投稿者「にらめっこWeb版スタッフ」のアーカイブ

vol.190 菌ちゃん野菜応援団 vol.11

夏野菜を植える!

今年度市の助成金を受けて1年間食育をテーマに活動できることになりました。早速夏野菜を植えるイベントをしましたよ。

ここは去年枯れ草をたくさんたくさんいれたところ。
半年かけて菌ちゃんが草を食べてさらさらホロホロの土に育ててくれました。
そこにこれまたこだわって固定種、在来種のお野菜の苗を。

無農薬無化学肥料のお野菜栽培スタートです。

畑をやろう!と一口に言っても何からとりかかるのか、何をいつやるのかわからない人がほとんど。

こうやってみんなで一緒にやれるのはとても心強い!
親子連れさんが多かったので皆さん助け合いながら苗を植え付けていました。

「ずーっと子育てしながら仕事をしてきて実は少し私にはしんどいところがあった。パートナーにも不満や文句ばかり。でも、いま、こんな時間が持てるのは間違いなくパートナーのおかげ。そして、畑にいる子どもがこんなにも愛おしく思えるなんて知らなかった。幸せってこういうことなのかもしれないね」

ポツリとつぶやいた一人のママの言葉に危うく泣き出すところでした。お母さんたちみんな頑張ってますよね。毎日本当に一生懸命。
そんないっぱいいっぱいのお母さんたちが土に触れて野菜に触れる。そこから親子でつかみ取っていく何かをみんなでシェアしあえたらこんなに素敵なことはないなぁ。野菜作りは人との絆を強くするのかもしれないな、と感じています。

お野菜も子どもたちも。すくすくおおきくなぁれ。


vol.190 未来に続く暮しの学びPrt-32

持続可能な暮らしのアイデア                Part-2 Garden to Table and Dance floor

 前号では、Farm to Table (畑からテーブルへ)の提案をしました。この号では、それにプラスDance! (踊り場へ!!)を取り入れた企画の報告をしたいと思います。
 秋の初めに当たる4月。畑ではさまざまな作物が実りを迎える季節です。この一ヶ月間を「収穫祭」として、毎週末、畑で収穫した野菜でご飯を作り、音楽を楽しむという企画をしました。
食。音。踊り。

 まずその時の音楽のジャンルに合わせて、料理のテーマを考えます。次に畑で採れる野菜をいろいろと工夫します。ブラジル料理、メキシコ料理、エチオピア料理、中華料理、中近東料理、インド料理、などに対応できるようアイディアを出し合い、新しいメニューに挑戦しました。キッチンスタッフも新しいレシピを考案するいい機会になり、ここに集う人みんながアーティストになりました。
 さらに、スーパーでは見かけない野菜…たとえば、キャッサバ、ハヤトウリ、グリーンバナナ、ヤーコン、根菜など、あまり馴染みのない野菜が実はこの地域でも育てられるということ、その野菜の料理方法を共有することは、私たちの活動目的につながって、とても感慨深く感じました。
 もう一つの大きな特徴は、いろんなバックグラウンドの人たちが混在しているということ。オーストラりアならではの土地柄でしょうが、みんなの違いを感じるいい機会にもなりました。

 音楽、料理、ダンス、パフォーマンス、いろんなアートが混ざり合い、異文化を共有できた今回の企画。
 まさにアートに国境はない。そんなことを思いつつ、次はどんなコラボレーションが生まれるか、この地域の特性を生かし可能性を広げていきたいと思います。      やお


vol.190 夢か悪夢かリニアが通る!vol.19

 あなたの家の軒先に高架橋が現れ、時速505キロで車両が行き交うようになったら――そんなことを想像したことがありますか。前回の東京オリンピックが開かれた1964年10月に開業した東海道新幹線を巡って、沿線の名古屋市の住民が騒音や振動の差し止めと損害賠償を当時の国鉄に求めて、「名古屋新幹線公害訴訟」を起こしました。長い裁判を経て86年に和解は成立しましたが、国鉄を引き継いだJR東海はこの経験から何を学んだのでしょうか。新幹線開業から半世紀を経た今、リニア中央新幹線で「いつか来た道」を歩もうとしています。                  井澤宏明・ジャーナリスト

見上げれば超特急

「最後の手段」、差し止め提訴

 品川―名古屋間約286キロのうち9割近くがトンネルのリニア。既に実験線(全長42・8キロ)が完成している山梨県では全体の3割以上が地上部を走る予定です。
 住宅地の真上を通るリニアの巨大な高架橋によって静穏な生活が破壊される――などとして、山梨県南アルプス市の沿線住民が5月8日、事業を進めるJR東海を相手取り、同市内の建設工事差し止めや慰謝料を求める訴訟を甲府地裁に起こしました。

 提訴したのは「南アルプス市リニア対策協議会」の8人。同協議会は昨年4月、JR東海がリニア建設用地として幅約22メートル(両側4メートルが緩衝帯)だけしか移転補償の対象としないことなどに異議を唱え、甲府簡裁に民事調停を申し立てました。
 民事調停で住民側は、▷リニア用地から約30メートル以内の住宅の移転または金銭補償▷高架橋で分断される「残地」の買い取り▷日陰が発生するすべての住民に対して、日陰の時間に応じた補償――などを求めました。これに対しJR東海側は「いずれも応ずることはできない」とし、調停は不調に終わりました。
 やむなく提訴となったわけですが、原告の志村一郎さん(77)は会見で、「最後の手段という気持ち。JR東海とは何回も話し合ったが、沿線住民の生活に配慮していないことがはっきりした。(リニアが)軒先を通るような場合でも、移転対象ではない、金銭補償がない、ということですから、どなたも納得できない。少なくとも正当な補償を求めたい」と訴えました。
 訴状では、リニア建設予定地になったために、原告の土地や建物の価値が低下、将来の生活設計が台無しになり精神的苦痛を負っていると主張。高架橋が建設されリニアが開業すると、公害が起こり健康被害をもたらすと指摘しています。
 具体的には、▷高さ30メートルの高架橋の日陰になり、冬至には日照が1時間になる▷早朝から深夜まで6分間隔で車両の騒音や振動にさらされる――ことなどを挙げています。 
 


百害あって一利なし

 原告のトマト農家河西正廣さん(71)は、リニアにより農地が斜めに分断され、高架の日陰で栽培が続けられなくなります。

 「我々の地域は風光明媚で過ごしやすい穏やかな街です。ここに、怪物のような半永久的なものが出来てしまう。リニアで利便性が良くなると言われているが、我々にとって、『百害あって一利なし』です」と、語気を強めました。
 差し止め請求の対象は同市内の約5キロですが、代理人の梶山正三弁護士は「全部を止めるのと同じ効果を狙っている」と説明しています。JR東海は、リニアは「公共事業」で「公共の利益となる事業」だとしていますが、梶山弁護士は「リニアは、不特定多数のためという意味で『公共性』はあるけど、皆のためになるという『公益性』はみじんも認められない。皆のためにならない事業だったら、『皆さん、我慢する必要ありませんよ』という理屈です」と、差し止め請求の理由を解説しました。
 リニアを巡っては、国の事業認可取り消しを求め約800人が起こした行政訴訟が東京地裁で続いていますが、JR東海によると、建設差し止めを求める民事訴訟は初めて。
 金子慎社長は5月30日の記者会見で南アルプス市の裁判について、「リニア工事を差し止めてほしいという大きな要求で、私たちとしては応じがたい」と述べたと報じられています。しかし、住民が自分たちの生活を守ろうとすることが、果たして「大きな要求」と言えるのでしょうか。


vol.190 かなでの沖縄だより vol.13

沖縄に住んで、こちらで伝えると言うこと

 5月3日、西濃憲法集会でお話しさせていただきました。お話しするのは上手ではないし、うまく伝わるかも分からなかったけど、伝えないより自分の言葉で思っていることを伝えていくことが大切だと思い、今私が思っていること、沖縄の現状などをお話しさせていただきました。
 ここ3ヶ月の間に3回、こちらで沖縄についてお話しさせていただきました。どの会場も、やっぱり大人が多い印象。大垣と各務原でお話しした時は、子ども劇場のプレ学習会ということで子どもも多かったけど、私と同い年くらいの20歳前後の人は1人もいない。西濃憲法集会に至っては、私が最年少じゃなかったのかなと思うくらい若者がいませんでした。すごく悲しかったです。

 なんで、若者がこういうことに関心を持たないのか、知る機会が少ないからなのか、元々興味がないからなのか…。何をどうしたら同じ世代の人が聞いてくれるのか。たくさん考えました。ちゃんと考えていかないとあとあと困るのは自分たちだという事。考えても答えは出ません。まずはにらめっこに書いて1人でも多くの人に記事を読んでもらうこと、そして自分からお話しができるような環境を作っていくことしかないなと思いました。黙っているより、私が、私の目で見たこと感じたことをお話しした方がいいということは確かです。何か1つでも伝わっていたら嬉しいなと思います。西濃憲法集会では、たくさんの方に「よかったよ、ありがとうね」といっていただきました。発言することを止めずに続けていけたらと思います。

沖縄慰霊の日

 6月23日の慰霊の日が近づいてきました。毎年行われるモーツァルトレクイエムの練習が始まるといつもたくさんのことを考えさせられます。沖縄1年目のこの日は外に出ることも恐ろしいくらいでした。2年目は普通に迎えることができ、糸満の平和祈念公園で行われている式典をテレビで見ることもできました。そして3年目の今年、この日が特別な日だということを意識して沖縄の空気を心と体に染みこませたいと思っています。
 今年になってアメリカ兵がらみの事件がしばしばテレビから流れてきます。4月には本土復帰後では14件目の米軍関係者による沖縄県内での民間人殺害事件が起きました。このようななかでの今年の慰霊の日は、さらに特別なものになるんじゃないかと私は思います。とは言っても、沖縄についてはまだまだ私も勉強不足です。
 県民投票で普天間基地の辺野古移転反対が沖縄の民意であることがはっきりしても、その声は尊重されないまま辺野古基地建設が進められています。最初沖縄ではそれが毎日ニュースで流れていたけれど、もうそれが少なくなっている気もします。那覇市にいる限りアメリカ兵はあまり見かけませんでしたが、最近目につくようにもなりました。
 天気がいい日だと、1日に2回はオスプレイを見ます。沖縄に来て1年目はそんなことありませんでした。
 黙っていれば、それが何事もなかったかのように進んでいってしまうのです。沖縄に住んでまる2年、事態は危ない方向に進んでいるのではないかと感じています。今沖縄で起きていることは、いつどこで起きてもおかしくないことです。実際、内地でもオスプレイが飛び始めていると聞きます。
 こちらの人に、沖縄のことを人事だとは思わず少しでも興味を持って考えてもらえたらいいなと願ってます。


vol.190 プレゼントコーナー

1- あなたの「夏の乗り切り方」教えて!
 これから暑〜い夏がやってくる!元気に乗り切るコツは?
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
 タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名
(第1希望・第2希望)
 ※CとDは編集室まで受け取りに来られる方。
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、  家族構成

プレゼントご希望の方は

ハガキまたはe-mailで、上記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
〆切:7月25日 当日消印有効。 Aをご希望の方は7月10

宛先
〒504-0855 各務原市蘇原新栄町2-25
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。

A.ゆる体操で活力アップ!ご招待 …3名様

     人生これから!様より

ゆる体操をすると固まったからだが上手にゆるみ、コリや冷えの解消につながります。今、アスリートの間でも人気急上昇中!楽しくて心もカラダもゆるゆる、ゆったり、誰にでもムリなくできる体操です。詳しくはP12を参照ください。7月14日(日)14:00-16:00 総合福祉会館3階遊戯室にて

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B. CINEX 映画招待券 …ペア3組様

          シネックス様より

目の前に広がる広大な景色、大きなスクリーンで観ると、まるでそこに自分がいるよう。だからこそ登場人物に感情移入もしやすいのでしょう。写真は「荒野にて」より。 招待券は、柳ヶ瀬のシネックスでご利用いただけます。

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C.木製和プレート …2名様

          アートギャラリー是様より

上品な木製プレートを2枚組でプレゼント。写真のようにお茶と和菓子を乗せても、ちょっとしたおつまみを乗せてもステキ。
金銀の手描き模様に朱色のアクセントが効いています。にらめっこ編集室でお受け取りください。サイズ:約95×195×7ミリ

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D.洗濯粉石けん スノール …2名様

          にらめっこより

天然の植物油脂を100%使用。水に溶けやすく、泡立ちも豊かで汚れをきれいに落とします。蛍光漂白剤・香料・着色剤やLASなどの合成界面活性剤を使用していません。肌にも衣類にも優しい石けんです。にらめっこ編集室でお受け取りください。(1kg入り)


 




vol.189 採っていいタネ 採ってはいけないタネ

講師 岡本よりたか氏

4月7日(日)午後1時から岐阜市文化産業交流センター
じゅうろくプラザにて講演会がありました。

 「タネのことに関して、色々情報が錯綜していますね。 専門用語が多すぎて、素人の自分には難しいとか、 これから農業をやっていくのにどうしたら良いか、 家庭菜園や食卓にどんな影響があるのか分からない… そんな人がたくさんいます。 正直なところ、主要農作物種子法(種子法)が廃止されたことで、自家採種の自主規制が始まっているようです。 困ったものですね。 単に脅かすだけの情報が出回っているのは、おそらくTPPに反対している組織の情報だと僕は思います。 とても影響力のある人たちによる情報であるため、一般の方々がその情報に触れた時、曲解をしてしまっていることに問題を感じています。
 今日は採っていいタネ、採ってはいけないタネはなんなのか そんな事を、ズバリお話します。
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 まず、食べ物の一生を知ること、それは自然に寄り添う生き方に繋がります。みんなと一緒にタネを取る、収穫する、バイオテクノロジー企業がつくる交配種以外のタネを持っている、という仕組みを作っていくことが、これからとても重要になってきます。

自家採種を禁止する?!という動きに対して 

先日も「種子法が廃止されて私たち、もう自家採種できなくなるんですか」と悲壮な顔で相談に来られた方がおられましたが、そんなことはありません。これには誤解があります。そもそも種子法というのは、行政に課した法律で自家採種には全く関係ないのです。山田正彦氏(元農林水産大臣)は自家採種が禁止されるというようなことを発信をされていますが、残念ながら<誰が自家採種できなくなるのか>、<どういうものが自家採種できないのか>に踏み込んで発言されてません。ですから家庭菜園でも、固定種も在来種もダメ!?と思われてしまうんですね。
 ところがそうではないんです。基本的にどんなタネも自家採種はOKなんです。しかし次の点だけは要注意です。種子法より種苗法(知的財産権などタネの権利を決めた法律)に注目しないといけません。知的財産権は、農作物でいうと「育成者権」(植物の特許)と「品種登録」されたタネがあります。いずれもこれらのタネは自家採種はOKですが、販売・譲渡・交換会はNGです。
 育成者権のあるリスト、登録品種に関しては農水省のHPで検索できますので、チェックをお勧めします。

タネについて

いわゆるF1のタネ 意味不明のアルファベットが表記されている。

タネの種類は「交配種」「遺伝子組み換え種」「固定種」「在来種」があります。交配種というタネは人が作り上げてきたタネ。これを自然界に放つどどうなるかというと、簡単に消えていく。雑草に比べると非常に弱い。つまり自然淘汰していくタネです。なぜそんなタネが生まれたのかというと形質が安定するから。例えば大根。大きさ、質、色が均一であれば同じ値段を設定できる。大中小が混ざると、小さいものが売れ残る。それらは破棄され小売業者の損失となります。なので、小売業者は同じ大きさの大根を、仲卸へ要求します。仲卸は農協へ、農協は生産者へ要求する。そして生産者はタネ屋に要求します。本当は野菜を買うお客が要求しているんですけどね。そしてタネ屋は技術を駆使し同じ時期に発芽して、同じ時期に採れるタネを開発していく。S社のタネとかT社のタネのパンフレットを見てると面白いですよ。23cmのキュウリとか、生まれる前から身長が決まっているんですから。

育成者権申請のあるタネ。PVPマークがついていて、登録番号が表記されている。


 さらに、雄性不稔性といって雄しべができない形質を増やして、それを母株にしてどんどん交配させて新しいものにしていく。ミトコンドリアを壊せばこれは簡単にできるそうです。例えばトウモロコシ。タネができないとトウモロコシを食べられなくなる。それは困りますね。雄性不稔性(F1)でもタネはできますが、ここから分離の法則が始まります。二世代目(F2)には1対3の割合で1が不稔性となり、その結果タネができないものを増やすことになる。男爵とかメークインとか、てんさいと言われる砂糖大根とか、たまねぎ、いろんなものがあります。雄性不稔性かどうかは実際、タネを見ただけではわからない。見分けるすべは、袋に表記されたアルファベットVR、SP、CF、EXなどの文字。これらのタネはF1である確率が高く将来タネができなくなる可能性があります。そんな理由で農家がタネを採らなくなりタネに無頓着になる。タネはタネ屋さんで買い自分たちは野菜を作る。この分業制が、結局はわたしたちの安全をないがしろにすることになってくるんです。

 遺伝子組み換え種子(Gnetically Modified Organisms)これは知的財産権の特許権を取得しています。特許を与えられたこれらの種子は自家増植(種子繁殖・栄養繁殖)は認められません。農家の種子保管も禁止されており、さらに在来種を駆逐するようになります。健康への影響もあります。不妊症や、アレルギー、がん、抗生物質への耐性、リーキーガット症候群を引き起こすと言われています。

 固定種はどうか。綿々とタネを落としながら繋がっていく。自然界の中でも自分たちがいる場所をきちんと確保している。とても強い。僕ら、無農薬無肥料で野菜を作るんですが、自然と同じような環境の中で野菜を作っていこうとすると、こういう固定種とか在来種という強いタネで作らないとなかなか難しい。強いというのは、成長がいいとか悪いのではなく、雑草に負けないということですね。

自家採種は可能か

1)種子繁殖は、育成者権のある作物でも種子の次期作使用は認められる。栄養繁殖(※)は育成者権のある作物の一部(356品目)は禁止。
2)育成者権のない作物(固定種や在来種)は自家繁殖は認められる。(固定種であっても、一部PVP(植物品種保護)マークを取得しているものもあるので要注意)
3)自家採種禁止の契約(※)を交わした作物は、一切の自家繁殖禁止。
※栄養繁殖、挿し芽やランナーなど、タネ以外で作物を繁殖する事。
※自家採種禁止の契約について。タネ屋さんでトマトのタネを買おうと思ったら、買う前に契約書にサインしてくれって、契約書を持ってきた。それには、自家採種を禁止するって買いてあるんです。それにサインしてしまうと、自家採種はできなくなる。そういうトマトを買わなきゃいいだけの話。日本モンサント社のタネは買わないことです。コメだって同じですよ。
一体タネは誰のものなんでしょうね。

3時間に及ぶ講演内容のうち、自家採種に焦点をあて編集しました。(文責・にらめっこ)講演内容は「空水ビオファーム」で検索してください。


vol.189 種子法ってなに?

 岡本よりたか氏の話を聞いて、うなづくことしきり。そもそも「タネ」は誰のものか?っていう問いがおかしいと思う。家庭菜園歴20年の筆者の素朴な疑問です。芽が出て花が咲き、実をつけ、タネとなってこぼれ、また時期になると芽が出て…それは自然の営み。そこに、「種子法廃止」のニュースが飛び込み、「自家栽培でもタネを採っちゃいかんのか?」と巷で噂となりびっくり。「種子法」とはどんな法律なのでしょうか。

 種子法とは、戦後の日本で、優良な種子の安定的な生産と普及を“国が果たすべき役割”と定めている法律です。種子の生産自体は、都道府県のJAや普及センターなどが担っていますが、地域に合った良質な種子が農家に行き渡るように、種子法の下、農業試験場の運営などに必要な予算の手当などは国が責任を持って担ってきたのです。
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 種子法が制定されたのは1952年5月。注目したいのは、第2次大戦終結のためのサンフランシスコ講和条約が発効された翌月というタイミングです。戦中から戦後にかけて食糧難の時代を経験した日本が、「食料を確保するためには種子が大事」と、主権を取り戻すのとほぼ同時に取り組んだのがこの種子法の制定でした。私はそこに、“二度と国民を飢えさせない”“国民に食料を供給する責任を負う”という国の明確な意思があったと考えます。

――この法律がなぜ廃止されたのか。 

政府や農水省は、「国が管理するしくみが民間の品種開発意欲を阻害しているから」と説明しています。種子の生産コストが国の財源でまかなわれているなど、今の制度では都道府県と民間企業との競争条件が対等ではないというのです。これまでも種子法は民間の参入を禁じていたわけではありませんが、種子法をなくしてハードルをさらに下げることで、民間企業、とくに外国企業の参入を積極的に進めようという思惑があるのではないでしょうか。
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――日本のコメや麦などの種子を巡る状況はどう変化していくのでしょうか?

政府や農水省は、「国が管理するしくみが民間の品種開発意欲を阻害しているから」と説明しています。種子の生産コストが国の財源でまかなわれているなど、今の制度では都道府県と民間企業との競争条件が対等ではないというのです。これまでも種子法は民間の参入を禁じていたわけではありませんが、種子法をなくしてハードルをさらに下げることで、民間企業、とくに外国企業の参入を積極的に進めようという思惑があるのではないでしょうか。
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――日本のコメや麦などの種子を巡る状況はどう変化していくのでしょうか?

 将来的に生産コストが上乗せされて種子の価格が跳ね上がり、食べ物の価格に影響が出るかもしれません。また、都道府県が種子事業から撤退し、民間企業による種子の私有化が進むことも起こり得ます。
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――種子の私有化というのはどういうことですか?

種子法のベースにあったのは、新しい品種をつくるために素材となる品種=遺伝資源は、国や都道府県が“公共の資産”として持つという考え方です。これが民間に委ねられた場合、遺伝資源を基にして改良された新品種について、改良部分だけでなく種子全体に特許をかけ企業がその所有権を主張するということも起きかねません。ロイヤリティ(特許料)を払わなければその種子が使えなくなる。遺伝資源が企業に囲い込まれてしまう。これは「種子の私有化」を意味します。

 すでに民間が主体となっている野菜などの作物では、圧倒的な技術力と資本を持つ数社の多国籍企業が、中小の種苗会社を次々に買収し、世界中にシェアを拡大しています。今スーパーなどで販売されている野菜の多くも、そうした多国籍企業の種子によるものなのです。種子法がなくなることで、公的に支えられてきた米や麦などの主要作物の開発についても、効率や経済性の追求に傾いていかないか心配されます。

 もともと種子というのは自然のなかにあったもので、人間との関わりでいえば、どんな新しい品種もその基になる種子は数万年の歴史の中で先人たちが積み重ねてきた改良の賜です。そうした本来は公のものである、もっと言うと、“誰のものでもない”種子を、特定の誰かが所有していいものなのか。しかも、人が生きていくのに必要な食べ物の種子が一部の企業に独占されるのを許してしまうことに私は違和感を禁じ得ません。
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――この先、“公共のもの”としての種子を守り、食料を安定的に確保していくためにはどうしたらいいのでしょうか。

 消費者にとっては「何を食べるのか」を、農家にとっては「何を作るのか」を、自分で選んで決めていく権利を“食料主権”といいます。種子ビジネスが一部の多国籍企業に独占されている現状では、農家は企業が売りたい、作らせたいと思う種子を購入せざるを得ず、その結果、消費者の食べたいものを選ぶ権利も狭められてしまっています。

 米や麦のような主要作物と野菜とでは、種子を管理する仕組みが異なるので同列に語ることはできませんが、このように、さまざまな立場の人たちが地域に見合った品種の開発に関わり、付加価値のある商品を作り、その付加価値をまた地域に還元しようとしている。そうした循環が各地に見られることが希望ですね。______________________________

――私たちが消費者としてできることはありますか?

 まずは、一人ひとりが、自らに与えられている“食料主権”を意識して、自分が口にする食べものに、これまで以上に関心を払うことでしょうか。誰がどこでどういう想いで作っているのかがわかる食材を選ぶこと。そして、できるだけ地域で大切に育まれてきた種子を使った食べものを選ぶこと。台所で、食卓で作物の生産者や産地への想像力を働かせてみることが大切だと思います。
 「種子が消えれば食べ物も消える。そして君も」――これは国際的な種子貯蔵庫の創設に尽力されたスウェーデンの研究者ベント・スコウマン氏のメッセージです。人間は、食料のすべてを直接あるいは間接的に植物に依存している。つまり、種子によって生かされているのです。

 種子法が突然廃止されたことは大きな衝撃ですが、これを機に種子の大切さを改めて認識し、種子にどう関わっていくことが望ましいのかを考えてみたいですね。プランターでもいいから、何か育ててみるのもおすすめです。種子が命の源であることを、きっと実感できると思いますよ。

 種子法が突然廃止されたことは大きな衝撃ですが、これを機に種子の大切さを改めて認識し、種子にどう関わっていくことが望ましいのかを考えてみたいですね。プランターでもいいから、何か育ててみるのもおすすめです。種子が命の源であることを、きっと実感できると思いますよ。

西川芳昭・にしかわよしあき       龍谷大学経済学部教授。1960年奈良県生まれ。京都大学農学部卒業後、バーミンガム大学大学院植物遺伝資源および開発行政専攻修了。国際協力機構、農林水産省、名古屋大学大学院教授などを経て現職。専門は農業・農村開発、農業・資源経済学。主要作物種子法廃止法案においては、参議院農林水産委員会で行われた審議に野党側参考人として招聘された。『奪われる種子・守られる種子』(創成社)、『種から種へつなぐ』(創森社)など編著書多数。


vol.189 ぎむきょーるーむ   子どもの権利条約って?

 「子どもの権利条約」を批准した国は、定期的に報告書を提出しなければなりません。国連はそれを審査し、各国に対して勧告をします。国連は、政府の報告だけでは都合の悪い数字は出さない可能性もあるから一般市民やNGOによる報告もください、と言っています。第一回の政府報告から、日本全国の子どもに関わる人、教育、福祉、文化、司法、各分野の専門家が集まって、「市民NGO報告書をつくる会」を結成し、第一回の時には、子ども劇場も加わり報告書を提出しました。
 今年1月ジュネーブで行なわれた「国連子どもの権利委員会 日本政府第4・5回統合報告審査」の傍聴に行ってきました。

権利条約の成り立ち

 国連の公用語には日本語はないです。第二次世界大戦の戦犯国、敗戦国を除いたところから国連は出発していますから。第一次世界大戦では、飛行機や爆弾が発明され、市民や子どもがたくさん犠牲になった。その反省にたって国際連盟ができ、「子どものいない地球に未来はない」という言葉で表現された子どもの権利に関するジュネーブ宣言が出された。1959年、第二次世界大戦後に、ジュネーブ宣言を引き継ぎ「子どもを守る事が平和を守ること」を明確にした国連の「児童の権利宣言」が出された。もう第三次世界大戦は起こさないと。
 1979年がその宣言20周年の国際児童年。でも、状況は変わってない。子どもの権利を明確に示す条約が必要だと、1989年に「子どもの権利条約」が国連全会一致で採択された。
 権利条約はなんのためにあるのか。「子どもたちを守るため」「子どもたちが育っていくため」ですが最終的には、地球温暖化、原発、核兵器の問題…、今起きている事をみんなで解決していくためには、子どもたちも一緒に考えることが必要じゃないかということです。

権利は人権

 「子ども」とは、条文でいうと産まれた時から18歳未満。大事なのは0歳からということ。人種、男女関わらず全ての子どもたちが、産まれた瞬間からこの権利があるということを国際的にみんなが認めたということです。「権利は義務を果たしたら与えられるもの」と言われますが、産まれた時からあるということは、持って産まれてくるということ。英語で権利はRight。だから権利は人権(human rights)。子どもに権利なんてって言う人もいるけど、子どもに人権はないと言う人はいないような気がします。

日本政府の姿勢は

 子どもの権利条約が国連で採択された後、日本は条約が発効された20日後、109カ国目に署名しています。でも批准までは5年もかかった。その時の解釈が、この条約は開発途上国や紛争国、戦争や飢餓で苦しんでいる子どもたちを救うための条約、だから全面的に賛成してもいいと署名した。だけど、よくよく見たら懲戒権の問題や嫡出子の問題、男女の結婚年齢が違うとかいう国内法と矛盾があるということに気付いたんですね。それと大きいのは、子どもに権利なんか渡したら大変なことになる、その頃は学校が荒れたりとかしていた時期ですから。それで外務省が批准したのは197カ国中158番目。このままいくと取り残されてしまうと国会ではほとんどまともに議論もされずに批准されました。そのことが、この国の子どもに対する見方、権利というものに対する見方が明治から変わらず、今に続いているんじゃないかって僕は思っています。

国連子どもの権利条約の中の基本原則
差別の禁止(2条) 、子どもの最善の利益(3条)、生命および生存・発達の権利(6条)、意見を聞かれる権利(意見表明権)(12条)

 3条:大人が、「あなたのために良かれと思ってやっているのよ」というのは通用しません。それは大人の都合ではなく、この子にとって最善の利益とは何なのか、考えなきゃいけないという事。子どもの利益というのは未来に及ぶ利益ですから人類の利益なんです。
 6条:生命は生きると言うこと。生存とは豊かに暮らすということ。日本国憲法25条の「文化的な生活」とクロスしますよね。
 国連のいろんな文書を翻訳した時に思ったんだけど、幸せって言う言葉をHAPPY とかLUCKY じゃなくて、Well Beingと使うんですね。“良いありよう”なんですよ。わざわざ生命と生存をわけている意味はそこにあると思います。幸せに、文化的にということも含めて「生きる」ということが権利、そして保障されている。そして、子どもの最善の利益を保証するためには「子どもの意見を聞かなければならない」(12条)。これが基本原則の4つです。更に言うと4つの柱があります。
①生きる権利 ②守られる権利 ③育つ権利 ④参加する権利
 1989年にこの権利条約が締結した時に加えられたのが④の「参加する権利」。その頃は世界的にいろんなことがおきています。その前年にソ連崩壊、ベルリンの壁がなくなり、東西冷戦が終わる。地球温暖化などの問題もクローズアップされてくる。で、権利を当たり前と読むならば、参加するのが当たり前。だから全ての項目に、「子どもたちは参加していますか?」って国連は聞きます。いじめ防止条例とかいろいろありますけど、子どもたちの意見はどこに反映されていますか?って。日本政府は全く答えられません。なんでそんなこと聞かれるの?って顔をしているんですね。
 本当に人類はどこに向かっていくんだろう。この国をどうしていくのか、僕らはどう生きて行くのかっていうのは全部政治のでもあります。子どものときからそこを共有しながら、訓練しながら、模索しながらやっていこう。この「参加する権利」は、“大人と子どものパートナーシップ”とも言われました。

31条について

31条:(休息・余暇、遊び、文化的・芸術的生活への参加) 
条文1. 締約国は、休息及び余暇についての子どもの権利並びに子どもがその年齢に適した遊び及びレクリエーション活動を行い並びに文化的な生活及び芸術に自由に参加できる権利を認める。

 日本の子どもたちの苦しさをどう捉えるか。これがなかなか政府と国連とで一致しない。第一回の国連審査の時、「高度に競争的な教育制度のストレス及びその結果として余暇、運動、休息の時間が欠如していることにより、発達障害にさらされていることについて、31条に照らし懸念する」と勧告が出ています。
 国連発行の解説書では、子どもが思うように使用できる、自由に使うことが許される時間であるということ。そういう時間から初めて主体性というのは生まれてくる。
 子どもたちは周の親や先生から、あれしなさい、これしなさいと言われ、友だちから嫌われないかと気にし…という中では自分が何をしたいのか、自分はどうありたいかという一番大事な部分が生まれて来ない。持っていても表に出て来ない。本当に興味関心や生きる力としての想像力や好奇心というものは、何も束縛される事のない時間の中でしか生まれてこないんだと言われています。僕も全くその通りだと思います。子どもたちの今一番苦しいとこはそこなんじゃないかな、と思います。
 日本では余暇というのは余った暇ですから、放っておくと良くないと思われているんですよね。僕も子どものころ親から言われたのが「小人閑居して不善をなす」。小さい人間が暇に過ぎると悪い事をする、と。だから、ぼーっとしてるんじゃないぞって。それが日本の中の子ども観だったんじゃないでしょうか。
 余暇は子どもの主体性を生み出す時間、自由裁量の時間なんですね。国連の解説を読んで、僕も目からウロコでした。
 
 第4回・5回の勧告ではかなり細かいことまで懸念と勧告が出されました。国連はここまで日本のこどもたちのことを考えてくれたんだ、それまでの勧告とは全然違う重みを持っていました。特徴的な部分だけ紹介します。
 「生命、生存および発達に関する権利においての勧告。本委員会は、前回勧告を締約国に想起させ、以下のことを要請する。(a)社会の競争的な性格により子ども時代を発達が害されることなく、子どもがその子ども時代を享受することを確保するための措置を取ること。」
 “子ども時代を享受する”というこの言葉が入った事はとても大きな事だと思います。そして、“社会の競争的な性格”というのが、今回の一番のポイントだった。それは、「経済的な価値が全ての価値を上回っている」ということ。経済至上主義って言い方をしますが、お金があればいいこと、豊かだと思っていませんか。そのお金を得るためには競争をしなければいけない。仕事を得るためにいい学校に行き、いい点数とらなきゃいけないし、商売だったら人を蹴落としてでも自分が儲けなきゃいけない。それが生きる力っていうふうに言われている。勝ち組負け組がはっきりして、格差が出て、貧困も自分の責任でしょうがないと、自己責任論になっていく。この社会の価値の捉え方が子どもたちを苦しくしているんじゃないか、ということがここに表現されたんです。
 受験制度を変えれば日本の子どもたちの状況が良くなる、と思える程簡単な話しではないんです。国や社会の価値観の問題として余暇・休息は大事なんだ、もっと一人ひとりが自分の人生を自分のものにしていくという、まさに人権の出発点を考えていかないといけないんだと思います。

最後に

友人たちと作った「ワニブタカレンダー」を手に語る大屋さん

 僕は子どものころ、とにかく大人の言う事を聞くとってもいい子で、大人の気持ちが忖度できる子だった。そのいい子をやり続けると破綻するんですね。一番大きな破綻は僕が30半ばの時。「おれはこれがしたい、これのために生きる、という生きる価値について考えてきたかなあ」って。これから自分はどう生きていったらいいのだろう、どこまで行ったら自分は自由になるんだろう、と挫折したんです。外にある価値を一生懸命取り込もうとしたり、外にある価値に近づこうとしてた。それに気付いたのはこの「子どもの権利条約」に出会ったからでした。
 人権とは子どもたちと哲学しようっていうことでもあると思います。子どもたちと一緒に、なぜ僕らは生まれて来たんだろうね、なぜ生きているんだろうね、と語り合う事、考えあう事が今とても大切なんじゃないかと思うんですね。社会の発展のために“子どもは国の未来です”とか、“子どもは人類の宝です”とか・・・間違ってはいないけど、そこが強調され過ぎて、子どもたち自身が幸せになるために生まれて来たってこと、「今を生きている」ってことを忘れてませんかね?子どもの人生は誰のものなんだろうねって、つくづく思います。

大屋 寿朗 おおやとしろう NPO法人子どもと文化のNPO Art31代表・プロデューサー、子どもの権利条約市民・NGOの会起草委員、長野の子ども白書編集委員、NPO法人子どもと文化全国フォーラム権利条約31条委員会委員



vol.189 カタコトの部屋 ジブンnoカラダwoメンテナンスする

 よく、「〇〇は身体に良いのですか?」とか、「こういう症状の時はどうすれば良いですか?」と聞かれます。 でも、同じ顔の人がいない様に、人間の身体にはそれぞれ個性があり、「これ!」というものは存在しません。 また、症状や病気というものは無限にあり、原因も様々です。 なので、それだけを聞いて一概に「こうすれば良いです。」と言えることはほぼありません。 ただ、一つだけ言えることは、「身体は完璧なので間違ったことはしない。」ということ。
 そもそも、身体がどの様な仕組みで、どう完璧なのか?そして、症状よりも「そもそも病気や症状って何なのか?」や「何でなるのか?」を知る必要があると思います。 
 その一番大切な「根っこのところ」をわかって貰えれば、どんな枝葉の情報も「あぁ、こういうことか。」とその都度思って頂けるかと思います。また、自分や自分の周りの人の身体が起こす色々な症状にも「根っこ」さえわかっていれば、「ま、これくらい良いか。」と白黒ではなく、グレーが判断して頂けるかと思います。

 ホロソフィーという名前はHolisticという言葉の語源ともなっているギリシャ語で全体性を意味する「Holos」から生み出された「Holon」という言葉と哲学を表す「Philosophy」を合わせた造語。オステオパシー、東洋医学、徒手療法、運動療法、食事療法などの医学や各種療法、解剖学、生理学、運動学、胎生学、発達学、量子学など、様々な要素を独自の視点で“繋ぎ合わせた”哲学です。
 ただ、闇雲に繋ぎ合わせた訳ではなく、一人の人間を見る時に、その方のどこか一部分に捉われず、身体・心・精神を含めた「その人自身」を全体として捉えられること。そして、全体だけではなく、その人を支えている小さい組織にまで目を向けること。を考え方のベースとしています。そのため、今後も様々な分野の色々な軸が足されて進化していくと思います。

 体が弱った時に、体はどんな働きをしているのだろうか?例えば、経年劣化(加齢)により、体の各部位の性能が低下します。これに対応するために、体は血圧やコレステロール値を上げています。
 なぜ血圧をあげるのでしょうか?心臓が弱ってくると血液を送り出す力も弱まりますね。
 症状は体が自分を守ろうとしてくれている反応なんですね。そう捉えると、症状を消そうとしたり、症状を無視したりするのが適当なのか、症状を軽減するためにキャパシティーを広げる療法を選択したり、生活習慣を見直しめぐりをよくしたりすることを選択するのか、見えてきそうですね。
 症状が出ることは、何かのサインであり、それを受け入れ、気付くことが大切。症状が悪者ではなく、根本原因にアプローチする知恵や知識を持ち、わからない時は専門的な方に委ねることも大事です。

中壽賀宣行●なかすがのぶゆき
理学療法士(国家資格)・日本ホロソフィー協会 会長 オステオパシー&ホロソフィー施術院 奏 院長・Force Academy 会長・国際ボイタ協会認定セラピスト・サプリメント管理士
滋賀県大津市在住

2月21日一宮市「つくる」にて 「入り口に聞いて欲しいカラダの根っこ」より 講師:日本ホロソフィー協会会長 中壽賀宣行先生

【参加者の感想】
・体は体だけでなく心からもできている。心の不調は、体調を崩したりとサインで教えてくれます。そのサインを「うわ~いややわ~」と捉えず、教えてくれてありがとう!と感謝して、自分の体と向き合いたいと思いました。(Nさん)
・健康で生きるには、ガチガチした生活ではなく、遊びがあって、ゆる~く、たの~しく過ごしていこうと思えました。(Mさん)
・歯をさわらない方がいいとは知っていたけど、その原因、理由を知ることができてよかったです!楽しいお話でした!(Yさん)
・歯は歯だけでの問題でなく、体全体と繋がっていることが学べました。体は完璧!全ては自己責任!子どものうちは、親が選択してあげることが多いので、よき選択をしていきたいです。(Nさん) どの選択も自己責任で、主役は自分!知恵や知識を得ることで、選択の幅が広がり、人生の楽しみが広がり、今後益々楽しみが増えてしまいそうな講座でした。(ゆっこ)



vol.189 ここいく日記 はじめの6歩

男の子らしく
女の子らしくではなく 自分らしく

 うちの長男は、小さな頃からかわいい物が大好きで、いわゆる女の子っぽい男の子でした。男の子っぽく戦隊ヒーローごっこしていても、選ぶのはピンクやイエロー役(笑)。よくタオルを腰に巻いて、歌ったり踊ったりして、女の子と一緒にいることのほうが多かったです。ありがたかったのは、そんな彼を幼なじみや同級生や周りの大人たちが、誰もおかしいと思わずに当たり前のように受け入れてくれていたのです。でも…親としてはとても心配でした。このままで大丈夫だろうか…と。 3年生の頃、スカートを買って欲しいと頼まれた時は、彼は何気なく言っただけでしたが、どうしよう…どうしたらいいのだろう…と本当に悩みました。
 そんな時に出会ったのが、元養護教諭の坪内つるよ先生の、大人対象の性教育でした。「いのちの授業」をスタート時から今日まで、私たちをあたたかく見守ってくださる先生です。 私は、生理の話も女の子だけ集めてこっそりやっていた時代に育ちましたので、性教育?だったのですが、聞いてみたら、子育ての話から、夫婦関係や人間関係についての話にまでにおよび、本当に「性=生」の生教育だったのです。
 先生からは、スカートをはきたいだけの男性もいれば、お化粧もする女装をしたいだけの男性もいて、この世の中にはいろんな人がいることを教えてもらいました。男の子らしく女の子らしくではなく、その子をそのまま認めてあげればいいのよ~という優しい先生の言葉は、私の心にストンと入り、それからの私の子育てを楽にしてくれました。他の子と違ってもいい、その子がその子らしく幸せでいてくれたらいいね~と夫とも話すことができ、性教育と出会えたおかげで、夫婦関係もよくなっていきました。
 性教育の大切さを知り、自分たちの子どもや周りの子どもたちに伝えたいと始めた「いのちの授業」。最初は高学年と低学年に分けていたのですが、低でもないし高でもない微妙な、そして大事な時期の中学年3・4年に向けた授業がしたいとプログラムを考えました。その中でも子どもたちの反応がよく、大うけなのが心の成長で伝えている、『男の子なんて 女の子なんて大嫌い だってさ』という紙芝居です。おばちゃんたちが、小学3年生の男の子と女の子になって登場(体はってます)!!かなり引かれますが、子どもたちは優しく受け入れてくれます(笑)
 男の子女の子の、こんなところあんなところが嫌いと進んでいく紙芝居。「女の子はなんであんなにお喋りなんだ~すぐ先生に告げ口するし~」など、子どもたちにとっては、リアルに共感できる内容で、「そうそう!」と声があがります。最後は、こんないいところもある~と、お互いの良いところを認め合って紙芝居は終わるのですが、そのあとに少し考えてほしいことを子どもたちに伝えます。1•2年の時は仲良く遊べたのに、お互いのいろんなことが気になるのは、体だけではなく心も成長しているからだよ。紙芝居の中では、男の子はこう、女の子はこうとあったけど、男の子の中にはかわいい物が好きな子もいるよね。男の子らしく 女の子らしくではなく、自分らしくでいいんだよ。悪いところや嫌なところばかりを見るのではなく、いいところを見つけてね~、そして優しい言葉をかけていたら、自分のまわりも優しくていい関係がつくれると思うよ。
 まだまだ幼い子もいれば、もう思春期に入っている子もいる3・4年生。いろんなことに心が動くことは、全然おかしなことじゃない、みんな違っていいんだよ~と伝えることで、子どもたちは少しほっとした顔をします。そんな子どもたちの反応が大好きなので、もう少し体はって頑張ります(笑)

 そうそう、いろいろと悩ませくれたうちの長男は、この4月から保育士2年目となります。きっと、『自分らしく』子どもたちに接しているのだろうなぁと思っています!! 担当:ここいくメンバー・小田佐知子でした。 


vol.189 niramekko Gallery 「きんぎょ」

 なんか疲れたなぁ、と思ったときは思い切って日常から離れてみませんか?私達の暮らしは意味や役割がある脳で作られたものに囲まれています。そうすると、意味のないものに耐えられなくなるかもしれません。アートに触れるときは、意味を求めないで、心の働きを感知する力を取り戻しましょう。共感したり感動したりすることで、心の働きが活発になっていきます。たまには、美術館やギャラリーでアートな作品を鑑賞してみませんか?気持ちが落ち着いたり、リフレッシュしたり、時にはワクワクしたり…まだ自分が体験した事のない領域の喜びを体や心で感じることができるかもしれません。


vol.189 えんぴつ・カフェ 今年度の予定

2019年度はアクティブに動きます。元気で長生きするためには、まずは身体が資本。自分でできる簡単料理をはじめ、脳活、筋活を取り入れた「えんぴつカフェ•スペシャル」を企画しました。なお、開催会場につきましては、基本的には、各務原市産業文化センターですが、2ヶ月前に予約し決まり次第FBやSNSを含めチラシなどでお知らせいたします。

2019年度 えんぴつ・カフェの予定

14:00-16:00(5月のみ11:00から)
開催会場はその都度ご確認下さい。

・えんぴつカフェ
「ゼロの昇天」の書き込みを中心に行います。
14:00-16:00
4月19日(金)
産業文化センター2階 第1会議室
9月 7日(土)
11月16日(土)
3月7日(土)

えんぴつカフェ・スペシャル       第1弾:5月19日(日)・薬膳料理をつくろう!
第2弾:7月21日(日)・筋力アップを目指そう!
第3弾:10月20日(日)・歌をうたって脳活! (生演奏で歌います)
2020年
第4弾: 1月19日(日)・講演会「定年後の10万時間、あなたはどう生きる?」著者:上鵜瀬 孝志氏講演会といきいきシニアのシンポジウム

えんぴつカフェ・スペシャル参加者全員に進呈!
・薬膳料理のレシピ
・ゆる体操のメニュー・歌うは脳活!
・定年後の10万時間をどう過ごす?etc …
 など「えんぴつカフェ・スペシャル」をまとめた暮らしのヒント集。

スペシャル企画 第1弾 薬膳料理をつくろう!        5月19日 11:00-14:00(先着30名さま)
各務原市総合福祉会館3階・料理教室
講師:高山 恵美氏
資料代:700円 材料代:2,000円

  

講師:高山恵美氏
漢方ナチュラルkitchen 主宰 
国際中医薬膳師・栄養士・登録販売者・中国漢方ライフアドバイザー・食品衛生責任者・豆腐マイスター・食空間コーディネーター・介護食アドバイザー

子育て中、仕事との両立と子どものPTAや子供会の役員などで多忙を極めたときに体調をくずして、一時期食事を作ることが億劫で何もやる気が出ず鬱々としていました。食事が満足にできないと家族も荒んできて何とかしなければと模索している時に薬膳と出会います。薬膳を学ぶうちに中国伝統医学の考え方である心と身体はつながっていることを実感し、まずは食事を作る自分が元気でいることが大切だ、と自分のケアをしていくうちに自分も家族も食を通じて元気になっていきました。5年後、10年後も元気でいられるために、毎日の食事作りが楽しくなるような料理を広めたいという思いで活動しています。
2014.4~現在 栄中日文化センター料理講師
2015.4~現在 大垣中日文化センター料理講師

「元気なシニアがいきいき暮らす!プロジェクト」この活動は各務原市『まちづくり活動助成金』助成事業です。

えんぴつカフェの問い合わせは 
NPO「人生これから!」 
田辺 090-5638-7044 三上 090-7854-4561

BOOK紹介

株式会社 地球丸(A5版144pカラー)定価:1,300円+税

「みの日記」   ページをめくると見たことのある風景写真が飛び込むことで興味倍増。それだけじゃない、著者のみれいさんの会社まるごと美濃に引っ越してきてからの2年間の記録が満載で興味津々。その記録が妙にからだになじむっていうか…。読み進むうちに自分の暮らしを変えたくなってくる。自然に生きるって気持ち良さそう!気づけば美濃というみじかなエリアで暮らすナチュラリストたちに、ぐいぐい惹きこまれていくではないか。とりあえず私も実践者になろう!さてどこから始めようか。そんな気分るんるんにさせてくれる本。                   

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みんなのデータサイト出版
(A4版 200p オールカラー)
定価:2,500円(税抜き2,315円)

「放射能測定マップ」+読み解き集   この本は苦悩に満ちている。事実をそのまま伝える苦悩、測定者であり生産者でもある方々の苦悩、「汚染」ということばを使わない苦悩。そして子どもたちへ、2011年に起きた原発事故による放射能汚染の実態がどのようであったか、事実の記録として保管され伝えられるよう願わずにいられない編集者の苦悩…。 改めて「放射能」について知り、考え、分断を乗り越えてつながりあうための、一粒の種となれ!と願う。
 この本は、市民の市民によるどこにもない本を目指して、原発事故をなかったことにさせない、という思いで6年間活動してきた集大成である。200ページにも及ぶこの本を読み進むほどに本当に辛くなるが、事実を受け止め今後どのように対処していくのか、じっくり考えなければならない。
 日本には55基もの原発がある。加えて地震大国の日本。原発はもういらないと声を挙げ続けるべきだと思う。

この本をご希望の方は、
0572-69-2157(大泉 讃)へお申し込みください。

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マザーハウスing
  (B5版44p2色)
定価700円

ライフデザインノート「ゼロの昇天」    「死」を考えるより「今を生きる」ことにスポットを当てたノート。とは言っても、いずれ迎える「死」を意識して、家族や周りの人に伝えておきたいことを書き留めておくことを勧めている。高畠純さんの軽快なイラストが心を和ませてくれる。


vol.189 熱中世代 池田尚美さん

エベレストが朝焼けに染まる、そのピンク色を目にしたときは涙が出た、と語る池田さん。

 ネパールの支援活動、というキーワードで池田さんを紹介されてお会いすると、「思い立ったら吉日」という言葉がぴたりと当てはまる人だった。
 十数年前、ポスターで見た古都が忘れられなくて、いつかきっと訪れようという思いを子育てを終えた頃に実現。それがネパールだった。
 出かける前にネットで現地の情報をいろいろ調べていると、気になるフレーズが目に飛び込んできた。それは、「ボランティアができるペンション」。さっそく問い合わせた。
 そのボランティアは身体障害者の施設だった。元々、水泳で障がいのある人のクラスを受け持っていた池田さんは、まるで引き寄せられたのかと思うくらい自然の成り行きだったと振り返る。そうとわかると、荷物に事前情報で得た施設の方たちへのプレゼント「トランポリンとおもちゃのピアノ」を用意した。約1週間滞在して、「また来るからね」と約束してネパールを後にした。
 二度目の訪問は、車いすを3台持っていった。そんなふうにネパールを往復しているうちに、日本人が旅館をやっているとの情報を得た。池田さんの実行あるのみ!というパワーがここでも炸裂!さっそくコンタクトをとった。そうして出会ったのが、筋田氏だった(にらめっこ155号 掲載)。 
 それはネパール震災の直後だった。筋田氏の活動に感銘を受け、以来、彼の活動に必要な物資を運ぶことになる。一人の手荷物の制限は30キロ。それでは運びきれないと思い、試しに自身の母親に声をかけてみたら「行きたい!」と快い返事。これで60キロの荷物が運べると、あくまでも、使命感を優先する。それでも、母親はニコニコして同行してくれた。この現状を一人でも多くの人に伝えたいし、もっと多くの荷物を運びたいとスイミングの会員さんに声をかけた。するとポツポツと賛同者が現れ、ネパール行きは3人に。これで90キロの荷物が運べる!荷作りも手慣れてきた。震災で筋田さんが経営する「銀杏旅館」はかなりな被害を受けていた。岐阜ネパール会と一緒に募金活動も積極的に参加した。

 2011年の東日本大震災。その時もいてもたってもいられなかった。何か自分にできることはないかと情報を探した。被災地から少し離れたところ、あまり注目されていない地域が気になった。そこはマスコミにもあまり報道されておらずとにかく人手がいちばん必要だと感じ、持ち前の行動力で即現地へ飛んだ。テントが必要とあればテントを用意し、事前調べで必要なものはすべて手配した。毎日毎日泥かきの日々。ボランティアの人たちも体力勝負だった。

 支援にはさまざまな形や方法がある。ネパールだけをとっても、女性の自立支援のため手編みのセーターを日本で販路を広げた方や、現地に学校を建設される方、井戸を掘って水を供給できるようにされた方などなど。
 「支援なんておこがましいです。だってあっちこち駆け巡ってるばかりで、いったい自分は何をしたくて何をやってるんだろうって、最近思うんですよ」とめくるめく日々を振り返る池田さん。
 取材の内容は本当に多岐にわたった。健康や食べ物、農薬や添加物の話から、環境、世の中の仕組み、政治への関心などなど。ひとつ気になると、次から次へとつながっていく自分の関心ごと。どれも大切な事柄ばかり。関心を持つ、それをどう解釈して、行動するか。今後の課題のようだ。

現地で被災地の対応に追われる日々を過ごしていた筋田さんの養女•ミナさんたちが作るフエルトの小物たち。日本で取り扱ってもらえるカフェなどを探している。(価格は100円から500円ほど)
問い合わせはk.y.i.4800@gmail.com池田さんへ


vol.189 ボーダーレス社会をめざして vol.48

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

「一人暮らし」がんばってきます!

 2015年4月からアパートを借りて、一人暮らしの練習をしている障がいのある息子が「一人暮らし がんばってきます」と今朝、会社に出勤していきました。その言葉を聞き、「がんばって一人暮らしをしているんだ」と思いました。
 最初の頃は、嬉しいばかりでしたが、最近の様子は少し違います。家で何もしなくても朝・晩食事ができる。洗濯物も自分でしなくてもよく、楽であるということが身に染みて分かってきたのだと思います。しかし、誤解のないように書いておきますが、我が家で息子がお殿様状態になっている訳ではありません。時々、息子がお料理をしたり、洗濯をしたりしています。ある土曜日、餃子が大量にできていたことがあります。夕食の準備ができているなんて思いもしないで帰宅したので、驚きと嬉しさが爆発し大喜びをしたのを思い出します。「お母さん助かりますか?」「大助かりよ。」「おいしいですか?」「おいしいわ。」と会話が弾みました。本当においしかったのです。その後、グラタンやラザニアなど手の込んだ料理を作ってくれるようになりました。
 また洗濯も手伝ってくれます。洗濯機の終わりのブザーが鳴っても私がボーとしていると、待っていられないのか自分で干し出します。たたむのも気が向いたら上手にやってくれています。お風呂掃除も小学校5年生からズーとしていてくれます。家族の一員として、役割をしっかり果たしています。しかし、アパートに行くと一人で何もかもしなくてはならないため、緊張しているのでしょう。それが原因なのか?我が家に帰ってくるとよく寝ます。ほっとするのでしょうね。
 この4年間でいろいろなトラブルがありました。「トイレの電球が切れました」「アパートの玄関の鍵を閉め忘れたから(忘れていない。覚えていないだけです。)見てきて欲しい。」「食材がありません。」などなど細かなことで落ち着かない日が多々ありました。その時々、対応し我慢できるものは我慢するということを続けてきました。これはかなり難しいことではありましたが・・・。 生活をしてみないことには分からないことがいっぱいありました。一般の方であれば、臨機応変に対処出来るのでしょうが、息子はそんな訳にはいきません。経験することによって体が覚えていくのを待つしかありません。経験は何物にも勝ります。また、私にとってアパートに息子が行っている間は、息子との距離が取れる時間となり、リフレッシュできる貴重な時間になりました。素敵な贈り物をいただいた気分でいます。


vol.189 子連れキャンプで、テントデビュー

家族そろってキャンプに行きたい! でも、小さな子どもを自然の中に連れ出すのは何かと心配……。そんな悩めるママ、パパのために、子どもの年齢に合わせたキャンプの楽しみ方&注意点をご紹介。パパかママにアウトドアの経験があるなら、親がしっかり安全管理をすれば、0~3歳の子でも「できること」や「喜ぶこと」はたくさんある。普段より少し手間はかかるけれど、子ども目線で楽しむキャンプは大人にとっても新鮮で、きっと来てよかったと思えるはず。不安をクリアにして、さあ、子どもと一緒に出かけよう!

【0~1歳】暑さ・寒さに気をつけながら、五感を刺激する体験を!

 0~1歳の赤ちゃんは、見たり触ったりして「感じる」ことで外の世界からたくさんの刺激を受けている。だから、変化に富んだ自然の中で過ごすだけでも大冒険! ひとつとして同じ形のない葉っぱや小石を触ってみたり、草を引っ張ってパッと放してみたり……こんな風に遊ばせながら五感をたくさん刺激しよう。ただし、危険なものを口に入れてしまわないように気をつけて!
 まだ自分で体温調節が上手くできない0~1歳の時期は、寒さ、暑さ、水分補給に注意が必要。外の気温に合わせてウェアを脱ぎ着させるようにしよう。脱水が心配な夏場は、こまめな水分補給も忘れずに!

【2~3歳】好奇心を満たしつつ、安全管理はしっかりと

 2~3歳は、歩きもしっかりして、舗装されていない場所でも転ばず、活発に動き回るようになる時期。ずっと小石をいじっていたり、虫をじっと見つめていたりと、好奇心も強く広くなっていく。ただ、夢中になると周りが見えなくなるので、安全管理は必須! 火や危険な場所に不用意に近づいていないか、刃物を1人で扱っていないか、しっかりと行動を見守ろう。
 大人や年上の子の真似をしたがる時期なので、ちょっとしたお手伝いをさせてあげると大喜び! テント設営時にペグを持ってきてもらうなど、その子ができる小さな仕事をお願いしてみては?

子連れキャンプの不安解消! Q&A

【Q.】0~1歳でもキャンプに連れて行ける?
【A.】多いのは、上の子がいて、0~1歳の下の子を連れていくというケース。抱っこ紐でおんぶや抱っこをしたり、料理の際はベビーベルト付きチェアに座らせたりと、それぞれ安全管理には工夫をしているようだ。みんなで赤ちゃんを見守れるグループキャンプなら、より安心。

【Q.】テントや夜の暗さを怖がらない?
【A.】子どもの多くはテント泊を楽しめるようだが、感受性の強い子は、いつもと違う雰囲気に不安になることも。事前にイベントなどでテントに触れる機会を設けたり、ぬいぐるみなどお気に入りのものを持参したりと、子どもが安心できるような対策を。コテージ泊から始めるのも手。

【Q.】トイレは大丈夫?
【A.】和式トイレが苦手であれば、キャンプ場に洋式トイレがあるか事前に確認を。トイレトレーニング中なら、テントからトイレまでの距離や混み具合をチェックして子どもに伝えておくといい。それでも不安なときは「キャンプ中は特別ね」とオムツを履かせてみても。

自然の中で子どもと一緒に遊び、笑い、食べ、眠るキャンプ旅。「うちの子はまだ小さいから」と諦めていてはもったいない! 今しか楽しめない特別な時間、ぜひ体験してほしい。

(出典:『別冊ランドネ 親子でアウトドア! Vol.3』)より


vol.189 半農半X vol.30

リベロ選手のように

 アフリカには「お年寄りが帰天するということは、図書館1軒が焼失するのと同じだ」ということわざがあるそうです。たくさんの知恵や経験、記憶をもつ地域の宝物である先輩世代の知恵を少しでも継承したいと思うようになった20代から、まずはみそづくりを教わったり、餅つきを復活したり・・・。今年は故郷・綾部にUターンして20年になります。そのころ、「この国 に脈々と伝わる先人知を継承されている特に昭和1桁以前の世代の知恵を受け継がないといけない」という言葉に出会いました。帰郷以来、先人の知の収集を心がけてきましたが、昭和1桁も少なくなり、急がないといけません。それでも継承がうまくなされていることもあり、宝物はいっぱい眠っています!バレーボールでいうリベロの選手の精神で、果敢に拾っていきましょう。

チャンス・チャレンジ・チェンジ!

 男を乗せた馬が疾走してこちらへやってきます。道行く人が、馬上の男に「どこへ行くんだい?」と尋ねました。男は困ったように「馬に聞いてくれ!」と言い残し、去っていきました。将来のことは会社の社長に、日本のことは総理に、家庭や子どもや健康のことは妻に聞いてくれ・・・。25年ほど前、このたとえ話に出会い、大変ショックを受けました。日本人の大半はこの男のようです。自分はどこに辿り着きたいのかというビジョンがないと、流されてしまいます。「人馬一体」という境地ならいいけれど、馬上の男にならないためにどうしたらいいのだろう。キーワードは「大好きなこと」かなって思います。大好きなことを活かして、社会の問題とかかわっていく。小さなチャレンジ(挑戦)はチェンジ(変化)を生む。それが積み重なると・・・。いまはそんなチャンス(好機)がいっぱいです。自分からどんどん仕掛けていくと楽しい時代。それが今です。

塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は翻訳されて、台湾、中国、韓国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。

※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題(どう生きるか)を背景と する。持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。ex.半農半漁、半農半大工、半農半看護師、半農半カフェ、 半農半絵描き、半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。


vol.189 菌ちゃん野菜応援団 vol.10

 毎年この季節の畑にはウットリします。というのも小さな命がたくさん出てくるから。カエルやミミズ、てんとう虫、ミツバチなどの小動物、そして目には見えないけど活発になる微生物さんたち。中でも花菜は格別命を感じさせてくれます。

 何度も何度も取られてもそのたびに新しい花芽を健気に伸ばすお野菜さんたちに心から「ありがとう、ごめんね」と言いながら、今日も私はせっせと摘ませていただいています。

 寒い冬をじっと耐え忍んでいたお野菜たちは春のお日様の力を感じると一気に花芽を出し始めるんです。それは自分の子孫を残そうとして花を咲かせて種を飛ばそうとするから。いわゆる菜花と呼ばれるもの以外にも小松菜、白菜、大根の花芽、ブロッコリーの脇芽、珍しいものではネギ坊主。そんなのもとても美味しいんですよね。

 野菜さんの立場に立ってみれば花を咲かせて種を結ぶ直前に私に取られちゃうわけですから「結婚式前夜に手折られるようなもんだ」とは師匠の言葉。
それでも「その野菜が自分の力を振り絞ってエネルギーと栄誉をためて創り出した花芽という場所。そこをいただくということは本当にその野菜の命をいただくということ。こんなにもありがたいことがあるだろうかと思うと毎回泣けてくるんだよ」とも言われました。

 消費者である私たちは他の命を常に手折って生きている。そこを忘れないようにしたいなと。想いを新たにする春の畑です。


vol.189 未来に続く暮しの学び vol.31

持続可能な暮らしの提案。

持続可能な暮らしの提案。

 南半球のオーストラリアは秋分の日を迎え、季節が切り替わるのをきっかけに、ここの暮らしにも新しいサイクルが始まるなという予感を感じています。

 持続可能な暮らしで大切なことは、変化を楽しんで対応できること。そして面倒(ケア)を見ること。中でもメンテナスが重要です。私たちの環境面ではガーデニングのメンテナンスがあります。草刈りをして、落葉樹の葉を集めて堆肥にする。この作業はチームワークで乗り切ります。スタッフとおしゃべりしながら、季節を感じながら楽しく進めていきます。同時にスタッフの健康から精神的なケアも必要です。プライベートな問題以外は、とにかくとことん話し合います。そこから浮上してきた問題は相互に認識し、解決の糸口を見つけていきます。スタッフは場所と時間を共有している、ということを常に意識するようにと心がけます。(もちろんプライベートは別として)
 あとは自分のメンテナンスをすることも!!自分が整っていれば、どんな変化の状況にも、落ち着いて対応できますから。
 そして最も重要なことは、今ある環境に心から感謝すること、でしょうか。

 さて、秋分を迎えたここはもう収穫の秋、芸術の秋の真っ盛り。Farm to Table(畑の収穫を食卓へ)をテーマとして音楽イベントを企画したり、絵画のリトリートを企画したりと、まさに、実りの多いパラダイスの秋の始まりです。今いる、仲間とのチームワークがこれからどのように築き上げていけるかが楽しみです。

 過去を振り返りながら、前に進む。そして、変化を受け入れる。そんなひらめきを感じた新たなサイクルの始まりです。


vol.189 夢か悪夢かリニアが通る!vol.18

 名古屋城に近い官庁街。ビルとビルの間に直径約40メートル、深さ約90メートルの大穴を開ける工事が2年余り前から進んでいます。リニア中央新幹線「名城非常口」です。本線のトンネル掘削の起点になるほか、完成後は乗客の避難口になる予定です。今年3月中旬、この非常口の掘削工事が地下水湧出のため中断していることが一斉に報道されました。掘削は昨年12月下旬から止まっていたそうです。JR東海は筆者の取材に対し、「周辺の地下水への影響は起きていない」としていますが、果たして今後もそう言い切れるのでしょうか。周辺は愛知県警本部や名城病院などもある名古屋市の中枢。注視していく必要があります。今回は、南アルプストンネル工事が行われている長野県大鹿村の今をお伝えします。
                 ジャーナリスト・井澤宏明

「二人三脚」JRと村

工事車両通行のための道路が、これまでの道路を寸断するように完成していた。左は国の重要文化財に指定されている福徳寺本堂

約束の5倍の工事車両

1月16日夜、大鹿村とJR東海による村民対象の懇談会が開かれました。目的は、南アルプストンネル工事で掘り出した残土の運搬について、JRが計画していた「う回ルート」を使用できる目途が立たないため、今後も国道152 号を使わせてもらいたい、と説明することです。
 JRによると、これまでピーク時で1日68台だった工事車両の通行が、来年3月までに5倍近い314台になるといいます。国道の周辺には、大鹿小学校や商店、住宅地があり、「う回ルートを作って残土運搬のダンプが国道を通るのを避ける」とJRはこれまで説明し、住民の我慢を強いてきました。「約束が違う」。多くの住民が驚き、不安や不満を抱くのも当然のことです。
 冒頭のあいさつで、大鹿村の柳島貞康村長とJRの古谷佳久・長野県担当部長は「う回路の地権者の合意がいただけない」ことを理由に、国道を使わざるを得ないと説明しました。
 新聞報道などによると、う回ルートに私有地を持つ旅館経営者と村、JRは2016年末から協議を続けてきました。ところが、JRが示した使用条件に、旅館経営者側が不信感を募らせ昨年10月、長野県に公害調停を申請したのです。
 JRが示したのは日曜を除く週6日間の運行。一方、旅館側が求めているのは、「旅館のお客さんにも住民にも迷惑がかからない工事」。具体的には、土曜や長期休暇、通勤時間帯の運休や台数の制限などですが、両者の隔たりは埋まらないままです。

住民を「吊し上げ」

村内のあちこちに、工事により車両通行を制限することを伝える看板が。右奥に南アルプスの赤石岳が見える

 会場では、旅館経営者の娘である前島久美さんが、村側の制止を振り切るようにして発言。「調停で話し合いを続けているにもかかわらず、台数を増やして住民生活に負担をかけるのは、地権者としてすごく残念に思っています」と、苦しい胸の内を明かしました。
 さらに、「私たちが少なくとも生活を維持していくためには、これだけのことを守ってほしいということを求めているだけです。調停の結果を待って、う回ルートの整備が整ってから工事車両を増やしてほしい」と訴えました。
 地権者を「吊し上げ」るような形で懇談会が進められることにも疑問が投げかけられました。「この小さな村の中で、『地権者』と連呼するっていうのは、ちょっと(おかしい)。これは、個人の問題ではないのに、それをあたかも個人の問題であるかのような説明会を開くのは、ちょっと違う」と住民の女性。
 どうしてそんなに工事を急ぐのでしょう。「工事が遅れているんですか」という住民の問いをJRは否定した上で、残土置き場になっている村総合グラウンドを「2020年度半ばまでに使えるようにする約束を考えると、314台の台数増加をお願いせざるを得ない」と村側の都合であるかのように説明しました。
 そもそも、グラウンドに盛り土をする必要はありませんでした。残土を受け入れるために使用できなくなっているだけです。ところが、柳島村長も「いつまでも使えないというわけにはいかない」とJRを擁護しました。
 2時間余り続いた懇談会の終盤、柳島村長は314台の国道使用について、「容認すべきだと考えている。ご協力、ご理解をお願いしたい」と住民に呼びかけました。そこには、南アルプストンネル工事着工を受け入れる苦渋の思いを語った2年余り前の姿はありません。


vol.189 かなでの沖縄だより vol.12

地元で沖縄の話をさせてもらいました

 3月23日、5月に各務原子ども劇場が高学年例会で 『ちゃんぷるー~私が幽霊!?修学旅行~』というお芝居を見るのに先だって事前の会があり、そこでお話をさせてもらいました。まずは沖縄の料理、沖縄風炊き込みご飯ジューシー、もずくの天ぷら、フーチャンプルー、サータアンダギーをみんなで作って食べました。そして、私が沖縄の大学へ行って2年、その間に沖縄で見たこと、聞いたこと、考えたことについてお話しさせていただきました。
 たくさんの人に集まってもらえ、皆さんに真剣に聞いてもらえたので、すごく嬉しかったです。ありがとうございました。
 そこでは、私が今まで沖縄で訪れた土地のこと、今問題になっている辺野古基地建設、県民投票についてを中心にお話をしました。私が一番伝えたいことは、「沖縄で起こっていることは、沖縄だけの問題ではない」ということ。沖縄県民だけが考えなければいけない問題ではなく、みんなで考えなければいけない問題ではないかということでした。
 「辺野古米軍基地建設のための埋立ての賛否を問う県民投票」は民意を示すため行われたものでした。しかも、沖縄の若者たちが、一部の大人たちの消極的な意見を乗り越え、県を説得し、投票そのものに反対する自治体との妥協点も探りながらやっとのことで実現にこぎ着けたものです。その結果反対票が70%を越えたのですが、その民意は無視され続けているのが現状です。県民投票が行われ、数字が出たのにも限らずなぜ県民が悩まなければいけないのか、私は不思議に思います。

 話を聞く前と話を聞いた後の沖縄のイメージをみなさんに書いていただきました。

もっともっと沖縄のことを知りませんか?

 みなさんからいちばん多く聞いたのは、海の話でした。
 沖縄の海は確かに綺麗です。私が住んでいる那覇の近くの海でも十分に綺麗ですし、辺野古まで行くとさらに綺麗でずっと見ていても飽きることがありません。

 ですが、その影にはいろんな歴史があるということ。その綺麗な海は今壊されようとしていること。 いろんな問題を抱えています。
 今回お話をさせていただき、誰かが思ったことや感じたことを発信していかなければ 誰もわからないし、知らないうちにたいへんなことが起こっていくんだと実感しました。知らないことって怖いことだと思います。
 沖縄ではこんなことが起こってるんだよ、という事を少しでも知ってもらいたいと思います。

 5月3日には、毎年大垣で行われる「西濃憲法集会」で少しお時間をいただいてます。こちらの人間が、沖縄で普通に大学に行きながら、そしてアルバイトをしながら見たり、聞いたり、考えたりしていることをお話しさせていただくつもりです。

 写真は今年3月の大浦湾:ここは、沖縄本島では珍しく深い入り江になっていて、変化に富んだ海底から様々な種類の貝殻が打ち上げられてきます。この深い海底を利用して大型の軍艦が着岸できる岸壁を作ろうとしているのですが、マヨネーズのような超軟弱地盤をどうするのか具体的な解決策もないままに工事が進められています。


vol.189 プレゼントコーナー

1- あなたの「ストレス解消法」教えて!
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事のタイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名
(第1希望・第2希望)
 ※AとDは編集室まで受け取りに来られる方。
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、  家族構成

プレゼントご希望の方は

ハガキまたはe-mailで、上記のアンケートを 1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
〆切:5月25日 当日消印有効( Bは5月10日〆切)。

宛先
〒504-0855 各務原市蘇原新栄町2-25
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。

                 

A.絵本「いのちいただきます」3名様

堀野慎吉様より

        

前号「熱中世代」でご紹介した堀野さんからのプレゼント。堀野さんの少年時代の体験を元にした文章と温かみのある絵は、読む人に大切な何かを伝えます。にらめっこ編集室でお受け取りください。           

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B.薬膳料理をつくろう!」ご招待 3名様

NPO「人生これから」様より

  

        

   

 今年度のえんぴつ・カフェスペシャルは「アクティブ」がキーワード。第1弾は季節や自分の体調にあわせた食材を食事に取り入れる薬膳料理です。詳しくはえんぴつカフェのページを参照ください。材料費はご負担下さい。   5月19日(日)11:00~14:00各務原市総合福祉会館3階料理教室にて

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C.CINEX映画招待券 ペア3組様

 シネックス様より             

映画を観るためだけに作られた空間、それが映画館。独特の雰囲気の中でしっかりとストーリーを堪能すれば映画館を後にする時に幸福感に包まれるとさえ言う人も。そんなひとときは今や貴重かもしれません。写真は映画「マイ・ブック」より。柳ヶ瀬のシネックスでご利用になれます。

                

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D.ペアカップ&ソーサー

にらめっこより

                 

ちょっとひと息ついてホットドリンクタイム。お友だちと一緒におしゃべりタイム。
そんなくつろぎのお供にこんなカップはいかが?サッと筆で描いたような模様が味わい深いポイント。色は白地に黒と若草色です。
にらめっこ編集室でお受け取りください


vol.188 「いのちの水」特集

Part-1
再び水の話し・私たちのいのちをつなぐ「水」


私たちと「水」
陸上動物も、その起源は海の中にあります。海で命を育み、進化し、上陸を試み、陸上生活ができるように適応しながら、進化したため今日に至ることができたのです。自ら生まれた命は、水がなければ引き継いでいくことはできません。私たちもまた、水なしでは存在はあり得ず、水によって生かされているのです。

 

水を飲む
水を飲み、体内の水分含有量を保つことは様々なメリットを生み出してくれます。 その効果は数えきれませんが、いくつか代表的な例を挙げてみましょう。

*基礎代謝が上がる*体温が上がる*食欲の抑制*美白になる*ニキビや吹き出物などができにくくなる*乾燥肌・シミ・小ジワ・たるみが改善する*むくみの解消*リンパの流れが良くなる*老廃物をデトックスできる*血液がサラサラになる・・・・・・いかがでしょうか。
水を飲むということは、女性に嬉しい美容面はもちろん、成人病の元ともなる肥満対策・ダイエットにも効果抜群なこと。

こまめに水を飲む
「のどが渇いたら飲む」という方も多いかもしれませんが、のどが渇くということは、その時点で体内の水分が足りなくなっているということです。理想としては「のどが渇く前に飲む=水分が足りない状況を作らない」ことです。
習慣的にこまめに水を飲むことをおすすめしますが、より効果的なタイミングとしては、以下の5つが挙げられます。

*食前・食後*運動前・運動後*入浴前・入浴後*就寝前
いずれも「体内の水分を失うタイミング」です。

寝ている間にも発汗しますし、運動すれば汗をかきますよね。これはお風呂に入ることも同じです。食事に関しては「逆に食材からの水分補給になるのでは?」と思われるかもしれません。確かに食材からも水分は補給できるのですが、それを消化するために体内の水分が使用されてしまうのです。
「塩辛いものを食べると喉が渇く」なんて経験はありませんか?これは塩分を分解するのにより多くの水を必要とするからなんです。
ですから、日常的にこまめに取るのはもちろん、体内の水分を多く使用するタイミングで飲むことが、より効果的な飲み方となるのです。

体重の4%分を飲む
飲むタイミングを知ったならば、自分が飲むべき水の適切量も覚えておきましょう。よく「1日2リットル飲むと良い」など具体的な数字を見かけるかと思います。しかし人間には個人差があるため、誰しもが同じ量で良いわけがないのです。自分にぴったりの適切量を知るためには、自分の体重に4%をかけてみましょう。
体重50キロの人の場合:2リットル
体重80キロの人の場合:3.2リットル
このように、自分の体重の4%分が、あなたの飲むべき目安として覚えておきましょう。

水ならなんでもいいの?
「水なら何でも良いのか」というとそうではありません。
水分についてこれだけは覚えておきたいです。
1:水道水
ご存知のように、水には塩素(カルキ)が含まれています。
また貯水槽の衛生面によっても、細菌や微生物が多く含まれている可能性があります。「沸かせば大丈夫」とお考えの方もおられるようですが、水道水を沸騰させると、発がん物質であるトリハロメタンを倍増させてしまうことになります。そのためどうしても水道水を飲みたいと言うのであれば、15分以上沸騰させたあとの水を飲むようにしましょう。

2:硬水
これは体質にもよるのですが、日本人の体には硬水は合わないと言われています。日本の水は軟水ですが、海外の多くは硬水です。そのため「海外の水を飲んだら下痢になった」なんて話をよく聞くのです。

3:お茶やスポーツドリンク
「水分なら何でも良い」と、水以外の水分をカウントされる方もいます。しかしお茶やスポーツドリンクにはカフェインや糖質が多くふくまれているため、それらを分解するのにより多くの水を必要としてしまうのです。

「健康のために水分補給をする」というのであれば、やはり普通の水をおすすめします。

「自分の体の半分以上が水でできている」と考えれば、水が生命維持に必要不可欠な理由もおわかりいただけるかと思います。

きれいな水道水は日本の宝!
「水道水が飲める」これを当たり前のことだと思っていませんか?水道水がそのまま飲める国は世界でもたった15か国!
・ドイツ・オーストリア・スイス・クロアチア・スロベニア・フィンランド・スウェーデン・アイスランド・アイルランド・オーストラリア・二ュージーランド・南アフリカ共和国・モザンビーク・アラブ首長国連邦・そして日本(国土交通省)
このように主にヨーロッパ地方を中心とした国でしか、水道水を飲むことは出来ません。

なぜ日本はこんなにもきれいな水道水なのか。その理由は「水質基準がとても厳しいから」に他なりません。
日本の水道水の水質基準は、1957年に施行された「水道法」によって定められています。「ずいぶん昔じゃないか」と思われるかもしれませんが、ここで掲げられた目的はたったひとつ。

「水道水を生涯飲み続けても人体の健康に全く悪影響がないこと」日本はこのたったひとつの目的のために、60年以上前から厳しい基準を整備してきているのです。

具体的には以下の3つの基準、全てをクリアさせています。
世界保健機構(WHO)の基準値
水道法の51項目の水質基準項目と基準値
厚生労働省の26項目の管理項目
これら100項目以上の基準点によって、日本の水道水は世界最高水準のきれいさを誇っているのです。例として大腸菌。感染力の高さで知られる恐ろしい菌ですが、これに対する各基準は
WHO:水道水100ml中に検出されないこと
EU:水道水100ml中に検出されないこと
EPA:水道水1Lにつき5%以下に留めること
日本:検出されないこと
ご覧のように日本だけ厳しい基準値になっています。そのおかげで、水道から出てくるまま口にすることもできるのです。
(水・ネット)参照

Part-2
自然豊かな山ふところにはいのちの水がある

ちょっとまって
水道の民営化って・・・どういうこと?
私たちの飲み水、安全は?料金は?
地震大国ニッポンで災害時に
“いのちの水”は本当に守られるの?

そもそも水道法改正って?
自治体が水道事業の運営権を民間企業に売却するコンセッション方式を導入しやすくする内容を含んだ水道法改正案が、2018年12月6日の衆院本会議で可決され、成立した。民間のノウハウの活用で水道事業の立て直しを狙う一方、野党側は料金高騰や水質悪化の懸念があるとして反対していた。(産経ニュースより)

2019年2月2日朝日新聞の「耕論」で
「命の水」誰に託す  という記事を読みました。

大阪市長の吉村さんは、民営化に積極的です。民営化で更新・耐震急げと鼻息が荒い感じ。
「このまま放置したらどうなるのか、「『命の水』が外資に食べられる」と言った抽象的な議論をする人が多いが、何も対応しなければ水道料金の大幅値上げしかありません。コンセッション方式をいかし、企業に設計段階から任せ市の試算では5から10%ほどのコスト削減出来る見込みです。」さらに「地震に弱い老朽菅の解消が10年早まり、これを大阪モデルとして全国に打ち出したい」とも。

かたやトランスナショナル研究所研究員の岸本さんは、「民営化するとコストが下がると言われますがそんなことはありません。」ときっぱり。「水道管などの設備更新の費用は、民営化すれば自治体の会計上の借金からは消えて見えなくなりますが、本質的に財務状況が良くなるわけではありません。費用は、最終的には水道料金を支払う住民が負担するのです」「「水道ビジネスを手がける「水メジャー」と言われる多国籍企業は、多大な利益を得ています。日本も狙われている市場の一つです。コンセッション方式の場合、自治体と企業の契約書は数百ページにも及びます。水メジャー側はノウハウを持つ弁護士ら百戦錬磨のプロ集団が契約を担います。自治体の職員が自治体に有利な契約を結ぶことは不可能でしょう。」
「安全な水の使用は人権で、水道は社会基盤の一つです。地元で水源を保全し、多くの薬品を使わないなどコストを抑えるためにあらゆる努力をしても原価割れするなら国が財政支援するべきです。」これからの水道事業をどうするかは「自治の力」にかかっています。自治体や議会は、住民と開かれた議論をし、目先の財政負担軽減ではなく100年先を見据えた対応をしなければいけません。民営化の圧力をはねのけ、孫の代までも享受できる持続可能な公共サービスを目指すべき。彼女は、「自治の力」を喚起しています。

そして、熊本市「ラジオ水守」の水野さんは「自然や文化を守り届けたい」と熊本の100%地下水を誇ります。ですが、「水に恵まれた熊本でも、地下水が減っています。都市化が進んでコンクリートが地面を塞ぎ、減反政策で水田も減ったため、水が地下にたまりづらくなったのです。日本人のライフスタイルの変化が、地下水システムの危機を招いていると言えるでしょう」と憂いも隠せない様子。そして、「水道の役割は、水をポンプでくみ上げて人々の元へ運ぶだけではありません。阿蘇山から田、土の中を水が巡り、人が使った後はきれいにして豊かな有明海へ返す____。熊本の水道はそんな循環の一端を担っているのです。」と締めくくっています。

三者三様の意見に私的に寄り添えるのは、持続可能な視点に立った岸本さんと水野さんの意見でした。(三)

私たちの飲み水はどうなってるの?
各務原市の水道の水源は、すべて地下水で賄われています。
降雨や河川・水田の水は、地中に浸透しながら不純物が取り除かれ、土壌や岩石に含まれているカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分を吸収して地下水となります。

各務原地区には三井水源地に13本、西市場水源地に9本、弥平島水源地に1本、川島地区には小網水源地に3本(小網水源地内に2本、河田取水ポンプ場に1本)、笠田水源地に1本の井戸(取水井)を設備し、地下水をくみ上げています。各務原地区においては、消毒された水(浄水)は、送水ポンプの圧力で水源地から団地の受水池や山の上の配水池に送られ、そこに一旦貯水されます。貯められた水は、自然流下の圧力で配水管、給水管を通って各家庭などに届けられ生活用水として使われます。
川島地区においては、消毒された水(浄水)は、配水ポンプの圧力で配水管、給水管を通って各家庭などに届けられ、生活用水として使われます。( 各務原市のHPより抜粋)


vol.188 水の特集 水道民営化って?

Part-3
水道民営化って?
水道民営化について、長良川市民学習会の武藤仁さんに詳しくお話をうかがいました。

武藤さんは長良川水系をもまるため、いろいろな活動をされています。その中で大切にしているのは以下の2点だそう。
・わが町の水を「おまかせ」にしない。
・ 命の水を後の世代につなぐ。

水道民営化に反対・賛成と言う前に、今の自分たちの飲み水がどうなっているか知ることが大事です。それによって、「民営化がいいのか、従来通りがいいのか、その他もあるのか」の選択が変わってきます。
憲法25条(生存権)に基づいて、水道法の第一条には、「清浄、豊富、低廉」と言う飲み水の最低限の条件が書いてあります。水がきれいなことは当然だけど、しょっちゅう断水するようではいけないし、高くて貧乏人が飲めないようでは、命の水として失格です。そういう意味では、水道法は今まで守られてきた。水道は国がきちんと守っていかなければいかん、国にその義務があったということですね。

水道法の水道事業というのは
水道法の改正では、「水道を計画的に整備し、および水道事業を保護育成する」この文章が削られ「水道の基盤整備を強化する」に変わっています。
水道行政の最高責任者、厚生労働大臣が基盤を強化するための基本的な方針を定め、都道府県がそれをもとに基盤強化計画を作り各市町村で広域関係推進協議会を作ってやっていきなさい、というものです。そして「で、あなたのところの自治体はどうする?」となリます。この段階になると、県や市町村の議会も、もちろん市民も意見を出すところがなくなってきます。いわゆる、有識者と水道関係の職員、官僚だけで決まっていきます。結局、今度の水道法改正というのは、各自治体が考えて行ってきたことを、広域連携という名のもとに、国から大規模にやりなさい、とトップダウンで命令が下りて来るようになる、ということです。
わかりやすくいうと、人口密度の低い地域の小さな水道事業は水道料金だけ(独立採算)では経営できません。今まで一般会計や国の補助金でやってきました。ところが国はもう金は出したくない。そこで例えば岐阜、各務原、関…の水道事業を広域に合併しスケールメリットを生かして基盤整備をしなさいというのが国の狙いです。けれど、ほとんどの市町村は自分たちでやっていくという思いがあるから、なかなかそれが進まない。だから、水道法という法律を変えたい、というのが今回の水道法改正の狙いの一つです。そして、二つ目の狙いは水道事業の民営化です。

では民営化とはどういうものか。
水道というのは市町村が自分たちでプランを立てて経営する、というのが日本の水道事業の原則でした。ところが、フランスを中心として世界的に「水メジャー(上下水道事業を扱う国際的な巨大企業)」が水道を支配したいという思惑があります。安倍さんや麻生さんは、それに合わせ日本の門戸を開きたい、市場開放しましょう、と高らかに公言しました。(2013年)
ですが、水道事業を今すぐ民営化にすると国民から猛反発を食らうことはわかっていますので、官民連携PPP(Public Private Partnership)の名で政策を進めています。官民連携には、PFI(Private Finance Initiative・民間の資金や経営手法・技術力を活用して公共施設などの社会資本を整備すること)があります。例えばゴミ焼却場の建設はとてもお金がかかるから、民間の資金で、設計してもらって、建設も、運営もしてもらうもの等があります。PFIは病院建設やその運営など、いわゆるハコモノを中心に進んでいます。

PFIはこれから行政用語でどんどん出てくるでしょう。
第2次安倍政権になり、PFIをもっとやりやすくしていこうと、コンセッション方式を進めています。これは、例えば市町村の水道の施設や配管などは自治体の財産のままですが、運営権を売って、20〜30年間、企業に任せるやり方のこと。安倍さんは「これは民営化ではない。皆さんの水道局がどっかの企業になるわけじゃありません。」と和らげるようなことを言っていますが、30年も経ったら市の職員だって入れ替わりもあるし、どこにどういう管が埋まっているのかなど、いろんなことがわからなくなってしまいます。
また「この水道事業はおかしいんじゃない?」と市民や、議会が民間企業に文句を言ったって、「それは企業秘密です」で済まされちゃう。水道のことは市民も議会も追求できない、そういう恐ろしさがあるんです。にも関わらず、国は「水道管が老朽化して、大地震が来たらどうするのか。民間の金を借りて任せないと、今の役所では対応しきれないよ」という理由で民営化を進めています。さらに「基盤強化は今の役所は貧乏だからできないだろう」と。だから民営化しようということです。だけどこれはまやかしで、住民と行政がきちんと工夫すればできることなんです。

そもそも水道事業にコンセッション方式導入はどうなの?
いままでは住民は自治体に料金を払い、自治体が下請け会社と委託・請負契約をしても、何か問題があれば住民は自治体に文句を言えば良かった。しかし、コンセッション方式になると、自治体がSPC(Special Purpose Company・特別目的会社。ヴェオリアとか外資系企業も入いる)という会社に運営権を移しちゃうわけだから、市民は水道料金をここに払う。しかも運営権は20〜30年契約です。そうでないと企業側にメリットがないですからね。
災害の時にどうなるかというのがすごく怖いです。僕が名古屋市上下水道局にいたときは、災害が起きたら、横浜とか、京都に助けてもらうとか、役所どうし公と公の連携や約束をしていた。だけど民間になるとそういう信頼関係はないし「想定外の災害だ!」「損害を受けた賠償せよ!」と、逆に市役所が法外な請求をされるかもしれない。水道施設が大きな被害を受けると手に負えないので撤退する可能性もあるんです。
コンセッション方式導入に対して、大阪市議会では2回否決、奈良市議会も否決。これからは自治体でこういう機運を作っていく必要がありますね。要するに市長が民営化しませんとはっきり言えばいいんです。それだけのこと。僕らも早速岐阜市で「命の水を考える会」を立ち上げ、上下水道事業部を訪れ「民営化」についての考え方と施策を聞きました。今のところ岐阜市長も記者会見で「コンセッション方式を導入することはしません」と言い切っています。

で、民営化になるとどうなるか
水は市民のものではなくなる。繰り返しますが、議会の声ももう届かないようになる。民間企業だから、情報の資料提供も期待できません。企業も全ての業務はできませんから、結局下請け、孫請けがやることになるのですが、その際、どこと契約したか民民契約だから、そんなことは議会も市民もチェックできなくなります。そして大手の息のかかった一部の特定の業者に工事を任せる…、そうすると利権がらみが蔓延するという可能性が出てきます。民営化のメリットは何もないと、僕は思っています。

市民や自治体がスクラムを組んで対応。
国は自治体に対して「財政力がないのに市民の未来を担えるのか」と、指導という圧力をかけてきます。その時に「市民とともに考えて、こういう政策でやっていきます!」と、突っぱねられればいい。それには市民と自治体の認識が一致して団結してないとね。「水道事業は、原則として市町村が経営するもの」という水道法第6条は生きています。
僕らは一つ一つ拾い上げ、役所に対して、「これどうなってますか?」って聞いていくしかない。役所だって民間に明け渡すとか、仕事をいい加減にやろうとは、だれも思ってないはずです。官民連携という名で、一部の人が潤うという仕組み、その構図は見え見えです。でもね、それを跳ね返していくのは、市民の力しかないんです。
各務原市はまだ、データだけ見ていると頑張ってるんじゃないかなと思いますよ。しかも、100%地下水を水源としているんですよね。かつて各務原市で、ニンジン畑の化学肥料による地下水汚染が発覚した時、市民・研究者・市役所が連携して水道水源を守ったと聞いています。水に関して敏感だったんですね。その勢いで万が一民営化の話が来たら住民どうし団結して、行政としっかり協議した方がいいと思います。

長良川市民学習会は、2007年12月、「徳山ダムの水を長良川に流す」木曽川水系連絡導水路計画に驚き、「長良川に徳山ダムの水はいらない!」と声をあげた市民の集まりです。会を結成後、長良川の環境にかかわる市民学習会の開催、調査活動、関係機関への要請行動などを重ね活動を広げています。
代表:粕谷 志郎 岐阜大学名誉教授 事務局長:武藤 仁
(連絡先)500-8211 岐阜市日野東7-11-1 TEL 090-1284-1298

UP TO THE LAST DROP
『最後の一滴まで』
ヨーロッパの隠された水戦争
水道サービスのあり方を問うドキュメンタリー映画
「民営化の是非だけの問題でなく、持続可能な地域、公共サービスのあり方、住民自治の実践という観点から、私たちは対案を出していく必要があるでしょう。この映画がその議論の一助となることを願っています。」
ドキュメンタリー映画の翻訳プロジェクトのHPでは、こう締めくくっていました。

ヨーロッパの国が水道民営化で揺れている。4年に及ぶ取材。制作期間を経て2018年にギリシャで公開されたそうです。フランス、ドイツ、ギリシャ、ポルトガル、イタリア、アイルランドの6ヵ国・13都市を綿密に取材し、自治体議員や、市長、研究者、NGO、アクティビスト、そして民営化を推進する企業へのインタビューまで、多用な登場人物が発言していきます。特に印象的だったのが、アイルランドの一人の若い女性の取った行動。債務危機を抱え民営化を余儀なくされ住民の敷地外に水道メーター設置をはじめるのですが、路上でメーター設置に抵抗するスタンディングをはじめたシーン。アイルランドはもともと水道メーターはなく、OECD諸国で唯一、「水の貧乏の人がゼロ」という実績を誇っていた国だったんです。で、その女性の行動に触発され、地域の住民がひとり、ふたりと徐々に増え、その輪は次第に全国に広がっていくという展開シーンでした。
さて、私たちはどうでしょう。行政が決めたこと、民主主義で決めたことだから、とあきらめムードになってないでしょうか?
私のキーワードは「持続可能」。それが可能か否かで判断したい。水道民営化、人ごとじゃないないですから。(み)

こんなふうに、図解があるとわかりやすい!

民間企業に運営を任せる・・・第3セクターで各務原市の学童保育も民間企業のシダックスになったね。

 

 

あなたの街の水道料金はいくら?他市町村と比較してみるのも、いいね!


vol.188 カタコトの部屋「100点の自分」なんていらない

「100点の自分」なんていらない
「大学を辞めてロケットが作りたい」と僕らの工場に来た人がいました。彼は入っていきなり、もっといいロケットを作るために会社を変え、働きやすい職場を作り、売上も伸ばそうと思っていたようです。
いくら小さい工場でも、初めてやってきた若者がドラマみたいな活躍はできません。彼はその事実に直面し、自信をなくして大学に戻っていきました。
まだ大学生なのに「100点の自分でなければならない」と思い込んでいたのです。

僕らは彼の「何もできない、何も知らない」というところに魅力を感じていました。
いっぽう彼は、「何でもできる、何でも知っている」という自分になろうとしていました。

いつも100点を目指す教育に彼の自信はゆがめられたのだと感じ、かわいそうでした。
僕は50歳ですが、まだまだできないこと、知らないことがたくさんあります。100点には程遠いけれど、それでもいいと思っています。
なぜならば、「世界のすべてを知り尽くしたら、相当つまんない」と思うからです。知らないから知りたいし、できないからできるようになると嬉しいのです。

講演会に参加したい❣という方々の声を聞いてみました
著書を読んで
・うんうん♡と頷ける内容で、ありのままでいいのだという大きな安心感を頂ました。
・「夢は自分の好きな事、仕事は人の為になる事を」ということが書かれていて、自分の近い将来を思い描くのに役立った。
・こどもにも高学年くらいになったら読んで欲しいなと思ったので『空想教室』は手元に置いてあります♡
・お茶目な印象を受けたので、生の植松さんを見たいです。笑
・「我が子(生徒)の為を思って、本当に良かれと思って、子どもの将来を心配して、悪気なく、子どもの可能性をぶち壊す大人」ね。気をつけたいなと思います。(Sさん)

TED×Sapporo※の動画を見て
・言葉では簡単におっしゃってるけど、本当は相当な山や壁があったと思う、でも、植松さんは信じることをやめなかった人。夢を前においてひたすら自分を信じた。まず、本当に自分がやりたい事っていうのがわかってない人たちが多いこの世の中に、子どもの頃の自分を思い出させる素敵な動画だったなー(Cさん)
・自分はひとりだ、とか、自分なんてとか、ここまでか…と、諦めてしまいそうな中、やっぱり続けたいと思えたのは、自分が好きな分野なんですね~。植松さんのお話の内容も然り、これだけの人を惹きつける話術も盗みたいな。(Yさん)

※TED
様々な分野で活躍する人を招き、アイデアなどを語ってもらうイベントを開く米国の非営利団体。名前は「技術」「エンターテインメント」「デザイン」を意味するTechnology Entertainment Designの略。ビル・ゲイツら著名人も登場、動画がインターネットを通じて無料で配信され、注目を集める。同様のスタイルを踏襲した「ご当地」版イベントが「TED×(場所の名前)」の名前で世界中で開催。日本では北海道のほか、東京など約20の都道府県で開かれている。

次号では植松さん講演会を特集します♪
植松 努さん
・北海道芦別市生まれ
・幼い頃から紙飛行機が好きで、大学では流体力学を学ぶ
・小さな町工場(植松電機)から、自家製ロケットを打ち上げ、宇宙開発の常識を逆転
・TED×Sapporoの感動スピーチがYouTubeで270万再生


〜こどもも大人も 輝ける社会をつくる〜
【日時】2019年3月30日(土)
10:00開演(9:30開場)
【場所】甚目寺公民館 大ホール
(愛知県あま市甚目寺二伴田)
【参加費】大人 2,500円(当日3,000円)、
3歳〜大学生500円(当日1,000円)

【定員/800人】
※駐車場には限りがあります。できるだけ公共交通機関またはお車に乗り合わせてお越しください。
主催:自然派ママの会@あま市 ・名古屋ママ会・ 岡崎お母さんの会・豊田おかあさんの会・日進市 自然派おかあさんの会・長久手まちづくり♡おかあさんの会
協賛:一宮市子育てコミュニティtocotoco
【問合せ】facebook「子育てコミュニティtoco toco」


vol.188 ここいく日記 うまれる

うまれる

我が家には2人の思春期を迎えている息子たちがいますが、物心つく頃から誕生日になると、彼らの誕生物語を語って聞かせています。私は助産師という職業にありながら、ずいぶんにぎやかなお産をしました。威張れるようなお産ではありませんが、主演:子どもと私、助演:立ち会ってくれた主人と助産師さん、で作り出した誕生物語を誇らしげに語っています。時々、主人や祖父母のサイドストーリーも織り交ぜながら、世界で唯一の、彼だけの物語。小さい頃は目を輝かせ聞いていた息子たちも、今では「またか!」という表情で聞いていますが、彼らが巣立つ日までは、子どもと私のために語り続けていきたいと思っています。
子どもたちは、幼児期くらいになると「ぼくは、わたしはどこから生まれてきたの?」と聞きたがる時期があります。そんな時、親としてどのように答えようか迷われる方も多いと聞きます。本当のことを話すべきなの?本当のことを話すのは早すぎる?そんな迷いが顔に出ないかと不安に感じる親御さんもいらっしゃると思います。「ここいく」では紙芝居で誕生までの物語を伝えています。その中で「お花の中から生まれてきたの?もしかして畑からとれたとか?そんな、ばかな!」というシーンがありますが、子どもたちなりに自分がどのように生まれてきたのかを知りたがっています。
子どもたちのそんな疑問に答えるべく、「ここいく」のいのちの授業では、出産劇もやっています。メンバーが産婦さんになりきり、陣痛を乗り越えて出産に至ります。赤ちゃん人形を使った出産劇ですが、本物の音源を使い、なかなか工夫をしているなと自画自賛しております。そこでは、おなかの中にいる時の赤ちゃんの心音を確認する場面もあります。子どもたちに耳を澄ませるように伝えると「ドク、ドク、ドク・・・」お馬さんが駆けるようなリズミカルな心音が聞こえてきます。この劇ではお父さんも出演、その時の授業にいらっしゃったお父さんや、男性の先生に急きょご協力を頂き、お母さんの手を握って応援するお父さんの役を演じて頂きます。「がんばれー!!」となかなか迫真の演技をしてくださいます。子どもたちも頑張れー、頑張れーと応援していますが、いよいよ生まれる場面となると、息をひそめ出産場面を見守ります。そして誕生、産声が響き渡り「おめでとう!」そんな声の中に赤ちゃんとお母さんは包まれます。それから赤ちゃんのへその緒が切られ、赤ちゃんを育て守ってくれた胎盤が出ることまでを伝えています。
出産は、経膣と帝王切開で生まれる2つの方法があります。帝王切開でのお産のこともお話しします。どんなお産でも、お母さんも赤ちゃんも一緒に頑張るから生まれてくるんだよと話しています。そして「おめでとう!」いう喜びと祝福の中、赤ちゃんはみんな生まれてくるよということを伝えられたらよいなと思っています。一緒に見て頂いたお母さんからは、自分の出産の時のことを思い出したと涙される方もいます。この出産劇は、日々育児を頑張っているご両親にとっても、わが子が産まれた時の感動を思い出す機会になっていることを嬉しく思います。
「あなたは、この世に望まれて生まれてきた、大切な人」(マザーテレサ)という言葉があります。誰もが祝福の中で生まれてきたことを知ることで、自分を大切にし、周りの人も大切にすることにつながってほしいなと思っています。

担当:ここいくメンバー・安田紀代子でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)


vol.188 リバース 第18号

 

日向ぼっこをするときはこのように翅を開きます。

成虫で冬越しするチョウ…ムラサキシジミ

ムラサキシジミ属はおよそ200種類からなる、蝶としては大きなグループです。その分類は未だに定まっておらず、Arhopala属を更にいくつかの属に分けることがあります。日本のムラサキシジミ、ムラサキツバメなどもNarathuraという別の属に扱われることが多いのですが、Arhopalaとのはっきりした区別方法がない。
ムラサキシジミの仲間はスリランカから日本、そしてソロモン諸島までに分布しており、主に低地の森林で見られます。多くの種類は日中ほとんど飛ぶことがなく、森林の低い場所で止まっています。また、多くは成虫になってから餌を食べているところが観察されておらず、口吻はありますが、何も食べないのではないかと考えられています。止まっている場所に日がさすと木の高いところまでに移動し、種によっては夕方から活発に活動を始めます。
開張約30-40mm。翅の表が青紫色で、周囲を黒褐色で縁取られている。
成虫で越冬し、年3-4回、6月から翌年3月にかけて現れる。平地の林やその周辺で見られる。花を訪れる事は少なく、成虫が主に何を摂取しているのか不明。 昆虫図鑑より

撮影:mikami miki

 

 児童文学雑誌「コボたち」での作品発表に始まり、教員のかたわら児童文学を書き続けてきた堀野さん。絵本の発行はこの『いのちいただきます』で八冊目となる。
「僕が教員として何か自分の核になるもの、何が出来るのかを考えた時、ひとつは日記や作文、詩などの作文教育でした。もうひとつが情操教育でしたから、読み物を通して子どもたちの心に響くものをと心がけてきました。そして子ども向けの作品であろうと、その作品を通して自分の感動をきちんと伝えていかなきゃいけないと思うんですね」
「子どもが成長していくときの通過点、やれなかったことが、ある時ふっとできるようになるという、成長の節目みたいなものがあるような気がするんです。『いのちいただきます』ではそれに至るプロセス、苦しみとか悲しみ、そういうものも含めて、人間が成長していくということを題材にして書きたかったんです」。
いわゆる団塊の世代の堀野さん。少年時代を過ごしたのは片田舎で、どこの家も貧しかった。ニワトリ、ウシ、ブタなどの家畜を飼う家は田舎だっただけに多かった。この絵本の主人公、真二も自分の少年時代がモデルだ。
「僕の家でも、祭りや祝いの時には、じいちゃんが飼ってるニワトリを、柿の木に逆さ吊りにぶら下げて、首をバシッとやって血抜きをして、ぐらぐら煮えている湯の中に入れて毛をむしって・・・そうやって庭で解体していました。自分で育てていたニワトリだけど、結局最後はさばいて食べる。僕はそういう行程を見て育ちました。だから、同じ鶏肉でも店で売っているものとは、愛着度が全然違うんやね。食卓にあがるまでの過程は全く違うから。いのちをダイレクトに感じるというんかね」。
「食べるという事は、人間の生命維持に必要なんだけど、食べられる側にも思いを馳せるというか、「動物の命」を感じながらいただく。そういう視点は大事なんじゃないかな。絵本の中で真二が、『じいちゃんはなんで平気でそんなことをするっ』て、すごく嘆く場面があるんですけど、その辺は真二の葛藤やね」と、自分の少年の時の思いがそこにあるようだ。

児童文学に取り組む一方で、堀野さんは地域の民話や伝説の発掘、監修、発表などにも関わり続けて来た。円空を題材にした絵本がきっかけになり、カルチャー教室で仲間と共に円空彫りを教えたりもする。彫った円空仏はこれまでに三百体を数える。
「教員仲間だった人の多くは定年を迎えても再雇用で学校現場で奮闘しているけど、僕は自分の好きな事だけやってる」と明るく笑うが、教員の現状に話しが及ぶとちょっと表情にかげりが見えた。
「今の教員は本当に大変。コンピューターのプログラミングや英語などいろいろ教えることが増えたし、子どもの不登校や家庭環境の変化による問題が山積していて、みんな疲れています」と仲間を気づかう。
伝記、戦争と平和、少年記・・・。堀野さんが出す絵本はどれも可愛らしさや楽しさとは離れたもの。しかし、実話が元であるからこそ、「心に伝わる何か」があるのだろう。人と人が関わって、気持ちをわかちあうことで人は成長する。堀野さんの絵本はそう語っているようだ。

ほりのしんきち○プロフィール
1949年岐阜県の長良川上流域に生まれ育つ。
日本児童文学者協会・日本リアリズム写真集団・岐阜県芸術文化会議・岐阜県歌人クラブ・岐阜創作集団コボたち・コボたち綴り方教室・草笛短歌会・岐阜円空仏を彫る会 等に所属し、創作活動に励む。
主な著書に「しろい鳥の八月」(あかり書房)・「広太はじめてのなつやすみ」(岩崎書店)・「恋坂」(文溪堂)・「少年期 青いアケビ」「お浪草」(洛西書院)・「円空〜その長い旅のはてに」「かっぱ淵の夏」「史郎ニイの戦争」「野球選手は南の海に散った〜近藤清の青春」(あとべの書房)など。岐阜県関市在住。

 


vol.188 ボーダレス社会をめざして  vol.47

          NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

障がい者のアートと権利
障がい者のアート活動を支援してくれる岐阜県障がい者芸術文化支援センター「tomoniアートサポートセンター」という所ができました。やっと岐阜にこのような施設ができました。平成30年6月には「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」(障害者文化芸術活動推進法)が成立しました。
基本理念として、(1)文化芸術活動の推進 (2)芸術性の高い作品の創造に対する支援強化(3)地域での作品発表の促進 を掲げています。また、障がい者が芸術を鑑賞する機会を増やすよう、音声や手話による説明を促進、障がい者が福祉施設や学校で芸術を創造するための環境整備も盛り込まれました。障がい者作品の所有権や著作権など権利に関する契約締結の指針を作成するように求めています。
この促進法がつくられた背景には、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催により世界から注目されることが大きな要因になっているようです。これを機会に、障がい者作品の著作権について、施設などの意識改革が出来るといいのになと思います。
障がいのある人の絵や書は、一般にぞんざいに扱われています。20年くらい前は、欲しかったら持っていってという世界でした。私も淳司がデビューした頃は、皆さんに見てもらえるだけでいいと思っていました。そうではないのです。仮に、私が一生懸命制作した作品を「好きに持って行って」と言われたらどんな気分になるでしょう。障がいのある人が作った織物を一部だけ切り取って額に入れ、売るというやり方もされていました。また本人の了解なしで、絵の一部だけ切り取ってポスターにされたりもします。息子の絵をそのように扱われた時は抗議をしました。一枚の作品として出して欲しいと。立場を自分に置き換えて、嫌だと思うことはやってはいけないのです。そういう私も書道を始めた頃は、障がいのある人の作品に印を押すのを、私がやっていました。ある展覧会でそれはいけないと指摘を受け、すぐにご本人に押してもらうようにしました。すると、歪んで押す人、薄く押す人、書道をやっている人では考えられないような所に押す人が出てきました。しかし、出来上がると妙にいい所に納まっているのです。
彼らの作品は、彼らのもの。誰も邪魔をしてはいけないのです。障がいのある人に関わる人は、彼らの権利を守らなくてはいけないのです。


vol.188 えんぴつ・カフェ


えんぴつ・カフェスペシャル第4弾 1月19日(土)
高齢者の心と身体を知り楽しく介護をしましょう!」を開催しました。
講師/入学佳宏氏(ケアマネージャー)
「認知症の方は自分が間違ったことを言ったりしたりしたつもりはありません。そのことを周りの人が怒ると、内容は忘れても、怒られて悲しい気持ちだけが残 るんです。怒られ、責められた記憶だけが積っていくと、誰でも鬱になってしまいますよね。だから認知症の方が困った事をしても、まずはどういうつもりだっ たのか聞いてみてください」
 「介護する方は、体の負担を少なくするために、テコの原理を応用する、重心を低くし、接地面積を広くするなど、ちょっとしたコツをつかみましょう」など、介護される側、する側、両方の立場にたってのお話しを、ユーモアを交えて楽しく、わかりやすくしてくださいました。途中、パウンドケーキと温かい飲み物をいただいて、リラックスした雰囲気で時間はあっという間に過ぎました。
参加者の方からは、
・「料理教室で高齢者の方に作業を伝えるコツがわかってよかったです」
・「寝ている人を寝返りさせるのに、立てた膝を軽く押すだけでできたのがビックリしました」などと感想をいただきました。

次回のえんぴつ・カフェ スペシャル企画 第5弾
「どうお別れしますか?」
講師:市川雅清氏
一級葬祭ディレクター、ディレクター技能審査協会審査官、終活アドバイザー
と き:2019年3月20日(水) 13:30-15:30
ところ:産業文化センター2階 第4会議室
会費1,000円(紅茶&お菓子を楽しみながら、質問タイムで情報交流をします)

2019年度 えんぴつ・カフェ&スペシャルの予定
5月19日・大人の食育「薬膳料理をつくろう!」
7月21日・筋活で筋力アップを目指す!
10月20日・歌をうたって脳活!(生オケです)
2020年 1月19日
講演会といきいきシニアのシンポジウム
基調講演:「定年後の10万時間、あなたはどう生きる?」

※えんぴつカフェは4/6,9/7,11/2,2020年3/7に開催予定です。
開催場所、時間は決まり次第順次お知らせいたします。

えんぴつカフェの問い合わせは
NPO「人生これから!」
田辺 090-5638-7044 三上 090-7854-4561


vol.188 ホスピスナース奮戦記 最終回

自然なこととして死をむかえるために…

今日一件目の訪問は60代のメキシコ人の男性。末期の肝疾患のためにたまった腹水の圧迫で、かなり呼吸が苦しい状態とのこと。腹腔にたまった体液を対外に排出するためのカテーテルが腹部に入れてあるので、その体液をある程度取り除いて呼吸困難や痛みの緩和と、家族も体液を抜くことができるようにやり方を覚えてもらうことが今回の訪問の目的だった。着いてすぐ、英語が話せる患者さんの甥っ子が出迎えてくれた。患者さんも他のご家族もスペイン語のみだったので、甥っ子さんの存在はとても助かった。もちろん通訳電話も使うけど、やっぱり誰かがそこにいて意思疎通を手伝ってくれるのが一番だ。他国からの移民は、お国柄やそれぞれの事情はあれど、家族や親戚とのつながりがとても強く、看取りの場でも親戚一同で協力しあう姿に毎度感心させられる。
患者さんは、話すのがやっとの状態でとても苦しそうだった。痛みよりも呼吸が楽にできない苦しさで落ち着けない。つきっきりで世話をしている患者さんの妻も、そんな夫をみて実に辛そうだった。呼吸ができない苦しさは、水に溺れるような、なんともいいあらわせない恐怖にも似た苦しさだそうだ。酸素吸入をしていても、上半身を起こしても、どんな格好をしても、とにかく苦しく、眠りにつくこともままならない。
在宅のホスピスケアに移行してまだ2日、カテーテルから腹水を抜くためのいろいろなキットは段ボールに入ったままだった。ホスピスケアから送られた症状緩和のための薬もまだ一度も使っていなかった。入院先の病院から在宅ホスピスへの切り替え時のサポートが、充分でなかったのかもしれない。言葉の壁があったのかもしれない。
ご家族は、患者さんがこんな苦しい状態で家でケアをしていけるだろうか、必要な時に、自分たちで薬をあげていいのか、カテーテルから腹水を抜くことができるのか、とてもとても不安だったと思う。患者さんは、溜まった腹水や下半身のむくみのせいで大人2人がかりでしか動かせないような状態。しかし、なによりも自宅で、家族のそばで過ごせるのが、とても有意義なことのようだった。
今日はまず腹水を抜く手順を一つ一つご家族に見せながら、2Lほど抜いた。パンパンに張ったお腹にはまだ腹水が溜まっているけど、今できるのはここまで。患者さんは、少し呼吸が楽になったと教えてくれたけど、まだ苦しそう。痛みもあるようだったので、呼吸の苦しさの緩和にも使うオピオイド(モルヒネ)の使い方をご家族に説明し実際に患者さんにあげてもらった。ご家族に助けてもらいながら、なるべく落ち着ける体勢を探した。とにかくご家族にどんどんケアをやってもらえるように覚えてもらうしかない。やれないことや問題があれば、すぐに電話してもらう。家族の不安と緊張、患者さんの肉体的な苦痛と衰弱とはうらはらに、患者さんの口からは片言ではあるが、「ありがとう」「助かるよ」「大丈夫」。といつもあたたかい言葉がでてくる。
衰弱が一定のレベルに達すると、ご本人にはわかるのだろう。死というものがとても近いことを。体に刻々と訪れる変化を受けとめていくしかない。そしてこの患者さんは多分しっかりと自分の体の変化を受けとめていた。
家族にとっては、その変化が早ければ早いほど、どうにか生きていてほしいと思うだろうし、死へむかう変化にとまどい、本人以上に変化を受け入れづらかったりする。とまどいも、悲しみも、不安も、緊張も、すべて患者さんには伝わっている。だから患者さんからは、どんなにしんどくても、「ありがとう」「大丈夫」、そんな言葉がでてくるのだろう。この家族をみていてそんなことを思った。

怖いのは、実は死ぬことではなくて、死ぬとは実際にどういうことなのかわからないゆえの、いわば未知への恐怖だと私は思っている。家族との肉体的な別れや、愛する人々が悲しみにくれるのを見たくないという思い、自分の人生に対する心残り、自分という存在がどうなってしまうのかという不安、そういった漠然とした、なにかとても大きなエネルギーに飲み込まれるような感覚。でも、この患者さんをみていて、自分の死を間近に自覚すると、心はなにかあたたかいもので包まれているような、そんな感覚になるのではないかと思った。そうであるならば、おかしな言い方かもしれないけれど、死に対しても希望をもてる。生まれたら死ぬという自然なことを自然に受けとめられる。そんなふうに肉体の死をむかえるために、家族や患者さんにはホスピスケアや緩和ケアをおおいに活用してほしいと思う。自分たちが舵をにぎっているつもりで・・・。

長い間ご愛読ありがとうございました。新しい“いのち”を育む為に今回にて連載を休止させていただきます。また、いつかお目にかかれる日まで。       わかばま〜く

わかばま〜く:プロフィール 1987年生まれ。ニューヨーク州立大学卒業後、ニューヨーク市立病院に看護師として4年勤務。その後訪問看護師としてホスピスケアに携わっていた。岐阜県各務原出身。


vol.188 ぎむきょーるーむ 農薬・添加物との つきあい方

買ったかまぼこ、作ったかまぼこ
ある日の授業から

ほんとうのところはわからないんだ

名取 かまぼこを作ったけど、おうちの人の評判はどうだった?
子ども 味はよかった。長い竹がかっこいいって。かまぼこじゃなくてちくわでしょうっていってた。
名取 かまぼこって言葉は、ガマって草の穂に似てるからで、もともとは竹に巻きつけたものが由緒正しいものだよ。ところで、スーパーで買ってきたかまぼことちくわの食品表示を見て、自分たちが作ったかまぼこに使わなかったものが、入ってます。なにかな?
子ども 卵白!
名取 はい、たまごの白身だね。粘る力をつけてます。
子ども あとは・・・・・・発酵調味料。砂糖、ソルビトール、調味料(アミノ酸)。ソルビトールってなに?
名取 よくわからないけど、甘味をつけるための添加物だと思う。かまぼこはどうですか?
子ども 食塩。砂糖、発酵調味料、魚介エキス、卵白、でんぷん、植物油、酵母エキス、調味料(アミノ酸など)、加工でん粉、貝Ca。なんだかわからないものがいっぱい入っているね。
名取 そのわけのわからないもののほとんどを「食品添加物」っていいます。日本では300種類以上が許可されています。ほかにも甘味料、保存料、糊料、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、着香料・・・・・・。なにからなにまで合成の、化学的に作られたものです。これで見た目にきれいなもの、いい匂いのもの、食べたときのプリンプリンした感じ、味のいいものにして、たくさん売ろうとしているわけです。
食品添加物は安全だとされているけど、ほんとうのところはわからないといわれています。昔、豆腐の殺菌剤に使われていたAF2というのは、すぐ症状が出たから危険だと分かって使用禁止になったけど、発がん性があるかどうかは10年も20年もたたないとわからない。
それに何十年もたってから症状が出ても、あのとき食べたかまぼこのせいだって証明できないでしょう。

 

大きな声で「使うな!」っていおう

名取 それともう一つ、がんよりこわいのが、遺伝子を傷つけてしまうかもしれないことです。つまり、生まれてくる赤ちゃんに異常が出るかもしれない。あるいは、その次の世代、つまり私の子どもの子ども。
子ども 孫ってこと?
名取 そう、孫に異常が出るかもしれない。だけど、そのときおじいちゃんが食べたちくわのアミノ酸のせいだなんて立証できないでしょう。
それに一つひとつの添加物が安全だとしても、2つとか3つが化学的に反応して毒性のものを作ってしまうかどうかもわからない。
子ども じゃ、どうすればいいの?
名取 個人としては、食べものを買うときには注意して、なるべく添加物の入っていないものを買うことかな。あと、みんなで声を大きくして、わけのわからない添加物を使うなって会社や国にいうことかな。
食品添加物だけじゃなくて農薬も怖い。農薬って薬じゃなくて、農毒薬です。農毒薬をまいて死んじゃった人、病気になった人もいます。
このほか、遺伝子組み換え食品といって、除草剤を浴びても平気なように作りかえられた大豆やトウモロコシのことも問題です。
うちに帰ったら家族みんなと話してみてください。で、どうしたらいいかを考えましょう。


vol.188 半農半Xという生き方 vol.29

天職観光
人はこれから、どんな旅をするのか。その方向性について、福知山公立大学地域経営学部と一緒に調べています。僕はこれからの時代の旅のことを「天職観光」と呼んでいます。天職観光とは、「天職のヒントを探す旅」を表現する造語で、12年ほど前、ふと自分の中で生まれたことばです。
 いろいろな方にインタビューをさせていただき、その方の仕事(天職)について、そしてどんな旅(日帰り~数泊)をされているか、されてきたか、毎週学生と尋ねています。
自分の旅を振り返ると、過去、以下のところに行ってきました。有名なところをいくつか紹介してみます。
高校生レストラン「まごの店」(三重県多気町)、IT企業を誘致する神山町(徳島)、葉っぱビジネスの聖地・上勝町(同)、里山を舞台に「大地の芸術祭」を3年ごとに開催する津南町・十日町市(新潟)、瀬戸内国際芸術祭の舞台の1つの直島(香川)などなど。
昨年、香港から若いカップルが綾部にやってきました。天職観光の文字を見せると、「まさに僕たちの旅はこれです」とのこと。綾部への旅が二人の未来をすこしでも応援することになればすてきです。まちや村が旅人の人生も応援していく時代が来ています。みなさんなら、いまどこに旅したいですか?

あらためまして、半農半Xってなぁに?って言う方にご紹介!
半農半Xの種を播く 塩見 直紀(共編著)
出版社: コモンズ ¥1,728
安全な食材、いただきま〜す。食糧自給率、アップしちゃいます。仕事のストレス、減りますよぉ。作物を育てる喜び、たまりません。「半農半X」はいいこといっぱい。半農半XのこころAtoZ~26のキーワード。

 

 

 

塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は翻訳されて、台湾、中国、韓国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。

※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題(どう生きるか)を背景と する。持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。ex.半農半漁、半農半大工、半農半看護師、半農半カフェ、 半農半絵描き、半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。


vol.188 菌ちゃん野菜応援団 vol.9

毎日寒くてお部屋から出たくありませんよねー!!!我が家のにゃんこも毎日のように私の布団のなかに入ってきてはスヤスヤ寝ています。
さて、菌ちゃんたちも寒いのは苦手なようで、段ボールコンポストも外では発酵しない季節になりました。我が家は家族が多いので毎日けっこうな量の生ゴミが出るんですが、それを段ボールのなかに投入してよく混ぜると。次の日ホカホカ湯気を立てながら菌ちゃんが生ゴミを分解しているんですよねぇ。
基本の大きさのコンポストで約60キロもの生ゴミを分解できると言うのだから驚き‼

いろんなタイプの生ゴミ処理器を導入しましたが、家庭内で処理できるという点で見れば一番続いているのがこの段ボールコンポスト。先日講習を改めて受けて、例えば身体の具合が悪い人がゴミ捨てに行けなくても家の中に生ゴミがたまらない、有事のときに最悪簡易トイレになる等々、なるほどー、と思うことがたくさんありました。

 核家族や独り暮らし世帯が増え、ゴミ捨て一つ大変な人がいること、昔のような汲み取り式トイレが減り、多くの世帯が水洗になっていること。今の社会は便利だけど、同時に何かのときに簡単には動きのとれない危うさも秘めているんだなぁと普段は気づかない分野にも想いを馳せました。
消費者である私たちからすると、一見汚いものを分解していく菌とはできればかかわりたくないと思われる方も多いのかもしれませんが、環境のこと、健康のこと、様々な分野で活躍している微生物である菌ちゃん。私たちはもっともっと菌ちゃんと仲良くしていけると良いのかもしれませんね。
ちなみに段ボールコンポスト内の菌ちゃんは寒いのが苦手だけど、地球上にはどんな環境でもたくましく生きている菌ちゃんはたくさんいます。かの福島でも菌ちゃんは放射能除去に大活躍しているんですよね。

これからの時代は菌を排除してはいけないのかもしれないなぁ、などと思ったりしています。文章と関係なくなっちゃったけど、じゃがいもほりの写真。寒いけど子どもは元気だ〜。


vol.188 未来に続く暮しの学び vol.30

共同生活と保存食

2019年がスタートしてこちらは夏本番を迎えます。
今年の夏は冷夏という予測なのに、昼間は灼熱、汗だくだくの毎日です。しかし、湿度がなくカラっとしていて、日陰にいれば過ごしやすいのがありがたいです。日はだいぶ長くなってきましたが、夜の8時過ぎに日が落ちれば涼しく、夏でも過ごしやすい気候です。
1月は、催しも少なく静かな月なので、忙しくなる2月3月に向けて、自分たちのメンテナンスに時間を費やせる月にします。
ゆっくりした自分のペースで日々を送っていると、忙しい時にできなかったことが目につきます。畑では特にトマト、ズッキーニ、スクオッシュ、キュウリなど夏野菜が豊富に収穫できます。ですがあまりにも獲れすぎるので、とにかくキムチ、サワークラウド、ピクルスなど、発酵させたり、貯蔵できる形に変えて保存食品として、今後使えるようにみんなで手分けして大量に作っています。
 あとは、自分たちの時間。私は絵描きとして活動しているので、この夏の季節はイベントが重なりとても忙しくなりそうです。なので、空いてる時間はとにかく制作!制作!と制作時間を大事にしています。
自然のなかの静かな空間は、いろんなインスピレーションを与えてくれます。つくづく今居るこの環境に感謝!自分の家で、自分のリトリートタイム。パラダイスは住んでいる私たちにとっても癒しの場所になっているのだなと実感しながら、日々に感謝して、この静かな1月を過ごそうと思っています。
 共同生活では、自分の時間を確保することはとても重要です。アクティブに人とかかわる時と、自分の内側に入り、自分と向き合う時。そのバランスが、ここ5年目にしてやっと整ってきたように感じます。
目には見えないお互いの境界線を意識し保ちながら、個々の活動、生活を確立して、お互いに関わりあう。基本は、お互いを認め合い、尊重しあうこと。このようなコミュニティーでは一番大事なことです。それがようやく少しづつですが、わかってきました。     YAO


vol.188 夢か悪夢かリニアが通る!vol.17

  「工事の影響で水枯れ 田植え断念も」。昨年12月、九州新幹線長崎ルートのトンネル建設工事で周辺河川の流量が減少し、長崎県諫早市で農家の田植えができないなどの被害が出ていることが毎日新聞などで報じられました。工事を請け負う鉄道・運輸機構は、リニア中央新幹線の中央アルプストンネル建設なども担当しています。機構はトンネル工事の影響と認め、井戸を掘ったりしていますが、十分な水量は確保出来ていないと報道は伝えています。水枯れ問題は山梨県のリニア実験線でも起きていますし、これからのリニア工事でも各地で起きる恐れがあります。     ジャーナリスト・井澤宏明

 

大井川の水を巡って

「事業をやめていただきたい」
静岡県では、リニアの南アルプストンネル建設で大井川の流量が減少する問題を巡り、今年に入っても議論が続いています。1月25日には静岡県庁で、県の中央新幹線環境保全連絡会議が開かれ、県、有識者とJR東海との間のリスク認識の差が浮き彫りになりました。
県はJR東海に対し、着工前の段階で、大井川の流量減少などリスク推定の不確実性をできる限り縮小するよう努力することを求めました。具体策として、流量減少についての予測を複数の解析方法で行うことを有識者が提案しましたが、JR東海はこれを拒否しました。

大井川上流の流れ。リニア工事により、生態系に壊滅的な打撃を受ける危険性が指摘されている(2017年11月10日撮影)

JR東海の澤田尚夫・環境保全統括部担当部長はその上で、「トンネルを掘る前に不確実性を縮小するためにできることは限られている。どんな(予測の)やり方をしても不確実性は残るので、工事を通してしっかり事前の予測や調査をやっていきたい」と述べ、あくまでも工事に着手してからリスク管理を行っていくことを主張しました。
これを聞いた難波喬司副知事は「あ然とした。リスク管理について事前にできませんと言っているに等しい。事業をやめていただきたいと言うしかない」と厳しい言葉を投げかけました。
有識者もJR東海の頑なな姿勢にあきれた様子。「事前にできることは何でもやるというのが基本的なリスク管理だが、国鉄時代に使った手法をそのまま踏襲して、それ以外はやらないという考えがどうして出て来るのか」(森下祐一・静岡大教授)、「JR東海の説明は古典的。リニアのような大プロジェクトでなくても、方法の限りを尽くして試算して絞り込んでいくことは、現状ではごく常識的に行われている」(大石哲・神戸大教授)などと、辛口の指摘が続きました。
会議後、報道陣の取材に応じた難波副知事は「これだけの大規模公共事業を、20年以上前のリスク管理のやり方でやろうとしている。現代的には認められない」と苦言を呈しました。

事業者の良心
30日に再び開かれた同会議。JR東海の澤田部長は冒頭で、「実質的にアセス(環境影響評価)のやり直しか追加措置を求めるもので、(環境影響評価)法の趣旨にもそぐわないのではないか」と、前回の会議での県や有識者の提案に反論しました。
さらに、環境影響評価手続きの過程で知事の意見を聞いてきたことを挙げ、「今の段階で(追加の調査や措置を)求められるのは、引き延ばしに通じるものではないか」「いつまでたっても工事着手ができない」などと、県を非難しました。
はたして、JR東海が行ってきた環境影響評価は、堂々と胸を張れるようなものなのでしょうか。「環境影響評価が不十分だから今のような問題が起きているのではないか」。私の問いかけに澤田部長は「(環境影響)評価書まで手続きが終わった後に工事実施計画の(国の)認可をいただいているので、きちんとできていると認識している」と答え、手続きの正当性を主張しました。
30日の会議後、報道陣に囲まれた板井隆彦・静岡淡水魚研究会会長は述べました。「大井川の非常に貴重な自然の一番肝心な部分がかなり大きく壊される可能性があるので、我々は発言しないわけにはいかない。環境影響評価の手続きはなされたが、大井川という場所の特殊性に合わせて行われたとは思わない」。さらにこう語りかけました。「環境影響評価の制度は、事業者の良心に依存している。いかに自然を保全するかという心構えが求められている」。一緒に聞いていたJR東海の職員はどのように受け止めたのでしょうか。

JR東海の基本認識には本当にびっくりした」。取材陣の質問に答える難波副知事(1月25日、静岡県庁で)

 


vol.188 かなでの沖縄だより vol.11

沖縄県民は、なぜここまで基地のことで
悩まなければならないんですか?

いま、沖縄で一番問題になっている「辺野古基地建設問題」。なぜ、県民がこれだけ悩まなければいけないのか、不思議に思うことがたくさんあります。
辺野古新基地移設は、世界で最も危険と言われる普天間基地返還のために考えられました。けれども新基地ができても返還8条件が満たされない限り、普天間基地は返還されません。(※1)
新基地を建設している辺野古には、綺麗な大浦湾が広がっています。ジュゴンがいます。たくさんのサンゴもあります。そんなところを条例違反の赤土で埋め立てをしています。青くて綺麗な海は赤土の色に染まっています。そして、埋め立て予定地の北側はマヨネーズ地層で活断層もあり、埋め立てるのは絶対不可能です。去年11月に沖縄県が出した試算によると、基地を作るのに2.5兆円、工期も10年以上かかりそうだということです。

県民投票
そんな基地建設が本当に必要なのか、沖縄の若者が提案した県民投票は民意を示すためのものでした。
ですが、5つの市では議員が予算執行を否決、市長がそれを支持して投票権を奪う違憲・違法の状態になっていました。今は、どの市も県民投票を行うことになりましたが、二択ではなく三択に変更されました。全市で投票を行うために「どちらでもない」という選択肢が増えたのですが、果たしてこれでよかったのでしょうか。なぜ、県民が意見を表明するために悩まなければいけないのか…不思議に感じます。
普天間基地のある宜野湾市は、県民投票に参加しないと言っていました。それに対して、ハンガーストライキをした方がみえました。私はTwitterでこのことを知り、心が痛くなりました。毎日、更新されるTwitterを見て私は、「これをみた政府はなにも思わないのかな?」と思いました。県民がなぜここまでしなければいけないのか…おかしな世の中だと感じました。国って国民になにをしようと思ってるのかな?とも思いました。
大浦湾
「大浦湾には5806種もの生き物が生息していて、そのうち一番多いのが貝類で1974種です。沖縄でこんなに多様な生物が生きている海はもうここしかありません。絶滅危惧1類のオガタザクラは、大浦湾でしか生息していないと言われています。薄紫色の美しい小さな二枚貝です。昔は湾奥の瀬嵩という浜が紫になるくらいたくさん打ち上がっていたそうですが、今は運が良くて1日1個か2個拾える程度です。」とバイト先の、貝殻研究を続けている中学生のひろちゃんは言います。数年前までは瀬嵩浜もたくさんの珍しく美しい貝殻が打ち上がっていたのですが、工事のフロートがじゃまをして、浜に打ち上げられる貝殻の数は激減したそうです。それでも、波に揺られてオイルフェンスを潜り抜けて打ち上がった貝殻が「海を守ってくれ!」と訴えているようだとも言ってました。貴重で大切な物を、嫌だといってるのに、無理やり土砂で埋めてしまう事を許すわけにいきません。この理不尽で違法な行為は、いつ誰に向けられてもおかしくないからです。小さな貝を守る事が、私たちの生きる権利と、子供達の平和な未来を守る事に繋がると思います。

※1:普天間返還8条件は、2013年4月に「沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画」で日米両政府が合意したもの。辺野古新基地建設のほか、新基地では確保されない長い滑走路を持つ民間空港の使用などが、記載されている。


vol.188 プレゼントコーナー

PRESENTS 188号

1- 春を楽しむあなたのおススメスポット、教えて!
暖かくなったら行きたくなっちゃう、そんな場所、教えて♪
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名
(第1希望・第2希望)
※BとCは編集室まで受け取りに来られる方。
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、  家族構成

プレゼントご希望の方は
ハガキまたはe-mailで、上記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
〆切:3月25日 当日消印有効。

宛先
〒504-0855 各務原市蘇原新栄町2-25
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。

 

A.ミックスベビーリーフ引換券 大堀研磨工業所様より…5名様

素材を切る手間もなくおしゃれなサラダが!ピザやパスタがワンランクアップ!栄養豊富なベビーリーフはその手軽さでも大人気、ぜひお試しを。40g入り2パックのプレゼントです。(写真はイメージです) 大堀研磨直売所(各務原市蘇原寺島町1-9)で商品をお受け取りください。

B.ヨウ素入り食塩 にらめっこより…3名様


にらめっこ読者へお土産です。ベルギーのきれいな海水から作られたヨウ素入りの食塩。海草類を食べる習慣のある日本では見かけませんが、海外ではヨウ素欠乏症を防ぐため、ヨウ素入り食塩が販売されています。595g入りです。

C.ありがとうが溢れる割り箸 (株)郡上割り箸様より…2名様


岐阜県郡上市産の杉を使った純国産の割り箸セットです。郡上割り箸は、郡上産スギ間伐材活用プロジェクトとして誕生しました。もったいないと思われがちな割り箸ですが、使うことで山を救う活動に繋がります。50膳入りです。

D.CINEX映画招待券 シネックス様より…ペア3組様


映画館で観賞を終え、映画館を出た時の、独特のぼ〜っとした感覚、この没入感が好き!という人は意外と多いのだとか。映画館ならではの感覚ですね。 写真は「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った」より。柳ヶ瀬のシネックスでご利用いただけます。


vol.187 「食べること」の特集


いただきます!という祈り

その真意は、【自分以外の生命エネルギーをいただく】ということです。食材になる前は、全て生命がありました。そしてそれらの生命も私達は栄養にしています。生命エネルギーがないものばかり食していると免疫力は必ずと言っていいほど低下します。実は、その食材がどんな環境で育ったか?ということが、生命エネルギーに大いに関係しています。
たとえば鶏肉。ブロイラーのように動き回ることが出来ないケージに入れられ、クビだけ動かし餌を食べる状態ではストレスが溜まるばかり。常にストレスを感じながら食材になった鶏肉には負のエネルギーがいっぱい含まれることになります。牛や豚も同じことが言えますね。

そして「いただきます」という言葉は、食事を食べられるまでに関わってくれた人々に向けるだけではなく、生命エネルギーをくれた食物にも向けられる言葉です。

各種の食べ物の命をいただくことで私たちは命を繋いでいますから、いただく命そのものがストレスフリーであったり、パワー全開になった状態でいただきたいものです。
食べ物の命のパワーを上げる方法はいろいろあります。
たとえば、おにぎり。おにぎりは日本の心を反映している食べ物でもあり、コミュニケーションを伝え合う食べ物といわれています。おにぎりを作るときは基本は手で握ります。
おにぎりで忘れてはならないのが、佐藤初女さん。2016年2月1日、享年94歳で天に召されましたが、著書をはじめとして、各種メディアや映画「地球交響曲(ガイアシンフォニー)第二番」(1995年公開、龍村仁監督)など、すでに多くのところで紹介され、ご存じの方も多いと思います。初女さんは青森県の弘前にて「森のイスキア」を主宰されていました。

 


森のイスキア

そこでは・・・
人生に行き詰まった人を自宅に受け入れ、元気づけて社会に返す。そんな奉仕活動を続けていた。なぜ、おむすびなのか。「素朴な食べ物だからこそ、作る人の気持ちが伝わって結びつきが感じられる。心のふるさとでないかと思うんです」。手作りの梅干しを入れ、焼きのりで包んだ丸いおむすびが冷えた体と心をあたためる。自殺まで考えていた青年がお土産に持たされたおむすびは、タオルにくるまれていた。「ラップやアルミホイルだとふやけて味が変わるからなんだけど、(青年は)それに感じたって。こんなに心配してくれる人がいるのに、なんてばかなことを考えたんだと思ったって」

ひとつまみの塩を手のひらにすり込み、ふっくら炊きあがったご飯の粒がつぶれないように、やさしく両手で包み込む。雪をかぶった霊峰・岩木山を望む青森県弘前市の一軒家で、エプロン姿の佐藤初女(はつめ)さん(91)が小さな背中を丸め、おむすびを握っていた。「『あ、おいしい』と思って心が満たされてくると心の扉が開いてくるの。自分の考えなど入れないで、よく話を聞いていると、どなたにしても自分の考えを持ってい

るんですよ。でもなかなかそれが出せない。自信がないんですね。自分の話したいことを話しているうちに受け止めてもらったと安心して(悩みが)解消されていくのよ」家族との死別やいさかい、リストラ、病気…。心に迷いや悩みを抱えた人たちに、地元でとれた旬の野菜や魚の手料理を振る舞い、そばで3時間でも4時間でも耳を傾ける。


忘れられない料理がある。

肺の病気で喀血を繰り返し、電信柱につかまりながら青森市のカトリック系女学校に通っていた17歳の春、母のトキさんがつくってくれた桜鯛の潮汁とあら煮だ。旧士族の実家が運送業の失敗で破産し、心労で体が弱っていた頃だった。母の料理に、「細胞が躍動してエネルギーが隅々まで巡り、体に力強さがみなぎったの」。注射や薬に頼らず、食べることで元気になろうと決心し、それから17年かけて病気を克服した。食は、初女さんの生きる姿そのものになった。「痛くないように」と野菜にも慈愛のまなざしを向け、丁寧に薄く皮をむく。ゆがく時は、透き通るような色に変わる「命の移し替え」と呼ぶ瞬間を見逃さずにすくい上げる。煮る時は八分通り火が通ったら止め、味をじっくり染み込ませる。 「『食は命』ということを非常に感じるんです。食材の命をいただいて、私たちは生涯一緒に生きていく。だから、ゆがく、切る、味付け、そのどれひとつ、おろそかにできない。一番嫌いなのは『面倒くさい』っていう言葉。ある線までは誰にでもできる。そこを一歩越えて、手をかけ、時間をかけることで人の心に響くものになるんです」

2013年1月5日の読売新聞「生きる 語る」シリーズ<3>の「おむすび 希望ともす」より


『いのちをむすぶ』おむすびをつくってみました。
今年の秋に収穫した新米で、初女さんのおにぎりを作ってみました。まずはじめに、お米を炊くことからスタート。3分搗きのお米を土鍋で炊く。ご飯は粒を潰さないように混ぜ小さな木椀にふんわりと入れる。お椀を木のまな板の上にひっくり返し真ん中に梅干しを乗せお塩を馴染ませた両手でふんわりと包んでむすんでいく。正方形に手でちぎった海苔2枚で上下にはさむように巻いて、はみ出しそうな所は余った海苔を貼り付ける。
美味しいお米(無農薬・すべて手作業)と美味しいお塩(天日塩)と美味しい海苔(知多鬼崎産)と、梅干し(自家製)が一体となるようにゆっくりとむすぶ。ていねいに作ったおむすびは食べる時もゆっくりになる。いろいろな人がかかわってできた手の中のおむすび。人々のかかわりを想像すると自然に「いただきます」と「感謝」の気持ちがわいてきます。
初女さんは「『面倒くさい』と言うことが嫌い」と強い信念のように言っていました。一方で、一本筋が通った緊張感も。初女さんは教員でもあり、また信仰していたキリスト教もあり、揺るぎない道徳心をお持ちでした。「正しいことをする」ということを何よりも大切にされていました。」とは、初女さんに会った方の感想です。

「心は揺れていいんです。揺れるのは成長に必要な過程です。大揺れに揺れても芯が一本通っていれば折れることはありません」。私は初女さんの本にあるこの言葉が大すきです。毎日ごはんを食べられる事に感謝して大切にいのちを頂こうと思います。(三上)

佐藤 初女(さとう・はつめ)著/ 集英社 ¥1,728

「いただきます」「ごちそうさま」
「いただきます」の意味の一つは、「作ってくれた人の命をいただく」ということですって。それはどういう意味でしょう。命とは時間と考えてみる。たとえば、私の母は82歳で亡くなりました。ということは、82年間という時間が、母の命だということだということですね。
今朝、みなさんのお母さんは、30分かけて朝ご飯を作りました。今日の夕食、お母さんは、1時間かけて夕ご飯を作ります。その朝ご飯にはお母さんの30分ぶんの命、夕ご飯には1時間分の命が込められているのです。そう考えられませんか?食べ物を粗末にすることは、作ってくれた人の命を粗末にすることにつながります。食べ物を作ってくれた人に感謝の気持ちを込めて、「いただきます」「ごちそうさま」を言いたいですね。

「自炊男子~『人生で大切なこと』が見つかる物語」
佐藤剛史 著 / 現代書林 ¥1,512



肉を食べるとき、その命に感謝してますか?
魚を食べるとき、その命に感謝してますか?
野菜を食べるとき、その命に感謝してますか?

 

動物と植物の一番の違いは何だろうか?

それは「動物は、食べるために動かなければならない。植物は、食べる必要がないので動かなくていい」です。植物は動けないではなく、動かなくていいんです。生きていくための栄養を、自分の力で作り出すことができるからです。私たち動物にはそれができません。だから、どうしても他の生き物を「食べる」必要がある。動物だろうが植物だろうが、どんな生き物であっても、自分の命の限り精いっぱい生きているんだと思います。私たちは、そんな他の生き物の「いのち」を奪わなければ、生きていくことができないんですね。

食を考えることは、命について考えること。
動物も植物も、害虫と呼ぶ虫たちも、私たちの周りは尊い命に囲まれています。特に食糧とされる動植物、皆さんはどのようにしてこれらの[いのち]と向き合いますか?

いろいろな意見があります・・・

◎ 豚、牛、鶏肉・・・処分されるまで大事に育てられていたもの。
野菜・・・有機や減農薬で育てられたもの。卵・・・自然の風が入る鶏舎か平飼い鶏の卵。家畜は人間に食べられるために飼われている。せめて牛や豚が生きているときは、気持ちよくストレスなく生きていてほしい。そういうことを大事にしている生産者に飼われていてほしい。値段が高くなっても気持ちは落ち着く。

◎ 「○○の解体ショー」とか「◇◇の残酷焼き」とか、「大食い競争」とか、いったい何がたのしいの?命あるものを頂くという気持ちが薄れてきているようでちょっと悲しいです。

◎ 私たちは食材だけでなく皮製品や化粧品(馬油等)色々な物も生き物から貰っている事を忘れないように。あと、化粧品や医薬品などでどれだけの小動物が犠牲になっているかも、忘れてはいけない。

◎ どうしても納得できない食材・フォアグラ。ガチョウが完全に身動き出来ない状態にされ、口から餌をどんどん詰め込まれているのを見たとき泣きそうになりました。人間の欲望には限界がないんだなぁと切なくなります。

◎ 命を奪わない食べ物には何があるのだろう?ふと考えてみた。植物も、植物の実や種や根も生きてる命です。海藻も同じ。果たして何があるだろう?三つだけ思い浮かびました。一つ目は母乳です。二つ目は塩。三つ目は水。食べるってなんだろうと根本から考えてみようと思いました。

◎ 食べることは文化的な営み。肉にしても魚にしても野菜にしても第一に、「美味しい」ことを伝えたい。

◎ 狩猟とか釣りをする人は別ですが、私たちはなかなか自分で「殺す」ってことをしません。でも生きるとか食べるってそういうことなんだよね。なので、食べ物は無駄にせず、残さずいただくということで折り合いをつけています。

◎ 食べ物を粗末にする人間は大げさかもしれないけど私はすべてにおいて信用できません。日本は本当に飽食です。ありがたみを忘れてはいけません

◎ 私の勤める幼稚園(仏教系)では給食の前に「多くの命と皆様のお陰によりこのご馳走を恵まれました。深くご恩を喜び有り難く頂きます」給食後に「尊いお恵みを有り難く頂きました。お陰でご馳走様でした」の言葉を言いますが、その通りだなぁって思うのです。多くの命を頂いて成り立っている私達の身体は、私達だけの物ではない。だから大切にしなくてはいけない。これは命の大切さを伝える事にも繋がると思うのです。
番外編
◎ ある夏の日の夜、台所にゴキブリが・・・迷わず新聞紙を丸めてバシッとたたきつぶしてゴミ箱へ。その一部始終を見ていた娘が目をまんまるにして、やがて目を潤ませたんです。「へっ?どーした?あかんかった?」と私の方もビックリして・・・。同じ命かぁ、そやなぁ、これからは外に追い出すわ。


命を「解く」ということばを、ご存知ですか。
食肉解体業に携わる人々が、牛や豚を殺す、という意味で実際に使っている言葉です。これは、食肉センターに勤めて実際に命を解くことを仕事にされている、坂本義喜さんのおはなしです。牛の命を解いて、お肉にする。坂本さんはこの仕事がずっといやでした。世の中の人々にとって大切な仕事だということはわかっていても、牛と目が合うたびに、仕事がいやになるのです。心のどこかに、いつか辞めたい、という思いを抱えていました。あるとき、こんな坂本さんの気持ちを変える出来事があったのです。小学校3年生の息子のしのぶくんの参観日。食肉解体の仕事をかっこ悪いと思っていたしのぶくんですが、仕事の大切さについて教えてくれた先生の言葉を受け、お父さんの仕事の偉大さを理解していきます。息子の理解に励まされ、仕事を続けようと決意したある日、目の前に現れたのは一匹の牛と女の子でした。「みいちゃん、ごめんねぇ。」謝り続けながら牛のお腹をさする女の子。生まれた時から一緒に育ってきた牛のみいちゃんとの別れを悲しむその姿に、気持ちが揺らぐ坂本さんは、解体の仕事を休むとしのぶくんに打ち明けます。「この仕事はやめよう。もうできん」そんな坂本さんに、しのぶくんがかけたことばは・・・。
講演で坂本さんが語るエピソードに感銘を受けた助産師・内田美智子さんが、本として綴った「いのちをいただく」。10万部を超えるヒット作となった単行本は、その後漫画家の魚戸おさむさんがイラストを担当されて紙芝居に、そして今回絵本となって私たちのもとに届きました。生きるために食べること、食べるために働くこと、そして命を解くこと。全てはこのサイクルの上に成り立っている。多くの生き物たちの命と人々の葛藤に支えられながら、私たちは今日も「いただく」ことができるのですね。読んだ後は、感謝して食事に向かい合えるはず。
「いただきます」。

『いのちをいただく』坂本 義喜 (企画・原案), 内田 美智子 (著), 魚戸おさむとゆかいななかまたち (著)/講談社¥1,512

 

『教誨師』という映画を観ました。密室劇で6人の死刑囚と対話する教誨師の男・佐伯(大杉漣)を描いた人間ドラマ。受刑者の道徳心の育成や心の救済につとめ、彼らが改心できるよう導く教誨師。その中の一人、大量殺人者の若者、高宮(玉置玲央)との会話に、命に向き合う矛盾が浮き彫りにされていました。

高宮:オレがなんで17人も殺したのか、分かるか!
佐伯:分かりません。
高宮:生きててもしょーがねー奴らを殺したんだ。世のためにね。    少しでも世の中が良くなるためにさ。
佐伯:どんな命も大切です。
高宮:じゃぁ聞くけど、いるかを殺し食べるのがなんでいけない?
佐伯:それは、その・・・知能が高いからです・・・
高宮:それって差別じゃねぇか。じゃぁ牛や豚、鶏はいいのかよ。

この会話をきっかけに、高宮は世の中の矛盾をずんずんと突く。佐伯は言葉に詰まりながらも、誠意を持って接する。6人のそれぞれの人生に寄り添い言葉を選びつつ会話を続ける佐伯。そんな中、ついにある受刑者に死刑執行の命が下される……。

生きていてこそ「いのち」を語れる。死刑はその「いのち」を奪う・・・。どんな命にも価値があります。

 

 


vol.187 帯電したら放電!レッツアーシング!

186号<デンキ特集・続編>

アーシングとは
電化製品において、漏電時などに電気の逃げ道としてアース線に接続するということが一般的ですが、その意味するところは、「大地とつながること」です。ここでの「アーシング」は、体内に蓄積されたプラス電子を体外に放出し、大地からマイナス電子を吸収することで、肉体の電気的な安定を維持することを言います。一番シンプルなアーシングは、裸足になり、大地(=地球)と接地(=アース)することです。アーシングすることにより、帯電したプラス電子や静電気を大地に戻し、母なる地球から発生するマイナスイオンと大地のエネルギーを体内に取りこみ、肉体の電気的安定を得ることで、心身をリラックスさせることが出来ると考えられています。

私たちは電化製品に囲まれて暮らしていると言っても過言ではありません。にらめっこの三上は、毎日ほぼ10時間くらいはパソコンの画面と「にらめっこ」です。以前から肩こりがひどくて、ときどき頭痛に悩んでいました。その一因に、パソコンの電磁波を浴びすぎていてカラダに静電気が帯電し、それが原因のひとつとなって、様々な不定愁訴などの症状がでるのでは・・・一説によると、静電気によって体内が「+」に傾くことで血液中のマイナスイオンが不足し、俗に言う「血液がドロドロ」の状態になることが不調につながるのではないかともいわれています。
また、免疫力低下や自律神経の乱れといった悪影響を及ぼすなど、病気の一因となる可能性があるといいます。そんな時は「帯電したら放電!」で、楽になるかも。

さて、本題に入る前に、デンキとカラダの関係を少し。
この世の物質はすべて原子からできています。
原子はプラス(+)の電気をもつ原子核と、マイナス(-)の電気をもつ電子によって構成されています。そして私たちのカラダの機能も、実は電気の流れによって働いています。例えばカラダをコントロールする神経は、微細な電気が信号を伝達していますし、筋肉の収縮や弛緩も全て電気刺激で行われています。
私たちの体内の情報伝達は電気により行われ、心臓や脳からも電流が発生していることがわかりました。しかも水と塩がないと筋肉が動いたり、神経が働いたりするといったことはできないとのこと。私たちのカラダで電気がスムーズに通るために水と塩が不可欠なことも分かりました。
余談になりますが、良質な塩を摂取することは、健康と密接に関わっています。一般的に売られている食卓塩の成分表示には、・塩化ナトリウム99%以上・原材料に天日塩(メキシコ)・炭酸マグネシウムなどと表示されています。海に囲まれた日本では海塩が主流。天日塩が代表的な海塩で、煮沸せず、太陽と風の力で蒸発させて結晶化した塩を取り出します。塩の話しは前号186号の『カタコトのへや』の特集を参考してね。

 

さて、ここから本題。
「帯電」をしやすい現代の暮らし

現代に生きる私たちはパソコンなど電気製品の普及で、電磁波の影響を非常に受けています。また電気を通さないコンクリートやゴム製品、化学繊維の衣服に囲まれて暮らしていると、放電できないため体内には知らず知らずのうちに静電気が溜まってしまいます。

大地や海など自然に触れると電気を外に出すことができるのですが、現代人は溜まった電気を外に出す機会や環境も少ない。そして溜まった静電気は炎症(=慢性疾患)を引き起こすと考えられています。不調を感じているけれど、いまいち理由が分からない…こういった原因不明の不調がある人は、日々影響を受けている電磁波がその原因かもしれません。

溜まった電気を流す生活の工夫

身体に溜まった静電気を外に放出することを「アーシング」と言います。地面を裸足で歩いて大地に放出するのが一般的ですが、その他にアーシングとして日常で取り入れやすいこと、また電気を身体に溜めにくくする工夫を「電磁波対策をした住宅つくり」をしている九野さんにお話しを伺いました。

なるべく電磁波を浴びないようにするには・・・

◆ 電車に乗るとき。窓から(高架やパンタグラフなどの)電磁波が入ってくるので、基本的に窓際ではなく、通路側に座る。新幹線の場合は1、3、6、9、12,15号車に乗った方がいい。電車の車体にはモハ、サハという記号、見覚えありませんか?モハの「モ」はモーターが付いている車両。だからモーターの付いていない車両に乗る方がいいです。

◆ 携帯の電磁波は画面側からではなく、背面から出るのでポケットに入れたり持つなら画面の方を体側にしてほしいです。鞄の中に入れておく人も一緒です。
◆ 枕元に携帯を充電しながら置くのも最悪です。ノートパソコンも充電しながら使っている人は、ディスクトップより電磁波が3倍くらい出ています。
◆ コンセントは、使わないものは常に抜く。スイッチが切ってあってもコンセントが差してあれば、そのコードの上に立っているだけで電磁波を浴びます。
◆ あと、避けたいのが、コンセントのある壁。電磁波が出ているので、コンセントのあるところの壁にはもたれない。
◆ キッチンの油はね防止に囲むアルミもいいですよ。うちはこれでWi-Fiを防いでます。
◆ 携帯で最悪なのは赤ちゃんを抱っこして、頭の辺りで触っている状態。赤ちゃんに電磁波がビュンビュン突き抜けています。しかも高周波。赤ちゃんの血液脳関門(血液に含まれるいろんな成分を「これは脳に入れてもいいものか、悪いものか」と、判断してくれてるところ)がいかれる。こわいよね。これを若いお母さんに一人でも多く伝えたい。やってる人が多いですからね。

 

帯電したら抜く。家庭で出来るかんたんアーシング
アルミホイルが大活躍
洗濯機、冷蔵庫、エアコン、電子レンジなどのところにあるご家庭が多いです。そこからアースをとってもらって、で、アルミ箔をひいて、その上に乗ればアーシングになりますよね。アース線と鰐口クリップなどをアルミ箔にでも挟めば電磁波を抜くマットができあがり。

 

 

上の写真のように素足がベスト。だけど、寒い日にはくつやサンダルにアルミホイルを巻き付けて、土の上を歩くだけでもアーシングは出来る。靴下をはく場合は天然素材のものを!

 

参考/家電製品との一般的な安全距離(製造メーカー、型式により多少異なります)


vol.187 カタコトの部屋 パーマカルチャーを学ぶ

はじめの一歩!

工夫すればどんな場所も畑になる

君はお腹が空いたら どうやって食べ物を手に入れる? スーパーで買ってくる? でも想像してみて 自分で育てた色とりどりの野菜や果物が実る畑。 花がゆれてミツバチはミツを吸いに 小鳥も遊びにやってくる。
そんな場所を 君もつくることができるんだ。 食べ物はお店で買うことも 見つけることもできる。 でもせっかくなら全部やってみようよ!
食べもの畑は 君がほしいものを育てる場所。 お母さんにあげたいきれいな花 お父さんと工作できる作業場友だちとあそぶひみつ基地。 玄関先やベランダ すぐできる場所から はじめてみよう!

『みんなのちきゅうカタログ』

監修:ソーヤー 海 絵:ニキ・ローレケノ・川村 若菜 文:福岡 梓

 

(仙)子どもたちに伝えていきたいことはありますか?
(庄)1つは『わたしたちは自然のギフトで暮らしている』ということ常に恵みを与え続けている自然を感じて生きてほしいな、と。
(仙)春の草木花の香り、一日中遊びたくなるような夏の日差し、美味しいものがたくさんの秋の実り、家族と寄り添いたくなるような冬の寒さ・・・わたしたちの暮らしの豊かさは、すべて自然からのギフトだったのですね!
(庄)2つ目は『人が暮らすことで自然と人がより豊かになることができる』ということを伝えていきたいと思っています。
(仙)日本に昔からある里山のように、自然の山に人の手が入り管理することで、森に光が入り、田畑に生物多様性が生まれる。日本人は昔から自然と共存して暮らしてきたということですね。最後にみなさんに伝えたいことは?
(庄)パーマカルチャーに『ねばならぬ』はありません。苦しいときは休めばいいし、助けてほしい時は助けてほしいと言えばいい。自分が楽しむことが大事なんです。自分のペースでゆっくりと自分の暮らしを創ってゆこう!と伝えたいですね。

しょうちゃん ◎ 本名:庄司正昭(しょうじまさあき)残業300時間、窓のない部屋で仕事をするシステムエンジニアを続けていくことに限界を感じる。そんな中、自然の中で楽しく仕事をする人に出会う。自分もそんな仕事がしたいと人と自然をつなげる、ネイチャーインタープリターを目指す。2004年、脱サラして、2010年、関市洞戸の古民家へ引っ越し、自然と共に生きる暮らしを実践中。

参加者の感想
○パーマカルチャーは、初めて聞いた言葉でした。昔ながらの生活に憧れても楽しくなかったり、無理をして続かない、もっと今を楽しんで生きようと思いました!あとは自分も仲間も大切にするというお話のところでnvc(非暴力コミュニケーション)が凄く気になったまずは自分を好きに幸せに!!!(Hさん)
○パーマカルチャーって何?という状態で参加しました。
○自然と、自然から産まれた生き物たちを大切にする。
○自分自身を大切にするって後回しにしがちだけど、そうする事で、ゆとりを持てて色んなことがスーッと回って行くんかも…。パーマカルチャーに『ねばならぬ』はない。コレは生活すべてに当てはまるな〜って。
○“食べられるお庭”を作りたいと思いました。
○子どもたちもたくさんいる中で、ホントにあったかくて、いい会だった。(Oさん)
○前から耳にしていたパーマカルチャーを一度きちんと知りたくて参加しました。農業のイメージが強かったけど、生活に密着したものであると感じました。目指したいライフスタイルにとても合ったデザイン手法なのだと思いました。(Iさん)

 

〜あなたは何から始められそうですか?〜
パーマカルチャーの12の原則
1. 観察し、交流し、理解する
2. エネルギーを捉えて質を保つ
3. 収穫を得る
4. 何もしなくていいシステムを作り、出来事から修正する
5. 生き物や自然の恩恵を生かす
6. ゴミを資源にする
7. 大きなパターンを知り、細部をデザインする
8. 分離していたものをつなげて働きをつくる
9. 小さくて遅い手段を使う
10. 多様性を大切にし、その豊かさを生かす
11. エッジと接点と隙間を利用する
12. 時の変化を読み、創造的に対応する

 

※「自然に暮らす会」2017年発足。本来の人間力を取り戻したい、強く優しく生きる私たちでいたい。一緒に学び、実行し、進化、変化していきましょうと、提唱し活動を始める。


vol.187 ここいく日記 心の成長 さまざまな性


心の成長 さまざまな性

ある日「お母さんのいう普通が分からない」この長男の言葉にハッとしました。思い通りにならない長男の子育てに悩んでいた私は、「なんで普通にできないの?」と何度も彼に言っていました。私が求める普通は私の物差しで、ただ私が安心したいだけ。ずっとありのままの彼を否定していたことに気づいた瞬間でした。人のあり方は多様。家族のカタチも多様。「普通」も人それぞれ!性教育を重ね、自分自身の子育てが楽になっていきた体験を「いのちの授業」を通して多くの親子に届けていきたいと思っています。

性教育は人権教育で生き方を学ぶこと。ここいくでは体の成長と同じように心も成長することを伝えています。
思春期に向かう小学生高学年。なんだか、親や先生のいうことに苛立ち反抗的な態度をしてしまう人もいます。それは反抗期ではなく意思表明期!自分で考えてやろうとする時期。
みんなの心が成長している証拠であることを伝え大切にして欲しいメッセージを届けます。

瓶のフタを開け毎日それぞれに「ありがとう」「ばかやろう」と言った結果、「ばかやろう」と言われ続けたお米だけカビが生え真っ黒に!!

「言葉大切にしてる?うざ~きも~死ね~って言葉使っていない?」
「ありがとう」と「ばかやろう」の言葉をかけたお米の実験結果の話をすると、子どもたちの心が動いていることが分かります。いろいろな気持ちがあること、人それぞれ感じ方受け止め方が違う、だからこそ話あうことが大切。そんな人間関係のお話をすると、人と意見が違っていいことが分かりました。等の感想が届きます。

 

中高生にはパートナーとの関係を伝えます。セックスしたくなかったら断れる?コンドームつけてって言える?彼女が嫌といったらグッと我慢できる?ちゃんと自分の気持ちが言える対等な関係であること。これは夫婦でも、親子でも、職場でも同じで人間関係の基本。
安心・安全・信頼の関係は虐待やDVの中では保障されない。
そして様々な性があることを伝えます。
「この社会には男と女しかいない」「人は誰しも異性を好きになるもの」そんな考え方が普通と思っていませんか?世の中の「普通」に縛られず、自分らしく生きることが大切です。
性は誰もが等しく持つ人権の一つ。自分の性を決めるのは自分の権利。
LGBTから多様性を学びます。そして障がいも同じですが特別なことではないのです。人は誰もが多様であることを伝えた後の授業の感想を紹介します。

いろいろな性で 男の人が男の人を好きになる。女の人が女の人を好きになることは別によいということに納得しました。(小6 女子)

人を好きになること、ならないこと。どんな性別。子どもを産むこと、産まないこと。全部が人それぞれの自由で、自分で決めてよいことなのだと、はっきり言ってくれてよかった。性別は基本、男と女の二つだが、それに当てはまらない人だっていると思うし違和感を抱く人もいるだろうし、そのことを否定せず認めてくれる世の中になればよいと思った。(高校生 男子)

 

性教育で多様性を学ぶことは子どもたちの感想から見えてきますが、学習指導要領にLGBTは載っていません。だからこそ、丁寧に伝えていきたいと思っています。

※LGBT(L:レズビアン・女性同性愛者、G:ゲイ・男性同性愛者、B:バイセクシャル・両性愛者、T:トランスジェンダー・自認する性の不一致)それぞれの英語の頭文字からとったセクシャルマイノリティの総称。

 

担当:ここいくメンバー・古川明美でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)


vol.187 リバース 第17号

アジメドジョウ
ずいぶん前になるが、板取川上流川浦谷支流に西ケ洞と言われる支流としては長い谷がある。以前ダム予定だった所だ。植物学専門の故成瀬亮司先生と植物調査を兼ねて魚種の調査をしたことがある。イワナ、アマゴはもちろんだが、カジカの他にアジメドジョウを見つけた。まさかこんな上流に生息していたとはと皆で感激した覚えがある。 鮎と同じ清流に住み、珪藻類を食べている。味は淡白で旨みは鮎より上だと私的には思っていて、特に煮付けは絶品だと思う。しかし絶滅危惧二類に指定され生息環境は河川改修などで危ぶまれている。        撮影・文:長屋 泰郎

 

アジメドジョウ(味女泥鰌、Niwaella delicata)は、条鰭綱コイ目ドジョウ科アジメドジョウ属に属する魚。日本固有種でゴマドジョウの名もある。全長は約10cm。他のドジョウと比べ体形は細い。シマドジョウに似ているが、目を通る線状の模様がないことで見分けられる。体側中央から背面にかけて暗色の虫食い状の斑紋が入る。生息地域や個体によって変異が多い。雲状や点列になることもある。腹側は白色である。
口は頭部の下に位置し、半月型で唇が厚く吸盤状になっている。その口で石に吸い付くように伝い泳ぎをする。口ひげは3対。背鰭、胸鰭、尻鰭は体の後方にある。

食用とされることがある。藻類食のため泥臭さがないとされ、ドジョウ類のなかでは一番味が良いとされる。長良川では、石を伝いながら上流へ登ろうとするアジメドジョウを筒へ導いて採る、登り落ち漁が行われている。富山県、長野県、岐阜県、福井県、滋賀県、京都府、三重県、大阪府。日本固有種。山間の河川の上・中流域にすむ。藻食性。


vol.187 講演 青木未帆さん 9条を守るの誰か〜問われているのは私たち

2018ぎふ平和のつどい
講演 青木未帆さん(学習院大学教授・憲法学)

「9条を守るのは誰か〜問われているのは私たち」

憲法を誰が守るのか、国家が守らなくちゃいけない、国家に守らせる。同時にそのことを支えているのは、最終的には私たちであるということを改めて共有したいと思います。
日本国憲法を「あんな憲法」と言った安倍首相ですが、なんで嫌いなのか。端的に言えば「個人が一番大切だから」とか、「自由が大切だから」、ということを今の日本国憲法が正面から掲げているからだろうと私は考えています。

「状況」
状況は二つ。一つが政治の中での状況。今政治がどれくらい前のめりになっているか。二つ目は国民がどういう状況にあるのか。国民といっても、世代や性別で温度差があるので誰に何を伝えられるよう訴えていくのか気をつけないといけないと思います。

現政権は2019年8月25日の日曜日に憲法改正の国民投票をしたいと、考えていると思われます。これをストップできるのは私たちです。現在の国民投票法によると、国民運動の期間を設けるときに、最短で60日という定めになっています。2ヶ月間でもしかすると憲法改正ということになるかもしれない。多くの国民にとって、まだ大丈夫だろうと、なんとかなるんじゃないかと思われている今が、改憲を望む側からするとチャンスと見られているのかもしれない。注意をしなくてはいけません。
出発点としては、2017年の衆議院選挙の公約にすでに掲げられて選挙を経ているということ、これは非常に重要です。さらに2018年10月20日には安倍首相が総裁選3選された時に「いよいよ国民のみなさまと憲法改正に向けて進んでまいりたい」というような言葉もつかわれました。
私たちが警戒しなくちゃいけないのには十分理由があります。2013年、内閣法制局長官の人事、無理矢理にクビをすげ替えたのは8月8日のことでした。その冬には特定秘密保護法MSC4、いずれも国民的反対が強いものでしたが強行採決され、翌年7月1日には閣議決定。政府の解釈を変えて憲法改正をしないと集団的自衛権を行使できないと言われていたものを、一夜にして変えてしまった。その次の年には「新安保法制」。戦争法とよばれるようなものが国会で作られ、これも強行採決でした。無理が通れば道理が引っ込む、というような状況で、なにがなんでも自分たちがやりたいことはやるんだという強い意志が示されています。憲法改正に向けた布陣が整えられ、身内の中から、今まで憲法改正を最前線で扱ってきたような人からの批判をものともしない、というところに最大限の警戒をしたいと思います。

さて、この前のめりになる政治に対して国民はどうでしょうか。まだまだ憲法改正には関心がないわけではないけど十分に考える時間がない、という方のほうが多いんじゃないかと思います。今はまだ国民があまり関心がないから大丈夫じゃないかという人が多いのなら、それでは甘いと言うべきだと思います。
各紙世論調査での傾向を見てみます。若い世代の自民党支持率が高いということなど、一定の傾向があります。その中身ちょっと見てみたいと思います。
安倍政権(内閣)を支持しますか?支持しませんか?という問いについて。
男性女性、年代をならして全体として支持をするというのが(10月の時点・朝日調査)40%。不支持も40%。その他、答えないが20%。男性と女性でだいぶその違いが出ています。そして、若い人と中高年で違いがございます。詳しく見てみます。
まず支持率。男性の場合、50歳以降と49歳よりも前の傾向が違います。50歳以降になると、支持率よりも不支持率のほうが高くなりますが、若い人たちは非常に明確に安倍政権の支持のほうが高い。女性についても若い世代は支持率が高いという傾向があります。ただ、女性の18歳から29歳までの結果をみると、その他、答えないというのが50%。どう考えたらいいのか決めかねているという人の方が多いのかもしれません。支持と不支持で見てみると、支持の方が高く34%。女性の場合も49歳までと50歳以降でラインが分かれ、50歳以降は不支持が高い。多くの問題について世代間で違いがあるところに注意が必要かと思います。
このように一口に国民といっても温度差があって、見ている世界と見えている世界が違う。誰に何を、誰の心に響き届くか、どのような言葉をどうやって発信するのかが問われています。
ところが、次の質問については、どの世代をとっても同じような傾向が出ています。それは何か。
「あなたが安倍政権に一番力を入れて欲しい政策はなんですか。次の中から一つだけ選んで下さい。」
1-景気・雇用、2-社会保障、3-財政再建、4-外交・安全保障5-地方の活性化、6-憲法改正。
一番多いのは、社会保障で全体の30%の方が一番にあげています。二番目に景気雇用、地方の活性化、その次が財政再建。憲法改正は一番後で全体としてみて5%です。実はこの傾向はどの世代もだいたい同じです。
興味深いのは、次の問い。「安倍首相はすべての世代が安心できる社会保障制度への改革を3年かけて行うとしました。これに期待できますか?できませんか?」
中高年層は「期待できない」という人が圧倒的に多く6割7割を超えています。ところが、若い世代、男性も女性も、「期待できる」という人が半数を超える。考えてみれば、国家とか社会に対する基本的な信頼があるということです。若い世代が絶望していたらもう終わりですよね。なんとかなるんじゃないかという基本的な信頼のうえに、まだ私たちの社会があるということに希望を見いだしたいのだろうと思います。その上で、どの世代にとっても、私たち一人ひとりが大切にされる政治をこれだけ求めているのですから、それを全面に出して、「平和」と「きちんと人間らしく個人として生きる」ということは、非常に密接で不可分でありますので9条と25条がコラボのような形で訴えていく必要もあるのではないかと最近強く思ってます。

国民投票
国民投票法によると最低投票率という定めはありません。世論調査からはこのように揺れ動く、どちらにも転ぶような層がたくさんいることがわかります。これだけ、憲法改正の中身の説明を一切しないというのは「国民的な議論が起こったら困る」と考えていると言うべきじゃないか。だから、今が大切な時なのです。
「やるべきことはただ一つ、憲法改正だ!」このようなストレートで、何も考えないでいいというような主張はとても強いです。
果たして憲法改正に反対しようとする人たちは、同じようなレベルになれるんだろうか。なにも考えなくていいから、憲法改正にただただ反対すればいいと・・・それはちょっと違う。やっぱり目指すべきは平和の姿、こんな社会になって欲しいとか、いろいろと理想がある以上、何でもかんでも反対で一つにまとまろうというのは、むずかしいんですね。

憲法というのは一部の人のものではありません。私たちみんなのものです。さらに私たちの子どもとか孫とか、その先の世代のものでもあります。みんなで考えなくちゃいけないところを、「考えないでいいです、何も変わりません」という詐欺的な言葉に騙されてはなりません。やはり、将来に対して、私たちのその次の世代に対する責任、責務を考えると絶対に阻止しなくてはいけない。と同時に日本国憲法改正草案の世界観が、日本国憲法とは真逆であることに警戒しないといけないと思います。こういう世界観がバックにあるのが今の改憲論だと。その中で一つだけ申し上げたいのが人権についての考え方が全然違うことです。人権を主張するときに、ほかの人の迷惑にならないというのは当然です。私たちの社会の中で人様に迷惑をかけないようにいうのと、国家が人の迷惑になっちゃいけない、というのは根本的に違います。迷惑だということを国家が判定するならば、これは人権ではなくなってしまいます。

9条加憲
日本国憲法9条については、みなさんよくご存じの通りですね。
戦争はしません、戦力持ちません、交戦権も持ちません、と掲げています。日本国憲法ができる前に大日本帝国憲法があったわけですが、大日本帝国憲法には軍隊にかかわる規定がたくさんありました。軍隊というのは何よりも特別扱いをされる集団で、軍にかかわる規定の一切合切をなくしたというのが憲法9条の一つの効果でした。しかし、自衛隊を作りました。自衛隊はどうやって説明したらいいのか、みなさんもご存じの通り軍隊だとは言われてこなかった。憲法は戦力を持つことを禁じています。でも自衛隊はその戦力に当たらないから持つことができるんだ、ということです。
実は政府は、防衛作用を行政作用の一つとしています。防衛省というのは内閣の下にある省庁の中の一つで行政組織です。この防衛省を別の角度から見ると、自衛隊なんだと説明してきました。
考えてみると、外から攻められたときに国を護るため闘う、そのとき闘って殺すのは他の国の人たち。だから国内で権力を行使されるのとは、そもそも根本的に違う作用だ、特別なんだという言い方が、かつて軍隊ではされていた。でも、自衛隊は普通の国家行政組織で普通の役所なんだから特別扱いできない。今は特定秘密保護法という法律ができてしまいましたが、こういう限界を設けていたのが9条の意味です。
自衛隊を設けるというのは、要はその特別扱いをする根拠を正々堂々と書き込むということになります。では特別扱いされるとはいったいどういう意味か。日本国憲法の90条、という条文に、こういう定めがあります。
「国の収入・支出の決算はすべて毎年会計検査院がこれを検査し内閣は次の年度にその検査報告と共に、これを国会に提出しなければならない。」会計検査院法1条には「会計検査院は、内閣に対し独立の地位を有する」とあります。
森友学園の8億円値引きに根拠がない、という報告書をめぐって新聞報道等でかなり大きく扱われました。いまだによく分からない部分がありますが、値引きに根拠がなかったとした会計検査院はよく頑張ったなぁという雰囲気があったと思います。会計検査院法が内閣に対し独立の地位を有する、と定められるからこそです。会計検査院の特別扱いの根拠も、自衛隊を同じように特別扱いする根拠を設ける一つの対比として考えられると思います。

日本国憲法で憲法上の機関はいくつあると重いますか?立法権、行政権、司法権の3つ。立法権を与えられている機関は国会で、衆議院、参議院。お互い独立していますから2つ。行政権は内閣、司法権は裁判所です。それからこの会計検査院を入れて5つなんです。憲法が権力を分割して立法する、法律を作る、法律を執行する、その過程で出てきたさまざまな紛争を解決するといったようなことと、お金があってはじめて政治ができますので、会計検査については内閣に対して独立の機関がきちんとこれをチェックする、という枠組みができます。このようなところで、自衛隊を憲法に書き込むというのは、この5つを6つにするということになります。書き込むならどういう作用を果たすのか、ほかの機関との関係はどうなのか、それを書くのが憲法ですから、書かなきゃいけない。ところが素案を見ると、「法律の定めるところにより」、という言葉使いのみで具体的な説明がない。いかに国民を愚弄した姿勢であるか。もっと怒るべきだと思います。
当然のことながら、憲法に今あるバランスを崩すとなると、ほかの機関との関係でもほんとうは議論しなきゃいけないはずです。国会がきちんと、内閣の判断に是非を問うことができるような権限が与えられなくてはならない、あるいは、裁判所が後からでも正当性を審査する権限が与えられなきゃいけないんじゃないかと思います。
自衛隊を明記する、ということは憲法上の機関として扱うということです。自衛隊を憲法上に書き込むことになれば、政治にかかる責任が今よりもっと重くなります。果たして今の政治は、当事者であるという意識をちゃんと持っているのでしょうか、何か自分事ではないような気がします。

憲法を守るのは誰か
最後に「憲法を守るのは誰か」。憲法12条にも書いてあります。この憲法を保障する自由というのは、国民の不断の努力によって守られる。これが今問われているんでしょう。私たちが言わなければ、政治は自ら説明することを拒否している状況にあります。よりよく人権が守られるために、平和を守るために、どういうような社会にしていくのか、私たちが声をあげる必要が今まで以上に強く必要になってきます。

あおい みほ ○ 学習院大学教授・憲法学
主な著書として『憲法を守るのは誰か』(幻冬舎ルネッサンス新書)、『憲法と政治』(岩波新書)、『はじめての日本国憲法』(PHP研究所)、最近の編著に『憲法改正をよく考える』(日本評論社)がある。昨年発足した「安倍壊健NO!3000万人署名全国アクション」の呼びかけ人の一人として、多くの講演や執筆活動だけでなく国会前行動なども参加している。


vol.187 えんぴつ・カフェ


えんぴつ・カフェスペシャル第3弾 11月18日(土)
「住み慣れた街で最後まで過ごすために」を開催
講師/木田盛夫医師(木田ファミリークリニック院長)

「医療はその人の人生を支える柱のうちの1つにしか過ぎない」「重要なのは医学的に正しいかどうかではなく、その人のために何ができるのか、その人の希望をどう叶えるのか」など、医師としての医療に対する姿勢は木田先生のお人柄を感じました。「かかりつけ医を持つと言う事は、医師が患者さんの仕事や生活の様子や精神的な事など、バックグラウンドをよく知った上で治療できますから、診てもらう方も医療に対する満足度があがります。ぜひ、信頼できる、よいかかりつけ医を持ってください」などと、わかりやすい言葉でお話しいただきました。
また、「みなさんのリストはなんですか?」・自分が大切だと思うこと・他人や社会のためになると思うこと・お金、資産に関すること・仕事、ビジネスに関すること・健康に関すること・成長に関すること・家族に関すること・人のつながりに関すること・・・

休憩時には、シフォンケーキと珈琲・紅茶で一休み

「治療を受けると父親、サークルの役員、仕事など、自分にあったいろんな役割を忘れてしまいがち。自分の時間を取り戻す事が上手な治療とのつきあい方です。こういうリストを書き出してみるのもいいと思います。」とも。
「ゼロの昇天ノート」を制作した私たちの想いと重なるお話しも多々あり、みなさんがノートをこんなふうに活用してくださったら嬉しいなぁ、と感じました。

次回のえんぴつ・カフェ スペシャル企画 第4弾
「高齢者の心と体を知り、楽しく介護をしましょう」
講師:入学佳宏氏(ケアマネージャー 重度身体障害者施設・介護老人保健施設・特別養護老人ホーム等の指導員・相談員)

と き:2019年1月19日(土)13:30-15:30
ところ:産業文化センター2階 第4会議室
会費1,000円(紅茶&お菓子を楽しみながら、質問タイムで情報交流をします)

えんぴつ・カフェ 開催日程
会場:各務原産業文化センター2F会議室
時間:13:30−15:30

2019年
2月20日(水) おしゃべりしながらノートに書き込む
3月20日(水) スペシャル第5弾
「どうお別れしますか?」
講師:市川 雅清氏
(一級葬祭ディレクター&終活アドバイザー)
えんぴつ・カフェで常に話題になる葬儀やお墓の問題、それぞれの土地柄や実情などを含め情報交換します。

 

えんぴつカフェの問い合わせは
NPO「人生これから!」
田辺 090-5638-7044 三上 090-7854-4561


vol.187 ホスピスナース奮戦記 vol.12

人生の終焉をどうしたいか・・・

とても寒い秋の日。この日一件目の訪問はステージ4がんの60代後半の患者さんだった。彼女は韓国人で英語はほぼしゃべれずアパートに一人で住んでいる。この時は違う州に住む娘さんが泊まり込みでサポートにきていた。電話通訳と娘さんにも手伝ってもらい患者さんと会話をする。 患者さんの右側の額はパンパンに膨れ上がって紫色になっていた。話をきくと、今朝一人で外を散歩していて転んでしまったらしい。他にも体中にあざがいくつかあり、手のひらにも擦り傷があった。見るからに痛々しかったが、本人は処方されている痛み止めで十分と言い張った。体中に浮腫みも出ていて、よく歩行器も杖も無しで一人で散歩に行けたなぁと思うほどだった。話を聞くと、これ以上一人での生活はできないこととホスピスケアを受けていることもあり、娘さん家族と一緒にすむために引っ越しを考えていたそう。引っ越しをするには、長時間の車での移動か飛行機に乗らねばならず、それに耐えられるくらいの状態にはしておきたいとの思いで、リハビリをかね散歩にでかけたと話してくれた。最近病状も安定していていよいよ引っ越しが実現させられそうだったから、余計に張り切って体力をつけようと思ったそう。その矢先の転倒。「大丈夫」「痛みもない、どこも痛くない」「今また入院するわけにはいかない」「病院にもクリニックにも行きたくない」と繰り返し、どうしても引っ越しをして娘家族と一緒に住みたいという思いがひしひしと伝わってきた。
患者さんの飲んでいる薬の中に一つ血液を固まりにくくするものがあり、どう対応するかで困った。実はすでに左足に血栓があり、そのために飲んでいたものだが転んでしまった今、万が一脳内や他の臓器で出血があった場合とてもよくない。意識もはっきりしているし、頭痛や吐き気などもなくバイタルサインも患者さんの平均値だったので、現時点では大丈夫だろう。しかし「病院にも医者にも行きたくない」と言い張るのでどうしようもない。主治医に電話すると、「今すぐ病院に連れてこい」とすごい剣幕で怒られてしまった。でも患者さんが拒否している以上それもできない。その旨を伝え、薬をどうするか聞くと「検査しなきゃ判断できるわけがないでしょう!私の指示に従えないならホスピスケアの医者に任せる!」と言って電話を切られてしまった。患者さんは、長年みてもらってきたこの韓国人の主治医にNYにいる間は最後までケアを任せたいと切望した。主治医をホスピス専属のアメリカ人医師に変えるのも嫌だと。そりゃあ言葉も文化もまったく違う医師よりは、言葉も通じる同じ国出身の医師に最後まで診てもらいたいと思うのは当然だと思った。今まで築いてきた信頼関係や安心感に雲泥の差があるのは言うまでもない。問題なのは、患者さんの主治医は在宅ホスピスケアの概念というか知識、理解がなさそうなことだった。自分の主治医が「ホスピスケアならもう自分のところでは診られない」と言い出すものだから、患者さんは見放されたような気持ちになってしまう。安心感がものすごく重要な医療の現場で、この対応には正直私自身も動揺した。安心感も患者さんの尊厳もあったもんじゃない。
在宅でのホスピスケアはそこが難しい。この後、ホスピス専属の医師に電話で指示を仰ぐと、今日明日は薬を止めて在宅での血液検査をして、それから決めようということになった。もちろん、薬を一旦止めることで血栓が原因で死にいたるリスクもあり、万が一目に見えない臓器で出血している場合には薬をとり続けることで死にいたるリスクもあり、難しい判断ではある。それを患者さんにも説明したが、患者さんは依然として在宅を望んだ。そしてできるだけ早いうちに家族と一緒に住みたいと繰り返した。
そうだよね、家族と一緒にいたいよね、一人じゃ寂しいよね、一人で死にたくないよね。この患者さんは、毎日一人でご飯をたべて、時間を過ごし、自分の身体の痛みや変わりゆく状態、死という未体験に向き合っている。それはとても辛いことなのだ。娘や孫がいる中で暮らせたら、気持ち的にもどんなに楽だろう。患者さんにとってどんなに有意義な時間になるだろう。たとえ長年住み慣れた街や友達から離れる事になっても、今患者さんが一番望むのは家族の存在。私はぜひこの引っ越しを実現させたいと強く思った。そんな一心で担当チームへのレポートを書く。
わがままとは違う、その人が望む安心やささやかな幸せはその人が決めていい。そしてそれは人と違っていいし、違って当たり前なんだ。社会や医療や文化やいろいろなものが、「こうでなければならない」となりがちだけど、結果がどうなっても本人が自ら望んで納得して決めたことであればどんな選択をしてもきっと後悔はないのでは。その選択が現実的に可能かどうかはまた別問題ではあるけれど。周りがどこまでサポートできるか、それがこっちの仕事だ。そんなことを考えながら患者さんのアパートを後にした。

 

わかばま〜く:プロフィール 1982年生まれ。ニューヨーク州立大学卒業後、ニューヨーク市立病院に看護師として4年勤務。現在は訪問看護師としてホスピスケアに携わっている。岐阜県各務原市出身。


vol.187 ぎむきょーるーむ フクシマを見つめ続けた医師のお話

 

 

フクシマを見つめ続け た医師のお話
〜健やかなる 明日のために〜

小児科医師 山田 真氏

やまだまこと プロフィール
1941年6月22日岐阜県美濃市生まれ 小児科医。「父親は軍医。父親の転勤で福岡に移ったが、父はさらに満州に転属となり、母と子は美濃に戻り、以後そこで育った。岐阜県立岐阜高等学校卒、1967年東京大学医学部を卒業後、東京都八王子市の八王子中央診療所に勤務、その後同診療所理事長。障害児の子ども(梅村涼)があり、この子の父親であり、小児科医でもある1人の人間として、世間の能力主義や優生思想に対して積極的に反対の意見表明を続けている。雑誌「ちいさい・おおきい・よわい・つよい」(ジャパンマシニスト社)の編集者の1人を勤めている。

11月25日(日)各務原中央ライフデザインセンターで
行われた、山田真さんの講演会。質疑応答では若い人の
切実な問題が浮き彫りにされました。以下要約です。

社会運動のきっかけとなった事件

私は小児科医ですが、フクシマの事故が起って何かしなきゃいけないだろうと思っていました。
1955年に起った森永ヒ素ミルク中毒事件。生まれて一歳にもならない赤ちゃんが、推定で2万人くらいがそのヒ素ミルクを飲んで、百数十人が亡くなくなりました。その被害者の人たちが一時はもう全員治ってなかったことにされそうだったのですが、14年目に大阪で一人の学校の先生が、後遺症で苦しんでいる人が今もたくさんいるということを報告されて、それ以降、森永への運動が始まりました。それが私の最初の公害や反対運動などに関わるきっかけでした。
フクシマには2011年6月に行ったのが最初でした。東京からフクシマにボランティアで行っていた女性から「フクシマの子どもたちの様子を診に来てほしい」と声かけがあって。各地に避難している人たち、特に自主避難をした人たちはほとんど情報が断たれ、フクシマがどうなっているかということが全くわからないという状態でした。私はフクシマに行く時には線量計を持って行きます。避難している人たちは、本当にどれくらいの線量があるのか知りたいけれど一般的に流されている情報はもう信じられないと。
子どもたちの健康状態を不安に思っている親さんは沢山います。福島市内のかかりつけの医者へ行っても「心配のしすぎ、何ともないよ」と言われ相手にしてもらえない。だけどそれで安心できる状態ではないので、「もう少し丁寧に診てもらいたい」というのが親さんたちの希望でした。最初は400人以上の人が相談に来ましたが、2回目の8月には激減して、30~40人くらいしか来ない。しかもなんかコソコソ来るという感じで、報道関係の人に来られたら困るとも言うんです。ものすごく強力な戒厳令状態というか、ものが言えない地域になっている事がわかり、これはここに来ないといけないと思ったんです。
当時フクシマの渡利地区の人たちが、「すごく線量が高いので強制避難地域に指定してほしい」と運動していました。渡利は、阿武隈川の対岸に福島市役所がある福島市の中心的なところ。そこが線量が高いという事になれば福島市全体が線量が高いという事で、20万人規模の人たちを避難させなければならない。同時に強制避難地域だと莫大な賠償金を払わなければいけないだろう、ということもありフクシマは完全に押さえられた状態だったと思います。土壌を調べても表面は減ってはいても染み込んだ深いところで測ればかなりの線量になると言われています。セシウムの半減期は30年くらい。そうするとチェルノブイリの時に飛んで来たセシウムでさえまだ日本に残っていることになります。学校も、グランドの真ん中の方はもう除染されてきれいになっていますが、そこでかき出した土は袋に詰めて校庭の周りに並べてある。プールも問題になりました。プールは水が大丈夫だからって解禁されましたが、実際はプールサイドのコンクリートの部分があぶない。お母さんたちが「せめてプールサイドを歩く時にはサンダルを履いて歩くようにしてほしい」と言っても、安全なんだからそういう余計なことは考えるなって話しです。今、特に福島市は復興に向けてのフェスティバルばかり。本当にものが言えない状態になっています。

これまで何が出来なかったのか、本当は何を知らなければいけないのか。

フクシマで甲状腺がんが増えているかどうかというには比較をしないといけない。これは時系列での比較と地域別の比較とがあります。例えば2005年の地域での甲状腺がんの発生率の資料があって、2011年以降の甲状腺がんの発生率と比較することで、どのくらい増えたかと言える。ところが甲状腺がんについては、今みたいな形で超音波、エコーを使っての調査はほとんどされてない。
私は東京で、フクシマから避難して来ている人たちの健康相談をしています。自主避難の人たちは特別辛い思いをしています。原発事故によって地域的な分断とか、家族間の分断とかいろんなことが起りました。特に自主避難の人たちについては、実際に非常に線量の高いところから逃げているにもかかわらず、一般的には本当は大したことないところから逃げたんだと思われて。フクシマに残ってる人たちも決して安心しているわけではないけど、「もうここに住むしかない」ということだったらいい情報の方を信じよう、悪い情報は考えないようにしよう、そうするしかもう生きていけない。だからもうお互い言わない事にしようっていう、そういう自主規制が働いている中で、逃げる人たちは困るわけですよね。お母さんは、子どもたちが住める状態じゃないと思って逃げようと思うが、じいちゃんばあちゃんは大した事ないんだから逃げる事ないんじゃないかって言う。その間に挟まったお父さんは何も言えない。嫁さんと子どもで避難をして、そうするとお父さんが甲斐性なしってことになるし、近所からもお前の力がないから逃げられたんじゃないか、と言われるわけで、非常に辛い思いをしています。
学校では、子どもたちがいじめられると言う例もたくさんありました。学校でもキチンとした放射能教育がされない。文科省が「放射能は怖くない」という副読本を作って学校に配ったこともありました。それに対して福島県の教職員組合がちゃんとした副読本を作ったんですが、ほとんど使われる事はありませんでした。実際に学校の先生たちに聞いてみても、文科省から配られたのを使わないことで抵抗をしているという事で、放射能については触れないというような形で終わってしまったようです。
で、これで終わりになってしまうとすると、私たちは一体何を学んで来たのかと思います。どうも私たちは原爆を受けた時から、一年に一度追悼式典みたいなものをやる、ということで忘れないと言うけれど、日常的に、あの被害を二度と起こさないという形では憶えて来なかったと思います。今回の事故についても二度と起こさないという話しにはなかなかなってこないというのが残念な事だと思いますね。

ちょっとヨウ素についてお話しします。

今日「安定ヨウ素剤」を持ってきましたのでお土産に差し上げたいと思います。これは甲状腺を守るためのものです。
ヨーロッパでは、みんなが買って家に備えておけるものですが、日本ではそうなっていません。
原発が壊れると100種類くらいの放射性物質が飛び出すといわれます。中でも一番多いのが放射性のセシウムと放射性のヨウ素。自然界にあるのは安定ヨウ素で毒性がなく、昆布などに含まれていて、私たちの体に入るとほとんどが甲状腺に吸収されます。ここでヨウ素を材料にして甲状腺ホルモンが作られます。だからヨウ素を取り入れる事は大事なんですね。ですが、原発が壊れると放射性のヨウ素がそこから飛び出してきます。これが空中や汚染された食べ物や飲み物から体に入ってきます。甲状腺が自然のヨウ素でいっぱいになっていると隙間がありませんから、放射性ヨウ素は甲状腺に入り込めません。ですが隙間があるとそこに放射性のヨウ素が入り込み、これがのちのち甲状腺がんや何かになることがありますから、とりあえずここを一杯にしておくということが大事です。
私はこの安定ヨウ素剤を財布に入れて持ち歩いています。今回の大震災の時、私も家に帰れなくて診療所に泊まりました。家に置いておくと肝心なときに役に立ちませんので持ち歩くしかありません。とにかく事故が起ったら指示を待ってないで、勝手に飲んじゃっていいです。副作用はゼロと言っていいです。
これは1回に大人が2錠、13歳以下は1錠飲みます。以前にレントゲンを撮るときにヨウ素剤を使って何か大きな副作用が起ったという人やめる。また、妊娠している人は気をつけてほしいですが、それ以外の人は飲んでも大丈夫です。本来はこんなものは使わなくてもいいように、原発がなくなるのが第一ですが、現実に稼働しているし福島第一原発は壊れた後も放射能は漏れ続けているのです。
自分たちを守る事と、行政に「風化させない事」を求める気持ちを含めてこれを持ち歩いてほしいし、いろんな地域で自主配布会ができるといいと思います。薬を配るのは医療行為だとかクレームがつくといけないので、私たち医者も何人かが立ち会って配布をしています。
小さい子どもが一番被害を受ける訳ですから、こういう話しの集まりには、子どもを持ったお父さんお母さんが来てくださるといいんですけどね。ただ、こういうお話会をやれば少し若い方にもわかってもらえるだろうし、私たちがいろいろやってきたことを引き継いでもらえることにもなると思うので、そんな事を考えていただければと思います。

質疑応答
Q:全国各地に保養プログラムと呼ばれる活動があります。先生はその保養というこについてどう思ってらっしゃいますか?
A:精神的なプラスみたいなものが非常に大きいと思います。放射能で被害を受けてということとは別に心が慰められる場所として保養を使ってらっしゃるということはあると思います。本当は国や東電がやるべきことを代わりにやってきたという感じがして、それはかえって国だとか東電を楽にさせたんじゃないか、本来やることをこっちが代わってやったわけですから、というすごく残念な思いありますが。
Q:今日はヨウ素剤をぜひ手にいれたくて来ました。この国は子どもは国の宝というものの大事な宝物の命を粗末にして、お金の方が大事な国なんだなってすごく思います。子どもの心のケアとか親ごさんたちの心の手当なんかはどんな情報があるのかなって先生にお聞きしたいです。
A:フクシマの事故だけではなくて、例えば学校で子どもが殺されたとか、いじめがあって自殺したとか、いろんなことがあるとわりとすぐ心のケアと言って心理の専門家なんかが行くんですが、あれはあんまりいいことかどうかわかりません。結局余計な事を考えない方がいいよ、という不安にならないようにするのがケアだと・・・。でも不安になるはしょうがないことです。心のケアはとても難しいです。東京都がメンタルをサポートしようと精神科医をフクシマに派遣しています。私の友人がそのリーダーになるからフクシマの話しを聞きたいというので私は話しをしました。そうして彼はフクシマに行ったんですが彼に相談した人に聞くと、彼はずっと泣いていたそうです。行って何も言えないでフクシマの人たちの話しを聞いて泣いていた。泣くしかないんだな、と思いました。彼には「われわれが出来る事はできれば彼らがそこに住まなくてもいい状態になれるように頑張る事で、なんか医療の領域ではないんじゃないか」言ったんですけど。私たちができることは一緒に泣く事しかないのかなって思ってます。


vol.187 夢か悪夢かリニアが通る!vol.16

2025年の大阪万博開催が決まりました。東京五輪(2020年)、リニア中央新幹線品川ー名古屋開業(2027年、あくまで予定)との3点セットは、高度成長期の東海道新幹線、東京五輪、大阪万博をほうふつとさせます。1970年の大阪万博のテーマは「人類の進歩と調和」。私たちはあれから、進歩し調和してきたのでしょうか。進歩の象徴とされるリニア工事が引き起こしている不調和と向き合うたび、首を傾げざるを得ません。     ジャーナリスト・井澤宏明

 

痛めつけられ 失われ

惜別の市民散策会
リニア神奈川県駅が建設される予定の神奈川県立相原高校(相模原市)。連載5回目で紹介したこの学校は来春の移転が決まってしまいました。11月10日には最後の市民散策会が開かれ、約80人の参加者が別れを惜しみました。
10ヘクタールを超える広大な敷地に約150種類の木々が植えられている校内は、市民が通り抜けできる憩いの場。生徒が育てる牛、豚、ヤギやポニーは子どもたちの人気者です。
散策会は19年前から、市民団体「教育と緑ある橋本の町づくりを考える会」が開いてきました。最終回の案内役を務めた安藤弘明さん(66)は元同校理科教師で会の発足メンバーです。「移転危機が何回もあり何とか持ちこたえてきたんですけど、とうとう移転することになってしまいました」。
土曜日にもかかわらず、この日も家畜をかいがいしく世話したり、大根を収穫したりする生徒の姿がありました。
会代表の浅賀きみ江さん(69)は1980年代、見知らぬ土地に引っ越してきて行く当てもなく、毎日のように子どもを連れて同校に通いました。「子育てをさせてもらった場所なので本当に残念。橋本の町の誇りだと思ってきました」。
リニア駅建設に伴い同校跡地は再開発の対象となり、のどかな風景は一変します。移転先は約2㌔離れた職業能力開発総合大学校跡地。駅からバスで約30分かかります。

埋めがたい隔たり
南アルプストンネル掘削により、「大井川の流量が毎秒約2トン減る」とされる問題を巡り、JR東海とのにらみ合いが続いてきた静岡県。JR東海が「トンネルの湧き水全量を大井川に戻す」と方針を変えたことで、事態が動き始めました。11月21日には静岡県庁で、リニアに関する2つの会議が立て続けに開かれました。
先に開かれた有識者会議。JR東海がようやく公表した2トンの根拠を示す膨大なデータを検討した地質専門の委員は、垂直ボーリングが極端に少ないことなどを挙げ、「2トンの根拠は何もないことがはっきりした」と指摘しました。
続いて行われた環境保全連絡会議には、JR東海の担当者も出席。湧水を電動ポンプ6台で戻す計画について、水工学専門の委員が「恒久的という観点から疑問がある。何万年、何十万年という規模で検討してもらいたい」と迫りました。
これに対しJR東海の澤田尚夫部長は「リニアの構造物は50年、100年使っていく。JR東海がどこまで会社としてあるか分からないが、会社が続く限りメンテナンスと運営はやっていく」としか答えられず、埋めがたい意識の隔たりを感じさせました。
生態系専門の委員は「地下の湧水を川に戻すと、水質が違うために生態系が全滅状態になる」と危機感を訴えましたが、澤田部長は「どんなことを調べればいいのか」と逆質問する始末。
「あまりにもひどい」。難波喬司副知事が口をはさんだのは、大井川下流にある島田市の担当者がJR東海の説明に懸念を示したことに対し、「下流域への地下水の影響は考えにくい」とJR東海側が改めて説明した直後でした。副知事は「地下水に影響が出ているのに、『影響を及ぼすことはありません』と言うのが根本的な問題だ」と苦言を呈しました。
「ご理解を深めていただいたものと考えている」。会議後、取材陣に囲まれた澤田部長は、長野県を担当していたときと同じような独りよがりな発言を繰り返しました。
一方、国土交通省時代に公共事業を手がけた難波副知事は「事前にリスクを徹底的に小さくして、利水者の皆さんや自然環境を考えている方々が、『それぐらいだったら、やってもいいんじゃないか』というところまでリスクを落とさないと、(トンネル本坑に先立って掘削する)先進坑にはいけないと思っている」と、前のめりなJR東海の姿勢にくぎを刺しました。

 

 

開校当初に植えられた樹齢100年近いクスノキを見上げる参加者。幹に空洞が広がっているため移植できないと診断され、移転に伴い運命を終える(11月10日撮影)

広い農場で大根を収穫する生徒たち。後方のコスモス畑では、市民が思い思いに花を摘んでいた。


vol.187 ボーダーレス社会をめざして vol.46

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

 

声なき声

「その“あざ”どうしたの?」「たたかれた」「誰に?」話を聞いていると、働いている所でたたかれたようです。これは、私が入浴介助の仕事に入っている時の話です。テレビで、障がい者施設で暴力を振るわれている映像が流されたことがあります。遠い所で起きている事ではありません。身近にある話なのです。
一方的に聞いただけで、何が真実かは定かではありませんが、さっそく相談支援センター(介護保険のケアマネージャーに相当する相談員)に電話をしました。私には通報義務がありますし、暴力を受けたその方を守るためだからです。その相談員の方は、次の日にその人が行っている事業所をアポなしで訪問してくれました。強気でいたその事業所の方が、“あざ”の事を話すとおとなしくなったとか?その後、行政にも報告をしたそうです。近い将来その事業所は行政処分を受けるだろうと思います。
言っても分からないからたたく???平成24年には「障害者虐待防止法」という法律ができてからの対応としては、信じられません。時代錯誤としか思えません。障がいのある人は虐待されていても、虐待だと認識できない場合があるので、自分から被害として訴えられないことがあります。その障害者虐待防止法は、虐待に気付いた人は、行政の担当窓口への通報義務を謳っています。早めの対応や支援が、虐待されている人の問題の解決につながるからです。虐待防止法は、虐待によって障がい者の権利や尊厳がおびやかされることを防ぐ法律です。虐待例としては、身体的虐待・・・障がい者の体に傷や痛みを負わせる暴行を加えること。また正当な理由なく身動きが取れない状態にすること。
・性的虐待・・・障がい者に無理やり(また同意と見せかけ)わいせつなことをしたり、させたりすること。
・心理的虐待・・・障がい者を侮辱したり拒絶したりするような言葉や態度で、精神的な苦痛を与えること。
・放棄・放任(ネグレクト)・・・食事や入浴、洗濯、排せつなどの世話や介助をほとんどせず、障がい者の心身を衰弱させること。
経済的虐待・・・本人の同意なしに障がい者の財産や年金、賃金を使うこと。また障がい者に理由なく金銭を与えないことなど、たくさんの虐待例があります。 あってはならないことですが、現実にはある虐待です。声なき声をいかにすくい取るか、周りにいる人の務めだと思います。


vol.187 半農半Xという生き方 vol.28

簡略版自分史のススメ
いつか自分史を書いてみたい。そう思われる方もいらっしゃるかと思います。生まれてから今日までの長い人生を1冊にまとめることはなかなか大変なことです。生まれてからを順に書く方法もありますし、励んできた仕事を中心にまとめることもできます。簡単にできる方法として、おすすめしたいのが、自分はどんなキーワードで成り立っているか、AからZまでの26のキーワードでまとめる手法です。
短歌が趣味ならT(歌のUでも可)、山登りが好きならY(登山のTでもOK)、写真を撮るのが好きならSとなります(カメラのCでもよい)。座右の銘や本、影響を受けた人の名前や大事な場所(故郷など)も加えてください。
見本があればつくりやすいのではということで、私塩見直紀の26のキーワードと、それぞれに130字で説明文をつけた簡単なミニブックをつくってみました。現在、私は52才。今までの人生がコンパクトにまとまっていて、自分のことが8~9割、表現できていると思っています。みなさまもぜひチャレンジください。おすすめのワークです。

 

「村の目標(バッタリ―村憲章)」(岩手県久慈市)
この村は与えられた(①   )を生かし、
この地に住むことに(②   )を持ち、
ひとり(③   )何かをつくり、
(④   )の後を追い求めず、
(⑤   )の生活文化を(⑥   )の中から創造し、
集落の(⑦   )と(⑧   )の精神で、
(⑨   )を高めようとする村である。

過疎、高齢化等でこれからどうしたものかと
考えると、心細くなっていきます。とても心細いので、言葉が必要になり、村人がいまから30年ほど前に考えられたものだそうです。その後、この集落は注目を集めるようになり、生きざまがかっこいいと、若者がたくさん訪れるようになりました。筆者が担当する福知山公立大学の授業でこのことばを紹介すると、学生は同じように感じてくれるのです。世の中、捨てたものではないなと思います。

※空欄の答え=① 自然立地 ② 誇り ③ 芸 ④ 都会
⑤ 独自 ⑥ 伝統 ⑦ 共同
⑧ 和 ⑨ 生活

 

塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は翻訳されて、台湾、中国、韓国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。

※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題(どう生きるか)を背景と する。持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。ex.半農半漁、半農半大工、半農半看護師、半農半カフェ、 半農半絵描き、半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。


vol.187 菌ちゃん野菜応援団 vol.8

実りの秋

今年も畑はたくさんの命を生み出してくれました。
私たち畑のメンバーもお芋を掘ったり人参を間引きしたり。
そんな中でのひとこまをご紹介したいと思います。

我が家は段ボールコンポストをやっています。これは、食事で出た生ゴミが目の前で分解されていく様が見えるのでこどもの食育にもってこい。時々うちの息子も菌ちゃんたくさんだ。と言いながら混ぜてくれます。

ある時畑で数年繋いできた人参の間引きに連れていきました。
その時彼は幼稚園で袋から種を出して蒔いたことを覚えていたのでしょう。うちの畑も種を買えばいいのにといったんです。

私は買った種も良いけれど繋いだ種はその土地にとても合ってるから美味しいんだよ、野菜はみんな時期が来ると種を飛ばしてくれるから、それを大事にとっておくんだよ。と伝えました。
その時はピンと来なかった息子も畑で人参を抜き、種をつけたトマトやニラを見ておおいに納得。
「おかーさん、種があるね!これがまた来年芽を出すんだね!!」と大興奮。その後も野菜を見るたびにこれに種はある?種はどこにできるの?ときき、ミカンを食べて種を見つけると「これは捨てないで植えるんだよね?」と宝物を見つけたかのように報告してくれます。出た生ゴミはもちろんコンポスト。命が循環してお野菜の力になるとわかったんですね。

こんなに素敵な食育があるかしら、と私もそのたびに感動。
こうやって子どもは命の繋がりを体得して優しい子に育っていくのかもしれませんね。


vol.187 未来に続く暮しの学び vol.29

方向性の確認

山あり谷ありのPARADISE ONE での生活。数か月前から市役所と書類のやりとりでかなり繁雑な作業が続いています。何をするにも、申請、許可、申告書、企画書。もちろんルールに従ってやっていくことは、必要なこと。しかし、あまりの煩雑さに、自分たちのやりたいこと、共有したいこと<持続可能な暮らしプロジェクト>はここではできないのかと、あきらめかけていました。ただただ、書類の申請に振り回されている時間が長すぎて、自分たちのしたいことは許可が下りないのかもしれないと、不安になったり、どうしたらいいのか、悶々とした日々を過ごしていていたからです。
でも、これはきっと、自分たちのやり方を変える必要があるのではないかと頭を切り替えることにしました。不平不満を言葉にしても、何もプラスにはならない。誰もハッピーになれない。だとしたら、これはなにかの示唆・・・と考えや思いをチェンジしたのです。
市役所から言われることは、ルールに他ならない。どうしたらルールに基づき問題と思われる部分を解決できるか。ここの運営面でなにを変えるべきなのか、経済面も含めて立て直しを必要とされていたのかなと思います。同時に、自分たちが本当にやりたいこと、作りあげたいことは何なのかを、問いただすいい機会となりました。
メンテナンスなど経済的負担をビジネス意識を持ってまかなわなければという焦りに似た気持ち・・・集客して稼がなければという思いに駆られてスタッフ間もぎくしゃくしてきたのも事実です。しかし、自分たちの最初の熱い思いを忘れかけていたことに気づく機会にもなりました。自分たちが求める方向性に、常にポジティブに歩いていけるか。それを問われたようにも感じます。

持続可能な暮らしが私たちのテーマ、そしてその方法を模索していくこと。畑と食卓がリンクすること。生活をクリエイトし楽しむこと。それらを、かかわってくれる人たちと、どのように共有したらいいか。また、運営者として、どう発信したらいいか。基本に立ち返ることが出来たのは、市役所との折衝、書類の煩雑さというハードルの高さでした。ハードルは自分たちが作っていたのだとさえ思えるようになりました。
真に法をもって自分自身を正す。自分自身の生きようとする力を信じることが大事だと思いました。
まだ、課題は残っていますが、日々のここでの生活を感謝しつつ、リサーチを重ね企画を練って続けていこうと思います。 YAO