投稿者「にらめっこWeb版スタッフ」のアーカイブ

vol.180 半農半Xという生き方-vol.21

2つの方程式
いまから25年ほど前のこと。企業に入社した1年目、京セラの稲盛和夫さんの成功の方程式に出合いました。「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」という有名なものです。いくら熱意と能力があっても、考え方がマイナスなら結果が大きく異なっていくというもの。この方程式に影響を受けている人も多いことでしょう。最近、こんな方程式にも出合いました。すてきだなと思ったので紹介します。それは「OLD+OLD=NEW(古い+古い=新しい)」というもの。今年は僕にとっては20数回目の米づくりでした。わが家では、縦横30センチ間隔に手植え(OLD)、除草機や手で草とり(OLD)、手刈り&稲木での天日干し(OLD)をしています。こうしたことをフェイスブックなどで都会にむけて情報発信するとどうなるか。都会の若い世代はどう考えるかというと、新鮮(NEW)だということです。100年を軽く超える古民家でつけものなど発酵食をいただく。これもとってもとってもNEWなことです。おもしろい時代ですね。「OLD+OLD=NEW」なことを日本各地で探したり、育てたりするといいかも。そんなことを考えています。

ことば貯金のススメ
2年前、母校の大学で講演の機会をいただきました。母校の訪問は卒業以来です。影響を受けた先生と約25年ぶりに再会させていただき、2つのお礼を言いました。先生の授業で良書をたくさん紹介いただき、本好きになったこと。いいことばをメモするようになったことです。いまの自分を振り返って、特によかったなと感じているのは、「ことば貯金」をしてきたことです。20代のはじめころから、精神を鼓舞されることばに出合うと書き留め、ノートに写したりしてきたのですが、それがいま、いろいろな銀行のいろんな口座が知らないうちに満期を一斉に迎えているように感じるのです。「ことば貯金」がいまの私を支え、エッセイや企画書などを書く際、とても役立っています。最近では書き留めてきたことばを独占せず、みんなにも活かしていただきたく、公開。すると、またしあわせがやってくることを実感しています。放てば満てり、ですね。

塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は翻訳されて、台湾、中国、韓国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。

※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題(どう生きるか)を背景とする。持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。ex.半農半漁、半農半大工、半農半看護師、半農半カフェ、半農半絵描き、半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。


vol.180 夢か悪夢かリニアが通る!-vol.9

水源を貫く 長大トンネル

東海道本線・熱海―三島間を短時間で結ぶために計画された丹那トンネル。ほぼ1世紀前の1918(大正7)年に着工され完成までに16年もの歳月を要しました。この難工事を描いた吉村昭著「闇を裂く道」(文藝春秋)には、工事が進むにつれトンネル真上の丹那盆地を潤してきた渓流が次々と枯れ、追い詰められた住民がむしろ旗を立て建設事務所に押しかける姿が描かれています。これはただの昔話ではありません。全286キロのうち86%がトンネルのリニア中央新幹線は地下水脈を切って進むため、山梨実験線では既に多くの水枯れが発生しているのです。                     ジャーナリスト・井澤宏明

 

「水が枯れる」
中津川市と隣接する長野県南木曽町。旧中山道の妻籠宿で知られるこの町の貴重な水源地を、リニアの中央アルプストンネルが貫く計画です。JR東海は「影響は小さい」と主張しますが、南木曽町の住民からは「水がめに穴を空けたら水が枯れる」と不安の声が上がっています。
非常時には町の人口4260人の約3分の1を支える町内最大の水源地約85ヘクタールが「妻籠水道水源保全地区」です。2つの湧水の水源地を開発から守るため1999年、長野県の条例によって指定されました。
この水源は、水量の安定した濁らない水を住民に届けてきました。公益財団法人「妻籠を愛する会」常務理事の藤原義則さん(69)は「昭和30年代前半、妻籠宿じゅうを探してやっと見つけた貴重でうまい水です。これに代わる水源は見つかっていません」と言います。
長野県飯田市と中津川市をつなぐ中央アルプストンネルは、長さ約23.3キロにも及び、途中で水道水源保全地区の地下を1キロ弱にわたって横切ります。
「どこまで掘ってきたら水源に影響が出てくるのか、誰にも分からない」と心配するのは町議の坂本満さん(67)。地質調査技士の顔も持つ坂本さんは、トンネルのルート上に、水を豊富に蓄える複数の断層が走っていることに危惧を感じています。
同じように中央アルプスを貫いた中央自動車道・恵那山トンネル工事では、百数十か所に及ぶ断層・破砕帯の掘削で、高圧の異常出水にたびたび襲われました。坂本さんは「水が全部、岐阜県側に抜けてしまうのでは」と最悪のケースも想定します。

「週刊金曜日」2017年9月29日1154号より(連絡先03-3221-8521)

JR東海が追加調査
水道水源保全地区で一定規模以上の工事をするためには、長野県知事の同意を得る必要があります。知事は県環境審議会の意見を聞くことになっているため現在、審議会で専門家による検討が進められています。
JR東海はこれまで、「トンネル掘削により、トンネル内に湧出する地下水があっても周辺の限られた範囲に留まり、それ以外の深層や浅層の地下水への影響は小さい」と説明してきました。つまり、掘削するのは深層の硬い岩盤なので、浅層にある水源への影響は小さいというのです。
一方で、「断層付近の破砕帯等、地質が脆弱な部分を通過することがあり、集中的な湧水が発生する可能性がある」と地下水位への影響の可能性を認めています。
これに対して、審議会の専門委員会メンバーは「影響がないとするにはそれなりの詳細な根拠が必要」と指摘。「水源の涵養源は浅層の水だと決めつけてしまわず、(深層の)硬い岩盤の破砕帯や亀裂帯を通じて来ている水もあるかもしれない」とこれまでの説明の再考を求め、JR東海は今ごろになって追加調査を行っています。

岐阜県でも
町リニア対策協議会委員も務める坂本さんはこの専門委員会に出席し、「水道水源保全地区の真下をトンネルが通過することが決まってしまっていることに違和感がある。今からでも中止するか、ルートを変更する必要があるのでは」と訴えました。
長野県から中津川市に2005年、「越県合併」した旧山口村にも、長野県の水道水源保全地区に指定されていた場所があります。トンネルはこの地区も貫き影響が懸念されますが、岐阜県には知事の同意を必要とする制度はなく、専門家の検討も行われていません。JR東海は、この旧山口村から南木曽町方面に向け掘削する準備を進めています。

妻籠宿を歩く観光客。多くの外国人客にも愛されているこの静寂が、リニア工事が始まっても保たれるだろうか。(南木曽町で)


vol.180 天然生活応援団「菌ちゃん野菜応援団岐阜支部」

こんにちは。菌ちゃん野菜応援団岐阜支部です。

農薬や化学肥料を使わず菌ちゃん(微生物)と共に育ちあう、美味しくてとても元気な野菜作りを仲間と共に目指しています。

私達が大事にしていることは誰もが無理をしないこと。小さな子を抱えている人が多いので一人ではできないこともたくさん。

やれるときにやれる人がやれることをしよう。誰かが無理をするのではなくみんなで助け合おう。

そんな風にぼちぼち畑とお付き合いをしています。ある日、そんな仲間が集まって収穫。背中に赤ちゃんおんぶしたり、誰かが誰かの子どもを見守ったり。時には簡易プールなんかも登場して作業を進めていくんです。面白そうでしょう??

子どもと一緒に土にふれあったり野菜を作ったりしたい。そんなことを考えている仲間はもしかしたらたくさんいるのかも。

一人ではとても管理しきれないけれどみんなでやれば何かきっと形になる。

人と人との横の繋がりを大事にしたいと思っています。

気になった方はのぞいてみてくださいね。

TOPIC

マコモダケの収穫をしました〜
 マコモダケはマコモの根元に出来る肥大した茎の部分を指します。このマコモはイネ科マコモ属の多年草で別名「ハナガツミ」とも呼ばれ、東アジアや東南アジアに広く分布し、日本でも全国の河川や湖沼の水辺に群生しているのを見られます。
マコモはさながら巨大なイネといった様子で、草丈は2m前後に。中国をはじめ、ベトナム、タイ、ラオス、カンボジアなど東南アジア諸国で古くから食用や薬用として身近な植物で、日本でも「古事記」や「万葉集」などにもその名前が出ているそうです。北アメリカ大陸では、インディアンが古くから近縁種のアメリカマコモの種を食べる習慣をもち、この種=穀物をワイルドライスと呼び、今でも各地で栽培されています。
 このマコモには黒穂菌(くろぼきん)が寄生しやすく、感染しているマコモは夏を過ぎると、寄生した黒穂菌の影響で根元の部分の茎が肥大してきます。その膨らんで太くなった茎の部分を「マコモダケ」と呼びます。
この黒穂菌の胞子は成熟すると墨のように真っ黒で、かつてはマコモダケから採取した黒穂菌の胞子を「マコモズミ」と呼び、お歯黒や眉墨、漆器の顔料などに用いられてきた歴史もあります。
マコモダケはクセがなく、柔らかい筍のような歯ざわりがあり、ほのかな甘味ととうもろこしのような香りがします。

 

 

なかま・募集してます!
お問い合わせは 070-2626-6675(各務)まで

 


vol.180 プレゼントコーナー

プレゼントご希望の方は
ハガキまたはe-mailで、下記のアンケート1〜6をご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
〆切:11月25日 当日消印有効。
A、Bはにらめっこ編集室に受け取りに来ていただける方。
宛先:〒504-0855 各務原市蘇原新栄町2-25
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、使用させていただきます。

アンケート
1- あなたの「今年1番うれしかったこと」をおしえて!
今年、あなたが1番うれしかったことってなに?喜びのおすそわけしてね!
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事のタイトル1つ
その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望)
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、家族構成

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A.ゆりかごカレンダー2018 ゆりかご助産院様より…3名様

シンプルなデザインながら、月の満ち欠け、満潮・干潮時刻、旧暦も記載してあるカレンダーは毎年好評!予定だけでなく、出来事や体調も記入しておくと、月といろんな物事との関係も見えてきたりして。
(にらめっこ編集室でお受け取りください。)

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B.9条ボールペン にらめっこより…3名様

本体横のつまみを引っ張るとあ〜らなんと、日本国憲法第9条のアピール文が!国際的に緊張感が走るこの頃、9条の心を大切に、平和な世界を築きたいね。まずは、身近な人との対話を大切にすることから始めようか。(にらめっこ編集室でお受け取りください。)

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C.CINEX映画招待券 シネックス様より…ペア3組様

ヒューマンドラマも、アニメも、サスペンスもアクションも、何でもOK!とにかくあなたの「この映画が観たい!」が大優先。
笑ったり泣いたり、感情の開放がリフレッシュさせてくれます。写真は「アメイジング・ジャーニー神の小屋より」から。(招待券はシネックスマーゴではご利用できません。)

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よりよく生きるためのライフデザインノート「ゼロの昇天」
マザーハウスingより…3名様

人生のエンディングは必ず来ます。そのことをしっかり受け入れた瞬間から、関心事が「今これからどう生きるか」にシフトします。 書きやすいと大好評の「ゼロの昇天」の改訂版。さらに書きやすく、奥深い内容となりました。


*** お知らせ えんぴつカフェ開催します***

ライフデザインノートの書き込みワークショップ

えんぴつ・カフェ開催
と き:2018年1月17日(水)9:30-11:30
ところ:各務原中央ライフデザインセンター
2階 第一会議室
各務原市蘇原中央町(市民会館隣接)電話: 058-389-1820
参加費1,000円(資料代700円・モーニングコーヒー付き)

定価700円

・ライフデザインノートを日常生活の備忘録として使う
・家族に「ありがとう」を伝えるノートとして使う
ノートへの書き込みは、えんぴつで!
書き直したり、気持ちが変わったりするのを見越して。
ひさびさに、学生になった気分で!あーだこーだとおしゃ
べりしながら、らくがき感覚で描き込んでみませんか?

 

問い合わせ:「ゼロの昇天」編集委員まで

田辺 090-5638-7044 佐藤 080-2645-9785
中本 090-4162-2409 三上 090-7854-4561


vol.179 チャレンジャー KazuTomo

<KazuTomo>

カズ)デュオを組んで今年で7年目です。音楽の専門学校で出会いました。初めてセッションした時、トモが今まで出会ったことのないレベルのギターを弾くんですよ。衝撃的でしたねえ。今でもトモはギターに対してすごくストイック。それが良さだし、性格がギターにも出てると思うんですよね。喋らない感じなんですけど、思いやりや人の事を考える優しさもある。でもとにかくギターに対してはすごいです。
トモ)だって、それ譲ったら僕は何も残らない。(笑)
カズ)僕は直感人間なんです。「これだ!」と思った時に勘で動いちゃう。トモはいろいろ頭を使ってやるタイプ。逆にそれがうらやましかったりもするんですけど。まったく違うタイプでも、こうして結果うまくいってる。性格も全然違うのに、なのになんでこんなに合うんだろう、不思議だなぁって。
トモ)腹立つ時があるんですよ。僕が時間かけて段階踏んで考えて来たのに、ぱっと言ったカズの言葉の方が良かったりしたときなんか。音楽をやっていなかったら絶対友だちじゃないと思う(笑)。

<ライブ>

カズ)デュオを組んでからは路上ライブを昼も夜もやっていました。真夏の昼もやってるので、周りの人が見かねて差し入れしてくださったりね。つい最近まで続けていた路上ライブの経験、それがあるから今があると思ってます。
会場でライブをするようになって感じるのは、名古屋は内気なお客さんが多いということ。だけどちゃんと伝わっているんだろうなって思う。僕は必ずお客さんの目を一人一人見ながら歌うんですけど、ちゃんと伝わってる人には伝わってるって、そうはっきり感じます。ライブの後で「本当は良かったんです〜。話しかけられなかったんです〜」というメールが来たりして(笑)。名古屋はそういう人が多いです。九州はそういう人はいなくて、もうガンガン来ます。でも、それはそれぞれの良さですよね。

 

<ハチドリ>

カズ)曲は全てオリジナルで、僕が作詞作曲しています。
「ハチドリ」は「ぎふハチドリ基金(※)」のためのオリジナルソングです。ぎふハチドリ基金の登録団体で、学習支援を無償で行なっている「てらこや」へおじゃまして、子どもたちと触れ合ったり、担当の方からいろいろとお話しを伺ったりしてできた曲なんです。僕は曲を書く時には刺激やインスピレーション受けるために外に出たり旅行に行ったりします。今回も直に触れないとたぶん書けないな、と思ったのでお願いして伺いました。
少しだけの触れ合いでしたが、子どもたちはキラキラした目で、僕らに夢を語ってくれたりしました。今キツイ状況なのかもしれないけど、一生懸命今自分ができることをやって、これからに繋げていってるんだなあ、それは僕らが夢を追っているのとベクトルが同じだなって感じました。そういうのをイメージしながら、「大丈夫」「頑張れ」を使わずに、子どもたちに寄り添っていける曲にしたいと思ってできた曲なんです。
「大丈夫」「頑張れ」を使わないというのは、僕だったらどうかなぁって思ったから。僕もトモも、お互い不登校だった時期があったんですよ。そういう時に僕らは「頑張っているんだよ。そんな頑張れって言われてももう頑張れないよ」って思っていたし、「大丈夫」と言われても、「え、何が大丈夫なの?僕は今大丈夫じゃないんだよ」って。誰に助けを求めたらいいのか、という状況にいたんです。そういうこと思ったら、大丈夫とか頑張れって、言わない方がいいね。って。
ハチドリ基金に関わってみて、子どもたちを支援されている方や団体があるんだということ、子どもたちも貧困とかいろんな状況があるんだ、ということを突きつけられたというか。でも、それが現実なので、目を背けてはいけないなって。

そういう場に行ったのも初めてで、最初は何も言葉が出ませんでした。それぐらい衝撃的だったんです。
トモ)実際に行って子どもたちとしゃべったりすると、後に抱えているものがあるんだろうけど、これやりたい、あれやりたいとか、ちゃんと夢を持っている。頑張っているのに頑張れとはやっぱり言えない。僕らなりに背中を押せる曲とか、僕らができることをしていこうって二人で話しました。
カズ)そういう状況に僕らが出会えたのはすごく縁がある、すごくいいことだな、と単純に嬉しかったです。今までにない経験でした。

<曲つくり>

カズ)僕は言葉をすごく大事にしていて、もちろんメロディーも大事なんですけど、やっぱり言葉って人の心に直接届くもの。僕は意識していなかったんですが、カズの歌は人のために書いてるよね、って言ってくれた人がいるんです。僕の歌にいろんな人が共感してくれて、涙したり笑顔になったりしてくれてるのかと思うと、ああ、誰かのために書きたいなあっていうのはより思いますね。そして、それはずーっと変わらずにやっていくとは思うんです。
トモ)カズが曲を持って来て、僕がギターを弾くんですけど、僕の中では歌が物語の主人公で、その主人公の背景がギター。背景によって人の感じ方って変わるじゃないですか。主人公が言いたい事をいかに人に伝わるように弾くか、みたいな意識ですね。メロディーとか、その曲の雰囲気をもっと引き出せるギターを弾く。なんか1つの絵画をつくるイメージです。
カズ)最近、出だしの音を聞くだけでKazuTomoの曲だってわかる、って言われるようになりました。お客さんが僕らの音楽に触れてくれた瞬間に「あ、KazuTomoだ」って思ってくれる。嬉しいですねえ。
トモ)“自分たちの音”っていうのはこういうことなのかな、って思います。
カズ)僕たちは育った環境も、聞いて来た音楽も全く違うんですよ。僕はJポップとかフォーク。小さい頃から音楽は好きで、昔のビデオを見ても音楽があるとノリノリで踊ってます。本格的にやりだしたのは、中学生の時。バンドを始めて、初めて舞台に立って歌いました。高校の時はギターを買ってもらって、今に至るみたいな感じです。
トモ)僕は小さい頃から父親の影響で、中学生くらいまでクラシックしか聞いた事がなかったんです。楽器を持ったのは高校生に入ってから。でも高校一年の時に学校に行ってない時期があって、で、戻る時に「戻るくらいならちゃんとやりたい事をやろう」と思って、ギターと、吹奏楽部に入ってサックスをやったりして。なので、音楽をちゃんとやりはじめたのって高校2年生のはじめくらいかな。
カズ)違う感性が重なった時に、カズトモのハーモニー、色になる、というのは、なんか自分たちも不思議でしかないですね。
トモ)最初はお互い感覚的にぶつけあうだけで、俺だ俺だって二人でやっていて、なかなかうまくいかなくて。今はおいしいとことれるようになって来たかな。

<拠点を福岡に>

カズ)来年2月から名古屋から福岡に拠点を移すことになりました。ありがたいことに、声をかけてくださった方がいて、その方と一緒に事務所を持って活動することになったんです。それに伴い、僕たちの活動の内容はがらっと変わると思うんです。以前から二人で「変わらなきゃね」「常に新しいものを追求して、それに追いついていかないと」ってよく話していたので、そういう時期に来たんだ、という感じです。
トモ)だんだんと実家が遠くなっていく・・・(笑)
カズ)福岡に行っても名古屋にはファンの人がいてくださるし、ハチドリやいろんな繋がりがあるので、帰って来ることは多いと思います。もちろんメジャーを目指しています。それを目指して僕は九州から反対を押し切って出て来たので。そうでないと親に怒られます(笑)。

 

岩佐一成-Iwasa Kazunari
Vocal&Guitar
ヴォーカルをつとめる“Kazu”
透き通った歌声や、切なく力強い声の持ち主。
幼少期から音楽にふれあうことが多く、高校3年生からギターを始め、1ヶ月で曲を完成させる。
出身地:長崎県松浦市

 

伊藤智美- Ito Tomomi
Guitar&Chorus
ギターコーラスをつとめる“Tomo”
ギターと猫をこよなく愛している。お洒落なコードを自由自在に操り、Kazuの歌声をより一層よくする。
フラットピックを使わず、ギターをパーカッシブに弾く独特の奏法にもご注目!
出身地:岐阜県下呂市

<ライブ予定>9/9 :栄ベース  23 :下呂市交流会館・10/14 :しがくかん 10/21 :ぎふハチドリ基金5周年・2018/1/20 :名古屋市千種 5/R

・問合せはKazuTomo公式H.Pから

http://kazutomo0409.wixsite.com/kazutomo-official-hp

※「ぎふハチドリ基金」
特定非営利活動法人ぎふNPOセンターが2012年創設した、地域の力で岐阜の未来(子ども・若者・子育て家庭)を支える仕組み。「ぎふハチドリ基金」がNPOなど市民団体の活動を支えることにより、地域の支え合いが広がり、公的支援制度の隙間に陥っている人たちにも、支援の手をすぐに差し伸べることができます。
http://www.gifunpo-fund.org/


vol.179. えっ!栄養失調!?!?!

その大きな原因はミネラル不足!

現代人の食生活では、主に以下の3つの要因からミネラルが不足しやすいのです。

(1)加工食品を多く食べるようになった
共働きの家庭が増えたこともあり、家庭では冷凍食品やお惣菜など調理加工済みの食品をとることが多くなりました。これらの多くは水煮して冷凍された食品を原料に使っているために水溶性の栄養分がほとんど失われています。また変色を防いで見た目を良くするためにミネラルを奪う「リン酸塩」という添加物が加えられています。

(2)野菜が栄養を失った
現在流通している野菜は、一昔前の野菜と比較して何倍も栄養価が低いと言われています。それは化学肥料の大量使用 で土が有機分を失い、野菜が様々な種類のミネラルを吸収できなくなっているからです。また品種改良によって生育期間が短くなることで、光合成によって生成 されるビタミン量も少なくなっています。例えば、1950年と2010年で人参に含まれる栄養素を比較すると、ビタミンA(βカロチン)で81%の減、ビ タミンCや鉄分では60%も減少していたというデータがあります。

(3)砂糖の摂取量が増えた
コンビニや自販機がこれだけ多いと、子どもたちも甘いお菓子や清涼飲料水を摂取する機会が増えています。砂糖はせっかく取り入れた体内のビタミンやミネラルを大量に失わせる作用があります。砂糖を分解するために多くのビタミンB群やミネラルを消費するからです。

このような理由で、カロリーは十分すぎるほどとれていても、栄養失調になってしまっている子どもが多いらしいのです。(もちろん大人もですが)

なかでも食品添加物の一つ「リン酸塩」に注目!!

「リン酸塩」は食品を柔らかくしたり、弾力を付けたり、保湿性を高めたり、食感を良くしたりなどの結着剤やPh調整剤など多岐にわたり用いられています。リン酸塩は体内では吸収されず毒性がなく身体に入っても尿といっしょに排出されます。食品の裏がわには一括表示で「ph調整剤」とあるものには、たいていリン酸塩が含まれています。まったく表示されないリン酸塩もあるので、すべてを避けることはできません。だから、リン酸塩という表示を見たら、買わないようにした方がいいです。
なぜリン酸塩が身体に悪いのか?!ここがとっても重要です。リン酸塩が身体の中に入るとミネラルとくっついて、私達のカラダの大切な「微量ミネラル」を一緒に体外に排出してしまうからです。ですから、骨や歯になる大事なカルシウム・ミネラルが奪われてミネラル不足→新型栄養失調を引き起こしてしまいます!!

ミネラルがないとビタミンも身体に吸収されません!現代病として最近では、骨粗鬆症や骨軟化症などが増え、子どもの成長不良も増えているそうです。

COLUMN
日本人は千年以上も前から、イワシと大豆でミネラルを摂ってきました。今は食生活の欧風化で、味噌汁を飲むことが減り、豆腐を食べることも減っています。化学調味料がだしと思う人が多くなって、煮干しでだしをとらなくなり、ミネラルの摂取量が減ったのです。一番多く使われているのは、味の素の「ほんだし」。原材料を見ると「調味料(アミノ酸等)で、これは化学調味料。それから食塩、砂糖類、4番目にかつお節。このだしではミネラルはとれません。かつお節は、骨を取り除いたかつおの身を1〜2時間煮て、ミネラルが取り除かれます。豆腐もマグネシウムを含むにがりを使わないで、ミネラルを含まない凝固剤を使ったものが増えています。

 

脳の発達と活動に欠かせないミネラル

発達障害の様々な特徴は、脳機能の不全が原因だといわれています。特に脳の離れた部位を連携する長い軸索の結合が不安定になっていたり、さらには脳の情報伝達の要となる神経伝達物質が足りていないことが、発達障害特有の特徴をつくりだしているという説が有力です。
そこで脳の栄養面で問題となるのが、ミネラル不足です。
ミネラルは脳の神経伝達物質を作り出すためにとても重要な役割を担っています。
神経伝達物質には、セロトニンやドーパミンなどと呼ばれるものがありますが、いずれも興奮や意欲や平穏さなど人間の内に様々な感情を生み出すもとになります。つまり、神経伝達物質によって人間の心はバランスを保っているわけです。ということは、神経伝達物質をつくりだすのに必要なミネラルは、人間の心を支える栄養素ともいえるわけです。実際に発達障害のない人でもカルシウムやマグネシウムの摂取が不足すると、イライラしたり、睡眠障害になりやすいことはよく知られています。カルシウムやマグネシウムは天然の精神安定剤ともえるミネラルなのです。
他にも亜鉛が不足すると、不安感やイライラが増し、味覚障害による偏食が起きやすいようです。さらに鉄、マンガン、銅などのミネラルも脳の働きに不可欠なミネラルです。しかし、発達障害の方は感覚過敏を持っている場合が多いので、これらのミネラルを大量に消費しやすく、そのために脳の燃料不足になりやすいのです。

 

ミネラル摂取法
第一段階ーどの料理にもかけて!混ぜて!
① 主食の見直しとだしの活用
家庭のメニューはそのまま。主食は白米や玄米に雑穀を2割ほど入れて炊く。副菜には、いわし・あご(トビウオ)・昆布の粉末(天然だし調味粉)をかける。なければ、いわし・あご・昆布でだしを取り、そのあと鍋から取り出し刻んで毎食時に食べましょう。

② 良質な油を補充
エキストラバージン・オリーブ油、ごま油、えごま油、亜麻仁油など低精製の良質油を非加熱で、できあがった料理にかけて毎日食べる。味噌汁に一滴とか、ドレッシングにしてもグッド!

第2段階ー食材と調理法で
① ミネラル豊富な食卓へ。主食は玄米にし、ミネラルを多く含む小魚や貝類(煮干し、めざし、ししゃも、牡蠣、しじみ)、種子や豆類(そば、ごま、大豆、大豆食品)、木の実(クルミ、アーモンド、ピスタチオ、栗など)を献立や間食に取り入れる。
② リン酸塩を避ける。冷凍食品、ハム、ソーセージ、ちくわ、はんぺんなどの練り製品、ケーキ類など多くの加工食品に使われています。
③ 下茹でや、あく抜きでもミネラルは流れ出るので、素材を丸ごと使い切る。

小若 順一・国光 美佳 (著) 『食品と暮らしの安全基金』(三五館)


vol.179 ミネラル不足による栄養失調


夏だからこそミネラルが大切!
日差しが強くて気温の高い夏は、一年でとくに汗をかきやすい時期です。カラダの中から出ていく汗には、じつは水分だけではなくミネラルも含まれています。このように私たちは気づかないうちに生活の中でミネラルを失っています。
【汗に含まれるおもなミネラル】
・ ナトリウム・カリウム・マグネシウム・カルシウムなど

ミネラル不足になる現代の食生活
① 弁当、惣菜、冷凍食品、レトルト食品などの原料に、水溶性成分とともにミネラルが溶け出た「水煮食品」が、たくさん使われるようになっている。
② 「リン酸塩」がたくさんの加工食品に添加され、ミネラルの吸収を阻害している。
③ 加工食品の原材料の大半が精製されていて、水煮食品と対になる「油脂」も精製されてミネラルが抜かれている。

落ち着きのなさや、イライラ、気分の落ち込みなどに苦しんでいた人たちが、ミネラル豊富な食事で回復していると聞きました。一体どういうこと?

「子どもの毎朝の大泣きがピタリと治った」「気持ちの切り替えがスムーズになりました」。栄養バランスの良さを売りにする宅配弁当でも、ミネラルは極端に不足していました。加工食品に頼りがちな現代の食生活では、知らないうちにミネラル不足になってしまう恐れがあります。ならば、サプリメント(栄養補助食品)で手軽に補給すればいい――と考えがちですが、どのように溶けて吸収されるか分からない点が多い上、逆に過剰摂取の恐れもあるので、基本は食事の工夫だといいます。たとえば、料理のだしには、煮干し、アゴ(トビウオ)、昆布などを選ぶ▽ゆでるより、汁ごと食べる煮込みや蒸し料理にする▽外食やコンビニの加工食品が中心の人なら、納豆を1品加えたり、練りゴマや海苔をふりかけたりする――などです。
国立健康・栄養研究所前理事長の医師、渡辺昌さんは「気分の落ち込みなどが食事で治ることは確かにある。科学的な検証は難しいが、軽い心身の不調なら、すぐ病院で薬をもらうのではなく、まずは食事を見直すことが大切だ」と語る。
”NPO法人「食品と暮らしの安全発行『心身を害するミネラル不足食品』”参照

ミネラル不足で起きる症状の一例を見てみる
足がつる:足がつるという症状は、色々な場面で起こりますね。
・夜中に寝ているとき・運動中にいきなり・朝目覚めたとき
多くの場合は就寝中や朝目覚めるとき、運動中などに見られます。運動不足がたたったのだと考えている人もいるようですが、実は原因はそれだけではないのです。
栄養バランスが乱れていたり、高齢により食が細い場合などに足がつるという症状が出てきます。体内のイオンバランスは一定に保たれていますが、偏食などの影響で乱れるためです。病気などを抱えておらず、直接的な原因が見つからないなら、多くの場合ミネラルが不足しているのが問題となっています。

特にマグネシウムが不足すると、
・不安感・イライラ・こむら返り(足がつる)・循環器障害(不整脈など)・頭痛などの症状が起こるといわれています。

どんな時にマグネシウムが体外に出されてしまうかというと、ストレスがかかると細胞を守るため体外に排出されてしまうし、お酒を飲んだりしても、カフェインを含むコーヒーなどを飲んでも、インスタントラーメンを食べても、どんどんマグネシウムは失われていきます。

COLUMN
9月は残暑厳しい日が続きます。脱水症状などにまだまだ注意が必要です。水分補給は大事ですが、大量の汗などからナトリウムを多く失う場合に、「飲む点滴」と言われる経口補水液を手作りしてみましょう!
まずは、一番基本となる作り方です。
500ml ペットボトル 1本分
・水   500ml
・砂糖  大さじ2杯
・塩   小さじ1/4杯
味見して「うすいっ!」「まずいっ!」と感じたら、レモン、カボスなどの、柑橘系の果汁(クエン酸)を、大さじ1~2杯加えてみてください。
オススメはハチミツレモン味!クエン酸を加えると、おいしく飲みやすいだけではなく、疲労回復効果と吸収速度も上がります。また、砂糖をハチミツに変えるとより吸収がよくなります。
※1歳未満の乳児にはハチミツは禁止です。
【ハチミツが砂糖よりも良い理由とは?】
何よりも、 カロリーが低いうえ、天然の栄養素をたくさん含んでいます。特にビタミンが豊富!ビタミンB1・B6・C、ナイアシン、葉酸、パントテン酸など。そしてミネラルも豊富!鉄分、カルシウム、カリウムなど、ミネラルや他にも、様々な栄養が豊富に含まれます。さらにハチミツには、強い殺菌・抗菌力があります。
経口補水液は、ボトルに入れて直接口をつけて飲むことが多いので菌の繁殖を抑える効果も、期待できます。
ただし経口補水液は日持ちしません。作ったら、その日のうちに飲みましょう。衛生面にも気をつけて!ドリンクボトルは、毎日洗い、中も乾燥させましょう!


vol.179 カタコトの部屋 防災de Communication

伝言ダイヤル
NTTが提供する災害用伝言ダイヤル「171(いない)」
毎月1日と15日に体験利用ができます。家族や親戚、友達と一緒に使い方を覚えておくと、もしもの時に役立ちます。
ウェブ版災害用伝言板も http://www.web171.jp/

さらしでおんぶ
4~5mのさらし1本で、子どもをおんぶする方法です。災害時、手元におんぶ紐があるとは限りません。通常は15kgまでの子どもが対象ですが、大人を背負うこともできます。意識の無い人、けがをしている人を運ぶ時にも使えます。また、さらしは、包帯やタオル、目隠し、ハンモック、おむつ、整理用ナプキン、料理用のざるなど、様々な物の代わりに活用することができます。

パーソナルカード作成の提案
パーソナルカードを作ることで、自助力(自分の命は自分で守る力)
受援力(援助を受ける力)を高めることが出来ます。

1年に1度、子どもの誕生日、結婚記念日、防災の日など日を決め、内容を更新していくといいですね。家族の詳細情報や行動パターン、範囲は日々変わるので、それに対応した情報が必要になります。コピーをして、ランドセル、習い事のかばんなど、子どもが一人になる時に持ち歩くかばんにも入れておきましょう。

① 家族写真…写真に氏名、年齢を書き込む。写真がはがれた時のことを想定し、裏に、氏名、年齢、住所なと記入する。
② 家族からのメッセージ…絶対に必要な情報ではないが、もし、家族に会えなかった時、励みになるのは確かだと思う。
③ 氏名、性別、血液型、住所、園・学校名など
④ 病気・投薬について…服用している薬名を書く。また、それが手に入らなかった時、代わりになる薬名も書くとよい。
⑤ アレルギー物質と、食べられる食品名(商品名)
・食べられる炊き出し料理名…除去してほしいアレルギー物質だけを伝えても、適応した食品、食事はなかなか手に入らない。災害時、支給されやすい商品、メニューをしらべ、具体的に書くと、援助する側が探しやすい。
⑥ 防災ハザードマップ…子どもが一人で避難所まで行くことを想定して作成する。避難経路に選ぶと危険だと想定される大きな建物や河川、化学工場など周辺は、近道でも通らないように注意書きを入れるとよい。
⑦ 避難場所、標識…⑥のマップと連動させる
⑧ 連絡方法
⑨ 保険証、免許証などのコピー なども必携。

 

 

 

防災リュック“これだけは入れておきたい”ベスト5
3~4人のグループに分かれ、各自準備した、ベスト5を発表。選んだ理由や使い方などを発表しました。次に、各グループの代表が小グループ内での気付きや学びを全体へ向けて発表。写真はある参加者のベスト5です。

多かったもの ① 水、食料 ② トイレセット(おむつ、着替え、ウェットティッシュ、目隠しなど) ③ 多機能ラジオ(ライト、サイレン、充電器など)他には・・・サランラップ、タオル、電池、スーパー袋、防寒シート、防災頭巾、ファイヤースターター、ナイフなど。

買ってみたけれど、使ったことのない多機能ラジオやホイッスルを使ってみたり、子どもに使わせてみたり。多機能ラジオは手回し式と充電式を比べてみると、充電式の方がパワーがあると判断。使ってみたら壊れてしまったという経験談もあり、実際に使ってみることが大事だと痛感!参加者自作の防災頭巾は、裁縫初心者でも作りやすいシンプルな作り方。ヘルメットに比べれば耐久性に劣る防災頭巾ですが、埃や落下物から頭を守り、枕や座布団など活用法は様々です。

 

防災de Communication に参加して

岐阜市のお母ちゃん【げんきっずより】

・防災グッズで、具体的に何が必要かとても参考になりました。ラジオ、懐中電灯、充電器、サイレンが一体化されているものが、ひとつで何役も使えるのでいいなと思いました。
・非常食でも無添加があると知り、取り入れたいです。
・寝室にスニーカーを置く。わが家でも実践しよう。
・主人と初めて防災について話した気がします。防災頭巾や家族写真、電話番号の控えが参考になりました。
・防災には興味があるけれど実際には何も備えていない人が多く、一歩を踏み出す機会を持てて良かった。みんなで取り組めば楽しくでき、様々な視点があって新しい気付きがありました。今後、秋にげんきっず防災ピクニック、県の広域防災センターの見学を予定しています。また他の地域との交流をして、災害協定を結べたらと思ってます。地域の防災訓練に参加したとき、子育て世代の参加率の低さに危機感を覚えました。地域の交流や昔の災害の話を聞く機会を設けたいと思いました。

 

一宮のお母ちゃん【toco tocoより】

・防災ピクニックは何度経験してもその時々で新たな学びがあります。子どもの年齢で準備する物や行動が変わってくると思いました。
・居住地域は違っても「家族を守りたい」という強い気持ちは同じ。地域の特徴がわかり、地域は違っても、お互いの地域の防犯ハザードマップを作成し意見交換することをしてみたいと思いました。
・げんきっずのお母さん達が熱心に取り組んでくださり、嬉しかったです。小さな命を守ってきた経験のある“お母さん”だからこそ、真剣に取り組めるのだと感じました。防災は、自分の命は自分で守れる子になること、大事な命であること、あなたが大好きだってこと、子どもに伝える絶好の機会です。防災ピクニック、防災食ランチなど自身が取り組みやすいことから実践していくのがいいと思います。

 

子育てコミュニティ toco toco
子育て世代のやってみたい、知りたい、学びたいことを、自ら企画・運営。誰かが講師、受講者という立場のない、一人一人が活躍する「学び合い会」を中心に、顔と顔を合わせて集う良さを生かした活動を展開中。お問い合せ(仙石) tocotoco.hug@gmail.com


vol.179 かなでの沖縄だより-3

レクイエム、心を込めて歌えました

沖縄平和祈念堂

6月11日 モーツァルトレクイエムコンサート(「ぬちぬぐすーじさびらコンサート」)が無事に終演しました。(※1)会場の沖縄平和祈念堂は思っていたのとはまったく違い、中に入ったらすぐに大きな大仏さんがいてビックリしました。
すごく響いて、うたっていてすごく気持ちよかったし、沖縄戦でお亡くなりになった24万人を越える人たちの魂を鎮めるための「レクイエム(鎮魂歌)」だけあって感じることがたくさんありました。

沖縄戦のことをまだ何も知らない私は、勉強してからまたここに来たいと思いました。私の記憶の中で、沖縄戦(※2)は「小学校・中学校の時にやったかなぁ?」というあいまいなものです。戦争と言えば、広島・長崎に原爆が落とされたということだけが頭にあり、沖縄のことはどうしても忘れがちになってしまいます。高校でも、音楽科だった私は修学旅行で沖縄に来ていません。しかし、沖縄に住んでみると、アジア太平洋戦争の末期にここですごいことが起きてたんだということが伝わって来て、ここにいるうちにしっかり学ぶべきだと思いました。

6月23日が沖縄戦の区切りとなった日で、「慰霊の日」として休日になるということはこちらにきて初めて知りました。家を出た近くに「うどんやま」という小さな丘みたいなものがあり、そこにも碑のようなものが建てられていて、薄く名前が刻まれてます。しかし、この日は怖くて、とても良い天気だったにもかかわらず、家から出てそこへ行く気にさえなれませんでした。また、家から遠く海が見えるのですが、いつもなら綺麗と思える海がそうは思えず、なにかどよんとしてました。私のアルバイト先の奥さんも「いつもは綺麗に見える糸満の海も、その日は綺麗に見えなかったよ」…と言ってました。

沖縄にいる多くの人の心が慰霊の気持ちで満ち溢れているこの日だからこそ、悲しみに包まれて海がきれいに見えなかったのかなぁと思いました。

そんなわけで外に出ることができなかったお昼、平和祈念式典をテレビで見ました。高校生が朗読する詩(※3)を聞いて涙が出てきました。初めて沖縄で迎えた慰霊の日、沖縄の人だけじゃなく、内地の人にも、広島や長崎だけじゃない、沖縄で起こったことももう少し知って欲しいと思いました。

※1ぬちぬぐすーじさびらコンサートin摩文仁「モーツアルトレクイエムコンサート」(日時:6月11日午後6時):沖縄戦などで亡くなられた24万余の人々が刻銘されている平和の礎、そのすべての方々の追悼と沖縄平和祈念堂をはじめ平和祈念公園から全世界に恒久平和の祈りを発信するためのコンサートです。沖縄平和祈念堂のHPより
※2沖縄戦:太平洋戦争末期の1945年、沖縄で繰り広げられたアメリカ軍と日本軍との戦い。特に4月1日米軍が沖縄本島に上陸してから6月23日に日本軍の組織的抵抗が終わるまでの約80日間は日米両軍に多くの犠牲者が出たばかりでなく、沖縄県民の4人に1人が無くなったと言われている。両軍、民間人を合わせた戦没者は20万人以上に達する。
※3「沖縄慰霊の日 平和の詩 2017」で検索


vol.179 熱中世代発 リバース9号

ツマグロヒョウモン(Argyreus hyperbius)
タテハチョウ科 名前は、端(ツマ)に黒い豹のような紋のある蝶の意味です。雌の前翅に黒い紋があり、雌の翅紋により名づけられました。
分布は、本州(千葉県以西)、四国、九州、南西諸島。多化性で、暖かい南西諸島南部では一年中見る事が出来ます。国外ではユーラシア大陸の北部からアメリカ大陸まで分布しています。
美濃地方では3月下旬から10月まで見ることができます。幼虫で越冬し、成虫は年4回~5回発生します。幼虫はパンジーやニオイスミレなどの園芸種のスミレの類を好んで食べ、在来のスミレではタチツボスミレ、スミレを食べます。(参考・フィールドガイド日本のチョウ)

50年ほど前は紀伊半島の南部まで行かないと見られない蝶でした。私の中学生のころは一年に一頭捕る事が出来るかどうかの珍しい蝶でした。岐阜県で普通に見られるようになったのは最近の事です。東京近辺で普通に見られるようになったのは2000年代に入ってからです。昆虫の生息域の北上は、地球の温暖化の結果の具体的な証拠であると同時にパンジーのような外来の園芸植物の植栽も一因といえます。この蝶の北上はスミレを食草とする他のヒョウモン蝶の類を減らすこととなっています。私たちの生活が、自然に与える負の影響を考えなければならない時が来ているのです。

写真・三輪芳明(みわよしあき)プロフィール 1952年 関市生まれ。仲間と岐阜県では絶滅したと考えられていたコイ科の魚類ウシモツゴを発見、人工的な大量繁殖させ野生復帰に成功する。岐阜・美濃生態系研究会 二ホンミツバチ協会 日本チョウ類保全協会。

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野菜のように洗えないお茶。ちゃぼぼ園のお茶は完全無農薬だから安心して飲めること、そして、その香ばしい香りにファンも多い。
ちゃぼぼ園がある揖斐郡旧春日村の茶畑は伊吹山の麓、標高330mの斜面に位置する。昼夜の温度差が大きく、ガラガラな土質はお茶栽培の理想的条件ではあるが、春日の茶木である「在来種」は、深い根をもち地面に肥料を撒いても意味がない。
 もともと春日茶は業者の間では昔から味をよくするためのブレンド用として使われるのみで名前は知られることがなかった。加えて、新茶や旨味のあるお茶がもてはやされる時代になった。「在来種」は自然の力だけで育つため新茶が市場に出る時期は遅く、出荷された時には安く買い叩かれてしまっていた。生産者たちは労力に見合わないと、一時期「改良種」への植え替えを試みたものの、何百年もの間その地にしっかりと根の張ったお茶の木は、簡単に抜くことができず改良種への転向は叶わなかった。更に高齢化で後継者がいないお茶農家も多く、760年の歴史を持つ春日の茶畑は、徐々に姿を消しつつあった。

在来種の茶畑はまるでジグソーパズルのように木が入り組んでいる。「在来種」とひと言で表しても、幾種もの茶木が一緒に植えられているからであり、このことが春日のお茶に深い味わいを与えているとも言われている。中村さんの茶畑の木は表面が平に刈り揃えられているが、これは全部に均等に日光が当たるようにと、中村さんの亡きお父さん考案のスタイルである。

夫の転勤で春日から一旦離れた中村さんだが、子どもたちが巣立つと、消えようとしている春日のお茶を守りたい一心で生家に戻りお茶づくりを始めた。シーズンともなれば、茶畑の草取りから、茶摘み、焙煎、袋つめ、ラベルのデザイン、発送、配達など全てをこなす。
中村さんはお茶の葉とのコラボ商品の開発にも余念がない。アイデアは次から次へと浮かぶようだ。実際形になったものでは、ケーキ、プリン、米麺、石けん、ソーセージ、などなど。お茶を出した後にもその茶葉には栄養の6割を含まれるとあって、丸ごといただくためのアイデアは次から次と浮かんでくるようだ。
にらめっこの編集室では、出し殻として捨てるのがもったいなくて、干して粉末にしてふりかけにしたこともある、と中村さんに話すと、
「そこまでちゃぼぼのお茶を愛してくれてありがとう」と声高らかに笑われた。
「でも、天ぷらにしたり、漬物に混ぜたりする方もいらっしゃいますから、茶葉の使い方も人それぞれだなと思います。安心、安全、というのが当たり前なちゃぼぼの茶葉ならではの頂き方なのでしょう」とも。

中村さんは春日の特徴あるこの茶畑を村の人たちと一緒になって守りたい、盛り上げたいと奮闘の日々を重ねている。
春日のお茶に惚れこみ、多くの人にその味を知って欲しい、そして守っていきたい。その姿勢は一貫している。
機械が入れない土地だからこその手作業。無農薬が当たり前なお茶づくり。この土地に息づくお茶の文化を守りたい一心で、がむしゃらに動いてきた。今後は持続可能にするための工夫が必要とされる。楽天家のさよさんだが急に真剣な顔になった。
「そうなんです。これからは後継者をしっかり育てることも、私の使命かなと思っています。」

なかむらさよ:プロフィール
1950年旧揖斐郡春日村に生まれる。小学校5、6年とソフトボールで連続優勝!県立揖斐高校でソフト部に入りピッチャーとなる。子供服のデザインに進む予定が訳あって和裁塾に。のちに広告会社に転職。その後結婚。子供の手が離れてからPOPクリエーターとして働くが、春日在来茶の貴重性を知り保護意識が芽生え、在来茶の栽培農家として奮闘、現在に至る。その間、紅茶が日本茶葉でもできることを知り、地域起こしになればと「庵・花茶ティーファクトリー」を立ち上げ、紅茶作りも始める。

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お月見の由来
豊作の祈願と、収穫の感謝
電気がなかった時代には、月明かりは農作業の大きな助けとなっていたのですね。そのため、月に感謝を捧げたのだそうです。農作物の豊作の祈願と、収穫の感謝をする秋は、様々な農作物の収穫の時期です。お米もその中の1つですが、昔の日本人にとっては、お米の出来・不出来は、とても重要なことでした。

月を眺め、月を愛でる
古来から、日本人は、月を眺めて楽しむ習慣がありました。和歌などに「月」がよく詠まれていることからも分かりますね。
秋の月は、1年の中で最も美しいとも言われていたようで、それがお月見に繋がっているとも考えられています。

お月見の団子やすすきの由来
団子 月を信仰の対承として、豊作の祈願と収穫の感謝をするので、お米を使って月に似せた団子を作って、お供えするようになったと言われています。
また、秋には里芋が収穫されますが、十五夜のお月見にはこの里芋をお供えする風習もあります。
最近では、お団子だけの場合が多いようですが、地域によっては、お団子を里芋に似せた形にしているところもあるようです。
すすきと萩 お月見では、団子と一緒に、すすきと萩を飾りますね。すすきは、稲穂に似ていることから、お米の豊作を願って飾られます。
地域によっては、すすきではなく稲穂を飾るところもあります。
萩は、神様の箸の意味合いがあるそうです。神様が萩を使って団子を食べる・・・ということでしょう。
また、すすきも萩も、邪気を避けるとも言われていますので、団子と一緒に飾るものとして使われるようになりました。


vol.179 メディアよもやま…

「8月ジャーナリズム」のフシギ

 旧盆に敗戦記念日が重なる8月、日常から離れてわが身を振り返ったりすることがあります。メディアも日ごろの騒ぎを一瞬やめて、ジャーナリズムの使命感を思い出したかのように、戦争の記録・反省の番組を放送するクセがあります。8月だけジャーナリズムらしくなったりするメディアを「8月ジャーナリズム」と揶揄する向きもあって(笑)。
戦争もの「NHKスペシャル」の8月ラインナップでは、6日『原爆死72年目の真実~』、「“原爆の絵”は語る~ヒロシマ 被爆直後の3日間~」、9日『沖縄と核』、12日『本土空襲~日本はこうして焼き尽くされた~』、14日『証言ドキュメント 忘れられた戦場~樺太・40万人の悲劇~』、15日『全記録 インパール作戦』が並び、教育テレビ「ETVスペシャル」では、5日『告白~満蒙開拓団の女たち~』、12日『原爆と沈黙~長崎浦上地区の受難~』、19日『戦争の中のくらしの記録~名もなき庶民が綴った1763通の手紙~』、BSでは6日「戦後72年の郵便配達」、12日「幻の原爆ドーム ナガサキ 戦後13年目の選択」 、ドラマでは12日の『1942年のプレイボール』と続きました。
さらにラジオや地方局の企画もあったので、NHKの「8月ジャーナリズム」は壮観だったと言えますね。民放はNNNドキュメント(NTV系列)で6日に『4400人が暮らした町~吉川晃司の原点・ヒロシマ平和公園~』、13日『弾除け神社~奉納写真2万枚の思い~』、テレビ朝日「テレメンタリー」の7月30日『爆心地を語る~78人の証言テープ~』が予告されていましたが、他にもあったでしょう。(この原稿の締め切りは7月末なので、かなりの見逃しもあるでしょう。)
秘密保護法や安保法制問題、共謀罪法制化の時には、あまり抵抗しているように見えなかったメディアが、なぜ8月はこんなにも熱心に(?)戦争の記憶や体験を発掘しようとするのでしょう。長く報道現場にいた私にもよくわかりませんが、日本人はどうも季節ごとの行事や風習を大事に守る心性が強いように思います。“お笑いファースト”の視聴者も、故郷で法事や墓参りをするお盆には、先祖の声にも耳を傾けようという殊勝な心持ちになるのでしょうか。カタイ話題では視聴率が取れないと嘆く編成局幹部も、春ごろから“敗戦企画”を促すのですから、不思議なものです。広島局、長崎局では、新しい“原爆モノ”を発掘・提案することが、その局の記者やディレクターの評価に関わりさえするのです。東京本部ももちろんです。ついでに言えば、“赤い羽根募金の12月”になると、日ごろは通りにくい人権問題のハードルが下がるのです。手練れのディレクターたちは、そうした編成心理の機微を突いて、いつもは避けられがちなネタを巧みに会議で通していくウラ技を駆使します。そうした虚々実々の「8月ジャーナリズム」、今年は単なる“企画と視聴の習慣”を越えて、リアルにキナ臭さが漂っていたように感じたのは私だけでしょうか?

 

つだまさお 「てにておラジオ」代表
1943 年金沢市生まれ。1966 年から NHK で、 主として報道番組の制作に従事。1995年から東邦学園短大、 立命館大学などで市民社会のメディアのあり方を教えたり、 全国の市民 メディアを繋ぐ仕事に携わる。2016年から、「みんなの森・ぎふメディアコスモス」で発信する市民による放送局「てにておラジオ」を運営。


vol.179 訪問看護日記 fromニューヨーク

その人にとって最良の選択とは・・・

プエルトリコ出身の98歳の患者さん。咳が止まらないから見てほしいという訪問リクエストだった。アルツハイマー型認知症、その他にもいろいろと病名が連なっていた。呼びかけにあまり反応はしないが、時折反応が返って来るときがあった。寝たきりで、もう自分で動くことはできない。少し拘縮が始まっていた。家族は別のところに住んでいて、何人かのヘルパーさんが交替で24時間世話をしている。アパートには患者さんとヘルパーさんのみ。ホスピスでもこういう形はとても多い。
訪問した時は、バイタルサイン※もとても安定していて、痛みや苦しみがある様子ではなく、呼吸も表情もおだやかだった。咳もしていなかった。ただ、聴診器で肺の音を聞くと左右ともに、水分が入っているような大きな音がした。よく誤嚥性肺炎になっていないなぁと思うほど大きな音だった。ヘルパーさんに話をきくと、やっぱりヨーグルトや水分をあげたあとによく咳をしてとまらなくなるようだった。水もとろみをつけたり、そのままだったりヘルパーさんによってまちまちだった。患者さんとの意思疎通がとても難しいので、一定の水分量はあげないとと思うヘルパーさんも多い。この患者さんは意識がはっきりしない状態の時がおおいそうなので、よけいに気を付けたい。ヘルパーさんにとっては、仕事だからと思って食事も一生懸命あげようとする人が多い。でも、ホスピスケアではそれがプラスにならないことが多い。娘さんに電話して、「誤嚥(マイクロアスピレーション※も含めて)しているようなので、本人の意識がはっきりして嚥下が上手にできる時以外はできるだけ何もあげないことを徹底してください」と伝えた。むせたり咳してしまうようなら、なるべく食べ物も飲み物も控えて様子を見てくださいと。娘さんは、「じゃあこの先栄養はどうやってとるのか、脱水症状を起こしてしまうではないか、このままでは死んでしまうではないか」と言った。続けて、「じゃあ点滴はできるのか、経管栄養で栄養をいれるのか」、と立て続けてに質問がきた。 ここが一番難しいところで、基本的にはどれもしない。食べられなくなったら、飲めなくなったら、その時はその変化を受けいれる。本人がまだまだおなかがすいて食べたい、飲みたいといったら別の話だし、もし本人か家族が点滴や経管での栄養補給を希望するなら、基本的にホスピスケアでなく一般的な医療に戻ることになる。ホスピスケアでも、ごくごく少量なら点滴をやる場合もあるが、家族の心理的な面への対応の場合が多い。病にもよる。経管栄養もホスピスに来た時点で継続することはあっても、新しく始めるということはまずない。私も、この患者さんのように食べることや飲むことが身体的に出来なくなってきたら、それを受け入れることが、自然な成り行きのような気がしている。娘さんは、「母は認知症で意志疎通が難しいから、おなかがすいてるかもしれないし、のどが渇いてるかもしれないし、それがただ伝えられないだけだと思う」としきりに言った。そのとおりかもしれない。初めて会ってたった1時間しか訪問していない私にはわからない。ただこのままでは、いつ誤嚥性肺炎を起こしてもおかしくないので、アドバイスできることはぜんぶ伝えて、全員のヘルパーさんにもわかるように壁に張り紙をしてアパートをあとにした。
家族にとっては、自分の家族が、それまで食べたり飲んだりできていたのに、食べられなくなって、飲めなくなって、死んでいくということはとても辛いこと。受け入れられないのはとても自然なことだと思う。意志疎通の難しい患者さんだとなおさらだ。ただ、一ついえるのは、変化は必ず訪れるということ。その変化を一つ一つ受け入れていくこと。難しいがとても大切だと思う。
点滴や経管栄養で身体的な現状維持につながったとしても、その期間本人がそれによって楽になったり幸せに感じたりしているのかということ。クオリティーオブライフの改善が見込めるか保てるか。家族のエゴでそのような決定をしていないかということ。そんなことを、あらためて考えさせられた訪問だった。

※バイタル=心拍数、血圧、呼吸、体温のこと ※マイクロアスピレーション=微量誤嚥

わかばま〜く:プロフィール 1982年生まれ。ニューヨーク州立大学卒業後、 ニューヨーク市立病院に看護師として4年勤務。現在は訪問看護師としてホスピスケアに携わっている。岐阜県各務原市出身。


vol.179 ぎむきょーるーむ コミュ力

小学校で 小学校教員 大和俊広

外国語活動が入って現場はやや混乱
コミュニケーション能力の育成がさかんにいわれるようになったきっかけは2011年の教育指導要綱改訂から。
●子どもをとりまく社会構造の変化が、子どもたちに影響を及ぼし、近年の若者は良好な人間関係の形成やコミュニケーションに課題がある。●日本経済団体連合会の調査でも、企業が学生を採用するにあたって重視する能力一位であり、グローバル化に対応した能力の育成を求める社会的要請が高まっている。
というようなことが能力養成の根拠だったと理解しています。
まず、小学校の現場では、外国語活動が入ったことが、大きな変化でした。「なーんで、英語を学ぶ必要性のない小学生が英語でコミュニケーション?」とか、「まずは生活言語である日本語では?」と考える教員たちを混乱(?)させながら、「とりあえずやるしかないか〜!」と半ばあきらめ気味に、でもそこそこ真面目にとりくんできたように思います。

関係性に支えられた「生活」を積み重ねることで

以前、脳性麻痺の友だちが、「知的障害者はコミュニケーション能力が低いといわれるが、そんなことはない。まわりの人間の知的障害者に対するコミュニケーションがないだけだ」といっていたことが印象的です。
かつて放課後の外遊びやコミュニティが担っていた、コミュニケーション能力育成の役割を学校が担うのならば、「授業」としてではなくて「スキマや遊び」の時間として、子どもたちを集団で遊ばせればよいなどと、不適に思ってしまいます。

やまと・としひろ  神奈川県公立小学校教員
全国学校の「遊び」と「スキマ」研究所所長として、「多様」で「寛容」で「楽しい」学校を目指す。10才と6才の二児の父。

中学校で  中学校教員 伊藤育雄

形だけや即席の指導では悪循環
 「アクティブ・ラーニング」とか「ユニバーサルデザイン化」とか、最近やたらに、カタカナ文字が教育現場に氾濫している。「コミュニケーション」もカタカナだが…
コミュニケーションとは、語源がラテン語の「コミュナス」(共同の・共有の)で、「コミュニティー」も同じ語源のようだ。学校という「コミュニティー」(共同社会)で「コミュニケーション」(たがいに意思・感情・思考を伝達し合うこと)がおこなわれることはあたりまえのことである。教科教育でもあつかわれるが、コミュニケーションは学校でのすべての活動でおこなわれていることである。家庭でも、コミュニケーションは日常的に行われている。
学校生活や家庭生活が充実したものであれば、自分の意思や感情を規制することなく発信しようとする意欲がわき出し、コミュニケーションは活発になる。そんななか、コミュニケーション技術の指導は各場面で必要最低限のものでよい。そして、SNSではなく、直接コミュニケーションをすることが、中学生のコミュニケーション能力アップにとって必要なことではないか。

いとう・いくお 愛知県公立中学校教員 2016年度からはハーフタイムの再任用で中学生に週3日社会科を、非常勤で大学生に週1日「学級担任の心得」を担当。

 

上手に話す?自己主張できる?相手を思いやる?

対談 劇作家・演出家 平田オリザ×小学校教員 岡崎 勝

コミュニケーション教育というけれど

平田:イギリスとかドイツの社会では、自己主張ができることは大人になってからも必要とされる能力ですが、日本では必ずしもそうではありません。日本で子どもに自己主張だけを教育したところで、トラブルが起こったとき先生に相談に行けば、「そこは空気読めよ」というダブルバインド(二重拘束)が待っている。子どもは「自分の意見をいうように言われたのに・・・」と混乱しますがこれは、笑い話ではなく、あたりまえにいま教室で怒っていることです。

いろんな意見が許される場をつくる

岡崎:子どものコミュニケーションスキルは一人ひとり当然ちがいますが、ディベートがすごくうまい子たちは、学校のなかの空気を読むのが暗黙の規範のようになっていて、それにのっかっているだけのようにも見えます。
平田:これまでの日本の教育は「確実な知識や情報を得る」ことがめあてになっていましたが、これからは「バラバラで多様な意見が出るのがいい」というのをひとつの重要なめあてにして、さらに次の段階で「そのなかで合意形成をとる」ことをしていく。その二段階を区別しておこなうことが大事です。

子どもが不条理と向き合う機会を

平田:わたしは昭和37年生まれで、おそらく日本民族が始めて食うに困らずに子育てできるようになった最初の世代です。物がないときはがまんさせるのは簡単でしたが、そうではない時代に、しかも宗教心の薄い日本社会での子育ては「しつけ」の面でも難しい。演劇的なところでいえば、子どもにとっての「暗闇」みたいなものがなくなってしまったと感じています。家の中でのかくれるところだったり、ヒミツをつくれるようなところだったり。今の子どもたちが実生活で経験できない事柄をシュミレーションする、つまり「人生の不条理に向き合わせる」ことが演劇教育の最大の役割だと思っています。

生活のなかに演劇をとり入れる

岡崎:ボクは『学校は生活の場』という意識で、朝暗い顔をしている子がいたら、「どうしたん だ?じゃぁ、先生がきみの役やるから、きみがお母さんになって、お母さんがいっていたことをいってみるか」なんていって、5分くらいの短い時間で生活劇のようなことをやっていたんですが、それをすることで子どもたちが役割意識をもって、自分がやったことを対象化していけるというのはありました。
平田:基本的に人間には演じることに対する原理的欲求のようなものがあって、自分ではない他者を演じることに喜びのようなものを感じるんですね。変身願望のようなものもあるから、さきほどおっしゃったロールプレイ(役割演劇)で相手と入れ替わってみるのはいいと思います。

「対話」に必要な他者性

岡崎:役割を演じる、立場を入れかえるというのはある面で他者意識が必要ですが、今学校や家庭で大人は子どもに対して「相手の立場に立って考えなさい」「思いやりをもちもちなさい」と口酸っぱくしていっています。
平田:いちばん象徴的なのはいじめのロールプレイです、そもそも日本のいじめの深刻なところは、いじめている側にいじめているという意識がないところなんです。『相手の立場に立ちなさい』と教えられると、まじめな子ほど相手の気持ちがわからないのはダメなことだと思ってしまうようですが、同一化を強いるというのは、すごく危険なことだと思います。
岡崎:教室は関係の場だから、おたがいの気持ちなんてそう簡単に理解できないんだけれど、そういう人間同士がどうやってその空間の中で距離を取りながら、生活するかが大事なんじゃないかと思う。
平田:コミュニケーションを考えるとき、まず「会話」と「対話」を区別することが大事です。「会話」は親しい人同士のおしゃべり。「対話」は異なる価値観をもった人とのすりあわせや情報の交換といったことです。対話をするためには、どうしても他者性が必要ですが、日本の学校の教室は非常に同調圧力が強いので他者がいない。価値観をすりあわせるような議論が必要な時には対話力が一番重要ですが、それを教える授業は、国語教育にも英語教育にもありません。特に日本語には、この「対話」という概念が薄いという問題もあります。ですから「対話」を教えるためには、教室の中に他者性をもってこなければいけない。そこで、演劇というフィクションの力が大事だと、わたしは思うんですね。


vol.179 エコビレッジfromオーストラリア

Part-21 私たちの役割

日本は梅雨明けと同時に蒸し暑い日々が続いているそうですが、こちらは真冬。といっても、日中の太陽の下での畑仕事では、汗ばむほど。ただ夜になるとかなり冷え込むので、温度差に注意しないとと思うこの頃です。

冬はオフシーズン。リトリート滞在の方が少ないので、この時季は、コミュニティーとしての運営を中心において生活をしています。

短期のボランティアの人たちと、畑仕事、敷地の手入れ、キムチづくり、味噌づくり、いろいろと冬ならではの仕込み、手入れの作業が中心の日々。個人的に、発酵食品を手作りするのが好きなので、大量に収穫した白菜でキムチを仕込んだり、米麹をつくり10キロの味噌を仕込んだりと、自分が育った日本の食文化を伝える過程を愉しんでいます。同時に、各国から来るボランティアの人たちとも、この知識や行程を共有できることはとても意味のあることだと思います。

ただ、冬というシーズンは、こもりがちになり、外の世界とうまくリンクさせたり、自分たちの生活にばかり没頭して外を見てない自分に気づいたりします。自分たちだけが満足していても、持続可能な暮らしに結びつかない。常に、「発信する」「共感してもらう」という気持ちを持って、日々の生活を重ねていきたいと思います。

私たちの目的は未来に続く持続可能な生活を作っていくこと。しかし自分たちの弱さが出ると、独占欲だったり、支配するといった感情が見え隠れし始めます。そんなとき短期のボランティアの人たちを通して伝わってくるそれぞれの人生の選択。そこからまたあらたな気づきを得られたりします。

今後は、視野を広げること、視点を変えてみることなどを意識をして共同生活を続けたいと思っています。  Yao

生活の中心の場・このテラスでいつもランチタイムです。


vol.179 ボーダーレス社会をめざして-vol.38

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

命の重さ

「障がい者は不幸しか作れない。いない方がいい。」と言って知的障がい者福祉施設「津久井やまゆり園」で殺傷事件が起きてから、約1年が経とうとしています。あの事件の夜、私はテレビを見ながら涙を流していました。事件が起きてすぐ、手をつなぐ育成会が、障がいのある人に向けてメーッセージを出しました。それがテレビのニュースで流れていたのです。
・・容疑者は「障がい者はいなくなればいい」と話していたそうです。みなさんの中には、そのことで 不安に感じる人もたくさんいると思います。そんなときは、身近な人に不安な気持ちを話しましょう。みなさんの家族や友達、仕事の仲間、支援者は、きっと話を聞いてくれます。そして、いつもと同じように毎日を過ごしましょう。不安だからといって、生活のしかたを変える必要はありません。障がいのある人もない人も、私たちは一人ひとりが大切な存在です。障がいがあるからといって誰かに傷つけられたりすることは、あってはなりません。もし誰かが「障がい者はいなくなればいい」なんて言っても、私たち家族は全力でみなさんのことを守ります。ですから、安心して、堂々と生きてください。・・というものです。
「私たち家族は全力で守る」という文言に障がいのある人の親の気持ちが込められています。障がいのある子どもを持つ親は、彼らを何があっても守るんだと思っています。現在、障がいがある息子は、とても穏やかに、楽しく、充実した毎日を送っています。親である私も、とても幸せな日々を送っています。今日までの道のりが決して楽だったわけではありませんが、不幸と思ったことは一度もありませんし、障がいのある人がいなくなればいいと思ったことも一度もありません。優生思想・・能力が劣っている者の遺伝子を排除して、優秀な人権を後世に遺そうという思想・・というものがありますが、何が劣っていて、何が優秀と言うのでしょう?後世に何を残すというのでしょうか?人の命の重さは同じです。被害にあわれた方の氏名が公表されませんでした。神奈川県警は、「施設にはさまざまな障がいを抱えた方が入所しており、被害者の家族が公表しないでほしいとの思いを持っている」と言い、被害者の家族の一人は「日本では、全ての命はその存在だけで価値があるという考え方が当たり前ではなく、優生思想が根強いため」と説明しました。彼らはこんな大事件にあっても誰にも知られず亡くなり、さもいなかったかのように扱われたのです。亡くなられた人の名前が、新聞に出ないことは今までにはなく、これこそが人権侵害だと思いました。子どもは、自分とは違う一人の人であることを、親は自覚しなくてはいけないのです。大きな課題を残したまま、この事件は終わりました。


vol.179 半農半Xという生き方-vol.20

風景修復士
草刈りのシーズンになりました。秋祭りの頃まで約半年、草と向き合う日々となります。
今日は「草」に関することばをいくつかご紹介しましょう。アメリカの哲学者エマーソンは「雑草とは、その美点がまだ発見されていない植物である。」といいます。私たちは雑草といういい方をしますが、長所を見出していないだけなのですね。草刈りは大変ですが、こんなことも教わりました。草を刈ることで、そこに光が差し込みます。そこに眠る多様な植物の種子に、発芽のチャンスを提供できます。草刈りはそうした仕事といえるかもしれません。背丈が高い草に覆われると、たしかに光は差し込まないけれど、刈るとそこに眠る種子にとってはチャンス到来となりますね。数年前、草を刈っていたとき、「風景修復士」ということばがふと生まれました。絵画や文化財を修復する専門家を「修復士」と呼びます。私たちは草刈りを通じて、もしかしたら、風景の修復をおこなっているのかもしれないと思ったのです。大変な草刈りの作業のなかでも、「風景修復士」ということばを思い出すことで、草刈りがすこしでも楽しいものとなればうれしいです。最後に、「草」という文字が入った二宮尊徳さんの歌を紹介しましょう。「この秋は雨か嵐かしらねども今日の勤めの田草とるなり」


新しい組み合わせをつくろう

会社員時代、同期生や先輩には芸大出身者が多く、アイデアをたくさんつくれるということに驚きました。以来、どうしたらアイデアが出せるかが自分のテーマの1つになるのですが、いろいろ本をたくさん読むなかで、たどりついた結論は「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」(ジェームス・W・ヤング)というシンプルな答えでした。たくさんの著書がある脳科学者の茂木健一郎さんは、「世界を変える魔法は『組み合わせ』の中にこそある」といいます。今後のまちづくりにおいても、産業創出においても、キーワードは「新しい組み合わせ」を1つでもつくっていくことにつきると言えるのかもしれません。会話したことがなかった市民同士が出会うこと。旅する人と市民とが出会い、会話が生まれること。「新しい組み合わせ」が2017年の後半も、たくさん生まれていくことを祈っています。
福祉とアート、農と医、林業とITなど、いろいろな組み合わせをつくっていきましょう。

 

塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は翻訳されて、台湾、中国、韓国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。

※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題(どう生きるか)を背景とする。持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。ex.半農半漁、半農半大工、半農半看護師、半農半カフェ、半農半絵描き、半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。

 

 


vol.179 夢か悪夢かリニアが通る!-vol.8

あふれる残土 谷を埋める

「JR東海 3兆円借り入れ完了へ」。新聞の片隅に小さな記事が載っていました。「リニア中央新幹線の全線開業を最大8年間前倒しする」という安倍首相の掛け声のもと打ち出された財政投融資による貸し付けが7月12日に完了することを伝えるものでした。国の試算によると、財投活用でJR東海の負担は約5000億円減るといいます。安倍首相とJR東海の葛西敬之名誉会長が会食を重ねる仲であることは良く知られています。国会を騒がせた森友、加計問題とどこか似ていると感じるのは私だけでしょうか。リニア事業が公的資金投入にふさわしいのかどうか、考える材料をこれからもお示ししていきたいと思います。                                       ジャーナリスト・井澤宏明

希少植物の生息地も
リニアは品川―名古屋間の9割近くが地底を走るため、東京ドーム約45杯分、5680万立方メートルの残土が発生すると言われています。JR東海は、受け入れ先がほとんど決まらないまま掘削工事を進めています。

リニアのトンネル出入口予定地。右奥の山林に残土処分場候補地が広がる(御嵩町美佐野で)

岐阜県内の残土処分場候補地の一つが御嵩町美佐野の山林。近くにリニアのトンネル出入口が予定され、かつてはゴルフ場計画がありました。周辺を工業団地にする思惑を持つ町は、県を通じて候補地に名乗りを上げました。
住民らで作る「御嵩町ハナノキ調査グループ」の調査で、周辺にハナノキの成木80本、幼木と稚樹400本以上を確認。ミカワバイケイソウ、シデコブシなどの希少植物のほか、生息数が世界で1000羽以下と推定されるサギ科のミゾゴイが営巣していた可能性が高いことや、猛きん類サシバの営巣も分かっています。
「氷河期の生き残り」として知られるカエデの仲間ハナノキは、岐阜、長野、愛知3県のごく限られた地域に自生する日本固有種です。住宅やゴルフ場開発などで生育に適した里山の低湿地が減少し、環境省のレッドリストで絶滅の危険が増大している「絶滅危惧Ⅱ類」に指定されています。
国立研究開発法人森林総合研究所の菊地賢・主任研究員(42)は候補地一帯について、「ハナノキが広範囲に生息し、比較的自然度の高い状態が維持されている。保全上、重要な地域だ」と評価しています。

群生地は避けられたが…
今年6月、JR東海は地権者に説明会を行い、町有地を含む約30ヘクタールの山林に約90万立方メートルの残土を埋め立て、平地3か所計約10ヘクタールを造成する計画を伝えました。ハナノキが群生する谷は避けられたものの、「ハナノキ調査グループ」の篭橋まゆみさん(62)によると、10本以上のハナノキや多くの希少植物が予定地に生息しているといいます。
隣の可児市では2003年、東海環状自動車道工事で出た残土に含まれる黄鉄鉱による水質汚染で、魚が大量死し、稲作も出来なくなる被害が起きました。御嵩町議会でもこの事件が取り上げられ、処分場下流の河川が汚染されるのではないかという懸念が示されました。市民団体が昨年行った調査で、高い放射線量を記録した御嵩町次月は目と鼻の先。ウラン残土が持ち込まれるのではという不安も消えません。

「谷の上流に残土を置かれてしまうと、下流で生活している者は居ても立ってもいられない」。裁判の後、記者会見する米山さん(左から2人目)ら(東京都内で)

「なぜ綿密に検討しなかったのか」
残土の問題は、沿線住民ら738人が昨年、国のリニア計画認可取り消しを求めて起こした行政訴訟でも取り上げられています。
今年6月23日、東京地裁で開かれた第5回口頭弁論では長野県松川町の米山義盛さん(62)が意見陳述しました。米山さんが暮らすのは、天竜川に沿って南北に細長く伸びる盆地・伊那谷。1961年の「三六災害」で、土石流、地滑り、河川の氾濫が起き、死者・行方不明者約130人、家屋の全壊・流失・半壊約1500戸にも及んだ地域です。
米山さんは法廷で、「残土の最終置き場の候補としてJR東海が検討しているのは、伊那山地の非常に崩れやすい谷や沢ばかり。水が削ってできた谷や沢を人為的に埋め立てるのは元来危険なことです」と指摘しました。
さらに、「JR東海は、残土の活用の見通しや、谷や沢に残土を置く危険性について、計画の立案段階でなぜもっと綿密に検討しなかったのでしょうか。国土交通省は、膨大な量となることが確実な残土の処分方法が盛り込まれていない工事実施計画をなぜ認可したのでしょうか」と疑問を投げかけました。


vol.179 天然のくらし応援団 第12回


要注意!アトピービジネス
「アトピー性皮膚炎は良くなったり悪くなったりを繰り返す、かゆみのある湿疹を主な病変とする疾患」です。アトピー性皮膚炎(以下、アトピー)の患者はかゆみに苦しみ、肌をかくことで皮膚を痛めることがあります。無理解な人はそれを恐れたり、嫌がったりします。このため患者は人前に出るのをためらい、時には引きこもることさえあります。保護者の苦労も大変で、夜でさえ十分眠ることができません。
アトピーは先進国に多いといわれます。日本にも多数のアトピー患者がいますが、他の国とは異なる2つの特徴があります。それはステロイド恐怖症とそれに便乗したアトピービジネスです。ここでステロイドとはステロイド系抗炎症薬のことです。

ステロイドを恐れるのは
アトピー治療に使うステロイド外用薬は注意深く使用すると非常に有効な医薬品で、重い副作用はほとんど出ません。しかし、強い外用薬を漫然と長期間使うと、皮膚萎縮(皮膚が薄くなる)や紫斑、毛細血管の拡張、皮膚感染症などが起こることがあります。ステロイド注射薬や内服薬による副作用が、通常の外用薬使用でも生じるという誤解が一部にあります。この様なステロイドのよる副作用を1990年ごろのマスコミが取り上げ、人々はに不安になりました。この不安を「ステロイド恐怖症」と呼ぶ人々もいます。

アトピービジネス
患者の不安につけ込む形で様々な形の商売、アトピービジネスが現れました。それはアトピーに効くという高価な水や温泉水の販売(害にも薬にもならないだけまだ良いでしょうか)や、宗教、化粧品、エステサロンなどです。アトピービジネスが好ましくないのは、(1)患者が有効な治療を受ける機会を奪い、(2)高額な治療費を出させることが多いことです。その例を少し見ましょう。

ステロイドが入っていないクリーム?
ステロイド入り化粧クリーム「NOATOクリーム」を販売したとして、警視庁は2009年8月、東京都新宿区の輸入販売会社イエス・オーケーの5人を薬事法違反の疑いで逮捕した。同社はインターネットなどで「ステロイドは一切含まないので、赤ちゃんや妊婦も使える」などと宣伝し、約4000万円を売り上げたという。「かってはステロイドが化粧品に入っていた時代がありました」と書きたいのですが、東京都は2016年5月にアトピーに効果があると宣伝するステロイドの入っていた「ばらクリーム」の製造・販売の中止をを指示しました。外国からもステロイドが含まれている類似品が入り込んでいます。

エステティックサロンでも被害が(科学的そうな説明)
過去にアトピー性皮膚炎にかかっていたが、良くなっていた女性(20)は、肌をきれいにとエステティックサロンに行った。従業員の過去にステロイド剤使用の有無を質問。女性は5、6年前まで使用していたと答えた。従業員は、ステロイド使用経験者は超音波美容器具使用によって肌の中にあるステロイドがリバウンドして症状が出ることがあるが、3カ月後には治ると説明。超音波による顔面エステを受けたが、翌日顔が赤く腫れ、かゆみを感じた。エステ店店長はステロイドによるリバウンドで、3カ月の辛抱だという。アトピーが体にも出てきたので相談すると、従業員は血液が流れているから体にも出ると答え、ストロイド剤の悪影響を繰り返し説明した。3カ月というのはエステエキスなどを飲めば3カ月で治るのだといわれ、高価な品を購入した。
その後1年半たっても悪かったので、皮膚科の診察を受け、ステロイドやアトピー性皮膚炎の説明を受け、ステロイドを使用する治療を受けた。エステティックサロンに損害賠償を請求し、2001年東京地裁で勝訴し、高裁で和解。(国民生活センター、2003年)。

医学界の対応
医学界は自分らにも責任があるこの様な状態の是正に取り組んでいます。日本皮膚科学会は「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版」を発行し、適正な治療の進め方を示しました。さらに、アトピー患者や保護者が病気や治療を十分理解できず不安を持つので、適切な治療ができていないと認め、医師などによる複数回の患者教育の必要性に気づき、患者が治療方針を守れる方策を考え、ステロイド以外の新しい医薬品も示しました。

困った時は、思い出して下さい。
・ステロイド外用薬は炎症をなくし、 アレルギー反応を抑える即効性が ある薬です。通常のステロイドに 重い副作用はありません。
・信頼できる専門病院に行き、良く 相談し、説明を良く聞いて下さい。
・科学的と思えるような説明でも、 うかつに信じるのは止めましょう。
・インターネットや雑誌などに出て くるうわさや宣伝などは鵜呑みに しないで下さい。

わたなべかずお:福島県生まれ。新潟大学卒。浜松医科大学勤務(脳研究と教育に従事)医学博士、各務原ワークショップ主宰(毎月第4木曜日13:00〜渡部宅(各務原市蘇原東栄町)主に健康と環境に関することの勉強会)参加希望者はbandaikw@sala.dti.ne.jpまで


vol.179 プレゼントコーナー


プレゼントご希望の方は
ハガキまたはe-mailで、下記のアンケート1〜6をご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
〆切:9月25日 当日消印有効。
Aはにらめっこ編集室に受け取りに来ていただける方。
宛先:〒504-0855 各務原市蘇原新栄町2-25
e-mail: info@niramekko.com http//www.niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、
使用させていただきます。

アンケート
1- あなたの「心に響いた言葉」をおしえて!
有名人、親、映画や本など…あなたの心に響いた言葉はなに?
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事のタイトル1つ
その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望)
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、家族構成

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A.無農薬 ほうじ茶  ちゃぼぼ園様より…3名様

香ばしい香り、スッキリとしながらも深い味わいのほうじ茶です。760年の歴史を持つ旧春日村の在来種の茶木は、地中深く深く根を伸ばします。化学肥料も、農薬も使わず、自然の恵みだけでゆっくりと育ったお茶を味わってみて。
P11参照してね。※にらめっこ編集室でお受け取りください。

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B.CINEX 映画招待券  シネックス様より…ペア3組様

もしもあなたが主人公だったら、どんな決断をする?どう生きる?名作といわれる映画に触れることは、自分の内面をより豊かにすることに繋がっている…という言葉を聞いたことがあります。写真は「ギフト 僕がきみに残せるもの」より。

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C.冊子「心身を害するミネラル不足食品」 にらめっこより…2名様

今号のにらめっこで特集した「ミネラル」。NPO法人「食品と暮らしの安全基金」が発行するこの冊子は、コンビニ弁当やスーパーのお惣菜、冷凍食品など、つい気軽に手が伸びる身近な食品をミネラルにフォーカスして分析しています。

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D.アートギャラリー是 呈茶券アートギャラリー是様より…3名様

木々に囲まれ落ち着いた大人の空間でゆったりと過ごす…。たまには日常から離れ、そんなひと時も大切にしたいですね。呈茶券は珈琲、和紅茶、玄米コーヒー、抹茶のいずれかにご利用いただけます。添えられたビスコッティも好評ですよ。


vol.178 アウトドア特集


焚き火の魅力
焚き火には不思議な力があります。火を見つめていると心が落ち着きます。童心に戻った気持ちになります。いつもだったら自分を良くみせようと力んだり意識したりする。肩に力が入った感覚が次第に和らいでいきます。話したくなければ話さなくたって大丈夫。焚き火を見つめていたらいい。それを許してくれる空気感。自然なながれで「安全、安心な場」ができていきます。焚き火を囲んだ人同士は初対面でも距離感がなくなり、知らない間に仲良しになります。
綺麗な芝や草地のキャンプサイトが、直火禁止なのは当たり前。禁止される理由として、地中の微生物を殺してしまうからということがあちこちで囁かれています。
確かに、自然への影響を考えれば、直火は影響が無いとは言えないでしょう。しかし、これも反論があって、
・焚き火をした痕の地面から、数ヵ月後には植物が立派に生えた。
・焼き畑農業はどうなるんだ!?むしろ作物を育てるのに有効な方法として、昔からあるじゃないか!!
・微生物と自然の回復力を考えたら、影響は無いはず。
なんて意見も聞こえてきます。
実際、数十年前から直火禁止のキャンプ場が多い海外では、その理由として、微生物の問題ではなく、キャンプ場には痕跡を残さず、感謝のみ残す。というモラルがキャンパーに存在しているからのようです。アウトドアアクティビティの先進国ならではですね。アウトドア総合研究所より


COLUMN
脳にも効く!焚き火
焚き火は注意力や現場対応力など、大げさではなく「生きる力」を身につけるのに最適。
「自然の中で過ごすキャンプは子供にさまざまなことを教えてくれ、日常では巡り合えない多くの体験をさせてくれます。たとえば、昆虫はどんなところ に棲んでいるか。木登りに適しているのはどんな木か。効率よく魚を捕まえるには、どうやって川の流れをせき止めればいいか。どんな木を集めればいい焚き火 ができるか(略)自然はどんな図鑑よりも多くのことを教えてくれます」 「遊びながら発想力アップ!アウトドア術」より

 

ちょっと大人なトルティーヤ
ガスとフライパン持参で、ワインにも相性ぴったり!
トルティーヤを作ってみよう。
★材料(2人分・6枚)
・薄力粉(60g)→大7.5杯・強力粉(60g)→大7.5杯
・オリーブオイル(大さじ2)・砂糖(小さじ1)
・塩(2つまみ)・水(200cc)
★作り方
①上の材料が全て入る容器に素材全てを入れます。
※我が家ではクッカーに水から入れます。内側に目盛り付きなので、水の計量も計量カップ無しでできちゃいます。
②ダマが無くなるまでひたすらかき混ぜる。
③クレープ作りの要領でフライパンに適量を入れて伸ばし、表面にこんがりと焼き色が付くまで両面焼く。
こちらでトルティーヤの生地が完成です。食感はクレープとホットケーキの中間といったところです。簡単に作れますし、しっとりとしていてかなり美味ですよ~!
この生地に、レタスやウィンナーなどお好きなものを巻いて完成です。

【トマトとひき肉のペースト】
★材料
・トマトペースト(150g)・ひき肉(100g)
・タマネギ(1/2個)・塩コショウ(適量)・オリーブオイル(適量)
★作り方
オリーブオイルでひき肉・タマネギを炒め、火が通ったらトマトペーストを投入しひと煮立ちさせる。塩コショウで味を整えて、粗熱を取り完成。簡単にササッと作れます。人数が多くても、材料の液を多く作っておけば生地を大量生産できるので大人数のキャンプやパーティーなどでもオススメのレシピです。トルティーヤにお好きな食材を巻いて!

 

一斗缶でピザ

小麦粉に重曹を使って生地から作る!焼きたてはやっぱりおいしいよ!!生地を作るのめんどくさ〜い、という方には市販の餃子の皮でミニピザはいかが?トッピングが楽しくて、子どもたちとアイデアを出し合って、いろんなテイストを楽しめます(^o^)。


vol.178 健康回復学

「書く」トレーニング
生きる意味、目的、夢を見つけるために書く

 夢や目的、そんなものはなくてもいいんじゃないの?ただ今を楽しむ、今の一瞬一瞬を充実して生きる。ゆっくりと呼吸し、ほほえみを浮かべ、自然と共に生きる。生きる意味、使命などとは関係なく生きた方がいいのでは?
目的がなくても今を大切に生きる。自然と解け合い、今日の糧だけ自然からいただき、質素に暮らすことができれば、心は穏やかでしょう。
しかし、多くの人は目的を持たずに生きていると、なぜか活力がなくなります。さまよっている感じになります。そうなると気づきます。夢や目的、人生の意味や意義—これこそ人間が発明した最高のエネルギー源だと。
「思い、考え方」が、感情も、行動も、健康も左右することを考えれば言葉という思考の素材にアプローチします。言葉を声に出したり、文字にしたりします。特に書くという行為は脳神経細胞に多大な影響を与えます。文字に込めたエネルギーは大きいのです。

まずノートを準備し、書きます。何を描こうか考えると書けなくなります。でも、何事も訓練、慣れです。最初は殴り書きでもいいです。ノートには最初に思いついたことをページの中心に書きます。言葉のスケッチです。池の真ん中に最初の言葉を投げて周りに波紋を拡げるように書き広げていきます。ミクロの世界では考えただけで変化しています。書いたらもっと変化します。思考の広がりを感じることができます。

1.まず子ども時代に楽しかったことを書き出します。
2.自分に起ったちいさな感動、ささやかだけど誰かに喜んでもらえたこと。
3.自分の長所を書いてみます。得意なことも書きます。
4.何をしているときが楽しいか書きます。どんなことが嫌いか、不愉快かも。
5.どんな人が尊敬できるか、好きか、リストを作ってみます。
6.他人にどう評価されたらうれしいか。
7.自分の価値観、言葉のクセ、考え方のクセについて書いてみる。
8.夢、希望、手に入れたいものをランダムに。
9.自分の人生のキャッチフレーズを考えてみる。変なたとえですが、お葬式の時に友人にどう言ってもらいたいのか・・・そんな言葉です。

 

「思考」トレーニング
より良い解釈ができるようになるために

考えることは人間にとってあたりまえのこと。
ところが、窮屈な考えをしてしまうとたちまち気分は悪くなります。考えることで次々と感情が生まれてくるのです。悪い考えは不快な感情を生み出します。良い考え方は穏やかな感情をつくります。

健康回復学では細胞もまた心を持ち、振動を発信し、脳も内臓も思考を司っていると考えます。頭でわかっていても、なぜかお腹あたりで納得していないことがあります。
これこそ内臓の細胞たちが脳の細胞たちと判断が食い違っていることを示唆していると思います。
生体は細胞間の情報ネットワークです。細胞には数億年の記憶が振動情報としてインストールされています。前世の記憶がメディアで話題になったりしますが、過去の記憶はチャンネルのあわせ方がわかれば、たまたま偶然引き出されることがあると考えます。

再び考えること そのメカニズムについて
考えることについてもっと意識してみます。朝起きてから夜寝るまで次々となにかが目の前で進行していきます。それらに必ず意味づけをしていきます。その意味づけをするとき、今までの体験、知識をたよりにしています。その時、短絡的に意味づけると怒りや悲しみや苦しみという感情が生まれます。わからないことがあり結論を出すには不十分だと判断すると、なんとなく不安は感じるものの、強いマイナスの感情にはなりません。

「思考が感情を生み出す」と言うことを確認しましょう。
落ち着いて次のことに思いを巡らせば感情のコントロールはできます。
1- 自分が知っていることには限界がある
2- 自分が信じていることも完全ではない
3- 相手が言葉使いを間違うこともある
4- 自分にはない考えが相手にはある
5- 立場で見方は変わる
6- 社会や家庭の価値観はみな異なる

人はみな基本的に自己中心的です。自分の利害を守ることを優先します。利害が守られるなら守られる理論を作ってしまいます。
それぞれ家庭の価値判断は違います。それが知らずしらずにその人の考えの基準になっています。ですから、他の人と憶測、想定が異なり、意味づけが異なるのは当然のこと。ですが、どれだけ相手を尊重できるか、より良い考えが見つけられるか、双方の未来に向けて考えられるかが問われます。
この意味で目的や夢が明確にあれば良い思考がしやすくなります。またこころに余裕をつくります。
私たちは日々、思考を修正、改善しながら生きています。良い思考はよい感情をつくります。良い感情は良い伝達物質、ホルモンを出し細胞、臓器の活動を適正にします。血圧、体温、呼吸、脈拍を正常に保ちます。
「良い思考」が「生きる意味づけ」が精神を活性化し病気を勝手に治していきます。これが健康回復のエッセンスです。

もし仮にひどいことが起こったときは?
① ひとまず深呼吸
② 思ったほどひどくないと言い聞かせる
③ 冷静に対処すれば必ず解決する、と考える
マザーグースに「この世の問題はみんな解決法が1つあるか、ないかだ。あるなら見つけ出せ。ないなら気にしないことだ」
④ 緊急でなければ判断を保留。明日になれば別の選択もできる。何か行動すればより的確な情報がやってくる

6つのエネルギーの充電

生きていればエネルギーは常に使われます。人間にとってエネルギーは大きく分けて6つあります。食、光、音、かおり、情報・智恵、友情・愛情です。

その中で今回は「音」にフォーカスしてみます。生物は音に敏感に反応します。音はすなわち振動ですから、細胞にもミトコンドリアにも原子にも影響を与えます。不快音が聞こえると血圧が高まり、心拍、呼吸が速まり、血中に脂肪が放出され血中のマグネシウム濃度が高くなります。心臓病等では不快音は患者の生死に影響します。
音楽は私たちの体に物理的な変化をもたらします。特定の音には心を鎮める作用があります。お経も教会音楽も治療の一環と言えます。除夜の鐘も生体に潜む悪い振動を追い出す働きがあることを昔の人は理解していました。お祭りや儀式に音楽は欠かせません。音の振動でこころを揺らし感動を増幅させるのです。それが心を軽くし、気晴らしともなるのです。
すべてが振動であり音楽だとすれば地球上の生命は石や土も含めすべて音楽を奏でているのかもしれません。私たちはその自然の音を聴いて、こころの調整を無意識に行っています。
宇宙は4ヘルツの振動でゆっくりと世界をおおっています。地球もまた8ヘルツ弱で私たちの地球上の生命にかすかな安らぎの音楽を奏でています。最近の研究者はこれらの低周波機器の開発と患者の実験から脳神経に対する効果を証明しています。
残念なことに、私たちの細胞の振動を調整してくれるこれら宇宙や地球の振動が、文明の人工物によってかき消されて届かなくなりつつあります。環境破壊はこのようにダイレクトに人間の健康に影響を与えています。いずれにしても音には健康回復の鍵が隠されていると思います。

免疫力が強くなる
『言葉の法則』

工藤清敏・著


vol.178 チョ〜!超〜!腸に、ご注目!!


いちばん賢い臓器は、脳ではなく腸

人間の脳細胞の数は数千億個のスケールで、日々、私たちが使っている細胞はわずか10%といいます。脳が秘めた潜在能力はまさに無尽蔵であり、脳の中に張り巡らされた神経系は高レベルで進化し、多様性にあふれているといえます。しかし、生物の進化をみると、最初に神経系が誕生したのは脳ではなく【腸である】という意外な事実が明らかになっています。

生命や細胞の長い歴史の中で、最初に特殊化した細胞がニューロンです。ニューロンは神経系を構成する細胞で、情報の処理や伝達に関わる重要な役割を担っています。いわば「知」に特化した特徴を有し、人間の場合には、円滑なコミュニケーションをやりとりする上で欠かせない、最も重要な神経系の細胞といえます。そのニューロンが生物史上で最初に出現したのはヒドラ、イソギンチャク、クラゲ、サンゴなどの腔腸動物の腸の中でした。腔腸動物は腸が脳の役割を果たしているのですが、それは腸が脳の「原型」であることを物語っています。

脳は腸から進化してできた

ここで「最初に腸ありき」を理解してもらうためにも、ごく簡単に進化の話しをします。動物は腔腸動物を基にして、2種類の系統に分かれて進化しました。一つは昆虫を頂点とした「腹側神経系動物」で、もう一つは脳を有するほ乳類を頂点とした「背側神経系動物」です。一方、腔腸動物から背側神経系動物の進化した動物は「後口動物」。最初のステップとしてウニ、ナマコ、ヒトデといった無脊椎動物の棘皮動物から始まります。そして、背側神経系動物の頂点に立つほ乳類、さらにそのトップの座に君臨する私たちヒトの大脳皮質の発達した脳にたどり着くのです。
動物の脳の進化をふりかえってみると、間違いなくいえることは【最初に腸ありき】ということです。脳は腸から進化してできたものであり、私たちヒトの脳もそのルーツは腸にあったのです。

腸は有害物質を下痢で体外に排出する

イラスト:「腸能力」より

人命を奪ってしまうような細菌やウイルスが含まれた食品を口にするとき、脳はそれが安全かの判断がまったくできません。食中毒を起こす菌が含まれていても「食べていい」というシグナルを出してしまいます。有害な食物などが腸に入ってくると、腸は大量の液体を分泌して下痢を起こさせます。その有害度が高ければ、下痢にとどまらず嘔吐の指令も出します。下痢や嘔吐は生態としての優れた防御反応であり、腸がこの指令を出さなければ人間は生命を維持できないと言っても過言ではないのです。

 

腸が嫌うことは、脳も嫌う

ここ数年、臓器移植の話題が多いのですが、たとえ脳死状態になっても腸はその後も機能し続けることができます。反対に、腸の機能が停止してしまったら人間は自力で生きていくことは不可能であり、当然脳も停止してしまいます。
これに加えて、知能の面でも「腸脳」に軍配が上がります。いまだに腸は消化・吸収を目的としているととらえがちですが、人間の感情や気持ちを決定する、神経伝達物質の多くは腸で作られているのです。「腹が煮えくりかえる」「断腸の思い」「腹をくくる」「腹を探る」など、人の気持ちやこころと腸や腹を関係づけた表現が多いのは脳と腸の関係が影響していると考えられます。
こうしてみると、「第二の脳」である「腸脳」からドーパミンやセロトニンといった「幸せ物質」がつくられていることがあたりまえのように思えてきます。
「腸は第二の脳である」。したがって、脳がたのしくなることなら腸内細菌は活発になり、「幸せ物質」もどんどん脳に送られていくのです。腸はそれくらい、優秀で頼もしい器官なのです。

腸の動きが停滞すると、脳は老化してしまう

ストレスという言葉には「ストレス解消」という言葉もついてきます。単に脳を休め、リフレッシュさせるだけの「ストレス解消法」では十分ではありません。むしろ、脳に「幸せ物質」をはじめとする重要な神経伝達物質を送っている腸にこそ、適切かつ迅速な「ストレス解消法」を実行していただきたい。そうすれば脳に「幸せ物資」が満ち足りて、ハッピーな気分になれることは間違いないですから。

セロトニンが増えれば、たちまち脳はスッキリ

腸内にはセロトニン、ドーパミンという「幸せ物質」が存在しています。それが脳に伝わることで、私たちは前向きでハッピーな気分になれるのですが、ストレスにより、「幸せ物質」の流れが阻害されるのですから、ストレス恐るべし、です。
さまざまな研究などによって、いまの日本人にとって“現代病”といってもいいくらい増えているうつ病も、脳内にセロトニンの量が少なくなってくると発症することがわかっています。その反対に「幸せ物質」であるセロトニンが増えてくると、脳はすっきりし、幸せな気持ちで満たされてくるのです。
進化の過程の中で、セロトニンは腔腸動物の腸の中で神経伝達物質の中心的な役割を果たしてきましたが、人間の体の中では大半が腸で合成されています。セロトニンも、もともとは腸内細菌間の伝達物質の一つで、人間の精神活動に深く関与し、ドーパミンとともに私たちの「幸せ度」「健康度」を大きく左右している重要物質なのです。そして、それらの「幸せ物質」に大きく関わっていたのが、まさに腸内細菌の働きだったのです。

Column

腸内細菌はフェイクニュースを嫌がっている?
虚偽の情報を伝えるためにインターネット上で発信されたフェイクニュース。この「デマ情報」に関する医学的な調査が発表され話題となっている。腸内細菌研究の第一人者・スタマック教授に聞いた、人間の身体が発するもうひとつの声とは・・・

「この研究は、人間が備えている直感を証明することになりました。直感を英語で“gut feeling”(腹の感情)と表現しますが、まさにその通りだった」腸内細菌に関する研究の実績で知られるオランダのヒーダ大学医学部教授のジョン・スタマック氏。

人間の腸内で活動している細菌は、外部の情報をインプットされると敏感に反応することで知られているが、フェイクニュースに対しては特徴的な反応を示した。これまでのいかなる情報よりも、腸内細菌はそれを「嫌悪」しているというのです。
「瞑想やクラシック音楽が、腸内細菌に対して良好な影響を与えることは、これまでも知られていました。彼らは、明らかに外部の情報に対する好みがあり、『好き』な情報を宿主が得ると活動が活発化し、フェイクニュースに対しては、人間でいえば自殺に近い動きを取りはじめる個体も存在していたくらいだ。」

2017年の1月に183人を対象に行われた実験で、被験者は大手メディアの「信頼すべきニュース」といわゆる「フェイクニュース」をランダムに与えられ、それぞれに対して真偽を判定したのち、腸内細菌の状態を計測するという作業を繰り返した。すると、ニュースの真偽を被験者がどう判断したかとは相関なく、フェイクニュースを与えられた人の腸内細菌は、例外なく活動が大きく弱まった。
人間はいかなる情報も自分の文脈でしか捉えることはできないが、われわれの『腹』はおどろくほど客観的かつ冷静に、目の前の情報に対して反応していたのです。

ただ、実際の社会について何も知らないだろう腸内細菌が真偽を判断するという事実に、正直腹落ちしないという人も少なくはないだろう。「腸内細菌には個性があり、宿主により大きく異なります。それでも、フェイクニュースについては明確な『嫌悪』がみられたというのが、今回の研究からわかったこと。それ以上のメカニズムについては、まだ謎と言わざるを得ません。もしかしたら、フェイクニュースの文体に反応しているだけなのかもしれない。今後は言語学的な観点からの分析も必要となってくるでしょう」
世界を変え、「新たな未来」をもたらす30の革新 より


vol.178 えっ!ミツバチが減ってる!?

私たちのまわりのミツバチは?
Cさん:知人のイチゴ農家では、「ミツバチが来てくれない」「来ても弱っている、すぐに死んでしまう」と言っていたよ。
Sさん:数えたことはないけど、あきらかに最近菜の花やドウダンツツジに来るミツバチが減っているわ。庭のサクランボの実の付き方が悪くなっているのはミツバチが減っていることと関係あるのかな?
Mさん:ミツバチといえば集団で蜜を集めるイメージがあったけれど、最近は2~3匹や1匹で弱々しく飛んでいるミツバチを見かけるよ。
Iさん:子どもの頃は、田んぼいっぱいにレンゲが咲いていて、ミツバチがたくさんいた。今は、レンゲを見かけることが少なくなったよね。
Kさん:実家には巣箱があります。ここ3~4年のことですが、スズメバチが増えてミツバチがやられたり巣箱に入ってくるミツバチの数が減ったりしていると聞きました。
Yさん:ハウスの作物を実らせるために働いた西洋ミツバチの中には、仕事が終わったら処分されてしまうミツバチもいるらしいね。人間の都合の良いようにしすぎだと思う。

ミツバチが減ると…
私たちの食べ物の70%がミツバチの手助けで実っていると言われています。ミツバチが減ると作物が受粉できず収穫量が減る。また、家畜用の飼料にも影響が出てきます。収穫量の減少に加え、人工授粉などの人件費など、今まで必要なかった経費のために作物や食肉、乳製品などの価格が上昇。それどころか、世界的な食料不足になることが心配されています。
また、ミツバチが受粉するのは食べ物だけではありません。綿など自然素材のものなどにも影響が出ますし、自然界にある樹木や野の花も受粉ができず、植物や生物の多様性や循環が崩れてしまいます。そして、人間も自然の一部、影響がないはずはないでしょう。

ミツバチが減少・大量死しているのはなぜ?
・花の減少。・巣を作る環境の減少や悪化。・作物に散布する農薬を浴びたり、農薬が溶けた水を飲んだりして、免疫力低下や神経異常になっている(家庭用殺虫剤も同じ)。
・携帯電話など電磁波の影響を受け、巣箱に帰る情報(帰巣本能)を失う。・免疫力や機能が低下し、ダニ被害を受けやすくなっている。
など、いろんな原因が挙げられていますし、原因は1つだけではない、ともいわれています。

プーさんに手紙を書こう!
プーさんが主人公のアニメーションで、世界中にミツバチのメッセージを伝えてほしいと、ウォールト・ディズニー社に直談判したハニーさんこと船橋康貴さん(※)。くまのプーさんに手紙を書いて、ウォールト・ディズニー社に送ろう!と呼びかけています。
世界中のこどもたちに知られているくまのプーさんは蜂蜜が大好き。プーさんから世界中のみんなに伝えてもらえるように、tocotocoでも、学び合い会やイベント、ワークショップなどでプーさん宛の手紙を書いています。今回もミツバチが減っていること、困っていることを大人も子どもも自分の言葉で手紙に書きました。この手紙はまとめて、ウォールト・ディズニー社に送ります。
みなさんも、お子さんとプーさんへの手紙を書きながら、ミツバチのこと、日頃の暮らし方について考えてみませんか?

※船橋康貴さん
環境活動家、一般社団法人ハニーファーム代表理事。
ミツバチたちのコミュニティーや社会性を通して自然の偉大さ、豊かさ、優しさを伝え、人間都合で考えないミツバチ目線の生き方を提案する環境教育・街づくりの活動をしている。http://honeyfarm.jp/
(にらめっこ177号で船橋さんのトークライブを掲載しました)

★ミツバチが好きな花や木を植えよう!
白、黄、紫色の花(ミツバチの目には赤色は認識できない)、土地に昔からある植物(野草、菜の花、レンゲ、シロツメクサ、タンポポ、栗、ミカン、柿など)を育てよう。

★殺虫剤は使わないようにしよう!
殺虫剤はミツバチ大量死の大きな原因とされています。農家さんだけでなく、家庭でも使わないようにしましょう。アリの巣ごと殺すもの、コバエ取り、ペットのノミとり、ガーデニング用虫除けなど。

★農薬を使っていないお米や野菜を買おう!
環境を考える農家さんをみんなで支援しよう!無農薬の野菜やお米を買う人が増えれば、作る農家さんも増え、無農薬の農地が増えます。また、家庭菜園で無農薬野菜を作ることも環境を良くすることにつながります。

子育てコミュニティ toco toco
子育て世代のやってみたい、知りたい、学びたいことを、自ら企画・運営。誰かが講師、受講者という立場のない、一人一人が活躍する「学び合い会」を中心に、顔と顔を合わせて集う良さを生かした活動を展開中。お問い合せ(仙石) tocotoco.hug@gmail.com


vol.178 かなでの沖縄だより

大学から首里城をのぞむ

沖縄で暮らし始めて

生活はとても順調です。ただ、覚悟はしていたのですが、沖縄はもう暑いです。それに、もう梅雨に入っているのですが、今のところまったく雨のふらない天気が続いています。
友だちもでき、一緒に食事したりお話したりと楽しい毎日を過ごしています。沖縄出身の子、内地出身の子、異なる出身地の子との交流の中で 方言の違いや地元の食べ物の事だったり、驚きと発見がたくさんある毎日です。

米軍機の恐ろしいほどの騒音
私は、沖縄って言うと沖縄戦や、米軍の話が浮かぶのですが、今のところ友達とそういったことを話すことはほとんどありません。とは言うものの、生まれてから高校を卒業するまで各務原の自衛隊基地の側で育った、飛行機の騒音には慣れているはずの私でも、沖縄に来てからずっと続く騒音は恐ろしくなるほどです。那覇市内にいるだけでも、飛行機やヘリの騒音は各務原のそれ以上です。飛ぶ量の違いにもビックリしてます。「きた!」と思った数分後「また!」というように常に飛んでいます。まだオスプレイは見てませんが、いつか見る日が来るんだろうな…と思うと恐ろしいです。
ニュースなどを見ていると、米軍基地が集中する沖縄にいるからこそ、各務原にいる時とは違う「何か」を感じます。

北朝鮮をめぐる動きと沖縄
ところで、私が沖縄へ来たあたりから北朝鮮をめぐる動きがあわただしくなっていますが、沖縄にいるとそれがよくわかります。
一ヶ月くらい前、アメリカが北朝鮮に対して圧力をかけていると言うニュースがありました。ニュースを見ていても何がどうなっているのか分からなくなり、調べてみたり聞いてみたりしました。そこから、沖縄での米軍機のうるささと北朝鮮に圧力をかけているということが繋がっているらしいということは分かったのですが、沖縄で何が起こっているか、北朝鮮との関係はどうなのか、「知りたい」という気持ちがあっても、片方に「知りたくないな」と思う自分がいます。知ってしまうと、今以上に恐ろしくなるように思えてならないのです。
同じニュースでも、各務原で見る沖縄のニュースと、沖縄のテレビや新聞が伝える沖縄のニュースは、まったく感じることが違い、たくさんの事を考えさせられます。

ぬちぬぐすーじさびらコンサート
6月23日は沖縄慰霊の日。6月11日に糸満市にある平和記念公園のホールで行われるモーツァルト「レクイエム」コンサートに出演します。このコンサートは、ぬちぬ=いのち、ぐすーじ=お祝い、さびら=しましょうという、沖縄戦で親や兄弟姉妹を失い嘆き悲しんでいる人々を、生き残った私たちが元気を出して頑張ろうと励まし、勇気づけ、沖縄復興に尽力した小那覇舞天さんが呼びかけた言葉をタイトルにしたもので、戦没者への追悼と、永久平和への祈りを全世界へ発信することを目的としたものです。
高校時代に、平和のことや戦争のことに関心があり、ヒロシマ・ナガサキにも足を運んでいろいろなことを目にしてきた私にとって、新しい発見ができそうで楽しみです。しかも、自分の好きな音楽で何かを伝え、学ぶことが出来るのはすごく嬉しいことです。


vol.178 熱中世代発 リバース8号

ホソミイトトンボ(Aciagrion migratum)

イトトンボ科 ホソミイトトンボ属 に属します。名前の由来は、腹部が長いイトトンボ、細身のイトトンボという意味です。昆虫や植物の名はその色や形状から名づけられることが多いものです。
中型のイトトンボで体長は30~38m 越冬型と夏型がいます。秋に羽化する越冬型は、成虫で冬を越し翌年の春交尾し産卵します。写真のように連結しながら水没して水中の草の組織内に産卵することもあります。
日本特産種で沖縄県から新潟県まで生息しており、岐阜県の美濃地方ではよく見る事が出来ます。飛騨地方ではほとんど見られないようです。(参考 日本のトンボ)

200坪ほどの畑に農薬を散布しなくなって20数年の歳月が過ぎました。自家消費の野菜畑は殺虫剤だけでなく除草剤も使用していないのです。
5月の末の事です。アスパラガスとレタスの収穫をし、芽吹いた大豆の小苗を見ていた目の前を腹部が長い水色のきれいなイトトンボが横切ったのです。トンボは、畑に隣接する幅が30㎝足らずの小さな農業用水の方へ飛んでいきました。その用水は、子供の頃に小鮒やドジョウなどを捕らえて遊んだ小川でした。いつの頃から三面コンクリート構造の農業用水路と呼ばれるようになりました。今では、ドジョウも棲まない味気ない水路なのです。なんと、その水路の雑草の間を無数のイトトンボが飛び回っているのです。なかには、交尾をしているものもいます。よく見ると、体を水中に潜らせて、草の茎に産卵をしているものまでいます。この水路は、管理が行き届かなくなり底に泥が溜まり、自然を少し取り戻しつつあるのです。提案があります。このようなコンクリート水路に穴を開けて土の底にしてみてはどうでしょうか。それが、生き物であふれ、子供たちの声で賑わう小川を取り戻す一歩になるのかもしれません。

 

写真・三輪芳明(みわよしあき)プロフィール 1952年  関市生まれ。仲間と岐阜県では絶滅したと考えられていたコイ科の魚類ウシモツゴを発見、人工的な大量繁殖させ野生復帰に成功する。岐阜・美濃生態系研究会 二ホンミツバチ協会 日本チョウ類保全協会。

 

 

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 名古屋市中区に美術研究所をスタートさせて半世紀、今年で53年目になる。1歳から92歳までと幅広い年齢層が通う。教室には画材はもちろんの事、さまざまな素材がびっしりと壁面にならぶ。ここに来る子どもたちは、それだけでわくわくしてしまうだろう。米山さんは、「表現は、技術より感情。いかに描いたかより、どんな気持で描いたかが重要。そこには必ず本人の気持が現れ、それが観る人のこころを動かす事に繋がる。障害のあるひともない人もそれは同じです」と語る。


障害のある人もない人も、一緒にワークショップをしているというこの研究所。それは、まさに私が目指していたことだった。実現するには幾つものハードルをクリアしないと、と思っていたが、米山さんは、「どんな子でもどんな人でも絵を描きます。落書きでも立派な絵です。もしそれが美術教室での事なら、一生懸命取り組んでいる時、集中して描いていたときに、的確にほめる。そのほめ方にひと工夫してください。いいねとか、うまいねとかじゃなく、その子が表現したものから、自分ならどんな連想をしたか、どんなイメージを抱いたかを伝えるんです。すると、中学年以上の子ならそのイメージを受け、さらに広げようとします。イメージが広がる事が大事です」。なるほど!さらに「思い込みは捨てる」とも。「たとえば、目の見えない子がどうやって絵を描くのか。まず本人は「描けない」と言います。でも、感じる事はできるでしょう。風、空気、太陽・・・サポートをしていた看護師は画材としてクレパスを用意しました。画用紙に描くと表面がザラザラします。そしてその子を河原に連れて行きました。川の音、きこえるよね。水の感触を一緒に感じます。その子が感じたままを描きはじめます。クレパスで描いたザラザラ感を手でなぞることで、表現を愉しむんです。」

やる気のない子にはどのようにうながしたらいいのか。
「まず本人の興味のある事を聞く。何が好きか、おもしろいか、問いかけをします。資料として、例えば図鑑とか用意しておくといいね」と。描きたくなる環境作りをしっかり準備することで、要求ばかりでは相手は逃げるばかりかも、と思った。確かにこの研究所には、いろんな物が棚にびっしり用意されている。どんなもの、どんな事柄に興味を持つか、可能性を広げるのはこちらの準備が欠かせないのだと実感。

「絵を描くという事はね、頭が良くなるんだよ」と、絵を描くために必要とする「知覚と精神性について」という資料を見せていただいた。


★何を描くか→思考力・創造性 ★いかに描くか→構成力・判断力 ★いかに表すか→表現力・精神性 ★デッサン→観察力・持続力 ★色彩→表現力/想像力 ★いかに描き進めるか→想像力・持続力 ★どの時点で完成させるか→決断力・判断力 ★全課程において→自主性・精神性・バランス感覚。描き始めから描き終わるまでに、こんなにたくさんの能力を使っているとのこと。楽しく絵が描けるだけでもすばらしいのに、自然にいろんな能力が身に付く「絵を描く事」をもっと日常に取り入れたいと思った。

米山さんの講評を受ける研究生

研究室の午後からのクラスが始まった。風景画、生物画、町並みを描いたもの、仏像や、ペットの絵に米山さんがていねいに講評をしていく。名は体を表す、というが、絵もその人柄を表す。講評が終ると「あなたも絵を描いてみないか」と提案され、思い切ってチャレンジしてみた。6つの言葉(山、川、木、家、太陽、へび)をそれぞれ使って一枚の絵にする。むずかしい・・・。初めて手にするオイルパステル。言葉が頭の中でグルグル踊り始めた。迷わずに描いたのは太陽、次にヘビ、そこで手が止まってしまった。深呼吸をして、自分の絵を俯瞰して、再度描き始める。どうしても描けなかったものがひとつあり、思案しているうちに時間切れ・・・。絵と言えるかわからないものだったが、米山さんの講評を受ける。その絵を見て、「あなたが大切にしているもの」、「あなたの人間関係」、「あなたの夢やビジョン」、などを絵から読み解かれたことが、今の自分にぴたりと当てはまりびっくり。どんな気持ちで描いたか、やはり現れていたのだ。(三上)

よねやまいくお:プロフィール
日本表現派代表、グループ青焔・主宰。スペシャルオリンピックス日本・愛知副理事長。絵から心を読み解き、障がいのある人、不登校、自閉症、子育ての問題等をカウンセリング。アートセラピー等の活動を各種大学、小牧を始め日本各地、スリランカでも開催。

 

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海の日は、7月の第3月曜日に制定されている国民の祝日で、
「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う日」。

今から百数十年前の明治9年、時の明治天皇が大型の船で、青森、北海道を回り横浜に帰ってきました。その頃、船による移動に不安を感じていた一般の国民も、明治天皇が無事に帰ってきたのを知って、その安全性に信頼を置くようになりました。
その横浜港に帰ってきた日にちが7月20日で、その日を海の記念日としていたのです。

世界で6位の海洋国家

世界地図を見てわかる通り、日本より面積が広い国はたくさんあります。しかし、日本は海に囲まれ、さらに多くの島があります。そのため、日本の力が及ぶ海の範囲は広いものです。その範囲を難しい言葉で「排他的経済水域」と言いますが、その海の広さは世界で6位なのです。

このことは私たちの食生活と大いに関係があります。古くは大昔の縄文時代から、魚や貝をとって日本人は食料としてきました。今も、魚や貝を食べる量は世界でもトップクラスです。

もともとは治療目的だった海水浴

さて、皆さんにとって海の楽しみと言えば海水浴ですね。今年になってすでに行った人もいることでしょう。
この海水浴が始まったのは150年ほど前のこと。その頃のお医者さんたちが始めたとされています。しかも、楽しむためではなく、病気の治療のために入っていました。治療のための海水浴の本も発行されたほどです。やがて、海水浴場がどんどん増え、今のように暑い夏を快適に過ごす楽しみに海水浴も変わってきたのです。


vol.178 メディアよもやま… 連載7

「言論・表現の自由」って何だっけ?

昭和20年、東京に出張していた私の父は大空襲に遭遇し、着の身着のままなんとか金沢へ逃げ帰った。滞在していた下町は焦熱地獄となり、半地下の浅い防空壕に入った人たちは、みんな焼け死んだという。その後、金沢の町内での日課である「竹槍、バケツリレー、防空壕」の防空訓練で、父は防空壕の改善を提言したところ、当時の秘密警察・特高(特別高等警察)に“不穏分子”だと睨まれて、我が家のタバコや砂糖の配給を減らされた。独裁者にとって万能薬のような治安維持法という監視制度、密告制度が日本中を支配していた。戦後、小学生になった僕が何かわがままを言うと、母は「特高が聞いとるぞ!」と僕をおどし、それは子ども心にもぞっとするような効果があった。ナチスとかソ連とかも、同様の雰囲気だったのだろう。圧政と密告は同じ銅貨の裏表だ。それから70年、政権は“オリンピック”と“テロ対策”を安易な口実として議論を閉じ込め、またもや力ずくの国会運営で、現代の治安維持法だと指摘されている共謀罪を強行採決しました。
私たちにとって、そもそも思想・信条の自由、言論・表現の自由って、何でしょう?昔学校で学んだように、中世ヨーロッパではローマ法王の宗教解釈がすべての秩序を支配し、日本の中近世は儒教・仏教・天皇制を背負った幕府権力が支配しました。しかしルネサンスと宗教改革、科学的な発見や進歩などによって、あらゆる文化・文明が問い直され、社会が発展するには、思想や宗教の自由、言論・表現の自由こそが要だと確認され、市民革命に至ります。近代社会の基礎になったイギリス権利章典、アメリカ憲法、フランス人権宣言は、「信教の自由」「言論の自由」「集会・結社の自由」や、政府の不当に抗議・請願することは人間の基本的権利だと宣言し、それは国連憲章や世界人権宣言にも引き継がれました。こうした人類史を踏まえて作られた日本国憲法は、第19条で思想及び良心の自由、20条で信教の自由、21条で集会、結社、言論、出版、その他一切の表現の自由。検閲の禁止。通信の秘密の保持を定め、それは私たちの社会や生活の根本を成しています。


ところでこの数年、日本の政権はこうした人類史の知恵や戦争の悲惨な教訓を軽んじ、立憲制度や自由で豊かな議論を踏みにじって、急速に軍事国家への道を選ぼうとしています。多数の議員を擁するおごり、中世への愚かな逆戻り、というほかありません。「自由というものは、サンチョよ、天が与えてくれた最も価値あるものの一つなのだ。地や海の下に隠れたいかなる宝もそれには及ばぬ。自由のためになら、人は命の危険を冒すことができるし、冒さねばならないのだ。」(セルバンテス「ドン・キホーテ」)

 

つだまさお 「てにておラジオ」代表
1943 年金沢市生まれ。1966 年から NHK で、 主として報道番組の制作に従事。1995年から東邦学園短大、 立命館大学などで市民社会のメディアのあり方を教えたり、 全国の市民 メディアを繋ぐ仕事に携わる。2016年から、「みんなの森・ぎふメディアコスモス」で発信する市民による放送局「てにておラジオ」を運営。


vol.178 ホスピスケア♥訪問介護日記-vol.3

美しい最期
インド人の70代の男性の死。一人だけずっとずっと泣いていた女性が、患者さんの妻だった。私は死亡確認に行っただけで、死が訪れるまでの様子を知らない。ただ、家族はそれぞれに役割をはっきりさせてケアに関わってきたようで、患者さんの死の後も、全体的に落ち着きがあり、親族への連絡や葬儀屋への連絡などがスムーズにいっていた。悲しみの中にも、なにかやりきった感をともなう清々しさを感じた。部屋にはキッチンから心地よい風が舞い込んでいた。
小学生くらいの孫二人が、「おじいちゃんにさようならを言いたい」と死んだ患者さんのベッドまで来た。親族の中には、死体を見せるのは早すぎると止めようとした人もいたが、家族も親族のほとんどが、「おじいちゃんにしっかりお別れを言いなさい」といった。二人とも、泣いてしまったけど、すぐにお父さんがしっかり二人を抱きしめていた。あぁ、この家族は大丈夫だなと思った。
家で家族を看取るということは、とてもとても大変なこと。特に核家族化の進む今の社会では、本当に大変。このご家族は、仕事をしていない妻が患者さんにつきっきりで、その他家族も普段の日常生活の中で患者さんのケアに大きなウェイトを置いてきたようだった。普段どおり仕事をする者、連絡係となる者、ケアを交代する者、時々様子をみにくる者、自然と役割があったようだ。親族が多く結束も強いと、家族それぞれが役割を担い誰かに全部お任せになることもない。移民の家庭では、お国柄・宗教・文化面も影響するが、家族・親族が一緒にまたはとても近くに住んでいるところが多い。家を出る時、まだ泣いていた患者さんの妻に、「本当によく看取られました。ご自身のされたケアにどうか誇りをもってください、夫の○○さんもすべて感じられていたと思います。」と声をかけたら、泣きながらいっぱい何か言ってくれた。英語ではなかったのですぐ理解できなかったけど、周りの助けがあって「本当に素晴らしい夫だったの」とおっしゃっていたのがわかった。
悲しく美しい最期であったと思う。自分自身の生活、家族とのありかたを強く考えさせられた訪問だった。

死を受け止めること、そして受け入れること
ベトナム人の夫婦。60代前半の男性、肝臓がん。痛みの緩和ができない。訪問は23時だった。眠っていられる時間も長いので、頻繁に痛み止めは必要ないのではと思った。それでも時々あげる声を聞くたびに、妻の○○さんは「夫は痛みに苦しんでいる、どうしていいかわからない」といって、パニックになりそうだった。
患者さんは私が見る限り、痛みの緩和ができていれば最期までお家にいられると思った。でも、妻は「家で死んでほしくない、いざとなったら私一人で看取れるかわからない。とても怖い、できれば病院か施設で医療スタッフが24時間体制でケアする状態で看取りたい」といった。この晩は娘さんがいたものの、一緒に住んでいるわけではなく、仕事にも行かなければならない。。。。育児休暇はあるのに、なんで看取り休暇がないんだろう。。。死んでからじゃ遅いのに。
妻は、自分一人の時に夫が死んでいく過程に向き合うこと、夫が死ぬこと、死自体が自分の目の前にあることが、怖かったのだ。怖いという気持ちと大きな不安が、夫の痛そうな声にあおられて居ても立ってもいられなかったのだ。


この時の私には、それを察して別の形で家族をサポートするまでに至らなかった。話をじっくり聞き、痛み緩和のためにドクターの指示をもらい、現時点での選択肢を説明したが、あと一歩足りなかった。結局、次の日からクライシスケアというLPN(准看護師)が12時間体制で看護をする処置がとられた。それから亡くなるまでの5日間は看護師が24時間体制で看護。もっと彼女の恐怖をわかってあげられれば、違うアプローチでこの訪問ができたのではないかと自問自答する。在宅ホスピスを始める時に準備できている人もいれば、実際に始まってみないとわからない人も多い。家族の気持ちに寄り添ったとき、その時何が必要かを判断できる力がまだ足りないとあらためて痛感した。

 

わかばま〜く:プロフィール  1982年生まれ。ニューヨーク州立大学卒業後、 ニューヨーク市立病院に看護師として4年勤務。現在は訪問看護師としてホスピスケアに携わっている。岐阜県各務原市出身。


vol.178 忍耐・ガマンの上手な伝え方part-2

「行きたくない」といえない

がまん強い子の先に待ち受けること

学校生活のなかで
内田 良子(心理カウンセラー)

病気は見つからないのに症状が

子ども相談で出会う子どもたちは、がまん強い子たちが多いです。ある日、朝から吐いて吐いて、胃の中に吐くものが残っていない状態でぐったりしている小学生が受診してきました。問診や医療上の検査をしても、どこも具合が悪いところが見つかりません。医者は首をかしげ、心理室に紹介してきました。
病気が見つからないのに症状があるとすれば、心になにかいうにいわれぬ事情を抱えているのかもしれません。でも子どもの場合このなにかにたどりつくのが、なかなか難しいのです。
同伴している母親に事情を聞いてみると、症状は、夏休みがあけ、二学期が始まってから現れたとか。夏休みのあいだは夜更かしをして、朝ゆっくり起きていました。生活週間が崩れてしまったのか、登校時間にまにあうように起こしても、なかなか起きられません。
心配した母親が「学校はどうするの?」と聞くと、「学校は行きたい」と答えます。「学校へ行きたいなら、早く起こして支度をしなくては!」と、母親は子どもを抱きかかえて起こし、学校へ行く用意をさせようと手を出します。しかし、立ちあがるとめまいがして、吐き気がするため、座りこんだまま動けません。毎朝のように同じ状況をくり返していました。やがて吐き気がとまらなくなり、吐いて吐いて転げまわるほど苦しむようになってしまったわけです。

体が無理だと訴えているときは

学校という狭い世界では、先生の言うことが絶対です。矛盾したことをいわれ、おかしいと思っても、教室にいるあいだは従わざるをえません。理不尽ながまんです。がまんを重ねていくとストレスがたまります。先生のいうとおりに従いなさいと親はあたりまえのように子どもにいいます。子どもは自分の感じている矛盾をどこに向かっても表現できず、ストレスはたまる一方です。
がまんの限界にきたときに、子どもの心身に不調が出ます。熱が出たり、おなかが痛くなったり、吐き気がします。頭が痛くなったり、手足が動かなくなる子どももいます。
体が学校へ行くのは無理と悲鳴をあげているのです。体の不調が続くと、親は心配して病院を受診します。子どもも、なにか深刻な病気のはじまりではないかと不安に陥っています。
しかし、病院で検査しても、病気は見つからず、学校を休むと症状が消え、元気になって、再び学校へ行くと、今度は別の症状が子どもの体のあちこちに出ます。
学校へ行くことが求められている間では、こうした心身症状は消えません。さみだれ登校や不登校の始まりです。

不登校対策が徹底しておこなわれるようになった近年、原因不明の体調不良で休みがちの子どもに対し、スクールカウンセラーや担任が精神科の受診を進めるケースが増えています。精神科を受診すると、小学生に対しても抗不安剤や抗うつ剤などが処方されるケースがめずらしくなくなっています。がまん強い子どもたちの先に待ち受けているのは、心と精神を操作する薬物治療の世界です。
子どもの体の声を聞き、体が無理だと訴えているときは、休むことです。休んで安心すると、心の声が話しはじめます。

うちだりょうこ・心理カウンセラー。子ども相談室「モモの部屋」主宰。著書に『登園しぶり・登校しぶり』(小社刊)ほか。

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自立と自律ができないことには・・・

岡崎  勝(小学校教員)


「がまん」しないほうがいいとき

なんとかして「がまんさせよう」と思っているのに、「がまんしないほうがいい」などとはなかなか思えない。しかし、「がまんしてしまうことのリスク」がたくさん語られていた。
それは、心身が病気になってしまうとか、自分の考えや意志が「他人志向的」になってしまうことである。惰性的・慣習的思考の一つである。それは「まじめ」であることと似ている。がまんすべきだとまじめに思いこんでしまうことにもリスクはある。

ケースバイケースで、がまんすることのリスクをどれだけ敏感に感じとれるかということになる。これはけっこう高度な裁量であって、子どもには簡単ではない。とりわけ小学生くらいで「がまんしすぎるのは良くない」と判断できる子は少ない。「自由にしていいよ」が、無言の「がまんすべきでしょ」という圧力になることがある。
しかし、いじめで深く傷ついたり、病気になってしまってりしては「元も子もない」ということは、誰かが教えなくてはなかなか本人にはわからない。
体育会系やスポーツ型の親や教員はこの判断に疎いことが多い。スポーツ的意志の強さは「ちょっとのケガ(痛み)くらいは、がまんできること」でもあるからだ。がまんしすぎのアスリートが燃え尽きることもある。

なにに「がまん」するのか?
たとえば、ゲーム機やスマホを買いあたえるか、がまんさせるか?」というとき、親として「がまんさせたい」という場合、つまり子どもと反対の立場を取るとき、それをがまんさせるのはむつかしい。
もちろん、子どもにがまんの意味や、がまんしなかったときのリスクや制限を伝える努力はしたほうがいい。「がまんさせること」が「子どもへのいじわる」とならないようにするためだ。
がまんはがんばってるすというより、しなくてはしょうがないものといてあるほうが考え方はシンプルでよい。つまり、「できればがまんなんかいたくないけど、がまんしないとうまくない。まずいよな」という気分。だから「がまんしなくてもまずくならないなら、がまんしない」という判断になる。ましてや親や周囲の大人が、ぜんぜんがまんしていないのに、「自分だけがまんするのは許せない!」などといい出す。
どうやってがまんするか?ときどき休憩を入れるとか、気晴らしをするなど、がまんを続けるためのコツがある。がまんの本道は、孤独と無力感との戦いだろうと思う。
結局、意味のある。意義のある、必要ながまんができるようになるのは、自立と自律ができるようになることと同じことなのかもしれない。そうなると、子ども以前にまず大人からではないかと思う。子どもより大人のほうが、がまんしていないもの。

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国・社会の「利益」のために?他人に迷惑をかけないように?決められたルールだから?ぐっとこらえなければいけないとき、がまんしすぎてはいけないとき、それぞれの時代や環境によって、いえること。

戦争の時代から見てみると

今も続く、国民に強いられた「がまん」

強制は危険きわまりない

「じっとがまんの子であった」というのは、昔々「子連れ狼」というドラマの中ででてきた言葉だったでしょうか。
一般に、がまんできる子どもはほめられるようですが、がまんしすぎるとしばしば危険なことになります。いじめにあっている子どもなどはがまんしすぎる傾向があるといわれますが、がまんせずに反発したり誰かに伝えたりすると、よりひどいいじめにあうので、がまんするしかないのかもしれません。
ともかく、がまんは自発的なものでも危険があるわけですが、これが強制されたがまんということになると、危険きわまりないといわねばなりません。
太平洋戦争のおりなど、国が国民にがまんを強いたものでした。この場合、戦局がすすんで戦いが不利になり、経済的にも困難な状況になるにつれ、国民はより強く「がまんしろ」といわれました。

福島の人にある現実

そしていま、福島でぼくは戦時中に似通った状況を見てきました。たとえば、福島の渡利地区。ここは原発事故後、放射能の空間線量がとても高い地域として知られていました。この地域の人たちが国に「この地域を非難地域に指定しろ」と求めましたが、認められませんでした。国はこの地域の人たちに「健康に影響しない線量だ」と根拠のない情報を流し、がまんして住み続けることを求めました。
ぼくは福島から東京へ非難している人の支援も続けていますが、そういうなかで、自主避難の子どもたちがあちこちでいじめられていると報道されました。
福島にかぎらず、沖縄や原発再稼働に反対して戦っている地域を除く日本中で、がまんをしすぎているように思います。これはこの国の将来をあやうくすることではないでしょうか。

山田 真(やまだまこと) 小児科医。八王子中央診療所所長。「子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク」代表。お・は編集協力人


vol.178 エコビレッジfromオーストラリア

火を囲む
2017年5月1日で、持続可能な暮らしを追求するパラダイスワンがスタートして4年。今年は、メンバーとファイヤーサークルを企画して4周年をお祝いしました。

ファイヤーサークルでは火に向かって「自分の手放したいこと」、「パラダイスに来たきっかけ、理由」、「どんなコトをここに持ってきたいか」など、各々が語り共有しました。

火を囲むと、満ち足りた語らいの時間が生まれます。炎のゆらぎ、木の燃える音や香りなど、五感で感じるさまざまなものが、心をほぐし温めてくれます。そんな時間と空間を共有することで、多くを語らなくても、心を寄せ合うことができると思います。

 パラダイスワンは、いろいろな国の人たちが関わっています。様々な文化が混ざり合うなかで、火を囲んで語り合うことは、メンバーの思いや問題意識が言葉として表れてきます。火を見ながらだと不思議と落ち着いて、今まで話せなかったことも話せるきっかけがうまれました。原住民族であるアボリジニの人たちの間でも、セレモニーをするときは火を囲んで、精霊たちとつながると聞きました。

セレモニーには様々な意図がありますが、今回の私たちの4周年を祝うファイヤーサークルでは、原点に戻って、自分たちの作り上げていることを確認し合える場となりました。

仏教には、火(成熟)、水(収集)、風(成長)、地(保持)の4つの要素とつながり合い生活するという考えがあります。

日々のルーティーンワークにとらわれるぎると、自分たちの住む環境に感謝を忘れがちであることを実感しました。木があり、川が流れ、畑がある。虫が住み、鳥が飛び、動物たちが住んでいる。そんな環境で、土地をはじめ自然とつながることを忘れずに、ここでの生活を続けられるようにしたいと思います。

継続は力!続けていくことの大切さもみんなと共有でき、とても充実した時間を持つことができました。
写真はイメージです


vol.178 ボーダーレス社会をめざして-vol.37


NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

二人のおじいちゃん
私が胃がんの手術をしてから、5ヶ月後に私の父が、その3ヵ月後に義父が他界しました。相次いでおじいちゃんが亡くなり、淳司はどんな反応を見せるのか?未知の世界でした。息子は、葬儀の際一般の方と何ら変わることなく静かで、お焼香も周りの様子を見ながらし、お棺を運ぶ時は誰にも言われなくても自分から動いていました。そんな姿を見て、「よくここまで成長したな」と思ったくらいです。二人のおじいちゃんは、淳司を本当に可愛がってくれました。彼にはかけがえのない人でした。何も問題なく葬儀などは終わったのですが、しばらくしたら淳司に変化が起きました。私たちは、父が具合が悪く死期が迫っているのは分かっていて、覚悟は出来ていたのですが、自閉症の息子には何も分からなかったのだと察します。葬儀などの儀式がばたばたと続き、分からないまま時間が過ぎていったのでしょう。自閉症の人は、見通しがつかないと不安になると 言われます。息子に説明をしている時間などありませんでした。当事者ですからどのように葬儀を済ませるか、終わった後どうすればいいのか、そんなことで頭の中はいっぱいでした。それにもまして、がんの私は自分の事でいっぱいいっぱいでした。息子は義父が亡くなってから、少しづつ自分の部屋から出ようとしなくなりました。部屋にこもり、お昼でもカーテンをしたまま一日を過ごすようになりました。どこかに出かけない?と誘っても全然反応なしでした。あれだけ旅行や出かけることが好きだったのに、ただご飯を食べるためだけに自分の部屋から出るという生活が半年くらい続きました。ただ、幸いなことに仕事にだけは行ってくれていました。しかし、会社からジョブコーチに電話があり、ボーとしている時が多く、やる気があるのか?と連絡があったようです。その理由をジョブコーチに話し、会社に伝えてもらったということがありました。静かな時間が過ぎたなと思ったら、今度は自分に気に入らないと私に怒ってくるということが増えてきました。そんな時、偶然に障害者支援の本の中に、身近な人が亡くなると喪失感があり、その回復には数カ月を要する。「非哀のプロセス」否認、絶望、脱愛着という3段階を経て、自分の内面をいたわり態勢を立て直しを図っていくと書かれているのを見つけました。見守るしか方法がないというのを知り、淳司は淳司なりに苦しんでいたのだなということが分かりました。その後、徐々に回復し現在はお墓参りが彼の仕事になりました。「天国のおじいちゃんは喜んでいますか?」「おじいちゃ~~ん」と天に向かい叫んでいるらしいです。


vol.178 半農半Xという生き方-vol.19

一枚の紙に雲を見る

10年以上前、「一枚の紙に雲を見る」という表現に出合い、はっとしました。紙があるということは、原料となる木があるということ。木があるということは、それを育むいのちの水があるということ。水があるいうことは、それを降らせる雲が空にあるということ。雲なしには、水はなく、水なしには、木も紙もない。1枚の紙から雲まで想いをめぐらせることができるとは!「飲水思源(いんすいしげん)」というすてきな語もあります。水を飲み、もたらしてくれた山の水源や井戸を掘ってくれた先人をありがたく思う。いま大事なこころがここにあるようです。

「その実を落とす者はその樹を思い、その流れに飲む者はその源を思う」という、北周の詩人・癒信の「徴調曲」という詞に基づく故事成語である。

「飲水思源」
…水を飲むときは源を思う(井戸を掘った人を忘れない)。即ち、“私達の現在があるのは先人が流した汗と涙のお陰であり、その思いを忘れずに感謝し、次に我々は後世(子孫)に対し何を残せるかを考えよう”という意味です。

 

センス・オブ・ワンダー

立夏を過ぎ、野山はますます多様な生命に満ちていきます。田んぼの上空では雲雀が鳴いたり、カエルの大合唱が聞こえてきたり。私たちはいろんな生命と一緒にこの地球に生きているのですね。田んぼや畑で過ごすとき、よく思い返すのが、アメリカの科学者レイチェル・カーソンさんの次のことばです。「生まれつき備わっている子どものセンス・オブ・ワンダー(自然の神秘さや不思議さに目を見張る感性)をいつも新鮮に保ち続けるためには私たちが住んでいる世界の喜び、感激、神秘などを子どもと一緒に再発見し感動を分かち合ってくれる大人が少なくともひとりそばにいる必要があります」。子や孫に、地域の子どもたちに「いま大事なこと」を伝えていきたいと思うのです。

 

塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は翻訳されて、台湾、中国、韓国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。

※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題(どう生きるか)を背景とする。持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。ex.半農半漁、半農半大工、半農半看護師、半農半カフェ、半農半絵描き、半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。


vol.178 夢か悪夢かリニアが通る!-vol.7


ラドンに向き合えるのか 小出裕章さんに聞く

岐阜県瑞浪市で昨年12月、県内初のリニア中央新幹線工事が始まりました。ところが直後に、基準を大幅に上回るヒ素などの有害物質が検出されたり、JR東海の発注を受けた業者が、砂防指定地や地すべり防止区域内を無許可で掘削したりするなど、住民が不信を抱く事態が続いています。昨年9&10月号でお伝えしたウランを掘り出す危険性も解決していません。住民はどう向き合っていったらいいのか、長野県松本市に元・京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さん(67)を訪ね、お話を聞きました。      ジャーナリスト・井澤宏明

吸い込むと肺から出ない
小出さんは岡山・鳥取県境の人形峠で、1950年代から60年代に掘り出されたウラン残土による住民の健康被害を目の当たりにしてきました。瑞浪市のある東濃地方には、国内最大の埋蔵量といわれるウラン鉱床群があり、採掘が行われていました。
JR東海は「(リニア)中央新幹線はウラン鉱床を回避している」「トンネル掘削中にウラン鉱床のようなウラン濃度が高い土を掘削する可能性は低い」と説明していますが、小出さんはそんなふうに割り切れるものでないと指摘します。
「ここまでがウラン鉱床で、ここからは違うということではないんです。ウラン濃度の高い所から低い所が連続的にあるわけで、トンネルを掘ってみたら濃度の高いところにぶつかることはあるかもしれない。そうなれば避けることができずに、掘り出すしかないわけです」
ウランは放射線を出してトリウム、ラジウムなどに姿を変え、ラドンという気体になり空気中に逃げ出します。
小出さんは人形峠で、放置されたウラン残土からラドンが染み出し、集落に流れ込んでいることを突き止めました。 「鳥取県側の方面(かたも)という集落の人たちは、親族がみんながんで死んでいるっていうんですよ、肺がんで。日本人はラドン温泉やラジウム温泉を喜ぶという習性があるが愚かなことです。ラドンは放射線を出しながらポロニウムなどになって細かいちり状で分散しています。それが危険の正体。吸い込むと肺から出なくなってしまいます」

掘らないのが一番いい
JR東海は、7.4キロのトンネルを掘った残土約85万立方メートルを、非常口から約2キロ離れた谷沿いの埋め立てに使う予定です。万が一、ウラン濃度の高い土を掘り出した場合、最終処分方法が決まるまで、遮水シートや土で覆って工事現場で保管するといいます。
「掘らないのが一番いい。掘ってしまったら、ちゃんとラドンが出ないようにお守りをするしかありません。(ウランを含んだ)土がある限り、ラドンは次から次へと出てきてしまいます。結局、埋めるしかないと思います」
建設に携わる人たちの健康も心配です。
「トンネルで働く人が一番ひどいでしょうね。ラドンから身を守ろうと思ったら、逃げるしかありません。フィルターもマスクも全く意味がない。ですから、ウラン鉱山でも労働者を守るためには換気が一番大切。でも換気するってことは、ラドンガスを外にほっぽり出すってことです」
東濃地方の工事で、ウラン残土が問題にならなかったのはなぜなのでしょう。
「これまでの工事も問題だったんだと思います。誰も気が付かなかったから、何もしないまま来てしまった。でも、リニアの工事は他とは比べることができないほど巨大なので、リスクもそれなりに大きくなるだろうと心配することは正しいと思います」
市民団体の調査で、ウラン鉱床を避けているはずのリニアルート上で高い放射線量が観測されました。JR東海はこの原因として、花こう岩が地表に露出していることを挙げ、「花こう岩中のウラン濃度はウラン鉱床よりもかなり低いことが分かっている」と説明しています。小出さんはJR東海にきっちりとした測定を求めるよう地元の住民に助言した上でこう言います。
「花こう岩という岩石は、泥岩、砂岩に比べると、ウラン、トリウムの含有量が高いのでラドンの放出率は高い。地底に埋まっているところを地表に掘り出してくるわけですから危険を伴いますよ。そんなことまでしてリニアをつくる価値があるんでしょうか」
小出さんの問いかけに、JR東海はどう答えるのでしょうか。

瑞浪市のリニア非常口周辺。厳重な警備の中、起工式が行われた


vol.178 まちカフェ レポート

まちカフェレポート まずは意見交流の場として


「こども食堂とは、こどもが一人でも安心して来られる無料または低額の食堂」。それだけ。「こども」に貧困家庭という限定はついていない。「こどもだけ」とも言っていない。 大事なことは、子どもが一人ぼっちで食事しなければならない孤食を防ぎ、さまざまな人たちの多様な価値観に触れながら「だんらん」を提供することだ。だから、一人暮らし高齢者の食事会に子どもが来られるようになれば、それも「こども食堂」だ。子どものための、子ども専用食堂ではない。

“場”としてのこども食堂
「むしろ、より積極的に、多世代交流型になることが望ましい」と東京都大田区にある「気まぐれ八百屋 だんだん」店主の近藤さんは言う。孤食をわびしく感じるのは、子どもだけではない。若者もお年寄りも、仕事で疲れて食事をつくる元気の出ない母親や父親も「今日はちょっと食べに行こうかな」と寄れればいい。そして、子どもは食事後に遊んでもらったり、ちょっと勉強を見てもらったり、母親や父親は人生の先輩たちから子育てのアドバイスを受けたり、地域の子育て情報を交換したり、お年寄りは、子どもと遊んであげることを通じて子どもに遊んでもらえばいい。そこに障害のある子どもや大人がいてもいいし、外国籍の子どもや大人がいてもいい。より多くの人たちが「自分の居場所」と感じられるようになることが理想だ、と。

人々が交差するときに、ただすれ違うだけでなく、ちょっと留まることによって生まれる“場”が、近藤さんのイメージだ。

まさに“まちづくりの基本”ですね!まちカフェで話題になった各務原市初のこども食堂「おだやか荘」もがんばってます。まちカフェが、いろんな活動の交流の場になるといいなと思います。

 

5月13日(土)10:00-12:00 参加者:7名 にらめっこ編集室にて

まちカフェについて
・世代別で開きそれぞれが抱える問題をピックアップして、2、3ヶ月に一回くらい「ごちゃまぜ会議」を開き、各世代が抱える問題をみんなでシェアし違う視点で問題を考えるってどお?
・それ、いいね!!
・土曜日の午前中って、けっこう参加しにくいわ(-。-;)
・平日の夜なんかの開催もあり?
・素敵なカフェで、お客さんも巻き込んじゃうとか?
・営業中は難しいんじゃない?定休日に開催とかは?

市民活動を活発にしたいんだけど・・・

・各務原市は財政的に余裕があるから、市民活動に頼らなくてもいいらしいよ。
・それって、市民に頼らずともお金で解決するってこと?
・学童保育の民間委託もその現れかな?
・学童の民営化では、安定した人員確保のためっていうことなんだけど、現実、人員確保できてないんだよね〜
・まちづくり活動支援センターができないのも、市が必要としていないのね。
・隣の町のNPO 団体の活動が盛んで、近隣ケアの仕組みもすごくうまくいってる。子育てで孤立しているお母さんは少ない気がする。行政と民間がうまく連携しているよね。

6月7日(水)18:30-20:30  参加者:10名 ボンガ珈琲(鵜沼東町)にて

こども食堂について

・学習支援をすることが条件の県の助成制度に、やはり本質をわかってもらえてないという複雑な気持ちになるの・・・
・居場所が一番大事なんだけどね。それは、子どもに限らないよね。
・子育て支援課に相談に行っても解決できなくて、児童相談所、社協、近隣ケア、民生委員と回っても、情報の共有ができていないので、たらい回しされてるっていう気がしてしまう。
・行政だけではなく、NPOとか個人で活動している団体とも連携した「居場所つくり」をしていきたいね。

文化発信の拠点を!

・中央図書館3階の市民ギャラリーが廃止!創作室も使えなくなる、といきなり通知が来た。寝耳に水!でびっくり。
・何かいつもそういうやり方だよね。学童の民営化もね。
・文化が人を育む!と断言したいくらい。学習支援で教育の格差をなくすのももちろん大事。でも、人の心が豊かになることのほうがさらに大事な気がするなぁ。
・障がいがあってもなくても、人として生きていることを実感できる場所、そんな文化の拠点が欲しい!!

発達障がいって、よくわからない

・うーん、基準は曖昧だし医者によって診断もまちまちだし、そもそも診断名がつくことがいいことなのかな。
・親にとっては楽になる部分はある。けど本人にとってはどうなんだろう。生きづらい部分というのは結局は社会のほうに原因がある気がするよ。
・だよね。差別とか偏見とかただ知らないだけでさ、情報不足もあると思う。
・隔離はよくないね。やっぱりごちゃまぜにしないと!
・生産性の低い人が置いてきぼりになっている今の社会、かなり問題だと思う。


vol.178 プレゼントコーナー

プレゼントご希望の方は
ハガキまたはe-mailで、下記のアンケート1〜6をご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
〆切:7月25日 当日消印有効。
B、Dはにらめっこ編集室に受け取りに来ていただける方。
宛先:〒504-0855 各務原市蘇原新栄町2-25
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、使用させていただきます。

1- あなたの夏バテ防止法をおしえて!
これから暑〜い夏に突入。バテないための方法をおしえてね。
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事のタイトル1つ
その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望)
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、家族構成

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A.「Bossa Nova Liveご招待券」
アートギャラリー是様より…2名様

真夏の夕暮れ、木陰を求めるように体も心も涼を求めてます。ちょっとひと休みしませんか?
今回は特別メニューあり!地元夏野菜のローフードをお楽しみください!(飲み物をご利用される場合の料金はご負担お願いします)

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B.「無農薬 紅茶」
ちゃぼぼ園様より…3名様

お茶栽培の条件に恵まれた旧春日村には760年にわたるお茶の歴史があります。在来種の茶木は地中深く深く根を伸ばし、大地に呼応し、自然の恵みだけでゆっくり育ちます。深く澄み切った無農薬の紅茶を心ゆくまで味わってね。にらめっこ編集室でお受け取りください。

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C.「CINEX 映画招待券」
シネックス様より…ペア3組様

ストーリー、音楽、カメラワーク、衣装、そしてキャスト…。映画を味わう要素は人それぞれだけど、良い作品には出会いたいですよね。奥深い作品を多く上映するCINEXにぜひ行ってみてね! (写真は『怪物はささやく』)招待券は、シネックスマーゴではご利用になれません。

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D.「Eco Wrap」
にらめっこより…3名様

地球に優しい自然素材からできた、繰り返し使えるフードラップ。蜜蝋には自然界の抗生物質と言われるほど高い抗菌効果があります。 保湿、抗菌性、防水性に優れています。にらめっこ編集長が読者プレゼントにと厳選した逸品です。サイズS (20×20cm) 模様の指定不可。にらめっこ編集室でお受け取りください。

174号で紹介した“エコラップ”現地で仕入れてきました!
☆ ECO WRAPは繰り返し使えるフードラップです。布は認定オーガニックコットン、コットン、ヘンプ×オーガニックコットンの3種類。 地元バイロンの蜜蝋、オーガニックホホバオイル、天然樹脂を使っています。
☆蜜蝋の効能☆ 自然界の抗生物質と言われるほど高い抗菌効 果があり、 保湿、抗菌性、防水性に優れています。
☆ホホバオイルの効能☆ 非常に酸化しにくく、数年間保存が 可能。 殺菌作用、反バクテリア作用、抗酸化作用、高い保湿効果。
☆使い方☆ 食品や器などを包む時は手の温かみで形を整えピッ タリと押さえる。 冷たくなると固くなり形をキープします。
☆お取り扱い方☆ 使用後は水または中性洗剤で手洗い、自然 乾燥させれば何度でも繰り返し使えます。 高温、多湿での保管 やお湯(蜜蝋は60~70°cで溶け始めます)、電子レンジ等 でのご使用、生肉や生魚、柑橘類へのご使用はお避け下さい。 使い始めはコップや容器に蜜蝋や香りが残りますが、お使いい ただくうちに消えていきます。食品には蜜蝋や香りはつきま せん。 お手入れの度合いにより使用期間は変わります。 夏場で の直射日光はお避け下さい。 ラップがベタついた時は一旦冷蔵 庫に入れて冷たくすると、ベタつきはなくなります。
Yoko Zirov ・オーストラリア バイロン在住


vol.177 アウトドア特集

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キャンプデビュー
キャンプ場ではコテージ(小屋)、トレーラーハウス(車)、テントなど様々な場所に泊まることができます。その中でもぜひテントに泊まってみましょう!
快適さの面では他に劣るかもしれませんが、テント泊の雰囲気の良さに勝るものはないと思います。お昼からテント、タープなどを設営して準備を整えて外で遊び、夜になったら焚き火を囲んで、自分で設営した狭いテントの中で寝袋で寝る。
いつもの生活とは全く違ったアウトドアな雰囲気を楽しむことができます。

テントで泊まる
どこにテントを張るか?選ぶのも子どもといっしょに。「自分たちの基地作り」が始まります。テント場が決まったら、次に居心地いい空間作り。

自然の中で、ここからぼくの(わたしの)エリアね〜!と自分の場所を確保します。そして、食事を囲むテーブルをセットしたり、照明はこの辺がいいかな・・・このプロセスが実に楽しい!
今日から過ごす空間ができたら、ご飯の下準備。なんといってもメインイベントともいえる「そとめし」。アウトドアならではのダイナミックご飯を用意しましょう。

夕闇から夜の闇の中、焚き火はかかせません。家族と、仲間とゆらゆら揺れる炎を見ながら語り合う時間は格別です。

晴れた夜なら、星空ウォッチング。この日のために一夜漬けで仕入れた星座名をスラスラと言えちゃったりしたら、尊敬の眼差し、まちがいなし!

意外と手軽にできる!初めてのキャンプ!

「キャンプやってみたいけど、道具揃えなきゃなぁ〜」と思う方!充実したキャンプ場の多くでは、キャンプ道具のレンタルできます。テント、タープ、シュラフ(寝袋)、シュラフマット、机、椅子、焚き火台、BBQグリルなど全部借りれるところが多いです。

初めてのキャンプで留意しておきたいこと

1、近くに温泉があったり、お風呂が付い ているキャンプ場を選ぼう。お風呂があ ると快適さが違います。要チェック!

2、防寒対策はしっかりと!
ずっと野外で過ごすキャンプは体温の調 整が重要です。薄着で風邪をひいてしま わないよう、普段+αの防寒着を持って 行きましょう。

3、片付けのことまで考えて過ごそう!

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1、薄手のケープ(まだまだ夜風は冷たい時期です)
2、調味料(塩、こしょう、七味、醤油など)
3、懐中電灯、軍手、ビニール袋
4、チャッカマン、ライター
5、クーラーボックス、氷
6、トイレットペーパー、ウェットティッシュ
7、ハンガー、ロープ(ぬれたものを乾かすのに便利)
8、外ばき用のサンダル
9、吊し型のネット(小物の整理に便利)

 

 

1200_main_08_01小物はなにかと荷物に
紛れ込みがちなので、ハンガーに掛けておくと一目瞭然。

 

ca_i01初夏といっても場所によって朝晩は冷えます。大型のブランケットは重宝しますよ!

 

toiletpaperティッシュBoxより便利。トイレになかった時のためにも

 

oktools_to-0008いざというときにホント便利!補修ツールとして、ちいさなゴミを貼り付けて集めたり、ひも代わりにしたり・・・とにかく助かる一品。剥がしやすい布テープがおすすめ。


vol.177 大地と森とミツバチと私たち

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F:船橋康貴さん 環境活動家、一般社団法人ハニーファーム代表理事(写真・左)
Y:Yaeさん 鴨川自然農園で半農×半歌手として活動。(写真・中)
N:萩原・ナバ・裕作さん 岐阜県立森林文化アカデミー 准教授(写真・右)
*シンガーソングライター ASUMIさんの歌を間にはさみながら、内容は深く、雰囲気は楽しいトークで盛り上がりました。

ミツバチとつながり
F:今日この会場のあたりにもいっぱいミツバチが飛んでます。ハチというと日本の人は怖いという感覚ですが、欧米は感謝の対象。「ご飯(作物)を作ってくれてありがとうね」。だから庭の花や、窓辺の花も、ミツバチのため。
Y:え〜、お花はミツバチのため!
F:はい、景観のためじゃないんです。いのちの循環があるということを小さい子も知っている。
Y:舟橋さん、ミツバチとのつながりは何年前から?
F:5年です。もともとは地球環境のシンクタンクで、地球温暖化対策とかに取り組んでいました。でもちっとも改善できない。そんなとき、ミツバチと出会ったんです。ミツバチを先生にしたら環境問題は解決するって思った。だけど今、ミツバチは危機的状況なんですよ。そしてそれは、今食べているもの、それがなくなるってことに繋がっているんですよ。
Y:ミツバチがいないと、食べ物がなくなる?
F:ミツバチの受粉でおおよそ人間の食べるものの7割ができている。ミツバチがジャングルや森に入って、受粉をするから、実がなる。それを動物が食べる、フンといっしょに種を落とす。そこから芽が出て、その根本が森のダムになり、たまった栄養豊富な水が川や海の生態系を維持している!ミツバチがいなくなると、この「いのちの循環」の仕組みが止まる・・・ぼくはこのことを一生懸命あちこちで話している。でも、なかなか74億人に伝わらない。で、誰ならたくさんの人に伝えられるかなと考えたときに、おー!くまのプーさんだと思った。ミツバチの受粉で食べ物ができているんだというメッセージを、プーさんが主人公のアニメーションで、世界中にいろんな言語で伝えてほしいと、実は昨年6月にウォルトディズニーの本社へ直談判しに行って来たんです。
N:プーさんも蜂蜜が食べれないと困るんですよね。
F:困るんです。
Y:ミツバチと食べ物が直結しているということを知らない人は多いと思います。
F:こんなに深刻だっていうこと、こんな楽しいマルシェもできなくなるってことを知らない人もいますよ。
Y:鴨川自然王国は千葉県の南の方にあり、そこに大山千枚田っていう棚田があります。昨年、すっごい雨の中で、稲刈りをしました。もともとは手作業で有機農業をやってきたんですよね。多くの人が関わることで、食糧の自給率がすごく高かった。機械化することによって、農薬も使うようになり、その分やっぱり生態系に異常をきたしてきた。田んぼにね、ウナギがいたんです。すごい豊かだなと思うんです。ところが、農薬を使い出したときから、ウナギが腹を見せて死んでたんですよ。地元のおばあちゃん、さみしそうでした。私たちはそういう豊かさを取り戻していかなきゃいけないよね。

みつばちの巣F:ミツバチが減っている原因の一つが、農薬にあることとは別に、ボディーブローのように徐々に生態を弱くしていくことにも注目したいです。環境主要生物であるミツバチが元気だと他の虫も動物も人間も元気なんです。実は、ミツバチは温暖な沖縄が育ててくれています。ところが、沖縄も農薬の使用によって、ミツバチの生育に影響がでてきました。さらに農薬が地下に染み込み海にいき、サンゴが死にはじめた。ミツバチの象徴というのはハニカム(ミツバチの巣)の六角形。沖縄の紅型にも六角形のデザインがあって、それはサンゴの象徴だとか。海の環境主要生物である珊瑚がダメになったら、海は死ぬでしょう。ともに環境主要生物。繋がっている感じがしますね。
Y:千葉の定置網の漁師さんたちは、海をキレイにするならまず山、川をキレイに整備するって。海と山とのつながりを昔の人たちは理解していたのでしょうね。

自然と人
Y:今は昔からの農業も、土からも離れてしまった。ナバさん、子どもたち、土に触れたときどんな感じになります?
N:
なんだろう、子どもだけじゃなくて大人もね、生き物にかえるっていうか。畑仕事とかに夢中になっちゃう。土のじわじわ感、大人が変わるんですね。
Y:田んぼに入ったとき、私、感激しましたね。あの、むにゅ〜っていう、なんていうの?泥に足を取られずぶずぶって、ゆびとゆびの間に泥が入る感覚…快感だったりするんです。なんていうか、こう、地球にガーって入っていく感じ。
F:土を触ったあとは、心地よい疲れってありますね。あれはたぶん、全部いろんなモノ(毒素)が出ていくんじゃないですかね。
Y:田舎に住んでいる私の周りの子どもたち、土に触れることがあんまりなく育って、目の前に田んぼがあるのに入ったことがないし、山があるのに山で遊んだことがない。遊び方も親が知らないしね。
N:そのとおりですね。岐阜は、8割くらいが森。このあたりは違いますが、子どもたちの周りにはたいてい森があるんだけど入れない。危ないから、とか、大人がどう遊んだらいいか知らないし。それで、森の幼稚園を立ち上げた。ここにはこんなに川があって森がある!なら、毎日外でしょう!って。特徴は小規模。10〜15人くらいの子どもたちを、お母さんたち3、4人がいっしょに大家族みたいな感じで面倒を見る。手作りの教育を森の幼稚園でずっとやってきました。
F:ぼくも去年から、「ハニービースモールスクール」というのを始めました。最近は自分たちでひみつ基地なんかを作り出したりして。そんなことをやっていると、戦争ってなぜ起きるの?どうしたらそれが起きないか、ちっちゃい子でもみんな語れるんですよ。ちゃんと待っていれば語るんです。今は大人がどうなの?って、せかしすぎて、違うでしょ、こうでしょって言うから、言わないだけでね。
N:その、待てるっていうのがいいですね。
Y:スローだからね。
F:自然の中だと待てるんです。
N:そう!!そこ!ふだんお母さん大変でしょ、朝早く早く!とか、せかすんですよ。でも、森の中に入るとお母さん方もおおらかになって、待てるんですね。そして少人数だから待てるとも言います。とっても大事なことですね。
F:やっぱり自然に戻っていくということをもう一度考えないといけないね。自然としっかり繋がることで、幸せを十分に感じることをしていきたいですね。

楽園
F:ASUMI さんの『楽園』という歌の中に「なにもないけど、すべてある。」そんなフレーズがありましたよね。自然っていうところに子どもたちを連れて行くと、なんにもないじゃんって言うんですよ。でも、結局すべてがそこにあるということに気づいていくんだよね。これ、とっても大事なことですよね。

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N:大事ですよね。森の中で子どもは次から次へと遊びを作っていけるんですよ。そういう能力が発揮できるなにかが森にはあるんじゃないかな。
Y:そうだよね、蜂に刺されるからやめなさいって言う、そういう大人にはならないよね。
F:どうしたら、刺されないのかっていうのもわかるんだよね。
Y:虫が嫌いな子どもって多いじゃない?私もあんまり好きじゃなかったんだけど、虫って危ないのとそうでないのとがいるでしょ。ちゃんと知識として身につければ、すごく可愛く思えてくるのね。
N:よく子どもたちとやるんだけど、毛虫をね、手のひらの上に這わせるんです。
Y:えっ、そうなの?かぶれない?
N:かぶれない。かぶれる毛がついているのは背中だけだから。
Y:背中を触らなきゃいいんだ!毛虫って、野菜喰われると思って、害虫!って感じでみてました。毛虫とは違うんだけどキャベツの葉っぱにモンシロチョウの幼虫がついて、葉っぱがレース状になってしまうんですよ。
F:ぼくの知り合いの畑では一番外の葉っぱだけレース状になって、虫が2枚目から絶対手を出さないって。

Y:私なりにちょっと分析したのね。虫って、自分の食べるものが絶滅したら自分のいのちがないじゃん。そのキャベツが、次の世代に繋がるために、残しているんじゃないかなって。でも、人間だけは、全部絶滅させちゃう。
F:食べ尽くし、使い尽くし・・・いくつかの文明がこの地上から現れては滅びているのは、全部、環境問題といわれているんだよね。ここで、お二人に悩み相談です。アインシュタインが、ミツバチがいなくなったら4年で人類が滅亡するって言ってます。そうならないために、私たちはどうすべきでしょう。
N:気づいたら動き始めるしかない。あと、人に言いまくる。伝えまくる。なんか一瞬でも誰かにハッとさせることをやれば、みんなフッと振り向くでしょ。
Y:そうですね、「楽しいことは正しいこと」と言った人がいて、楽しいっていうことにみんな欲求を持つでしょ。鴨川自然王国では、楽しくなければ人生じゃないっていう言葉を私の父が残しているんですけど、とにかく楽しさに邁進しようと思っています。
N:さっきの楽園、楽園ですよ。楽園を作っていけばいいんですよね。
F:いいね!まとまってきました。ボクもね、Yaeさんといっしょで、すべてを陽気にがモットー。だから、ミツバチがいなくなって、食べ物がなくなるのをなんとかしようと、深刻になると重たいから、プーさんに手紙を書こうよって。それがプーさんに届いて、プーさんが語ってくれて、ディズニーが本気になったら、みんなが知るようになって、つながっていくよ。とにかく陽気に。プーさんに手紙を書こう!!!

最後にメッセージをひと言づつ。
N:我々は猿だったんだよね。猿は森から来たんですよ。たまには森に行こうよ。これほど人が住んでいる平地に近い場所に森がある県というのは、岐阜県しかないんですよ。
Y:3人の子育てをしながら、やっぱりいっぱいいっぱいなのね。でもその中でも、自分を解き放ち、あー気持ちいいなぁ、みたいなそういう瞬間をね、もっと作っていこうかなって思います。
F:では最後にぼくから。みなさんお買いものに注意して下さい!お金というのは、投票権(券)です。すごいエネルギーを持っています。いいことをしてくれる企業やミュージシャン、幼稚園のおじさんに投票してあげて下さい。買い物で社会が変わる、一通のプーさんへの手紙で社会が変えられる。みなさんは無力だと思わないで下さい。一番力を持っている人です。なので、社会、世界をいい方向へ変えるのは、みなさん自身です。

(つながりフェスティバル2017年3月12日トークライブより 文責にらめっこ)


vol.177 トラスト活動って知ってる?

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日本のナショナル・トラスト
日本のナショナル・トラストがはじまったのは、高度経済成長期まっただなかの鎌倉でした。以来、全国にナショナル・トラストの輪が広がり、将来世代に引き継ぐべき日本の豊かな自然が、幾多の開発から守られています。

市民による初めての土地の取得
1960年代の高度経済成長期、各地でさまざまな開発計画がたてられ、多くの自然豊かな場所がその対象となりました。古都・鎌倉においても、鶴岡八幡宮の裏山である「御谷(おやつ)の森」が宅地開発の対象となりました。行政による解決が難しかったことや、一刻も早い対応が必要であったことから、御谷を守りたい鎌倉の市民が立ち上がり、英国で取り組まれていたナショナル・トラストを取り入れて募金活動をはじめました。1964年のことです。そして2年後、市 民からの寄付金900万円と、鎌倉市からの600万円を合わせた1,500万円で1.5haの土地を買い取り、御谷の森を守ることに成功しました。

全国に広がるナショナル・トラスト
現在では、全国50以上の地域で、それぞれの風土に根ざしたナショナル・トラストを展開しています。活動分野も、土地や建物の取得をはじめ、普及啓発や環境教育、まちづくりなど、多岐にわたっています。

トラスト活動の必要性
守られている本来の自然は国土のわずか5%。日本は国土の70%は森林で、一見、自然が多く残っているように感じられますが、その40%はスギやヒノキが植林された人工林です。植林地を含まない自然の森や草原など、本来の自然は、国土の20%しかありません。そして、そのわずかに残された本来の自然も、法律等で保護区に指定され、確実に守られているのは国土のわずか5%※です。
※環境省第2~5回自然環境保全基礎調査植生調査及び国土交通省 数値情報自然保全地域データ等より

行政の取り組みを補う民間の活動
豊かな自然や美しい風景を守るため、行政によって公有地化や国立公園などの保護区の指定が進められています。しかし、重要な自然でありながら、保護区に指定されていない場所や、国立公園など保護区でありながらも私有地も多く含まれ、いつ失われてしまうかわかりません。このような、行政だけでは守りきれないところを、民間によるナショナル・トラスト活動で自然地の保全と再生を進めていくことが必要です。

山や森が荒れる原因のひとつ?
山の地主のひとりごと…として聞いてください。
先祖代々から守ってきた山林があるのですが、自分が生まれた年に、オヤジがヒノキを植樹してくれた。下草刈り、間伐、枝打ちなどできる範囲内で山を守ってきた。次世代にどう残そうかと考えたとき、60数年育ってきたひのきを伐採し、あえて植樹せずそのままにしておけば雑木が育ち自然林になると考えていた。しかし、見積もりを見てびっくり。木材市での買い取り価格から、手数料、伐採人件費などを差し引くと、手元に残るのはわずか約1割の50万ほど。60年かけて見守ってきた山林の価格がそれだけ…。でも、これが現実?!外国の業者がやってきて、水源だ、伐採権だとポンと大金を積まれたら、そりゃ心が動くわ。山に愛着が持てず、ほったらかしにしている地主の気持ちもわかるなぁ。(関市在住 K・M)

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平成29 年3月13日、公益財団法人 奥山トラストは、岐阜県白川村で自然林43haを購入。今回取得したのは、庄川源流域の標高約1200m付近にある、ブナ林やシラカバ林からなる100%の天然林です。取得したトラスト地の周囲も原生的な天然林となっており、一帯が岐阜県「水源地域保全条例」の指定地域となっています。

ツキノワグマ爪あと

ツキノワグマ爪あと

周辺では、カモシカやツキノワグマ等の生物の痕跡が確認されており、水源の森としても、多種多様な生物の生息地としても保全の意義のある場所。森林全体が還移過程にある天然林であるため、今後は手をいれることなく、自然状態のまま永久に保全をしていきます。また、岐阜県在住の当財団支援者の方々とともに、トラスト地内部の動物や植生調査等を進め、地域の貴重な財産として水源の森をトラストする意義を広めていきたいと考えています。かつては日本のどこにでもあった奥山の豊かな原生的な森ですが、開発やスギ・ヒノキの人工林化により、その多くが失われています。文明の基盤である奥山水源域の豊かな森を保全・復元していくことは、21世紀の重要な課題であり、当財団にもさらなるナショナル・トラストを進めてほしいという声が多く届いています。今後も、次世代のため、全ての生きもののため、水源の森を守るナショナル・トラスト運動を全国で進めていきます。
公益財団法人 奥山保全トラスト 理事長 室谷悠子

公益財団法人 奥山保全トラストについて
奥山保全トラストは、今、わずかに残る「奥山」の豊かな森を、市民から集めた寄附金で買い取るナショナル・トラスト運動によって保全しようと設立された自然保護団体です。
かつて日本の奥地には、多種多様な生物にあふれる鬱蒼とした巨木の森が広がっていました。そして、この森から湧き出る滋養豊かな水は、あらゆる生き物の生命を育み、農業、林業、漁業、工業、全ての産業と都市の水源を支えてきました。私たちの祖先が「奥山」として大切に守ってきたその森は、戦後数十年の間に、道路や観光開発、スギ・ヒノキの拡大造林などのためにその多くが破壊されました。近年、世界的な水不足を背景に、海外の資本が残された日本の水源地を取得するという憂うべき事態も発生しています。
《奥山保全トラストの事業》bear
①原生的な森林の購入や保全 ②や性動植物の生態調査や研究 ③環境教育・環境保全に携わる人材の育成


vol.177 放射能から体を守る食べ物って?

p-7title3.11の震災で福島第1原発が事故を起こし、放射能汚染が問題となってからはや6年、なんと!福島よりもっと近い岐阜県土岐市で2017年3月7日から核の実験が開始された。(※)
実験については難しいことも多く、まだまだ勉強が必要と実感してる子育てコミュニティーtocotocoさんが「いますぐできること、放射能から体を守る食べ物」に焦点をあてた学び合い会を開催。子育て中のママとママになる準備中の人、9人が参加しました。

玄米とわかめの味噌汁
Aさん:長崎へ原爆が投下 された当時、自らも被爆しながら、医師として負傷した被爆者の治療にあたった秋月辰一郎医師の著書に、「その時私といっしょに、患者の救助、付近の人びとの治療に当たった従業員に、いわゆる原爆症が出なかった原因の一つは、「わかめの味噌汁」であったと、私は確信している。」とあるよ。「わかめの味噌汁と玄米食」で自分の結核を克服し、スタッフ全員にも勧めていたそうだよ。hakkou
Bさん:やっぱり発酵食品はいいんだね!
Aさん:味噌の中でも、この地方の豆味噌は、放射能から身を守るのに効果的なんだって。
Cさん:味噌汁と玄米ね。わが家でも玄米食を食べていた時期があったけど、子どもが消化不良になったり、自分も体調を崩したりしたの。誰にでも合うわけではないのかな。
Eさん:たしかに玄米は消化しにくいよね。玄米を吸収するためには亜鉛をたくさん必要とするそうだよ。亜鉛のようなミネラルは活性酸素を抑えてくれるのに必要なので、現代は亜鉛不足の人が多いのかも。
Dさん:活性酸素って何?
Eさん:簡単にいうと、体を錆びさせる、老けさせるもの。細胞が劣化するので活性酸素は少ない方がいいよ。
Fさん:放射能の大きな害として、活性酸素を発生させるということがある。がんやいろんな病気を引き起こすよね。
Eさん:活性酸素を除去するポイントとして、スカベンジャー(抗酸化作用)の働きをする栄養素を摂ること。ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB群、ポリフェノール、カロチノイドなど。
Gさん:ファイトケミカル(植物中に存在する天然の化学物質)も抗酸化物質がいっぱい!元気な野菜の皮をむかずに食べれば、簡単に取り入れられるよ!お米を炊く時に、野菜の皮を上に乗せて炊くだけでもいいし。菌がいっぱいの元気な土で作られた野菜には、より多くのファイトケミカルがあるからできればそういう野菜を食べたいね。
Aさん:活性酸素はストレスでも大量に発生するそうだから、笑って暮らすのが一番!笑うと免疫力も上がるしね!

微生物の力ってすごい!
Fさん:アルコール飲料に放射線を防護する効果があると放射線医学総合研究所が発表しているよ。ビールの場合、麦芽の甘味成分などに放射線によってできる染色体異常を最大で34%減少させる効果があるんだって。
Dさん:お酒好き、発酵食品好きには嬉しい研究結果だね!
Eさん:『ビール』として販売されているものには、原材料や添加物の成分が違う様々な種類があるから、よく調べて判断しないと、良かれと思って飲んでいて逆効果ということになりかねない!
Eさん:東日本大震災後、福島でEM(有用微生物群)を使って栽培した作物のセシウムの吸収は抑制されたり、EM散布した数十メートル周りの土地まで放射線量が低下したりしていると発表されているよ。
Iさん:微生物の力ってすごいなぁ。これからも勉強しながら良いと思ったものはできることからどんどん実践していきたいね。

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海藻類や大豆をバランスよく!kodomo
からだに十分なカリウムがあれば、万が一セシウムがからだの中に入ってきたとしても、余分なものとしてからだの外へ排出されます。同様にヨウ素も、普段から海藻類をたべて甲状腺にしっかり溜め
込んでおけば、ヨウ素131は身体から排出されます。ただ、ストロンチウムの場合、歯や骨に一旦、取り込んでしまうと排出は難しいので、カルシウムは十分に取り込んでおく必要があります。

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※岐阜県土岐市の「核融合科学研究所」で核融合発電を効率よく行うため、重水素ガスを用いてプラズマをつくる実験が始まりました。
2017年3月7日~7月7日、火曜~金曜(月曜も行なう場合あり)の9:00~18:45の間、15分間隔で行なわれます。この実験により中性子線とトリチウム(放射性物質)が発生します。研究所はまったく問題のない微量といいますが、安全性や実験そのものに疑問を投げかける専門家や一般市民が反対の声をあげています。
※放射能とは、放射性物質が放射線を出す能力。放射性物質は放射線を放出しながら、時間の経過とともに放射線を放出しない安定した物質になっていきます。

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前号の特集「どうする、どうする?予防接種」にこんなお便りをいただきました。
息子が3才のときに、インフルエンザ予防接種後、アナフィラキシーショック症状を起こし、すぐに救急車で大きい病院に搬送されました。接種後数時間で症状は治まりましたが、安易に予防接種をしたことを後悔して、以降日本脳炎、はしかを見合わせています。親の考え方によりそれぞれですが、全ての予防接種に対してよく考えるべきだと感じました。(美濃加茂市 Mさん)


vol.177 新連載・かなでの沖縄だより

p-9title こんにちは、奏です。
私はこの3月高校を卒業し、4月から声楽を勉強するために沖縄の大学に進学します。大学では歌をやるために必要なイタリア語やドイツ語を勉強したり…今まで少ししか触れてこなかった勉強も始まります。もちろん高校生ではなくなるので「中高生、平和を考える」も卒業です。しかし3年半せっかく続けてきたコーナーまで卒業するのは心残りなので、「かなでの沖縄だより」と題を変え、連載は続けさせてもらうことになりました。沖縄で岐阜出身の私が見て、聞いて、感じたこと、考えたことを報告させてもらいたいと思っています。
私はミュージカルに興味があり、高校は音楽科を選びました。大学でもミュージカルの勉強を続けたいと思い、私が指導を受けたいと思えるような先生を探したところ沖縄の大学にいらっしゃることがわかりました。ミュージカル科ではなく声楽科ですが、「まずは歌から頑張ろう」と決めて、沖縄の大学を受けることに決めました。
中学校の時から平和についていろいろと勉強してきて沖縄に興味もあるし、迷わず第一希望にしました。
8月には一人でオープンキャンパスに参加しました。この時、沖縄がすっかり好きになってしまいました。もちろん推薦入試から受けたのですが、だめでした。でも、「ここで勉強したい!」という思いが強かったので、あきらめず、冬休みにセンター試験対策の特訓をしてもらって、一般入試を受けました。
結果は合格、あきらめずに良かったです。

ここで4年間しっかり勉強して、あこがれの舞台に立ちたいと思っています。とっても楽しみです。そして、沖縄の生活も満喫したいと思っています。この1年で、オープンキャンパス、推薦入試、一般入試と3回も沖縄に行って、沖縄の空気にすっかり慣れてしまいました。また人の温かさ、大学では他にはないすごく少人数で勉強ができるという魅力に、沖縄のことがどんどん好きになってきました。
ただ、不安もあります。生まれてから高校を卒業したここまで、ずっと鵜沼で暮らしてきました。それが一気に沖縄ということで、ずいぶん遠くなります。去年の悲しい事件のことも心の片隅に引っかかっています。しかし、それ以上に岐阜とは違った気候、食べ物、習慣などなど、そこに住んでみて初めてわかるようなことがあるのではないかと思うと楽しみです。
もちろん、基地の島沖縄ということで、平和についても考えてみたいと思っています。航空自衛隊の基地がある街に育った私にとって、普天間や嘉手納がどんなものなのかを考えてみたいと思っています。6月23日にはさっそく「慰霊の日」がやって来ます。沖縄戦についても、現地でしっかりと考えてみたいと思っています。
やりたかった勉強が、いちばん関心のある場所でできることに感謝して、生活も、連載もぼちぼち始めます。よろしくお願いします。

嘉数高地から見た普天間基地

嘉数高地から見た普天間基地


vol.177 熱中世代発 リバース第7号

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2017-04-03 ツバメシジミ (24)2017-04-03 ツバメシジミ (17)

ツバメシジミ(Everes argiades)

4月3日、その日はとても暖かく、畑へ菜の花を摘みに出かけました。そこで、数頭の青い蝶が飛ぶのを見たのです。黄色い菜の花、青いオオイヌノフグリ、白いナズナやハコベ、カラスノエンドウの花園をツバメシジミは飛び回っていたのです。まだ、発生の初期らしく、青い色のオスのチョウばかりでした。チョウは、オスが羽化しその後、数日遅れてメスが羽化するのです。
最近では農薬が畑や田だけでなく、畔や農道、河川の堤防にまで使用されることが多くなりました。農業従事者の老齢化や人手不足を補うため、農協や行政の指導によるものです。また、一昨年来のデングス病の発生による蚊等の防除のための農薬散布も行われるようになりました。このまま、自然環境を考えない農薬使用が続けられるなら、ツバメシジミの様な身近なチョウたちも姿を消してしまう事に成るのでしょう。今、自然環境の保全について考え話し合う『場』が必要なのです。

2017-04-03 ツバメシジミ (46)

チョウ目(鱗翅目) シジミチョウ科ツバメシジミ属 ヒメシジミ族に属します。名前の由来は、後翅に燕の様な尾状の突起をもつことによる。小型のシジミチョウで、日本では北海道、本州、四国、九州や付属する島々に生息。濃尾平野では3月下旬から10月までこの蝶を見ることができる。国外ではユーラシア大陸の北部からアメリカ大陸まで分布。幼虫で越冬し、成虫は年4回~5回発生する。食草は、在来の植物であるカラスノエンドウやクララなどや、帰化植物であるレンゲやウマゴヤシ、シロツメグサや栽培植物であるササゲ、インゲンマメ、ダイズなどマメ科植物で15種類以上に及ぶ。幼虫は、これらの花や新芽、葉も食べ、卵は蕾の間に産みつける。幼虫は甘い分泌物で蟻を誘い、蟻に守ってもらう性質があり、ツバメシジミの幼虫には各種のアリが集まる。

 

写真・三輪芳明(みわよしあき)プロフィール 1952年  関市生まれ。仲間と岐阜県では絶滅したと考えられていたコイ科の魚類ウシモツゴを発見、人工的な大量繁殖させ野生復帰に成功する。岐阜・美濃生態系研究会 二ホンミツバチ協会 日本チョウ類保全協会。

 

 

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「ちいさなチェンバロ」を積んで全国を旅するHARUさん。古楽器に魅せられ、江戸時代の日本の楽器から、ルネサンス、バロック時代のヨーロッパの楽器と、東洋・西洋両方の楽器を演奏する。
もともとはクラシックギターを弾いていたが、弦をはじくならとチェンバロを選んだ。
「ちょっと編曲してありますが、ギターのご先祖様のリュートという楽器にバッハが独奏曲を書いているんです。それをギターで弾く。チェロのためのソナタなんかもギターで弾く。ただ難しいんですね。オリジナルの楽器じゃないし。ギターでの限界も感じて、いつかバッハが作曲するときに弾いていた楽器で弾けるようになりたいと、大学に入る前から思っていたんです。ですから、入試のためだけにピアノを習い、入ったら直ぐにチェンバロに変えました。」
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チェンバロを弾き始めた頃は、その美しい音色の研究に没頭。ノルウェーに留学していたときには、たくさんの楽器に触った。楽器博物館を巡り、いろんな製作家の、あるいは古いもの新しいものさまざな楽器を弾いて美しい音の追求をして日本に戻った。しかし日本には自分のイメージした楽器がなかった。なら、自分で作ろうという思いに至る。
実際につくるのは難しく大変だった。木の質で音はどう変わるのか、いろいろ研究を重ねるうちにオリジナルの作り方が見えてきた。「たとえば、千八百年代の頭に書かれた文献に、[チェンバロの爪にはカラスの羽根が最も美しい音を出す]とある。ところが、カラスといっても種類が多いので、何ガラスかわからない。ですが、日本のカラスはでかいので、これはいけるんじゃないかと思って拾ったカラスの羽根を使ってみたら、案の定自分の想像を絶するすごくいい音がしたんです!」

材料は地元の製材所で十年以上天然乾燥させた、ほとんど値段もつかないような木を買ってくる。それを木工業者に持っていき削ってもらう。今では自分で削るので、弦以外ほぼ手づくりだ。
「チェンバロの細長い独特のフォルムは、ムダなところを削った結果です。あのフォルムには、数学的な美しさが出ています。楽器作りは、かなり数学の知識が必要で、何ヘルツの音を出すときの材質が、おなじ弦で作っている時、何センチの弦の長さにすると音がどういう比率で高くなっていくか、ということを全部計算しないと作れないんですよ。」
「弦の長さは大変シビアな問題です。弦の張りが弱いと音が出ないし、強すぎると弦が切れてしまう。だから、楽器作りでいちばん難しいのは、弦を張るところかな。切れる寸前まで張っていくと、美しい音に突然変わるところがあるんですよ。」
音楽という学問は、昔は数学と肩を並べるような学問だった。ピタゴラスは実際、ドレミファソラシドを作る名人だったし、ピタゴラス音階というのが今でも使われているという。

「自分で作るということは、時間にとらわれることがない。たとえば、接着剤に米のりを使うという実験もできます。米のりは、つけたら次の日にならないと加工できない。なかなか固まらないから、逆に失敗しても剥がしてやり直せるという利点があります。そういう風にこだわって作った楽器が今使っている楽器です。」
製作期間は、工作方法をずーっとイメージして、どんな道具が必要で、どういう過程でつくるか、どういう順番で接着していけば間違いがないか、などの構想に1年、作り出して1年、完成までに2年はかかっていた。が、今では半年で作り上げる。

全国津々浦々を旅して演奏活動を続けているHARU さんは現場に着くと、まずチェンバロを組み立てる。
「ぼくは楽器を自由に触ってもらいます。その理由は、自分で作った楽器なので壊れても直せるから。それから、自分で楽器を作れるっていう喜びを伝えたい。子どもたちに触ってもらうことで記憶に残り、いつか作れるよって、暗示をかけておくっていうか、そうするといつか作るかもしれないじゃないですか!(笑い)そういう種をまくんですよ。それも楽しいことですよね。」

山に木があっても建築材料として値段がつかないような材木などもあり、苦しいと思っているいうHARUさんは、そんな材木を原料に、もっと付加価値のある楽器を作りたい、と話す。「ストラディバリウスが世界に出て行ったように、日本からそういう名器を作ればいい。いい山を見つけていい木に巡り会えれば、いい楽器ができる。そんな楽器作りがぼくの夢です。」

HARUさんプロフィール(わたなべとしはる)
チェンバロ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、胡弓奏者、オカリナ作家。東京芸術大学音楽学部楽理科およびノルウェー国立音楽大学卒業。
1999年より古楽アンサンブル「コキリコ社」結成。2000年より群馬大学音楽専攻科講師、2007年より都留音楽祭アシスタント講師、2011年より加子母「木の香る音楽祭」主宰。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA『古楽器奏者、渡辺敏晴の日記』ブログ更新中
アトリエ 玉手箱
〒508-0421 岐阜県中津川市加子母3921番地5
TEL/FAX  0573-79-3681
http://tebako.jp

 

ƒvƒŠƒ“ƒg伝統からモダンまで

IMG_0635南部鉄器は、17世紀中頃、南部藩主(現在の岩手県盛岡市)が京都から盛岡に釜師を招き、茶の湯釜をつくらせたのが始まりといわれます。以来、良質な原材料に恵まれたことや、藩が保護育成に努め各地より多くの鋳物師、釜師を召抱えたことで発展を続け、その製造品も茶釜から日用品にいたるまで広い用途に応じていました。有名な南部鉄瓶は、18世紀になって茶釜を小ぶりにして改良したのが始まりで、一般の人にも手軽に用られるようになりました。

IMG_0634水道水の塩素除去には鉄瓶がいちばん!
水道水の塩素濃度が1ppmの水を用意し、アルミを表面加工したアルマイト製、ステンレス製、鉄製、ホーロー製、ガラス製の5種類のやかんを使って実験。どのやかんも沸騰するまでのあいだに塩素濃度が半分くらいに落ちたものの、その後は素材による差が生じ、塩素の減り方は、鉄製、アルマイト製、ステンレス製、ホーロー製、ガラス製の順で早かったとのこと。特に鉄製は効果が絶大で、「沸騰にともなって鉄瓶の鉄がごく微量とけだし、イオン状態の鉄と残留塩素が反応するため」と、浜松市の「県お茶と水研究会」が分析しています。


vol.177 メディアよもやま… 連載 6

メディア題字

“偽ニュース”の正体って何だろう?

 ネットショッピングなどで急成長し、横浜ベイスターズも経営する大手IT企業DeNAの医療情報サイト「ウェルク」に載った、「肩こりの原因は霊かも」など多くのいかがわしい記事や、他人の文章を無断引用した(著作権を侵した)記事が次々と問題化し、去年末DeNAすべての「まとめサイト(キュレーションサイト)」が閉鎖に追い込まれました。この事件だけでなく、多くのまとめサイトなどで同様の「偽ニュース(フェイクニュース)」が問題化しているのですが、たまたまアメリカ大統領になったトランプ氏が、自分に批判的なメディアを名指しして「偽ニュース!偽メディア!」と叫んで、この言葉が注目を浴びるようになりました。「ライオンが逃げた」「移民やイスラム教徒がテロの原因」といった興味本位で根拠のない情報が、今、ネット世界を中心に大暴れしています。

20 Creative Negative Space Design Inspiration 鳥のシルエット×卵

20 Creative Negative Space Design Inspiration 鳥のシルエット×卵

ちょっと考えればアヤシイと思われる情報が、なぜ最近フェイスブックやツイッター、ユーチューブなどソーシャルメディア(SNS)から大量に出回り、簡単に拡散してしまうのでしょうか? まず第一の背景には、アメリカ大統領選挙でも注目されたように、極端に単純化した乱暴な言葉で大衆を煽る・挑発するという、ポピュリズムと言われる政治家たちのパフォーマンスがあります。今回の大統領選挙では、トランプ陣営はこの方法で終始マスコミをひきつけ、クリントン陣営が投じた広告費(約2億ドル)の20倍以上、46億ドルの広告効果を上げたと推定されています。第二には、欲求不満の人たちが、面白半分、興味本位で世間を騒がせるというのも昔からよくあります。さらにSNSで誰でも簡単に発信できるようになったことが、これに拍車をかけています。第三に何よりも悪質なのは、情報配信サイトを運営するIT企業が、投稿者に報酬を払って、「偽であろうとなかろうと、刺激的な大量の情報を発信する」無責任な商売です。刺激的な記事へのクリックが多ければ、そのサイトの広告が知られるようになり、その広告費がIT企業や投稿者に還元される仕組みです。偽ニュースが、ビジネスとして世界中で成立、営業しているわけです。
スマホ向けに良質なニュースを配信しようとしている日本の「スマートニュース」の関係者らが、ネット配信しているマスメディアにも呼びかけて、ネットニュースの倫理的な基準を作ろうという動きも出てきています。ルールのない競争、無秩序なデジタル社会で繁殖してきた“鬼子”のような偽ニュースから身を守るのは、今後の学校教育もふくめた大きなテーマですよね。

つだまさお 「てにておラジオ」代表
1943 年金沢市生まれ。1966年からNHKで、主として報道番組の制作に従事。1995年から東邦学園短大、立命館大学などで市民社会のメディアのあり方を教えたり、全国の市民メディアを繋ぐ仕事に携わる。2016年から、「みんなの森・ぎふメディアコスモス」で発信する市民による放送局「てにておラジオ」を運営。


vol.177 ホスピスケア♥訪問看護日記-vol.2

kango

雪のふる寒い日
クリスマス前に訪問したことのある患者さんの死亡確認の訪問。90歳近いウルグアイ人のおばあちゃん。とても安らかな死に顔だった。娘さんはまだまだ感情があがったりさがったり大変そうだったけど、自分は家で看取るためにすべてをやり遂げたと言った。そして泣きながら、「とてもいいお母さんだったの。。。本当にいいお母さんだったの」と繰り返した。遺灰は生まれ故郷のウルグアイまで持っていくわと言っていた。ついつられて涙目になっていたのに、連絡を入れた葬儀屋さんに、「あんたんとこ死亡診断書(オンラインで出される)出んのすんごい遅くて嫌なんだよね~」と文句を言われ、ムッとする。そのくせ「今日は雪だからご遺体のピックアップは遅くなるから」と言ってくる。やれやれと思っていると、娘さんが亡くなったお母さんの口を閉じようと四苦八苦していた。「お母さんはほんとうにきっちりしてた人だから、最期まできれいな顔でいたいはず。」娘さんはあごをスカーフでしばりたかったのにちょうどいいスカーフがなくて、なぜかタンスから出したのがドクロがいっぱいついたやつで。。。 娘さんは気づいていないのか、スカーフの柄は気にしていないようで、これでいいと患者さんのあごをきれいにしばって口を閉じてあげた。
それをみていた娘ムコが「お義母さん。。。。やっぱりこれはチョットぉぉ。。。。」と、とても気まずそうに言い出し、お義母さんと険悪なムードに。2人ともひかないので、私はあわてて車においてきたカバンの中の包帯を取りに走った。
そんなやりとりも患者さんは天井からクスクス笑って見てるのかもしれないと思ったら、なんだかすべてが愛おしく思えたのでした。

意思表示
40代の女性の家族が訪問をリクエスト。10代の子供と旦那さん。到着したころにはもう午前12時をまわっていた。15-16歳にみえる娘さんが、おとうさんと2人で、お母さんの容態が安定しないために不安そうに、必死に看病していた。それでも私への受け答えには笑顔を絶やさず、お父さんにもいろいろと手厳しく指示をとばし気丈な娘さんだった。患者さんには高熱がでていた。意識はしっかりしていて、意志疎通もでき、そんなにひどい痛みや苦しみはないようだったが、とにかくどんどん弱っていくようだった。がんの進行で口から顎にかけて大きく穴が開き、口の中には膿のようなものも見え、感染症を繰り返した末の在宅ホスピスだった。流動食や水分はストローを使って飲み込めるようだったが、本人にとっても家族にとっても、とても辛い容態だった。今日の高熱が、ターミナルフィーバーなのか、がんからなのか、または感染症による発熱なのか判断できない。家族は、容態の安定に望みをかけ抗生物質の投与を希望する。ご主人は、まだあきらめたくない、まだ早すぎると、救急車を呼ぼうとする。抗生物質の投与で一旦は症状が収まるかもしれないけど、また同じ状態を繰り返すのは目に見えていて、がんセンターの医師もその上でホスピスを提案したに違いなかった。がんの種類や場所、それによるダメージがあまりにも大きすぎた。ご本人からは、とりあえず朝まで待ちたいという意思表示があった。その夜は解熱剤の座薬投与と、お体をきれいにふいて家を後にした。
翌日、気になってレポートを読んだ。次の日の午後5時ごろ、熱は下がったものの、家族からの点滴による抗生物質投与の希望と、子供さんに気遣ってか、家で死んでほしくないというご主人の希望により、結局長く入院していたがん専門の病棟に戻ることになった。この時点で患者さんの意識があったのか、意志疎通ができていたのかわからない。でも、この患者さん、病院にもどるため医療用の搬送サービスが来て、お家でストレッシャーに移った瞬間に息を引き取ったそう。患者さんは、きっとお家で最期を迎えたかったのでしょう。。。死もまた意思表示なのだと思った瞬間でした。
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yjimageわかばま〜く:プロフィール 1982年生まれ。ニューヨーク州立大学卒業後、 ニューヨーク市立病院に看護師として4年勤務。現在は訪問看護師としてホスピスケアに携わっている。岐阜県各務原市出身。


vol.177 忍耐・ガマンの上手な伝え方

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忍耐力ある?ない?
わが子の場合

・ 「自分が第一で譲れない」
10歳の長女は、自分の希望にそぐわないと不満を吐いて怒って、あげくしくしく泣き出す。弟や妹にも譲れない・・・(娘10歳・6歳、息子2歳)
・ 「大好きだから続けている」
大学一年の長女は小一から、次女は年長から現在まで剣道を続けています。娘たちに忍耐力が身についているとしたら、親が「忍耐力・がまん」は「苦しい・嫌悪」ではないと思わせることだと思います。(娘19歳・18歳)
・ 「しんどいと忍耐が薄くなる」
親も余裕があるときは、忍耐強く子どもの話を聞けるときもあり、気持ちを察しようとすることもできますが、しんどいとき、貧乏だったり、体調が悪いとき、疲れているとき、悩んでいるとなどはそれができない。(娘14歳)


ガマンを通して人生の歩みを見直してみると

池内 了(宇宙物理学者)

外的な抑圧と内的な抑圧
堅苦しくいえば、心はあるモノを欲したり、あることをしたいと願ったりしているのだが、そこになんらかの抑圧が働いて心の自由度が抑圧された状態をガマンと呼んでいる。
強制されたガマンは反発や不満が常にともない、自らの判断や自制心からのガマンは、やり通せば自己満足を味わうが、途中でくじけると自己嫌悪に陥ることになる。
外的にしろ、内的にしろ、いずれにしろ抑圧にはそれなりの合理性があるので従わざるをえないと心では認めながらも、精神の自由度を奪うと感じる程度には素直に従えないとの気分もあり、いわば心の葛藤状態にある。抑圧を振り切って心を解放しようとするギリギリのところまで追い詰められると、「一か八か」あるいは「ケセラセラ」の心境になって思い切ってガマンと手を切ることになる。それは、はじめにあった心の抑制からの解放を意味するが、あらたなガマンの種を背負い込むことも多い。
このように次々とガマンをくり返していくのが人生であるかもしれない。

みずから課すのができるのは10歳くらいから
赤ん坊時代の人間は心の抑制とは一切無縁だから、ガマンとも無縁であることは明らかで、人生において自分が世界の中心であると主張できる唯一の時を生きる。やがて自分は世界の中心にはいないとわかるようになってガマンの心が少しずつ芽生えてくる。親から「静かにしなさい!」とか「早く寝なさい!」と命令され、自分のペースですべてが進むとはかぎらないと悟って、ガマンしなければならない状況があることを学ぶからだ。ただ、この年齢のころは抑圧に素直に従っておくほうが楽で、わざわざガマンしてがんばろうとはしない。体も心もガマンについていかないからだ。
成長するにつれて親の一方的な命令に対して反発したり、ガマンすれば我意を通せることを覚え、6歳くらいになるとガマンした方が損か得かを天秤にかけるようになる。
10歳くらいになると、自分でなすべきことの目標を決めたり、道徳心から自分の生き方を反省して、みずからを制御してガマンするということを課すことができるようになる。

集団として生きるためには
青年期にはガマンの源泉に外部からの抑圧と自己が課す自制があることを強く意識するようになり、抑圧があることを予想すると前もって自制してそなえるという高等策を打つようになる。さらに抑圧は自分の心の持ちようでもあると気づき、ガマンするのではなく無関心を装ったり、抑圧とガマンの関係から降りたり、ガマンせずにもっぱら欲望と取引するようになっていくのだ。しかし、それは若さが持つ特権で、人は遅かれ早かれ集団として生き、それとの調和のためにガマンしなければならないことが多々あると知っていく。
さらに、中年から老年期のガマンについて。最後に「認知症は人生の最終章におけるガマンからの解放かもしれない」と書く予定だったが紙数が尽きてしまった。
ガマンということばを通して人生の歩みを見直すのも悪くないな。と書きつつ思ったことであった。

いけうち・さとる 総合研究大学院大学名誉教授、名古屋大学名誉教授。専門は宇宙論、科学・技術・社会論、新しい博物学。宇宙や科学をテーマにしたものを中心に著書多数。最新刊は『ねぇ君、不思議だと思いませんか?』(而立書房)

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対談
岡崎 勝(小学校教員・おは編集人)×五味太郎(絵本作家)

「ガマンさせたい」親の気分
「どうしてがまんするの?」という子どもの疑問。
社会が混沌とするいま、学校に求められること、大人ができることとは?

自由なんてどこにもない
五味:オレは10年くらい前にアフリカに行ったんだけど、そこでわかったのは、人は環境の中に生きているってことだよね。社会というより環境。アフリカのような大自然が自由だっていうのは大まちがいで、ぶらぶら歩いていればライオンにはやられるしサイやゾウが寄ってくる。その環境をどう生きぬくかってことしかないんだな、ということ。アフリカで暮らすと、ゾウが横切るのを待つ、飲める水がなかったら、五時間かけてでも汲みに行く。それは生きるためのことだから、人間は耐えられる。つまり、それ以外のものが、がまんできないっていうのは、生命に関係ないからなんだよ。
岡崎:すごくシンプルだけど、生活というものがしっかり見えるような景色が、子どもたちにはほんとうに足りていない。「がまん」といっても、子どもたちはただランニングマシーンで景色の変わらないところをずっとがまんして走らされているような、そういうしんどさをすごく感じているんだと思います。

身体を壊さない環境をつくる
岡崎:子どもが「ゲーム買ってくれ」「スマホ買ってくれ」っていったら、親はがまんしなさいっていうし、ぼくのところにも「どうやったらがまんさせられるでしょう」ってよく相談がある。「買えるんなら買うしかないんじゃない?」っていっちゃいます。「ダメなら、嫌われる覚悟で子どもと対立するしかないよ」って。
五味:いまの大人たちも置いてきぼりになっちゃったのが、やっぱり経済の世界だと思う。ゲームもスマホも子どもたちがどうしても欲しくなっちゃうようなもので商売してる。一過性に楽しいものをどんどん編み出していく。
この世界を生きぬくにはこんな手があるよっていうのを、子どもたちにどのくらい提示できるかだよね。子どもが「なんで、これをがまんするの?」って聞いたら、その情報公開ができるかできないかなんだよ。「こうだから・・・・がまんしなよ。中学でなきゃ、免許証もパスポートもとるのがたいへんになるから」って。

よけいなお世話が多すぎる
岡崎:ぼくは今フリースクールで不登校の子たちとかかわっているけど、そういう子たちはほんとうにいろんなことが学校でいやになっちゃってます。なにをやろうとしても「どうせつまんないから」っていうんです。それは、もったいないなって。
五味:そういう子たちはやっぱり社会に対して自閉しちゃってる。何かはじめるとよけいなこといわれて、めんどうくさいんだよね。大人は、子どもが絵を描いているとき「何描いているの?」って聞くけど、塗る楽しさを感じているときにそう聞かれたら、めんどうくさいんだよ。
岡崎:子どもたちのなかにはしょうがないから友だちやっている子もいますよね。「友だち」の数を競うようにSNSをやったり、何人が「いいね!」してくれたとか・・・産業資本主義のなかで数が多いほどいいっていう神話が子どもたちにも身についちゃってる。

子どもは大人に気をつかってる
五味:今の子はとくに、気をつかってるね。肉体的に、社会的に、自分たちが弱いってことをわかっているんだよ。切ない子ども心よね。だから優しいんだよ。親のいうことや先生のいうことに一生懸命応えてあげようとしてるの。
岡崎:それで疲れちゃうんですよね。
五味:力があればいいけど、そうじゃない子は本当に疲れちゃう。やっぱり大人がバカなのが、いちばんつらいよね。だから、子どもたちは今自信がないだろうけど、ある年齢になって体が動くようになったら働けるというのを、大人は保障しないといけないよね。


vol.177 エコビレッジfromオーストラリア

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動物を観察する
私たちの住むエコビレッジ、パラダイスワンには野生動物もいっしょに住んでいます。ウォータードラゴン、数種類の蛇、ワラビー、バンディクートという小さなワラビー、フクロウ、鷹、カワセミ、たーくさんの鳥たち、昆虫。毒を持っているのもいれば、もっていないのも。

先住民族であるアボリジニ人達と深くかかわっている友人から、自分たちの土地の精霊たち、気がいいかどうかは動物たちを観察しなさいと教わりました。動物たちが元気で幸せそうであれば、いい状態だというサインだそうです。

色々と暗い過去をもつ地域もあるなかで、いい気を保つために私たちのできることは土地のケアをすること。
人間たちのエゴからの計画は、たまに過ちを引き起こします。
自分たちによかれと思ってしたことが、動物たちに対してどうか、土地の環境に対してどうか、それぞれ判断が必要になります。

1か月前、どうみても体調の悪そうな蛇を、畑で見つけました。変な形で脱皮をして、あまり動かない状態。それと同じ時期に、私の腹部の調子も悪く、とっても個人的な感情ですが、おんなじ苦しみを味わっているように感じました。カーペットパイソンという蛇で、ここではシンボル的存在。変容、性的エネルギーなどの意味を表します。

カーペットパイソン

カーペットパイソン

折しもその時は、クルー間でいざこざのあった時期でもあり、男性性と女性性のバランスを取り戻さないといけない状態でもありました。こういったことは、単なる偶然でおこることもありますが、起こるタイミングには意味を含んでいると思います。蛇の体調不調と同時に、自分たちの不調の部分を見直しつつ、きっと大丈夫!元気になる!乗り超えれらる!と信じて、数日間その蛇を見守りました。数日間は体力もなさそうにみえました。でも体が動くのを見て、大丈夫だと希望をもち続けました。その後姿を消してしまい少し不安でしたが、きっと元気になったのだと、信じようと思いました。

その数日後、私たちが畑仕事をしている最中、3匹の鳥たちが一斉に鳴き出し、私たちに何かを伝えているように感じました。なにかな?と思って周りを見回していると、なんとその蛇が畑の際にいたのです。「蛇が生きていたこと、元気を取り戻したこと」にみんなで喜びあいました。
野生動物とのコンタクト。先住民の人達はこのように、自然や野生動物とつながり、メッセージを受け取りながら繊細に対応しているんだろうなと感じました。私たちも自分たちのできる範囲で、この土地で生きていくために自然や野生動物とのつながり、接し方を意識していこうと思いました。     やお


vol.177 ボーダーレス社会をめざして

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NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

究極の選択

今回はボーダレス社会を目指しての内容にならないのかもしれませんが、がんについて。2人に1人ががんになるという世の中になってしまいましたので、がんになった本人からのメッセージとしてお読みください。

胃がんの手術をしてから5年が経ちます。ステージⅡA。胃の下の部分幽門側を切除しました。ですから食べた物はダーと腸に直通です。早く食事をしたり、よく噛まないで飲み込むというようなことはしないよう気をつけなくてはなりません。間違ってそんなことをしてしまうと、激しい痛みを伴う下痢や嘔吐に悩まされます。こんなことは生きていれば大したことではありませんが。実は、私は抗がん剤を飲むことを途中でやめ、現在があります。抗がん剤「TS-1」という薬を2週間飲むことにしたのですが、まず、「TS-1」の薬について薬剤師さんから副作用の説明を受けました。
① 白血球の減少 ②貧血(ヘモグロビン減少) ③血小板減少 ④食欲不振 ⑤ 吐きけ ⑥下痢 ⑦口内炎 ⑧色素沈着 ⑨発疹 ⑩同質性肺炎 ⑪その他に注意する症状など、実際に症状が出る人、出ない人様々ですという内容でした。
私の周りには、祖母・父・叔母ががんになっています。叔母は乳がんだったのですが、「生き地獄だ」という言葉を私に残して逝きました。父は「今の抗がん剤やるくらいなら、死にたい」と私に懇願し、抗がん剤を止めた経緯があります。
そんな経験をしている私は、抗がん剤に対する恐怖は他の人より敏感だったためなのか、副作用が出ました!出ました!2週間飲んで、食べられない、口の中はただれる、指は真っ黒、便秘、白血球の減少、自力で立つことが難しくなってきました。点滴をしても力が出ない。座ったら起き上がれない。もう廃人になるなとその時思いました。死を目の前に感じ、死というものを真剣に考え、死を受け入れました。
予防のための薬で苦しむのは変。もしできるのであれば、2年間くらい普通に暮らしたいなと究極の選択をしました。抗がん剤を止めることをお医者さんに告げました。少しの論争はありましたが、自己責任ですからと話は打ち切りにしました。自分の人生は自分で決めなくてはいけません。止めてからどうしていくか、いろいろ本を読みあさり、その中で本当に私を救ってくれた本は「論より証拠のガン克服術」中山武著でした。
生存率97パーセントというがん患者さん達の集まりの話で、食事についてが一番参考になりました。今、元気でいられるのは、食べものに気をつけていること、私の心が、超プラス思考であったことでしょうか??
生きてるって楽しいです!


vol.177 半農半Xという生き方

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「つみかさね」
綾部市内で京ブランドの黒豆「紫ずきん」を作っておられる先輩世代の方に、好きな言葉を尋ねたら、「努力は天才に勝る」でした。こつこつ。我が国のキーワードは昔も21世紀もはやりこれですね。海の向こうでがんばる大リーガーもそうだし、小学生の子どもの宿題もそうです。緑の美しい季節になりました。手入れされた里の美しい風景や田んぼも同じですね。こつこつと積んできた努力をみるとき、思い出す詩があります。仏教詩人の坂村真民さんの詩です。ご紹介しましょう。
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「つみかさね」  坂村真民

一球一球のつみかさね
一打一打のつみかさね
一歩一歩のつみかさね
一坐一坐のつみかさね
一作一作のつみかさね
一念一念のつみかさね

つみかさねの上に
咲く花
つみかさねの上に
熟する実
それは美しく尊く
真の光をはなつ

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今年は暑い夏なのか冷夏かわかりませんが、とにかくこの詩を思い出しながら汗をかいていきたいと思っています。
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寝食を忘れて打ち込めること
田んぼの季節がもうすぐ始まります。ある夏、草取りをしていたときのことです。空を見上げると大空に舞う鳥の姿が見えました。うまく風に乗って、かなり上空を悠々と飛んでいます。田では、小さなカエルが得意の泳ぎを、アメンボが水上の走り(滑り)を披露していました。東北の知人が送ってくれた「新・ウサギとカメ」の絵本のことをふと思い出しました。「走って競争しよう」というウサギの誘いに対し、カメは池で泳ぐことも提案したらどうだっただろうという物語です。誰でもみんな得意な分野がある。寝食を忘れて打ち込める大好きなこと、得意なことを他者のために活かしあえたら、どんなにか幸せなことでしょう。そんな世界をつくりたいですね。

塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は翻訳されて、台湾、中国、韓国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。

※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題(どう生きるか)を背景とする。持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。ex.半農半漁、半農半大工、半農半看護師、半農半カフェ、半農半絵描き、半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。


vol.177 夢か悪夢かリニアが通る!(vol.6)

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名古屋駅開発の陰で

10年後の2027年のリニア中央新幹線品川―名古屋開業を目指すJR東海は昨年12月、名古屋駅地下30メートルのリニア新駅建設に着手しました。すでに新駅と直結する高さ約220メートル、地上46階建ての高層ビル「JRゲートタワー」が完成、この号がお手元に届くころには、全面開業しています。一方、名古屋駅周辺には、新駅建設のために立ち退きを迫られ、不安な毎日を送っている人たちがいます。              ジャーナリスト・井澤宏明

 

我が家が工事予定地に
JR名古屋駅の新幹線改札に近い太閤通口。ここから歩いて数分、商店街から路地を入った閑静な住宅地に、鈴木多づ子さん(79)のお住まいはあります。
岐阜県出身の鈴木さんは、まだ東海道新幹線も走っていなかった1959年、空豆やグリーンピースなどの豆菓子を製造していたこの家に嫁いで来ました。朝4時に起き、ともに汗を流してきた夫に先立たれ、隣に住む娘家族と寄り添うように暮らしています。
戦前に建ち、豆を煎るのに使ったコークスの煙が染みついた鈴木家。リニア新駅工事予定地にかかっていることが分かったのは2014年秋、JR東海が中村区役所で開いた説明会でのこと。工事予定地を示した地図が壁に貼り出されていました。「少しでも(家を)それてくれればいいがなと思って、願いを込めながら一所懸命、地図を見ました」。鈴木さんの願いはかないませんでした。
計画では、新駅をつくるため、現在の名古屋駅の東西約1キロにわたって開削工事を行います。昨年着工したのはJR東海の土地だけですが、駅の東西も「2019年ごろには着手したい」(同社広報部)としています。
立ち退きの対象となる地権者は約120人。JR東海から委託を受けた「名古屋まちづくり公社」が用地買収にあたっていますが、鈴木さんは「どっこも行きたくない」と立ち退きの前提となる家屋調査を拒み続けています。

鈴木さん宅から椿神社の森の向こうにJRゲートタワー(中央)が見える

鈴木さん宅から椿神社の森の向こうにJRゲートタワー(中央)が見える

「私が生きとるうちは」
「今なら近所の人も知ってる人ばっかでお話できるで、寂しいことはないけども、この歳で全然知らん土地に行くのはねえ、抵抗を感じるんです」
やむなく調査を受け入れた近所の女性は「押入れを開けられたりして嫌だった」と辛そうに振り返ります。
鈴木さんは今年に入って、公社が示した移転候補地を見に行ってみました。「今の家は南向きで一日じゅう陽が当たってるのに、北向きだもんで嫌だと言ったの」。担当者から「今の家の前に大きなビルが建ったら(日陰になるから)、一緒でしょう」と心無い言葉をかけられたそうです。

「私が生きとるうちは、そんな工事はやってほしくない。若い人はどんどん街が良くなるのはいいだろうけど、老人にとってはこのまんまで結構だから。何も不便しとらへんもんねえ」と鈴木さん。
「本当に嫌だけど、一軒だけ頑張ってるわけにはいかんもんねえ」。ちらっと弱気をのぞかせるのも無理もないことでしょう。

老舗の市場も
立ち退きを迫られているのは、住民だけではありません。鈴木さんの家の近く、椿神社の向かいにある椿魚市場もそのひとつ。戦後の露店がルーツの同市場には現在、鮮魚店9店舗が軒を連ねています。
昨年の大みそか、市場はなじみの客で混雑していました。客の要望を聞きながら手際よくマグロの塊をさばく店員には、高齢の方が目立ちます。

客と会話しながら、包丁を入れる(2016年12月31日、椿魚市場)

客と会話しながら、包丁を入れる(2016年12月31日、椿魚市場)

市場の社長を務める森金商店の森善徳さん(70)によると、市場の一角が工事予定地にかかっているため、建物を壊さざるを得ません。残った土地に新しく市場を建てて商売を続けたいという人、土地を全部売って終わりにしようという人、それぞれの思いが交錯しています。
森さん自身も、「まだ5年や10年は続けるつもりでおったけど、リニア工事のことが決まってからは何とも言えんもんね」とこぼします。お客さんから「いつまでですか」と聞かれることも多くなりました。
「リニアが通れば世界の最先端になっていいことだと思うけど、親の代から70年もやってきたところがなくなるのは寂しい」。森さんはやるせなさそうです。

JR東海が説明会で示した資料より

JR東海が説明会で示した資料より

 

 


vol.177 天然のくらし応援団 第12回

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各務原にもウメ輪紋ウイルスが!!

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ウメ輪紋ウイルスが各務原に来ました。アブラムシがこの植物ウイルスを運び、ウメやモモ、スモモなどに感染します。葉に色があせたような模様ができます。このウイルスの駆除のために感染樹木を除去、農薬でウイルスを運ぶアブラムシを殺します(緊急防除)。農薬は周囲を汚染し、人間に、特に幼い子ども胎児に悪影響を与えます。環境・農水の両省は農薬の悪影響を防ぐ通知を出しています。通知が守られるように見守りましょう。

ウメ輪紋ウイルス
ウメ輪紋ウイルスはウメやモモ、スモモ、オウトウなどに感染するウイルスで、別名プラムポックスウイルス、PPVともいいます。感染すると葉に輪状や葉脈に沿う薄い緑の模様ができます。果実にも影響が出るといわれますが、農水省の植物防疫課長によると、「収量への影響はほとんど見られない」そうです。ウメ輪紋ウイルスは人間や動物に感染することはなく、感染した木の果実を食べても大丈夫だそうです。

ウイルスの防除
ウメ輪紋ウイルスに効果がある農薬はありません。駆除作業はウイルスを運ぶアブラムシをねらい、殺すために農薬を使います。使用農薬はネオニコチノイド系やピリジンカルボキシアミド系の殺虫剤などを使います。ネオニコチノイド系殺虫剤はミツバチの群崩壊症候群(ミツバチが大量にいなくなってしまう現象)で良く知られており、小児や胎児の発達中の脳に有害だという科学者がいます。ピリジンカルボキシアミド系殺虫剤は研究や使用経験が少なく、どのような影響が出るか心配です。
他の地区への感染を避けるため、木の移動は制限されます。

ウイルスの潜伏期間は3年
ウメ輪紋ウイルスが感染してから発病(葉に特有の模様が現れる)までの期間は3年といわれています。ウイルス感染がないと証明するには3年間が必要です。3年間、農薬を散布し続けるか、被害木を切り倒し、根を掘り起こして除去して、3年間感染する木がないことの確認が必要です。3年間、感染がなかった場合、ようやく再移植が許されます。

どこかで見た防除
病原生物を殺せないので病原を運ぶものを農薬で駆除しようというのが、ウメ輪紋緊急防除事業です。同じような防除事業を思い出しませんか。「松くい虫被害対策」として行われた農薬散布です。この事業は十分な効果をあげていないばかりか、農薬による被害が登校中の子どもに出て問題になりました。この事業は松枯れの原因とされる線虫を殺すのではなく、この線虫を運ぶカミキリ虫を殺そうとしています。本当に松を守るなら、線虫に有効な薬剤を松の木に注入すればよいのです。
梅でも同じです。残念ながらウイルスに有効な薬剤はありません。防除には被害木の除去が有効です。アブラムシは梅から駆除できても、近くの草むらに残っていますから。

農薬散布に気をつけましょう
最近の農薬は厳しい安全審査を経ているので、昔の様な死亡事故等は起こりにくくなっています(まだ死亡事故はあります)。しかし、内分泌かく乱物質が問題になったように、新しい悪影響が発見されることはしばしばです。そのため、特に子どもや胎児は農薬などにさらされないで下さい。国も「住宅地等における農薬使用について」という通知を出して、人が農薬にさらされないように指導しています。

近くで、あるいは敷地内で緊急防除作業が行われる場合は、次のことに留意!
・子どもや妊婦はできるだけ農薬にさらされない。
・子どもの遊具や洗濯物などは散布時や散布後しばらくは外に出しておかない。
・できるだけ窓や戸を開けない。
・農薬に過敏な方は散布しないように相談するか、「でんぷん」剤のような安全な薬剤使用を求める。
・気になる点があれば市役所に電話で相談する。

 

各務原ワークショップ代表の医学博士・渡部和男さんを団長に「天然のくらし応援団」というコーナー誕生。日常生活を脅かすものはなんだろう?環境化学物質の影響は?など。渡部博士に質問し、それに答えていただく形で連載します。素朴な質問、専門的な質問、どしどしお寄せ下さい!info@niramekko.comまで


vol.177 プレゼントコーナー

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プレゼントご希望の方は
ハガキまたはe-mailで、下記のアンケート1〜6をご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
〆切:5月25日 当日消印有効。
Dはにらめっこ編集室に受け取りに来ていただける方。
宛先:〒504-0855 各務原市蘇原新栄町2-25
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、
使用させていただきます。

1- あなたのイチ押しの本を教えて!
感動した本、笑っちゃった本、泣けた本…。あなたのお薦めの一冊を教えてね。
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事のタイトル1つ
その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望)
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、家族構成

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A.CINEX 映画招待券 シネックス様より…ペア3組様
大きなスクリーン、整った音響、映画だけに没頭できる貴重な時間。映画館ならではの醍醐味ですね。写真は「私は、ダニエル・ブレイク」より。(招待券は、シネックスマーゴではご利用になれません。)

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B.吟醸生貯蔵酒 百春 引換券 ワインショップ サチ様より…3名様
美濃の、国の重要文化財指定のうだつ造りの建家で、長良川の伏流水に良質な原料米を用いて醸し出された清酒。なめらかで端麗な地酒をお楽しみください。720ml入り。(ワインショップサチさん(各務原市尾崎西町)で、商品とお引き換えください。)

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C.「Jazz Liveご招待券」 アートギャラリー是様より…2名様
5月28日(日)開場18:00 開演19:00
アートギャラリー是(関市武芸川小知野489)にて
たまには日常から離れて、大人なひとときを過ごしませんか!ギターとウッドベースが奏でるアンプラグドな音が心地よく心に身体に染みわたります。
(軽食と飲み物ご利用される場合の料金はご負担お願いします。)

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D.写真集『奥飛騨に響く種蔵の里』 加藤麻美様より…2名様
岐阜県の北部、飛騨市古川町種蔵。春夏秋冬、それぞれの表情を持つ豊かな自然とそこに暮らす人々が映し出されています。写真:加藤麻美(にらめっこ編集室でお受け取りください。)

写真集1*************************************

E.麻のコースター5枚セット にらめっこより…1名様
天然素材の良さを堪能できるコースター。ちょっとした来客に、ふだんのお茶タイムにさりげないおしゃれな演出を!刺し子の色がアクセント。麻100%です。

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