投稿者「にらめっこWeb版スタッフ」のアーカイブ

vol.185 ここいく日記 はじめの二歩

 はじめの二歩!

性交について。

性教育と聞くと、性器の話や性行為の話だと思う人が多いのではないかと思います。
小学校や中学校に「いのちの授業」に行って最初に「皆さんのいのちはどうやって生まれたのか知っていますか?今日はいのちの話をしに来ました」と言うとニヤニヤしたり恥ずかしそうしている子がいます。
私たちのいのちは性交から始まりました。両親が性交をしなければ私たちのいのちは生まれていません。性交はいのちをつなぐとても大切な行為だということを大人が教えていないから、多くの子どもたちが性を商品や暴力として扱うネットや、アダルトビデオや漫画などから学んでいます。そういう情報の中の性では、「いのちの尊さ」を学ぶことはできません。正しい性を学んでないから、子どもたちは性を恥ずかしいこと、いやらしいこと、エッチなことというように刷り込まれてしまっていると感じます。
学校の学習指導要領には性交は教えないとされています。
2次性徴や、卵子と精子が受精卵になり、子宮の中で赤ちゃんに育ち生まれてくるということは習うが、受精卵になるための行為、お母さんのお腹の中にある卵子に射精された精子がどうやって届けられるのかがすっぽりと抜け落ちています。そうなるとどうなっているのか知りたくなるのは当然のこと。でも、性のことは先生にも親にも聞きにくいとなると、友達に聞くかネットや漫画など性産業のものから調べるしかありません。
昔は、大人がわざわざ教えなくても自然と伝わってきたことかもしれない。学校で教えるものではない「寝た子を起こすことはない」という意見がありますが、朝日新聞デジタルのアンケート調査によると「あなたがセックス 性交とその意味について知ったのはいつですか?」の問いで約89%の人が中学生までに知ったと答えています。小学生までに知った子は約半数です。寝た子はほとんどいなくてとっくに起きています。
このような現状でも、子どもたちに正しい性を学ぶ機会が保障されていないのです。授業で性器の仕組みや働きの話をすると、ざわざわし始め話が進んでいくと、「キャー」とか「えー」の声があがるか、下を向き、話が出来ないぐらいざわざわするときもあります。ざわつきが収まるまで少し待って、性器はエッチなところ、恥ずかしいところではないこと、大切な働きがあることを丁寧に伝えます。そして、性交を含むいのちの成り立ち、いのちの稀少性を伝えていくと、子どもたちの表情が変わっていきます。体の中でどの働きもとても大切なのに、性器だけはいやらしいと思ってしまう。目や耳の働きを勉強するときにはこんなにざわつくことはないでしょう。それぐらい性の話はタブー視されて、大切だという教育がされていないのです。
性という字は (りっしんべん)に生きると書きます。
( りっしんべん)は心という意味なので性は心を生きる、生き方を学ぶということ。こういうことを大人も学んできていないのです。だからこそ、性を本気でかっこよく語れる大人になりたいと思っています。最後に尊敬する助産師で性教育の大先輩でもある山本文子さんのことばを紹介します。

担当:ここいくメンバー・中村暁子でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)


vol.185 リバース 15号

写真:長屋 泰郎

ナダレタゴガエルStream Brown Frog
ナガレタゴガエル(流田子蛙、学名:Rana sakuraii)はアカガエル属のカエルの一種。種小名のsakuraiiは、発見者である桜井淳史にちなみつけられた。

分布:本州中央部(関東、中部、北陸、近畿の各地方)
生態:低山地の森林地帯に住んでいます。繁殖は、2月から4月に山間渓流で行われます。雄は、秋に渓流に集まり、水中の石の下で越冬し、繁殖期になると流れに乗って産卵場所の淵に集まります。
鳴き声:(水中で)ククククク、ククククク・・・

石の下に産み付けられた卵塊と雌 撮影:佐久間 聡

解説:世界的に見ても珍しい日本固有種で、真の渓流性のアカガエルです。タゴガエルに似ていますが、水かきの発達がよく、繁殖期には、皮膚が著しく伸びてひだ状になります。(佐久間 聡)

 

危険要因:生息域が山地の渓流周辺と限られており、森林の皆伐による乾燥化およびそれに伴って沢が干上がることで、成体と幼生双方の生息場が失われる。また林道脇へのU字溝の埋設により、移動が妨げられたり、小型の個体が脱出できずに死亡してしまう例も知られている。


vol.185 ボーダーレス社会をめざして vol.44

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

 

自分の展覧会

 息子は40歳の自閉症スペクトラム障害(最近はこのように言います)。7月に本人の希望で絵の個展を開きました。展示、キャプション作り、お客様の案内など本人が主になり行いました。開催当日までカウントダウンのメールが、毎日私に届き、「お母さんとお父さんは見に来て下さい」と言い、本当に自分一人でやるつもりのようでした。知り合いの方にも「来て下さい」とお願いをしていたようです。今までの展覧会ではなかった姿です。きっと今までは、私に展覧会をやらされていたのでしょう。自分の好きな絵をすべて展示できるということは、彼にとってすごい喜びだったようです。これまでは、私が展示する作品を選んでいました。今回はすべてOKとし展示の方法もすべて本人に相談し、本人が好きなように額に入れました。息子の作品展ですから好きなようにやればいいのだと・・・。やっと私がそんな気持ちになりました。するとこのように楽しみにする展覧会になったのです。
 支援する人の自己満足ではいけない、支援する人の思いが一番ではいけないということがよく分かりました。もう嬉しくて嬉しくて仕方がない、ニコニコと久しぶりに見る笑顔でした。やっと思い通りの展覧会ができたのだなぁとちょっと反省しました。展覧会が始まると、来て下さったお客様に絵の説明をしていました。長時間、会場にいなくてはいけなかったのですが、静かにご来客を待っていました。
 その中で印象深かったのは、会社の方が見に来て下さったことです。最初、会社には案内状は持って行かないと言いはっていたのですが、途中から店長さんだけに持って行く、次にブレークルームに案内状を置かせてもらうと本人が考えなおしていきました。たぶん、会社と自分の趣味の世界とは違うと考えていたのだと思います。しかし、案内状を会社に持っていったお陰で、会社の方が来て下さいました。メッセージの中に「いつも裏方のお仕事でお店をささえてくれてありがとう。」と書いてありました。なんと嬉しい言葉でしょう。お話をさせてもらうと皆さんに見守られながら、可愛がって頂いているのがよく分かりました。我が家とは全然違う一人の社会人としての息子の様子を聞くことができました。
 もう一人幼稚園、小学校とよく遊んでくれた同級生が来てくれました。彼は毎回、展覧会を見に来てくれます。「絵が少し変わって来たね。進化してる」って。
展覧会は、作品の発表の場とは言いながらも、息子の大好きな人たちとの良い出会いの場にもなっていました。笑顔笑顔の息子を見ることができた展覧会は、最高でした。


vol.185 えんぴつ・カフェ

6月20日(水)第7回 えんぴつ・カフェスペシャル

「絵本の朗読」参加者の感想

今回はスペシャル企画第1弾「絵本の朗読」でさまざまな感想を書いてくださいました。一部をご紹介します。
・「だいじょうぶだよ ゾウさん」をききながら、今一緒に暮らしている父をゾウにてらしていました。耳が聞こえなくなり、だんだん弱っていくゾウは最後はネズミに大丈夫だと言われながら、つり橋をわたっていく。歳をとって死んでいくことは辛いけどネズミのように、ゾウの気持ちにより添っていけたらいいと思います。
・ 赤ちゃんは泣いて生まれてくる。周りは笑顔で迎える。死を迎えるときは「この世に生まれてよかった」と笑顔で死んでいきたい。
・ 日常生活の中で生老病死にかかわっていますが、自身のことに関しては具体性を明記するには至っていません。
・わたしは偶然にも「たいせつなこと」と「つみきのいえ」を小学校の読み聞かせで読ませていただいていました。自分で読むのと、朗読を聴く側での気持ちに大きな違いがあることに気づきました。私は今47歳ですが、人生について考えるよいきっかけとなりました。
・ 「なきすぎてはいけない」は祖父から孫への思いが表現されていて共感できる内容で、主人が読んだら涙ポロポロと想像しました。「だいじょうぶだよゾウさん」は理想的な、老と若の共存だと感じました。

こんなおしゃべりを通じて、自分の考えを調整したり、確認したりするのが“えんぴつ・カフェ”です。
みなさまの参加を、お持ちしております。

 

次回のえんぴつ・カフェ  スペシャル企画 第2弾
「成年後見人制度って?」
講師:青木文子氏(司法書士)
成年後見人制度って知ってる?
制度をよく理解し、自分や家族のライフデザインを設計してみます。
と き:9月20日(木)
じかん:13:30-15:30
ところ:産業文化センター2階第4会議室
会費1,000円
(講師の基調講演後、紅茶&お菓子を楽しみながら、質問タイムで情報交流をします)

 

えんぴつ・カフェ 開催日程

会場:各務原産業文化センター2F第4会議室
時間:13:30−15:30
(会場、日程は変更の場合がありますのでお申し込みの際にご確認ください)

10月18日(木) おしゃべりしながらノートに書き込む
11月18日(日) スペシャル第3弾「終末期医療を考える」
講師:木田盛夫氏(木田ファミリークリニック副院長)
終末期医療について、実情を検証しながら、在宅のメリット、 デメリットを学びます。
2019年 1月19日(土) スペシャル第4弾「在宅の現場から」
講師:入学佳宏氏(ケアマネージャー)
ケアマネージャーから在宅の現場の声を聞き、介護や看護
のあり方を考えます。
2月20日(水) おしゃべりしながらノートに書き込む
3月20日(水) スペシャル第5弾「どうお別れしますか?」
講師:市川雅清氏(一級葬祭ディレクター&終活アドバイザー)
えんぴつ・カフェで常に話題になる葬儀やお墓の問題それ ぞれの土地柄や実情などを含め情報交換します。

えんぴつカフェの問い合わせは
NPO「人生これから!」
田辺 090-5638-7044 三上 090-7854-4561


vol.185 ホスピスナース奮戦記 vol.10


生前準備についておもうこと

7月10日。容態の確認のための訪問だった。ヘルパーさんから「さっきから患者さんは息をしていないようだ」という連絡が入りアパートにつくと、患者さんはとても安らかな顔をしていて、一目で亡くなっているとわかった。死後硬直も始まって、腕が曲がったまま、体も半分横向きになった姿で硬くなりはじめていた。確認のためバイタルをチェックするが、呼吸も心音もない、脈も感じられず瞳孔も動かない。ヘルパーさんは英語が通じないので、通訳電話を介し話しを聞くと、3時間以上前から息が浅くなったと判明。亡くなったことを伝え、家族に電話する。ヘルスケアプロキシ―である長女に電話すると、電話口で泣き崩れて会話にならない。すると、フロリダに住む次女から電話があり、今度は開口一番、「どんな薬を投与したのか、なんで死んだのか、なぜ病院につれていかないのか」と怒鳴り声。。。。。半分叫び声のような怒声を聞きながらパソコンに食らいつき日中どんなことがあったのかもう一度看護記録を読む。今日何があったのか、昼間訪問した看護師とは連絡が取れないし、途方にくれた。ヘルパーさんに聞くと、お昼ごろ、酸素マスクや体位交換だけでは呼吸困難の症状がコントロールできず、症状緩和のために看護師が呼ばれ、モルヒネ投与が始まったことがわかった。あとはヘルパーさんが(家族として扱われるので)患者さんの呼吸の状態をみながら、教えられた量をあげることになっていた。
患者さんのような心不全が進んだ場合、呼吸困難はよくみられる。ふたたび次女と話をすると今度は、「誰がモルヒネあげたの!?モルヒネがお母さんを死なせたのよ!あんたたちが殺したのよ~!」と狂ったように怒り出した。

モルヒネについては、多くの人がいろんなイメージや考えをもっていて、誤解している人も少なくない。口に入れ、舌の下やほほの内側から体内へ吸収されるこの種類のモルヒネは、飲み込めなくなった患者さんや意識のない患者さんへも使われる在宅ホスピスでは基本の薬。痛みだけでなく、苦しい呼吸を和らげるときにも使われる。なぜ患者さんがこの薬を必要としたか、どんな効果があるのか、どんな量が投与されたか、次女に説明する。だんだんと落ち着いてきて、だいぶわかってくれたようだった。次は葬儀屋に連絡しなければならないが、なんと葬儀屋が決まっていない。長女に聞くと、次女に聞いてという。次女に聞くと、お金がないという。というより、二人ともが葬儀にお金を出すような余裕がないという。再度ヘルパーさんが電話口によばれ、患者さんがもっていた通帳に葬儀分はとってあるはずだから、通帳を探せということになった。アパートには、同じビル内にすむ患者さんの妹やその家族が集まっていたものの、ただあきれたように一部始終をみながら待っているだけだった。
ニューヨークではご遺体はできるだけ死後4時間以内に葬儀屋や病院などの遺体安置のできる場に移すルールがある。私は、ソーシャルワーカーに電話して、家族の経済的状況と葬儀屋の紹介など、公共の遺体安置所の使用など含めて次女に直接話をしてもらうようお願いした。しかしニューヨーク市の公共の遺体安置所というのは、愛する家族をいったん預けるなんてできないような場所だという。(どんなだろう・・・)結局、安く葬儀をうけもってくれる葬儀屋に頼むことになった。
このカオスの中、患者さんはどんな気持ちでこの一部始終を眺めてるだろう、上からみて笑い飛ばしているだろうか。。。。ホスピスのサービスを受けていても、死はまだ先のこと、と思っているご家族も多い。まだ生きているのに死後のことを決める、葬儀屋を決めるなんてと、そのこと自体ができない人も多い。ご本人も、ご家族も。でも、死は必ずやってくる自然の摂理。死が訪れた時に対する準備または理想や考えをもつことは、縁起が悪い、あきらめたくない、生きる希望をもっていたい、それとはまた完全に別なるものだと、私は思う。生まれてくる命を迎えるのにいろいろ準備や手配をするのと同じ、気持ちや心情は違えど、命を見送ってあげる準備や手配。家族の中でのゴタゴタもあれど、それがやはり家族への愛というものなのではと思った。

わかばま〜く:プロフィール 1982年生まれ。ニューヨーク州立大学卒業後、ニューヨーク市立病院に看護師として4年勤務。現在は訪問看護師としてホスピスケアに携わっている。岐阜県各務原市出身。


vol.185 ぎむきょーるーむ 先生にこんな「ひとこと」を言われたら 

「集中力が足りませんよ」
「集中力の欠如」を先生はよく問題にする。実際には子どもが授業中に消しゴムをきざんで定規の跳躍台からとばしたり、シャープペンの解体作業をしたり、教科書のイラストにひげをつけたりということなのだが。
こうした集中力というのは、夢中になると言うこととは少しちがうようだ。簡単にいえば「先生の提議した問題なり課題に、よそごとをせずに黙ってとりくめる力」ということになる。この力を先生は高く評価する。なぜなら集中していてくれれば教室も静かだし、「よしよし、いい子いい子」の学級帝国主義が築かれていることが確認できるからだ。もちろん、「まじめにやれば賢い子になる」という学校の原理にかなうことでもあるし。
ところが、先生の提議している課題にクラス全員が集中することができるという事態はそうあるものではない。
じつは集中力を決める大きな要因には、子どもの個人的な要因と同時に、先生の出す「問題・課題」の質と量によることが多い。たとえば、計算問題を45分の授業や宿題で100問出したとしよう。先生としては「45分あればできるのが標準」だと予想しても、実際にはほとんどの子どもが集中してやると考えているとしたら、そうとうノー天気だと思う。
子どもが授業中にこっちを見て聞いてくれて、課題にそこそこ一生懸命とりくんでくれるように先生は「工夫」する。この工夫なしに「アンタの子は集中力がない」などと常識のある先生はいわない。いや、いえない。
子どもはそれなりに息をぬきながら、先生の目を盗みながら、授業中休憩していくだけの自律性が必要なのだ。おそらく子どもは自分でオーバーヒートしないよう工夫しているはずだ。それが、「集中力の欠如」というかたちであらわれてくることもある。
親としてはまず「アンタ、ちゃんと授業聞いている?!」としかりつつも、「たまには大事なことはきちんと聞かなくちゃいけないよ」くらいのお小言にしておきたいものだ。

 

「偏食では丈夫な身体になりませんよ」
「学校ぎらいの原因は給食なんだ」という子どもがいる。入学の前に、親は「給食を残したらいけないんじゃないか?」と心配する。子どもに「給食を全部食べないとダメ」とおどかす親もいる。しかし、なんかおかしい?
以前、給食主任に「『何でもよく食べて!?』というのはヘンだ。だって、ブタじゃないんだからなんでも食べろというのはおかしいでしょう?」といったことがある。すると、いやな顔をされたが反論はなかった。でも、そのことをエコ農業を志している人に話したら、「オカザキさんはまちがっている。ブタはおいしいもんしか食べないぜ、ブタに失礼だ!」としかられた。
だいたい、学校はおかしな食文化を強制している。ご飯に牛乳がまず変だ。もちろん、牛乳のリゾットなら、まあ話しはわかる。コッペパンに、メキシコ風タコス、いちごジャム、スープ煮といった組み合わせなど、なんじゃこれ??
ある教員が「しっかり食べないと大きくなりません」といったときに、すかさず、「先生は小さいけど好ききらいがあったんですか?」と子どもに聞かれて、はり倒さんばかりに怒ったというはなしを聞いたことがある。
『食』というのは自分たちの生活全体を考え直すための入り口としてはとても意味があるのだ。「偏食です」という発想では、肉ばかり食べるのも偏食なら、野菜ばかり食べるのも偏食ではないか。でも、そういう「偏食」の地域や国の人々はみんな不健康なんだろうか?
偏食は、文化の問題なのだから、給食のあり方をそのままにしておいて、なんでも食べるほうがいいというのは偏見である。なんでも食べる時代ではなく、選んで食べる時代なのだ。

 

「特別支援学級へ行ったらどうですか?」
就学時健診や、進級の時に「お子さんのために特別支援学級へ行ったらどうですか?」と学校からいわれた場合、子どもが普通学級で学びたい、生活したいと思うなら、やはりきちんと学校へ申し入れなり主張をすべきだ思う。
労働者の立場からいうと、一般的に仕事は楽なほうがいいに決まっている。だから、「発達障がいのある子は世話が大変だ」という教員も多い。しかし、現実には「手のかかる」いろいろな子どもがいるのは当然のことであり、発達障がいがあるかどうかは関係がない。
教員の中には、「特別支援学級へ入れたほうが、きめこまかい指導を受けられるので本人は幸せです」という、一見良心的ないい方をする人もいる。しかし、ある意味で無責任な言葉といえる。だって、そんなことは「わかんない」のだ。そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。それより一緒に生活することがまず重要なことであり、その場の集団の、つまり社会の「構成員」であることが、すべての子どもたちにとって重要なのだ。そこを分離してしまっては、最初から排除が前提になる。
ボクの知っているお母さんは、特別支援学級を学校からすすめられたが、ガンとして「普通学級に入れます」と主張していた。毎年、実施される「進級判定委員会」で、校長は特別支援学級をすすめるように職員にくり返していたらしいが、担任は校長の提案にあまり乗り気でない人だったようだ。そこで校長は保護者を呼び出して「特別支援学級への編入」をしきりにすすめたが、保護者はクビを縦にふらなかった。
しかし、なんといっても、そのお母さんがいちばんこたえたのは、「お宅のお子さんのせいで、うちの子たちの勉強が遅れるんじゃないですか」などというまわりの親たちの無言の圧力や反発だった。こうした親たちを説得するのはエネルギーがいる。やはり学校を相手に、きちんと親の権利として意見を文章などで述べるのがいちばんいいと思う。

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多治見市は「多治見市子どもの権利に関する条例」を制定し今年で15年を迎え、子どもの権利を保障するまちづくり、子どもの笑顔があふれるまちづくりを進めています。平成30年度のセミナーでは公的第三者機関として子どもの権利救済を行う子どもの権利擁護委員の一年間の報告と、岡崎勝氏の講演会が行われました。

2018年7月30日 岡崎まさる講演会 in多治見
「気づいていないかも・・・子どもの気持ち」
子どもの権利が学校のなかで語られることは少ないです。それでも学校では「語る・学ぶ・活かしていく」を最優先課題にしています。しかし、いじめなどのトラブルがあると、大人はどうしてもどっちが正しくてどっちが悪いのかを判断しようとします。それは果たしていいことか。まずきちんとルールを示すのが大人。わがままや、はみ出しを個性と見ていくのが教育です。では、子どもが教員に暴力をふるう・・・それは個性か??どう考えてもルールからはみ出している。いったいどうしてそんなことをするのか、きっと何か理由があるはず。根気よく会話をしていく。ここが勝負どころです。それではじめて子どもの実態が明らかになります。ボクが判断するときは常に「子どもの最善の利益」を優先します。 たとえば、子どもが嘘をついたとします。嘘をついたことを謝まらせて叱って・・・それが子どもにとって最善の利益か??子どもと相談という形をとり一週間ぐらい考えようか、と時間をつくる。うやむやで終わるのもいい。子どもの世界って忘れた方がいいことがたくさんあるんです。ところが、社会に寛容性が無くなったので、大人のガマンが出来なくなった。 だいたい人に迷惑かけてナンボ、これが子どもですよ。
学校は生活の場でもあります。学習指導要綱には大事なことが抜けています。それはぼーっとする時間。だけど、そういう時間があったとしても、子どもはなにかやらかして教員を困らせます。そんな時は子どもの可能性の世界を信じることです。登下校の時、見守り隊の高齢の方に「くそじじぃ」と言えば「この悪ガキがっ!」と応える。そういう人と人との距離感。こういうことがホントに大事なんです。子どもはすでに学校も含めた社会で育っています。社会のゴタゴタの中でもたくましく育って欲しいです。
子どもの権利を保障していくことが大人の役割です。子どもの最善の利益を優先し、こどもの将来を考えて今の子どもを見る。最終的には子どもに聞きなさい!とボクは言いたいです。 (文責・にらめっこ)

岡崎 勝 おかざき まさる
1952年愛知県名古屋市生まれ。小学校教員43年目。フリースクール「アーレの樹」理事。1998年より「お・は」編集人。きょうだい誌「ち・お」編集協力人も務める。著書に『きみ、ひとを育む教師ならば』『ガラスの玉ねぎーーーこどもの姿を写し出す1年白組教室通信』(ともにジャパンマシニスト社)、『みんなでトロプス!』(風媒社)、『学校再発見!』(岩波書店)『新・子どもと親と生活指導』(日本評論社)、『センセイは見た!——「教育改革」の正体』(青土社)、共・編著に『友だちってなんだろう』(日本評論社)、『がっこう百科』(ジャパンマシニスト社)など。

 


vol.185 半農半Xという生き方 vol.26

希望の創造
将来に希望をもてる人ともてない人の格差が歴然とひらき、希望の二極化が進んでいくという『希望格差社会』という本が数年前、ベストセラーになりました。不透明な時代ですが、希望のかけらはやはり足元に落ちているものです。ノーベル平和賞受賞のワンガリ・マータイさんが「もったいない」の精神に光をあてました。持続可能な小さな暮らしをしていくことは希望の基礎。「もったいない」は希望社会への大事なキーワードの1つです。「もったいない」が流行る少し前、ベストセラーになった『13歳のハローワーク』は自分の大好きなことや得意なことなどを世に活かしていく、社会に貢献していく時代に変化しつつあることを教えてくれました。将来の希望は「もったいない精神」と「(他者に役立てる)大好きなこと」にあるといっていいかもしれません。「ないもの」を嘆くのではなく、いま、「あるもの」に目をやって、知恵を絞って、活かしていけば、「希望の創造」はきっと可能です。小さなしあわせという希望を自らつくり、みんなで育てていける、そんな社会にしたいと思うのです。

 

まなざし
「みつばちが一生かかってあつめるはちみつは、スプーンにわずか半分。養蜂家は、みつばちの世話をすることで、そのたいせつなはちみつをわけてもらうのです」。茂市久美子さん作の児童文学『つるばら村のはちみつ屋さん』(講談社)を開いていたらこんな一文に出合いました。はちみつへのまなざしが変わりますね。大事に味わいたいですね。ふと、思い出したのが童謡詩人の金子みすゞの有名な詩「大漁」です。それはこんな詩です。「朝やけ小やけだ/大漁だ/大ばいわしの/大漁だ。/はまは祭りの/ようだけど/海のなかでは/何万の いわしのとむらい/するだろう」。人間も他の生命もみんなしあわせに生きられたらいいですね。

塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は翻訳されて、台湾、中国、韓国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。

※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題(どう生きるか)を背景と する。持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。ex.半農半漁、半農半大工、半農半看護師、半農半カフェ、 半農半絵描き、半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。


vol.185 未来に続く暮しの学び vol.27

 


メンテナンスの冬

 日本は猛暑日が続いているようですが、南半球のオーストラリアは冬の中盤を迎え、朝晩どんどん寒くなってきました。冬の期間はメンテナンスを主にこなす時期となります。
まず、畑でとれる冬野菜を、漬物にしたり、ドイツ流のキムチ・ザワークラウトを作ったり、醗酵食の仕込みをします。また、かぶ、白菜、キャベツ、はやと瓜、などはどんどん発酵野菜にして貯蔵できるようにしていきます。持続可能な生活にとって、貯蔵、保管、は不可欠な要素。
たくさん採れる根菜をどう保管するか、特に季節ごとに大量に収穫できる、人参、南瓜、ジャガイモ、ニンニク、ウコン、生姜、ヤーコン、キャッサバ、タロイモなどはうまく保管していかないと、すぐ腐ってしまいます。去年は大量の南瓜をダメにしてしまったので、今年は少しずつ収穫するようにしています。
ただ、ここでの一番の問題が・・・ネズミ・・・・・・・ネズミはどんどん増えるし、どんな隙間でも侵入してきます。畑の野菜はかじるし、シードリングハウス(苗を保管する場所)にも入りこんで、わかばの苗を食べてしまうし、保管場所にも入りこんで野菜をかじっていくし、私たちを悩ませています。捕獲する?罠を仕掛ける?第二ステージの動物に被害のない軽い駆除剤をまくとしても、畑に毒はまけないし、室内のみならまだしも。。と色々考えこんでしまいます。
猫を借りてくるという案も室内ならOK。野生の動物、鳥、大きいトカゲに手を出さない猫ならといっても、保証はないし・・・。
野生動物の生態系の維持プラス、害虫の駆除のバランスはなかなか簡単ではありません。双方うまくバランスをとっていくのも、大きい意味での、共存の仕方を見出していかないといけないのだなと思います。
できるだけシンプルに人間が生きることができれば、バランスは保てやすいだろうな。。。。そう思いながら、複雑な生活を作り上げている自分たちを振り返り、持続可能な生活を模索しています。

土地の有効活用と、自然環境とのバランスの一致。それを保てられる仕組みを、この冬いろいろ検討することになりそうです。


vol.185 菌ちゃん野菜応援団 vol.6

夏野菜がたわわに実り始めていますね!ちょっと油断するとキュウリなんてぶっといこん棒みたい!
トマトもなすもたわわに実って嬉しい限りです。

私たちの農法は菌ちゃん、つまり微生物と仲良くする農法。
土の中に菌ちゃんがたくさん増えてくれるように生ゴミを漬け物のようにしてすき込んだり、草を積み重ねたりして土作りをします。もちろん腐らないようにコツがあるんですけどね。微生物たっぷりの土で育った野菜はみんなぴっかぴか。虫もほとんど居ないんです。

あまり知られていないけど、実は虫に食われたお野菜は弱っているお野菜。私たちが食べてもちょっと苦かったりするんです。
一方元気なお野菜は生で食べてもとても美味しい。そして、抗酸化作用もたっぷり。なぜって夏の強い太陽光線から自分を守るためにたくさんの抗酸化物質を作り出しているから。
知ってました?無農薬だから虫がいても当たり前、ちっちゃくて当たり前、じゃないんです。

元気でぴかぴかなお野菜は見て嬉しい、食べて美味しい、作って楽しい。そんな3拍子がそろってます。
そして、そんなお野菜を食べていたらあつーい夏もへっちゃらで乗り越えられちゃいます!!
元気なお野菜と出会うことがあればぜひ手にとってみてくださいね。


vol.185 夢か悪夢かリニアが通る!vol.14

今夏の西日本豪雨では、山あいの集落が土石流にのみこまれ、たくさんの人たちが犠牲になりました。自然の前に人間はいかに無力であるかを改めて思い知らされるとともに、真っ先に思い浮かんだのはリニア中央新幹線の残土のことです。リニアは品川-名古屋間の86%がトンネルのため、東京ドーム約50杯分もの残土を出します。JR東海は多くを谷沿いに積んで処理する予定ですが、今回のような豪雨に襲われないという保証はありません。そのとき何が起こるのか、被災地が教えてくれていると思うのですが。  ジャーナリスト・井澤宏明

公聴会で語られたこと

地上への影響を否定
豪雨で交通機関が混乱しているさなかの7月6、7の両日、国土交通省主催のリニアに関する「公聴会」が名古屋市内で開かれました。
「公聴会」とは、重要な政策決定をする際、関係者や有識者などの意見を聞く制度。JR東海がリニア建設のため、東京、神奈川、愛知3都県の計50・3キロを対象に、深さ40メートル以上の「大深度地下」使用について国土交通相に認可申請したことから開かれました。
大深度法によると、国の認可を受ければ、事業者は住民に補償することなく、大深度地下を使用することができます。騒音や振動、電磁波、地盤沈下や地下水への影響、地価の下落などが憂慮されますが、JR東海は「問題となることはない」などと、これらを否定しています。
ところが、既に大深度地下使用を認可されトンネル工事が進んでいる東京外郭環状道路で今年5月以降、酸素濃度の低い空気が工事現場の上を流れる川に漏れ出して気泡が発生したり、地下水が流れ出したりするトラブルが発生しています。
公聴会では、事業者のJR東海を始め「賛成」側の7人、「反対」側の6人が公述に立ちました。JR東海をのぞく「賛成」側の6人は、地元経済界などを代表するメンバー。沿線住民からはめったに聞くことのできないリニアへの期待をどのように語るのか、注目しながら耳を傾けました。

合理的説明なされたか

公聴会は公開の場で行われた。「賛成」「反対」の意見を聞く貴重な機会だったが、大手マスコミの姿はなかった

公聴会初日、中部経済連合会の小川正樹氏がアピールしたのは、「新たなライフスタイル」です。
リニア長野県駅が計画されている飯田市は、東京まで高速バスで4時間余りかかりますが、リニア利用で45分に短縮される計画です。想定される効果について、小川氏は次のように述べました。
「飯田に住み、それ以外のところに仕事場がある、という2拠点居住も可能になる。東京や名古屋だけに住むのではなく、(飯田との)2拠点を行き来するライフスタイルが生まれ、若者やシニア層、シニア予備軍の移住も期待できる」
愛知県観光協会の鈴木隆氏は、「愛知県は、2、3泊と長く泊まってもらう観光資源に乏しく、1泊の方がほとんどだ」と、厳しい実情を打ち明けたうえで、リニアで首都圏からの往復時間が大幅に短縮されることにより、「(名古屋の)滞在時間が2時間延びる効果はとても大きい」と、飲食などによる経済効果に期待を示しました。
2日目に登場した名古屋都市センター長の奥野信宏氏は、元名古屋大学副総長で国土審議会会長。「スーパー・メガリージョン構想」を推進しています。
スーパー・メガリージョン構想は、リニア沿線を人口7000万人に上る巨大な広域都市圏として機能させ、東京一極集中を是正したり、人口減少に歯止めをかけたりしようという国家プロジェクトです。
奥野氏はリニア効果の具体例として、名古屋に住む学生が東京の大学に通学出来るようになることを挙げました。
「東京の大学に行きたいというお嬢さんを持つ家庭では、『一人暮らしをさせるのは不安だから、名古屋の大学に行かせる』という話をよく聞くが、40分で通えたら東京の大学へ行かせることも可能になるのではないか」
公述を聞きながら私の頭をよぎったのは、「ストップ・リニア!訴訟」の原告が法廷で語った以下のような言葉でした。
「私たちは、これから行われるリニア新幹線の工事によって、さまざまな被害をこうむることになります。問題は、私たちにそうした実害を与えてもなお、リニア新幹線が必要だという合理的説明がなされていないことです」

リニア大深度地下トンネルが真下を通る予定の名古屋市立大杉小学校。子どもたちの健康は守られるだろうか


vol.185 かなでの沖縄だより vol.9

碧い海、碧い空。沖縄というところ

7月8日、静岡から来た知り合いのTさんたちと南部戦跡巡りをしてきました。最初に陸軍病院南風原壕群20号へ。南風原文化センターから「飯あげの道」という、ひめゆり学徒たちが当時ご飯を担いで壕まで行ったという道はすごい急坂でした。今は道が整備されているけど昔は砂利道だったと聞きました。ここを、攻撃を避けながら食料を担いで行くのはとても過酷な任務だったと考えると恐ろしくなりました。壕の中に入った瞬間冷やっとしました。長さが約70メートルあり、途中19号と21号と2つの壕に分かれる交差点のようなところが手術場。あんな狭い道にベットがあり、すごい臭いがしたり人のうめき声やうなり声が聞こえたと聞くと本当に恐ろしく感じました。たくさんの木々が生い茂っている小山の中に壕があるのに なぜやすやすと米軍に見つかり、火炎放射にやられてしまったのか?という疑問を投げかけたTさん。「今ではこんな森だけど、当時は一面、焼け野原で見渡せたから」と教えてくださった時、わたしは言葉を失いました。ここで私たちのチームをガイドしてくださったおじいちゃんに「私 今沖縄に住んでいるんだよ」話すと、最後に「あなたたち若い子がたくさん学んでたくさん発信してね。あなたもこんなことしたくないでしょう?だから、ちゃんと学んで伝えてね。今日は私の話を聞いてくれてありがとう。来てくれてありがとう」と言ってくださいました。

平和祈念公園・魂魄の塔
次に平和祈念公園と魂魄の塔に行きました。日本では沖縄でしか見られないんじゃないかなというくらい真っ青な空、真っ青な海でした。けれども、1945年の夏米軍の上陸により逃げ場を失った人たちがその絶壁から飛び降りた、恐ろしい光景をイメージしながらこの景色を見ていました。

ひめゆりの塔・資料館
最後にひめゆりの塔と資料館へ行きました。南風原町で壕の見学をし、展望台からの素晴らしい景色を見た後だったので、感動も大きく考えさせられることがたくさんありました。1つ1つの展示物を見て、資料を読んでいたら知らないことばかり。改めて、沖縄戦が激戦だったこともわかりました。同時に、これだけのことを知っている人ってどれだけいるのだろうと思いました。日本で唯一の地上戦。「こんな事があったんだよ」って少しでもみんなに知ってもらえたらと今までで一番強く感じました。
ひめゆりの塔に着いて私が忘れられない光景が1つあります。それは、お花を持って塔の前で泣いて何かを語りかけていたある男性の姿です。二度と同じことを繰り返してはいけないということを改めて思いました。
最後に私のバイト先の奥さんからこんな事を言われました。
「ひめゆりの塔や壕に行って、少しどよんとしたかもしれない。でも、ちゃんと共感できたのは心がちゃんとしている証拠。少しチルダイ(心も体もだれてしまった)しただろうから、途中でアイスでも食べて今の有難さを感じて。亡くなった人は、凹んでないでもっと頑張れ!と言っているはずだよ」と。そうなのかなと思ったら少し前向きに考える事ができました。学んで終わりでなく「ちゃんと伝えて、みんなで考えて、二度と同じことを起こしたらいけないんだよ」と思いました。南部巡りもして、私の大好きなお店で沖縄料理を食べたり、海水浴をしたり…。楽しい時だったし、とても勉強になりました。
沖縄って素敵な場所だなって改めて思いました。でも、ここまでにすさまじい歴史があり、今も基地問題やオスプレイ問題などのたくさんの問題をかかえている沖縄です。海水浴をしてる上をオスプレイが通って行きました。なんでこんなに素敵な場所が力ある者の意のままに踏みにじられていくのかと思うと、とても辛く思います。みんなが幸せな暮らしができる。そんな世界にしたいと心から思います。


vol.185 プレゼントコーナー

PRESENTS 185号

1- あなたの
「リフレッシュ方法」教えて!
みんな忙しい毎日。どんなふうにリフレッシュしてる?
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名
(第1希望・第2希望)
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、家族構成

 

プレゼントご希望の方は
ハガキまたはe-mailで、上記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
〆切:9月25日 当日消印有効。
Dはにらめっこ編集室に受け取りに来ていただける方。
宛先
〒504-0855 各務原市蘇原新栄町2-25
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。

 

A.ロケット発芽にんにく引換券  大堀研磨工業所様より…5名様

地元各務原で、航空産業に携わっている町工場がなんと!無農薬のやさいを作りはじめました。今回はにらめっこ読者に発芽させることで栄養価をぐ〜んとアップした「ロケット発芽にんにく20g入り3袋」をプレゼント!商品は大堀研磨さん(各務原市蘇原寺島町)でお受け取りください。※写真はイメージです。

 

 

 

 

B.9条ボールペン にらめっこより…3名様

本体横にあるつまみを引っ張ると、あ〜ら何と、憲法9条のアピール文が!日本の憲法は今、どこがどう変わろうとしているのか??
それをあなたはどう思う?このボールペンをきっかけにして憲法について考え、みんなで話してみよう!

 

 

 

 

 

C. CINEX映画招待券 シネックス様より…ペア3組様

映画館で鑑賞する良さの1つに音響の素晴らしさがあります。体にズゥンと響く低音。あらゆる音は劇場全体の空気を揺らし、肌で音を感じるような感覚。それは映画館ならではの味わいなのです。写真は「チャーチル ノルマンディーの決断」より。招待券は柳ヶ瀬のシネックスでお楽しみください。

 

D.絵本[ちいさな島の日本人] かわさきまりあ様より…3名様

読む人の心が少しでもあたたまりますように…。そんな作者の心がそのまま絵本になりました。「君のおかげでぼくがいる」と表題の2つのお話しが収録された、かわいい15cm × 15cm サイズの絵本です。


vol.185 編集部で取り扱っている商品のご案内

にらめっこ編集部では、体や環境に配慮した商品を扱っています。
お近くにご用の際にはのぞいてみてくださいね。ここに出ているもの以外もありますよ。

玄米珈琲 メモリザ

玄米を焙煎したカフェインゼロ珈琲。お子様や妊娠中の方でも安心していただけます。着色料、香料、保存料など化学的なものは一切入っていません。カラダに必要なエネルギーとビタミンE・玄米ポリフェノールやフィトケミカル・ミネラルを豊富に含み、美容と健康にとても良いと言われています。また、身体を芯から温めてくれます。(顆粒1袋1,800円)

 

微量栄養素ふりかけ げんきっこ

微量栄養素をたっぷりバランスよく取り入れるため、頭ごと煮干し、頭ごと焼きアゴ、昆布が、これらの消化吸収を高めるため空心菜、キクイモ(無農薬)が入ったふりかけです。毎日の食事にごはん、おかず、何にでもふりかけてお召し上がりください。ミネラルが補給され、心や身体の不調が改善された、という報告もありますよ。(60g入り600円)

 

ほうじ茶 ちゃぼぼ

760年もの年月を引き継ぐ、岐阜県揖斐郡旧春日村の在来種の茶畑。自然の甘味と大変よい香り、味に深みがある在来種の茶木は地中深く深く根を伸ばし、大地に呼応し、自然の恵みだけでゆっくり育ちます。丁寧に手摘みし、仕上げたほうじ茶は香りがよく、深い味わいなのに後味はすっきり!農薬不使用、自然栽培、無添加のほうじ茶を味わってみてね。(150g入り1,296円)

 

善玉バイオ洗剤 浄

善玉バイオを使った、洗濯物・人・環境に優しい洗剤です。【善玉バイオ】生態系の中に存在する善玉菌や酵素で洗浄します!【優れた再汚染防止性能】一度落ちた汚れを衣類や洗濯機によせつけません。【肌にやさしい自然派】植物性の界面活性剤成分は0.5%以下!衣類への界面活性剤の残留がほとんどなく、赤ちゃんや敏感肌の方にも安心してご使用できます。(1.3kg入り1,296円)

 

植物油脂100%洗濯石けん スノール

良質の天然植物油脂を原料にした純石けん分99%の無添加石けんです。手肌にやさしく、デリケートな衣類も洗えると好評です。水に溶けやすく泡立ちも豊かで汚れをきれいに落とします。蛍光増白剤、香料、着色料やLASなどの合成界面活性剤を使用していません。(1kg入り799円)

 

 

こいくちしょうゆ 茜しょうゆ

国内産大豆・小麦、自然塩を使った天然醸造醤油です。木樽にて1年以上長期熟成させれた醤油。やや甘口の上品でまろやかな味。煮物などによく合います。(720ml入り687円)

 

 

 

国産なたね油 菜の花畑

国内産の農薬不使用栽培なたねを使用した圧縮一番搾りなたね油。精製は手すき和紙でろ過するだけで、添加物や化学薬品は使用していません。なたね本来の風味が豊かです。天ぷらや炒め物にどうぞ。(720ml入り918円)

 

 

グルテンフリー ライスパスタ

お米を主原料として作った、乾麺タイプのスパゲッティーです。お米から作ったとは思えない、コシのある食感と歯ごたえ。パスタソースにもよくから絡みます。岐阜県産のハツシモを使用。 グルテンフリー商品です。
※この商品の収益はすべて放射線量の高い地域に住む子どもたちのための活動に役立てられます。(青空の下つながろう会https://www.facebook.com/Tsunagarou2012/)(200g入り350円/3袋1,000円)

 

完熟もみがら堆肥 いぶきのめぐみ

お米を大切に守っている『もみがら』を醗酵(はっこう)・炭化した、これまでにない堆肥です。畑や花壇の土に、5cmくらいの厚みでまいて軽く混ぜるだけ。水はけや通気性が良くなり、土がふかふかになってきます。また、株元やうねに2~3cm敷き詰めるとマルチになります。乾燥、泥はね、雑草、凍みあがりを防止しつつ、土と一体化します。(40L入り)

※ご紹介した商品はweb販売はしておりません。申し訳ありませんが、購入を希望される方は、編集室にお立ち寄りください。また、物によっては品切れになることもあります。事前にご連絡をいただけると確かかと思います。m(_ _)m

 


*** お知らせ♪ 2018年こども芸術村 芸術祭は10月14日

今年のテーマは「ツリーハウスをつくるぞ〜!」。

日本一の気温を記録した飛騨金山でしたが、暑さもなんのその、子どもたちは見事な集中力を見せてくれました。
朝ごはんの前に作りだしたり、おやつも忘れて作り続けたり。そのかいあって、素晴らしいツリーハウスができあがりました!

今年は作品展は現地での「ツリーハウスお披露目会」となります。
10月14日飛騨金山の森キャンプ場 ささゆりにて(現地集合、解散)詳細は後日
保護者の方にもツリーハウスを見ていただいたり、活動記録映像を観たり、交流会をしたいと思っています。

 

 


vol.184 いのち特集


前号では「環境」特集として「森・川・海 つながるいのち」森・川・海が人とつながること、自然の懐に入って楽しむことをお伝えしました。今号ではさまざまな視点から「いのち」について考えてみたいと思います。
いのちの特集、むずかしいテーマに取り組んでしまい、編集に四苦八苦していたところ、素敵なメッセージに出会いました。北海道旭川市にある旭山動物園の前園長のブログです。旭山動物園の許可をいただいて掲載をさせていただきました。

伝えるのは「命」
旭山動物園の命題は「生命を伝えること」です。

46億年も前に地球上で誕生した生命が長い長い時間をかけて,さまざまな生物を生み出しながら現在に至っています。生命の誕生も奇跡だったでしょうが,それがこんなに長く続いていることもまた奇跡なのではないでしょうか。どのくらい奇跡かというと,私の命は両親から受け継いだものですよね。父母はまたそれぞれの両親からいただいた命です。そのまた両親は・・・というように生命の糸は,延々と続くのです。さらに,ヒトが現れる前にまでさかのぼり,ほ乳類の登場から両生類~魚類~無脊椎動物~単細胞生物まで,それこそ地球の歴史をさかのぼって私たちの生命の糸は切れることなく繋がっているのです。ですから,命とは自分のものであって,自分だけのものではないのです。このことは今,地球上で生きている生物,すべてに言えることなのです。

さて,その命がよく分かりません。誰かが,命を教えることができるのでしょうか。“いのち”という言葉は教えることができます。でも、子どもから「命って何ですか」と訊かれて答えることができる人が,果たしているでしょうか。だいいち,命は見えないし、さわれないし、絵にも描けません。ですから,「命を大切にしましょう」と言われても子どもたちにはその意味がよく分からないのではないでしょうか。
10年以上も前のことです。幼児にニワトリをさわらせて解説をしていた時、中学生が「僕にもさわらせてください」と近寄ってきました。そして鶏冠に手を触れた途端、手を引っ込めて「温かい」と目を丸くしたのです。以下二人のやりとりです。

小菅「君はニワトリが温かいことを知らなかったの」
少年「いえ、ニワトリは恒温動物ですから体温を持っています」
小菅「では、なぜ驚いたの」
少年「そうですね、何で驚いたんだろう」
彼は,不思議そうにしていました。知識として鳥は恒温動物であることを知っていましたが、実体験がないので、「鳥」が知識だけに止まり、生きている鳥を認識していなかったのでしょう。
命でも,まったく同じことが言えるのではないでしょうか。
旭山動物園には,家畜やペットとふれあえる「こども牧場」があります。そこでは、幼児を椅子に座らせ、膝の上にスタッフがウサギやモルモットをそっと置き、抱き方を指導しています。ウサギに触れる前の幼児にウサギを見せて,「ウサギ、どうだった」と聞くと、ほとんどの子が「かわいかった」と答えます。ところが、ウサギを抱いた後で同じように訊いてみると、「フニャフニャしてた」とか「あったかかった」、「やわらかかった」、「コトコトいってた」という答になるんです。

幼児の行動を観察してみると、不思議なことが見られます。多くの子どもが、ウサギを両手で抱え込み、頭を下げて全身でウサギを包み込むのです。誰も教えていないのに・・・。私は、その瞬間に命は伝わったのだと思います。命は覚えるものではなく、感じるものだからです。でも、それだけで“命の大切さ”は伝わりません。そのためには,命は決して後戻りしないことを知らなければ・・・・。

最近,耳にしたことですが、“死んでも生き返る”と思っている子どもが少なからずいると言うのです。本当に驚きました。それは,「死」が私たちの生活から遠ざけられてしまったからだと思います。最近では、人は病院で生まれ病院で死ぬので、子どもたちが,命の始まりと終わりを実感することが少なくなってしまいました。一方で,新聞やテレビで多くの人の「死」が伝えられてはいます。悲惨な報道を目にしたりもします。でも,どうでしょうか,そのことで自分の心が痛み苦しみ耐えられなくなることがあるでしょうか。やはり,心が最も痛むのは,家族や共に暮らしていた動物たちが死亡したときであり,次に友人,そして知り合いというように,だんだん薄まっていくのが実感ではないでしょうか。
命の大切さを心に刻むには、身近な生きものの死を体験しなければならないのだと思います。愛しているものの死に臨んだ時の心の苦しさが、“かけがえのない命だからこそ、大切にしなければならない”ことを認識する大切で唯一の瞬間なのです。
愛するものの死を通してしか、生きていることのすばらしさは伝わりません。
そして,その命が地球上に存在するためには,命の入れ物が必要なのです。その入れ物がヒトであり,オランウータンであり,オジロワシなのです。

私たちが生命の奇跡に気付いてはじめて,すべての生命がかけがえのないものであると認識できると思います。そういう人々は決して動物たちを苦しめません。そういう人々が多くなれば,この地球上から多くの野生動物たちが絶滅してしまうような事態は絶対に回避できると信じています。このままでは,危ないのです。恐竜たちが絶滅していった時代を大絶滅期と呼ぶのであれば,まさに我々は大絶滅期の中に踏み込んでしまっているのです。この大絶滅の渦巻きから動物たちを救うことができるのは私たち人間だけなのです。

昨年8月に死んだキリンの「タミオ」です。彼が21年間伝えてくれた「命」は私たちにたくさんのものを残してくれました。

旭川市旭山動物園ホームページから引用
平成17年3月4日 旭山動物園長小菅正夫(当時)

「いのち」について 助産師 赤塚庸子さんに聞きました。

心のいのち

<人が人たるゆえんは言葉>
いのちって、生体としてのいのちもあるけど、精神、心が病んでるというか人としての本来のいのちがあまり生きていないんじゃないかって思うときがあるんです。それはおそらく人としての共感とか、相手を思う気持ちとかが希薄になってしまっているから。
今、特に若い人たちが変わってきましたよね。とくに遊び方。その一つゲームが気になります。ボタンひとつで答えが手に入り、欲求もある程度満たされる。画面を見つめる姿はちょっと奇異です。さらに電話は苦手、就職試験の連絡もメール・・・。それでは言葉を発することが少なくなるよね。わたしは人であるゆえんって言葉だと思うんです。言葉を介して共感することがとても大事だと。それを使いこなせないと、社会全体が立ち行かなくなるのではないかと不安に思います。

<生きていく基本は食べること>
今から20年ほど前にデザイナーズベイビーについての記事を医療系の雑誌で読んだことがあります。自分の好みの目の色、髪の色、肌の色、身長はこれくらい、IQが高いとか…そういう全てをデザインして、自分の希望に叶った子どもをもうけることは、近い未来難しい事ではないと。もちろん倫理的な問題はおおいにあります。また、さまざまな理由から自分と同じDNAでクローンを作り、もう一度自分の人生をと考える人もいるけど、魂とか精神は同じではないですからね。そんなことを考えると何か末恐ろしいんですけど、あまり恐ろしい事を想像すると楽しくないですね。
人が生きていく基本って結局は食べることじゃないかな(笑)。食べることって楽しい。でも食べることは、他のいのちをいただくこと、決して無駄にしてはいけないんですね。私は小さい時に「お米一粒には千人の神様がいる」っていつも言われてました。だからどうしてもごはんを一粒も残せないの。

<他を思いやる気持ちで>

この世はもう全てが矛盾だらけ。その中でいかに過剰に動物の命をとらないとか、自分が他者の不幸の上に立たないようにするとか、誰かが喜ぶことをするとか、その時その時に選択して生きていくしかないんじゃないかな。
子育てって待つ事ばっかりだし、お産も待つ事ばかりです。でも今の私たちは、手間をかけるということに価値を見いださないですよね。密猟や貧困な人々の搾取の上に成り立つ商品や問題ある家畜の飼育方法とか、全然違うように見えるけど、それってワンクリックで手間をかけずいろんなものがデリバリーされてくるということの延長なんですよ。ネットで朝注文したものがその日の夕方や翌日の午前中に来ることが日常茶飯事。そこで2日間待たされた時にどういう感情が芽生えるのか。面白くないという感情だとしたら、それが全国に蔓延したときにどうなるんでしょう。ヒューマンエラーは絶対ある。相手を非難するんじゃなくて、お互い様っていう気持ちをもちたいですね。

先日、「助産師として気になる母子って?」というインタビューを受けました。多少体重が少なくても、おとなしい子でも、言葉が遅くても、それはその子の個性です、特に小さい頃はね。子どもの方に問題を感じてこの母子気になるな、という場合はまずないんです。むしろ、お母さんの視線とか、声のかけ方、言葉つかいなど、ちょっとした仕草、そういうのが気になります。いのちを育む(はぐくむ)側である大人の、子どもへのまなざしや接し方が鍵だと思います。

あかつか ようこ●プロフィール
1966年、岐阜県生まれ。助産婦学校卒業後、総合病院や個人病院で助産婦として勤務。医療施設以外でのお産に興味を持ち、助産院の見学や短期研修を体験。
平成13年に実妹の自宅出産をサポートする。
平成16年6月、地元の岐阜県各務原市にゆりかご助産院開業。市内で入院分娩ができる唯一の助産院。
(社)日本助産師会会員 岐阜県助産師会会員

私たちの暮らしは、動植物の命に支えられていると言っても過言ではありません。そこで、あらゆる「いのち」に思いを巡らせてみました。下記は否定でも肯定でもありません。現実です。それぞれの現場では、生活の糧にしている人々もいます。複雑な問題が絡み合っていますが、あえてシンプルに考えてみます。そして、自分のいのちをつないでくれるのは、他のいのち。そこに浮かび上がってきたキーワードは・・・「いのちの尊厳」と「感謝」。

食文化と称して
魚貝類、肉類など動物を食べること。その地域の特徴もある。アザラシ、鯨、イルカ、カンガルー、ワニ、鹿、いのしし、うさぎ、亀、コウモリ、などなど数え上げたらキリがないくらいの野生動物もその土地に根付く食生活に欠かせない。
それは植物にも当てはまります。

世界の珍味ともてはやされて・・・
・フォアグラ・・・強制給餌の果てにいのちを
奪われるガチョウ、あひる。
・フカヒレ・・・生きたままひれを引き裂かれ
海で窒息死するサメ。
・キャビア・・・基本的に魚卵は、
食品用には魚の腹を開いて取り出されます。

害獣と位置づけられて
人間活動に害をもたらす哺乳類に属する動物一般をさす言葉。 人間の多い地域では、家畜などの飼育動物以外はほとんどがこれに含まれる可能性があります。
農作物に被害が出ると、狩猟。最近ではジビエ料理として、
狩られた動物を提供するレストランも。

害虫といって嫌われて
人間(ヒト)や家畜・ペット・農産物・財産などにとって有害な作用をもたらす虫。 主に無脊椎動物である小動物、特に昆虫類などの節足動物類をいいます。駆除には殺虫剤が使われることが多いですが、環境に負荷を与えることにも注意が必要とされています。

ペットの殺処分・・・人間の身勝手の果てに
あなたが選んだその子犬は、あなただけが頼り。
空前のペットブームの裏側で暗躍する、ブリーダーや引き取り屋の実態。大量生産・大量消費の影で起こる遺伝病の問題なども含め、行き場のない犬・猫が
大量に発生している現状。

密漁・・・人間の欲望の果てに
象牙、それはゾウの命です。ゾウだけではありません。
サイ(角)、トラ(骨)・・・。海では赤珊瑚も密漁で絶滅の危機に。私たちは、食品、医薬品、ペット、衣類、装飾品などいろいろな形で野生生物を利用しています。
植物の種や動物の羽、牙、爪、毛、骨など、実にさまざま。
世界にはさまざまな野生の動植物が生息していますが、
人間による過剰な利用によって絶滅の危機に瀕しています。

いのちを思うときぜひ読んで欲しい本をご紹介


いのちつぐ「みとりびと」
みとりびと1
恋ちゃんはじめての看取り
おおばあちゃんの死と向き合う
著者:國森康弘 文・写真
【第1巻】おおばあちゃんの死と向きあう恋ちゃん(小5)の想いをたどりながら、あたたかな看取りの世界を臨場感あふれる写真・文で描く。
出版:農山漁村文化協会(農文協)

おおきなけやき
作: 林 木林 絵: 広野 多珂子
この冬最後の寒さがやってきた日、森で一番背の高いけやきの木が倒れました。森で一番歳をとっていたのです。
倒れたけやきの周りに、森に住む動物たちが集まります。日当たりがよくなったけやきの周りには、他の木がどんどん伸びていきます。やがて時が過ぎて、静かに土にかえったけやき。そこには新しい木の芽が生まれてきました。
出版社: 鈴木出版 ¥1,200 +税


vol.184 アウトドア特集


基本の虫よけ対策
スプレーなど虫よけアイテムを、と考える前に、危険を回避するとても大事な虫対策。蜂対策はできるだけ薄い色の服で!黒や赤など、濃い色の服は蜂に狙われやすいと言われています。理由は定かではありませんが、白や水色など、薄い色の服のほうが無難。帽子もできれば色の薄いものを。また、蜂が近くに飛んで来るとつい手で払ったりしがちですが、これはNG。蜂が攻撃されていると勘違いして、反撃してくる可能性があります。静かに、じっとして通り過ぎるのを待ちましょう。

靴やバッグの中身をよく確認
海のキャンプで靴の中にムカデが入っていることに気づかず、そのまま履いて刺された経験、ありませんか?ムカデに限らず、靴やバッグの中に虫が潜んでいる可能性は十分にあります。靴を履くとき、バッグの中から洋服を出して着るときは、必ず虫がいないことを確認してからにしましょう。

持って行きたいアイテム
・ケガに
絆創膏/消毒液/包帯/ガーゼ/創傷被覆材/サランラップ/固定テープ
・やけどに
冷やしタオル/鎮痛薬/非ステロイド軟膏(患部に塗ると治りが早まります)/コップ、ビニール袋
・虫除けに
虫よけスプレー/虫よけキャンドル/蚊取り線香/ステロイド軟膏/抗ヒスタミン剤/ポイズンリムーバー

ポイズンリムーバー
一家にひとつ持っておきたいのがポイズンリムーバーです。傷口に吸い出し口を当て、レバーを引いたり、ピストンを押すことで、皮膚の下にある毒を吸い出せます。蜂やムカデなど強力な毒を持つ虫に刺されたときの応急処置に、用意しておくとよいアイテムです。

刺されたら直ぐにポイズンリムーバーで応急処置!
:ミツバチ、アシナガバチ、スズメバチなど。中でもオオスズメバチの危険度は高く、土の中に巣を作ることが多い。
ムカデ:刺されると30分くらいは動けなくなるほど痛い! 山よりも海辺のキャンプで多く見かけます。
ブヨ:蚊より大きくハエより小さい。人の身体を口で噛んで吸血します。蚊より痕が大きく強いかゆみが残る。
:「困った虫」の代表格。池や水たまり、川の流れが弱い淵の近くに発生しやすく、テントはできるだけ離れて設営したほうがよいでしょう。
マダニ:藪に潜む小さな虫は、対策は潜む場所に「近寄らない」こと!

スズメバチは決して手で払わない!怒らせるだけ。その代わりにこれを試してみよう。

粉コーヒー
ボールに粉コーヒーをとり、ライターで少し燻しましょう。煙がスズメバチを遠ざけます。
にんにく
スズメバチはにんにくの芳香油も苦手。にんにくを割って置いておきましょう。
茶色の紙袋
これは面白い方法です。大きめの茶色の紙袋を置いておくと、スズメバチは他のハチの巣があると錯覚して戦いを避ける為に近寄らないのです。

つくってみよう!カンタン虫除けスプレー
ハッカ油で虫除けスプレー!
市販のものより虫除けの威力は落ちるのですが、日常的に使うのであれば安心して使えコスパも良い「ハッカ油」で虫除けスプレーを使ってみませんか?ハッカが苦手な虫は【ゴキブリ・蚊・コバエ・アリ・ダニ】など。

◎ 用意する物
・無水エタノール(10ml)・ハッカ油(20~40滴)・精製水(90ml)
・スプレー容器(ハッカ油はポリスチレン(PS)を溶かしてしまいますので「ポリプロピレン(PP)」「ポリエチレン(PE)」「ガラス製」「陶器」「耐油性」「耐アルコール性」の容器を)
◎作り方
①-無水エタノール10mlとハッカ油20~40滴を良く混ぜる。 ②-スプレー容器に移し、精製水90mlを加え良く混ぜる。 ③-使用する時は良く振って。使用期限は約1週間から10日。しっかり虫除けをしたい時はハッカ油の濃度を上げる。
◎使い方
コバエ・ゴキブリが出そうな台所・ゴミ袋・エアコン周り・部屋・車の中◎ダニがいそうな布団・カーペット・畳◎蚊や虫が入りそうな網戸、玄関にスプレー。
◎ハッカの効用
抗菌効果:メントールに高い抗菌性。
覚醒効果:神経を落ち着ちつかせイライラや眠気・ストレスに効果的。
殺虫効果:ほとんどの虫が嫌いなハッカの香りで虫を寄りつかないようにします。
消臭効果:天然の芳香剤になるハッカは人間とペットにも優しい成分。部屋のダニには100%の殺ダニ効果があると報告もされています。梅雨時期からしっかり掃除をしていても体が痒く感じる時には、布団やカーペット、畳にハッカ油スプレーをしてみて下さい。

虫に刺されたらハッカバーム
「ハッカ油」バーム(軟膏)

◎ 用意する物
ワセリン(10g)ハッカ油(6滴)容器
◎作り方
ワセリンとハッカ油を混ぜるだけ。密閉容器で保存。混ざりにくく感じた場合は、湯煎したり、ドライヤーで溶かします。ワセリンは、不純物が少ない「白色のワセリン」で日本製を選びます。
虫さされのほか・軽い切り傷・かゆみどめ、肩こり・頭痛・鼻づまり・心身疲労・乗り物酔いにも効果があります。


vol.184 カタコトの部屋 災害時に役立つパッククッキング

災害にあったときのために、知っておくと便利な「パッククッキング」。
今回は参加ママたちが、お米1合(もしくは主食メニュー)と、
パッククッキングおかずメニュー1品を各自で準備し、持ち寄りました。
ガスコンロとボンベを使ってさぁ、挑戦!

パッククッキングとは、ポリ袋に食材を入れて湯せんで火を通す調理法。ガスや水道、電気などのライフラインが使えなくなっても、カセットコンロ、鍋、水、ポリ袋を準備すれば簡単な食事を作って食べることができます。

今回のメニュー
主食:ごはん、炊き込みごはん
リンゴジュースで炊くごはん
(炊飯用の水が不足と想定して)
おかず:野菜スープ、肉じゃが、さつまいもの塩煮、汁なし中華そば、切干し大根煮、ポテトサラダ カレー味
おやつ:バナナ蒸しパン、米粉ういろう
※番外編:味噌玉で味噌汁
冷蔵庫にあるものを、味噌でくるむだけで、食材の保存期間も長くなり、パッククッキングのお湯が使える。

用意するもの
食材・調味料・水・カセットボンベ・ガスボンベ・鍋・ポリ袋(耐熱性のもの)
災害時にあると便利
牛乳パック(切って食器に、切り開いてまな板に)
キッチンばさみ・ナイフ

作り方はかんたん!
① 材料と調味料を袋に入れる。空気を抜いて袋の上の方で口を結ぶ。(調理で温まった空気が膨張して袋が破裂しないよう)
② 鍋にお湯を沸騰させます(今回は5ℓ使いました)沸騰まで17分
③ 袋を入れて蓋をし、ふきこぼれないように30分間温める。
※袋が底やふちについてしまうと溶けて破れる可能性あり
汁なし中華そば15分、ういろう25分で取り出す。
④ 30分たったら袋を取り上げ、ごはんは10分蒸らす。
※鍋のお湯はまた使えます。

tocotocoメモ
今回は炊飯用、鍋の水合わせて6ℓの水と、
ガスボンベは1/2本を使用しました。
災害時に1日2回パッククッキングするとして、
1日1本のボンベが必要という計算になります。
ただ、その日の気温などでもっと必要になるかも。
多めに準備するといいでしょう。

いっきにできたよ!ほっかほか〜♪

 

参加ママたちの感想
★実際に震災が起きたとき、初めてではできないかも。でも、一度経験したのでいざというときでも作れそうです。
・蒸しパンがおいしかった。味噌玉は保存が効くしすぐ作ってみたいと思いました。(Mさん)
★どんな袋を使えばいいか比べてわかりました。
・鍋のお湯が体拭きなどに使い回しできるところがいいわ。
・今回、自分で準備したので勉強になりました。(Yさん)
★りんごジュースご飯が冷めた後、お酢を加えて酢飯にアレンジ、とは目からウロコでした!
・車麩など水分吸うものが腹持ちがよく、重宝することがわかりました。ストックしておきます。(Kさん)
★高密度ポリエチレン袋でもパッククッキングに対応していないものがあることがわかりました。できれば厚手で破れにくい日本製だと安心して使えそうです。
・数種類のおかずと主食が一気にできるから、全部ができたてほかほかの温かい状態で食べられる。震災時にはとても安心すると思います。
・途中で味見ができないから、濃い味や凝った複雑な料理より、シンプルなのが美味しいと思いました。(Tさん)

子育てコミュニティ toco toco
子育て世代のやってみたい、知りたい、学びたいことを、自ら企画・運営。誰かが講師、受講者という立場のない、一人一人が活躍する「学び合い会」を中心に、顔と顔を合わせて集う良さを生かした活動を展開中。
問い合わせ:facebook「子育てコミュニティtoco toco」


vol.184 新連載!ここいく日記

ここいくの授業は、幼児から大人まで年齢別にプログラムがあります。幼児から性教育⁉と思われる人もいると思いますが、幼児期の子どもは何にでも興味津々で聞いてきます。「涙はどこから出てくるの?」「月はどうしてずっとついてくるの?」と。それと同じように、「赤ちゃんはどこからくるの?」「ママにはどうしておちんちんがないの?」「セックスって何?」と聞いてきます。幼児が対象の時はそんな素朴な疑問に答える授業をしています。

素朴な疑問に答えることからはじまります。
例えば、性器の話。男の子のおちんちんの後ろにぶら下がっている袋の中にある丸い玉2つ。大人の体に近づくと、この中でいのちのもとが作られる。いのちのもとの名前は精子。女の子もお腹の中に丸い玉を2つ持っている。女の子も同じように大人の体に近づくとそこでいのちのもとが作られる。いのちのもとの名前は卵子。
そして、精子は空気に触れると生きられないこと、だから空気に触れないように子宮へ送り届ける仕組み、性交についても話をします。お父さんの精子とお母さんの卵子が出会い一つになって赤ちゃんになる。赤ちゃんはお母さんのお腹の中で大きくなる。だから女の子のお腹の中には赤ちゃんが育つお部屋「子宮」と赤ちゃんが生まれてくる道「膣」がある。
性器は、いのちを作る大切な仕事をしている場所だとわかれば、大切にすることができます。下着や水着で隠れる場所「プライベートゾーン」は、ぼくだけ、わたしだけの大切な場所。ここぐらいまで話すと、おちんちんというだけでざわついていた子も大切な話をしていることがわかってきます。
精子と卵子の出会いも偶然で、みんなの命は奇跡のような確率で生まれたことを伝えると、どの子もキラキラした目で嬉しそうに聞いてくれます。
いのちの始まり受精卵、自分の始まりが、針の穴ぐらいの大きさだったことがわかると、とっても小さかったことに驚き、自分はここからこんなに大きくなったんだと誇らしげな笑顔を見せてくれます。

生まれてきた時の話を聞くのも子どもたちは大好き。
みんなは自分で生まれる日を決めて、自分の生れてくる力、生きる力を使って生まれてきたこと、そして元気に泣く力があったから、今こうしてここに生きていること。お母さんも痛みに耐え命がけで赤ちゃんを産んだこと、お父さんも他の家族もみんな赤ちゃんが生まれたことをとっても喜んだことを伝えると「ああ!そうなのか」と誇らしげで嬉しそうな顔をします。
これらの話しを通して、みんな違うし、みんな違っていいこと、自分だけでなく他の全ての人の命が尊いというメッセージも子どもたちの心に届きます。

性教育というと、どうしても「性交」を気にする大人たちがいますが、授業後に子どもたちからもらう感想文(感想文は、ここいくの宝物です!)は、親への感謝や、生まれた喜びに溢れています。性交についての感想はほぼありません。性交を伝えることを心配しているのは、大人なんだなぁ~と感じます。

担当:ここいくメンバー・中村暁子でした。

ここいく☎090-3446-8061(中村)


vol.184 リバース14号

花がスミレににているが、スミレの仲間ではなくタヌキモ科。葉の表面や花茎の繊毛から粘液を出し虫を捕らえる。

ムシトリスミレ  Pinguicula vulgaris L. var. macroceras Herder( タヌキモ科 ムシトリスミレ属 )  撮影:長屋泰郎

ムシトリスミレは高山の湿地に生える食虫植物。 葉の長さは5cmくらいで、ロゼットは10cm弱くらいの大きさになり、やや群生する。夏に分枝しない花茎を伸ばして、淡紫色の花をつける。ムシトリスミレの葉には腺毛が密生しており、粘液に小さな虫が絡め取られる。新しい葉は中央から古い葉を押し広げるように伸びてくる。古い葉は虫を抱えたまま土に返り、栄養分を返すと考えればいいのだろうか。7~8月、高さ5~15センチメートルの花茎の先に、紫色の唇形花を1個横向きに開く。捕虫はもっぱら葉で行われますが、花茎にも無数の粘液をつけており、ここでも虫と捕まえることができるそう。多年草。湿原や湿り気がある岩地、地面などに生育する。四国、中部地方以北の本州、北海道から周北極地方に広く分布する。

かんくろうさん(ミュージシャン)

2011年の東日本大震災、なにかしなければと思う自分がいました。それまでは、吉田拓郎のファンで、ファン同士がつながって、拓郎さんの歌の替え歌で反原発、なんて歌っていました。福島で避難を余儀なくされ、飼育していたダチョウや 豚などを放ったのが沈黙の街を闊歩していたり、この歳で 街を離れるなら、という悲惨な現状を歌にして訴えてみた。でも、言い過ぎもよくないからオブラートに包んで、やさしく本質を突く歌を歌っていました。あまり表現が強いとみんな引いちゃうからね。やんわりと、メッセージを伝えるようにしていました。
そんな活動をしていたら、「浜名湖フォークジャンボリー」に応募してみませんか?と声がかかりました。そしたら、選考に通っちゃって。大人数の前で歌うなんて初めての体験でした。それから7年・・・
最初はソーラーバスで登場!というスタイルで音楽活動をしようとは思っていませんでした。もともとボクはアウトドア志向で、キャンピングカーのつもりで、40年落ちのワーゲンを購入しました。屋外でラーメンとか、コーヒーを入れたらおいしいだろうなぁ、ソーラーパネルで発電した電気を使ったらおもろいやンって。
それが反原発の流れで、車にソーラーをつける理由が変わりました。自分の音響の電気は自分でまかなってみようって。野外コンサートというのはものすごい電気を使うんですね。で、電気は自前というスタイルで歌ったら、みんなが喜んでくれるんですよ。発電した電気はあえて直流電気を使っています。電気って流れの方向だけに伝わるのではなく ノイズの逆流も瞬時に伝わるのです。原発由来と 隔離していることにも意味があるのです。
フォークジャンボリーにはすごくたくさんの人が集まりますから、そこで、チャリティーグッズを販売して、売り上げのすべてを福島の子ども達に寄附しています。その他、エコフリーマーケットとかにも出向いて、歌ったり、グッズを売ったり、その売り上げも寄附する、そんな活動を続けています。
ボクの本業はウレタン加工の製造業です。端材がたくさん出るので、それをクッションにしたり、自分のマークをシルクプリントして、チャリテーグッズをつくります。自分で縫いますから 〔シンガー・ソーイング・ライター〕なんちゃって(笑)
今後めざすことは?って、よく聞かれるんですけど、ここまで来たのも、流れっていうか、自分の気持ちに添うことをしているだけです。
で、40年ぶりに新曲を書いたんです。4番まであるんですが、1番だけ披露させていただきます。

♪ 勿 体 無 意 ♪

も も も 勿体ない  も も も 勿体ない
錆びたバンパー 閉まらないドアー バネの飛び出た座席なのに
夢の ような 魔法 のエネルギー
この 車で さすらってみたい 青い風に吹かれてみたい
でも この車 燃費が悪くて 税金も 割高なのです

写真① 子どもたちがソーラーバスを見て「猫バスみたい」っていうので、ノリで装飾してみました。縫うのは得意ですし(^^)
写真② プラグを挿すだけで使える電源はありがたいですけど、ボクはあえて屋根にソーラーパネルをつけて発電して音響に使っています。
写真③ ライブハウスなどで現物のバスを見せられない時にMCネタとして このミニチュアバスをお見せして説明します。(小さいけどソーラーセル本物積んでます)

浜名湖フォークジャンボリーで初めて大勢の前で歌う。エコフリマなどで、ミュージシャンとして登壇する傍ら、自ら改造したソーラーバスで発電し音響に使う。
これは、原発に対する緩やかなアンチテーゼだ。
ちまたでは、おもろいおっさん、中村寛郎さん65才
http://mahalo2.sakura.ne.jp/genki


vol.184 ボーダーレス社会をめざして vol.43


NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

個展を再開
3月にぎふ清流文化プラザで岐阜県の障がいのある人たちの展覧会「花さく、ハレ」がありました。出品作家約30名の中に選ばれ、息子の絵が展示されました。それをきっかけに息子は個展をやろうという気持ちになったようです。7年前に「もう僕は個展はやりません」と宣言したのにもかかわらず、同級生が個展を開いたり、知っている人が個展を開くとやたら気になり、出かけて行っては刺激を受けてきていました。同級生が書道の個展を開いた時には、相当ライバル心を持ち
「僕も賞を取って個展を開きます。」
と言い、書道の道具を一式揃えて、家で書道を始めました。
「あっちゃん、書道の個展を開こうと思ったら、全国コンテストで入賞しないとだめだし、難しいよ。あっちゃんには、絵があるから絵で個展開けばいいんじゃない。」
と伝えました。自分の絵が一部の人の間では、評価されているということが全く分からないようです。あれだけ私が褒めてるのにもかかわらず分からないのです。気持ちの上で個展をやると決めてからは「いつ個展をやるんですか?」としつこく聞いてくるので、7月14日~23日岐阜駅の隣のハートフルスクエアGの2階でやることにしました。それ以後、息子は新作を創らなくてはと、俄然張り切っていろいろな絵が出来上がってきています。これは???という作品が多いのですが、今回は本人が喜ぶ作品展を考えていますので、私が気にいらない作品もどんどん出そうと思っています。
自閉症の人は、一度言ったことは覆さないと思っていたのですが、「個展をしたい」とは・・・ちょっとびっくりです。1月頃から彼の調子がいまいち良くなかったのですが、毎日毎日絵を描き続けているので、少しずつ安定してきています。何かすることがあるというのは、自閉症の人には必要なようです。自由という時間が、一番彼らは苦手です。何をしていいか分からないからです。スケジュール表を作るなど、見通しが立つと気持ちが安定するのだと言われます。しかし、自閉症といっても十人十色です。そんなスケジュール表が必要な人ばかりではありません。息子はどちらかというと、スケジュール表は必要がない人です。自分で一日を組み立てることが出来るようになってきているので、人からの指図は苦手です。それだけ自分というものが出来、大人になったということでしょうか?
今回はDMも自分で作りました。どんな展示にするか?悩ましい所ですが、一緒に考えていこうと思っています。土、日、祝日は会場におりますので、是非ご来場下さい。


vol.184 人生これから えんぴつ・カフェ

第5回 えんぴつ・カフェの報告
今回は、お墓の話題で盛り上がりました。実家が遠い、墓守が負担にならないようにしたい、連れ合いと一緒の墓には入りたくない、そもそもお墓は要らない、散骨しておしまいにしたい、手元に置いておくのがいい・・・などなど、それぞれの思いを語り、共有しました。

千の風になって〜♪という歌の通り、お墓の前には亡き人はいないんだから、とか、いやいや、やはり、ご先祖さまがが帰るところとして必要だし、お墓の前で手を合わせると落ち着くし、墓に心のよりどころを感じるのも確か、なのでやっぱり必要だわ、とか。こんなおしゃべりを通じて、自分の考えを調整したり、確認したりするのが“えんぴつ・カフェ”です。
みなさまの参加を、お持ちしております。

次回のえんぴつ・カフェ
と き:第7回・7月21日(土)
じかん:13:30-15:30
ところ:産業文化センター2階第1会議室
会費500円
(紅茶&お菓子を楽しみながら、座談会形式で情報を交換しながら書き込んでいきます。)

えんぴつ・カフェ 開催日程
会場:各務原産業文化センター2F第4会議室
時間:13:30−15:30(会場は変更の場合がありますのでお申し込み際にご確認ください)

7月21日(土) おしゃべりしながらノートに書き込む

8月はお休み

9月20日(水) スペシャル第2弾「成年後見人制度って?」
講師:青木文子氏(司法書士)
成年後見人制度って知ってる?制度をよく理解し、自分や
家族のライフデザインを設計してみます。

10月18日(木) おしゃべりしながらノートに書き込む

11月18日(日) スペシャル第3弾「終末期医療を考える」
講師:木田盛夫氏(木田ファミリークリニック副院長)
終末期医療について、実情を検証しながら、在宅のメリット、デメリットを学びます。

12月はお休み

2019年 1月19日(土) スペシャル第4弾「在宅の現場から」
講師:入学佳宏氏(ケアマネージャー)
ケアマネージャーから在宅の現場の声を聞き、介護や看護
のあり方を考えます。

2月20日(水) おしゃべりしながらノートに書き込む

3月20日(水) スペシャル第5弾「どうお別れしますか?」
講師:市川雅清氏(一級葬祭ディレクター&終活アドバイザー)
えんぴつ・カフェで常に話題になる葬儀やお墓の問題それ
ぞれの土地柄や実情などを含め情報交換します。

スペシャル:講師の基調講演を聴いたあと、講師を囲み感じたことなどをシェアします。会費1,000円(紅茶&お菓子付き)

えんぴつカフェの問い合わせは
田辺 090-5638-7044 三上 090-7854-4561


vol.184 ホスピスナース奮戦記 vol.9

緩和ケアのむずかしさ
今日の一件目の訪問は、40代後半の女性だった。膵臓がんの末期。ベッドに横たわるその患者さんは、体中の脂肪も筋肉もすべて失ってしまったように痩せていた。肌の色は、黄疸もあって灰色がかった黄色をしていた。意識はもうろうとしていて、時折、おおきなうなり声をあげている。時々かろうじてうなずくだけの反応が確認できたが、もう意志疎通は難しかった。顔は苦しそうな表情をしていて、頻繁に寝返りを打っている。とても安らかな様子ではない。ベッドの脇には中学生くらいの息子さんと夫がいた。夫は、「妻は、朝からずっと痛み止めが効かなくてうなっている。痛みで落ち着かない。どうか痛み止めの量をあげて、楽にさせてあげてくれ」と言った。もう昨日から尿もでていないし、何も口にしない。家族の覚悟はできているという。
痛みや不安感の緩和は、ホスピスケアの中でも最優先事項。ただ私は訪問前に読んだ、前日に担当看護師の書いた記録がすごく気にかかっていた。そこには、患者さん本人から担当看護師に、「多少痛みがあってもかまわないから、痛み止めを減らしてほしい。痛み止めで意識が朦朧としたり、眠くなったりするのを極力抑えたい。痛みがあってもいいから、自分の息子としっかりした意識で会話できるように痛み止めを減らしてほしい。」と頼んだ様子が記録されていたのだ。
私は、ここでとても迷ってしまった。この状態で痛み止めの量を増やせば、たぶんきっとこの患者さんはこのまま意識がはっきりと戻らずに死を迎えるだろうと予測された。今ならかろうじてうなずいたりできる。
 私は、この家族を知らない、私はこの患者を知らない、彼女はどれだけ息子さんと会話できたのだろうか。昨日の夜からどれだけの痛みを抱えているのだろうか、またどれだけのことを伝えたのだろうか。家族に患者さん本人の希望で前日から痛み止めの量を減らしたことを伝えても、もうそれどころではなかった。患者さんの苦しそうな姿をみていると家族はいてもたってもいられない。そばにいる息子さんは、現実をみないようにしているのか、訪問中はずっとうつむいてゲームをしていた。今にも死にそうな変わり果てたお母さんの姿を前に、彼なりに踏ん張っているんだろう。本当は、ものすごく患者さんに聞きたかった。ちゃんと息子さんに伝えたいことを伝えられましたか?
今となっては本人にしかわからない。それができずに痛みだけに耐えていたら、と思うと心が痛んだ。また、そんなお母さんの姿をみているこの12歳の息子さんのことを思うとさらに心が痛んだ。この患者さんは現時点ですでにバイタルサインだけみても死が近いことが予測できたし、すでに相当量の痛み止めを必要としていたから、現時点で痛みのコントロールをしてなおかつ会話のできるような状態まで意識を戻せることはないだとうと思った。夫も他の親族もいよいよ最後だと言った。
私は、言葉だけがコミュニケーションではない、きっとこの患者さんは最期まで息子さんへ愛をこめていろんなメッセージをおくっているはずだ、と自分に言い聞かせて、痛み止めの量をあげる指示をもらった。パッチの痛み止めも張り替えて、必要な時に痛みや苦しそうなレベルに合わせてあげられる経口の痛み止めもあげて、新しい分量を家族にも説明した。帰る前に息子さんにもお別れをいったら、やっぱり黙ってじっとゲームの画面を見つめていた。
母親であり、妻であり、姉である患者さん、でもやっぱり自分の子供のことを一番考えていたのだろうと思う。この患者さんは、次の日に亡くなった。どうか、患者さんのメッセージが息子さんへ伝わっていますように。

 

わかばま〜く:プロフィール 1982年生まれ。ニューヨーク州立大学卒業後、ニューヨーク市立病院に看護師として4年勤務。現在は訪問看護師としてホスピスケアに携わっている。岐阜県各務原市出身。


vol.184 ぎむきょーるーむ 発達障がい大人が変われば「薬」はいらない!?

大人にとって「便利なもの」だから・・・・・・・・・・ 嶋田 和子
学校と医療がつながる理由

教師が手に負えない子は精神科医に

学校・医療者・薬がつながるのはなぜなのか?この疑問に答えるのは案外、カンタンかもしれません。
発達障がい、ときにADHD(注意欠陥・多動性障害)に使われる薬が、学校の先生や医療者、保護者、本人、そのほか本人をとりまく周囲の人たちにとって、たいへん「便利なもの」だからです。
飲めばある程度の、目に見える効果が得られると感じている人が多いわけです。多動が治まったり(治まったように見えたり)、勉強に集中できたり(できたように見えたり)、要するに子どもの言動に変化を及ぼすことができる(と思われる)薬なのです。
私はフリーのライターとして精神医療問題をテーマに、この7年いろいろ取材を重ねてきましたが、発達障がい、ときにADHDの対する投薬は、これまでの精神医療分野で問題になってきた多剤大量処方の問題とはまた別の側面があると感じています。
それは、集団にうまくなじめない子どもを、病気、障がいという概念を飛び越えて、その便利な薬によってなんとかしようとする大人の側の論理の存在です。
最近、「連携」ということが盛んにいわれるようになりました。学校と精神医療の連携です。一昨年の日本精神神経医学会において、そのシンポジウムに招かれた現役の中学校教師二人が、「学校現場は精神科医の助けをもとめている」とラブコールを送ったことは、私にはたいへんな驚きでした。教師では手に負えない子どもたちを精神科医にゆだねたいという、なんとも露骨な主張に、「教育の放棄である」として出席した先生たちに抗議文を送りましたが、いまなお、なしのつぶてです。

窮屈な教育現場の中で

しかし、私には驚きでしたが、現実の学校現場ではすでにそういうところにまで行ってしまっているのかもしれません。
スクールカウンセラーやソーシャルワーカーは、学校と精神医療をつなぐパイプ役になっているという話も聞きます。
それはある意味で、手のかかる子どもを教室から「排除」する役割も担っています。「排除」のために、発達障がい概念は大変便利であり、薬は手っ取り早い
手段なのです。
薬を飲めばなんとかなる。薬が解決してくれる。病気、障がいには薬は必要である・・・・・・。
発達障がいは服薬することで本人も楽になると言う考え方も広まっています。
「薬を出すこと以外できることはない」といった児童精神科医もいます。先日話を聞いた小学校の先生は「薬に疑問を抱いている教師は、ほとんどいません」といっていました。
社会全体がこの薬の「依存」に陥っているのです。
もちろん、こうした背景には、現代の教育現場の窮屈さもあるでしょう。クラスで起こったことはすべて担任の責任となれば、薬を飲んでもらって未然に「事件」を防ぎたいと考える先生がいたとしても不思議ではありません。校長の評価が気になったり、保護者の意見が気になったり・・・・・・その板挟みで学校の先生は「薬依存」に陥っていくのでしょう。
一クラスの人数が多すぎて、一人ひとりにかかわる余裕がないという事情もあるようです。書類仕事が多すぎるという意見も聞きます。そういう現実的な大人の側の問題の陰で、子どもが薬を飲むことになるとしたら、やはりその服薬はけっしてその子のためではない。
私はこの7月、『発達障害の薬物療法を考える』(彩流社)という本を出版しました。本を書くにあたってあるスクールソーシャルワーカーを取材し、本書の中で「闘うスクールソーシャルワーカー」として紹介しています。彼女はみずから子どもを医療につなげたことは一度もないといいます。
「発達障がいに精神科医はいらないです」といいきった彼女の言葉が印象的でした。「発達障がいは精神の問題じゃない。”発達“なのだから、かかわり方でよくなっていきます」。

子どもたちを医療に手渡す前に
前出、小学校の先生から聞いた話です。いつも人のものを取っては走って逃げる男の子がいました。先生も同級生も彼を追いかけ、取り返そうと躍起になりましたが、彼とずっとクラスがいっしょだった女の子がポツリといったそうです。「あーあ、ほっとけば、すぐに返してくれるのに」。
子どもたちは多様性の中で成長します。一方、障害児と健常児がいっしょに学ぶインクルージョンではない特別支援教育は「排除」の教育です。
多動ということで薬を飲ませて、その子がじっと椅子に座っていられることがそれほど重要なことでしょうか。薬を飲んでおちついたから、それで問題解決とばかりに、先生や周囲の大人がその子に対して丁寧にかかわることをやめてしまったら、その子にそのあと、どんな心の成長があるのでしょうか。あるいは、だからこそ、薬をやめることができないまま、延々と飲みつづけることになるのかもしれません。
連携という名のもとに教育現場が「医療化」することの“おかしさ”を、いま一度考え直してみる必要があります。子どもたちを医療に手渡す前に、学校の先生だけでなく、私たち大人の側も、できることはまだまだたくさんあるはずです。

しまだ・かずこ
フリーライター 2010年にブログ「精神医療の真実」を立ち上げ、精神医療の被害を中心に取材・執筆を続ける。著書に『ルポ 精神医療につながれる子どもたち』『発達障がいの薬物療法を考える』(彩流社)、『精神医療の現実・・・・・・処方薬依存からの再生の物語』(萬書房)

ジャパンマシニスト社 おそい・はやい・ひくい・たかいNo.99より


vol.184 半農半Xという生き方 vol.25

一人歩きの会
ふと思い立ち、自宅の綾部市からお隣の京丹波町の道の駅「和(なごみ)」まで歩いてみました。27号線沿い、約25キロの道のりです。朝方は雪で長靴を履いてだったので、約4時間ほどかかりました。車なら30分といったところでしょうか。時間はかかりましたが、歩くといろいろなものが見え、味わい深くすべてが愛おしく感じました。いつか、今度は和知から須知まで歩く予定です。そして、またもう1日かけて今度は須知から亀岡へ。さらに亀岡から京都市内をめざす予定です。なぜ歩くのか。そう問われれば、一度、先人のように京都まで歩いてみたかったからと答えるでしょう。我が村ではその昔、京都市内の有名社寺より、神輿を購入し、持ち帰ったという記録があります。歩くだけでも大変なのに、よくあの重いものを持ち帰ったものです。先人への敬意を表し、歩いてみたいと思うのでした。車ならあっという間ですが、排気ガスも出さず、化石燃料も減らさず、ゆっくりと風景を楽しみながら、歩いてみたいと、ふと思ったのです。

アザミの楽園
草刈りシーズンになりました。これから秋祭りのころまで、草刈りに追われる日々となります。草刈りの際、胸ポケットにはペンと紙を入れ、ひらめきがあったら書き留めています。五感が刺激されて、いいアイデアが浮かぶことが多く、草も刈れてきれいになり、アイデアも収穫でき、一石二鳥です。唯一残念なことは草むらのカエルをときどき殺してしまうこと。今年は平和でありますように。草を刈っていて、アザミ(薊)の花に出会うと、幼稚園の担任の先生のことを思い出します。遠足のときだったか、先生はぼくたちに「私はアザミが好きです」と言われたのです。そのことばをぼくはなぜか覚えているのでした。綾部にUターンをして19年ですが、野のアザミはできるだけ刈らず、残すようになりました。すると、畑の一画が美しいアザミ野に。村の方が足をとめ、「アザミってこんなにきれいだったかいな」と言われたときはうれしく思いました。タダと言っては何ですが、お金をかけず、アザミがきれいなミニ名所ができたらなと思い、今年もアザミを刈らずに大事に残します。

塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は翻訳されて、台湾、中国、韓国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。

※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題(どう生きるか)を背景と する。持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。ex.半農半漁、半農半大工、半農半看護師、半農半カフェ、 半農半絵描き、半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。


vol.184 未来に続く暮しの学び Part-26

続けるということ
5月1日、私たちの運営するエコビレッジ/リトリートセンター・パラダイスワンは5周年を迎えました。
試行錯誤をくり返した5年間ですが、これからどうしていこうかという、方向性の転機となる年を迎えた感じです。
この5年間で、パーマカルチャーを主軸とした畑つくりと様々な国籍の人たちとのネットワークは、うまく機能してきたと思います。また、音楽、アート、ヨガ、瞑想、ワークショップ・・・などいろいろな分野で活躍している人たちに場所を提供したことで、得られた気づきも多くありました。
ほんとにたくさんの人たちの力を借り、協力があればこそ続けてこられたと思うと、感謝と喜びであふれる思いです。しかし、その喜びの反面、打ち抜き検査で、市役所の衛生管理局から、いろいろと指摘されたのが5周年記念の5月1日。65人規模の団体を受け入れて一番忙しい時期に検査が入るとは。。。。。実は、その少し前から、施設の設備(配管やキッチンなど)いたるところに不具合が生じ始めていて今後の運営をどうするか考えていたので、これも面白いタイミングだなと思いました。
役所とは、うまくつきあっていこうと話し合い、やるしかないのですが、提出する書類の多さに頭をかかえ、憂鬱になりました。
まさに、やる気を吸い取られるという感じ。とにかく役所とのやり取りは、仕組みがややこしすぎますよね。例えば、コンポストのトイレ、排水の処理、飲み水の確保、残飯の処理、生活をするうえで不可欠な部分を自分たちの住む環境に適した方法で確立する。それを全部書類で市に提出しなければいけないというのは、相当量の作業です。
でもこのタイミングの出来事は、持続可能な生活とはなにかを問いかけられ、もう一度自分たちが考えるきっかけにもなりました。
社会の仕組みを理解したうえで、持続可能な生活をアピールしながら施設を運営すること。それが、今の自分たちのミッションだと思っています。       Yao


vol.184 菌ちゃん野菜応援団 第5話

どんどんお日さまが力強く輝くようになりましたね!!
日も長くなって我が家の子ども達はいつも6時過ぎまで遊び呆けております。
草の勢いも、日に日に無視できない高さになり。。先日は草刈り機をお借りして一気に広い畑を刈り取りました。もちろん、刈った草は畑に戻すんですよー。こんなところも循環なんですね。
畑仕事も本格始動。夏野菜の植え付けを済ませた方も多いのではないでしょうか??

今回私たちが行ったのはお芋の苗植えです。
SNSでよびかけたところ、お子様連れのママを含めて10名ほどが集まりました。 広い畑を耕運機でおこして畝立てをし、一本づつ植え付けていきます。
今回は干し芋に最適な紅はるかをチョイス♥芋掘りはしたことあるけど、苗を植えるのは初めてです!という方が多かったですよ。
まぁ、ザクッとやってグッと押し込んでギュツと踏み潰すんですけど。。ってわからんですね。。
ぜひ、体験に来てみてくださいね!人数が多かったので里芋の植え付けもできました。
こちらもザクザク歩きながらぽいっと
入れてざっと土をかけて。。はい、わかりませんね(^_^;)

土に触れてると最初はきついけど、そのうちだんだんと元気になる気がします。
いつまでもはつらつとしていたい方、ぜひ土いじりしてみてくださいねー。


vol.184 夢か悪夢かリニアが通る! vol.13

さよなら椿魚市場

JR名古屋駅西口近くで戦後約70年にわたり市民に愛されてきた「椿魚市場」が5月末、営業を終えました。JR東海が進めるリニア中央新幹線の名古屋新駅建設のため、立ち退かざるを得なくなったからです。最後まで営業したのは、マグロ専門店など7店。「長い間ありがとうございました」「体に気を付けてね」。場内には、店員と客が互いを労わり合う声が飛び交いました。 ジャーナリスト・井澤宏明

最終日の営業をほぼ終え、記念写真に収まる椿魚市場の人たち(5月31日)

戦後の露店から70年
戦後、椿神社周辺の露店からスタートした同市場。1950年ごろには、神社向いの約500平方メートルの敷地に木造の市場が建ち、30店余りが入りました。
東海道新幹線の開業(64年)に伴う区画整理で3分の2になった敷地に、鉄骨造りのビルが完成したのは67年のことです。
親子2代続く店も多く、家族同然の付き合いを続けてきました。トラックが来れば、手が空いている人は皆で魚介を降ろします。
リニア予定地にかかるのは市場のほんの一角。残った土地で商売を続けたいという人もいましたが、高齢の店主が多いため、土地を売って7店とも店を畳むことを決めました。
「魚富」の橋本博さん(84)は新制中学を卒業し、17歳からこの市場で働いてきました。「65年もやった商売やで、ぱっとやめよと言われても寂しい」とこぼします。リニアについて問うと、「我々高齢者には何の魅力もないな。忙しい人はいいだろうけど、新幹線でも速過ぎるぐらいだもんね」。
長男の隆夫さん(55)は「仕方がないですよね。サラリーマンの方でもリストラや倒産はあるので」と忙しく包丁を動かしていました。翌日から、別の市場でアルバイトをしながら、お得意さんへの配達を続けています。
新駅工事で立ち退き対象となる地権者は駅東西の約120人。「一日でも長くおりたい」と立ち退きに応じていない家もあります。
椿神社の杜の一部も予定地にかかり社殿も移動する必要がありますが、氏子の一人によると、土地を交換するか売却するか、まだ結論が出ていないそうです。

大深度地下から脱出できる?
名古屋市や春日井市では5月、リニアの大深度地下トンネルの住民向け説明会が開かれました。地下40メートル以上の深さの「大深度地下」使用認可を国土交通相に申請したことから行ったものですが、説明会開催の告知をトンネル上の住民に戸別に行わないで、自治体の広報誌や回覧で済ますなどずさんな対応が明らかになり、各会場で不満の声が上がりました。
10日に名古屋市東区で開かれた説明会には約130人が参加しました。会場には、JR東海の若い社員が大勢詰めていましたが、これらの社員がルート上の家を戸別に回ることがそんなに難しいとは思えません。
説明会では、地震などで緊急停車したとき、大深度地下から地上へどのように避難するのかを巡り、参加者から様々な疑問が投げかけられました。
JR東海によると、緊急時には車内からハシゴと階段でトンネル下部の避難通路まで降り、最寄り駅か約5キロごとにある非常口まで歩いて移動、エレベーターや階段を使い地上に脱出します。
これに対し、「乗客全員が避難するのに何時間かかるのか」という質問が出ましたが、担当者は「避難通路はしっかり加圧して火や煙は入ってこない構造になっており、避難の時間は関係ない。ゆっくりでいい」と回答。他の参加者から「乗客がパニックになる可能性がある。慌てなくていいと言うのは不親切だ」と指摘され、「開業までに、訓練を通して避難時間を決めていきたい」と答え直す場面もありました。
「車いすなどの障害者はどうするのか」という問いに対しては、「乗務員が背負って降ろす。乗客にも協力していただく」との答え。歩行困難な乗客を避難通路から車両で救出する計画も示しましたが、大深度地下でのバリアフリー対応が極めて難しいことをうかがわせました。
大深度法によると、国の認可を受ければ、大深度を地権者への補償なく使用することができます。JR東海は東京、神奈川、愛知の3都県の計50・3キロで大深度の使用を計画しています。

最終日もいつもと同じようにマグロをさばいた(宇野商店で)

 


vol.184 かなでの沖縄だより vol.8

平和について語り合いたいと、各務原市の中学生でつくったPeace of peace。主要メンバーの小田奏さんは、2017年春から沖縄の大学生に。それを機に彼女の平和への思いをリポートします。

6月23日は「慰霊の日」
去年もこのコラムに書かせてもらったのですが、6月23日が沖縄にとって特別の日だということを覚えてみえますか?
私も恥ずかしいことながら、沖縄に来てからこの日が慰霊の日、沖縄戦が終わった日だということを知りました。でも、去年のこの日は怖くて外に出ることができませんでした。この日、学校はお休み、沖縄全体が悲しみの色に染まります。それは戦争から73年経った今年も同じです。そんな私も沖縄県立芸術大学に入学して、モーツァルトレクイエムコンサート(戦没者を慰霊するコンサート)にも出演させていただき、さらに思いが深くなりました。
沖縄戦は太平洋戦争末期1945年、沖縄諸島に上陸したアメリカ軍を主体とする連合国軍と日本軍との間で行われた戦いのことをいいます。太平洋戦争唯一の日本の国内で戦われた上陸戦です。その爪痕はまだ残っていて、戦争の恐ろしさを語ってます。大学のある首里もたくさんの犠牲者が出たところの1つです。首里教会には、銃撃戦でボロボロになった十字架がまだ残ってます。

日常生活

しかし、沖縄戦について考えなければならない、もっと知らなければならないとは思っているものの、悲惨なものすぎて、怖くて手を出せないというのが現状です。
最近、沖縄では基地の建設が強引に進められていたり、オスプレイ問題だったり、たくさんの問題で溢れかえってます。オスプレイが飛んでいるのをよく見るし、街では基地建設反対の運動がたくさん行われています。緊急着陸したり部品を落としたりと、トラブルが絶えないオスプレイやその他のヘリが飛んでいるのを間近で見ると、やっぱり「なんで飛んでるのかな?必要あるのかな?」と不思議に思うし、沖縄県に基地って必要なんだろうかと疑問に思います。
この前、アルバイト先の小学生の子に「かなちゃんにとっての平和ってなに?」って聞かれました。答えた後に私も「なら、りょうちゃんにとっての平和ってなに?」って聞き返したら、笑顔で 「みんなで遊んでる時!」って答えてくれました。小学一年生の子でもこんなことを聞いてくるって、もしかしたらなにか変だなと感じている部分ってあるのかなと考えてしまいました。私もまたおんなじようなことが起こるんじゃないかって感じているから…。変だなと思ったことを発信できる雰囲気であって欲しいし、「平和だよ!」って自信を持って言えるようになりたいなと思います。それよりも、今年の6月23日はしっかりと街に出て、平和の空気をしっかりと吸い込んで、平和であることに感謝したいと思っています。

写真上:「平和の礎」  写真右:平和祈願慰霊大行進・6月23日 午前9時~午前11時半まで、糸満市役所から平和祈念公園(糸満市摩文仁)まで約9㎞の道のりを歩きます。
(いずれも2016年撮影)

 


vol.184 プレゼントコーナー

PRESENTS 184号

1- あなたの
「エコな夏の過ごし方」教えて!
暑い夏もエコに涼しく過ごそう!あなたの工夫を教えてね。
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名
(第1希望・第2希望)
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、  家族構成

プレゼントご希望の方は
ハガキまたはe-mailで、上記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
〆切:7月25日 当日消印有効。
A、Bはにらめっこ編集室に受け取りに来ていただける方。

宛先
〒504-0855 各務原市蘇原新栄町2-25
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。

 

 

A.完熟もみがら堆肥いぶきのめぐみ (株)農トレ様より…3名様


もみがらに牛糞を混ぜて、発酵・炭化させた堆肥です。臭いニオイもなく、ふかふか!土つくりも苗つくりにも、マルチにも、プランターなどの土の再生にも!
いろいろ使える植物の強〜い味方です。

 

B.グルテンフリー ライスパスタ 青空の下つながろう会様より…3名様

2011年から福島の子どもたちを清見の大自然の中、思いきり戸外で遊ばせたいと始まった保養支援活動。毎年活動を続けています。貴重な活動資源を得るための商品・ライスパスタを提供していただきました。小麦粉不使用、岐阜県産はつしも使用。200g入り2袋。会の様子はface book「青空の下つながろう会」で検索してみてね。

 

C.Jazze! Liveご招待券 アートギャラリー是様より…ペア1組様

林かなトリオ。骨太で弾力のある音を奏でるベーシスト。女性的なしなやかなビート間の中に、ときおり見せるブラックフィーリングが魅力的なトリオです。当日は、是オリジナル石窯ピザ、オーガニックスウィーツなどもに加えカクテルバーも併設。真夏の夜のひとときを過ごしませんか?
7月29日 17:30開場 19:00開演 アートギャラリー是

 

D.CINEX映画招待券 シネックス様より…ペア3組様


映画館は映画の本当の魅力を堪能出来る、唯一無二の場所。皆と喜怒哀楽を共有するも良し。一人画面に没頭するも良し。TV画面やホームシアターでは味わえない、映画本来の姿を楽しみに、さあレッツゴー!写真は「きみへの距離、1万キロ」より。柳ヶ瀬のシネックスでご利用ください。


vol.183 環境特集Part-1 森・川・海 つながるいのち

私を自然と呼ぶ人もいる
私を母なる自然と呼ぶ人もいる
私は45億年以上も昔からここに存在している
あなたたち人間よりも2万2,500倍も昔から
人間がいなくても私は困らない
でも人間は私が必要
そうあなたたちの未来は私しだい
私が繁栄すれば あなたたちも繁栄する
私が壊れれば あなたたちも壊れる
さらに悪いことも
でも私は太古の昔からここに存在している
私はあなたたちより大きい
そして私は多くの生き物たちを飢えさせてきた
私の海
私の大地
絶え間なく流れる私の川
私の森
みんなあなたたちを受けいれてあげられる
でも見放すことだってできる
どのような生き方をあなたが選ぼうが
私のことを考えてくれようがくれまいが
どちらでも構わない
あなたたちの行動が あなたたちの運命を決める
私が決めるのではない
私は自然私の営みは続く
私は進化する覚悟ができている
あなたたちにはその覚悟があるのかしら?
NATURE DOSEN’T NEED PEOPLE
自然は人間を必要としない
PEOPLE NEED NATURE.
人間には自然が必要
ジュリア・ロバーツ/ Nature Is Speaking
「母なる自然 / Mother Nature」

森と川と海はつながっている。では森と人、川と人、海と人がどんな関わりを持っているのか、思いを馳せたり、考えたことがあるだろうか。180号の「平和特集」で、映画「カンタ!ティモール」の監督が、東ティモールの人とあいさつを交わすときに、「あなたの山の名前は?」と聞かれるとか。私たちの暮らしを支えてくれる「水」の出所。その山に感謝して暮らすのがあたりまえという文化。
私たちは水道から飲み水に適した水がいつでも出ることに、慣れてしまった。自然の恵みに感謝する気持ちを忘れないでおこう。森や川や海が元気でないと、私たちはその恩恵を受けられない。
NATURE DOSEN’T NEED PEOPLE
自然は人間を必要としない
PEOPLE NEED NATURE. 人間には自然が必要


萩原・ナバ・裕作さん

森と人をつなぐ
森には人間に必要なものがすべてそろっている。木々は家や家具、燃料となり、また、きのこや動物(肉)を育て、朽ちては肥料に。植物や木の実は人や動物の食料に…。森や里山はわたしたちの衣食住をまかなってきました。
ところが今、私たちの生活では手間を省くことが注目され、時短などがもてはやされています。手間を手放した分、森と人のつながりがなくなってきました。大事にしなくなり、気にしなくなってきた。さらに生活にかかわらなくなって森からどんどん遠ざかってしまった。子どもたちにはせめて、庭木に登ったり、垣根の根っこに潜るだけでもしてほしいです。子どもたちにとってはこれも「森」なんです。身近なところからまず「木に触れてほしい」とナバさん。(写真)
昔はちゃんと上手に木を育て、木を切るときにはお祓いなどをして、木を敬うことを忘れなかったんですね。でもその後、木がお金に見える時代がありました。お金のために次々と植林したものの、木材価格下落が原因で放棄されるようになったんです。そして、昔の人は木の性質もよく知っていて、それは伝統工芸とか曲げわっぱなどに活かされてきたのですが、職人さんが減ってきて、伝承していけるかどうか心配です。

里山の環境が気になります。
便利を覚えると元に戻れない。それは動物だって同じ。暮らしのために毎日森を活用しなくなって、人里との境界線がわかりにくくなりました。そうするうちにだんだん人里に降りてきて、ついに見つけた!食べ物がずらっと並んでいる!!しかもおいしい、となれば、もうその味を覚え何度もやってくるのは、当然の成り行き。来るな!と追い払っても、来る!しかし原因を作ったのは人間の方。甚大な被害に泣く前に、なぜ動物が人里に降りてくるのかという根本的な問題をとらえて対応しないとね。

森は”つくる、生み出す”場所、森とどうつながるか…今後の課題
きっかけ作りと継続的な活動が重要です。子どもに限らず、私たちも木というと木材となってからしか見ていないでしょ。まず生木に触れることだけでもいいから始めて欲しい。そしていろんな切り口で自然体験を積み重ねていく。「一本の木を切る」ということからでも算数、国語、理科、社会をはじめ全ての教科を学べますし、木工、染色、ライブ、アートがあったり、と木を絡めた学びの場はいっぱいあります。
そして遊び場としての森!森で暮らすとか、森の暗さを体験するとか。自分で確かめ、森の中に入っていくことをしてほしいです。頭の中だけでわかっていても、行動しにくいですし、感情を動かすのは体験です!
もう一つ、身近なビタミンN(Nature=自然)を取り入れることが大事。岐阜県は約80% が森林。他県を突出しています。気が向けばハイキングをしたり、自然を楽しんだりできる環境で恵まれています。出かけるのがおっくうだったら、公園や自宅の庭の木でも、とにかく触ってみて欲しい。そこからスタートしましょう。

はぎわら・なば・ゆうさく● 岐阜県立森林文化アカデミー准教授。自由な遊び&自由な学び 環境教育 インタープリテーション。「森と子どもをつなぎたい」「遊びと学びをつなぎたい」「自由と責任をつなぎたい」と思い、アカデミー内にプレーパークや森のようちえんといった実践現場を設け、毎日子どもたちから教わっています。2009年、野外自主保育「森のだんごむし」設立、2012年「みのプレーパーク」設立の仕掛け人。


長屋泰郎さん

自然の中に人工物が立ちはだかると生態系が狂う
川といっても上流、中流、河口と条件は違うけれど、生活排水の影響は、昔とくらべるとそんなに影響はあまりないと感じるよ。汚水処理場ができてから、キレイにしてから河川に流す仕組みになったからね、そのちからは大きい。それに、そこに生息する魚が水を浄化してくれている。でも、その魚も少なくなった。それよりも、河口堰だなぁ。あれができたおかげで、カワウが板取川上流まで上ってくるようになった。エサを求めて上流にやってくるんだ。鮎釣りのシーズン前に漁場に稚鮎を放流すると、すごい勢いで食べてしまう。カワウはグループで漁をする、賢いんです。鮎釣りシーズンになっても、成長した鮎の個体数が少なくて・・・。カワウの駆除に悩みが尽きない。生態系に狂いが生じた証拠だね。

にしても、川ガキがいなくなったよなぁ。小さいころから川で遊ぶっていうこと、しなくなった。親のせいかな。あぶないとか、先回りして禁止してしまう・・・そういう世代が「あそこにダムができるってよ!」っといっても、ピンとこないんじゃないかな。俺らは、早かった。自分たちが慣れ親しんだ自然(板取川)の中にダムができる話が持ち上がったとき、「ダムができるって知っとるか!?」とみんなが騒ぎ始めた。そして直ぐに運動が始まった。若者も含め地元板取の有志で「大釜倶楽部」を作ってダムを考える会として自然は自然のままにと、啓蒙活動も始めた。運動は闘争に変わっていった。それこそ巨大マンモスに竹槍でつついていくような状態。それでも粘り強く反対運動をしたが、ダム工事は進み、正式な調印までされてしまった。だけど大釜倶楽部の運動の成果として、工事の引き延ばしまでこぎつけた。その間に世の中が変わったんだ。原発があちこちに建設され、状況が変わった。需要の低迷などもあり、2006年に中部電力は建設中止を発表した。
われわれはソフトにやんわりじりじりと攻めたよ。マスコミにも何度も足を運んでもらって、紙面や映像として取り上げたもらった。大規模なダムの建設が止まるってめずらしかった。結局、中電は300億円くらいをばらまいたね。いくらお金をばらまいても結局は人口が減って地域の活性化にはつながらなかった。
[ダムで活性化ではなく、自然で人を集めていくべき。多くの人に川浦渓谷の美しさを知ってもらい、守ることの大切さを感じて欲しい]当時、泰郎さんが語ったことば(岐阜新聞)

ハンタイ!!と声をあげる前に
川浦渓谷の案内人でもある泰郎さんは「こぶしをあげて声を荒げてダム建設反対!ってやるのは好きじゃねぇんだ。それより、この渓谷の美しさを体感した人が、自然は守らなきゃ、と口々に伝えてくれる。草の根的だけど、それが大事」と話す。川浦渓谷には貴重な動植物が発見されており、保全対策も懸念されている。特に険しい岩場の水がしみ出す急斜面で長野県が西限とされている希少種のビランジ(ナデシコ科)の群生地、高山性の食虫植物・ムシトリスミレ(タヌキモ科)の発見者はいずれも泰郎さん。中電が計画していた川浦水力発電所について「環境アセスメントにこの2種の花は入っていない。よく調べて保全して欲しい」と訴えた。また水のきれいな渓谷に生息するナガレタドガエルやナガレヒキガエルもいて、まさに生物多様性が認められる渓谷だ。手つかずの原生林は豊かな暮らしを私たちに与えてくれる。
暮らしの中に川があり、川で遊び、川の恵みを受けて育った泰郎さんと共に運動を続けてきた人たち。その川が、経済の仕組みで川らしさがなくなることだけは避けたかった。ひたすらに生まれ育った土地を愛し、川を愛した泰郎さん。
「まぁ、あれがオレの青春だったなぁ。」と最後にひと言、感慨深げにつぶやいたのが印象的だった。
ながややすろう 庭師のかたわら、炭焼き小屋を建てて趣味の炭を焼く。アーティチョークや竹など思いも付かないものを炭にして楽しんでいる。写真家でもあり生粋のナチュラリスト。板取在住。

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7月21日は海の日

地球の7割は海です。そして地球の酸素の70%は海から作りだされている事、ご存じでしたか?森林はCO2を吸収し、光合成をして酸素を作っていますが、海の中でも光合成は行われ、太陽の光が届く海面に近いところに住んでいる植物プランクトンや、海藻が光合成をして酸素を供給してくれています。
外から見ているだけでは、一見きれいに見える海も、近年、地球温暖化や、開発、環境汚染などによって、悲鳴を上げています。ほんの数10年前まで、キラキラしていた海中は、人間の便利な生活と引き換えになくなってしまいました。
自然は、簡単に壊れてしまいますが、再生するには何十年もかかります。生態系にはかかせないサンゴは90%が死滅。海のゆりかご、アマモも90%が消えました。サンゴの天敵であるオニヒトデも大量発生。そして、漂流ゴミの山!
今まで散々自然を壊してきた人間としての償いとして、昔のイキイキとした海を取り戻すために私達ができることはなんでしょう?海での遊びを通して、海の生き物たちのことを話題にしてみましょう。自然の恵みによって私達は生かされていることを教えてあげてください。
身近にできる具体的な事を3つ上げるとすれば……
① 自分で出したゴミはもちろん、周りに落ちているゴミも積極的に拾おう。拾ったゴミは持ち帰るか所定の場所に捨てましょう。
ゴミは、街から雨に流され→排水溝を通って→川→海へたどり着きます。
② 日焼け止めは、海を汚します!自然環境に優しいオーガニック系の日焼け止めを!もしくは、海に溶けないウオータープルーフのものを。
③ サンゴがある海で泳ぐ時は、サンゴに触らない。蹴らない。立たない。砂地か岩場で立ちましょう。
ひとりひとりの小さな心掛けが、美しい地球を作っていきます。
mama_koeより

お二人のお話を伺って、森・川・海、そして人。「つながるいのち」を感じました。そして、共通する、自然に対する畏敬の念。まずは、それぞれのフィールドに親しみ、自然は私たちの生活と深くかかわっていることをしっかりと意識し、毎日感謝の気持ちをもって暮らしたいと思います。次回は海のエキスパートにお話を伺います!(編集部)


vol.183 アウトドア特集 エコキャンプ


キャンプとは自然との共生。自然の恵みに感謝して同時に自然に配慮することもエコキャンプに繋がりますね。

● 工夫はキャンプのいのち
いろいろ「エコ」について考えると「してはいけない」方に目が向いて、楽しく感じられなくなってきそうです。でも、工夫することはとても楽しいもの。「今日はこれだけの薪で料理をしよう」とか「ゴミが少なくなる工夫をしよう」とか、そうやっていろいろ考えるのも楽しいものです。キャンプ用品の豪華さなどで競うのではなく、「エコ度」で周りと競い合って欲しいなと思います。

● フィールドに刺激を与え過ぎないようにすべし!!
キャンプ場といっても、そこには沢山の生き物が住んでいます。芝生等の植物、土の中には無数の微生物もいます。例えば、そういうところに熱いお湯を流してしまったり、焚火台を使わずに焚火をしてしまったら、そこに棲む生物は死んでしまいます。

● 食材をとことん使い倒す
ふだん、野菜の皮などどこまで剥いていますか?野菜の皮近くは美味しいところばかりで、捨てるところはほとんどないなあと思っています。農薬のことなど気になるところですが、しっかり洗えば食べられる部分は結構あります。野菜くずをできるだけ少なくするようにしましょう。

● マイ箸・マイ皿・マイコップを準備!
一番簡単なエコキャンプへの第一歩。割り箸や紙皿も毎回使用していると、ゴミも増えるしコストもかかってしまいますよ。

● ゴミは出さない、持ち込まない
人間は「ゴミをいつまでも持っていたくないものなのです」と前に心理学の先生から聞いたことがあります。キャンプ場で出るゴミを減らすことはエコな意識の大切な一歩です。

● 汚れは拭き取るべし!!
ご飯を食べ終わった後に食器を洗う。そのまま炊事場で水に流す前に一手間、拭き取りましょう。この一手間だけでも十分エコ(^^)

● 自然からの贈り物
春の山は生命力に満ちあふれ、宝の山に変わります。3月から6月にかけて、コゴミ、タラ、ウド、ワラビにフキノトウ、タケノコなどなど、多くの植物が顔を出しています。
食卓に春の山菜を使った一品を加えると、時間に追われる生活の中でも春を感じることができます。少し、食べることを意識して植物を眺めてみるとおもしろいですよ。
こんなふうに生活に豊かな時間を与えてくれる山菜ですが、ちょっと気を付けたいこともあります。
困ったことに、根こそぎ山菜を採っていってしまう人や、むやみやたらと山を荒らす人がいます。これでは宝の山から宝が消えていってしまいます。自分が食べきれないほど採ったりせず、ほかの人のため、来年のために少し配慮してほしいな…と思います。
そして、宝探しに夢中になっていると、山の中に迷い込んで遭難する恐れもあります。山に入る時はくれぐれもご注意を。

たんぽぽ・・・花は天ぷらや三杯酢和えに。葉はゆでて酢の物やごま和えに。

こごみ・・・灰汁がないので茹でてすぐに食べられる。天ぷらや和え物で。

● 無駄を出さずにエコ・バーベキュー
ムダを出さない、残さない、後かたづけをしっかりすることが「エコ」につながります。野外で過ごしやすくなったこの季節、エコバーベキューに挑戦してみましょう。炭に霧吹きで水をかけ炭全体の火の起こり具合を整えます。焼き始めは炭全体が灰をかぶり白くなってきてから。この時点で網をのせます。これより早くのせると、ススや煙が食材につき、臭みがついてしまいます。
ポイント
温度チェック方法=15cm上に手をかざして3秒間我慢できる熱さがベストです。
バーベキュー成功のカギ=火加減は水加減(スプレー)肉がケムリくさくなって失敗するのは、炭がキチンと起きていないから。火の扱いが肉のうまみを変えます。炭から出る遠赤外線をしっかり利用しましょう。

【炭】
ホームセンターなどで売っているものの多くは黒炭。白炭は堅く、備長炭など。
・黒炭:原材料 ナラ・クヌギ
目が粗く、着火が早い。温度は約500度。
維持時間1~2時間
・白炭:原材料 ウバメカシ・カシ
目が細かく、着火が遅い。 温度は約700度。 維持時間2~3時間


vol.183 カタコトの部屋 買い物は投票

お買い物は、外国産よりも国内産、遠方よりも地域のものを。農産物は、低農薬や無農薬の表示があればそちらを選びたいですね。
できるなら、生産者の方に直接「これは無農薬ですか?」と聞いて買えるのがベスト。
加工品は、パッケージの裏の成分表示をチェック。
“たくさんあって、安くて、簡単”を求めれば、
添加物や農薬などの心配が…。
買い物は投票。
なにを大切にして買うものを選ぶのか、
ちょっと意識してみませんか?

「買い物は投票」という言葉は、実は中学校の家庭科の教科書にも登場しています。開隆堂が発行している中学校の、技術・家庭の教科書には次のように書かれてあります。
「購入は投票行為 消費者が何かを購入することは、結果としてそれがよいという意思表示となり、さらにそれを提供している企業を選択したことになります。購入することは、自分の意見を表明する投票行為と似ています。票が多く集まった商品は、さらに生産されることになります。わたしたちの選択が、次にど のような商品がつくられるかに影響を与えます。どの商品を選択するか、よく考えて購入しましょう」

イラスト/消費から持続可能な社会をつくる市民ネットワークH.Pより

あふれる情報の中から、[買う=投票する]のは、自分の判断。農薬はNG、添加物もできるかぎり避けたい、その気持ちを大切にしたいもの。ただ、圧倒的な情報量につい「この商品、いいかも」と手が伸びるのもわかります。反面、危険性をうながす情報もいっぱいあります。少量なら大丈夫と、食べ物を体に入れ体調不良になったとしたら?でも、努力すれば、いい商品を選ぶことはできます。そのためには普段から学ぶことが大事ですね。家族の健康を守るためにもしっかり学んでいきましょう!!

こだわりの生産者さんから直接買ってみました!
こんなところが気に入ってます!

子育てコミュニティtoco tocoさんのレポート
● 自然と調和していて、環境にも優しい育て方、考え方は、次世代にもつなげていってほしいです!育てている方の人柄もでていて、野菜も卵も鶏肉も、ものすごくパワフルで美味しいし、食べてげんきになるー!!(Mさん)
● 有機農家さん。鶏を広い場所で平飼いし、NOワクチンで育てています、その鶏の糞で有機肥料を自作。タネをとり繋ぎながら大切にお野菜を育てています。お野菜は素朴で優しい味がして美味しい♪(Sさん)
● 岐阜市の最高峰、百々ヶ峰から流れる水で、無農薬米を育てています。品種は、ハツシモ、ササニシキ。黒米なども。無農薬の農家!!というよりも、循環する社会、自然の中の人間、共存共生の精神も感じられてグッド!(Cさん)
● 農薬・肥料を使わない農法を選択されている農家さんをとくに応援したいのです!身近な農家さんだと『地産地消』にも繋がるし、直接買いに行けるので生産者さんの顔も分かるし、野菜にかける想いや愛情もよくわかります。小さくとも野菜の旨味がギュッと詰まっていて、そのまま食べても美味しい。シンプルな調理方法で済むので忙しい人の味方にもなると思います。(Fさん)
● 平飼いで、原料を厳選した(遺伝子組み換えを行なっていないポストハーベスト無農薬)自家配合飼料のみを使用し、添加や薬剤の投与は一切行っていない卵。血の混じる卵がほとんどないというところに愛情を感じます。(鶏はストレスがかかると卵に血が混じる。味や品質には問題はないそうですが。)味は、白身の美味しさが際立ち、おいしいです。(Aさん)
● ここの生産者さんのキャベツと他のキャベツで、ザワークラウト(発酵キャベツ)を作ったら明らかに発酵のパワー、菌ちゃんパワーが違って、味も違ったの。(Yさん)
● まずはなんと言っても貴重な減農薬いちご!聞くところによると一般栽培での農薬使用は60回以上。いちご摘みでは洗わずにそのまま食べるので、子ども連れでも安心して食べられました。そしてもちろん美味しい!!でも、農園の方は、減農薬だからと誇張することなく、それが当たり前のようにお話してくださるところも好感が持てました。(Hさん)

子育てコミュニティ toco toco
子育て世代のやってみたい、知りたい、学びたいことを、自ら企画・運営。誰かが講師、受講者という立場のない、一人一人が活躍する「学び合い会」を中心に、顔と顔を合わせて集う良さを生かした活動を展開中。

問い合わせ:facebook「子育てコミュニティtoco toco」


vol.183 かなでの沖縄だより vol.7

地元で報告会・・・「私が見た、沖縄!」

春休みの帰省中、3月28日「私が見た、沖縄」という題で沖縄の報告会をさせていただきました。
1年間沖縄にいて思った事は、今まで私が興味を持って考えて来たことやいろんな場でお話しして来たことが、特別なことではなくなってしまい、戦争のことや軍隊のことを深く考えなくなってしまったということです。
 今回の報告会は、 昨年の9月、大垣の「ようこそ先輩」のメンバーのみなさんとまわった沖縄平和ツアーのことを中心にお話ししました。聞きに来てくださった方の話も交えて、みんなで沖縄のことを話し合いました。
この1年で、私の中でもこの時の「辺野古」「高江」「伊江島のヌチドゥタカラの家」は忘れられないものになりました。私もまだまだ知らないことばかり。聴いてくださった方はもっと知らないことばかり。伝えることの大切さを改めて実感しました。伊江島を知らない。沖縄戦の終戦記念日を知らない。まだまだ知らない人がたくさんいるんだから、私もがんばって伝え、いっしょに学ばなくてはと思いました。
自衛隊のある各務原。「沖縄と各務原、どっちが飛行機の騒音うるさい?」という質問に 私はどっちと選ぶことができませんでした。18年間住んでいた各務原。1年しか住んでいない沖縄。そんなに変わらないと思ったし、やっぱりあんな大きな音をきいたら沖縄でも各務原でも怖いなと思うからです。
沖縄では最近よくオスプレイを見ます。鈍い音がするなと思って外を見ると、すごい低い位置で揺れながら飛んでいます。操縦してる人、オスプレイを飛ばしてる人は何も思わないのだろうかと不思議に思います。しかも人が住んでる家の上を…。今はそう思っていても、あと3年も住んだら日常になって、何も思わなくなってしまう自分がもしかしたらいるのかなと思うと、もっともっと恐ろしいです。
ここ1年、「平和ってなんだろう」と考えることがよくあります。伊江島のヌチドゥタカラの家を設立した阿波根昌鴻さんの言葉をよく思い出します。『平和の最大の敵は無関心である』『戦争の最大の友も無関心である』という言葉。報告会でもみんな頷いてくれました。私もそう思います。みんなが無関心になればなるほど色んなことが進んでしまう。無関心になることによって、取り返しのつかないことになってしまう。それって一番恐ろしいことなんじゃないかと私は思います。
8月6日に広島、9日に長崎に原子爆弾が落ちたこと、8月15日に戦争が終わったこと、それはもちろん。沖縄戦のことも、もっともっと知ってほしいなと思います。
伝えられる人が少なくなって来ている今、私にできる事は学んでそれを伝える事。せっかく沖縄にいるのだから、今しか学べないことをたくさんたくさん学んでたくさんの人に伝えて知ってもらいたいと思います。
6月23日は沖縄戦の終戦記念日、この大切な日も忘れないでほしいです。

平和について語り合いたいと、各務原市の中学生でつくったPeace of peace。主要メンバーの小田奏さんは、2017年春から沖縄の大学生に。それを機に彼女の平和への思いをリポートします。


vol.183 リバース 13号

ビランジ Melandryum keiskei 原産地:日本(本州中部の山岳地帯)日本特産種  撮影:長屋泰郎

 ビランジ(ナデシコ科)は、本州の山地の日当たりのよい岩場に生える多年草。高さは10~30cm程で、若い茎や若い葉の色は暗赤色である。夏に赤紫~ピンク色の直径2cm程度の花をつける。
長野県が西限とされている高山植物で稀少種のビランジの群生地が、1999年、板取村川浦のダム建設予定地だった近くで見つかった。発見者は地元の自然愛好家・長屋泰郎氏。植物地理分類学会会員の故・成瀬亮司さんによると、「ビランジは長野県の伊那谷などの深山にまれに見られる多年草で、淡いピンク色のちいさな花をつける。ビランジの群生地はおそらく岐阜県内でははじめてで、ここが本州の西限となるのではないか。板取村の急しゅんで深い谷は、日射が少なく冷涼な環境のため、高山、亜高山性植物が残存できたようだ。山系一帯をよく調べて、貴重な種は保全すべき」と話した。当時、大規模な揚水発電所の計画がすすんでいた。(関連記事:環境特集Part-1)


小紅(おべに)の渡し

 船頭 高橋由香子さん

 

 

 

船ことばっておもしろいんですよ。

 岐阜市内を流れる長良川。鏡島大橋と下流の河渡橋の間、岐阜市一日市場(ひといちば)の右岸堤防上に船頭小屋があります。ここにちいさな看板があり、小紅の渡しの由来、利用時間や休航日、乗船心得などが書かれています。
かつて岐阜市の長良川には、それぞれその土地の地名がついた12から13ヶ所の渡しがありました。しかし、そのほとんどに橋が架かり、姿を消していくなかで、たった一つ残った「小紅の渡し」。遠い昔につけられた名前は地名ではなく、そのいわれも定かではありません。
 「小紅という名の由来は3つの説があります。1つ目は、乗り場に紅を採る草が生えていた。2つ目は、川を渡る花嫁が水面に顔を映して紅を直した。3つ目は、お紅という名の女性の船頭がいた、など。人それぞれの思いで解釈し、由来はハッキリしなくてもロマンがありますよね。」
「それにしても、船ことばっておもしろいんですよ。基本的に船頭の世界は口伝。独特な話しことばがあります。たとえば、船を縛るのを「しって」(長い手)。船を捕まえることを「とって」。一音一音に意味があるんですね。そんなことばの由来にはまって、いろいろ調べてみました。「あか」は水のこと。「あ」は天で「か」は動くと言う意味。あかは船にたまる水のことを指すのですが、天から動いてきたもの「風」「水」なんでしょうか。わたしは鵜飼観覧船に20年ほど船頭として務めましたが、「鵜のみにする」ということばも、鵜は魚を丸呑みにしますので、まさに鵜飼から来ているんですよ。また、鵜匠さんたちは「まわし場」と呼ばれる待機場所で漁の開始を待つのだそう。今でも段取りを整えることを「まわし」といいますよね。今の暮らしと、伝統的な文化や、口伝で伝えられていることばがリンクしていて興味が尽きません」。そう語る高橋さんのお話しは多岐にわたります。

移動手段はもっぱら徒歩

高橋さんは以前はバイクに乗っていましたが、自転車に変え、今では歩くことを基本としています。緩やかな時間がとても気に入っていると。渡し船のゆったりした時間も同じかもしれません。同時に視点が変わると風景も変わります。川面に遊ぶ水鳥、川面に映る雲のかたち、堤防を走る車、その遠くには金華山・・・普段なにげに映る景色も、船から見ると趣も変わる・・・。ちょっといい時間。小紅の渡しの上には鏡島大橋、下には河渡橋が架かってはいますが、小紅の渡しを利用する人は、毎月21日にある弘法さまの命日に鏡島弘法への参拝客だったり、レンタサイクルで周辺を走る人が利用したり、さまざま。あくまでも、県道の一部としての利用が基本。風情と実用を兼ね備えた小紅の渡しは、現代のめまぐるしく変わる状況のなか、古き良き時代へとタイムスリップしたような感覚になりました。

女船頭としてキャリアを積んだ高橋さんは、仲間がいればこそ、とも言う。男社会に女性がなじむのにやはり時間は必要だった。同期に女性が4人いたからここまでこられたと。しかし、移動手段を基本『歩き』にシフトした高橋さんには、流れる時間を楽しむ、という想いにぶれはない。

小紅の渡し船頭組合のメンバー4人が交代で渡し船を出しています。

小紅の渡し
運航時間 4月~9月 8:00~17:00
10月~3月 8:00~16:30
料金 無料
休航日 毎週月曜日及び12/29~12/31
ただし、月曜日が祝日もしくは21日と重な る場合は、その翌日を休航日とする。(悪天候、 増水時は欠航となります)
乗船場所 北岸:岐阜市一日市場
南岸:岐阜市鏡島(鏡島弘法 乙津寺 北)
お問合せ先 岐阜市土木管理課 058-214-4719


vol.183 ボーダーレス社会をめざして vol.42

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

継続は力なり

息子は40歳の自閉症スペクトラム障害。彼が小学校2年生の担任の先生が「継続は力なり」と私に言って下さったことが今でも思い出されます。何のことかなと当時は思っていたのですが、この言葉が意味することは、息子と共に生活をしてきて大黒柱となることばでした。ズーと同じことをし続ければ、何かしら結果が出るものです。

昨年末、東京で障がいのある人たちの展覧会「2017アジア・パラアート・書・TOKYO」国際交流展が日本チャリティ協会主催で行われました。海外の作家50名、日本作家50名が選ばれたのですが、私の書道教室から5名が選ばれました。あまりに多くビックリしてしまったのですが、書道教室の中に「創作書道」という時間を設けたのがこの結果に繋がったのかなと考えています。創作書道は、4年前から始めました。全国レベルの展覧会に応募するためと、もっと自由に書こうという思いから、大きな和紙に好きな文字を書く機会を設けました。今回入選された方は、こつこつと教室に通い続けて来て下さった方々です。入選後、個展を開こうとお誘いした所、創作書道をしてきた人が「個展をやりたい」と言って下さいました。作品はすぐにはできません。誰にでも調子のよい日、悪い日があります。長い間続けて来ている人には、作品のストックがあり、個展開催は夢ではなくなります。楽しく書道をすることが一番ではありますが、続けることによっていいことが起こるものです。
障がいのある人に対しての「継続は力なり」は、親に対する言葉でもあります。親がいかに忍耐強く彼らに付き合い、過保護にならず、彼らの好むものを見つけ出すか、親の腕にかかっています。私の周りには、馬・絵・水泳・ボウリング・卓球・和太鼓・陸上・演劇などなど多くの事にトライしている人がいます。親が付き添わなくてはいけない人もいますが、皆さん一生懸命に子どもさんをサポートしています。最近はお父さんの活躍もめざましいものがあります。少しでも彼らの現在・将来の余暇を充実させるためです。自由な時間を楽しく過ごすことは、人が生きていくには必要です。障がいのある人も一般の人と同じです。余暇を充実させるための「継続は力なり」があり、また生活面での「継続は力なり」もあります。
息子は小学校4年生から40歳まで毎日お風呂掃除をしてきています。家事を手伝うことによって就労能力が増すとも言われています。「継続は力なり」短い言葉の中にぎっしり大切なことが詰まっています。


vol.183 人生これから えんぴつ・カフェ

人生これから

人生のエンディングは誰もが迎える、ということはわかっていても、準備をするときを決めかねてしまう・・・エンディングという言葉に抵抗を感じる人も多いですね。だから、私たちは、ライフデザインノート「ゼロの昇天」。いま、これから、どう生きるかが大事。だって、人生これから!ですから。(^o^)

次回のえんぴつ・カフェ
と き:第6回・5月18日(金)
じかん:9:30-11:30
ところ:産業文化センター
2階第1会議室

会費700円

(コーヒーOR紅茶&お菓子を楽しみながら、座談会形式で情報を交換しながら書き込んでいきます。)

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えんぴつ・カフェ参加者の感想
第3回 3月14日(水) 大垣市
全員に1分という制限を課して順番に自己紹介。焦って30秒で終わった方、話し足りないという方。それぞれですが、なにを話すかあらかじめ整理しておくと、スムーズに話せます。これって、人生に似てませんか?生きている以上、やがて訪れる死。それまでをどう生きるか、あらかじめ心づもりがあれば、いざというときに慌てなくてもいいし、平穏な気持ちで迎えられるのでは?日ごろの整理整頓、大事ですね。なかなか処分できないのは、衣類、書籍、写真などでした。やりたいことリストは、旅行がナンバーワン。人の話を聞いて軌道修正もでき、なごやかな雰囲気であっという間の90分でした。

第4回 3月16日(金) 各務原市
今回はとても濃密な時間を共有しました。それぞれが抱えている問題をどのようにシェアしたらいいのか、その人の苦しみや痛みにどのような方法で寄り添えばいいのか・・・とても繊細で難しい問題。会の終盤で笑顔になれるにはどうしたらいいのか。印象的だったのが、自分史を書いてみたいという方に「キットがあります!」と情報を提供して下さったこと。その方の叔母さまが亡くなったとき「まるで結婚式のようだった。で、叔母が書いた『自分史』を読んで、叔母の人生を改めて知り、興味深かったです」葬儀が結婚式のよう?!それは素晴らしい。とてもいい話をシェアできました。

お・し・ら・せ

生き方セミナー5回講座
会場:産業文化センター第3会議室(予定)
時間13:30-15:30

第1回 6月20日(水)※産業文化センター4階会議室で行ないます。
テーマ:絵本の朗読から死生観をイメージする
講 師:浅井彰子氏(フリーアナウンサー)
*朗読を聞く前とあとの心の変化をセルフチェック

第2回 7月21日(土)
テーマ:介護・看護について
講 師:入学佳宏氏(ケアマネージャー)
*ケアマネージャーから現場の声を聞く

第3回 8月19日(日)
テーマ:終末期医療
講 師:木田盛夫氏(木田ファミリークリニック医院 院長)
*現役医師から、終末期を迎えた患者、家族のこころえを聞く

第4回 9月19日(水)
テーマ:成年後見人制度について
講 師:青木文子氏(司法書士)
*制度をよく理解し、いざというときに備える

第5回 10月18日(木)
テーマ:死生観のとらえ方
講 師:市川雅清氏(ライフ終活アドバイザー)
*葬儀、お墓、宗教の考えと現代のながれを知る

オプション 11月21日(水)
もしもの時に・・・最高の笑顔の撮影会
*プロのカメラマンに撮影していただきます。

えんぴつカフェ、生き方セミナーの問い合わせは
田辺 090-5638-7044 三上 090-7854-4561


vol.183 ホスピスナース奮戦記 vol.8


一人で死と向き合う
まだまだ寒い日の夕方。この日の最初の訪問は70代後半のうっ血性心不全を患っている男性。家族や親族がおらず大きな家に一人暮らしだった。一人暮らしでホスピスのサービスを受けるのは正直とても大変だ。肉体の死が近づく過程の在宅ケアというのは、身近に介護やケアできる人の存在なしでは難しい時がたくさんある。一人暮らしでも最期まで家にいたいという人はたくさんみえる。
到着する前の電話では息があがっているもののはっきりした声だった。ドアを開け患者さんに挨拶すると、かっぷくのいい「陽気なおじさん」というような雰囲気で家に迎えてくれた。かなり体重がありそうで、酸素用のチューブがほほにくいこんでいる。長くしゃべったり少しの動作で息切れしてしまうため、ほぼ24時間酸素が必要な状態だった。歩行車を使って屋内を移動するが、酸素の機械は大きいため部屋の片隅においてある。ベッドからキッチンまですべての行動範囲で酸素が届くように、延長用のチューブを長くつなげていた。このチューブが歩行車や足に何度もからまりそうになってその度にひやひやした。患者さんが一人の時に転んでしまったら、危険だなぁと思っていたら、昨日転んだばかりだという!幸いご近所さんが気づいて救急車を呼び、救急隊員に体を床からベッドまで持ち上げてもらってなんとかなったらしい。
ご近所に住む仲のいい知人男性が、一応のケアを受け持っているようだったが、限界があるように感じた。今回は、足のむくみが急に悪化したことに関しての訪問だった。たしかに両足が象の足のようにむくんでいた。尿はでているようだったので、医師の指示で、利尿薬の量を増やして様子をみることにしたが薬の管理も週一回の訪問看護師に任せているため、自分ではできない。増やした量の薬を一週間分に分けて薬の容器にいれた。それから、寝る時もテレビを見る時も足を高くしてみるように提案。ベッドを確認すると、ベッドの頭には5,6個の枕が置いてあった。背中に枕を積んでほぼ座っているような状態にしないと、息苦しくて眠れないのだそう。うっ血性心不全にはとても多い症状だけど、そういった枕を背中に入れるということさえ一人では相当難しい。息苦しさが増せば、緩和のために舌下投与のモルヒネを口からとることもできるが、一人きりで、窒息しそうな苦しさの時、ちゃんと緩和ができるんだろうか。この患者さんの一日一日を考えればかんがえるほど、サポートが足りてない・・・。
そうこうしているうちに、患者さんが一枚の写真をみせてくれた。かわいい目をしたグレーの大型犬とこの患者さんが一緒に写っていた。でも、この日の朝にこの愛犬とお別れしたことを教えてくれた。ラブラドールとピットブルのミックスの成犬。7年寄り添った家族のような存在だったけど、もう世話もしてあげられないし、自分ももうすぐ死ぬかもしれないからね、と寂しそうにいった。でももらってくれた人はとてもいい人達で、きっと幸せにしてくれると思うといって涙目で笑った。私ももらい泣き。本当は愛犬と最後まで一緒に居たかっただろうなぁ、こんな時だからこそたった一匹でも家族としてそばに居てほしかっただろうなぁって思った。今、この人は本当にひとりぼっちなんだなぁ。もちろん目には見えない次元ではたくさんのサポートがあるかもしれないけど、手に触れられる、肉体としてお互いの存在が感じあえるものが、いなくなちゃった。今はかろうじて身の回りのことができているから、陽気にふるまっているけれど、ふとした瞬間にどんなに寂しい思いをしていることだろう。息苦しい瞬間にどんなに怖い思いをしていることだろう。
帰り道、運転手さんとは一言もしゃべらず必死でパソコンをたたいた。ソーシャルワーカーにも担当看護師にも、安全面で日中のサポートを増やすことをお願いした。また、本人さえ了承すれば、病棟でのホスピスケアのほうが症状の緩和も安全面や衛生面でも良いのではないかとメールした。ご近所さんにもできることの限界がある。午前中4時間だけ週3でヘルパーさんが来てくれても、やっぱりできることの限界がある。
2週間もたたないうちに、この患者さんはまた転んでしまい容態は悪化、この時点ではほぼ意識もなくホスピス病棟に移ったが数日後には死んでしまった。あの時、もっと何かできていたのではないか。もっと安らかな状態で最期を迎えることはできなかっただろうか。自責の念と共に、またしても一人暮らしのホスピスケアの難しさを痛感した。

わかばま〜く:プロフィール 1982年生まれ。ニューヨーク州立大学卒業後、ニューヨーク市立病院に看護師として4年勤務。現在は訪問看護師としてホスピスケアに携わっている。岐阜県各務原市出身。


vol.183 ぎむきょーるーむ 電気と上手につきあうには

ケータイだけじゃない、テレビ、エアコン、
蛍光灯、ホットカーペット、電子レンジ、IH調理器・・・・・・

電気をできるだけ使わない発明家の暮らし
ほどほど便利。贅沢もあり、しあわせ度アップ。

ぼくたちは「新しい豊かさ」をめざす

アインシュタインは、こういったそうです。「ある問題をひき起こしたのと同じマインドセット(型にはまった、ものの見方・考え方)のままで、その問題を解決することはできない」
しかし、地球温暖化をはじめとする深刻な環境の問題を前に、私たちはいまだに、その問題をひき起こしたのと同じマインドセットで問題が解決すると思いこみ、ふるまっているようです。化石燃料がだめなら、原子力で。原子力がだめなら風力で。石油がだめならバイオ燃料で、食料危機なら遺伝子組み換えで、という具合です。日本列島が原発列島に変貌していく勢いを感じます。なにか、ほかの選択支があってもよさそうです。しかし、その選択支が「貧しい昔にもどる」のではなく、「新しい豊かさを実現する」ものでなくてはおもしろくありません。

「めんどうくさい」をたのしむよ!
そこで新しい豊かさを実現できる、電気を使わない「非電化製品」を発明してみたくなりました。冷房、暖房、冷蔵庫、掃除機、洗濯機、照明、除湿機といった非電化製品を4年がかりで作りました。
電化製品にはかないませんが、ほどほどの快適・便利なら、実現できることが確かめられました。
たとえば、「非電化除湿機」。10畳くらいの部屋なら十分に使える能力はあるし、補給品もいりません。故障の心配はなく、50年は使えるという点では快適・便利ですが、湿気を吸って満杯になると2時間ほど陽光にさらさなければならないという厄介さをともないます。数百台を試験的に販売してみました(価格15,000円)。エコロジー派の人からは「少々めんどうだけど、電気がいらない、なにも捨てない、半永久的に使えるからいい!」と好評でしたが、一般の人からは「めんどうくさい!」と不評でした(笑)。
もうひとつわかったことがあります。非電化製品は、ときには電化製品よりも「たのしめる」ということ。たとえば、「非電化コーヒー焙煎器」。無農薬有機栽培の質の高いコーヒー豆を安く買い求め、自分好みに煎って、「煎りたて、挽きたて、淹れたて」の絶品のコーヒーをゆっくりたのしむ。最高の贅沢を最低の価格で実現できることにおどろかされます。
一連の非電化製品を使うと、ほんとうに電気が必要なのは、テレビとコンピューターと照明くらいにかぎられ、電力消費量は五分の一以下になります。便利度は少しさがりますが、たのしみと健康度としあわせ度はあがったような気がします。原発列島に突き進むしかないというのは、ただの思い込み、あるいは誰かのスリコミかもしれませんね。

発明家:藤村靖之(ふじむら・やすゆき)
1944年生まれ。発明家。工学博士。非電化工房代表。著書に『愉しい非電化』(洋泉社)、共著に『テクテクノロジー革命』(大月書店)など。
非電化工房 http://www.hidenka.net

 

電化製品はすべて電磁波を出す!

家の中でもたくさん浴びちゃう・・・
環境問題の専門家・富山洋子さんと電磁波チェック!
家の中の電磁波を計測してもらったら、ビックリ!!
たくさんある電化製品、こんなにも電磁波があふれているなんて!

電気の使い方を見直す

携帯電話が広がって便利になったけど、電波を飛ばすアンテナ鉄塔による被害はまた深刻。日本では田園地帯に鉄塔と送電線がある風景があたりまえだけど、欧州のように送電線を地下に埋めるべきなのよね。
そもそも電気をたくさん使う「都市」に遠くに建てられている原子力発電所から大量の電気を送っているという問題もあると洋子さんは指摘した。

電磁波を予防するエプロンやシールなどのグッズもあるけれど、効果に根拠はないでしょう。電磁波を避けたかったらそれをさえぎるのではなく、そこから離れないと。外の鉄塔や送電線や住んでいる環境で直ぐにははなれられない残念な場合もあるけれど、家の中では電気から離れるのはもちろん、使わない生活を心がけるのがいちばん。
わが家では主な電気は冷蔵庫と灯りだけで、ご飯は土釜、日常の選択はほとんど手洗い。電子レンジやトースターもなく、エアコンも使わないせいか、電気代は月2,000円以内。太陽の向きや風の流れを意識し電気や便利さに頼らず生活していると、電気代の節約にもなって電磁波も避けることができるのよね。

電化製品の置き場所や使い方を考えよう!

・ 電子レンジ→電磁波ではないけれど、マイクロ波が2万Hz以上の高周波。使うときには9㍉ガウス、1メートル離れると3㍉ガウスに
・ テレビ 10㍉ガウス 2㍍離れれば4㍉ガウスに
・ エアコン吹き出し口 3.5㍉ガウス 部屋の中央では1㍉ガウス 2㍍離れればゼロに
・ ホットカーペット 30㍉ガウス以上!!!余熱で暖を取る
・ IH調理器計測器の張りが振り切れたまま!!!

電気は便利な暮らしをあたえてくれた。けれど、そのぶん日本はたくさんの生活の知恵を見失ってしまったと洋子さんはいう。それをとりもどせば、電磁波の少ない暮らしになるんだね。

なぜ電磁波はあぶないの?
スウェーデンをはじめ日本もふくむ世界各国でおこなわれた調査によれば、4㍉ガウスの電磁波を浴びつづけると小児白血病のリスクは2倍。発がん性や流産リスク、脳腫瘍の発生など、健康被害への影響も報告されています。
すぐに体に症状が現れるわけではなく、数年間もためこむことによる発病や妊娠時の影響という目に見えづらいリスク。そのため予防がおろそかになりがちですが、目に見えないからこそ気をつけるべき問題ですね。「被害の明らかな証拠がない」ことは、被害がないことの証拠ではありません。「予防原則」という考え方にもとづいて、とりわけ被害が大きく及ぶ子どもや胎児の立場に立ち、社会の問題として危険を避けるための方法をとることが、大人の責任といえるのではないでしょうか。


vol.183 半農半Xという生き方 vol.24

「生きがいブーム」
筆者が生まれた翌年の昭和41年、「生きがい」ということばがついた2冊の本が出版されました。1冊は精神科医の神谷美恵子さんの『生きがいについて』(みすず書房)。もう1冊は綾部に縁のある方で、出口日出麿・大本3代教主補による『生きがいの探求』(講談社)です。ともにベストセラーであり、いまも読み継がれている名著です。数年前、行事か何かで綾部の大本を訪れた際、日出麿教主補の「生きがい3部作」(『生きがいの探求』『生きがいの創造』『生きがいの確信』)のポスターが館内に貼ってあるのを見かけました。ポスターにはたしか「全国で“生きがい”ブームを巻き起こした話題の書」という文字がありました。調べてみると、たしかにこの昭和41年ころから日本人の生きがいブームが起こっていくようです。こんなことを思いつきました。綾部は「生きがい」を大事なコンセプトとすべきではないか。まちづくりや観光などのテーマにもすべきではないか、と。現代は「生きる意味」が失われつつあると言われます。そんな中、「生きがいブームの発祥地」ともいえる綾部には大きな役割がある。いま、そんなことを強く感じています。

わがまちAtoZ
 京都府南丹市日吉町の中世木地区(戸数53)の地域資源(地域の宝もの)をAからZまでの26のキーワードで紹介するミニブック制作のお手伝いをしました。どんなキーワードがあがったかというと、「N」は地域に伝わる伝統食「納豆餅」、「S」は珍しい山野草「せつぶん草」といったキーワードがあがっています。130字ほどの説明文を地元の方に書いていただき、それぞれ写真を添えています。サイズは音楽のCDジャケットサイズで、わずか16ページのミニブックですが、まちや村(自治会)のPRに、都会で暮らす地元出身の若い世代や地域の子どもたちに魅力を伝えるツールにもなります。自分のまちでもつくってみたいと思われる方はぜひご相談ください。見本を見てみたい方もお気軽にご一報ください(conceptforx@gmail.com 塩見直紀)。A4サイズ4ページの「地域資源発見シート」もつくっています。関心のある方はご一報ください。いつの日か、みなさまの案内で、まち(村)を歩かせていただき、地域の宝もの探しができたら幸いです。地域資源(宝もの)はきっとたくさん眠っています。

塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は翻訳されて、台湾、中国、韓国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。

※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題(どう生きるか)を背景と する。持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。ex.半農半漁、半農半大工、半農半看護師、半農半カフェ、 半農半絵描き、半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。


vol.183 菌ちゃん野菜応援団 第4話


今回は身近な菌活。お味噌について。

前回は菌と仲良くするといいんだよー、という記事を書きました。

お味噌は買うもの、と思ってる人は多いのですが、この頃若いママたちの間では手前味噌作りがブームになりつつある感じ。今年もたくさんのママ達と一緒に赤ちゃんをおんぶしたりちびっこを追いかけたりしながらわちゃわちゃといろんな味噌を仕込みました。
買うのと違って手前味噌は自分の常在菌がたっぷり。
こどもたちも一緒に作ればこれはもう春の楽しいイベントの1つ!!しかもお味噌汁を毎日飲むとガンになりにくかったり、放射線の害から身を守れたり、若々しくいられたり、と今や味噌はMiso として世界に認められ華やかに名をとどろかせているんです!

そんな日本が世界に誇る味噌を自分で作らないなんてもったいなさすぎる!!大人と一緒に作ってこどもたちに体験させる。文化の継承は何よりもの親から子へのプレゼントじゃないのかな?なんて思っています。

お味噌作りは実はとっても簡単。皆さんもお味噌、自分で作ってみませんか?


vol.183 未来に続く暮しの学び Part-25


ルーツを探る

この冬は音楽とアートと、採れたての野菜たちも音楽とコラボするという創造的で文化的な活動が充実し、とても楽しい時を過ごしました。

ほかにも、ペインティングリトリート、キューバやジャマイカの人たちの協同音楽プロジェクト。アフリカンドラムとダンスのリトリート。ジャマイカアーティストとのディナーイベント…など多彩なイベントが続きました。なかでもキューバ、ジャマイカ、ジンバブエなどのアーティストたちとのかかわりはとても新鮮で、彼らの人柄、音楽は心の琴線に触れ、自分の中になにかが弾けるような感覚を覚えました。

彼らの国はアフリカルーツ。そのルーツを感じられただけでも、私たちにはとても意味深い時間でした。

これまでいろんな国の人たちが、ここパラダイスを訪れてくれます。今回は特に自分のルーツを探るきっかけを与えてくれたように感じました。このような文化的なつながりは心に深く響きます。

私たちは多くの人たちと出会っては別れて、をくり返し生きていますが、人とのかかわりは、その人たちと時間や場所を共有し、食を共にして、少しずつお互いの文化を紹介しあい、理解していけるのだなと感じます。特にアフリカがベースにある国、キューバはスペインに、ジャマイカはイギリスに占領されたといえど、ルーツはアフリカ。かれらは音があれば踊る。踊りがあれば音が鳴る。そして歌いはじめる。歌うこと、演奏することが生活の一部であるかれらの姿。それが自然にある日々がうらやましい。ここパラダイスにも自然にわき出るような文化的要素を、日々の暮しに組み込んでいこう!そう思わせてくれた!と同時に、自分のルーツを探り、踊りや歌を学ぼう!とも。ないならつくればいい。そして習えばいい。まずはこの夏帰国したらしっかり盆踊りを歌って踊れるようにすること!この数ヶ月間は各国の伝統的な文化に触れたことで、日本の文化について改めて思いを馳せるきっかけとなりました。YAO

パラダイスで採れた野菜を次々に手にとり、軽やかなリズムで即興で歌うジャマイカのミュージシャン。

 


vol.183 夢か悪夢かリニアが通る! vol.12

発破が襲う「美しい村」
3000メートル級の山々が連なる南アルプスの山懐に抱かれた長野県大鹿村。「日本で最も美しい村」の看板が今や色あせて見えます。昨年12月、同村の生命線ともいえる県道で、リニア中央新幹線関連工事の発破による土砂崩落事故が起き、住民の生活や温泉旅館の営業がダメージを受けました。その記憶も冷めやらぬ中、同村最奥の釜沢地区では発破による掘削工事が始まり、住民が不安を抱え暮らしています。        ジャーナリスト・井澤宏明

釜沢地区で行われた発破テスト。皆が谷底にある坑口方向を見つめた

山が崩れたと思った 
3月28日、大鹿村釜沢地区に向かいました。南北朝時代、後醍醐天皇の皇子・宗良親王が暮らしたと伝わる「御所平」の地名が残る同地区には現在、赤石岳や小河内岳を望む急峻な斜面に、9世帯が暮らしています。沢のせせらぎや野鳥の声しか聞こえなかった山里は全長約25キロに及ぶ南アルプストンネル工事の長野県側最前線。除山非常口の掘削が始まっています。
この日、JR東海や鹿島JV(鹿島、飛島建設、フジタ)が地区住民の立ち合いのもと、同非常口で爆薬を使った発破テストを行い、騒音や振動を確認することになっていました。
同非常口では昨年12月、初めての発破が行われましたがその際、多くの住民が振動を感じました。「振動が斜面をズズズズとはい上がっていくように感じた」とミュージシャンの内田ボブさん。「山が崩れたかと思った」と恐怖を口にした住民もいます。
自治会長の谷口昇さん宅では発破後、ひどい雨漏りが始まり、風呂場のコンクリートがひび割れていました。その後も、山側に積んであった石垣が崩れ、寝室の壁まで迫ってきました。
谷口さんはJR東海に被害を訴えましたが、発破との因果関係は認められないまま。住民の不安をよそに、掘削を急ぐJR東海は今回の発破テストを提案してきました。
同非常口の坑口から約300メートル離れた集会場。住民、村役場やJR東海の職員など約20人が息をひそめ坑口方向を見つめる中、発破テストは行われました。「ゴーと聞こえた」という人はいましたが、多くの人は、音も振動も感じることは出来なかったようです。JR東海によると、爆薬の量は前回と同じ3キロですが、前回は坑口から40メートルで今回は110メートル。深くなっただけ、衝撃も小さかったのかもしれません。

石垣が崩れた谷口さん宅。「ドン」と家屋に押し寄せてきたという

悪夢と同居する日々
直後に行われた懇談会で、JR東海は住民に発破再開を伝えました。同地区は地滑り地帯で、村は毎年、道路のひび割れ計測を続けています。JR東海は今回のテストに間に合うように、地滑り計を5基設置しました。長野工事事務所大鹿分室の上野英和分室長は「発破でこちら(釜沢地区)に影響があるという認識は元々持っていなかった。これで数値としてしっかりするので、地元の皆さんに安心してもらえる」と胸を張ります。
それでも住民は安心などできません。懇談会後、「体感的なものが怖いんだ、俺らは。ここ(の斜面)は石をしょっている。それがドドドドと落ちてきたら、ということを常に考えてる」と訴える内田さんに、上野分室長は「我々はあくまでも数値でしか言えない」と応答。内田さんは「数値と現実がどれだけギャップがあるかということが問題なのよ」と、住民に寄り添う姿勢を求めました。
谷口さんによると翌29日、2回の発破があり、1回目ははっきりと音を、2回目は「ボーン」と感じたそうです。JR東海によると、発破は1日最大4回、夜中の1時や2時に行うこともあるといいます。「釜沢は何もなくても滑っているというデータがある。ちょっとした振動で地滑りを促進することもあるのでは」。谷口さんは不安に押しつぶされそうです。
4月1日、東京都内で開かれたリニアを考える集会。内田さんの奥さん、遠野ミドリさんは釜沢地区の今について参加者に報告しました。発破が始まった現状を「悪夢と同居する日々」と表現したうえで、「静かだったら、揺れなかったら、何をしてもいいんですか。(掘削)現場には多くの生物が生息し80デシベル以上の音が10 年間ほぼ毎日続きます。生態系に必ず影響が出るだろうということはバカでも分かります」と生き物の生活の場が壊されていくことへの危機感を訴えました。


vol.183 プレゼントコーナー

PRESENTS 183号

1- あなたの
「おススメスポット」教えて!
これからの行楽シーズン、あなたのおススメの
スポットを教えてね!
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事のタ   イトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名
(第1希望・第2希望)
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、 家族構成

プレゼントご希望の方は
ハガキまたはe-mailで、上記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
〆切:5月25日 当日消印有効。
Cはにらめっこ編集室に受け取りに来ていただける方。
宛先
〒504-0855 各務原市蘇原新栄町2-25
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。

A.CINEX 映画招待券 シネックス様より…ペア3組様


真っ暗な中で椅子に座り、ただ映画を観る。スマホをいじることは許されません。あとは映画の世界観に身を委ねるのみ。こんな非日常を味わうには劇場に足を運ぶしかありません。さあ、どの映画を観ましょうか?(招待券はシネックス柳ヶ瀬でのご利用となります)

 

B.いろいろあるよ熊鈴 にらめっこより…3名様


クマやイノシシをはじめとする野生動物に人の存在を知らせるためのアイテムです。自然豊かなフィールドでは、私たち人間が侵入者。「おじゃましま〜す!」の気持ちで熊鈴を身につけよう。

 

 

C.せんたく石けんスノール にらめっこより…2名様


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vol.182「食」特集Part-1 漫画で伝える「食」のこと           漫画家 魚戸おさむさん

食育って、生きる力を育むこと 「食」特集Part-1

Vol.100で『食』を特集して以来、さまざまな角度から「食」に関する情報を取り上げてきました。今回は、にらめっこが伝えたいこと満載の漫画『玄米せんせいの弁当箱』『ひよっこ料理人』在宅医療の最新作『はっぴーえんど』の作者・魚戸おさむさんに、漫画家から視た「食」についてお話を伺いました。

漫画で伝える「食」のこと

漫画家魚戸おさむさんに聞く
「食」にかかわる人たちって魅力的な人が多いんです。

『食卓の向こう側』でいっぱい学んだ
—食べ物がどんな経緯で食卓にあがるか、食べ物の向こう側をひもといていくと全部つながっていて。だから食をおろそかにしたくないんだけど、今、時短とか、安い早いウマイとか、そういうのに私たちが踊らされています。
魚戸:ボクたちの漫画業界も、時短が入ってきてます。楽は別にいいんですが、楽だけで描いていたら、ちょっと手間のかかることの面白さや、意味合いというか奥深さを知らないまま漫画を描いちゃうんだろうなと。これは「食」も一緒だなと思うんですよ。楽は楽でちゃんとうまく利用していけばいい。要はバランスですよね。人としてのバランスが崩れてくると、何かしらひずみが出てくる。
—食に興味を持って、シリーズを描こうと思われたのですか?
魚戸:はい、ボクが興味があって。みんなが知らないこととか見てみる見ぬふりするような食の奥深い内容になると、敬遠されがち。でも個人的にはおもしろいと思ったので、だめ元で編集部に聞いたら、意外や意外「おもしろいかもしれない」って。「食の裏側ですよ、地味ですよ」、「いや、いいじゃないですかね」って。ちょうど「食卓の向こう側」(西日本新聞社に連載された記事)を知ったころだったので、こういうことを漫画に描けたら楽しいだろうなぁと思って描いたのが「玄米せんせいの弁当箱」だった。その前に「食卓の向こう側」のコミック編を描いたことがあって、それは西日本新聞社の記者さんたちと一緒につくったんです。名前は変えてますけど「玄米せんせい・・・」には、知る人ぞ知る、見る人が見ればわかる実在の人がいっぱい登場しています。その人たちを取材して描くのがすごく楽しかった。

業界では、グルメ漫画ははずさないっていう定説があるんです。『孤独のグルメ』、『深夜食堂』、『クッキングパパ』とか『美味しんぼ』。それに引き換え、「玄米せんせい…」や「ひよっこ…」では手作りとか、日本の伝統食とか、発酵などの話しで、描けば描くほど、地味だなぁって思いましたね。(笑)でも、グルメじゃないところに視点をあてただけで、いろんなことが見えてくる。たとえば吉田俊道さんの菌ちゃん野菜なんかもそうですけど、草の根で地道な活動をを広げている人たちがいっぱいいる。漫画を描くことでそういう人たちの応援にならないかなと思って。えらそうですけど、ね。活動をしている人は、吉田さんはじめ魅力的な人たちばかり。ものすごく楽しそうにやっていて、それが描く動機にもなっています。
—岐阜でも若い親さんたちが、吉田先生の講習を受け「菌ちゃん野菜応援団・岐阜支部」として活躍しています。集うことが楽しくて、作る環境があるなら作ろう!と子連れで畑に通っています。そして台所で出るゴミをムダにしない。「循環」がキーワードになっています。(菌ちゃん野菜応援団 参)
魚戸:吉田さんは、幼稚園や保育園で生ゴミで堆肥を作って土を作り、野菜を育てているんですね。ある幼稚園でにんじん嫌いな子が「にんじんは食べない!」って言っていたのに、収穫のとき逆に「食べるな!」って。「あんなに大事に育てたものを何で食べるんだ!」と言ったと聞きました。にんじんとか大根を食べない子どもたちが、自分たちで育てて、畑から抜いてその場で土だけとって洗わずにかぶりつく。そこまでやるのは、子どもたちは本物をわかっているから、動物的な勘みたいなね。

ものがたりを紡ぐ食べ物たち

—そうなったらしめたもんですね。ところで「玄米せんせい・・・」「ひよっこ…」を描いていて惹きこまれた点はありますか?
魚戸:食べ物って、ものがたりがひとつずつあるんですよね。料理を作る人だけじゃなくて、食べ物にかかわる人たちのことを想像したら、もう数え切れないくらいの人たちがかかわっている。実在の人をいっぱい取りあげたのは、その人自身のものがたりがおもしろいから。「食卓の向こう側」のおかげで、いろんな人を紹介してもらい、その人たちがみんなつながってたりしてもうホントにビックリしました。それでどんどん取材しては描き、描いては取材して楽しくなった。
—「玄米せんせい…」は、若者や大学生が対象で、「ひよっこ…」は、幼い子と高齢の方。共通しているのは“作ること”。魚戸さんご自身は料理は作られますか?

玄米せんせいの弁当箱 10巻 食べることは生きること より

魚戸:ひよっこ料理人を描いているときに、近くのガス会社が主催する男の料理教室に参加してみたんです。そこでは和洋中を学べました。洋食が一番パパッと作れたかな。中華は炒める前のいろんなものを細かく切るのが大変。和食は、やっぱりだしでしょ。だしも、かつお節を削ってね。でも今は簡単・便利・安いからと削り節のパックを使っている人が多い。実際計算したらね、かつお節を買って削った方がよっぽど安上がりなんです。あと、だしを取ったときの色が違う。市販のかつおパックはちょっと黄色っぽい。もう酸化が始まっているからでしょう。「ひよっこ・・・Vol.8」で描いたんですけど、紙コップに味噌汁を3種類作って、それを子どもに飲ませてどういう感想を言うかっていうイベント。そして、みなさんはどの味噌汁を子どもに伝えたいですか?って問いかけるんです。
A-粉末味噌 B-手前味噌 C-出汁入り味噌で、子どもの感想はAがお弁当屋さんの味噌、Bはおばあちゃんちの味噌 Cがお母さんの味!でみんながガクって(>_<)
—それだけ化学調味料のうまみ成分が身に染みついちゃうと、手作りのものが、薄味に感じて頼りなくなっちゃう。
魚戸:手作りのお味噌屋さんやしょう油屋さんに共通しているのは、昔ながらの作り方をしているところ。ある意味感動しますよ。こんな手間かけてやっているのかって。でも誇りを持っているし、楽しそうにやってるんですよ。

ひよっこ料理人 8巻 ひよっこたちの出航 より

 

食はからだと心を支える

魚戸:佐藤初女さんってご存じですか?もう亡くなりましたけど、ボクお会いしておにぎりをいただいたり、お弁当まで作ってもらったんです。佐藤さんを支援している方から、初女さんの漫画を描いてと言われたんですけど、結局実現しなかったんでが、「ひよっこ…」の最後、主人公がおばあちゃんになるでしょ、あれは、初女さんをイメージして描いたんです。初女さん、病んだ人を受け入れて、食を共にしてその人は癒されて帰って行くと言ってました。「わたしは何にもしていないです。ただ、みんなでご飯食べましょ」って。
—食ってそういう力があるんですね。1人で食べるより2人、2人より3人という感じ、食卓を囲むって大事なことだなって。
魚戸:ですよね。そこに来る方で共通しているのが、孤立している人・・・。大分県の安心院(あじむ)っていう村でも、いろんな人たちを受け入れてます。ある時、24,5才くらいの若者が来た。腰が曲がってしゃべらない。心配した親が安心院の噂を聞いて連れてきた。そこでもただ毎日一緒にご飯を食べて、昼間は畑をやってなんとなくその辺でぶらぶらしている。そのうちに、曲がっていた腰が伸びてきた。民宿のおばちゃんは「別にわたし何にもやっていないよ。ただ一緒にご飯食べて話しをしてるだけだよ」。一週間ほどしたら、見違えるほど若者らしくなって、「ボク東京に帰ります」って帰って行ったそうです。
—一緒に食べることって大事ですよね。今、こども食堂が全国的に広がっているけど、そういうことなんですね。
魚戸:そうですね。食べることを通じて、わかちあえたり、仲間として受けいれらたりするものだと思う。安心院のおばちゃんは、食べるものに意味があるって言っています。地元の食材で作られたものとか、手作りのもの。食べる人を意識して作ったもの。もちろん、買ったものでも、たとえインスタントの物でもみんなで食べる!ことに大きな意味があるんですね。

—食べることってコミュニケーションの潤滑油みたいですね。
一品持ち寄りパーティーも楽しいですよね。
魚戸:九州大学で、「一品持ち寄り弁当の日」っていうのをやっていて、登場する先生も実際にいる方です。ボクが食のことに目覚めたのが40代のころ。その頃、作るのがあたりまえの子どもたちを育てた人たちは、ほぼ毎日子どもたちと一緒に料理をすることを楽しんでた人たちです。「弁当の日」の竹下和男先生もおっしゃってましたけど、子どもって台所に入ってくるんですよね。それを今の親さんは追い返す。邪魔とか、あぶないとかって。そこをなんとか少しでもいいから台所にいさせてあげて欲しいですね。食材を混ぜるだけでもいいから。これボクが混ぜたんだよとか、みんなで食べるときに、そういって自慢したりして自尊心を満足させるというか。また、やらせてって違うことをやらせてあげるだけで、どんどん変わっていくし、料理を作ることがあたりまえになっていく。
—あぶないとか、散らかるとか、そういうのをちょっとガマンするってことですね。
魚戸:しょうがないもんね。できないんだから、汚くしても、大人だって、できないことやればグチャグチャになるしね。

今度は「在宅」がテーマ

—ところで、現在は在宅医療のお話を描かれています。
魚戸:はい、実は身近な人が亡くなって、死や介護や看護のことを改めて考えさせられて。これは避けられない問題です。日本では「死」をまだタブー視する傾向があります。今は、医療サイドから見た話ですが、今後は、家族はどう思っているのかというところまで掘り下げたい。在宅と言っても、自分たちが面倒を看るってどういうことが家で起きるのか、病院と家の違いは?金額の問題とかも含め、いろんなことがある。ボクも学びながら描いています。
人は老いて死ぬ…このことは避けて通れないし、遠ざけてちゃいけないなぁ、と、そういう気持ちになって読んでくれたら、と思ってます。
—介護や看護、延命のことなど日頃の会話というものがとても重要になってきますね。
魚戸:そこなんですよ。ボクの伯父は入院して肺が真っ白けでもう長くないと宣告された。それで、いとこたちも、このあとの治療どうするかを患者の伯父に一任させちゃった。そしたら、伯父は「オレは点滴がいい」って。栄養点滴がはじまったら、点滴だけで生きていかなきゃいけない。ベッドから出られない。意識はちゃんとしているけど、食べられない、飲めない・・・。看てる方も辛くて、水飲みたいと言われても誤嚥しちゃうのでできない。そんな状況をみながら、食の漫画とは全然違うテーマだと思って描いていましたが、実は根本的な部分は全てつながってると描き出してから気づきました。

食べられることが、生きる意欲につながる

「はっぴーえんど」第2巻 言えない想い より

—はっぴーえんど2巻にカレーを作る患者さんが登場します。
魚戸:いやあ、あれを描いたときに、「魚戸さん、また食の漫画描くの?」って言われて。食べることって、生きることだから何かどうしても描きたくなるんですよ。
—寝たきりの人も嚥下ができなくなると、生きる意欲も低下するんですよね。だから、食べることは生きることにダイレクトにつながっている。
魚戸:そうですね。ホスピスの先生と知り合って、ホスピスを見学させてもらったことがあるんです。ご自分の仕事外のときに、玄米スープを患者さんに提供してたんですよ。ご自分の思いだけで。だから看護師さんもみんな知らなくて。死期が迫っていそうな目も開かない患者さんでも、そのスープを飲めて「美味しい」って言うんです。先生が「もう一杯飲みますか?」って聞くとうんと頷くので、また口に入れてあげる。するとね、目がフーッと開いて、「あーおいしいね〜」って。それでちょっと顔色がよくなってきて、もう一杯飲むと目がぱーっと開いて「あーおいしい」って、肌が健康な人の色になる。部屋を出てから「先生、あれなんですか?」って聞いたら、「すごいでしょ。人はね、口からものを入れる入れないっていうのが、どれだけ活力になるかってこと。だから胃瘻はね、緊急手段であって、ある期間どうしても栄養を入れなきゃいけないときに、仮の栄養補給として開発されたもの。あれで延命するとかという話しじゃないんですよ」とおっしゃって、食べることは本当に生きることなんだと確信を得ました。
—あえて漫画で伝えたい理由、想いというのは・・・?
魚戸:「玄米せんせい・・・」のときからですね、そういう想いになったというか、今思うと、「食卓の向こう側」という記事を読んでからかな。こんなことが世の中の見えないところで起きている、暗いことばかりじゃなく、いいこともあるんだけど、見えないものを伝える手段として、漫画もできるんじゃないかと。それで、決して上から目線ではなく、こんなことも、あんなこともありますよ、という情報としても知ってもらう。それで、一人でも二人でも、読んだ人がなにか食に対する考え方が変わったり、なにか行動を起こしたりとかね、そういうことにつながっていったら、描いた甲斐があるなぁと思って。で、実際描き出すといろんな人にお会いして、お会いするうちに「実は魚戸さんの漫画を読んで、ボク食に目覚めました。」「わたしもです」、という人がいてビックリしました。
—「はっぴーえんど」ってどれくらい続くんですか?
魚戸:わかんないねぇ。ボクの師匠にまで、「魚戸君よくこんな漫画描くね」って言われて。
—師匠はどなたですか?
魚戸:「仁」ってドラマ、ご存じですか?その作者です。幕末に、現代の医者がタイムスリップして向こうで四苦八苦して人を助けるという話し。知識はあるけど道具がない、材料がないというなかで、どうやって医者として活躍するかという話しです。その先生に、そんなの描こうと思う漫画家は魚戸くんくらいしかいないよって言われて。それこそ、地味な漫画の極地みたいじゃないですか。死ぬ人を描くなんてね。「ひよっこ…」も、「玄米せんせい…」も、そうとう地味な部類に扱われてたけど、さらに地味・・・

ユーモアが緊張をほぐす

—ときどき主人公がずっこけますよね。
魚戸:あれやらないとボクが辛いんですよ。重くなりがちなテーマなので、その逆のことができるキャラクターがいいなって。笑いの中に真実が見えかくれする。ボクは、食育漫画を描こうという意識はないんですけど、担当の編集長に「魚戸さんさ、どこまで気づいているかしれないけど、世の中の食とかね、興味ある人から見たら、魚戸さんをね、神みたいな存在だと思っている人、いっぱいいますよ」って言われて、「まじですか!」(笑)

うおとおさむ/プロフィール 漫画家。 北海道函館市出身。
村上もとか氏(代表作「JIN-仁-」、「龍」、「六三四の剣」など)星野之宣氏(代表作「ブルーシティー」、「2001夜物語」「宗像教授異孝録」などなど)に師事し、 1985年「忍者じゃじゃ丸」でデビュー。代表作・家栽の人(作:毛利甚八)・ケントの箱舟(作:毛利甚八)・ナイショのひみこさん・がんばるな!!!家康・イリヤッド 入谷堂見聞録(作:東周斎雅楽)・食卓の向こう側コミック編(作:渡辺美穂・佐藤弘)・玄米せんせいの弁当箱(脚本:北原雅紀)・イーハトーブ農学校の賢治先生(案:佐藤成)・ひよっこ料理人(協力・鈴木真由美)・はっぴーえんど(監修・大滝秀一)*現在、ビッグコミックオリジナル(小学館)にて連載中

 

「ボクは食育のプロじゃないですよ。いいんですか?」と念を押されたが、「食」をいろんな方向から見つめてみたくて強攻取材となった。漫画なら伝わる!そんな思いは共通していた。ともすれば世の中の動きに逆行するかのような「手間」を重視した魚戸さんの食に対する視点は現代社会に対する警鐘か?でも、決して上から目線ではなくひとつの情報として伝われば、というスタンスは、とても穏やかなその人柄の表れだろう。今後、在宅医療の問題をどう発展していくのか、「はっぴーえんど」がとても楽しみだ。(三)


vol.182 「食」特集Part-2 映画0円キッチン

「食」特集Part-2

食べ物は大事、生きること そのものだから。
もったいない食料破棄に ついて考えさせられる。
映画『0円キッチン』は、 多くの気づきがありました。

世界で生産される食料の3分の1は食べられることなく廃棄されている。その重さは世界で毎年13億トン。「捨てられてしまう食材を救い出し、おいしい料理に変身させよう!」食材救出人のダーヴィドがヨーロッパ5カ国を巡る おいしく明るい”食”の旅路。 使った廃油は684.5L。走行距離5079Km。救出した食材690Kg。 「捨てられてしまう食材を救い出し、おいしい料理に変身させよう!」と考えた食材救出人のダーヴィドが廃油で走るキッチンカーでヨーロッパ5カ国の旅へ出発する。
初公開: 2015年6月7日
監督: ゲオルク・ミッシュ      上映時間: 1時間 22分
映画脚本: ダーヴィド・グロス   ジャンル: ドキュメンタリー
プロデューサー: Ralph Wieser

日本の食料廃棄
1年間に日本から発生する食品廃棄物は、食料消費全体の約3割にあたる『2000万~3000万トン』そのうち本来食べられたはずの、「食品ロス」は約632万トン。日本人1人当たりに換算すると、”お茶碗約1杯分の食べ物”が毎日捨てられている計算。日本の食料自給率は現在39%(平成27年度)で、大半を輸入に頼っていますが、その一方で、食べられる食料を大量に捨てているという現実があります。

 

ショックと憤りで、いてもたってもいられなくなり…

――「ゴミ箱ダイバー」になろうと考えたきっかけは?
ダーヴィド:以前の私は、「フードロスはあるだろうな」という程度の認識でした。それが、たまたまニューヨークなどでゴミ箱に入り込んで、まだ食べられるものを探す「ゴミ箱ダイバー」がムーブメントになっていることを知って、いろいろ調べてみたんです。それで、故郷のオーストリア・ザルツブルグのスーパーマーケットのゴミ箱をのぞいてみたら、もう、びっくり。多少はあるだろうと踏んでいたのですが、その量が想像をはるかに超えていて……。まだ新鮮な食べ物が山のように捨てられている現実に、いてもたってもいられなくなったんです。

ゴミ箱のなかは宝の山!?

――ゴミ箱ダイブを体験して、どんな発見がありましたか?
ダーヴィド:最初はショックと腹立たしさで、これは何とかしなければと猛烈に使命感が湧いた。やっていくうちに、宝の山を探検しているような、ワクワクするような感じにもなってきて。まずは自分たちでできることからやってみようと、仲間といっしょに、ゴミ箱から救い出した食材を使った「0円キッチン」のイベントを始めました。「おなかがすいている人集まって!」と呼びかけて、みんなで料理して、みんなで食べる。その様子を撮影して、シリーズでウェブ上に公開したんです。そうしたら、思いがけずものすごい反響があって……。

「家に帰ったら、冷蔵庫を点検してください」

――家庭の冷蔵庫を抜き打ちでチェックするシーンは印象的ですね。賞味期限切れの食材が出てきて「どうしてこんなにしちゃったんですか?」と問い詰める…
ダーヴィド:あそこは私も一番好きなシーンのひとつです。家に冷蔵庫が あれば必ず思い当たるでしょうから。家に帰って真っ先に冷蔵庫を開けてみるというアクションにつなげられたらいいな、という思惑があったからです。フードロスの直接的な要因は、賞味期限です。賞味期限が過ぎた食材は自動的にゴミ箱行きという暮らし方が、この問題を深刻にしています。本当は、賞味期限が過ぎたものでも食べられるものが多い。この映画が一番伝えたいのはそこです。家庭の冷蔵庫で眠っていた賞味期限切れの食材で料理する映像をきっかけに、わが家の冷蔵庫にあるものはどうだろうと考えてもらいたかったんです。

自らの五感で「賞味期限」を判断する力を

――賞味期限切れのものを食べるという行為はなかなか勇気がいるのですが……。
ダーヴィド:そうですよね。そもそも賞味期限というのは、次々に新しい商品を売っていくために設けられた消費社会のシステムのひとつ。この映画は、フードロスをなくすために何ができるかということがメインテーマですが、この問題の根本にあるのはいまの消費社会なのだということも言いたかったんです。
幸い私たちの家庭の中にも、においや見た目、感触で、食べられるか否かを判断するという祖父母の世代の文化がまだかろうじて残っています。いまのフードロスの問題を考えるうえでも、将来の世界の食について考えるうえでも、これからの子どもたちには、自分自身の五感で本当の賞味期限を判断できる力を身につけさせていくことのほうが大切ではないでしょうか。

小さなきっかけがあれば、習慣は変えられる

――賞味期限にしろ、スーパーの廃棄にしろ、私たちの生活習慣にしろ、変えられないことはないということですね。
ダーヴィド:もちろん、変えられます。もっとも大切なのは、自分が買う食べ物の歴史に興味をもつこと。「産地はどこ?」「生産者は誰?」「旬のとき以外に買う必要はある?」……というように、食べ物がつくられる背景を考えながら買うことを習慣にすると、いろんな意味で自分と食べ物とのつながりをもっとリアルに感じられるようになる。食べ物の選び方も変わるし、食べ物への感謝も自然に生まれるのではないでしょうか。

「食べることが人々をつなげていく」

――来日した時も、「0円キッチン」のクッキングセッションをされたそうですね。
ダーヴィド:とても有意義なものでした。フードロスの問題は、廃棄食材の量など数字で語られることが多いのですが、それだと実感が持ちにくい。「0円キッチン」では、廃棄されようとしていた食材をおいしい料理によみがえらせていくクリエイティブなプロセスのなかで、大事なことが伝わっていくんです。実体験にまさるものはないということを、改めて思いました。
それが「もしかしたら」と考えるきっかけになる。食べることは人々をつなげていくといわれるように、まさしく、「0円キッチン」には、一人ひとりの気づきをつなげ、広げていく可能性があると思います。

食品ロスを減らすために日常生活でできる10ポイント
〜買いに行く前〜 (1)冷蔵庫や戸棚の食材の量を確認
(2)空腹状態で買い物に行かない
〜買い物中〜 (3)すぐ食べるものは棚の手前から取る
(手前ほど賞味期限の迫ったものが置かれているため)
(4)必要以上に買い過ぎない
〜調理中〜 (5)できるだけ食材を使いきる
〜 食べた後〜 (6)食べきれなかった料理は別のものに変身。やむを得ず捨てる場合は、水気を切って捨てる
〜 保管中〜 (7)賞味期限は美味しさの目安。自分の五感を使って判断する(8)地域や学校、職場で一人一品持ち寄り運動 を実施し、家庭の在庫の無駄をなくす
〜 外食する時〜 (9)飲食店などで注文し過ぎない。食べられる量を出してくれる店を選ぶ(10)残さずに食べる。

 

ダーヴィド・グロス David Gross
1978年オーストリア、ザルツブルグ生まれ。大学でコミュニケーション科学、演劇学、ジャーナリズムを学ぶ。以後、ジャーナリスト・ドキュメンタリー映画監督として活動。

(はじめよう、これからの暮しと社会KOKOCARAより)

 


vol.182 カタコトの部屋 牛乳、飲む?飲まない?

牛乳、飲む?飲まない?

 

栄養豊富で成長にかかせない食品とされる牛乳。しかし、牛乳には問題点があるという情報も…。今回は、積極的には牛乳を飲まない、という選択をしたママたちにお話しを聞いてみました。

 

わが家と牛乳

Kさん わが家では牛乳は飲んでいないです。牛乳のために牛が何回も搾乳されていることも気になるし、牛のお乳は仔牛を育てるためのもの。乳離れした人間には必要ないんじゃないかなぁって思って。
Nさん 私はホルモン剤など気になる事はあるけど、牛乳を使うと美味しい料理もあるし…。ただ、買う時は低温殺菌にしています。
Oさん 私は好きじゃないので飲みませんが、主人は牛乳好き。子どもは家では飲まないけど、給食では飲んでいます。カルシウムは他の食品でも取れるので、牛乳から摂る必要はないと思っています。でも、牛乳を飲む人には、自然放牧、抗生剤やホルモン剤無投薬のものを選んでほしいな。
Yさん 以前は飲みませんでしたが、同居の牛乳愛好家のお義母さんが子どもたちを愛してくださる気持ちを受け止めようと、今は感謝して飲んでいます。
Tさん 第1子妊娠中は牛乳を飲むとお腹が痛くなり飲めませんでしたし、牛乳は不要とさえ感じていました。でも第1子の入園を機に、豆乳より牛乳が好きだし、飲めるし、産地や生産者、遺伝子組み換え飼料かなどを気にして選んで、嗜好品としてありがたくいただこうと考えるようになりました。
Sさん 私はたまにカフェオレを飲むくらい。子どもは便が緩むので幼稚園でも飲んでいないです。「日本人には牛乳は消化しにくく、カルシウムを吸収できていない」と読んだこともあって、メリットも感じられないし、それでいいかな。
Mさん たまにシチューで使う程度です。第1子は年長から飲むのをやめていますが、たまには家族で飲むこともあります。毎日飲む健康食品ではなく、し好品と思っています。
Aさん 昔は飲んでいましたが、食材や調味料に気を配るようになったら、牛乳を飲むと家族全員のお腹が緩くなるようになり、やめました。今はおかずをクリーミーにしたいときでも雑穀などを使っています。


幼稚園や学校では

Kさん 昔から牛乳を使っていない幼稚園で、給食に牛乳が出ないんです。
Sさん 牛乳、ヨーグルトはやめてもらっています。
Aさん 幼稚園には入園の時に乳糖不耐症であること、万が一飲んでしまっても命の危険はないことを理解してもらって、飲まないようにしてもらっているよ。
Hさん 担任にはお腹が痛くなるから、と伝えていますが、先生によって対応が違って、子どもに対して「飲んだほうがいいので学校では飲めるようになる練習をするよ」「みんなが飲んでいるのに一人だけ飲めないのはかわいそう」と言われたときは「学校で練習することではないし、体調が悪くなったら学習どころではない」と話しました。かわいそうかは本人が感じることなのになあ…
Mさん 私も言われました。前例がなかったようで証明を提出する前は、入学前に学校に2度呼ばれました。「飲めないのはかわいそう」「パンの時にお茶は合わない」などと平行線でつらかったです。乳糖不耐症※に理解のあるお医者さんが近くにいることを知り、証明をいただき、学校に提出することができました。

※乳糖不耐症とはーーー乳糖を分解するラクターゼという酵素は、赤ちゃんの時にはほとんどの人が充分な量を持っているが、年齢を重ねるごとに減っていく。牛乳を飲むとおなかがゴロゴロしたり、下痢をしたり…これはラクターゼが不足して乳糖を分解できないために起る症状。

もし選ぶなら・・・
より自然に近いノンホモ・パスチャライズドの牛乳を。

牛乳の生産行程について考えてみませんか?
牛乳は以下のような工程で生産されます。

搾乳→集乳→計量→冷却・貯乳→均質化(ホモジナイズ)→殺菌→充填→日付印刷→製品検査→出荷

多くの牛乳では生乳本来の風味や栄養素の維持よりも生産効率が優先されてしまい、結果として臭みがある、乳糖不耐症の症状が出やすいなどのデメリットが発生しています。
一般的なホモジナイズド・超高温瞬間殺菌の牛乳が1Lあたり200円前後であるのに対し、ノンホモ・パスチャライズドの牛乳は400〜800円ほどとかなり高価です。しかし、体への影響を考えたらやはり高くても質の良い商品を選びたいもの。

牛乳は嗜好品として少量楽しむのがおすすめ。
体質的に合う・合わないがあるということ、カロリーが高くお腹に溜まるので牛乳を飲みすぎることも要注意。その分ご飯が食べられなくなり栄養が偏ってしまうことも考えられます。

食品の質を左右するのはどれだけ自然に近いかどうか。
科学技術のなかった時代から食されていたものは、人の手が入っているとはいえ今よりははるかに自然に近かったはずです。肉だって、野菜だって、もちろん乳製品だって。そしてそれらの食品は長い歴史の中で私たちの命をつないできてくれました。もちろん、食文化により腸内細菌が形成されるので日本での歴史が浅い乳製品などは大量に食べることが良いと思いません。

乳牛の生育環境にも注目しよう。
もちろん、生産方法以外にも生育中に投与される抗生物質やホルモン剤、遺伝子組み換え飼料、牧草の放射能汚染についても対策している牛乳を選ぶのがベストです。ただ、「動物性はNG!」「乳製品はダメ!」と言うのではなく、飼料もふくめた生産プロセスにも注目したいと思います。
「どの食品を摂るか」ということと併せて「どんな風に生産されたか」にも注目して食材を選びたいものですね。

子育てコミュニティ toco toco
子育て世代のやってみたい、知りたい、学びたいことを、自ら企画・運営。誰かが講師、受講者という立場のない、一人一人が活躍する「学び合い会」を中心に、顔と顔を合わせて集う良さを生かした活動を展開中。

問い合わせ:facebook「子育てコミュニティtoco toco」

 


vol.182 かなでの沖縄だより vol.6


沖縄に来て1年
沖縄に来て1年が経とうとしてます。
学内演奏会でソロを歌わせてもらったり、沖縄慰霊の日の記念行事として行われたモーツァルトの「レクイエム」コンサートに参加させてもらったりと、この一年でたくさんのこと経験させていただきました。今は1年生最後のビックイベント、門下生で上演する オペラ『ヘンゼルとグレーテル』の稽古に頑張っています。

最近のことで
2月4日に名護市長選がありました。でも、那覇からは遠いところの出来事といった感じで、詳しいことは伝わってきませんでした。大学で話題になることもなく、毎日の講義や稽古に追われてきました。アルバイト先の奥さんとはいろいろと話すのですが、それ以外は沖縄の生活に慣れてしまって、何の違和感も感じられなくなっています。オスプレイも飛んでいると言われますが、気になりません。基地のことなど、沖縄に行ったらもっと身近に感じられるのかなぁと思っていたのですが、そんなことはありませんでした。沖縄に来てもうすぐ1年たつのですが、そんな自分を少し怖くなる時があります。奥さんも、沖縄にもいろいろな思いを持っている人が居るので、米軍基地の問題とかなかなか話しづらいと言われます。
でも、今年11月に予定されている知事選には私も投票する権利があります。その時にはしっかりと考えて投票したいと思っています。

沖縄の季節
夏はとても暑くて、内地にいてこんなに肌が痛くなることってあったかな?と思うくらいにすぐ真っ赤になってしまいます。はじめて沖縄の夏を体験して、自分が少し黒くなった気がします。3月に帰省した時、同級生から「真っ黒になって帰って来ると思った」と言われました。でも2年目は日焼け対策も大丈夫!沖縄の夏の海で、悔いを残さないよう遊びたいです!!!
沖縄には「秋」という季節はない気がします。10月くらいまでは半袖でも大丈夫なくらい。11月後半くらいから少しづつ寒くなって12月後半には一気に寒くなり沖縄の冬です。
風がとても強く、とても冷たいと感じます。15度をきったら本当に寒いです。沖縄でも、ダウンコートを着ている人もいればストーブや暖房を使う人もいます。こたつも使う人、います。もちろん、私は沖縄の1年目の冬には耐えられそうです。各務原の方が断然寒いので、凍えるまではいきませんでした。でも、「そんなこと言ってるのは今だけだよ」ってよく言われます。「体が沖縄の気候に慣れれば寒くなるよ!」って…。
内地の友達と話していても、「沖縄、暖かいんでしょ?いいな」とよく言われます。でも、沖縄は沖縄でとても寒いです。
それが、2月も終われば、また暑い暑い長い長い夏がやって来ると思うと、気がおかしくなりそうです。
少し、沖縄の気候について知っていたもらえたでしょうか?

この一年、『かなでの沖縄だより』を、沖縄に行ったことのある人にも行ったことのない人にも、少しでも沖縄について知ってもらえたらと思って書いてきました。これからも少しでもたくさんのことが伝えられるよう、書き続けていきたいと思います。


vol.182 熱中世代発 リバース12号

キチョウ(キタキチョウ)
Euremamandarina(冬を生きるチョウ)

昨年の暮れも迫ったある日、庭で枯れ草を掃除していた妻が大きな声で僕を呼びました。こんなに寒い季節にヘビはいないはずです。庭に飛び出してみると、小さな黄色いチョウがいました。掌の中で横たわったチョウは、息を吹きかけると、わずかに触角を少し動かすのです。彼女は不思議そうに「冬に蝶がいるなんて、生きているの?」と尋ねます。ミドリシジミは卵で、オオムラサキは幼虫で、アゲハチョウやモンシロチョウはさなぎで、チョウは種類によって、卵、幼虫、さなぎ、成虫と4通り方法で冬を越します。彼女が見つけたキタキチョウは、成虫で越冬します。庭の枯れ草の間で冬眠していたのを見つけられてしまったのです。このチョウは落ち葉のすき間に放してあげました。昨今、チョウが少なくなる中、このチョウはまだその数を減らしていません。幼虫がマメ科の植物の、しかも多様な種類を食草としているからです。食草のミヤギノハギやメドハギ、コマツナギ、ハリエンジュ、ネムノキは市街地の公園や堤防に植えられています。食草に多様性を持ったことがこのチョウが数を減らさない要因なのでしょう。岐阜市の柳ヶ瀬付近の公園でさえ見る事ができます。また、岐阜市や各務原の市街地でも普通に見られます。
冬の温かい日にチョウを見る事があるかもしれません。黄色いチョウなら、キチョウかもしれませんよ。

 

キチョウは、チョウ目・シロチョウ科の蝶で草原や畑、市街地などに普通に見られます。最近「キチョウ」とされていた種は、ミナミキチョウが南西諸島に分布と、キタキチョは本州~南西諸島に分布の2種に分けられることになりました。外見による見分けは出来ません。本種はキタキチョウです。

 

写真・三輪芳明(みわよしあき)プロフィール 1952年 関市生まれ。仲間と岐阜県では絶滅したと考えられていたコイ科の魚類ウシモツゴを発見、人工的な大量繁殖させ野生復帰に成功する。岐阜・美濃生態系研究会 二ホンミツバチ協会 日本チョウ類保全協会。

 

 

庄司 正昭 さん

Permaculture Design Lab

 

 

Permaculture Design Labの大きな活動の一つに、パーマカルチャーの手法でのフォレストガーデン(食べられるお庭)造りがある。
「『高木、中高木、低木、草本、地覆類、根菜類、蔓性類』が森の7階層になります。それを庭に作るんですが、そのほとんどが食べられたり使えるものなんです。そして、庭ができたから完成、ではなくて、そこからが暮しのスタートだと僕は思ってるんです。お子さんと一緒に植えた果物の苗や木に、一つでも花が咲いたら「花が咲いた!」と喜び、実がついたりした日にゃあ、収穫できるのが楽しみでしょうがない。食べ物が庭に実るって豊かですよね。そういうことをもっと多くの人に知ってもらいたいです」と庄司さんは語る。
昨年、庄司さんは4人の仲間と共に静岡県菊川市の中学校でパーマカルチャーの授業を行った。
「総合学習の時間を使って『学校をパーマカルチャーの視点でデザインする』というテーマで、動物を飼ったり、雨水を溜める場所、暑い夏に日陰を作って休む場所を作るとか、学校が楽しくなるためのデザインをみんなに作ってもらいました。子どもたちはパーマカルチャーを知る事によって視点が本当に変わったって言ってくれました。 ゴミではなく資源。耕作放棄地ではなくてそこも資源。それをパーマカルチャーではProblem is solution(プロブレム イズ ソリューション)って言うんですけど、問題は解決の糸口。そういう視点でいろんな物事を見てくれました。」

フォレストガーデンのイメージ
(Permaculture Design LabのH.P.より)

生徒全員が参加できる学校での授業、そこに取り入れられることには大きな意義がある。 SD(持続可能な開発のための教育)の研究指定校とはいえ、公立中学校が授業にパーマカルチャーを取り入れることはまだ珍しい。12月の発表会では、全国各地の先生が同校の取り組みを学んだ。これが機会となって、パーマカルチャーがどんどん広がっていったら、と庄司さんは願っている。
関市洞戸に移住して8年、地中の空気と水を動かす「大地の再生」、暮らしのある庭「パーマカルチャーガーデン」造りなどの仕事や岐阜森林文化アカデミーの講師、自然農での米作りやしょうゆ造り…庄司さんの周りにはいつも自然と仲間が共にいる。
「僕たちは自然界から「ギフト」をもらって生きています。タネをまけば実がなるし、空気があるのもそう。なのに今、社会は自然を壊す方向へと向かっています。ギフトをくれている自然界、じゃあ僕らはその自然界のために何ができるのか、みんなで考えたいですね。」

 

しょうじ まさあき/Permaculture Design Lab、もりにわくらし代表/パーマカルチャーデザイナー、ネイチャーインタープリター
1970年宮城県生まれ 。 システムエンジニアとして働きながら、登山やキャンプなど自然の中で遊ぶことにに目覚める。 2000年にネイチャーガイドの勉強を始め、日本が誇る里山の素晴らしさと大切さを知り、昔ながらの日本文化(暮らし方)を守り繋ぐこと が必要と感じる。未来につながる暮らし方のデザインとして、パーマカルチャーに出会う。現在、築100年の古民家を借り、畑、田んぼ、コミュニティ作りなど、暮らしを楽しみ ながら、庭師、大地の再生(通気水脈改善)の他、子どもキャンプ、パーマカルチャーキャンプなど自然や暮らしを伝える活動も 行っている。           (関市洞戸在住)

 


vol.182 ボーダーレス社会をめざして vol.41

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

 

一人暮らしって危険

障がいのある息子が一人暮らしの練習をし始めたのは、27年4月からで、もうすぐ3年になろうとしています。

1年程前の話です。アパートにいる息子から夜9時頃に電話がかかってきました。電話はめったにかけてこないので何だろうと思い取ると、「竹下さんがみえました。キャッシュカードがいります」と言います。「はっ?誰その人?キャッシュカード?」訳がわかりません。やられた!!キャッシュカードは持ってないはずなので、サインをしてしまったか・・・。血が引いていきました。雨の中、急いで車でアパートに駆け付けました。名刺がちゃんと置いてあり、その人にお金を払ったと言います。よくよく見るとNHKでした。すぐその名刺に書かれている会社に電話をすると、NHKから委託され集金している会社だというのですが、なんか怪しく、「どうしてキャッシュカードなんていう訳?お宅は変な会社じゃない?これから警察に電話するけど。」と言うと「今はキャッシュカードで手続きができるので、担当者がそう言ったのだと思う」と言い訳をしていました。支払ったのは受信料の1ヶ月分で少ない金額だったので一安心しましたが、知らない人でも簡単にドアを開け、話し、簡単にお金を払ってしまうという事が判明しました。それにアパートに駆け付けた時には、玄関に鍵がかかっていませんでした。「どうして鍵がかけてないの!ハンコ押してない?自分の会社の名前言ってない?」など矢継ぎ早に質問をし、少々私の方がパニックになりました。この部屋の主は、障がい者だ。簡単に騙せると知ったら、息子が勤務している会社に行ってお金をたかることも考えられます。「知ってる人以外は、絶対に扉は開けないこと」と約束しましたが、果たしてどうなることやら???

ひとつ勉強をしましたが、一人で暮らすということはかなりのリスクを伴うのだと実感しました。これから本人がいろいろ経験して、体で覚えていく以外方法はないのでしょう。と思っていましたら、一人暮らしを希望する障がい者に支援をする公的なサービスが、この4月から始まることになったのです。「自立生活援助」というものです。これは障がい者支援施設やグループホーム等を利用していた障がい者が対象で、息子のような人は対象外になってしまうのですが、大きな一歩です。定期的に障がいのある人のお宅を訪問し、食事・洗濯・掃除などに課題はないか、公共料金や家賃に滞納はないか、体調に変化はないか、地域住民との関係はいいか?など必要な助言や医療機関との連絡をするというものです。このようなサービスが増えていくと一般の人と同様に、障がいのある人も一人暮らしを希望する人が多くなっていくのでは?と期待をしています。間違いなく、障がい福祉の世界は、明るい未来に向い進んでいます。

 

 

 


vol.182 人生これから えんぴつ・カフェ

人生これから
エンディングというと、「わたしにはまだ早いわ」、「ぼちぼち考えるわ」、「親に書いてもらうわ」とさまざまな反応が返ってきます。人生のエンディングは誰もが迎える、ということはわかっていても、準備をするときを決めかねてしまう・・・エンディングという言葉に抵抗を感じる人も多いですね。だから、私たちは、ライフデザインノート「ゼロの昇天」。いま、これから、どう生きるかが大事。だって、人生これから!ですから。(^o^)

第3回えんぴつ・カフェ開催
と き:2018年3月16日(金)
じかん:9:30-11:30
ところ:各務原市産業文化センター 2階 第一会議室
各務原市那加桜町2丁目186  電話: 058-371-2846
参加費1,000円(資料代700円
(コーヒーOR紅茶&お菓子付き、「ゼロの昇天」ご持参の方は500円)
書き直したり、気持ちが変わったりするのを見越してえんぴつで。。ひさびさに、学生になった気分で!あーだこーだとおしゃべりしながら、らくがき感覚で描き込んでみませんか?

 

          参加者の感想
第1回 えんぴつ・カフェ 2018年1月17日(水)

第1回の「えんぴつ・カフェ」

・ノートを購入したことがひとつステップをクリアしたと思ってしまい、実は開いてないんです。(笑)
・連れ合いに、そろそろ書いといてよ、と言われていた。でも、どこをどう書けばいいのか、検討もつかない…
・わたしは終活中なんです。大病をして、漠然としていた死が身近になった。これからどう生きていくかがとても大切に思う。
・助産師として仕事をしています。生まれる現場にも死は隣りあわせと感じています。
・孤独のすすめ(五木寛之)を読んで、死に向かって生きているんだなと思った。過去の思い出にひたって、奮い立たせることもある。思い出も大事。
・在宅で看取った。生きるってどういうことか考え込んだ。ノートを生かす方法を考えたい。
・子育て真っ最中のときに、義理の父母が認知になったのでほんと大変です。母を亡くしたとき、家族葬で母の生い立ちを知ることができた。このノートははじめの一歩として活用したい。
・子どもに接する仕事をしています。自分自身をちゃんと振り返りができるようになりたい。
● 整理整頓 衣服、写真、年賀状や手紙、資料、本・・・書き出して、シェア。全員が気になっている物を「整理するぞ!宣言」をして終了しました。

第2回 えんぴつ・カフェ 2018年2月9日(金)
● やりたいことをリストアップ。5分間で書き出すワークでは、参加者の数だけ項目が出てきて、その人の人生観も浮き彫りになりました。
・自分を見つめ直すいい機会になった。

・みなさんの積極的な生き方が刺激になった。などの意見がありました。

 

定価700円

問い合わせ:「ゼロの昇天」編集委員まで

田辺 090-5638-7044 三上 090-7854-4561