vol.191 続・ゲノム編集

前号で特集した「ゲノム編集」は大きな反響を呼びました。
新聞でも相次いで取り上げられ、その安全性が問われています。河田昌東さんは「食」や「環境」の安全を脅かすのではと危惧されています。また、cas9を発見したカルフォルニア大学のジェニファー・ダウトナーさんは開発した瞬間に「これは核兵器と一緒だと思った。
いいことばかりではない。化学者だけでは決められない。社会一般の人も含めて、この技術をどうするのか決めて欲しい。国際的に共有し基準を作成したい」と述べたそうです。私たちも引き続き、関心を持ちできることからアクションを起こしたいと思います。その一つとして、署名があります。右のページをコピーして拡散お願いします。

ゲノム編集食品とは? なにが問題?

Q.ゲノム編集って何?

 ゲノムとは、すべての DNA のことをいいます。DNA にはすべての遺伝子がありますから、すべての 遺伝子といってもいいと思います。ヒトゲノムというと人間の遺伝子全体を指します。そのゲノムを自 由自在に編集できることから「ゲノム編集」と名付けられました。

Q.ゲノム編集で何ができるの?

 ゲノム編集は、基本は目的とする遺伝子の働きを壊す技 術です。生命体はバランスや調和で成り立っています。体 を大きくする遺伝子がある一方で、あまり大きくなり過ぎ ないように抑制する遺伝子があります。大きくする遺伝子 を壊すと、小さいままの動物が誕生しますが、中国ではす でにマイクロ豚がペットとして販売されています。逆に抑制する遺伝子を壊すと、成長が早く肉の多い 魚や家畜が誕生します。これもすでに市場化が間近な状態にあります。

Q.どのようにして遺伝子を壊すの?

 ゲノム編集では、「CRISPR-Cas9(クリスパー・キャス・ナイン)」と呼ばれる手段が使われます。 これは壊す遺伝子への案内役であるガイド RNA と、DNA を切断して遺伝子を壊すハサミの役割を果た す制限酵素が組み合わさったものです。この仕組みを利用すると簡単に目的の遺伝子を壊せます。ゲノ ム編集では壊した遺伝子の代わりに新たな遺伝子を挿入することも可能です。ネズミの皮膚の遺伝子を 壊し、人間の皮膚を作る遺伝子を挿入すれば、正確な組み換えが可能になります。

Q.ゲノム編集の問題点とは?

 ゲノム編集技術は DNA を切断するという粗っぽい方法で、生命体の最も大事な遺伝子を壊します。 壊してよい遺伝子などありません。生命の操作が拡大しています。このままでは自然の調和が壊れてし まいます。さらに遺伝子を壊した際に、目的外の遺伝子を壊す「オフターゲット」が必ず起きます。そ れが重要な遺伝子を壊せば、その生命体にとって大きな影響が出るだけでなく、環境や食の安全にも影 響してきます。さらにはゲノム編集した細胞と通常の細胞が入り乱れる「モザイク」も起きます。これ も環境や食の安全に影響が出かねない問題です。とても安全とは言えない技術です。

 米国では、2015 年から除草剤耐性ナタネが、2018 年からは高オレイン酸大豆が栽培・収穫さ れ、流通を始めました。他にもさまざまなゲノム編集作物の研究・開発が進んでいます。このまま では、ゲノム編集技術を応用した作物や家畜が私たちの食卓に登場することになりそうです。

だから私たちはゲノム操作食品に反対します。
ぜひみなさんも声をあげ、署名にご協力ください。

遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
特定非営利活動法人 日本消費者連盟                         署名を集めた用紙は下記の住所にお送りください。

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