大戦争の性格をもつようになり、そしてさらに中国の動きが決定的だった。中国がロシア寄りの中立という立場をとることで、いってみればG7対グローバルサウスという構図になってきました。要するに、先進国対途上国という構図がいろんなとこで、戦乱を伴う形で出てきている。なるほど、なぜ岸田大軍拡というものが強行されようとしているのか、ということが全部腑に落ちてくると思うんですね。
要するにこれはグローバル南北戦争なんだから、アジアへも飛び火するぞ、それに対応する体制を作らなきゃ、ということです。本当に中国と戦争を始めるとすればどうなりますか?まず中国と断交してもやっていけるような経済を作らない限り中国と戦争なんてできるわけがない。だけど、アメリカはとにかくヤレ、ヤレと言ってくる。だから、本当は戦争なんてできないんだけど、やる気がある顔をしとかなきゃいけないから、とりあえず武器でも買っといてお茶でも濁すか。これが今の日本の政治ですよ。そしてすでにその中で憲法は残念ながら空文化している。なぜならそもそも日米安保条約、さらにはそれに付随する日米地位協定のほうが日本国憲法よりも上位にありますから。そして究極的な問いが突きつけられています。アメリカという天皇のために死ねるのか、と。こういう政治になっている。これをもう脱却するということが本当の意味で戦後を終わらせるということなんです。

※お二人の対談は次号に掲載します。

 


vol.217 ボーダーレス社会をめざしてvol.76


NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

きょうだい児

以前にも「きょうだい」について書いてきましたが、今回はきょうだいの側からの言葉で衝撃を受けましたので書いてみようと思います。
障がい者のきょうだいのためのオンラインの会Sibkoto(しぶこと)(https://sibkoto.org/)の運営をしている白井俊行さんが「全国手をつなぐ育成会連合会」が発行している「手をつなぐ」という本の「ひびき」に書かれている内容です。
『弟の私にいやがらせをする兄(障がいがある)が大嫌いでした。母は、兄を溺愛していました。親は産む、育てる意思があって「なる」ものですが、きょうだいは何の意思もなく「なる」ものです。それで「家族だから」という言葉に一生縛られます。それを当たり前とする価値観がなくなれば、きょうだいがより自分らしく生きられるようになるのではないでしょうか』と。
きょうだいは苦しんでいます。物心ついたころから、家の中には普通の家庭とはちょっと違ったきょうだいがいます。何事もその障がいのある人が中心になって回っています。旅行、遊び事すべてその障がいのある人ができるか否かで決まります。我慢ばかり強いられます。障がいのあるきょうだいを見守らなくてはいけません。いじめられていたら助けなくてはいけません。親には障がいのあるきょうだいの事でいじめられたことなど言わないで我慢します。親が悲しむことが分かっているからです。娘がそうでした。中学3年生の時に初めてそのような話を部活の先生からお聞きました。M子がお兄ちゃんの事で号泣していましたよと。家では一言も言わなかったので何も知りませんでした。知らないこととして今もそのままにしていますが、我慢していたのでしょうね。健気です。 あと、手のかからない自分の事はいつも後回しにされるなどなどいっぱいあります。普通のきょうだいでも同じようなことはあると思うのですが、障がい者がきょうだいにいる家庭では、上記のようなことは頻繁にあると考えられます。「しぶこと」の白井さんのように、親御さんが、障がいのある人を溺愛するのは考えものです。愛情は50:50が理想です。どうしても手を離せない障がいのある子に比重が行くのはやむを得ないのですが、そこでしっかりフォローが必要だと思います。親と障がいのない子と向き合う時間をしっかり意図的に取ることは、かなり重要です。 二人きりでいられる時間を短時間でいいので取ることは、何よりも、何よりも大切です。お母さんと手を繋ぎたかったけれど、お兄ちゃんがいたから繋げなかったとフッと漏らす言葉を聞き逃さないことです。普通のきょうだいにも言えることなのでしょうが、「愛情はどの子にも平等に」が基本でしょう。
大人になると結婚・出産に関しても悩みはつきません。きょうだいに障がい者がいるだけで、結婚話が破談になったという話は聞いたことがあります。どのように結婚相手に話すかも悩ましいところだと思います。娘の場合は幸いにも何事もなく結婚できたのでよかったのですが。出産に関しては、私自身が遺伝はないものだろうか?と不安でいっぱいでした。娘に「出生前診断受けるの?」と聞いたことがあります。すると「受けて、もし障がいがあると分かったら堕ろせってこと?」と言われてしまいました。「受けるわけないやん」と軽くいなされてしまいました。娘は、私が思う以上にたくましかったです。そのように何度も何度もきょうだいには試練があります。きょうだいが生きやすい環境を整えること。大きな課題です。


vol.217 菌ちゃん野菜応援団vol.38

この秋は季節外れのインフルエンザが大流行しましたね。本来空気が乾燥した寒い冬に流行る風邪が秋口にこんなに流行るなんて、今まであまりなかったこと。ますます日々の体調管理が大切になってきますね。先日岐阜に吉田俊道さん(NPO法人大地といのちの会 理事長、菌ちゃんふぁーむ園主)が講演に来られたので、久しぶりにお話を聞いてきました。

仰ることは一貫して同じ。
「お腹を元気にして下さい」
「お腹をいじめるようなことはしないで下さい」
「畑とお腹は同じ。元気な畑で育つ野菜に虫が来ないように元気なお腹を持つ人は風邪に負けません!」
もう、これだけ、でした。
お腹を元気にするには
・菌ちゃんに繋がるものを食べること
・ミネラルを食品から取ること
・よくかんで唾液を出すこと
・にこにこ笑っていること。これでしたよね。
お腹をいじめないためには
・お腹を冷やさないこと
・消化吸収しにくいものを減らすこと
・暴飲暴食しないこと。です。

もう、誰でもできるって!!というくらい簡単なこと。でもこれがなかなか難しくてすぐに忘れちゃったりする。
だけどここが基本ですよ、これをするだけで体温もグッと上がってみんな元気になりますからね!!と力説されてました。

物販コーナーでは“菌ちゃんげんきっこ”や“いりこ”が飛ぶように売れていました。
これから冬本番。体調を崩しやすい時期がきます。少しでも毎日元気で過ごしたいな、という方はぜひ、左記のことを心がけてみてください。1ヶ月徹底してやってみるだけできっと変化が感じられますよ!簡単なプログラムもありますので興味ある方はご連絡下さい。

 

 

今月のレシピ「塩こうじ」

材料:糀200g、天然塩35g、水ヒタヒタ
①糀と塩をポロポロになるまで手ですり混ぜる。
②ヒタヒタまで水分をくわえる。しばらくして糀が水を吸ったら水を足して、ヒタヒタを保つ。
③軽くふたをして常温に置く。毎日かき混ぜて糀がトロッとしたら出来上がり。
大根にまぶしたり、さっと湯がいたキノコや葉物と和えたり。
塩の代わりに使えて、かつお腹の菌ちゃんの大きな手助けになりますよ!


vol.217 ここいく日記 はじめの34歩!

 


思いを共有できた2日間

2日間に渡って、各務原市まちづくり活動助成事業「いのちのつながりフェス」を開催しました。
第一弾は、市民公園にて「いのちの授業」&ワンオーガニックマルシェ。
各務原市の真ん中で性教育を叫びたい!タブー視されがちな性教育を明るく楽しく堂々と公園で伝える。これは「ここいく」の挑戦です。
「いのちの授業」を、いのちの始まり、出産、心と人権、体の仕組み、食育の5つのブースに分かれてスタンプラリーで回ります。通常の授業より更に詳しく、丁寧に新たな内容に挑戦しました。いつも子どもたちに人気の出産劇は、初の帝王切開バージョンに挑戦。事前に複数の帝王切開体験者から意見を聞くなかで、出産に納得ができていない方が意外に多いことが分かり、今回は二通りのお産を対等に伝えました。経膣分娩と合わせて14回も公園で産んじゃいました!
各務原市の小中学校で「いのちの授業」が出来るようになるといいな。そんな願いを込めての挑戦となりました。
そして同時開催した、各務原市初のワンオーガニックマルシェ。オーガニックを、ひとつはじめよう、ひとつかさねよう、ひとつひろげよう!ワン(One)オーガニック!このコンセプトに共感し、出店者を募りました。思いのある素敵なお店が集まり、それぞれにつながり、素敵な一体感がありました。すべてのいのちに感謝。人にも地球にも優しい環境を創るためには、ひとりひとりの行動次第。この輪を広げたいので、またやりたいと思いました。
そして第二弾は桜体育館にて子どもバンドbabyboomライブ&いのちの樹形図づくり。
今を生きている子どもたちの素直な気持ちを歌ってくれたライブは、ドストレートで大人の胸に刺さりました。
コロナ感染拡大により、突然卒業式の歌が中止。歌えるよう署名活動をしたが駄目だった時の気持ちの曲「歌いたい」など、いかに大人中心に物事が進み、子どもの気持ちは置き去りである現実を痛感しました。
今を大切に、自分らしく生きる。「ここいく」の思いとbabyboomの思いが重なったライブは感動的でした。
ライブ後は、いのちの樹形図作り。誰一人かけても私はいない。いのちのバトンを受け取って、今自分の番を生きている。それを皆で感じたくって企画!7代前のご先祖様は江戸時代。ご先祖様を想像して、名前をつけて命を吹き込みます。合計254人のいのちがつながりました。生まれてきただけで奇跡、いま生きているだけで奇跡。何ができるとかできないとかは関係ない。自分の番を、自分らしく生きればいい!いのちをありがとう!そんな思いをみんなで共有できたいのちのつながりフェスでした。来年も新しいことに挑戦したいです。

担当:ここいくメンバー 古川 明美でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)