vol.194 しょうがいをみつめる vol.5

新生活、新年度に向けて  私の“トリセツ” 作ってみませんか?

 2015年頃から結婚式の余興のネタとして根強く人気のある トリセツ(取扱説明書)。この“トリセツ”が発達障害を周囲の人に理解してもらう手立てとして有効だと、近年広まりを見せています。新しい職場、新しいクラス…と環境の変わるこの時期に“トリセツ”を作ってみませんか?“トリセツ”を活用して、 互いの理解を深め、助け合える社会を自ら創造していきませんか?

“トリセツ”の作り方

1、困りごとは、何ですか?
 まずは、あなたやお子さんの「困り事、助けてほしいところ」に気付くことから始まります。

困りごとの例を挙げるとすれば
・自分から人に話しかけるのが苦手
・急な予定の変更にすぐに対応できない
・じっとしていることが苦手
・うっかりミスが多い、大事な場面でもうっかりミスをする
・視覚、聴覚、嗅覚などの感覚が敏感、または鈍感・・・などがあります。

2、困りごとの対策とお願い

①「自分(家庭)ができる対策」と
②「周囲(職場・学校)にお願いしたいこと」
を書き出してみましょう。
“トリセツ”は、職場や学校に限らず【子育て】の困りごと、【介護する】困りごと、【介護される】困りごとなど、【】の中が変われば家族間で、又はサービスを提供する受ける関係で有効に活用することができます。
 “トリセツ”を一から作るのは難しそうだなと思う方は、こちらから印刷して使える“トリセツ”もあります。参考にしてみてはいかがでしょうか。(my-torisetsu.pdf)

発達障害や自分の特徴を

「~ができない」「~が悪い」「~を頑張れない」
と、自分を責めるのではなく
「~ができないから、…の方法を選択する」
と、嗜好性の違い(好みの違い)だと捉えて、自ら周りに提案してみてはいかがでしょうか?

 周りの人はあなたを責めているわけではなく、あなたの特徴や嗜好性を知らず、どのように接していいのかわからないことが多いと思います。周囲に伝える時には、一方的に「絶対にこうしてほしい!」ではなく、「こんな風に接してほしいのですが、どんな方法があるか一緒に考えてもらえませんか」というように、相手にも同じ足並みで考えてもらえるように伝えてみると、周囲も受け入れやすいと思います。
また実際にやってみてうまく行かない時には、他の方法に「変えていく」ことも事前に伝えておくと、信頼関係を築きやすいと思います。わたしの生きやすい社会は、他の誰かにとっても、生きやすい社会になります。
 2020年度は、わたしの“トリセツ”作りをきっかけに、『わたし』を発信してみませんか?